(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226769
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】連携システム、管理サーバ、連携方法及び連携プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/00 20060101AFI20171030BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20171030BHJP
G06F 9/54 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
G06F15/00 440Z
G06F13/00 540F
G06F9/46 480Z
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-27829(P2014-27829)
(22)【出願日】2014年2月17日
(65)【公開番号】特開2015-153255(P2015-153255A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】小川 圭介
(72)【発明者】
【氏名】橋本 真幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 一則
【審査官】
大桃 由紀雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−176521(JP,A)
【文献】
特開2012−194722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/00
G06F 13/00
G06F 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアプリケーションを提供する第1のサーバと、複数のアプリケーション間の連携を管理する第2のサーバと、前記第1のアプリケーションとは異なるブラウザで動作する連携先のアプリケーションを提供する複数のサーバと、を備えた連携システムであって、
前記第1のサーバは、
前記第1のサーバへアクセスした第1の端末のユーザを特定して第1のユーザ識別データを取得する第1の特定部と、
前記連携先のアプリケーションのいずれかが選択されると、当該選択された第2のアプリケーションが提供される第3のサーバを識別するサーバ識別データ、及び前記第1のユーザ識別データを対応付けた連携データを、前記第2のサーバへ送信する送信部と、を備え、
前記第2のサーバは、
前記第1のサーバから前記連携データを受信する受信部と、
前記連携データを記憶する記憶部と、
前記第2のサーバへアクセスした第2の端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する第2の特定部と、
前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得部と、
前記第2の端末を、前記取得部により取得されたサーバ識別データにより識別される前記第3のサーバへ接続させる接続部と、を備える連携システム。
【請求項2】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1のサーバに対する認証データを送信し、
前記接続部は、前記認証データに基づいて、前記第2の端末を前記第3のサーバへ接続させる請求項1に記載の連携システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記第2のサーバへ有効期限を示すデータを送信し、
前記接続部は、前記第2の端末からの前記有効期限内のアクセスに対して、前記第3のサーバへの接続を許可する請求項1又は請求項2に記載の連携システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1の端末の位置情報を送信し、
前記接続部は、前記第3のサーバへ前記位置情報を通知し、
前記第3のサーバは、前記位置情報に基づいて、前記第2のアプリケーションにおける参照可能データを制限する請求項1から請求項3のいずれかに記載の連携システム。
【請求項5】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1の端末の回線状況を送信し、
前記接続部は、前記第3のサーバへ前記回線状況を通知し、
前記第3のサーバは、前記回線状況に基づいて、前記第2のアプリケーションにおいて出力するデータ量を調整する請求項1から請求項4のいずれかに記載の連携システム。
【請求項6】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1のアプリケーションにおいて閲覧中の情報を示す特定データを送信し、
