(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226747
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】堅く密封された単回用量剤パッケージング
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20171030BHJP
A61J 1/00 20060101ALI20171030BHJP
B65B 9/02 20060101ALI20171030BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20171030BHJP
B65D 65/26 20060101ALI20171030BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20171030BHJP
B65D 75/30 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
B65D75/58
A61J1/00 Z
B65B9/02
B65D33/00 C
B65D65/26
B65D65/40 D
B65D75/30
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-545106(P2013-545106)
(86)(22)【出願日】2011年12月21日
(65)【公表番号】特表2014-506857(P2014-506857A)
(43)【公表日】2014年3月20日
(86)【国際出願番号】EP2011006459
(87)【国際公開番号】WO2012084216
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年11月6日
【審判番号】不服2016-15107(P2016-15107/J1)
【審判請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】61/460,022
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・クルム
【合議体】
【審判長】
高木 彰
【審判官】
熊倉 強
【審判官】
二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/091813(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
A61J 1/00
B65B 9/02
B65D 33/00
B65D 65/26
B65D 65/40
B65D 75/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方が他方の上面上に横たわるように配置され、製品を含有するパウチの上面及び下面を形成する、2つの包装材料要素を含む、完全に取り囲みかつ連続的なシーリング面を有する引き裂き開封式シールドエッジパウチの形態にある、経皮治療システム用又はフィルム形状投与形態用の単回用量剤パッケージであって、
− 少なくとも1つの包装材料要素が、少なくとも三層構造を有する引き裂き抵抗フィルムラミネートであり、包装材料要素の少なくとも1つの層が金属層である、
− 少なくとも三層のフィルムラミネートの引き裂き抵抗層が、パッケージを形成する2つの相互連結包装材料要素において測定して、より弱い方向における最小引き裂き抵抗が50Nである、異方性引き裂き抵抗を有するプラスチックで構成される、
− 単回用量剤パッケージが、シーリング領域中にあり、パッケージの縁部に接触せず、かつ配向プラスチックのより弱い引き裂き抵抗の方向に延びる、線形脆弱部を有する、及び
− シーリング面が剥離可能でない
ことを特徴とする、単回用量剤パッケージ。
【請求項2】
プラスチックが、一軸配向であり、そして好ましくはポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートを含む群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項3】
シーリング面用のプラスチックが、活性物質に関して不活性である高ガス不透過性プラスチック、特に、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、アクリロニトリル・ブタジエンのコポリマー、ポリクロロ−フルオロエチレン(PCTFE)・シクロオレフィンコポリマーのフィルムを含む群より選択され、ここで、シーリング面の層厚さが、10〜100μm、好ましくは10〜50μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項4】
脆弱線が、包装材料要素のフィルムラミネートの外層のレーザーアブレーションによって作製されるか、又は切れ目又はパーフォレーションであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項5】
脆弱線が、2〜10mm、好ましくは3〜7mm、特に好ましくは4mmの長さを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項6】
