(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の電解槽において陽極で塩化物イオンを酸化して塩素分子を作製することが広く行われている。次亜塩素酸水などを生成する電解装置として、2室型や3室型の電解槽を有する電解装置が用いられている。例えば3室型の電解槽は、四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜もしくは逆浸透膜、ナフィオン等の陽イオン交換膜によって、電解槽が陽極室、中間室および陰極室と3室に区切られる。陽極室および陰極室には、陽極および陰極がそれぞれ配置されている。
【0003】
このような3室型の電解装置では、例えば、中間室に食塩水を流し、左右の陰極室および陽極室に水を流して、中間室の食塩水を陰極および陽極で電解することにより、陽極室で発生した塩素ガスから次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室で水酸化ナトリウム水を生成する。生成した次亜塩素酸水は殺菌消毒水として、水酸化ナトリウム水は洗浄水として活用される。
【0004】
また、2室型の電解槽は、ナフィオン等の陽イオン交換膜や四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜、逆浸透膜によって、電解槽が陽極室および陰極室と2室に区切られる。陽極室および陰極室には、陽極および陰極がそれぞれ配置されている。
【0005】
このような2室型の電解装置では、例えば、陽極室に食塩水を流し、陰極室に水を流して、食塩水を陽極で電解することにより、陽極室で発生した塩素ガスから次亜塩素酸水を生成させる。
【0006】
具体的な次亜塩素酸水溶液の反応を以下に示す。電解で発生した塩素ガスは水に溶けると以下の平衡反応式(1)により塩酸と次亜塩素酸を生成する。
【数1】
【0007】
塩素ガスと水を混合することで次亜塩素酸水が製造可能であるが、式(1)に示す通り、次亜塩素酸と同時に塩酸が生成する。そのため次亜塩素酸水のpHが変動してしまう。
【0008】
図2に、pHと塩素の有効次亜塩素残存率の関係を表すグラフを示す。
【0009】
200は、pHと塩素の有効次亜塩素残存率の関係を表すグラフであり、領域201は強酸性電解水、領域202は弱酸性電解水、領域203は微酸性電解水、領域204は次亜塩素酸ナトリウム、領域205は塩素を各々示す。
【0010】
塩素と水を接触させて次亜塩素酸を生成すると、この時同時に塩酸が生成する。塩酸が増加するにつれ、pHは次第に低下する。この時、
図2に示すように、pHが5以下の領域においてはpHが低下するにつれ塩素の割合が増え、次亜塩素酸の割合が低下する。すなわち、一定量の塩素から生成できる次亜塩素酸の割合はpHが低くなるほど相対的に減少するという課題がある。
【0011】
また、上記のように塩素ガスの発生が起こると異臭の原因になり、処理するにも別途処理機を付ける必要がある。
【0012】
さらに、陽極室に流水した場合では、電極や膜から溶出した不純物や塩が次亜塩素酸水に混ざるという課題がある。次亜塩素酸水に不純物が混入すると食品等に使用できなくなり、また、次亜塩素酸水に塩が混入すると配管の腐食を加速させる可能性もある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の実施形態にかかる電解装置は、陽極を有する陽極室、陽極室と第1の隔膜により仕切られた中間室、及び中間室と第2の隔膜により仕切られた、陰極を有する陰極室を含む電解槽を有する。
【0018】
中間室には無機塩化物を含む電解質水溶液を供給する第1の供給機構を設けることができる。水性液体を供給する第2の供給機構を、陰極室に設けることができるが、陽極室には設けない。陽極室には塩素ガスを取り出す第1のラインが設けられる。さらに、陽極室の後段には、第1のラインに接続されて、取り出された塩素ガスを水性液体と接触させて、次亜塩素酸水を作成するための2以上のタンクが設けられている。また、陰極室には、任意に、アルカリ性水を取り出すラインを設けることが可能である。
【0019】
第2の実施形態にかかる電解装置は、陽極を有する陽極室、陽極室と第1の隔膜により仕切られた、陰極を有する陰極室を含む電解槽を有する。
【0020】
陰極室には無機塩化物を含む電解質水溶液を供給する第1の供給機構を設けることができる。陽極室には塩素ガスを取り出す第1のラインが設けられる。さらに、陽極室の後段には、第1のラインに接続されて、取り出された塩素ガスを水と接触させて、次亜塩素酸水を作成するための2以上のタンクが設けられている。また、陰極室には、任意に、アルカリ性水を取り出すラインを設けることが可能である。
【0021】