前記接続部は、前記第3のサーバへ前記特定データを通知し、
前記第3のサーバは、前記特定データに基づいて、前記第2のアプリケーションにおいて出力するデータを選択する請求項1から請求項5のいずれかに記載の連携システム。
【請求項7】
前記第3のサーバは、複数の時間粒度それぞれに対応したデータベースを備え、
前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションにおいて、共に時系列データが閲覧される場合、前記特定データは、前記第1のアプリケーションで閲覧されていた時間幅を含み、
前記第3のサーバは、前記時間幅に基づいて、前記複数の時間粒度のいずれかを決定し、当該決定した時間粒度に対応するデータを選択する請求項6に記載の連携システム。
【請求項8】
前記接続部は、前記第2の端末からアクセスされる前に、予め前記第3のサーバへの通知処理を行い、
前記第3のサーバは、前記第2のサーバから通知されたデータに基づいて、前記第2の端末と接続される前に、予め前記第2のアプリケーションにおいて出力するデータを選択する請求項4から請求項7のいずれかに記載の連携システム。
【請求項9】
互いに異なるブラウザで動作するアプリケーション間の連携を管理する管理サーバであって、
連携元のサーバから、第1のユーザ識別データ、及び選択された連携先のサーバを識別するサーバ識別データを対応付けた連携データを受信する受信部と、
前記連携データを記憶する記憶部と、
前記管理サーバへアクセスした端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する特定部と、
前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得部と、
前記端末を、前記取得部により取得されたサーバ識別データにより識別される前記連携先のサーバへ接続させる接続部と、を備える管理サーバ。
【請求項10】
管理サーバにより、互いに異なるブラウザで動作するアプリケーションを連携させる連携方法であって、前記管理サーバが、
連携元のサーバから、第1のユーザ識別データ、及び選択された連携先のサーバを識別するサーバ識別データを対応付けた連携データを受信する受信ステップと、
前記連携データを記憶する記憶ステップと、
前記管理サーバへアクセスした端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する特定ステップと、
前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得ステップと、
前記端末を、前記取得ステップにおいて取得されたサーバ識別データにより識別される前記連携先のサーバへ接続させる接続ステップと、を実行する連携方法。
【請求項11】
管理サーバにより、互いに異なるブラウザで動作するアプリケーションを連携させるための連携プログラムであって、前記管理サーバに、
連携元のサーバから、第1のユーザ識別データ、及び選択された連携先のサーバを識別するサーバ識別データを対応付けた連携データを受信する受信ステップと、
前記連携データを記憶する記憶ステップと、
前記管理サーバへアクセスした端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する特定ステップと、
前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得ステップと、
前記端末を、前記取得ステップにおいて取得されたサーバ識別データにより識別される前記連携先のサーバへ接続させる接続ステップと、を実行させるための連携プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーション間の連携を管理する連携システム、管理サーバ、連携方法及び連携プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のシステムそれぞれで管理されている独自のデータを連携するシステムが運用されている。例えば、特許文献1には、医療情報を複数の医療機関の間で連携するシステムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−218606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高機能なWebアプリケーションが要求されると、独自の機能を特定のブラウザに特化して構築し、その結果、特定のブラウザでのみ正常に動作するアプリケーションが作成される場合がある。
したがって、複数のアプリケーションが導入され、これらのアプリケーションが互いに異なるブラウザで動作する場合も生じる。
【0005】
しかしながら、各アプリケーションは、それぞれ独自のユーザインタフェースを持っており、ユーザは、通常は使い慣れたインタフェースでデータを閲覧しつつ、一時的に別のインタフェースで閲覧する場合も多い。