脆弱線が、シーリング面から5mm未満、好ましくは3mm未満、特に好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満の距離で平行して延びることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項7】
第1及び第2包装材料要素が同一の構造を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項8】
引き裂き伝播抵抗が10N未満であり、引き裂き抵抗対引き裂き伝播抵抗の比が、2つの相互連結包装材料要素の引き裂き抵抗及び引き裂き伝播抵抗に対して、20:1〜200:1の範囲内、特に好ましくは50:1〜150:1の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項9】
中に包装された包装製品が、用具なしでは小児がアクセス可能でなく、特に、DIN EN 14375及び/又はASTM D3475−03aに従ってチャイルドプルーフであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項10】
パッケージが、製品収容領域において製品用のポジションリストリクタを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージを製造するための方法であって、以下の:
− 異方性引き裂き抵抗を有するプラスチックから作製された引き裂き抵抗層を含む、少なくとも三層構造を有する第1包装材料ウェブを備え付ける工程;
− 第2包装材料ウェブを備え付ける工程;
− 2つの包装材料ウェブの一方の上に包装製品を配置する工程;
− 全ての面において密封され、かつ包装製品を収容する区画を各包装製品について形成するように、2つの包装材料ウェブを重ねて連結する工程で、この区画の1つ又は複数の縁部で2つの包装材料要素を解放不可能なように互いに連結する工程;
− 異方性引き裂き抵抗プラスチック層のより弱い引き裂き抵抗の方向に少なくとも1つの脆弱線を設ける工程であって、脆弱線がシーリング面を通してのみ延びる、該工程;
− シーリング面の領域中の包装材料ウェブのウェブ方向に対して横方向に延びる線に沿う切れ目又はパーフォレーションによって、連続するパッケージユニットを個々に仕切る工程;
を含む、方法。
【請求項12】
脆弱線をレーザーアブレーション又はレーザースコアリングによって作製することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1及び第2フィルムラミネートを少なくとも3つの層で構築し、脆弱線を互いに正反対に配置することを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
包装材料ウェブを、シーリングシーム又はシーリング面によって、特にシーリングワニスを使用して、相互連結することを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
経皮治療システムの包装又はフィルム形状投与形態の包装のための、請求項1〜10の
いずれか1項に記載の単回用量剤パッケージの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム形状投与形態及び経皮治療システム(TTS)のための高度に不透過性の単回用量剤パッケージに関し、この単回用量剤パッケージは、封入された投与形態中の活性物質に関して実質的に不活性であるが、依然として用具なしで容易に開封することができ、それにもかかわらずチャイルドプルーフである。
【0002】
本発明はまた、材料の節約使用によって区別される、本発明に従う単回用量剤パッケージを製造するための方法、及びまた該単回用量剤パッケージの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
医薬用のパッケージは多数の作業を行わなければならない。一方では、単回用量剤として、パッケージは、例えば、特定の用量のみが一度に常に服用されること、及び1を超える用量の服用が回避されることを確実にするように意図される。他方では、パッケージは、故意にではなく服用するか又は自分自身へ投与するようには医薬が小児にアクセス可能でないことを確実にするように意図される。
【0004】
医薬用のこの種の安全なパッケージの設計における特定の問題は、一方では、パッケージが、特に、好奇心にかられて、パッケージを開封し、活性物質の悪味及び/又は悪臭をマスクするためにしばしば着色され芳香を付けられている医薬を菓子又は他の甘味食品と混同し、それらを服用するか、又は含有される経皮治療システムを遊びに使う、小児による、故意でない自己投薬に対して最大の安全性を提供するように意図されることである。
【0005】
他方では、しかし、パッケージの開封は、成人、特に、高齢者及び運動障害を有する人が、これらのパッケージを何の問題もなく開封できることを確実にするために、及び医薬の服用における十分な順守を確実にするために、十分に容易であるように意図される。
【0006】
