(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器100の構成を示す図である。本実施形態に係る電子機器100は、他の装置500と電気的に接続するためのコネクタ101と、センサ等を搭載し電子機器100の主たる機能を司る機能部104とを備える。
【0019】
まず、コネクタ101の構成について説明する。
【0020】
コネクタ101は、他の装置500が備えるイヤホンジャック501に挿入して電気的接続を行う接続部102と、当該接続部102をイヤホンジャック501に挿入するときに利用者がコネクタ101を保持するための保持部103とを備える。
【0021】
接続部102は、例えばJEITA(電子情報技術産業協会)のRC5325A規格に準拠したφ3.5mmの4極小形単頭プラグとすることができる。また、本実施形態では、
図1において絶縁部2により電気的に絶縁されて配置される導電部1a乃至1dは、それぞれ左音声信号(L信号)端子、右音声信号(R信号)端子、GND端子、及びマイク信号端子に割り当てることができる。また、他の装置500の仕様に合わせて、導電部1c及び1dは、それぞれマイク信号端子及びGND端子に割り当ててもよい。なお、本明細書において、接続部102の外形を構成する導電部1a乃至1dを含む部分を筐体6と定義している。
【0022】
接続部102のより詳細な構成を
図2(a)に示す。
図2(a)は、
図1の接続部102を中心軸方向に分解した分解斜視図である。導電部1a乃至1dは、それぞれ中心軸方向に伸びる端子7a乃至7dを有する。端子7a乃至7dは、
図2(b)に示すように導電部1a乃至1dからの信号をそれぞれ独立に保持部103及び機能部104の方向へと導くための接続部配線8に接続されている。なお、
図2(a)において、蓄電体3は接続部102の内部に収納可能な大きさで描かれているが、
図1のように蓄電体3の一部のみが接続部102内に配置されるように構成してもよい。
【0023】
導電部1a乃至1dの材料には例えば黄銅を用い、金めっき又はニッケルめっき等を施すことができる。また、絶縁部2の材料には例えばポリアセタール樹脂を用いることができる。
【0024】
なお、本実施形態の接続部102は、他の装置500の仕様に合わせて、例えばEIA(Electronics Industries Alliance)のEIA−453規格に準拠したφ6.3mmのいわゆるフォーンプラグ、又はIEEE−1394等の、他の様々なコネクタに置換することが可能である。
【0025】
保持部103は、蓄電体3への充電を制御する充電制御部4と、導電部1a及び1bを経由して他の装置500から供給される音声信号の電力変換等を行う回路部5とを備える。また、蓄電体3は、その一部が接続部102内に配置され、他の部分が保持部103内に配置されている。なお、蓄電体3の配置はこの態様に限定されるものではなく、蓄電体3の一部が保持部103の内部等、コネクタ101内のいずれかの場所に配置されていればよい。
【0026】
蓄電体3は、他の装置500から供給される電力を充電する。蓄電体3には、例えば
図3に示すような金属製の筒型ケース3dに封入された正極3a、負極3b及びセパレータ3cを備えるリチウムイオン電池を用いることができるが、この態様には限定されない。蓄電体3は、例えばニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の他の二次電池によって構成してもよい。また、蓄電体3は、マンガン電池等の一次電池又はキャパシタによって構成してもよい。
【0027】
充電制御部4は、他の装置500との接続状態及び蓄電体3の充電量等を監視して、その結果に応じて、他の装置500から蓄電体3への充電を制御する。充電制御部4は、例えばマイコンにより実現することができる。なお、充電制御部4の機能は、後述する機能部104が備える制御部10等により実現するように構成してもよい。あるいは、充電制御部4は、他の装置500に搭載されてもよい。
【0028】
回路部5は、導電部1a及び1bを経由して他の装置500から供給された交流電力である音声信号を、