この場合、通常のリンク等ではブラウザが変更されないので、異なるブラウザで動作するアプリケーションへの連携は難しかった。そのため、ユーザは、複数のアプリケーションに別々のブラウザからログインして、複数のアプリケーションを独立して使用することとなっていた。
【0006】
本発明は、ユーザが使用中のアプリケーションから、異なるブラウザで動作する他のアプリケーションへ容易に連携できる連携システム、管理サーバ、連携方法及び連携プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る連携システムは、第1のアプリケーションを提供する第1のサーバと、複数のアプリケーション間の連携を管理する第2のサーバと、前記第1のアプリケーションとは異なるブラウザで動作する連携先のアプリケーションを提供する複数のサーバと、を備えたシステムであって、前記第1のサーバは、前記第1のサーバへアクセスした第1の端末のユーザを特定して第1のユーザ識別データを取得する第1の特定部と、前記連携先のアプリケーションのいずれかが選択されると、当該選択された第2のアプリケーションが提供される第3のサーバを識別するサーバ識別データ、及び前記第1のユーザ識別データを対応付けた連携データを、前記第2のサーバへ送信する送信部と、を備え、前記第2のサーバは、前記第1のサーバから前記連携データを受信する受信部と、前記連携データを記憶する記憶部と、前記第2のサーバへアクセスした第2の端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する第2の特定部と、前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得部と、前記第2の端末を、前記取得部により取得されたサーバ識別データにより識別される前記第3のサーバへ接続させる接続部と、を備える。
【0008】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1のサーバに対する認証データを送信し、前記接続部は、前記認証データに基づいて、前記第2の端末を前記第3のサーバへ接続させてもよい。
【0009】
前記送信部は、前記第2のサーバへ有効期限を示すデータを送信し、前記接続部は、前記第2の端末からの前記有効期限内のアクセスに対して、前記第3のサーバへの接続を許可してもよい。
【0010】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1の端末の位置情報を送信し、前記接続部は、前記第3のサーバへ前記位置情報を通知し、前記第3のサーバは、前記位置情報に基づいて、前記第2のアプリケーションにおける参照可能データを制限してもよい。
【0011】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1の端末の回線状況を送信し、前記接続部は、前記第3のサーバへ前記回線状況を通知し、前記第3のサーバは、前記回線状況に基づいて、前記第2のアプリケーションにおいて出力するデータ量を調整してもよい。
【0012】
前記送信部は、前記第2のサーバへ前記第1のアプリケーションにおいて閲覧中の情報を示す特定データを送信し、前記接続部は、前記第3のサーバへ前記特定データを通知し、前記第3のサーバは、前記特定データに基づいて、前記第2のアプリケーションにおいて出力するデータを選択してもよい。
【0013】
前記第3のサーバは、複数の時間粒度それぞれに対応したデータベースを備え、前記特定データは、前記閲覧中の情報の時間幅を特定する情報を含み、前記第3のサーバは、前記時間幅に基づいて、前記複数の時間粒度のいずれかを決定し、当該決定した時間粒度に対応するデータを選択してもよい。
【0014】
前記接続部は、前記第2の端末からアクセスされる前に、予め前記第3のサーバへの通知処理を行い、前記第3のサーバは、前記第2のサーバから通知されたデータに基づいて、前記第2の端末と接続される前に、予め前記第2のアプリケーションにおいて出力するデータを選択してもよい。
【0015】
本発明に係る管理サーバは、互いに異なるブラウザで動作するアプリケーション間の連携を管理するサーバであって、連携元のサーバから、第1のユーザ識別データ、及び選択された連携先のサーバを識別するサーバ識別データを対応付けた連携データを受信する受信部と、前記連携データを記憶する記憶部と、前記管理サーバへアクセスした端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する特定部と、前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得部と、前記端末を、前記取得部により取得されたサーバ識別データにより識別される前記連携先のサーバへ接続させる接続部と、を備える。
【0016】
