特許第6226782号(P6226782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6226782光伝送モジュールおよび光伝送モジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226782
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】光伝送モジュールおよび光伝送モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20171030BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G02B6/42
   H01S5/022
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-50574(P2014-50574)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-175904(P2015-175904A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】宮原 秀治
(72)【発明者】
【氏名】本原 寛幸
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−321651(JP,A)
【文献】 特開2009−253166(JP,A)
【文献】 特開2010−135513(JP,A)
【文献】 特開2007−19348(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0264883(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B6/42
H01S5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号の光を出力する発光部を有する光素子と、
前記光素子の光出力面に垂直に接合された中空円筒体と、
第1の主面と第2の主面とを貫通する孔を有し、前記第1の主面に前記光素子が実装され、前記孔を前記中空円筒体が挿通している配線板と、
前記中空円筒体に先端部が挿入されている、外径が前記中空円筒体の内径と同じ前記光信号を伝送する光ファイバと、を具備することを特徴とする光伝送モジュール。
【請求項2】
前記光素子が発光部の上に配設された前記光を集光するレンズを有し、
外径が前記中空円筒体の内径と同じ前記レンズが、前記中空円筒体の内部に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝送モジュール。
【請求項3】
金属からなる前記中空円筒体が、前記発光部の周囲に配設された金属膜に半田接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光伝送モジュール。
【請求項4】
前記中空円筒体に挿入された前記光ファイバが挿通している貫通孔を有し、前記配線板の前記第2の主面と接合された保持部材を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光伝送モジュール。
【請求項5】
光素子の光信号の光を出力する光出力面に垂直に中空円筒体を接合する中空円筒体接合工程と、
第1の主面と第2の主面とを貫通する孔を有する配線板の前記孔に前記中空円筒体を挿通し、前記第1の主面に前記光素子を実装する実装工程と、
前記中空円筒体に、前記光信号を伝送する、外径が前記中空円筒体の内径と同じ光ファイバの先端部を挿入する光ファイバ挿入工程と、を具備することを特徴とする光伝送モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記中空円筒体接合工程の前に、前記光素子の発光部の上に前記光を集光する、外径が前記中空円筒体の内径と同じレンズを配設するレンズ配設工程を具備し、
前記中空円筒体接合工程において、前記レンズを収容するように接合することを特徴とする請求項5に記載の光伝送モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記中空円筒体接合工程において、金属からなる前記中空円筒体が、前記発光部の周囲に配設された金属膜に半田接合されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の光伝送モジュールの製造方法。
【請求項8】
貫通孔を有する保持部材の前記貫通孔に前記中空円筒体を挿入し、前記保持部材を前記配線板の前記第2の主面に接合する保持部材接合工程を具備することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の光伝送モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光素子と、前記光素子の発光部が出力する光信号の光を伝送する光ファイバと、を具備する光伝送モジュール、および前記光伝送モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光素子と光素子の発光部が出力する光信号の光を伝送する光ファイバとを具備する光伝送モジュールにおいては、発光部と光ファイバとの正確な位置決めが重要である。