上述の問題の性質から予想されるように、これらの目的を達成するための解決は困難であるようであり、何故ならば、小児は、多大な忍耐、創意及び直観でパッケージを開封するという作業にしばしばアプローチし、一方、成人利用者は、説明書又は説明用絵文字の研究をしばしば怠り、パッケージを開封するためにナイフ又ははさみを不必要に用い、又は、最悪の場合、これらの道具が手元にない場合はパッケージの開封が困難であるために薬剤を服用せず、その結果、患者コンプライアンスが守られないためである。
【0007】
フィルム形状投与形態及び経皮治療システム用の単回用量剤パッケージに関するさらなる問題は、単回用量剤の表面積が、錠剤又は坐剤などの他の投与形態と比較して活性物質含有量に関して非常に大きく、曲げたり折ったりすることによって縮小できないことである。
【0008】
従って、フィルムのサイズはパッケージのサイズを決定する。さらに、既に議論したフィルム感受性のために、機械的負荷へ供することができそして多くとも気体及び湿気の僅かな透過を許容する、高価なハイバリアフィルムの使用が、投与形態の必要な保護を保証するために必要とされる。
【0009】
これは、大きな表面の投与形態の上面及び下面の両方がフィルムで覆われなければならず、このことは、材料の点で高い経費を必要とし、そして高価なフィルムの結果、高い包装コストをもたらし、このことは、単回用量剤のコストを著しく増加させ、包装コスト対製品コストの非常に不利な比率をもたらし得るという欠点を有する。特に、チャイルドプルーフパッケージは、それらをチャイルドプルーフにするために材料の点で追加の経費をしばしば必要とすることが、ここで注意されるべきである。
【0010】
さらに、単回用量剤パッケージが、活性物質分解及び従って医薬使用不可をしばしばもたらす、光及び湿気などの環境の影響から医薬を保護するように単に意図されないという事実に、特定の問題がある。代わりに、単回用量剤パッケージはまた、それらの中に包装された投与形態が内部コーティングと相互作用し、この層中への活性物質の拡散及び移行の結果としての活性物質含有量及び従って薬剤の効能を低下させないことを確実にしなければならない。フィルム型調製物の特定の場合において、単回用量剤パッケージの内部接触層の不活性の局面は、コーティング及び投与形態の大きな接触面のために、特に注目するに値する。
【0011】
フィルムの選択から生じるさらなる局面はまた、大きな接触面のために、内部コーティングの成分が投与形態中へ拡散し得、例えば経口投与形態の場合、味に影響を与え得るか又は健康に危険をもたらし得ることである。経皮投与形態において、可塑剤が投与形態中へ入り、そしてそれらの様々な作用様式のために、さらに例えば皮膚を通っての活性物質の透過率を変化させる可能性がある。
【0012】
開封が容易であるがチャイルドプルーフであるパッケージについての以下の提案が、先行技術から公知である。
【0013】
特許文献1は、健康に有害な製品用の再び閉じることのできないパッケージを開示しており、このパッケージは、2つの重ねられた包装材料要素である、第1表面部分及び第2表面部分を有し、第1表面部分の縁部で2つの包装材料要素が互いへ解放可能なように結合されており、包装製品を収容するために全ての面において囲まれている少なくとも1つのキャビティーが2つの包装材料要素の間に形成されており、第2表面部分は、第1表面部分の外側にあるか又はそれに隣接し、その縁部で2つの包装材料要素は互いへ解放可能なように結合されている。2つの包装材料要素のうちの少なくとも1つに、第2表面部分内を通り包装材料要素が引き裂かれることを可能にする少なくとも1つの構造物が提供されている。
【0014】
特許文献2は、1つ又はそれ以上の用量の医薬用の可剥性パウチを記載しており、ここで、包装材料の2つのウェブが、縁部で互いの上へシールされており、シールされた縁部の領域において、パウチが引き裂かれることを可能にし折り目によって交差されている表面構造が提供されている。パウチの縁部は、表層構造で引き裂かれ開封され得るために、折り目に沿って曲げられなければならない。
【0015】
特許文献3は、活性物質を含有するフィルム用のチャイルドプルーフパッケージを記載しており、このパッケージは、解放可能なように後者へ結合された最上層及びキャリア層、並びに対の配置で、ブリッジピースによって互いから離れている2つの向かい合っている表面領域を含み、その中で最上層はキャリア層へ接続されておらず、この結果として、互いに離れており全ての面において囲まれている2つの空間が、上記フィルムを対で収容するために形成されている。上記ブリッジピース内に、キャリア層が最上層へ接続されていない別の表面領域が存在し、その結果として、全ての面において囲まれているキャビティーが形成されている。ブリッジピース内に、少なくとも1つのパーフォレーション線が存在する。
【0016】
このアプローチの欠点は、チャイルドプルーフパッケージが包装用の対のフィルム(フィルム形状投与形態)によってのみ得られることである。一方の投与形態を露出するためにチャイルドプルーフ安全機能を開封することは、他方の投与形態を化学的にシールされた様式で依然として包装された状態のままにするが、チャイルドプルーフ安全機能はもはや利用可能ではない。この点で、特許文献3に従うパッケージの使用は、第1単回用量剤の服用と第2単回用量剤の服用との間隔が長すぎない場合にのみ適切である。