本発明に係る連携方法は、管理サーバにより、互いに異なるブラウザで動作するアプリケーションを連携させる連携方法であって、前記管理サーバが、連携元のサーバから、第1のユーザ識別データ、及び選択された連携先のサーバを識別するサーバ識別データを対応付けた連携データを受信する受信ステップと、前記連携データを記憶する記憶ステップと、前記管理サーバへアクセスした端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する特定ステップと、前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得ステップと、前記端末を、前記取得ステップにおいて取得されたサーバ識別データにより識別される前記連携先のサーバへ接続させる接続ステップと、を実行する。
【0017】
本発明に係る連携プログラムは、管理サーバにより、互いに異なるブラウザで動作するアプリケーションを連携させるための連携プログラムであって、前記管理サーバに、連携元のサーバから、第1のユーザ識別データ、及び選択された連携先のサーバを識別するサーバ識別データを対応付けた連携データを受信する受信ステップと、前記連携データを記憶する記憶ステップと、前記管理サーバへアクセスした端末のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する特定ステップと、前記第2のユーザ識別データを前記連携データと照合し、当該第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する取得ステップと、前記端末を、前記取得ステップにおいて取得されたサーバ識別データにより識別される前記連携先のサーバへ接続させる接続ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザは、使用中のアプリケーションから、異なるブラウザで動作する他のアプリケーションへ容易に連携できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る連携システムの概略を示す図である。
【
図2】実施形態に係る連携システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る連携データの一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る連携処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る連携システム1の概略を示す図である。
本実施形態の連携システム1は、第1のサーバ10と、第2のサーバ20(管理サーバ)と、第3のサーバ30とを備える。
【0021】
第1のサーバ10は、端末2(第1の端末)からのアクセスに応じて、ユーザが通常使用するフロントエンドのアプリケーション(第1のアプリケーション)を提供する。
第2のサーバ20は、第1のサーバ10から受け取る連携データに基づいて複数のアプリケーション間の連携を管理し、端末2からのアクセスに応じて、端末2を第3のサーバ30へ接続させる。
【0022】
第3のサーバ30は、端末2からのアクセスに応じて、第1のアプリケーションとは異なるブラウザで動作する連携先アプリケーション(第2のアプリケーション)を提供する。第3のサーバ30は、複数存在してよく、いずれかのサーバが第1のアプリケーションにおいて連携先として決定される。
なお、各サーバは、物理的に区別される必要はなく、URLによってそれぞれが一意に識別される。
【0023】
例えば、第1のアプリケーションは、Internet Explorer(登録商標)上で動作し、第2のアプリケーションは、Chrome(登録商標)上で動作する。端末2は、各ブラウザにそれぞれ第1のサーバ10のURL及び第2のサーバ20のURLを保存しておく。ユーザは、既定のURLで第2のサーバ20へアクセスすることにより、決定された連携先へ自動的に接続できる。
なお、第3のサーバ30により提供される第2のアプリケーションは、Chrome(登録商標)、FireFox(登録商標)、safari(登録商標)等の複数の種類のブラウザ上で動作するものであってもよい。
【0024】
図2は、本実施形態に係る連携システム1の機能構成を示すブロック図である。
第1のサーバ10、第2のサーバ20、第3のサーバ30及び端末2は、ネットワークを介して互いに接続される。
【0025】
第1のサーバ10は、特定部11(第1の特定部)と、送信部12とを備える。
特定部11は、第1のサーバ10へアクセスした端末2のユーザを特定して第1のユーザ識別データを取得する。
ユーザ識別データは、端末2のIPアドレス、ユーザID等である。
【0026】
送信部12は、第1のアプリケーションにおいて連携先である第2のアプリケーションが選択されると、この第2のアプリケーションが提供される第3のサーバ30を識別するサーバ識別データを、第1のユーザ識別データと対応付けて、第2のサーバ20へ送信する。
