(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2方向に対して垂直に前記第1半導体領域および前記第4半導体領域を切断した切断面を見た場合に、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域は、絶縁層によって囲まれている請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体素子。
第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、前記第2半導体領域の上に設けられ、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電形の第3半導体領域と、前記第2半導体領域の上および前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第3半導体領域に接続された第2電極と、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域、および前記第3半導体領域に、第1絶縁膜を介して接する第3電極と、前記第1半導体領域に第1方向において並ぶ第1導電形の第4半導体領域と、前記第4半導体領域の上に設けられた第2導電形の第5半導体領域と、前記第5半導体領域の上に設けられ、前記第4半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電形の第6半導体領域と、前記第5半導体領域の上および前記第6半導体領域の上に設けられ、前記第6半導体領域に接続された第5電極と、前記第4半導体領域、前記第5半導体領域、および前記第6半導体領域に、第2絶縁膜を介して接する第6電極と、前記第1半導体領域と前記第4半導体領域との間に設けられ、前記第2電極または前記第5電極に電気的に接続された第7電極と、前記第1半導体領域、前記第4半導体領域、および前記第7電極の下側に設けられ、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域に連なる第1導電形の半導体層と、を有する構造体を準備する工程と、
前記構造体から前記半導体層を除去し、前記構造体から前記第7電極の下端を露出させる工程と、
前記構造体の下側に、前記第7電極の前記下端に接続された第1電極を形成する工程と、
を備え、
前記第1電極を形成する工程の後に、前記第2電極と前記第4電極との間を接続する容量素子部を形成し、
前記容量素子部に含まれる誘電体を、前記第1電極または前記第4電極の下側に配置する、半導体素子の製造方法。
第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、前記第2半導体領域の上に設けられ、前記第1半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電形の第3半導体領域と、前記第2半導体領域の上および前記第3半導体領域の上に設けられ、前記第3半導体領域に接続された第2電極と、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域、および前記第3半導体領域に、第1絶縁膜を介して接する第3電極と、前記第1半導体領域に第1方向において並ぶ第1導電形の第4半導体領域と、前記第4半導体領域の上に設けられた第2導電形の第5半導体領域と、前記第5半導体領域の上に設けられ、前記第4半導体領域よりも不純物濃度が高い第1導電形の第6半導体領域と、前記第5半導体領域の上および前記第6半導体領域の上に設けられ、前記第6半導体領域に接続された第5電極と、前記第4半導体領域、前記第5半導体領域、および前記第6半導体領域に、第2絶縁膜を介して接する第6電極と、前記第1半導体領域と前記第4半導体領域との間に設けられ、前記第2電極または前記第5電極に電気的に接続された第7電極と、前記第1半導体領域、前記第4半導体領域、および前記第7電極の下側に設けられ、前記第1半導体領域および前記第4半導体領域に連なる第1導電形の半導体層と、を有する構造体を準備する工程と、
前記構造体から前記半導体層を除去し、前記構造体から前記第7電極の下端を露出させる工程と、
前記構造体の下側に、前記第7電極の前記下端に接続された第1電極を形成する工程と、
を備え、
前記第1電極を形成する工程の後に、前記第2電極と前記第4電極との間を接続する容量素子部を形成し、
前記容量素子部に含まれる誘電体を、前記第1方向において、前記第1半導体領域または前記第4半導体領域の横に配置する、半導体素子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態に係る半導体装置を表す模式的断面図であり、
図1(b)は、第1実施形態に係る半導体装置を表す模式的平面図である。
図1(a)には、
図1(b)のA−B線に沿った断面が表されている。
【0009】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置の内部構造を表す模式的断面図である。
【0010】