【0017】
上述の解決法は全て共通して、2つの層、即ち、パッケージの上面及び下面は、投与形態を露出するために互いから容易に分離可能(可剥性)でなければならないという問題を有する。
【0018】
層のこの可剥性(peelability)を達成するために、3〜20 Nの剥離力を有する良好な剥離挙動を有する、ポリオレフィン、例えばポリエチレンに基づくシーリング層が一般的に使用される。しかし、この材料の選択の欠点は、外部表面とは対照的に、シーリング効果を増加させるために、さらなる層、例えば金属層をさらに提供することができないシーリングシームが、高度の水蒸気不透過性を有さないことである。
【0019】
従って、単回用量剤パッケージの最小水蒸気透過性は、シール材料の選択によって制限される。
【0020】
さらに、単回用量剤パッケージの内層を形成し製品に接触するのはまた、これらのまさしくそのシーリング面であり、従って、シーリング面の材料は、包装製品と適合性であるべきであり、製品に関して理想的には不活性である。
【0021】
しかし、ポリオレフィンフィルムは、具体的には、活性物質の移行に関してしばしば不活性でなく、その結果、保管期間の間に、活性物質がパッケージ中へ移行し、従って医薬から抜き出されるという欠点を有する。
【0022】
使用の点で、シーリングシーム強度はまた、シールされたポリマーが、溶接可能でない他の助剤の組み込みによって弱められるという事実によって通常弱められる。副作用として、これらの助剤はまた、水蒸気及び酸素などの気体についてのシーリングシーム不透過性の減少を生じさせ、これは、パッケージの貯蔵安定性を害し、吸湿性製品の吸水、並びに酸素感受性製品の分解の増加に起因する問題へ至り得る。
【0023】
シーリングシーム不透過性及び活性物質の移行の問題を解決するために、様々な解決法、例えば、製品に接触する不活性層/接触層の使用が、先行技術において提案されている。これらのパッケージはもはや可剥性ではないので、それらは、引き裂きが切り込みで開始されることを可能にする切込みをつけられた周縁を有する。
【0024】
しかし、これらのパッケージはチャイルドプルーフではなく、具体的にはフィルム形状投与形態のパッケージングにおいて、包装製品が制御不能な引き裂きプロフィールによって損傷されるという危険性が存在し、従って、利用者がパッケージを開封する際に極端な注意を払わなければならない。
【0025】
さらなる問題は、チャイルドプルーフパッケージを製造するための材料消費が、「剥離」のためのグリッピング補助物として役立つ非密封部分の存在をパッケージの開封が必要とするという事実によってしばしばさらに増加することであり、グリッピング補助物の最小サイズは構造条件によって制限される。
【0026】
従って、フィルムが物理化学的(例えば、光、湿気、酸素)及び機械的負荷に対して敏感に反応するために、フィルム型医薬/投与形態のチャイルドプルーフパッケージングは特定の課題を示す。個々のフィルム形状投与形態のパッケージングが個々に包装された製品の保護についての要件をたとえ満たしたとしても、それがかなりの量の材料を使用することを必要とし、対応のパッケージが比較的徐々にしか製造することができないために、それは現実的な実施において非常に高価であるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】公開特許出願DE 10 2004 047 445 A1
【特許文献2】公開特許出願US 2006/0023976 A1
【特許文献3】公開特許出願DE 10 2006 041 921 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
従って、本発明の目的は、開封するのが容易であるがそれにもかかわらずチャイルドプルーフであり、単回用量剤当たりの包装材料の消費を最小限にし、接触層中への投与形態からの活性物質の移行に関して又は、逆に、投与形態中への接触層の成分の移行に関して不活性である、高度に不透過性の個々のパッケージを利用可能にすることである。
【0029】
特に、本発明の目的は、フィルム形状投与形態用及びまた経皮治療システム(TTS)用のチャイルドプルーフ単回用量剤パッケージを利用可能にすることである。
【0030】
本発明に従う単回用量剤パッケージを製造するための方法を利用可能にすることも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記目的は、本発明の請求項1に従う単回用量剤パッケージによって、及び、密封された単回用量剤を製造するための、請求項11に従う、対応の方法によって、達成される。
【0032】
本発明の単回用量剤パッケージは、完全に取り囲んでおりかつ連続的な、即ち、途切れのない、非可剥性シーリング面を有する、引き裂き開封式シールドエッジパウチ(tear-open sealed-edge pouch)であり、ここで、シールドエッジパウチの上面及び下面は、一方が他方の上面上に横たわるように配置されており、包装製品を収容するためのシートを形成している、2つの包装材料要素によって形成されており、ここで、引き裂き抵抗を決定する包装材料要素の少なくとも1つの層は、異方性引き裂き抵抗を有し、好ましくは一軸配向されている。