図4に示すAC/DC回路5a及び波形整形器5bによって直流電力へと変換し、更に昇圧回路5cにより所定電圧まで昇圧を行う。昇圧後の電力は、充電制御部4によって蓄電体3に充電される。また、導電部1dを経由して他の装置500から供給されたマイク電源供給用のDC電力は、電力変換することなく、充電制御部4によって蓄電体3に充電される。なお、マイク電源供給用のDC電力についても昇圧回路5cにより昇圧してから蓄電体3に供給するように構成してもよい。
【0029】
次に、機能部104の構成について説明する。
【0030】
機能部104は、電子機器100の主たる機能を実現するための機能素子を備える。本実施形態において、機能部104は、機能素子としてセンサ11bを有するセンサ部11と、当該機能を実現するための各種制御を行う制御部10と、センサ部11等からのデータを記憶するための記憶部12とを備える。コネクタ101及び機能部104は、隣接させて配置してもよいし、
図1の配線15により両者を電気的に結合することにより、離して配置してもよい。
【0031】
なお、コネクタ101と機能部104とは必ずしも明確に分離されている必要はなく、例えばコネクタ101が機能部104を含むように構成してもよい。
【0032】
ここで、蓄電体3への充電時、機能部104への給電時、及びデータ送信時における各信号の流れについて説明しておく。
【0033】
図5において、機能部104への給電用の電力は、太い実線で示されている。コネクタ101が他の装置500に接続部102経由で接続されているときは、他の装置500からのL信号及びR信号が回路部5で所定の直流電力に変換されて機能部104に供給される。一方、コネクタ101が他の装置500に接続されていないときは、充電制御部4が蓄電体3に充電された電力を放電させて機能部104に供給する。なお、コネクタ101が他の装置500に接続されている場合にも、蓄電体3の充電量が十分に大きい場合には、蓄電体3から機能部104に給電するように構成してもよい。また、コネクタ101が他の装置500に接続されている場合に、L信号及びR信号に加えて、又はL信号及びR信号に代えてマイク信号の電力を機能部104に給電するように構成してもよい。
【0034】
図5において、蓄電体3への充電用の電力は、太い破線で示されている。電子機器100が他の装置500に接続部102経由で接続されているときは、他の装置500からのL信号及びR信号が回路部5で所定の直流電力に変換されて蓄電体3に充電される。また、他の装置500からのマイク給電用の直流電力が電力変換されずに蓄電体3に充電される。
【0035】
図5において、他の装置500から受信したデータ、及び他の装置500に送信されるデータは、細い実線で示されている。機能部104は、記憶部12内にデータを有しているときは、当該データを接続部102内の導電部1d経由でマイク信号として送信する。また、機能部104は、他の装置500からのデータを接続部102内の導電部1a、1b経由でL信号及びR信号として受信する。なお、他の装置500からデータを受信しているときは、制御部10は、回路部5が直流電力への変換を行わないように制御する。このとき、他の装置500から受信したデータは、電力変換されずに機能部104へと送られる。
【0036】
本実施形態の電子機器100の外観図を
図6(a)に示す。コネクタ101の保持部103が接続部102の根元部分に隣接して配置され、動物の頭の形状を有するように形成されている。そして、保持部103に更に隣接して設けられた機能部104が接続部102の先端方向に折り返すように配置されている。機能部104は動物の胴の形状を有するように形成されている。
図6(b)は、電子機器100の接続部102を他の装置500のイヤホンジャック501に挿入した様子を示す。電子機器100を他の装置500に取り付けた状態では、機能部104が他の装置500の表示部に平行となるように配置される。従って、電子機器100を他の装置500に接続しても際立った突出部が発生しないため、他の装置500の携帯性に影響を与え難い。
【0037】
本実施形態の電子機器100を他の装置500に接続したときのデータの流れを