実施形態にかかる電解装置では、陽極室に水を供給せずに、陽極にて発生した塩素ガスを陽極室の後段に設けられた2以上のタンクに送り、ここで、塩素ガスを水性液体に接触させることにより次亜塩素酸水を生成することができる。陽極室から取り出す塩素ガスは、ガス状態のまま陽極室から取り出されるので、陽極室内で使用される触媒、陰イオン交換膜、及び塩水に由来する不純物は、次亜塩素酸水に混入しにくい。
【0022】
なお、水性液体としては、例えば、水、次亜塩素酸水等が使用できる。
【0023】
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る3室型の電解槽を持つ電解装置の概略的な断面図である。
【0025】
図1に示すように、電解装置10は3室型の電解槽11と次亜塩素酸製造部12とに大別できる。3室型の電解槽11は陰イオン交換膜21で仕切られ、陽極1を備えた陽極室4と陽イオン交換膜23で仕切られ、陰極3を備えた陰極室5、さらに上記陽極室4と陰極室5に挟まれ、陰イオン交換膜21、陽イオン交換膜23で仕切られた中間室2からなる。陽極室4には液体は満たさず、初期状態では、例えば空気が入っている。陰極室5にはポンプ等を使って給水ライン101から水を供給する。中間室2にはポンプ等を使って塩水供給ライン102から塩水を供給する。
【0026】
そして陽極室4と陰極室5の電極1,3間には電源13が繋がれており、電源13から電圧を印加することで、陰極室5では水の電気分解でヒドロキシルイオンが生成し、陽イオン膜を通ってきたナトリウムイオンと反応することで、水酸化ナトリウムが生成する。
【0027】
一方、陽極室4においては中間室2から陰イオン交換膜21を通ってきた塩化物イオンが酸化され塩素ガスが発生する。このとき発生した塩素ガスを陽極室4の上部に設けられた塩素ガスライン110から取り出して後段の次亜塩素酸製造部12に流し込むことで次亜塩素酸水が生成できる。
【0028】
次亜塩素酸製造部12は、前段タンク6と前段排出コック7と次亜塩素酸水ライン104、前段タンク6と直列に繋がれた後段タンク8と後段液体排出コック9と次亜塩素酸水ライン105から成る。なお、タンク6,8と液体排出コックは2段以上に繋げても良いし、並列に繋げても良い。ただしタンク6,8を並列につなげた場合はタンクに入れる水の量を変えておくなど塩素ガスの溶解量を変えることでタンク6,8内のそれぞれの次亜塩素酸水のpHの変化をつけることができる。また、直列につなげた場合でもタンク6,8の水の量を変えておくことで、それぞれの次亜塩素酸水の所望のpHを得ることが出来る。また、ここでは、2つのタンク6,8を使用しているが、タンクは電解電流とタンクの液体容量に応じて、効率を上げたい場合は、3つ以上に増やすことができる。また、タンク6,8には、例えば塩素ガスライン110,及びタンク6から取り出した塩素ガスを後段のタンク8に送る塩素ガスライン111を、各々、タンク6及び8の水面よりも低位に挿入することにより、塩素ガスが水中にバブリングする機構が設けられている。
【0029】
実施形態によれば、このようにタンクを連結させることで、電解槽近傍のタンクはpHを低く、電解槽から遠いタンクほどpHを高くすることができる。そして、pHが低いタンクで排出される塩素ガスを後段のタンクで回収することにより塩素の利用効率を向上させることができる。このとき前段のタンクのpHは2から3の間であり、後段のタンクのpHは3から6.5の間にあることが好ましい。このようにpHを変えて作った次亜塩素酸水は、例えば前段のpHは2から3の強酸次亜塩素酸水は使用時には塩素臭がするが、殺菌作用が強いため密閉された空間において使用すれば、様々なウィルスを極短時間で滅殺することが出来る。そのため食物を直接浸漬して滅菌したり、ノロウィルス拡散防止用として靴や手袋、トレーや車のタイヤにつけて消毒することができる。また後段のpHは3.0から6.5の低環境負荷な弱酸次亜塩素酸水は塩素ガスが発生しにくいため、塩素臭がせず、ミストにして工場の作業着や工場の衛生環境用として散布することもできるし、直接人体に触れるような手洗い消毒用やうがいなどの体内の浄化用として使用することも可能である。
【0030】
電解槽11に使われる隔膜としては、高分子電解質膜、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、具体的には、第2の隔膜としては陽イオン交換膜、第1の隔膜としては陰イオン交換膜、或いは第
2の隔膜として炭化水素系の膜を用いることができる。陽イオン交換膜としては、NAFION(イー アイ デュポン社:商標)112,115,117、フレミオン(旭硝子株式会社:商標)、ACIPLEX(旭化成株式会社:商標)、ゴアセレクト(ダブリュー.エル.ゴア アンド アソシエーツ社:商標)が挙げられる。陰イオン交換膜としては、株式会社トクヤマ製のA201等が挙げられる。