例えば、特開2013−025092号公報には、光素子と、光素子が実装される基板と、光素子から出力される光信号を伝送する光ファイバ挿入用の貫通孔を有する光ファイバ保持部材(フェルール)と、を備える光伝送モジュールが開示されている。光ファイバ保持部材の貫通孔に光ファイバを挿入することで光素子の発光部と光ファイバとの位置決めが行われる。
【0003】
しかし、比較的大きな光ファイバ保持部材を、その貫通孔が正確に発光部の直上になるように配置することは容易ではない。また、貫通孔の内径は光ファイバの外径と同じであることが好ましいが、貫通孔を精度良く形成することは容易ではない。また、光素子が発生する熱を効率的に放熱することは容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−025092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、光素子の発光部と光ファイバとの位置決め精度が高い光伝送モジュール、および光素子の発光部と光ファイバとの位置決めが容易な光伝送モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の光伝送モジュールは、光信号の光を出力する発光部を有する光素子と、
前記光素子の光出力面に垂直に接合された中空円筒体と、第1の主面と第2の主面とを貫通する孔を有し、前記第1の主面に前記光素子が実装され、前記孔を前記中空円筒体が挿通している配線板と、前記中空円筒体に先端部が挿入されている、外径が前記中空円筒体の内径と同じ前記光信号を伝送する光ファイバと、を具備する。
【0007】
また別の実施形態の光伝送モジュールの製造方法は、光素子の光信号の光を出力する光出力面に垂直に中空円筒体を接合する中空円筒体接合工程と、第1の主面と第2の主面とを貫通する孔を有する配線板の前記孔に前記中空円筒体を挿通し、前記第1の主面に前記光素子を実装する実装工程と、前記中空円筒体に、前記光信号を伝送する、外径が前記中空円筒体の内径と同じ光ファイバの先端部を挿入する光ファイバ挿入工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、光素子の発光部と光ファイバとの位置決め精度が高い光伝送モジュール、および光素子の発光部と光ファイバとの位置決めが容易な光伝送モジュールの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の光伝送モジュールの断面図である。
図2】第1実施形態の光伝送モジュールの分解図である。
図3】第1実施形態の光伝送モジュールの製造方法のフローチャートである。
図4】第2実施形態の光伝送モジュールの断面図である。
図5】第2実施形態の光伝送モジュールの製造方法のフローチャートである。
図6A】第2実施形態の光伝送モジュールの製造方法を説明するための断面図である。
図6B】第2実施形態の光伝送モジュールの製造方法を説明するための断面図である。
図6C】第2実施形態の光伝送モジュールの製造方法を説明するための断面図である。
図6D】第2実施形態の光伝送モジュールの製造方法を説明するための断面図である。
図7】第3実施形態の光伝送モジュールの断面図である。
図8】第3実施形態の光伝送モジュールの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1および図2を用いて、第1実施形態の光伝送モジュール1について説明する。本実施形態の光伝送モジュール1は、電気信号を光信号に変換し光信号を伝送する、いわゆるE/Oモジュールである。
【0011】
光伝送モジュール1は、光素子10と、配線板20と、中空円筒体30と、光ファイバ50と、を具備する。光素子10は光信号の光を出力する発光部11を有する発光素子である。中空円筒体30は光素子10の光出力面10SAに垂直に接合されている。配線板20は、第1の主面20SAと第2の主面20SBとを貫通する孔20Hを有し、第1の主面20SAに光素子10が実装され、中空円筒体30が孔20Hを挿通している。光信号を伝送する光ファイバ50は、中空円筒体30に先端部が挿入されており、その外径D50が中空円筒体30の内径D30と同じである。
【0012】
光素子10は、例えば、光出力面10SAの寸法が250μm×300μmの直方体の面発光レーザチップであり、光出力面10SAに直径が20μmの発光部11と、発光部11に駆動信号を供給する電極12とを有する。また、発光部11の周囲には中空円筒体30を半田接合するためのドーナツ状の金属膜13が配設されている。電極12を形成するときに同時に形成される金属膜13は、例えば、Ti/Ni/Cuからなる多層膜である。
【0013】
そして、光素子10の光出力面10SAの上に垂直に接合され直立している、本実施形態の重要構成要素である中空円筒体30には、光ファイバ50の先端部が挿入されている。中空円筒体30は光素子10の金属膜13に半田35を介して接合されている。中空円筒体30の接合位置は金属膜13の位置により一義的に決まる。そして、金属膜13は、例えばフォトリソグラフィプロセスにより、発光部11との相対位置が正確に配設されている。発光部11との相対位置が正確な中空円筒体30に挿入された光ファイバ50は、発光部11との相対位置が正確に配置されている。