第1実施形態に係る半導体装置1は、電子回路の一例としてインバータ回路を形成することができる。半導体装置1は、半導体モジュールとも称される。半導体装置1は、Y方向に配列された2つの半導体素子100を有する。2つの半導体素子100のそれぞれは、トランジスタ部TR1(第1トランジスタ部)と、トランジスタ部TR2(第2トランジスタ部)と、を有する。
【0011】
トランジスタ部TR1とトランジスタ部TR2とは、例えば、同じ構造のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を有している。
図2中の破線で囲う部分は、トランジスタ部TR1(又はTR2)に含まれるMOSFETの最小単位(ユニットセル)である。
【0012】
まず、
図2を用いて、トランジスタ部TR1(又はTR2)に含まれるMOSFETについて説明する。
【0013】
トランジスタ部TR1においては、ドレイン電極10A(第1電極)の上方にソース電極11A(第2電極)が設けられている。ソース電極11Aとドレイン電極10Aとの間には、n形(第1導電形)のドリフト領域20A(第1半導体領域)が設けられている。ドリフト領域20Aとドレイン電極10Aとの間には、n
+形のバッファ領域25Aが設けられている。バッファ領域25Aの不純物濃度は、ドリフト領域20Aの不純物濃度よりも高い。
【0014】
ドリフト領域20Aとソース電極11Aとの間には、p形(第2導電形)のベース領域30A(第2半導体領域)が設けられている。ベース領域30Aとソース電極11Aとの間には、n
+形のソース領域40A(第3半導体領域)が設けられている。ソース領域40Aの不純物濃度は、ドリフト領域20Aの不純物濃度よりも高い。ソース領域40Aは、ソース電極11Aに接続されている。
【0015】
ベース領域30Aとソース電極11Aとの間には、p
+形のコンタクト領域41Aが設けられている。コンタクト領域41Aの不純物濃度は、ベース領域30Aの不純物濃度よりも高い。ソース領域40Aは、ソース電極11Aに接続されている。
【0016】
第1実施形態では、ドリフト領域20A、バッファ領域25A、ベース領域30A、ソース領域40A、およびコンタクト領域41Aを含む層を、半導体含有層60Aとする。半導体含有層60Aは、ドレイン電極10Aとソース電極11Aとの間に設けられている。
【0017】
ドリフト領域20A、ベース領域30A、およびソース領域40Aには、ゲート絶縁膜51A(第1絶縁膜)を介してゲート電極50A(第3電極)が接している。
【0018】
ユニットセルUCは、トランジスタ部TR1内に複数存在している。ソース電極11Aとドレイン電極10Aとの間に、数A〜数100Aの電流を流すことができる。また、ベース領域30Aとドリフト領域20Aとによってpnダイオード(内蔵ダイオード)が構成されている。
【0019】
半導体素子100としては、プレーナ構造のゲート電極が例示されているが、トレンチゲート構造のゲート電極であってもよい。また、ドレイン電極10Aとバッファ領域25Aとの間に、p
+形の半導体領域を介在して、トランジスタ部TR1内にIGBTを構成してもよい。ただし、ここでは内蔵ダイオードを使うため、p形基板を使ったIGBTでは対応が難しい。例えば、n形MOSFETの基板の一部(MOSチャネル部分に対面している部分)にp
+層をイオンインプラなどにより形成した、内蔵ダイオードが働く形のIGBTを用いることができる。
【0020】
なお、トランジスタ部TR2においては、
図2に表されるドレイン電極10Aがドレイン電極10B(第4電極)になり、ソース電極11Aがソース電極11B(第5電極)になる。また、ドリフト領域20Aがドリフト領域20B(第4半導体領域)になり、バッファ領域25Aがバッファ領域25Bになり、ベース領域30Aがベース領域30B(第5半導体領域)になる。
【0021】
また、ソース領域40Aがソース領域40B(第6半導体領域)になり、コンタクト領域41Aがコンタクト領域41Bになる。また、ゲート絶縁膜51Aは、ゲート絶縁膜51B(第2絶縁膜)となり、ゲート電極50Aは、ゲート電極50B(第6電極)になる。また、ドリフト領域20B、バッファ領域25B、ベース領域30B、ソース領域40B、およびコンタクト領域41Bを含む層を、半導体含有層60Bとする。
【0022】
ユニットセルUCは、トランジスタ部TR2内にも複数存在する。ソース電極11Bとドレイン電極10Bとの間には、数A〜数100Aの電流を流すことができる。また、ベース領域30Bとドリフト領域20BとによってPNダイオード(内蔵ダイオード)が構成されている。
【0023】
なお、トランジスタ部TR1、TR2の半導体材は、例えば、SiC、Si等である。
【0024】
図1(a)および
図1(b)に表す半導体装置について説明する。なお、
図1(a)では、ゲート電極およびゲート絶縁膜の表示が略されている。
【0025】
上述したように、半導体装置1においては、2つの半導体素子100がX方向(第3方向)に並んでいる。2つの半導体素子100のそれぞれにおいて、ドレイン電極10Aとドレイン電極10Bとは、Y方向に並んでいる。ソース電極11Aとソース電極11Bとは、Y方向に並んでいる。
【0026】
