【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、
機体フレームと、
前記機体フレームの前部に設けられ、左右一対の前輪に動力を伝達する伝動系を収容する前伝動ケースと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、
前記後伝動ケースを前記機体フレームに対して昇降可能に支持するサスペンション機構と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記前伝動ケースから前記後伝動ケースに潤滑油が流れる第一潤滑油通路と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記後伝動ケースから前記前伝動ケースに潤滑油が流れる第二潤滑油通路と、を備え、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、前記後伝動ケースの昇降を許容可能に構成され、かつ、最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分を有し、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、その後端ほど下方に位置するように屈曲又は湾曲するように形成され、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路における最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分は、屈曲又は湾曲する部分であり、
前記前伝動ケース
の一部は、前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路よりも上方に配置され、
前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースのうち前記前伝動ケースのみに、オイルゲージが設けられ、
前記後伝動ケースに、前記第一潤滑油通路と接続される第一接続口と、前記第二潤滑油通路と接続される第二接続口と、が設けられ、
前記第一潤滑油通路は、前記前伝動ケース側の第一前側通路部と、前記後伝動ケース側で前記後伝動ケースの昇降を許容可能な第一後側通路部と、を有し、
前記第二潤滑油通路は、前記前伝動ケース側の第二前側通路部と、前記後伝動ケース側で前記後伝動ケースの昇降を許容可能な第二後側通路部と、を有し、
前記第一前側通路部のうち前記第一後側通路部と接続される接続口、及び前記第二前側通路部のうち前記第二後側通路部と接続される接続口は、最も上昇した状態の前記後伝動ケースのうち前記第一接続口及び前記第二接続口よりも上方に位置するように構成されていることにある。
【0011】
本特徴構成によれば、後伝動ケースが最も上昇した場合でも、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分によって、後伝動ケース側に空気が流れ難くなる。これにより、前伝動ケース内の空気が第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を介して後伝動ケースに流入し難い水田作業機を実現することができる。
そして、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分を、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を屈曲又は湾曲するように形成するだけで、簡単に構成することができる。
また、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路よりも上方に位置する前伝動ケースにオイルゲージを設けて、前伝動ケースと後伝動ケースとでオイルゲージの共通化を図ることができる。
さらに、後伝動ケースが最も上昇した場合でも、第一前側通路部の接続口及び第二後側通路部の接続口が、後伝動ケースの第一接続口及び第二接続口よりも上方に位置するため、後伝動ケース側に空気が流れ難くなる。これにより、前伝動ケース内の空気が第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を介して後伝動ケースに流入し難い水田作業機を実現することができる。
【0012】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの前部に設けられ、左右一対の前輪に動力を伝達する伝動系を収容する前伝動ケースと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、
前記後伝動ケースを前記機体フレームに対して昇降可能に支持するサスペンション機構と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記前伝動ケースから前記後伝動ケースに潤滑油が流れる第一潤滑油通路と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記後伝動ケースから前記前伝動ケースに潤滑油が流れる第二潤滑油通路と、を備え、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、前記後伝動ケースの昇降を許容可能に構成され、かつ、最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分を有し、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、その後端ほど下方に位置するように屈曲又は湾曲するように形成され、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路における最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分は、屈曲又は湾曲する部分であり、
前記前伝動ケース
の一部は、前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路よりも上方に配置され、
前記前伝動ケース及び前記後伝動ケースのうち前記前伝動ケースのみに、オイルゲージが設けられていると好適である。
【0013】
本特徴構成によれば、後伝動ケースが最も上昇した場合でも、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分によって、後伝動ケース側に空気が流れ難くなる。これにより、前伝動ケース内の空気が第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を介して後伝動ケースに流入し難い水田作業機を実現することができる。
そして、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分を、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を屈曲又は湾曲するように形成するだけで、簡単に構成することができる。
また、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路よりも上方に位置する前伝動ケースにオイルゲージを設けて、前伝動ケースと後伝動ケースとでオイルゲージの共通化を図ることができる。
【0014】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの前部に設けられ、左右一対の前輪に動力を伝達する伝動系を収容する前伝動ケースと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、