図7にブロック図で示す。機能部104の制御部10は、他の装置500から左音声信号(L信号)及び右音声信号(R信号)の形式で出力されたデータ信号を、接続部102の導電部1a及び1bを経由して受信する。この制御部10が受信するデータは、例えば、センサ11bの動作開始コマンド、記憶部12からのデータ読み出しコマンド等である。制御部10は、他の装置500からセンサ11bの動作開始コマンドを受信すると、センサ部11が有するセンサマイコン11aに対してセンサ11bの測定開始コマンドを送信する。また、制御部10は、記憶部12内にデータが存在する場合には、当該データをマイク(MIC)信号の形式で接続部102の導電部1d経由で送信する。
【0038】
なお、センサ部11が有するセンサ11bは、例えば加速度センサ、ジャイロセンサ又は気圧センサとすることができる。これらのセンサを搭載することにより、例えば、歩行状態検出、走行状態検出、自転車走行状態検出、乗り物状態検出、睡眠状態検出、又は気圧状態検出等の機能を実現することができる。あるいは、センサ部11が有するセンサ11bは、紫外線量センサ、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、距離測定センサ、糖度センサとしてもよい。さらには、センサ部11が有するセンサ11bは、脈拍センサ、血流センサ、血圧センサ等のバイタルセンサとしてもよい。
【0039】
一方、他の装置500が電子機器100にデータを送信する場合には、まず送信データ生成部503が制御部502からのデータを所定の方式で変調し、誤り訂正符号の付加等を行って送信用データを生成する。次に音変換部504は、デジタル信号である送信用データをアナログ信号である音声信号(L信号及びR信号)に変換する。最後に送音部505は、音声信号の増幅及び出力インピーダンスのマッチング等を行い、電子機器100側に出力する。出力された音声信号は、電子機器100の接続部102が有する導電部1a及び1bを経由して機能部104へと送られる。また、他の装置500が電子機器100からデータを受信する場合には、電子機器100の機能部104からの送信データが、アナログ信号であるマイク信号の形式で導電部1dを経由して他の装置500の録音部508に入力される。録音部508は、受信した信号に対してバッファリング等を行い、音解析部507に送る。音解析部507は、アナログ信号であるマイク信号のA/D変換等を行い、変換後の信号を受信データ生成部506に送信する。受信データ生成部506は、音解析部507からの出力に対して誤り訂正及び復調等を行うことにより復号して受信データを生成する。復号された受信データは、制御部502によって所定のアプリケーションの作動に利用される。
【0040】
次に、本実施形態の電子機器100の充電及びデータ送受信時の制御例を
図8にフローチャートにより示す。
【0041】
電子機器100の制御部10は、コネクタ101が他の装置500と接続されているか否かを判定する(ステップS101)。この接続の判定は、例えば他の装置500のイヤホンジャック501の挿入口に設けられた2つの部材がコネクタ101の挿入により短絡した旨を他の装置500から通知されることにより行うことができる。ステップS101においてコネクタ101が他の装置500と接続されていると判定すると、制御部10は充電制御部4に蓄電体3の充電制御を開始させる。一方、制御部10は、コネクタ101が他の装置500と接続されていないと判定すると、蓄電体3の充電及びデータの送受信を行うことができないため、処理を終了する。
【0042】
他の装置500との接続が検出されると、充電制御部4は、蓄電体3が満充電の状態であるか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102における、満充電の状態であるか否かの判定は、蓄電体3の種類によって異なる。例えばリチウムイオン電池の場合には、充電電圧及び充電電流を管理することにより満充電の判定を行うことができる。
【0043】
ステップS102において蓄電体3が満充電ではないと判定すると、充電制御部4は、まずマイク(MIC)信号を利用して充電を開始させる(ステップS103)。コネクタ101をいわゆるプラグインパワー対応のマイク端子を備える4極のイヤホンジャック501に挿入すると、接続部102のマイク端子に対応する導電部1dには、マイクに電源を供給するための所定の電圧が供給される。この所定の電圧を蓄電体3に供給することにより充電を行う。なお、充電制御部4は導電部1dにかかる電圧を監視している。充電制御部4は、マイク端子に所定の電圧が観測された場合にのみ蓄電体3への充電を開始させる。