半導体素子100においては、例えば、ドリフト領域20Aとドリフト領域20Bとの間に貫通電極120(第7電極)が設けられている。貫通電極120は、半導体含有層60Aと半導体含有層60Bとの間、およびソース電極11Aとソース電極11Bとの間に設けられている。換言すれば、貫通電極120は、トランジスタ部TR1とトランジスタ部TR2との間に設けられている。貫通電極120と半導体含有層60Aとの間、貫通電極120とソース電極11Aとの間、貫通電極120と半導体含有層60Bとの間、および貫通電極120とソース電極11Bとの間には、絶縁層123が設けられている。
【0027】
貫通電極120は、Y方向と交差するZ方向(第2方向)に延在している。貫通電極120は、電極121に接続されている。電極121は、ソース電極11Bに接続されている。つまり、貫通電極120と電極121とを含む接続領域122によって、ソース電極11Bとドレイン電極10Aとが電気的に接続されている。
【0028】
ソース電極11Aは、ソース電極11Aの上に設けられた電極111に接続されている。また、ソース電極11Aからドレイン電極10Aの側(但し、ドレイン電極10Aに接続するのではなく、後述するように接続領域112、容量領域(容量素子部203)を介してドレイン電極10Bに接続する。)に向かって別の貫通電極110(第8電極)が設けられている。貫通電極110は、貫通電極120とは反対側のトランジスタ部TR1の横に設けられている。貫通電極110は、ソース電極11Aに電気的に接続されている。貫通電極110は、Z方向に延在している。すなわち、電極111と貫通電極110とを含む接続領域112はソース電極11Aに接続され、この接続領域112がドレイン電極10Aの側に引き出されている。なお、貫通電極110と半導体含有層60Aとの間、貫通電極120とソース電極11Aとの間には、絶縁層113が設けられている。また、半導体含有層60Aの反対側にも絶縁層113が設けられている。
【0029】
ソース電極11Bとドレイン電極10Aとが接続領域122によって電気的に接続されている場合には、容量素子部203がソース電極11Aとドレイン電極10Bとの間に接続されている。例えば、容量素子部203は、電極200と電極201とを有し、電極200と電極201とに挟まれた誘電体202を有する。誘電体202は、例えば、高誘電体材を含む。誘電体202は、接続領域112を経由してソース電極11Aに電気的に接続されている。換言すれば、容量素子部203は、貫通電極110を介してソース電極11Aと、ドレイン電極10Bと、の間に接続されている。電極201は、ドレイン電極10Bに接続されている。
【0030】
図では、容量素子部203に含まれる誘電体202がドレイン電極10Aの下側に位置した状態が表されているが、誘電体202は、ドレイン電極10Bの下側に位置させてもよい。
【0031】
電極111からは電極端子である直流端子300Nが引き出され、電極201からは、電極端子である直流端子300Pが引き出されている。電極121からは、電極端子である交流端子300ACが引き出されている。交流端子300ACは、ソース電極11Bではなく、ドレイン電極10Aに電気的に接続してもよい。そして、半導体含有層60A、60B、ソース電極11A、11B、ドレイン電極10A、10Bは、絶縁層113、180、123、181、400によって被覆されている。
【0032】
また、貫通電極110、120、ソース電極11A、11B、およびドレイン電極10A、10Bが配置される位置は、図示された位置に限らず、X、Y方向において適宜変えることができる。
【0033】
また、Z方向に対して垂直にドリフト領域20A、20Bを切断した切断面を見た場合に、ドリフト領域20A、20Bは、絶縁層400、113によって囲まれている。
【0034】
なお、
図1(b)には、2つの半導体素子100の組が1チップ(半導体チップ)となった半導体装置1が例示されているが、半導体装置1は、この組を複数組、備えてもよい。
【0035】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置の等価回路図である。
図3には、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路が表されている。
【0036】
半導体装置1では、2つの半導体素子100がX方向に並んでいる。2つの半導体素子100のそれぞれにおいて、ソース電極11Aからソース電極11Bに向かう方向(または、ソース電極11Bからソース電極11Aに流れる電流経路の方向)は同じである。また、2つの半導体素子100のそれぞれにおいて、ドレイン電極10Aからドレイン電極10Bに向かう方向は同じである。
【0037】
2つの半導体素子100のそれぞれの直流端子300Nは共通化されて、1つの直流端子300Nとなっている。また、2つの半導体素子100のそれぞれの直流端子300Pは共通化されて、1つの直流端子300Pとなっている。
【0038】
外部配線から、直流端子300Nに負電位(第1極性の電位)を印加し、直流端子300Pに正電位(第2極性の電位)を印加し、トランジスタ部TR1、トランジスタ部TR2のスイッチング動作を適宜制御すると、2つの交流端子300ACの間で交流電圧が出力される。図中には、トランジスタ部TR1内、トランジスタ部TR2内に電流が流れる様子を矢印で表している。また、内蔵のpnダイオードは、還流ダイオードとして機能する。
【0039】
図4(a)〜
図4(c)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造過程を表す模式的平面図である。