【0033】
本発明はシーリングシームが可剥性であることをもはや必要としないので、高度に不活性なシーリング材料を使用することができ、これは、今度は、包装製品の貯蔵寿命に対して有利な効果を有する。
【0034】
シーリング面は、好ましくは、パッケージの外部境界を形成し、その結果、「剥離」によるパウチの可能な開封、即ち、互いから又は隣接するラミネート層からシーリングシームを解放することによるパウチの開封のためのグリッピング手段は全く存在しない。このようにして、実際には可剥性ではない弱められたシーリングシームによってパウチを開封することも防止される。
【0035】
パッケージへの要求のために、本発明に従う単回用量剤パッケージを製造するための包装材料要素は、好ましくは、多層構造を有する。単回用量剤パッケージに要求される高度の不透過性を確実にするために、包装材料要素の少なくとも1つの層が金属層であることが特に好ましい。
【0036】
さらに、少なくとも1つの包装材料要素は、少なくとも三層構造を有するフィルムラミネートであり、その最外層、即ち、製品から離れて向いている層は、50 Nの最小引き裂き抵抗を有し、その結果、助けなしで単にそれを引き裂くことによっては、パッケージを開封することは可能でない。
【0037】
少なくとも3つのプリエ(plie)を有するこの第1包装材料層の高度の引き裂き抵抗のために、より低い引き裂き抵抗を有するより手頃な価格のフィルムラミネートが、コストを節約するために、第2包装材料要素として場合により使用され得る。しかし、パッケージの上面及び下面について又は第1及び第2包装材料層として同一の包装材料要素を使用することが好ましい。
【0038】
三層を超える構造の場合、さらなる層が、引き裂き抵抗を決定する層上に配置/積層され得る。
【0039】
ラミネートの引き裂き抵抗層及び非可剥性シーリングシームのためにパッケージが手で開封することができない、追加の助けなしでのパッケージの制御開封を確実にするために、引き裂き抵抗を決定する層は、異方性引き裂き抵抗ポリマー、例えば一軸配向ポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)から構成され、ここで、一つの方向での引き裂き伝播が好まれるように、異方性引き裂き抵抗は適切な構成によって達成される。パッケージは、パッケージの縁部に接触しない、線形脆弱部(脆弱線)を、シーリング領域にさらに有する。この脆弱線は、切り込み、パーフォレーション、又は当業者に公知でありパッケージング要素のさらなる引き裂きを可能にする引き裂き抵抗層の別の適切な種類の脆弱化であり得る。
【0040】
脆弱線は、包装製品から離れて向けらた、フィルムラミネートの外部異方性引き裂き抵抗ポリマー層を、除去するか又は厚みを顕著に減少させることによって好ましくは作製され、その結果、引き裂き抵抗は減少し、フィルムラミネートの最外引き裂き抵抗層のこの減少又は除去は、レーザーアブレーション又はレーザースコアリングによって行われる。
【0041】
しかし、脆弱線を与えるために外層の特定の機械的除去又は化学的エッチング若しくは溶解などの他の方法も考えられる。
【0042】
同一の引き裂き抵抗包装材料要素を使用する場合、互いの直接上に横たわる脆弱線が、単回用量剤パッケージの両側に提供される。ラミネートの最外層にのみ脆弱線を形成する利点は、高ガス不透過性金属層が損傷されず、湿気及び酸素からの包装製品の最大保護が従って可能となることである。
【0043】
脆弱線でのパッケージ中の引き裂きを開始することによって、異方性引き裂き抵抗層のさらなる引き裂きが可能である。従って、追加の助けなしでパッケージを開封することができる。脆弱線が異方性引き裂き抵抗ポリマーのより低い引き裂き抵抗の方向に沿って広がるように、脆弱線は配置されており、この方向でさらなる引き裂きが可能である。引き裂き抵抗を決定する層の定められた配向は、さらなる引き裂きを可能にするだけでなく、それはまた引き裂きプロフィールを決定し、その結果、製品収容領域中の製品への損傷が回避される。延伸ポリマー層の配向は引き裂きプロフィールを制御し、最初の脆弱線の配向と比べての引き裂きプロフィールの最大側方偏位は、±2mm、好ましくは±1mmである。引き裂きは、脆弱線のシールド領域から隣接しているアンシールド製品収容領域へ広がり、シーリング面からの平行プロフィールでの引き裂きの距離は、5mm未満、好ましくは3mm未満、特に好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である。
【0044】
この小さな偏位のために、開封の間に損傷されないことを保証するために製品が存在するべきでないパッケージの安全領域は、相応して制限され得、パッケージのために必要とされる材料の量が最小限にされ得る。
【0045】
本発明に従う実施態様において、脆弱線の開始部分はパッケージの周縁に接触していないため、脆弱線の開始部分を露出させるためにパッケージは先ず曲げられなければならず、これに沿ってパッケージは引き裂き開封され得、これは引き裂きプロフィールを予め決定する。これは、僅かに拡大したシーリング領域のみを必要とし、ここに脆弱線が配置され得、これは、脆弱線を露出させるためにそれに対して直角に曲げられ得る。