【0014】
なお、中空円筒体30の内径D30が、光ファイバ50の外径D50以上(D30≧D50)であれば、中空円筒体30に光ファイバ50を挿入できる。しかし、中空円筒体30の内径D30が、光ファイバ50の外径D50よりも大幅に大きい(D30>>D50)場合には、光ファイバ50の位置決め精度が低下する。このため、中空円筒体30の内径D30は、光ファイバ50の外径D50と略同等、例えば、(D50+10μm)≧D30≧D50であることが好ましく、(D50+2μm)≧D30≧D50であることが特に好ましい。
【0015】
なお、中空円筒体30は、例えば、外径が内径D30より1μm以上20μm以下で、長さが1mm以上10mm以下で、光ファイバ50が挿入された中空円筒体30が光素子10の光出力面10SAに対して直立状態を維持できればよい。
【0016】
そして、配線板20は光素子10の電極12と接合された接続電極21等を第1の主面20SAに有する。配線板20は孔20Hに中空円筒体30が挿通した状態で、光素子10がフリップチップ実装されている。孔20Hは中空円筒体30が挿通可能であれば、その大きさ、および形状は特に限定されない。
【0017】
光伝送モジュール1は、光素子10の所定位置に正確に接合された中空円筒体30に光ファイバ50の先端部が挿入されているため、光素子10の発光部11と光ファイバ50との位置決め精度が高い。なお、寸法精度の高い所定の内径D30の中空円筒体30は、容易に入手可能である。
【0018】
また、比較的大きな光ファイバ保持部材を有していないため、光伝送モジュール1は、小型である。
【0019】
さらに、光伝送モジュール1は、熱伝導率の高い金属からなる中空円筒体30が、光素子10の金属膜13に半田35により接合されている。光伝送モジュール1は、光素子10が発生する熱が中空円筒体30を介して効率的に伝熱されるため、動作が安定しており信頼性が高い。
【0020】
<光伝送モジュール1の製造方法>
次に、図3のフローチャートに沿って、光伝送モジュール1の製造方法について説明する。
【0021】
<ステップS10>光素子作製工程
半導体ウエハ上に各層が積層された後に多数のチップに分離することで、1枚のウエハから多数の光素子10が作製される。光素子作製工程では、例えば、p型GaAsからなる半導体ウエハに、各種のAlGaAs系半導体層等が積層される。
【0022】
このとき、ウエハ状態で、それぞれの光素子10の光出力面10SAには、金バンプ等からなる電極12と、発光部11を取り囲むドーナツ状の金属膜13が配設される。なお、金属膜13のパターン形状は、中空円筒体30を所定位置に直立状態に接合可能であれば、ドーナツ状に限られるものではない。
【0023】
<ステップS20>中空円筒体接合工程
所定の仕様の中空円筒体30が準備される。中空円筒体30は、例えば、ニッケルまたは銅等の半田付けが容易な金属、特に熱伝導率が、50W・m-1・K-1以上の金属からなることが好ましい。中空円筒体30の内径D30、外径、および長さは光伝送モジュール1の仕様に応じて決定されるが、寸法精度の高い中空円筒体30は容易に入手できる。
【0024】
そして、光素子10の光出力面10SAの金属膜13に、半田35により中空円筒体30の一端部が接合される。接合された中空円筒体30は、光出力面10SAに垂直に直立した状態である。
【0025】
<ステップS30>実装工程
第1の主面20SAと第2の主面20SBとを貫通する孔20Hをする配線板20が準備される。配線板20の第1の主面20SAには光素子10の電極12と対応する位置に接続電極21が配設されている。図示しないが、接続電極21は配線を介して外部接続電極と接続されている。配線板20の基体には、FPC基板、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、ガラス基板、シリコン基板等が使用される。配線板20に、例えば電気信号を光素子10の駆動信号に変換するための処理回路が含まれていても良い。
【0026】
配線板20の孔20Hに中空円筒体30を挿通し、第1の主面20SAに光素子10がフリップチップ実装される。光素子10の電極12であるAuバンプが、配線板20の接続電極21と例えば、超音波接合される。接合部には、図示しないが、アンダーフィル材やサイドフィル材等の接着剤が注入される。配線板20に半田ペースト等を印刷し、光素子10を配置した後、リフロー等で半田を溶融して実装してもよい。外部接続電極に駆動信号が印加されると、光素子10の発光部11が発光する。
【0027】
なお、光素子10に中空円筒体30を半田接合するときに、同時に光素子10を配線板20に半田バンプ(電極12)を介して実装してもよい。すなわち、中空円筒体接合工程と実装工程とが同時に行われてもよい。
【0028】
<ステップS40>光ファイバ挿入工程
中空円筒体30に、光ファイバ50の先端部が挿入される。例えば、外径D50が80μmの光ファイバ50は、光を伝送する外径が50μmのコアと、コアの外周を覆うクラッドとからなる。挿入後に、光ファイバ50を樹脂等で中空円筒体30に固定してもよい。また、光ファイバ50の先端と光素子10の光出力面10SAとの間に透明樹脂が挿入されてもよい。
