【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年10月29日に開催された「建設技術フェア2014in中部」において製品及びカタログ(A1サイズに引き伸ばしパネル展示)を公開している。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記地上ブロック体は長手方向に延びる形状を有し、その下面において前記長手方向に交差する方向に形成され、フォークリフトの第1及び第2のツメをそれぞれ挿通可能とする第1及び第2切欠部を備えている、請求項1から4のいずれかに記載の重量構造物。
地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、前記上面の一部に前記差込ジョイント部材が差し込まれる溝状の凹部が形成された地中ブロック体を更に備える、請求項1から5のいずれかに記載の重量構造物。
前記第1の地上ブロック体の下方に配置され、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、前記第1の下面に対向する第1の上面と連結方向に面する第1の地中端面とを有すると共に前記第1の上面の一部から前記第1の地中端面の一部にかけて形成された第1の地中凹部を有する第1の地中ブロック体と、
前記第2の地上ブロック体の下方に配置され、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、前記第2の下面に対向する第2の上面と前記第1の地中ブロック体に対する連結方向に面する第2の地中端面とを有すると共に前記第2の上面の一部から前記第2の地中端面の一部にかけて形成された第2の地中凹部を有する第2の地中ブロック体とを更に備え、
前記差込ジョイント部材の下方部分は、前記第1の地上ブロック体及び前記第2の地上ブロック体並びに前記第1の地中ブロック体及び前記第2の地中ブロック体が連結状態に配置された時に前記第1の地中凹部と前記第2の地中凹部とに差し込まれ、
前記第1の地中凹部と前記第2の地中凹部とは、それぞれ、溝状の形状を有する、請求項10記載の重量構造物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来の中央分離帯80は、設置の際にブロック体81の下部82を地中に埋めるものであるため、一端設置してしまうと容易に動かすことはできなかった。すなわち、例えば有事の際やイベント時等、道路を広大に使用したい所望の時に一旦移動させ、そのような道路の使用を終えた後に元の場所に戻すといった使い方が困難な不便なものであった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、所望の状態に道路を活用できるようになる重量構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、道路上に移動自在に設置される重量構造物であって、地上ブロック体と、地上ブロック体の下面から突出するように設けられ、道路面側に設けられる凹部に対して差し込み可能な差込ジョイント部材とを備え、差込ジョイント部材は、金属からなる板状の部材であり、凹部は、溝状に構成されるものである。
【0010】
このように構成すると、差込ジョイント部材を凹部に差し込んで地上ブロック体を設置して道路上に固定することができる一方で、必要に応じて地上ブロック体を取り外すことが可能になる。
【0011】
請求項2記載の発明は、道路上に移動自在に設置される重量構造物であって、地上ブロック体と、地上ブロック体の下面からの突出及び地上ブロック体の内部への引込みが自在に設けられ、突出した状態において、道路面側に設けられる凹部に対して差し込み可能な差込ジョイント部材とを備え、差込ジョイント部材は、金属からなる板状の部材であり、凹部は、溝状に構成されるものである。
【0012】
このように構成すると、重量構造物が平坦な地面に載置された場合、差込ジョイント部材は地上ブロック体の内部へ引込まれる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、地上ブロック体の上面から下面にかけて形成された開口部を含み、差込ジョイント部材は、開口部の上端から挿脱可能な形状を有しており、開口部の上端から挿入された差込ジョイント部材が下面から抜け落ちないようにするための抜止手段を更に備えるものである。
【0014】
このように構成すると、移動の際、重量構造物を持ち上げた場合でも、差込ジョイント部材が下面から抜け落ちることを防ぐことができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、差込ジョイント部材は、上部において水平方向に突出した突出部を有しており、且つ、開口部の上端から挿脱可能な形状に形成され、抜止手段は、突出部に係合し、差込ジョイント部材の一定以上の下方への移動を阻止する係止部を含むものである。
【0016】
このように構成すると、移動の際、重量構造物を持ち上げたときに、差込ジョイント部材の突出部が係止部によって係止され、差込ジョイント部材の一定以上の下方への移動が阻止される。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、地上ブロック体は長手方向に延びる形状を有し、その下面において長手方向に交差する方向に形成され、フォークリフトの第1及び第2のツメをそれぞれ挿通可能とする第1及び第2切欠部を備えているものである。
【0018】
このように構成すると、フォークリフトを用いて、自在に重量構造物を移動させることができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の発明において、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、上面の一部に差込ジョイント部材が差し込まれる溝状の凹部が形成された地中ブロック体を更に備えるものである。
【0020】
このように構成すると、あらかじめ地中ブロック体を道路の地中に埋め込んでおけば、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、地中ブロック体の上面には、滑り防止加工が施されているものである。
【0022】