【0046】
この二段階作業工程は成人によって容易に行われ得るが、それは小児には明白ではない。
【0047】
従って、特に好ましい実施態様において、最外引き裂き抵抗層のみが、脆弱線に関して直角に延びる確認された曲げ領域と水平に(level with)除去され、その結果、さらに、個々のパッケージにおいて、小児の興味を刺激して小児にパッケージを開封させようとし得る明白な切り込みが見られ得ない。
【0048】
製品、例えば散剤の取り出しを可能にするためにパッケージの角のみが除去されなければならないパウチを製造するための一実施態様において、異方性引き裂き抵抗ポリマーは、支持ウェブに関する延伸方向に対してある角度で、好ましくは45°で、積層され、その結果、引き裂き方向はパッケージの縁部と平行ではなく、角が露出される。この実施態様において、脆弱線は、矢頭の形態に形成され、その結果、曲げられた後、矢頭の2つの枝は互いに重なるようになり、パウチが引き裂かれることを可能にする。
【0049】
包装製品が引き裂き領域中へシフトすることを回避するために、単回用量剤パッケージの別の実施態様は、製品収容領域中の製品のためのポジションリストリクタを有し、これらのポジションリストリクタはヒートシーリングによって好ましくは作製される。ポジションリストリクタは、上部フィルム層と下部フィルム層の間の狭い連結ブリッジとして、あるいはまた平面構造物、例えば縁部に配置された三角形としても設計され得る。
【0050】
ポジションリストリクタの配置に関して、パッケージが開封された後にそれらが製品の取り出しを妨害してはいけないことが注意されるべきである。
【0051】
脆弱線を確認しパッケージの開封をより容易にするために、脆弱線及び/又は曲げ線は、例えば、カラーマーキングによって又は他の通常の確認手段によって確認され得る。
【0052】
本発明のシールドエッジパウチは、一方が他方の上に横たわるように配置された2つの包装材料要素、即ち、第1包装材料要素及び第2包装材料要素から構成され、ここで、包装材料要素の少なくとも1つは、異方性引き裂き抵抗ポリマー、特に一軸配向ポリマーから作製された引き裂き抵抗層を含む。
【0053】
シールドエッジパウチを製造するための包装材料は、好ましくは、気体及び湿気について低い透過率を有する包装材料である。
【0054】
包装材料が行わなければならない様々な機能を想定するために、少なくとも三層構造を有する包装材料が特によく適しており、この場合、包装材料の個々のプリエ又は層は一緒に結合されて、好ましくはラミネート形態の、複合物を形成する。包装材料の個々の層は、本発明の目的を達成するために必須である1つ又はそれ以上の機能を想定する。
【0055】
本発明によれば、包装材料要素の少なくとも1つの層、好ましくは最外層は、高い異方性引き裂き抵抗によって区別される。この層は、追加の用具なしでは手で破壊することができない。しかし、所定の脆弱点にて作製された既存の引き裂きが延長され得、引き裂き伝播が、より弱い引き裂き抵抗の方向で、即ち、ポリマーの配向方向で、達成され得、その結果、さらなる引き裂きが手でそして助けなしに可能である。
【0056】
一軸配向を有する適切な組成のPP層又はPET層が好ましい。このような層は、特に好ましくは、10〜100μm、好ましくは20〜50μm、特に好ましくは12〜25μmの層厚みを有する一軸配向ポリエチレンテレフタレート層又はポリプロピレン層である。しかし、当業者によく知られておりかつ異方性引き裂き抵抗を有する他の材料もまた、適切な層厚みで使用され得る。これらの材料は、好ましくは、一軸延伸によって製造されている。
【0057】
外層はまた、好ましくは印刷され得、その結果、例えば、製品識別及び引き裂き開封示唆が提供され得る。
【0058】
第2層、又は三層構造の場合は中間層は、9〜25μmの厚みを有する金属フィルム、好ましくはアルミニウムから構成される。この金属層は、湿気及び空気に関してパッケージの不透過性を提供する。
【0059】
内層はシール可能なプラスチック層であり、この層によって作製されたシーリングシームが再び開封されることは可能でない。
【0060】
ラミネートの結合は好ましくはヒートシーリングによって行われるが、それはまた、解放可能でないシーリングシームが得られる限り、任意の他の適切なシーリング法、例えば、コールドシーリング、超音波シーリング、レーザーシーリング、又は当業者に公知の同等のフィルム溶接法によって行われ得る。
【0061】
シーリングシーム又はシーリング面は、好ましくは0.1 mm〜10cmの幅、特に好ましくは1mm〜2cmの幅、非常に特に好ましくは2mm〜8mmの幅を有し、それらは、好ましくは、包装材料要素の全長及び全幅に広がる。特に露出されるポイントで、例えば曲げることを可能にし脆弱線を露出させるために、シーリングシーム幅はより長い場合がある。他方では、パッケージの開封をこの位置でさらにより困難にするために、シーリングシームの少なくとも1つは、他方のシーリングシームよりも強くかつより幅広くされ得る。
【0062】
シーリング面のプラスチックとして、当業者に公知の材料、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、Barex(登録商標)(BP Chemicals;アクリロニトリル・ブタジエンのコポリマー)、Surlyn(登録商標)、Aclar