【0040】
図4(a)に表す構造を形成する前に、
図1(a)に表した、ドリフト領域20A、ドリフト領域20Aの上に設けられたベース領域30A、ベース領域30Aの上に設けられたソース領域40Aおよびコンタクト領域41A、ソース領域40Aの上およびベース領域30Aの上に設けられたソース電極11A、ゲート絶縁膜51A、ゲート電極50A、ドリフト領域20B、ドリフト領域20Bの上に設けられたベース領域30B、ベース領域30Bの上に設けられたソース領域40Bおよびコンタクト領域41B、ソース領域40Bの上およびベース領域30Bの上に設けられたソース電極11B、ゲート絶縁膜51B、およびゲート電極50Bを有する構造体150を形成する。
【0041】
まず、構造体150を、
図4(a)に表すように、絶縁層400によって区分けする。ここでは、基板の表面から基板の途中までトレンチを堀り、そのトレンチの中に絶縁層400が埋められている。区分けされた積層体のX方向の幅は、例えば、2mm程度であり、Y方向の幅は、例えば、4mm程度である。絶縁層400が配置された領域は、ダイシングによって切断可能な領域でもある。なお、ダイシングを行う箇所の絶縁層400については、ダイシングによる絶縁層の損失量、チップ端となる絶縁層の耐圧を考慮して、絶縁層400を厚め(例えば、100μm〜1000μm)に形成する。また、ダイシングを行わない箇所の絶縁層400の膜厚については、例えば、50μm程度にする。
【0042】
次に、
図4(b)に表すように、構造体150に、フォトリソグラフィおよびRIE(Reactive Ion Etching)、イオンミリング等を用いてトレンチ115、125を形成する。トレンチ115、125のY方向における幅は、例えば、200μmである。
【0043】
次の製造過程を、
図4(b)の矢印Pで示す部分を拡大した
図4(c)に表す。
【0044】
トレンチ115の中には、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって絶縁層113を形成する。ここで、トレンチ115内が完全に絶縁層113で埋め込まれないように絶縁層113を形成する。つまり、絶縁層113によってトレンチ115の内壁が覆われる程度に絶縁層113を形成する。続いて、トレンチ115内に、絶縁層113を介して、貫通電極110を形成する。同様の方法でトレンチ125の中にも、絶縁層123、貫通電極120を形成する。絶縁層113、123のY方向の厚さは、例えば、50μmである。貫通電極110、120のY方向の厚さは、例えば、100μmである。貫通電極110、120は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)、めっき等で形成される。
【0045】
図5(a)〜
図5(c)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造過程を表す模式的断面図である。
【0046】
図5(a)に、
図4(c)のA−B線に沿った断面を表す。ここで、
図5(a)の上側を半導体装置の表面側、下側を裏面側とする。
【0047】
貫通電極120は、ソース電極11Bに接続されている。貫通電極110は、ソース電極11Aに接続されている。この段階では、ドリフト領域20A、20B、および貫通電極110、120の下側には、ドリフト領域20A、20Bに繋がっているn形の半導体層20が存在している。半導体層20は半導体基板であり、その材料がSiCの場合は、350μm程度の厚さがある。換言すれば、
図4(a)の前に、半導体基板としての半導体層20にウェーハプロセスが施され、半導体層20を含む構造体150が準備される。また、構造体150の上に、絶縁層181、レジスト層111r、121rを形成する。
【0048】
次に、
図5(b)に表すように、裏面研磨(例えば、化学的機会的研磨等)によって構造体150から半導体層20を除去する。これにより、貫通電極110、120の下端が構造体150から露出する。また、絶縁層400、113、123も露出する。絶縁層400、113、123のいずれかにおいては、後工程での露光工程における位置あわせ用マークとして利用することが可能である。
【0049】
また、半導体層20を除去した後、半導体含有層60A、60Bの裏面からn形不純物元素を注入して、半導体含有層60A、60Bのそれぞれの裏面側にバッファ領域25A、25Bをそれぞれ形成してもよい。
【0050】
次に、
図5(c)に表すように、構造体150の下側に、貫通電極120の下端に接続されるドレイン電極10Aを形成する。また、レジスト層111rを除去して、除去した位置に電極111を形成する。また、レジスト層121rを除去して、除去した位置に電極121を形成する。これにより、接続領域112、122が形成される。
【0051】
この後は、
図1(b)に表すように、容量素子部203をソース電極11Aとドレイン電極10Bとの間に接続する。容量素子部203に含まれる誘電体202は、ドレイン電極10Aまたはドレイン電極10Bの下側に配置される。
【0052】