このように構成すると、地上ブロック体を取り外して道路を使用するときに、地中ブロック体上に進入する車両が滑るのを防止することができる。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明において、地中ブロック体の凹部では、溝の幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に位置する一対の側壁の各々は、下方に先細りの形状を有するものである。
【0024】
このように構成すると、差込ジョイント部材が凹部に差し込まれる際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材を溝に案内し易くなる。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、地中ブロック体の凹部が有する下方に先細りの形状を有する側壁の面は、上部の傾斜よりも下部の傾斜が大きいものである。
【0026】
このように構成すると、上部で差込ジョイント部材を下部に案内する一方で、下部において差込ジョイント部材がずれにくくなる。
【0027】
請求項10記載の発明は、道路に連結して配置され、移動自在の重量構造物であって、道路面に面する第1の下面と連結方向に面する第1の端面とを有すると共に第1の下面の一部から第1の端面の一部にかけて形成された第1の凹部を有し、道路上に移動自在に設置される第1の地上ブロック体と、道路面に面する第2の下面と第1の地上ブロック体に対する連結方向に面する第2の端面とを有すると共に第2の下面の一部から第2の端面の一部にかけて形成された第2の凹部を有し、道路上に移動自在に設置される第2の地上ブロック体と、道路面から上方部分が突出するように設けられ、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体が道路上に連結状態に配置された時に第1の凹部と第2の凹部とに差し込まれる差込ジョイント部材とを備え、連結方向は、第1の地上ブロック体と第2の地上ブロック体とが道路上に配置される方向であり、第1の凹部及び第2の凹部は、それぞれ、溝状の形状を有し、差込ジョイント部材は、平板形状よりなるものである。
【0028】
このように構成すると、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体は、差込ジョイント部材を介して道路上に固定されると共に連結される。
【0029】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、第1の地上ブロック体の下方に配置され、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、第1の下面に対向する第1の上面と連結方向に面する第1の地中端面とを有すると共に第1の上面の一部から第1の地中端面の一部にかけて形成された第1の地中凹部を有する第1の地中ブロック体と、第2の地上ブロック体の下方に配置され、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、第2の下面に対向する第2の上面と第1の地中ブロック体に対する連結方向に面する第2の地中端面とを有すると共に第2の上面の一部から第2の地中端面の一部にかけて形成された第2の地中凹部を有する第2の地中ブロック体とを更に備え、差込ジョイント部材の下方部分は、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体並びに第1の地中ブロック体及び第2の地中ブロック体が連結状態に配置された時に第1の地中凹部と第2の地中凹部とに差し込まれ、第1の地中凹部と第2の地中凹部とは、それぞれ、溝状の形状を有するものである。
【0030】
このように構成すると、第1及び第2の地上ブロック体並びに第1及び第2の地中ブロック体は、差込ジョイント部材を介して固定されると共に連結される。
【0031】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、差込ジョイント部材は、連結方向に対して平行となるように配置されるものである。
【0032】
このように構成すると、差込ジョイント部材がブロック体の配置の基準となる。
【0033】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、差込ジョイント部材は、上方部分に設けられた上部凹部を有し、第1の凹部及び第2の凹部は、それぞれ、上部凹部に応じて下方に突出した下方凸部を有するものである。
【0034】
このように構成すると、設置時に上部凹部と下方凸部とが連結方向に対し係止状態となる。
【0035】
請求項14記載の発明は、請求項12又は請求項13記載の発明において、差込ジョイント部材は、下方部分に設けられた下部凹部を有し、第1の地中凹部及び第2の地中凹部は、それぞれ、下部凹部に応じて上方に突出した上方凸部を有するものである。
【0036】
このように構成すると、設置時に下部凹部と上方凸部とが連結方向に対し係止状態となる。
請求項15記載の発明は、道路上に移動自在に設置される重量構造物であって、地上ブロック体と、地上ブロック体の下面から突出するように設けられ、道路面側に設けられる凹部に対して差し込み可能な差込ジョイント部材と、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、上面の一部に差込ジョイント部材が差し込まれる凹部が形成された地中ブロック体とを備え、地中ブロック体の上面には、滑り防止加工が施されているものである。
このように構成すると、差込ジョイント部材を凹部に差し込んで地上ブロック体を設置して道路上に固定することができる一方で、必要に応じて地上ブロック体を取り外すことが可能になる。又、あらかじめ地中ブロック体を道路の地中に埋め込んでおけば、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できる。更に、地上ブロック体を取り外して道路を使用するときに、地中ブロック体上に進入する車両が滑るのを防止することができる。