【0044】
一方、ステップS102において、蓄電体3が満充電の状態であると判定すると、制御部10は、充電に関するステップS103乃至S106を実行しないで、データの送信に関するステップ(ステップS107以降)を実行する。
【0045】
ステップS103を実行すると、制御部10は接続部102の導電部1a及び1bが音声信号(L信号及びR信号)を受信しているか否かを判定する(ステップS104)。制御部10は、音声信号を受信していないと判定すると、他の装置500に対して音声信号の出力を要求する(ステップS105)。この音声信号の要求は、例えば制御部10が音声信号の出力を要求するためのコマンドをマイク信号として導電部1d経由で他の装置500に送信することにより行われる。充電制御部4は、音声信号を受信する状態になると(ステップS104においてYesの場合)、音声信号から蓄電体3への充電を開始させる(ステップS106)。音声信号はアナログの交流信号であるため、先述のようにAC/DC変換、波形整形、及び昇圧を行うことにより、充電に適した所定電圧の直流電圧へと電力変換を行うことが可能である。
【0046】
次に制御部10は、記憶部12に未送信のデータが存在するか否かを判定する(ステップS107)。本実施形態において、記憶部12内のデータとは、例えばセンサ11bによって測定された測定結果等である。制御部10は、記憶部12内にデータが存在すると判定すると、接続信号を導電部1d経由で他の装置500に対して送信する(ステップS108)。接続信号とは、電子機器100が有するデータを送信するために他の装置500に対して接続を要求する信号である。一方、制御部10は、記憶部12内にデータが存在しないと判定すると、データ送信に関するステップ(ステップS108乃至S110)を実行しないで、ステップS111の実行を行う。
【0047】
他の装置500が正常に動作している場合には、ステップS108において電子機器100が送信した接続信号を受信すると、他の装置500の制御部502は、電子機器100に対してデータリクエスト信号を送信する。電子機器100の制御部10は、ステップS108を実行した後、データリクエスト信号を受信したか否かを判定する(ステップS109)。制御部10は、データリクエスト信号を受信したと判定すると、記憶部12内のデータを他の装置500に対して送信する(ステップS110)。一方、データリクエスト信号を受信していないと判定すると、制御部10は、再度接続信号を送信して(ステップS108に戻る)、データリクエスト信号を受信するまで待機する。
【0048】
制御部10は、記憶部12内のデータの送信を終了すると、蓄電体3が満充電の状態になっているか否かを判定する(ステップS111)。制御部10は、蓄電体3が満充電の状態であると判定すると、充電動作を終了する(ステップS112)。次に、制御部10は、ステップS107の実行から所定時間が経過するまで待機する(ステップS113)。すなわち、制御部10は、所定時間ごとに記憶部12内にデータが有るか否かを判定し、データがある場合には、他の装置500に対して送信する。
【0049】
ステップS113において所定時間経過したと判定すると、制御部10は、電子機器100のコネクタ101が他の装置500と接続されているか否かを判定する(ステップS114)。このステップS114での判定は、ステップS101での判定と同じ方法によって行うことができる。制御部10は、依然としてコネクタ101が他の装置500と接続されていると判定すると、ステップS107に戻って記憶部12内のデータの有無を判定する。一方、制御部10は、ステップS114においてコネクタ101と他の装置500とが接続されていないと判定すると、処理を終了する。
【0050】
なお、制御部10は、電子機器100が他の装置500と未接続の状態になっても、直ちに電子機器100の動作を停止させることなく、例えば10〜12時間はセンサ11bによる計測を継続し、測定結果を記憶部12に記憶する。そして、制御部10は、同時に充電制御部4を経由して蓄電体3の充電量を監視して、充電量が所定値以下となった場合には、機能部104の動作を停止させて、電子機器100をスタンバイ状態へと移行させる。このような制御を行うことにより、電子機器100は、他の装置500から電力供給を受けていない場合にも、内部の蓄電体3からの放電により機能部104を動作させることができる。これにより、電子機器100は、必要最小限の電力により機能部104を動作させることが可能となる。