ダイシング工程では、ダイシングする箇所を任意に選択することができる。つまり、1チップに2つの半導体素子100のみが含まれる半導体装置1を形成してもよく、1チップに2つの半導体素子100の組が複数存在する半導体装置1を形成してもよい。なお、1チップに2つの半導体素子100の組が複数存在する半導体装置1を形成する場合には、ダイシングの処理回数が減る分、製造コストが低減する。n形の半導体層20(半導体基板)は、例えばSiCであれば350μm程度の厚みを有する。その裏面側の一部(例えばSiCであれば100μm程度)を残して、トレンチ構造を掘り、そこに絶縁膜や金属膜(貫通電極)などを埋め込むことで、半導体基板を一体として扱い、種々の半導体プロセスを通すことが本実施形態で実施されている。
【0053】
図6は、第1実施形態に係る半導体素子内に流れる電流の様子を表す模式図である。
【0054】
半導体素子100内に流れる電流の様子を模式的に「ライン」で表す。ラインは、所々で折り曲げられている。また、電流が流れる向きを矢印で表す。
【0055】
半導体素子100では、トランジスタ部TR1およびトランジスタ部TR2がオン状態のとき、トランジスタ部TR2のドレイン電極10Bからソース電極11Bに流れる電流の方向Aと、貫通電極120を流れる電流の方向Bとの向きが互いに逆になる。また、トランジスタ部TR1のドレイン電極10Aからソース電極11Aに流れる電流の方向Dと、貫通電極110を流れる電流の方向Eとの向きが互いに逆になる。さらに、ドレイン電極10Aに流れる電流の方向Cと容量素子部203の電極200、203に流れる電流の方向Fの向きが互いに逆になる。
【0056】
これにより、方向Aの電流によって発生する磁束の方向と、方向Bの電流によって発生する磁束の方向と、が互いに打ち消し合う。また、方向Dの電流によって発生する磁束の方向と、方向Eの電流によって発生する磁束の方向と、が互いに打ち消し合う。さらに、方向Cの電流によって発生する磁束の方向と、方向Fの電流によって発生する磁束の方向と、が互いに打ち消し合う。
【0057】
つまり、半導体素子100内で、逆方向に向く磁束同士が打ち消し合い、半導体素子100内の寄生インダクタンスが低減する。これにより、半導体装置1の内部に発生する誘導電圧が低減する。
【0058】
また、半導体素子100では、貫通電極120を設け、ソース電極11Aからドレイン電極10Aに流れる電流経路が半導体含有層60Aと半導体含有層60Bとの間に位置するので、電流経路が短くなる。これにより、半導体素子の小型化が図れる。
【0059】
さらに、半導体素子100内の寄生インダクタンスが低減することにより、2つの半導体素子100に、磁気シールド機能を設ける必要もなくなる。
【0060】
また、第1実施形態によれば、ウェーハプロセスによって、個々の半導体素子100にトランジスタ部TR1、TR2、および容量素子部203、貫通電極110、120がモノリシックに形成される。また、個々の半導体素子100は、ウェーハプロセスによって、一様に形成でき、それぞれの特性ばらつきが低減する。
【0061】
また、第1実施形態によれば、ダイシングによって個片化した半導体装置1を支持基板上に並べることで、電子回路を形成することできる。従って、電子回路を形成する際には、その製造工程が簡便になる。また、個々の半導体装置1の特性ばらつきが低減することから電子回路の特性ばらつきが低減する。
【0062】
また、半導体素子100のチップ端の耐圧は、絶縁層400または絶縁層113の厚さよって調整されている。すなわち、チップ端耐圧を向上させるために、複雑な終端構造を形成することを要しない。なお、ダイシング後のチップ端の絶縁層400または絶縁層113の厚さは、例えば、500μm以下に調整される。
【0063】
また、第1実施形態によれば、ドレイン電極10Aとソース電極11Bとをボンディングワイヤではなく、半導体装置1内に設けた貫通電極120を経由して接続させている。これにより、ドレイン電極10Aとソース電極11Bとの間の電流経路の距離が短くなる。
【0064】
また、第1実施形態によれば、容量素子部203をドレイン電極の下側に配置しているので、容量素子部203を半導体素子100に併設しても、チップ面積が増大することがない。
【0065】
(第1実施形態の第1変形例)
図7(a)は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を表す模式的平面図であり、
図7(b)、(c)は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体素子内に流れる電流の様子を表す模式図である。
【0066】
図8は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置の等価回路図である。
【0067】
図7(a)の例では、2つの半導体素子100(100A、100B)がX方向に並べられているが、半導体素子100A、100Bにおいて、ソース電極11Aからソース電極11Bに向かう方向(または、ソース電極11Bからソース電極11Aに流れる電流経路の方向)が互いに逆になっている。また、このような配置をすると、貫通電極120の位置と貫通電極110の位置とがY方向にずれる。
【0068】
図7(b)に、半導体素子100Aにおける電流の流れの向きを示し、
図7(c)に半導体素子100Bにおける電流の流れの向きを示す。
【0069】