請求項16記載の発明は、道路上に移動自在に設置される重量構造物であって、地上ブロック体と、地上ブロック体の下面からの突出及び地上ブロック体の内部への引込みが自在に設けられ、突出した状態において、道路面側に設けられる凹部に対して差し込み可能な差込ジョイント部材と、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、上面の一部に差込ジョイント部材が差し込まれる凹部が形成された地中ブロック体とを備え、地中ブロック体の上面には、滑り防止加工が施されているものである。
このように構成すると、重量構造物が平坦な地面に載置された場合、差込ジョイント部材は地上ブロック体の内部へ引込まれる。又、あらかじめ地中ブロック体を道路の地中に埋め込んでおけば、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できる。更に、地上ブロック体を取り外して道路を使用するときに、地中ブロック体上に進入する車両が滑るのを防止することができる。
請求項17記載の発明は、道路上に移動自在に設置される重量構造物であって、地上ブロック体と、地上ブロック体の下面から突出するように設けられ、道路面側に設けられる凹部に対して差し込み可能な差込ジョイント部材と、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、上面の一部に差込ジョイント部材が差し込まれる凹部が形成された地中ブロック体とを備え、差込ジョイント部材は、板状であり、地中ブロック体の凹部は、溝であり、且つ、溝の幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に位置する一対の側壁の各々は、下方に先細りの形状を有し、地中ブロック体の凹部が有する下方に先細りの形状を有する側壁の面は、上部の傾斜よりも下部の傾斜が大きいものである。
このように構成すると、差込ジョイント部材を凹部に差し込んで地上ブロック体を設置して道路上に固定することができる一方で、必要に応じて地上ブロック体を取り外すことが可能になる。又、あらかじめ地中ブロック体を道路の地中に埋め込んでおけば、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できる。更に、差込ジョイント部材が凹部に差し込まれる際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材を溝に案内し易くなる。更に、上部で差込ジョイント部材を下部に案内する一方で、下部において差込ジョイント部材がずれにくくなる。
請求項18記載の発明は、道路上に移動自在に設置される重量構造物であって、地上ブロック体と、地上ブロック体の下面からの突出及び地上ブロック体の内部への引込みが自在に設けられ、突出した状態において、道路面側に設けられる凹部に対して差し込み可能な差込ジョイント部材と、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、上面の一部に差込ジョイント部材が差し込まれる凹部が形成された地中ブロック体と備え、差込ジョイント部材は、板状であり、地中ブロック体の凹部は、溝であり、且つ、溝の幅方向及び長さ方向の少なくとも一方に位置する一対の側壁の各々は、下方に先細りの形状を有し、地中ブロック体の凹部が有する下方に先細りの形状を有する側壁の面は、上部の傾斜よりも下部の傾斜が大きいものである。
このように構成すると、重量構造物が平坦な地面に載置された場合、差込ジョイント部材は地上ブロック体の内部へ引込まれる。又、あらかじめ地中ブロック体を道路の地中に埋め込んでおけば、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できる。更に、差込ジョイント部材が凹部に差し込まれる際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材を溝に案内し易くなる。更に、上部で差込ジョイント部材を下部に案内する一方で、下部において差込ジョイント部材がずれにくくなる。
請求項19記載の発明は、道路に連結して配置され、移動自在の重量構造物であって、道路面に面する第1の下面と連結方向に面する第1の端面とを有すると共に第1の下面の一部から第1の端面の一部にかけて形成された第1の凹部を有し、道路上に移動自在に設置される第1の地上ブロック体と、道路面に面する第2の下面と第1の地上ブロック体に対する連結方向に面する第2の端面とを有すると共に第2の下面の一部から第2の端面の一部にかけて形成された第2の凹部を有し、道路上に移動自在に設置される第2の地上ブロック体と、道路面から上方部分が突出するように設けられ、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体が道路上に連結状態に配置された時に第1の凹部と第2の凹部とに差し込まれる差込ジョイント部材と、第1の地上ブロック体の下方に配置され、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、第1の下面に対向する第1の上面と連結方向に面する第1の地中端面とを有すると共に第1の上面の一部から第1の地中端面の一部にかけて形成された第1の地中凹部を有する第1の地中ブロック体と、第2の地上ブロック体の下方に配置され、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面に面一になると共に、第2の下面に対向する第2の上面と第1の地中ブロック体に対する連結方向に面する第2の地中端面とを有すると共に第2の上面の一部から第2の地中端面の一部にかけて形成された第2の地中凹部を有する第2の地中ブロック体とを備え、差込ジョイント部材の下方部分は、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体並びに第1の地中ブロック体及び第2の地中ブロック体が連結状態に配置された時に第1の地中凹部と第2の地中凹部とに差し込まれるものである。
このように構成すると、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体は、差込ジョイント部材を介して道路上に固定されると共に連結される。又、第1及び第2の地上ブロック体並びに第1及び第2の地中ブロック体は、差込ジョイント部材を介して固定されると共に連結される。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、必要に応じて、地上ブロック体が取り外し可能なものとなるので、所望の状態に道路を活用できるようになる。