【0051】
以上述べたように、本実施形態によれば、電子機器100が機能部104と蓄電体3とコネクタ101とを備え、蓄電体3の少なくとも一部がコネクタ101の内部に配置されるように構成した。これにより、これまで蓄電体3の配置場所として活用されていなかったコネクタ101の内部に蓄電体3を配置するため、蓄電体3を備えていながら電子機器100全体の体積の増加を少なくできる。
【0052】
また、本実施形態によれば、蓄電体3は特に接続部102の内部に配置されるように構成した。これにより、蓄電体3を備えることによる電子機器100の体積の増加を少なくできる。
【0053】
また、本実施形態によれば、蓄電体3への充電は、他の装置500から接続部102を経由した給電により行われるように構成した。これにより、電子機器100の接続部102を他の装置500のジャックに挿入しておくだけで蓄電体3への充電が可能となる。
【0054】
また、本実施形態によれば、他の装置500から蓄電体3への充電は、コネクタ101と他の装置500との電気的な接続を検出したときに、充電制御部4が充電を開始させるように構成した。これにより、適切なタイミングで充電を開始させることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、コネクタ101と他の装置500とが電気的に接続されている場合には、他の装置500又は蓄電体3の少なくとも一方から給電され、コネクタ101が他の装置500から電気的に切断されると、蓄電体3から給電されるように構成した。これにより、他の装置500に依存しないで電子機器100を単独で動作させることが可能となるため、利用者は他の装置500を常に動作させておく必要が無い。従って、機能部104の動作に必要な電力を削減することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、機能部104がセンサ部11と記憶部12とを有し、記憶部12がセンサ部11で検出されたセンサ情報を記憶し、コネクタ101が他の装置500と接続されると、センサ情報が接続部102を介して他の装置500に送信されるように構成した。これにより、他の装置500に依存しないで電子機器100が有するセンサ11bを単独で動作させ、測定結果を記憶させ、定期的に他の装置500に送信することが可能となる。そのため、利用者は他の装置500を常に動作させておく必要が無い。従って、機能部104の動作に必要な電力を削減することができる。
【0057】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係る電子機器が備える蓄電体33、及び蓄電体33を内蔵した接続部102の構成を示す図である。なお、本実施形態は、蓄電体33の構成が異なる他は、第1実施形態と同様の構成を有している。従って、以下の説明では、蓄電体33の構成に絞って説明する。
【0058】
図9(a)は、本実施形態に係る電子機器が備える蓄電体33の構成を示している。蓄電体33は、円筒形状に形成された絶縁膜33dの内部に、正極、負極及びセパレータを重ね合せた積層フィルム33aを巻回し電解液33eと共に封入した構成を有する。絶縁膜33dは、積層フィルム33a及び電解液33eと導電部1a乃至1dとを電気的に絶縁する。なお、絶縁膜33dの材質としては、例えばポリプロピレン等を用いることができる。絶縁膜33d内に封入した蓄電体33は、例えば
図9(b)の導電部1a乃至1d内に収納することにより、衝撃等から保護することができる。
【0059】
以上述べたように、本実施形態によれば、正極、負極及びセパレータを重ねた積層フィルム33aを電解液33eと共に絶縁膜33dの内部に封入した蓄電体33を接続部102の内部に配置するように構成した。これにより、第1実施形態のように蓄電体33の容器を高剛性の筒型ケースとしなくても衝撃等から蓄電体33を保護することが可能となるため、部品点数を削減することができる。