このような配置をすれば、半導体素子100A内を流れる電流の向きと、半導体素子100B内を流れる電流の向きと、が逆になる。ここで、半導体素子100A内を流れる電流経路の長さと、半導体素子100B内を流れる電流経路の長さは、同じである。これにより、磁束が打ち消し合う効果がさらに増す。その結果、半導体装置1内の寄生インダクタンスがさらに低減する。
【0070】
(第1実施形態の第2変形例)
図9(a)および
図9(b)は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置の内部構造を表す模式的断面である。
【0071】
トランジスタ部TR1(又はTR2)に含まれるMOSFETは、上述した構造に限らない。
【0072】
例えば、
図9(a)に表すMOSFETは、p
+形のコンタクト領域42A(又は42B)を備える。コンタクト領域42A(又は42B)は、ソース領域40A(又は40B)、ベース領域30A(または、30B)、およびドリフト領域20A(又は20B)に接している。
【0073】
このMOSFETでは、ソース電極11A(又は11B)と、ドリフト領域20A(又は20B)との接合により、ショットキーバリアダイオード(SBD)が設けられている。このショットキーバリアダイオードがMOSFETの内蔵ダイオードになっている。また、コンタクト領域42A(又は42B)とドリフト領域20Aとの接合によって、PNダイオードも設けられている。すなわち、
図9(a)に表すMOSFETは、ショットキーバリアダイオードとPNダイオードを組み合わせたMPS(Merged PN and Schottky Barrier)構造を有している。
【0074】
また、ショットキーバリアダイオード(SBD)下のドリフト領域20A(又は、20B)は、一対のコンタクト領域42A(又は42B)によって挟まれている。コンタクト領域42A(又は42B)の下部は、ベース領域30A(又は30B)の下部よりも深い。
【0075】
このような構造であれば、オフ時には、コンタクト領域42A(又は42B)によって挟まれたドリフト領域20A(又は20B)に空乏層が拡がり易くなる。これにより、ショットキーバリアダイオード(SBD)の逆電流が確実に抑制される。また、このような逆電流の抑制は、コンタクト領域42A(又は42B)のz方向の長さ、y方向の幅で調整される。
【0076】
また、
図9(b)に表すMOSFETは、p
+形のコンタクト領域43A(又は43B)を備える。コンタクト領域43Aは、ソース領域40A(又は40B)、ベース領域30A(又は30B)を貫通し、ドリフト領域20A(又は20B)に接している。
図9(b)に表すMOSFETでは、コンタクト領域43A(又は43B)とドリフト領域20A(又は20B)との接合によって、PNダイオードが設けられている。コンタクト領域43A(又は43B)は、
図9(a)に表す状態よりもさらにドレイン電極10A(又は10B)の側に延びている。
【0077】
図9(b)に表すMOSFETにおいては、コンタクト領域43A(又は43B)とドリフト領域20Aとの接合によって、PNダイオードが設けられている。オフ時の耐圧は、このPNダイオードのジャンクションバリアで調整される。ジャンクションバリアは、コンタクト領域43A(又は43B)の深さで調整される。なお、ジャンクションバリア間のp−部分はベース領域30A(30B)よりも薄い、p
−形薄膜構造とすることが好ましい。例えば、ベース領域30A(30B)をイオンインプラで形成する際に、スルー膜の厚さを変えることで、ベース領域30A(30B)部分よりも浅いp
−部分を形成することが可能である。
【0078】
コンタクト領域42A(又は42B)およびコンタクト領域43A(又は43B)は、y方向に延在させてもよく、z方向に延びるピラーであってもよい。また、ジャンクションバリアを複数個作成してもよく、例えばピラーをx方向、y方向に複数個分布させてもよい。コンタクト領域42A(又は42B)がピラーのとき、コンタクト領域42A(又は42B)をz方向に対して垂直に切断した切断面は、円状でもよく、矩形状でもよい。また、コンタクト領域42A(又は42B)をソース領域40A(又は40B)の下に配置してもよい。
【0079】
(第2実施形態)
半導体素子の変形例を以下に例示する。以下に例示する半導体素子を用いても、第1実施形態と同じ効果が得られる。
【0080】
図10(a)および
図10(b)は、第2実施形態に係る半導体素子を表す模式的断面図である。
【0081】
図10(a)に表すように、半導体素子101においても、容量素子部203がソース電極11Aとドレイン電極10Bとの間に接続されている。但し、半導体素子101では、容量素子部203に含まれる誘電体202がY方向においてトランジスタ部TR1またはトランジスタ部TR2に並んでいる。例えば、誘電体202は、トランジスタ部TR2とは反対側において、トランジスタ部TR1に並んでいる。
【0082】
ここで、ソース電極11Aは、ソース電極11Aの上に設けられた電極200に接続されている。ソース電極11Aに接する電極200は、ソース電極11Aから上方に延在し、Y方向に延在し、さらに、ドレイン電極10Aの側に延在している。また、ドレイン電極10Bには、ドレイン電極10Bの下に設けられた電極201に接続されている。ドレイン電極10Bに接する電極201は、ドレイン電極10Bから下方に延在し、Y方向に延在し、さらに、ソース電極11Aの側に延在している。そして、電極201と電極200との間に誘電体202が設けられている。