【0031】
電極としてはチタン、クロム、アルミニウムやその合金等の弁金属を基材として基材表面に触媒層を形成することができる。陽極に用いる場合には白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム、酸化ルテニウム等の酸化物触媒を用いることができる。
【0032】
なお、塩素を発生させない一般的な2室型の電解槽は、陽極に直接塩水を送り込むため、上記電極から溶け出した酸化ルテニウムなどの不純物や塩水が含まれてしまう。塩水は食品の味を変化させてしまうし、散布したときには金属などを腐食させることも考えられる。また、酸化ルテニウムやイリジウムの食品への混合は不適切であると考えられる。
【0033】
同様に3室型の電解槽でも、陽極に直接に液体を送り込むため、上記電極から溶け出した酸化ルテニウムなどの不純物が含まれてしまうため不適切である。
【0034】
これに対し、実施形態にかかる電解装置においては、陽極室で発生した塩素ガスを、ガス状態のまま陽極室から取り出すため、塩の成分や電極から溶け出した不純物を後段のタンクへ運び難いという利点がある。中間室から拡散する水が陽極室に蓄積することもあるが、生成した塩素ガスと陽極室の蓄積水は重力により容易に分離することが可能である。分離した蓄積水は、必要に応じて排水ラインを設けて、陽極室から排出させることができる。そのため、
図1で図示したように塩素ガスを取り出す配管は、陽極室4の重力方向上部側に設置することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図3に、第2の実施形態にかかる2室型の電解槽を持つ電解装置の概略図を示す。
【0036】
この電解装置10’は、3室型の電解槽11の代わりに2室型の電解槽11’を用いること以外は
図1と同様の構成を有する。
【0037】
なお、第1の実施形態では3室型の電解槽について主に記載しているが、第2の実施形態にかかる2室型の電解槽11’の場合は、四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜もしくは逆浸透膜24によって、電解槽11’が陽極室4’および陰極室5’の2室に区切られる。このような2室型の電解槽11’では、陰極室5’に食塩水を流し、陽極室4’には液体を流さない。このとき塩素の移動は陰極3’からの拡散だけでなく、陰極室5’に圧力をかけて陽極1’への塩素イオンの移動を促進させることが可能であり、あるいは高い電圧を陽極1’にかけることにより電界勾配により塩素イオンの移動を促進させることができる。陰極3’から膜24を透過した塩素イオンを陽極1’で電解することにより、陽極室4’で塩素ガスを発生させ連結したタンクに送ることで次亜塩素酸水を生成することができる。
【0038】
第1の実施形態の変形例
図4に、第1の実施形態にかかる電解装置の変形例を表す概略図を示す。
【0039】
第2の実施形態に係る電解装置20は、電解槽11の陽極室4の下段に液体排出用のコック14及び排水ライン106をさらに装備していること以外は、
図1と同様の構成を有する。中間室2から陽極室4へ移動して蓄積する水をコック14及び排水ライン106により排出することが可能となる。なお、生成する塩素ガスとこの水は重力により容易に分離することが可能である。
【0040】
比較の電解装置の構成例1
図5に、比較の電解装置の一例を表す概略図を示す。
【0041】
図示するように、比較の電解装置30は、後段タンク8を設けないこと以外は、
図1と同様の構成を有する。陽極室4の後段には前段タンク6しか設けられていない。
【0042】
比較の電解装置の構成例2
図6に、比較の電解装置の他の一例を表す概略図を示す。
【0043】
比較の電解装置40は、陽極室4に、ポンプ等を使って水を供給する給水ライン107をさらに設け、陽極室4の後段に次亜塩素酸製造部12の代わりに次亜塩素酸水ライン108と次亜塩素酸タンク18を設けて、陽極室で生成された次亜塩素酸水を次亜塩素酸水ライン108から取りだし次亜塩素酸タンク18へ収容すること以外は
図1と同様の構成を有する。図示するように、水を直接供給し、発生した塩素は陽極室内で次亜塩素酸に変換されるので、後段のタンクで次亜塩素酸水を回収する。この電解装置40では、陽極室4に直接液体水を供給するため、陽極の溶出不純物や中間室から拡散してくる塩水が次亜塩素酸水に混ざる可能性がある。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
陽極および陰極の電極基材は、0.5mmの平坦なチタン製であり、線状部のWは1.0mm、LWは2.0mmである。菱形に開放された開口部の角度θは120°である。