TM (Honeywell;ポリクロロフルオロエチレン [PCTFE]のハイバリアフィルム)及びTopas(登録商標)-COC (Ticona;シクロオレフィンコポリマーフィルム)が使用され得、層厚みは、通常、10〜100μm、好ましくは10〜50μmであり、特に適切なプラスチックは、高度に不透過性であり、包装された投与形態の活性物質に関して不活性に振る舞い、及び/又は活性物質を僅かにしか吸着しないものである。
【0063】
包装材料要素としての使用のための特に好ましいハイバリアフィルムラミネートは、Barex(登録商標)層(20〜40μm)、アルミニウムフィルム(9〜25μm)及びPET層(10〜30μm)から構成される。
【0064】
多層フィルムラミネートの厚みは、好ましくは35〜300μm、特に好ましくは50〜200μmの範囲内にある。
【0065】
包装材料の引き裂き抵抗及び引き裂き伝播抵抗は、引き裂き試験用のサンプルホルダー(型番号00740)を使用する公知の引張試験機によって測定され得る(例えば、FRANK Prufgerate GmbH, 69488 Birkenau, Germanyから入手可能)。
【0066】
包装材料のより弱い異方性引き裂き抵抗は、パッケージを形成する2つの相互連結包装材料要素において測定して、少なくとも50 N、好ましくは少なくとも60 N、特に好ましくは少なくとも70 Nである。
【0067】
異なるフィルムラミネートが第1及び第2包装材料要素として使用される場合、第2フィルムラミネートの最小引き裂き性(tearability)は、第1フィルムラミネートのそれよりも低く、好ましくは10 N〜50 Nの範囲内、特に好ましくは20 N〜40 Nの範囲内にある。
【0068】
異方性包装材料のより弱い引き裂き伝播抵抗は低すぎてはいけなく、何故ならば、包装製品の適切な保護が、その場合はもはや保証することができず、パッケージが故意にでなく開封される及び/又は包装製品が損傷される危険性が存在するためである。これは簡単な試験によって測定され得る。包装材料のより弱い引き裂き伝播抵抗は、パッケージを形成する2つの相互連結包装材料要素において測定して、好ましくは10 N未満である。
【0069】
包装材料のさらなる引き裂きを可能にする又はより容易にするために、引き裂き抵抗は、引き裂き伝播抵抗の倍数である。引き裂き抵抗対引き裂き伝播抵抗の比は、2つの相互連結包装材料要素の引き裂き抵抗及び引き裂き伝播抵抗に関連して、好ましくは、50:1〜150:1の範囲内にある。
【0070】
本発明に従う単回用量剤パッケージを、図を参照して下記により詳細に説明する。図は、本発明を説明するために役立つに過ぎず、示されるものに本発明を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】上部の縁部中に配置された脆弱領域を有する、平面図での本発明に従う単回用量剤パッケージの好ましい実施態様を示す。
【
図2】ポジションリストリクタを有する単回用量剤パッケージを示す。
【
図3】ウェイストフリー製造における対で連結された単回用量剤パッケージのストリップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明に従うパッケージ(1)は、2つの重ねられた包装材料要素を含むシールドエッジパウチであり、その一方の包装材料要素は上層を形成し、他方の包装材料要素は下層を形成し、その間に製品(5)、好ましくは経皮治療システム又はフィルム形状投与形態が配置されている。剥離可能でない周囲の連続的なシーリング縁部(3)によって製品(5)が囲まれるように、2つの包装材料要素は互いの上へシールされている。これによって、全ての面が閉じられており製品(5)が含有されている製品収容領域(4)がもたらされる。
【0073】
シールドエッジパウチ(1)は、フロントボーダー(8)、リアボーダー(9)、及び2つの好ましくは平行なサイドボーダー(10, 10')を有する。
【0074】
さらに、シールドエッジパウチは、脆弱線(20)を有し、この方向に包装材料要素が引き裂き開封され得る。
【0075】
さらに、
図2中のシールドエッジパウチは、引き裂き領域中への製品のシフトを防止する、ポジションリストリクタ(35, 35')を有する。
【0076】
パッケージを引き裂き開封するための脆弱線がチャイルドプルーフ安全機能を克服することによってのみ露出され得るという事実のために、パッケージはチャイルドプルーフにされている。この安全機能は、脆弱線が縁部まで延びておらず、場合により事前に定められ得る曲げ線に沿ってパッケージを曲げることによって脆弱線の開始部が露出された後にのみ、包装材料要素の他の点では引き裂き抵抗性の材料が引き裂き開封され得、製品が取り出され得るという事実に起因する。
【0077】
包装材料の引き裂き抵抗のために、パッケージが他の領域において手で引き裂かれることが不可能である。
【0078】
本発明によれば、包装材料を引き裂くための脆弱線は、パッケージの縁部に接触するべきではなく、その結果、この構造を通りぬけるラインに沿って、例えばラインA−A'(