【0083】
電極200からは直流端子300Nが引き出され、電極201からは、直流端子300Pが引き出されている。電極121からは、交流端子300ACが引き出されている。交流端子300ACは、ソース電極11Bではなく、ドレイン電極10Aに電気的に接続してもよい。
【0084】
半導体含有層60A、60B、ソース電極11A、11B、ドレイン電極10A、10B、および誘電体202は、絶縁層400、123、180、181によって被覆されている。
【0085】
また、貫通電極120、ソース電極11A、11B、ドレイン電極10A、10B、および誘電体202が配置される位置は、図示された位置に限らず、X、Y方向において適宜変えることができる。
【0086】
また、Z方向に対して垂直にドリフト領域20A、20Bを切断した切断面を見た場合に、ドリフト領域20A、20Bは、絶縁層400によって囲まれている。
【0087】
図10(b)に、半導体素子101の電流経路を示す。
【0088】
半導体素子101では、トランジスタ部TR1およびトランジスタ部TR2がオン状態のとき、トランジスタ部TR2のドレイン電極10Bからソース電極11Bに流れる電流の方向Aと、貫通電極120を流れる電流の方向Bとの向きが互いに逆になる。また、トランジスタ部TR1のドレイン電極10Aからソース電極11Aに流れる電流の方向Dと、電極200、201を流れる電流の方向Eとの向きが互いに逆になる。さらに、ドレイン電極10Aに流れる電流の方向Cと電極201に流れる電流の方向Fの向きが互いに逆になる。
【0089】
これにより、方向Aの電流によって発生する磁束の方向と、方向Bの電流によって発生する磁束の方向と、が互いに打ち消し合う。また、方向Dの電流によって発生する磁束の方向と、方向Eの電流によって発生する磁束の方向と、が互いに打ち消し合う。さらに、方向Cの電流によって発生する磁束の方向と、方向Fの電流によって発生する磁束の方向と、が互いに打ち消し合う。
【0090】
つまり、半導体素子101内で、逆方向に向く磁束同士が打ち消し合い、半導体素子101内の寄生インダクタンスが低減する。これにより、半導体装置1の内部に発生する誘導電圧が低減する。
【0091】
また、半導体素子101では、貫通電極120を設け、ソース電極11Aからドレイン電極10Aに流れる電流の電流経路が半導体含有層60Aと半導体含有層60Bとの間に位置するので、電流経路が短くなる。これにより、半導体素子の小型化が図れる。
【0092】
図11(a)および
図11(b)は、第2実施形態に係る半導体装置を表す模式的平面図である。
【0093】
半導体装置2においては、2つの半導体素子100(100A、100B)がX方向に並んでいる。例えば、
図11(a)に表すように、半導体素子100A、100Bにおいて、ソース電極11Aからソース電極11Bに向かう方向が互いに同じでもよく、
図11(b)に表すように、該方向が互いに逆でもよい。
【0094】
図12(a)〜
図12(c)は、第2実施形態に係る半導体素子の製造過程を表す模式的断面図である。
【0095】
まず、
図12(a)に表す構造体151を準備する。構造体151では、ドリフト領域20A、20B、および貫通電極120の下側に、ドリフト領域20A、20Bに繋がっている半導体層20が存在している。貫通電極120は、ソース電極11Bに接続されている。また、この段階において、誘電体202を半導体含有層60Aの横に形成する。誘電体202の上およびソース電極11Aの上には、電極200の一部を設けておく。
【0096】
次に、
図12(b)に表すように、裏面研磨によって構造体151から半導体層20を除去する。これにより、貫通電極120の下端が構造体150から露出する。また、絶縁層400も露出する。
【0097】
また、半導体層20を除去した後、半導体含有層60A、60Bの裏面からn形不純物元素を注入して、半導体含有層60A、60Bのそれぞれの裏面側にバッファ領域25A、25Bをそれぞれ形成してもよい。
【0098】
次に、
図12(c)に表すように、構造体151の下側に、貫通電極120の下端に接続されるドレイン電極10Aを形成する。さらに、ドレイン電極10Bを形成する。また、誘電体202に接続される電極201の一部を形成する。この後は、
図10(a)に表すように、電極200、201を形成する。
【0099】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る半導体素子を表す模式的断面図である。
【0100】
また、ソース電極11Aとドレイン電極10Bとの間に電気的に接続する容量素子部については、
図13に表す半導体素子102のように、外付けの容量素子205でもよい。
【0101】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態の第1例に係る半導体装置を表す模式的平面図である。
【0102】
上述した
図1(b)には、2つの半導体素子100が一組になってX方向に並んだ状態が表されているが、
図14に表すように2つ以上の組の半導体素子100を並列に並べてもよい。
【0103】