【0060】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態に係る電子機器が備える蓄電体43、及び蓄電体43を内蔵した接続部102の構成を示す図である。なお、本実施形態は、蓄電体43の構成が異なる他は、第1実施形態と同様の構成を有している。従って、以下の説明では、蓄電体43の構成に絞って説明する。
【0061】
図10(a)は、本実施形態に係る電子機器が備える蓄電体43の構成を示している。蓄電体43は、シート状に形成されたシート電池である。蓄電体43は、一辺に2つの電極43bを備えるが、この電極の位置は任意に選択が可能である。
図10(b)は、この蓄電体43を巻回して接続部102内に収めた状態を示す図である。このように巻回した蓄電体43を、導電部1a乃至1d内に収納することにより、衝撃等から保護することができる。
【0062】
なお、蓄電体43は巻回して接続部102の内部に配置する他、折り畳んで接続部102の内部に配置するように構成してもよい。
【0063】
以上述べたように、本実施形態によれば、シート電池を巻回し、又は折り畳んだ蓄電体43を接続部102の内部に配置するように構成した。これにより、第1実施形態のように蓄電体43の容器を高剛性の筒型ケースとしなくても衝撃等から蓄電体43を保護することが可能となるため、部品点数を削減することができる。
【0064】
(第4実施形態)
図11(a)は、本発明の第4実施形態に係る電子機器200の構成を示す図である。本実施形態に係る電子機器200は、他の装置600と電気的に接続するためのコネクタ201と、センサ等を搭載し電子機器200の主たる機能を司る機能部204とを備える。なお、電子機器200は、接続部202の構成が異なる他は、第1実施形態と近似する構成を有している。従って、以下の説明では、接続部202の構成を中心に説明する。
【0065】
接続部202は、導電性部材からなる筐体26の内部に、蓄電体23及び4本の導電部21を有する。接続部202は、例えばUSB(Universal Serial Bus) Type−A Plugとすることができる。
図11(b)は、接続部202を先端側から見たより詳細な構成である。矩形状の開口を有する筐体26の内部に、4本の導電部21が筐体26の長手方向に等間隔で配置されている。
図11(b)において、導電部21の左側には、蓄電体23が配置されている。蓄電体23が配置されている領域は、通常のUSB Type−A Plugでは筐体26と導電部21とを絶縁する部材が配置されている。この絶縁部材が配置される領域に蓄電体23を配置することにより、蓄電体23の体積を増加させても電子機器200の体積の増加を抑制することができる。なお、第1実施形態と同様に蓄電体23の一部のみが筐体26の内部に配置されるように構成してもよい。
【0066】
電子機器200が接続される他の装置600には、接続部202が挿入されるUSBレセプタクル601が設けられている。なお、本実施形態についても他の装置600が有するインタフェースに合わせて接続部202の仕様を変更可能である。
【0067】
本実施形態の接続部202(USB Type−A Plug)は、4本の導電部21を有しており、それぞれ+5V,データ(+),データ(−),GNDに割り当てられている。そして、+5Vは直流電圧であり、データ(+)及びデータ(−)はそれぞれ逆極性の交流信号である。従って、蓄電体23を充電する場合には、第1実施形態におけるL信号及びR信号の代わりに本実施形態のデータ(+)及びデータ(−)信号を利用し、マイク信号の代わりに本実施形態の+5Vを利用することにより、第1実施形態と同様に充電を行うことが可能である。なお、データの送受信については、第1実施形態のように、アナログ信号を介する必要はなく、電子機器200と他の装置600との間で直接デジタルデータの送受信を行うことが可能である。
【0068】
以上述べたように、本実施形態の接続部202(USB Type−A Plug)のように導電部21が比較的体積が大きい筐体26により覆われているような場合には、筐体26の内部に体積が大きい蓄電体23を収容することが可能となる。この構成により、蓄電体23を備えながら、電子機器200の体積の増加を少なくできる。
【0069】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部及びステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。