図1)に沿って、パッケージが折られる場合にのみ、この構造は、引き裂きのための脆弱領域の開始部を露出させる。
【0079】
包装材料要素が引き裂かれることを可能にする上記脆弱線は、例えば第2包装材料要素がより低い引き裂き抵抗を有する場合、2つの包装材料要素のうちの1つに、又は両方の包装材料要素に存在し得、最後に記載した実施態様が好ましい。この場合、包装材料を引き裂くための脆弱線は、両方の包装材料要素中に一致して配置される。しかし、脆弱線はまた、切れ目又はパーフォレーションであり得る。
【0080】
異方性引き裂き抵抗性のかつ特に一軸配向のポリマーフィルムを含む包装材料と、脆弱線と、チャイルドプルーフ安全機能の設計との、本発明に従う、組み合わせによって、少なくとも2つの工程の順序付けられた順序によってのみそれが開封され得るように、パッケージを設計することが可能である:
(i) ラインに沿ってパッケージを折り又は曲げ、それによってパッケージを引き裂くための脆弱化構造がアクセス可能となる工程;
(ii) そのとき縁部に位置する脆弱化構造にてパッケージを引き裂き、この構造の方向に沿ってさらに引き裂く工程。
【0081】
この取り扱いは、特に脆弱線が容易には識別可能でないために、小児にとって、特に幼児にとって、かなりの困難を伴い、好ましい実施態様において、材料の僅かな除去のみがあり、切り込みはない。しかし、成人にとって、何の問題もなく、用具の助けなしに、それは可能である。特に好ましい実施態様において、単回用量剤パッケージは、DIN EN 14375及び/又はASTM D3475-03aに従ってチャイルドプルーフである。
【0082】
本発明はまた、経皮治療システム又はフィルム形状投与形態用の単回用量剤パッケージを製造するための方法に関する。この方法は、公知の方法と比較して特に材料節減であるという事実によって区別される。
【0083】
可剥性シールが存在せず、パッケージは直接脆弱線に沿って引き裂かれるために、DE 10 2004 047 445 A1から公知であるような、グリッピング補助物などを露出させる追加の表面が、チャイルドプルーフパッケージのために必要とされない。個々のパッケージは互いに対して直接位置し、包装製品のサイズを超える、追加の材料消費は、シーリング面の厚みによってのみ、ある実施態様においては、突起及びポジションリストリクタによって、引き起こされる。同様に、複雑な外形によってもたらされる切れ端はない。従って、本発明に従う単回用量剤パッケージは、包装材料を浪費することなく製造することができる。
【0084】
前述の請求項のいずれか1項に記載の単回用量剤パッケージを製造するための方法は、以下の工程を含む:
− 少なくとも三層構造を有する第1包装材料ウェブを備え付ける工程であって、包装材料ウェブが異方性引き裂き抵抗性のかつ好ましくは一軸配向のポリマーから作製された引き裂き抵抗層を含む、工程;
− 第2包装材料ウェブを備え付ける工程;
− 2つの包装材料ウェブの一方の上に包装製品を配置する工程;
− 全ての面において密封され、かつ包装製品を収容する区画を各包装製品について形成するように、2つの包装材料ウェブを重ねて結合する工程であって、この区画の縁部で2つの包装材料要素を解放不可能なように互いに連結する工程;
− 多層フィルムラミネートの最外引き裂き抵抗フィルム層の切り込み、パーフォレーション又は除去によって少なくとも1つの脆弱線を設ける工程であって、しかし脆弱線がパッケージの縁部に接触しない工程;
− シーリング面の領域中の包装材料ウェブのウェブ方向に対して横方向に延びる線に沿う切れ目又はパーフォレーションによって、連続するパッケージユニットを個々に仕切る工程。
【0085】
上記に示される方法工程の順序は義務的ではなく;例えば、包装材料を引き裂くための脆弱線はまた、より後の工程でのみ提供され得る。
【0086】
包装材料要素間の解放不可能な結合は、好ましくは、50℃〜200℃、特に100℃〜200℃の範囲内の温度でのヒートシーリングによって作製される。しかし、2つの包装材料ウェブ間の解放不可能な結合はまた、他のヒートシーリング又はコールドシーリング法、例えば、超音波シーリング、レーザーシーリングなどによって作製され得る。
【0087】
パッケージは、例えば、ロータリーシーリング機における連続生産によってストリップストックから効率的に製造され得る。
【0088】
好ましい実施態様において、脆弱線は、製造の間、レーザーアブレーション又はレーザースコアリングによって得られ、引き裂き抵抗フィルムラミネートが第1及び第2包装材料要素のために使用される場合、脆弱線は、互いに正反対にかつ一致して提供される。
【0089】
別の実施態様において、ポジションリストリクタは、好ましくはヒートシーリングによって、製品収容領域中に配置される。
【0090】
図3に従う特に好ましい実施態様において、個々のパッケージは、ウェイストフリーストリップ(waste-free strip)(40)として製造され、パッケージの対が形成される。
【0091】
パッケージの対の状態の2つの単回用量剤パッケージは、タブを介して点対称で結合される。
【0092】
本発明はさらに、経皮治療システム用又はフィルム形状投与形態の包装のための上述の単回用量剤パッケージの使用に関する。