【0045】
この電極に塩化イリジウム(IrCl
3・nH
2O)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、あらかじめ、10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。こうして調整された溶液を、電極基材に塗布した後、乾燥と焼成を行う。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極基材を、反応電極面積が10cm×20cmに切り出して、それを陽極とする。
【0046】
次に、この電極基材に白金をスパッタすることにより陰極とする。
【0047】
これらの電極を用いて
図1で示される電解装置10を作製する。
【0048】
陽極1の隔膜として陰イオン交換膜であるトクヤマ製のA201を用い、陰極3の隔膜としてナフィオン117を用いる。
【0049】
ストレート流路が形成された塩ビ製の陽極室4と陰極室5、中間室2には多孔質ポリスチレンに飽和食塩水を供給するための容器用い、これらを重ね合わせて電解槽を構成する。
【0050】
電源13を設置し、陰極室5に水道水を給するための配管とポンプ、中間室2には多孔質ポリスチレンに飽和食塩水を循環供給するための飽和食塩水だめと配管、ポンプを設置する。
【0051】
この電解装置10を用いて、電圧5Vで1時間電解を行い、陽極側で塩素ガスを陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
【0052】
このとき前段タンク6および後段タンク8に水をそれぞれ10リットル入れ、水面から深さ5cmのところにガス配管の入口を設置した。
【0053】
1時間の電解で前段タンクのpHは2.5に、後段のタンクのpHは5になっていた。
【0054】
このときの塩素有効利用率は95%以上であった。また前段のタンクおよび、後段のタンクに含まれるイリジウム金属の量はICPで測定しても1μg/リットル以下であった。同様に塩も10mg/リットル以下であった。
【0055】
(比較例1)
比較の電解装置の構成例1に記載の電解装置30を作製し、次亜塩素酸製造を行った。
【0056】
このときタンクには水を20リツトル入れ、水面から深さ10cmのところにガス配管の入口を設置した。1時間の電解でタンクのpHは3.5になっていた。
【0057】
このときの塩素有効利用率は60%であった。
【0058】
これにより、タンク1つよりも2つ以上つなげることで塩素有効効率が向上することがわかる。
【0059】
(比較例2)
第4の実施形態に記載した電解装置を作製し、次亜塩素酸製造を行った。このとき陽極室に水を20リットル/時間で送り込んだ。1時間の電解で次亜塩素酸回収タンクのpHは3.5になっていた。
【0060】
このときの塩素有効利用率は60%であった。また前段のタンクおよび、後段のタンクに含まれるイリジウム金属の量は10μg/リットルであった。同様に塩も80mg/リットルであった。
【0061】
陽極室に直接液体水を送ると陽極の溶出不純物や中間室から拡散してくる塩水が次亜塩素酸水に混入することがわかる。
【0062】
(実施例2)
実施例1と同様の電解槽および次亜塩素酸製造部を有し、さらに第2の実施形態に示すように中間室2から陽極1へ移動する水分をコック14により排出する電解槽を作製する。この電解装置を用いて、電圧5Vで電解を行い、陽極側で塩素ガスを陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
【0063】
コック14より24時間ごとに陽極室に蓄積した水を排出することで2000時間の運転でも次亜塩素酸を製造可能であり、このときの前段のタンクおよび、後段のタンクに含まれるイリジウム金属の量はICPで測定しても1μg/リットル以下であった。同様に塩も10mg/リットル以下であった。
【0064】
(実施例3)
水分コック14を用いない実施例1の系では100時間の運転後には陽極室の80%が中間室からの透過水で満たされていた。2000時間運転後の前段のタンクおよび、後段のタンクに含まれるイリジウム金属の量は10μg/リットルであった。塩は90mg/リットルであった。
【0065】
陽極室へ透過した水、塩および陽極から溶け出した触媒を含む水が、陽極後部配管を塩素ガスと2層流となって通過し、後段の次亜塩素酸製造タンクへと流入したためと考えられる。このため、陽極室から、定期的に液体を排出したところ、前段のタンクおよび、後段のタンクのイリジウム金属の量はICPで測定しても1μg/リットル以下であった。同様に塩も10mg/リットル以下であった。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。