【0029】
すでに説明したように、光伝送モジュール1の製造方法は、光素子10の発光部11と光ファイバ50との位置決めが容易である。
【0030】
<第2実施形態>
第2実施形態の光伝送モジュール1Aおよび光伝送モジュール1Aの製造方法は、光伝送モジュール1等と類似しているので、異なる構成等についてのみ説明する。
【0031】
図4に示すように、光伝送モジュール1Aでは、光素子10が発光部11の上に配設された光を集光するレンズ40を有する。凸形状のレンズ40は、底辺が円形で、その外径D40が中空円筒体30の内径D30と略同じで、中空円筒体30の内部に収容されている。
【0032】
レンズ40は、屈折率の高い透明材料、例えば、ガラスまたは樹脂からなる。レンズ40は透明接着剤(不図示)により接着されている。なお、光素子作製のウエハプロセスにおいて、公知のマイクロレンズ製造プロセスを用いて、レンズ40を複数の光素子に同時に配設してもよい。マイクロレンズ製造プロセスでは、例えば、透明樹脂をウエハに塗布し、パターニングした後、所定の熱処理を行うことにより複数の所望の形状の凸レンズを同時に形成することができる。
【0033】
光素子10の発光部11の中心と、レンズ40の中心、すなわち、光ファイバ50の中心とが、多少ずれて配置された場合においても、発光部11が発生した光は、レンズ40の中央部に集光され、光ファイバ50に導光される。
【0034】
光伝送モジュール1Aは、光伝送モジュール1の効果を有し、さらにレンズ40を有するため、発光部11が発生した光を、光ファイバ50に導光しやすい。
【0035】
図5のフローチャートに示すように、光伝送モジュール1Aの製造方法においては、中空円筒体接合工程(ステップS20)の前に、光素子10の発光部11の上に光を集光するレンズ40を配設するレンズ配設工程(S15)を具備する(図6A)。そして、中空円筒体接合工程において、内径D30がレンズ40の外径と同じ中空円筒体30が、レンズ40を収容するように光素子10に接合される(図6B)。図6Cに示す実装工程および図6Dに示す光ファイバ挿入工程は、光伝送モジュール1の製造方法と同じである。
【0036】
すでに説明したように中空円筒体30の内径D30は光ファイバ50の外径D50と略同じである。そして、レンズ40の外径D40は光ファイバ50の外径D50と同じように、(D50+10μm)≧D40≧D50であることが好ましく、(D50+2μm)≧D40≧D50であることが特に好ましい。
【0037】
なお、光伝送モジュール1Aではレンズ40が中空円筒体30の配設位置決め部材の機能を有しているので、発光部11を取り囲むドーナツ状の金属膜13は必須の構成要素ではない。例えば、中空円筒体接合工程(ステップS20)において、樹脂からなる中空円筒体が、樹脂接着剤により光素子10に接合されてもよい。
【0038】
光伝送モジュール1Aの製造方法は、光伝送モジュール1の製造方法の効果を有し、さらにレンズ40により中空円筒体30の位置決めが行われるため製造が容易である。
【0039】
<第3実施形態>
第3実施形態の光伝送モジュール1Bおよび光伝送モジュール1Bの製造方法は、光伝送モジュール1、1A等と類似しているので、異なる構成等についてのみ説明する。
【0040】
図7に示すように、光伝送モジュール1Bは、保持部材60を具備する。保持部材60は、貫通孔60Hを有し、貫通孔60Hに中空円筒体30に挿入された光ファイバ50が挿通している。保持部材60は、配線板20の第2の主面20SBと接着層(不図示)を介して接合されている。
【0041】
貫通孔60Hの内径D60は、中空円筒体30が挿通可能であれば、特に限定されるものではなく、貫通孔60Hは、円柱状のほか、角柱状であってもよい。保持部材60の材質はセラミック、Si、ガラス、またはSUS等の金属部材等である。なお、保持部材60は略直方体ではなく、略円柱状または略円錐状であってもよい。
【0042】
そして、図8のフローチャートに示すように、光伝送モジュール1Bの製造方法においては、貫通孔60Hを有する保持部材60の貫通孔60Hに中空円筒体30を挿入し、保持部材60を配線板20の第2の主面20SBに接合する保持部材接合工程を具備する。
【0043】
光伝送モジュール1B等は、光伝送モジュール1等の効果を有し、さらに、光ファイバ50の接合信頼性が高い。
【0044】
なお、実施形態の光伝送モジュール1、1Aは、小型、特に細径である。このため、内視鏡の先端部に特に好ましく用いることができる。光伝送モジュール1、1Aを有する内視鏡は先端部が細径で低侵襲である。
【0045】
本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせ、および応用が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、1A、1B・・・光伝送モジュール
10・・・光素子
11・・・発光部
12・・・電極
13・・・金属膜
20・・・配線板
20H・・・孔
21・・・接続電極
30・・・中空円筒体
35・・・半田
40・・・レンズ
50・・・光ファイバ
60・・・保持部材
60H・・・貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8