サーバ識別データは、第2のサーバ20にアクセスするためのURLであってよい。
なお、第2のアプリケーションの選択は、ボタン押下等のユーザ操作に基づいてもよいし、第1のアプリケーション内で予め設定されている連携先が選択されてもよい。
【0027】
また、送信部12は、第2のサーバ20へ付加情報を更に送信してもよい。
付加情報は、例えば、第1のサーバ10に対する認証データ、第2のサーバ20へのアクセスの有効期限を示すデータ、第1の端末の位置情報、第1の端末の回線状況、第1のアプリケーションにおいて閲覧中の情報を示す特定データ等を含む。
【0028】
第2のサーバ20は、受信部21と、特定部22(第2の特定部)と、取得部23と、接続部24と、記憶部25とを備える。
【0029】
受信部21は、第1のサーバ10から、第1のユーザ識別データ及びサーバ識別データを受信し、これらを対応付けた連携データを、記憶部25に記憶する。
【0030】
特定部22は、第2のサーバ20へアクセスした端末2(第2の端末)のユーザを特定して第2のユーザ識別データを取得する。
【0031】
取得部23は、第2のユーザ識別データを記憶部25の連携データと照合し、第2のユーザ識別データに対応付けられているサーバ識別データを取得する。
【0032】
接続部24は、第2のサーバ20にアクセスした端末2を、取得部により取得されたサーバ識別データにより識別される第3のサーバ30へ接続させる。具体的には、接続部24は、例えば、サーバ識別データであるURLに対して端末2をリダイレクトさせ、第3のサーバ30で提供される第2のアプリケーションのWebページへ誘導する。
このとき、接続部24は、例えば、付加情報をパラメータとして設定したURLを生成してもよい。
【0033】
また、第3のサーバ30のAPIに対して、HTTP post等のプロトコルにより付加情報を送信してもよい。このとき、接続部24は、第3のサーバ30のプロキシとして機能し、第3のサーバ30による演算結果の表示データを端末2へ送信してもよい。この場合、第2のサーバ20がキャッシュを保持することにより、端末2におけるスループットを向上させてもよい。
【0034】
接続部24は、第1のサーバ10から受信した認証データに基づいて、端末2を第3のサーバ30へ接続させてもよい。
接続部24は、端末2からの有効期限内のアクセスに対して、第3のサーバ30への接続を許可してもよい。
【0035】
接続部24は、第1のサーバ10から受信した端末2の位置情報を第3のサーバ30へ通知してもよい。これにより、第3のサーバ30は、位置情報に基づいて、第2のアプリケーションにおける参照可能データを制限する。例えば、第3のサーバ30は、医療情報に関して、病院ごとに閲覧可能な患者のデータを制限することができる。
【0036】
接続部24は、第1のサーバ10から受信した回線状況を第3のサーバ30へ通知してもよい。これにより、第3のサーバ30は、回線状況に基づいて、第2のアプリケーションにおいて出力するデータ量を調整できる。例えば、第3のサーバ30は、速い回線に対しては大量のデータを、遅い回線に対しては必要最低限の少量のデータを出力できる。
【0037】
接続部24は、第1のサーバ10から受信した閲覧中の情報を示す特定データを第3のサーバ30へ通知してもよい。これにより、第3のサーバ30は、特定データに基づいて、第2のアプリケーションにおいて出力するデータを選択できる。
例えば、ユーザは、医療情報のうち、特定の患者のデータを第1のアプリケーションで閲覧している際に、患者ID、対象項目、表示期間等が通知されることにより、第2のアプリケーションで同じ患者、項目及び期間のデータ、又は関連データ等を異なる表現方法で閲覧できる。
【0038】
関連データとは、例えば、「ヘモグロビンA1C」という項目に対して、「血糖値」又は「BMI」等であり、第3のサーバ30において、予め関連情報が記述された概念辞書を記憶しておくことにより特定される。
また、第1のアプリケーション及び第2のアプリケーションにおいて、共に時系列データが閲覧される場合、第1のアプリケーションで閲覧されていた時間幅が付加情報として第3のサーバ30に通知される。これにより、必要なデータ区間が特定され、この区間のデータのみがメモリ展開される。さらに、第3のサーバ30が複数の時間粒度毎にデータベースを有している場合、通知された時間幅から、第2のサーバ20又は第3のサーバ30により参照すべき時間粒度が特定される。
【0039】
ここで、接続部24は、端末2からアクセスされる前に、予め第3のサーバ30へ前述の付加情報を通知してもよい。第3のサーバ30は、第2のサーバ20から通知された付加情報に基づいて、端末2と接続される前に、予め第2のアプリケーションにおいて出力するデータを選択してメモリ上に展開できる。これにより、データに対するアクセス速度が向上する。