ここで、それぞれのソース電極11Aは、共通の配線160(第1配線)に接続されている。それぞれのドレイン電極10Bは、共通の配線161(第2配線)に接続されている。それぞれの交流端子300ACは、共通の配線162(第3配線)に接続されている。また、配線160と配線161との間にには直流電圧が印加され、配線162からは交流電圧が出力される。
【0104】
なお、半導体素子100は、半導体素子101であってもよい。このように、3つ以上の半導体素子を並列に並べることにより、配線に流れる電流iの(di/dt)値が抑えられ、低損失化が実現する。
【0105】
また、その電流が小さくなること、および、周波数が高くなることで、必要とされる電荷が小さくなり、必要なコンデンサ容量が小さくなる。その結果、従来は、大きなコンデンサが必須であり巨大なインバータモジュールとなっていたが、この実施例では小さなコンデンサをモノリシックに載せることも可能となり、インバータモジュールの小型化ができる。また半導体基板上にモノリシックに作ることで、配線長が短くなり、インダクタンスも小さくなるので、さらに周波数を高くすることができる。こうして、低インダクタンスであり、小さなコンデンサ容量であり、高速動作のできる小型サイズのインバータモジュールが得られる。
【0106】
図15は、第4実施形態の第2例に係る半導体装置を表す模式的平面図である。
【0107】
一方、上述した
図7(a)にも、2つの半導体素子100(100A、100B)が一組になってX方向に並んだ状態が表されているが、
図14に表すように3つ以上の組の半導体素子100(100A、100B)を並列に並べてもよい。なお、半導体素子100は、半導体素子101であってもよい。
【0108】
また、
図14、15のように、複数の半導体素子を並べることによりトータルでのインダクタンスがより低くなる。これは、並列に分解して一つ当たりの電流を小さくした上に、一つ一つの回路ループをモノリシックに作ることでループを折り曲げ、ループ面積を小さくしたために、並列数に反比例する形で、低インダクタンス化ができるためである。つまり、並列数を多くすればする程、低インダクタンス化が進むことになる。
【0109】
これに対し、従来では、並列にせずに、大電流を大きなコンデンサ一つでまかなっていいたため、高インダクタンスであり、大きなコンデンサ容量であり、低速動作の、大きなインバータモジュールになっていた。
【0110】
(第5実施形態)
図16は、第5実施形態に係る半導体装置を表す模式的平面図である。
【0111】
また、複数の半導体素子100をそれぞれのユニットに分け、3相インバータを構成してもよい。例えば、
図16に表すように、半導体装置3においては、一組の半導体素子100が第1回路ユニット3u、第2回路ユニット3v、および第3回路ユニット3wのそれぞれに少なくとも一組(例えば、複数個)配置されている。ここで、ソース電極11Aは、共通の配線160に接続されている。また、それぞれのドレイン電極10Bは、共通の配線160に接続されている。
【0112】
但し、第1回路ユニット3uにおいて、それぞれの電極端子300ACは共通の配線162uに接続されている。また、第2回路ユニット3vにおいて、それぞれの電極端子300ACは、共通の配線162vに接続されている。また、第3回路ユニット3wにおいて、それぞれの電極端子300ACは、共通の配線162wに接続されている。そして、第1回路ユニット3u、第2回路ユニット3v、および第3回路ユニット3wのそれぞれにおける配線162u、162v、162wから出力される電圧の位相は異なっている。例えば、配線162u、162v、162wから出力される電圧の位相のずれは、120°とする。
【0113】
上記の実施形態では、「部位Aは部位Bの上に設けられている」と表現された場合の「の上に」とは、部位Aが部位Bに接触して、部位Aが部位Bの上に設けられている場合の他に、部位Aが部位Bに接触せず、部位Aが部位Bの上方に設けられている場合との意味で用いられる場合がある。また、「部位Aは部位Bの上に設けられている」は、部位Aと部位Bとを反転させて部位Aが部位Bの下に位置した場合や、部位Aと部位Bとが横に並んだ場合にも適用される場合がある。これは、実施形態に係る半導体装置を回転しても、回転前後において半導体装置の構造は変わらないからである。
【0114】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、実施形態はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、実施形態の特徴を備えている限り、実施形態の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0115】
また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて複合させることができ、これらを組み合わせたものも実施形態の特徴を含む限り実施形態の範囲に包含される。その他、実施形態の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても実施形態の範囲に属するものと了解される。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。