前記後伝動ケースを前記機体フレームに対して昇降可能に支持するサスペンション機構と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記前伝動ケースから前記後伝動ケースに潤滑油が流れる第一潤滑油通路と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記後伝動ケースから前記前伝動ケースに潤滑油が流れる第二潤滑油通路と、を備え、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、前記後伝動ケースの昇降を許容可能に構成され、かつ、最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分を有し、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、その後端ほど下方に位置するように屈曲又は湾曲するように形成され、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路における最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分は、屈曲又は湾曲する部分であると好適である。
【0015】
本特徴構成によれば、後伝動ケースが最も上昇した場合でも、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分によって、後伝動ケース側に空気が流れ難くなる。これにより、前伝動ケース内の空気が第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を介して後伝動ケースに流入し難い水田作業機を実現することができる。
そして、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分を、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を屈曲又は湾曲するように形成するだけで、簡単に構成することができる。
【0016】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの前部に設けられ、左右一対の前輪に動力を伝達する伝動系を収容する前伝動ケースと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、
前記後伝動ケースを前記機体フレームに対して昇降可能に支持するサスペンション機構と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記前伝動ケースから前記後伝動ケースに潤滑油が流れる第一潤滑油通路と、
前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとに亘って設けられ、前記後伝動ケースから前記前伝動ケースに潤滑油が流れる第二潤滑油通路と、を備え、
前記第一潤滑油通路及び前記第二潤滑油通路は、前記後伝動ケースの昇降を許容可能に構成され、かつ、最も上昇した状態の前記後伝動ケースよりも上方に位置する部分を有していると好適である。
【0017】
本特徴構成によれば、後伝動ケースが最も上昇した場合でも、第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路における最も上昇した状態の後伝動ケースよりも上方に位置する部分によって、後伝動ケース側に空気が流れ難くなる。これにより、前伝動ケース内の空気が第一潤滑油通路及び第二潤滑油通路を介して後伝動ケースに流入し難い水田作業機を実現することができる。
【0018】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、を備え、
前記後伝動ケースは、左右一対の前記後輪を支持する後車軸ケースを有し、
前記後車軸ケースに、潤滑油を排出する排出口が下方に開口する状態で設けられ、
前記後車軸ケースに、左右一対の前記後輪を支持する左右一対の後車軸を収容する左右一対の収容部が形成され、
前記後車軸ケースは、左右一対の前記収容部に亘るケース本体部と、前記収容部の横外側部分を構成し、前記ケース本体部に対して着脱可能な左右一対のケース側部と、を有し、
前記排出口は、前記ケース本体部に設けられ、
前記後車軸ケースに、左右一対の前記後車軸への動力を入切する左右一対のサイドクラッチが収容され、
前記後車軸ケースに、左右一対の前記サイドクラッチを入切操作する左右一対のフォークロッドが、上下向きの揺動軸心周りで揺動可能に支持され、
前記排出口の軸心の方向は、前記フォークロッドの前記揺動軸心の方向と平行となるように設定されていると好適である。
【0019】
本特徴構成によれば、潤滑油を排出口から下方に排出することにより、後車軸ケース内の底部に潤滑油が残り難く、後車軸ケース内の潤滑油を容易に抜き取ることができる。
そして、ケース側部よりも大型の部材であるケース本体部に排出口を設けることにより、排出口を設ける位置の自由度が高く、排出口を容易に設けることができる。
また、フォークロッドを支持する部分と同じ方向から、後車軸ケースを加工して排出口を設けることにより、排出口を容易に設けることができる。
【0020】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、を備え、
前記後伝動ケースは、左右一対の前記後輪を支持する後車軸ケースを有し、
前記後車軸ケースに、潤滑油を排出する排出口が下方に開口する状態で設けられ、
前記後車軸ケースに、左右一対の前記後輪を支持する左右一対の後車軸を収容する左右一対の収容部が形成され、
前記後車軸ケースは、左右一対の前記収容部に亘るケース本体部と、前記収容部の横外側部分を構成し、前記ケース本体部に対して着脱可能な左右一対のケース側部と、を有し、
前記排出口は、前記ケース本体部に設けられていると好適である。
【0021】
本特徴構成によれば、潤滑油を排出口から下方に排出することにより、後車軸ケース内の底部に潤滑油が残り難く、後車軸ケース内の潤滑油を容易に抜き取ることができる。
そして、ケース側部よりも大型の部材であるケース本体部に排出口を設けることにより、排出口を設ける位置の自由度が高く、排出口を容易に設けることができる。
【0022】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの後部に設けられ、左右一対の後輪に動力を伝達する伝動系を収容する後伝動ケースと、を備え、
前記後伝動ケースは、左右一対の前記後輪を支持する後車軸ケースを有し、
前記後車軸ケースに、潤滑油を排出する排出口が下方に開口する状態で設けられていると好適である。
【0023】
本特徴構成によれば、潤滑油を排出口から下方に排出することにより、後車軸ケース内の底部に潤滑油が残り難く、後車軸ケース内の潤滑油を容易に抜き取ることができる。
【0024】
さらに、本発明において、
機体フレームと、
前記機体フレームの前部に設けられ、左右一対の前輪に動力を伝達する伝動系を収容する前伝動ケースと、を備え、
前記前伝動ケースは、無段変速装置を収容する無段変速ケースと、左右一対の前記前輪を支持する左右一対の前車軸ケースと、を有し、
左右一対の前記前車軸ケースのうち何れか一方と前記無段変速ケースとに亘って設けられ、左右一対の前車軸ケースのうち何れか一方と前記無段変速ケースとの間で潤滑油が流れる潤滑油通路を備えると好適である。
【0025】
本特徴構成によれば、前伝動ケース内の潤滑油が潤滑油通路を介して循環される。したがって、潤滑油の循環経路を簡易的に構築して、ある程度の潤滑油の冷却を図ることができる。
【0026】
さらに、本発明において、
水田作業機であって、植播系作業機であると好適である。
【0027】
本特徴構成によれば、好適な植播系作業機を提供することができる。