【0040】
記憶部25は、受信部21が受信した第1のユーザ識別データ及びサーバ識別データを対応付けた連携データを記憶する。
図3は、本実施形態に係る連携データの一例を示す図である。
ユーザの端末2を識別するIPアドレスと、連携先である第2のアプリケーションのURLとが対応付けて記憶されている。
【0041】
図4は、本実施形態に係る連携処理の流れを示すシーケンス図である。
ステップS1において、端末2は、第1のサーバ10に対して第1のアプリケーションのページ要求を行う。
ステップS2において、第1のサーバ10は、要求されたページデータを端末2へ送信する。
【0042】
ステップS3において、端末2は、閲覧中のページ内のボタン押下等に応じて、第1のサーバ10に対して第2のアプリケーションへの遷移要求を行う。
ステップS4において、第1のサーバ10は、ユーザを識別するための端末2のIPアドレスを特定する。
【0043】
ステップS5において、第1のサーバ10は、端末2のIPアドレスと第2のアプリケーションのURLとを対応付けた連携データを、第2のサーバ20へ送信する。このとき、第1のサーバ10は、閲覧中の情報に関する付加データを併せて送信する。
ステップS6において、第2のサーバ20は、受信した連携データを記憶する。
【0044】
ステップS7において、第2のサーバ20は、付加データを第3のサーバ30へ送信する。
ステップS8において、第3のサーバ30は、受信した付加データに基づいて、出力対象のデータを抽出してメモリ展開する。
【0045】
ステップS9において、第1のサーバ10は、端末2へユーザに新たなブラウザを起動させる旨の指示出力を行う。
ステップS10において、端末2は、ユーザが新たに起動したステップS1とは異なるブラウザを用いて、第2のサーバ20に対してページ要求を行う。
【0046】
ステップS11において、第2のサーバ20は、ユーザを識別するための端末2のIPアドレスを特定する。
ステップS12において、第2のサーバ20は、記憶している連携データを参照し、ステップS11で特定したIPアドレスに対応する遷移先である第2のアプリケーションのURLを決定する。
【0047】
ステップS13において、第2のサーバ20は、端末2に対して、ステップS12で決定したURLへのリダイレクト指示を行う。
ステップS14において、端末2は、リダイレクト指示に応じて、第3のサーバ30に対してページ要求を行う。
ステップS15において、第3のサーバ30は、要求された第2のアプリケーションのページデータを端末2へ送信する。
【0048】
本実施形態によれば、連携システム1は、第2のサーバ20において受信した連携データを記憶することにより、第2のサーバへアクセスした端末2を連携先である第3のサーバ30へ接続させる。したがって、ユーザは、端末2から第2のサーバ20へアクセスすることにより、使用中のアプリケーションから、異なるブラウザで動作する他のアプリケーションへ容易に連携できる。
【0049】
また、連携システム1は、連携データの他、認証データ、有効期限データ等の付加情報を、第2のサーバへ通知する。これにより、端末2から第3のサーバへの接続を制限できる。
【0050】
また、連携システム1は、位置データ、回線状況データ、閲覧情報の特定データ等の付加情報を、第2のサーバへ通知する。これにより、端末2から第3のサーバへ接続した際に、出力対象データが特定されるので、シームレスな連携が可能となる。
【0051】
また、連携システム1は、第2のサーバ20から第3のサーバ30へ付加情報を予め通知することにより、端末2からアクセスされる前に出力対象データを選択できる。したがって、ユーザは、より早く情報を閲覧できるため利便性が向上する。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0053】
前述の実施形態において、第2の端末は第1の端末と異なっていてもよい。この場合、各端末を使用するユーザがユーザID等(ユーザ識別データ)により識別され、同一ユーザであることが第2のサーバ20により確認される。
【0054】
前述の各サーバ(第1のサーバ10、第2のサーバ20、第3のサーバ30)は、物理的に独立していてもよいが、これらの一部又は全部は、同一のサーバ上で理論的に区別されていてもよい。
【0055】
連携システム1による連携方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、情報処理装置(サーバ)にインストールされる。また、これらのプログラムは、CD−ROMのようなリムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 連携システム
2 端末
10 第1のサーバ
11 特定部
12 送信部
20 第2のサーバ
21 受信部
22 特定部
23 取得部
24 接続部
25 記憶部
30 第3のサーバ