【0038】
請求項2記載の発明は、重量構造物が平坦な地面に載置された場合、差込ジョイント部材は地上ブロック体の内部へ引込まれるため、差込ジョイント部材が損傷することを防ぐことができる。
【0039】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、移動の際、重量構造物から差込ジョイントが下面から抜け落ちることを防ぐことができるため、差込ジョイント部材の抜け落ちを気にせず効率的に移動作業を行うことができる。
【0040】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、移動の際、重量構造物を持ち上げたときに、差込ジョイント部材の一定以上の下方への移動が阻止されるため、差込ジョイント部材が抜け落ちることを防止することができる。
【0041】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、フォークリフトを用いて、自在に重量構造物を移動させることができるため、重量構造物の運搬作業の効率性が向上する。
【0042】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できるため、差込ジョイント部材を差し込むための凹部を道路に設ける工事をしなくても容易に中央分離体を構成できる。
【0043】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、地中ブロック体上に進入する車両が滑るのを防止することができるため、地上ブロック体を取り外して道路を使用するときの安全性が高まる。
【0044】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、差込ジョイント部材を凹部に差し込む際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材を溝に案内し易くなるので、差込ジョイント部材を凹部に差し込む際の位置合わせが容易となる。
【0045】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加えて、下部において差込ジョイント部材がずれにくくなるため、固定状態が安定する。
【0046】
請求項10記載の発明は、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体は、差込ジョイント部材を介して道路上に固定されると共に連結されるため、差込ジョイント部材を基準とした固定状態と連結状態とが維持される。
【0047】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、第1及び第2の地上ブロック体並びに第1及び第2の地中ブロック体は、差込ジョイント部材を介して固定されると共に連結されるため、差込ジョイント部材を基準とした固定状態と連結状態とが4つのブロック体に対して同時に維持される。
【0048】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明の効果に加えて、差込ジョイント部材がブロック体の配置の基準となるため、使用勝手が向上する。
【0049】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明の効果に加えて、設置時に上部凹部と下方凸部とが連結方向に対し係止状態となるため、固定状態と連結状態とがより安定する。
【0050】
請求項14記載の発明は、請求項12又は請求項13記載の発明の効果に加えて、設置時に下部凹部と上方凸部とが連結方向に対し係止状態となるため、固定状態と連結状態とがより安定する。
請求項15記載の発明は、必要に応じて、地上ブロック体が取り外し可能なものとなるので、所望の状態に道路を活用できるようになる。又、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できるため、差込ジョイント部材を差し込むための凹部を道路に設ける工事をしなくても容易に中央分離体を構成できる。更に、地中ブロック体上に進入する車両が滑るのを防止することができるため、地上ブロック体を取り外して道路を使用するときの安全性が高まる。
請求項16記載の発明は、重量構造物が平坦な地面に載置された場合、差込ジョイント部材は地上ブロック体の内部へ引込まれるため、差込ジョイント部材が損傷することを防ぐことができる。又、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できるため、差込ジョイント部材を差し込むための凹部を道路に設ける工事をしなくても容易に中央分離体を構成できる。更に、地中ブロック体上に進入する車両が滑るのを防止することができるため、地上ブロック体を取り外して道路を使用するときの安全性が高まる。
請求項17記載の発明は、必要に応じて、地上ブロック体が取り外し可能なものとなるので、所望の状態に道路を活用できるようになる。又、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できるため、差込ジョイント部材を差し込むための凹部を道路に設ける工事をしなくても容易に中央分離体を構成できる。更に、差込ジョイント部材を凹部に差し込む際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材を溝に案内し易くなるので、差込ジョイント部材を凹部に差し込む際の位置合わせが容易となる。更に、下部において差込ジョイント部材がずれにくくなるため、固定状態が安定する。
請求項18記載の発明は、重量構造物が平坦な地面に載置された場合、差込ジョイント部材は地上ブロック体の内部へ引込まれるため、差込ジョイント部材が損傷することを防ぐことができる。又、必要に応じて地上ブロック体を地中ブロック体に設置できるため、差込ジョイント部材を差し込むための凹部を道路に設ける工事をしなくても容易に中央分離体を構成できる。更に、差込ジョイント部材を凹部に差し込む際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材を溝に案内し易くなるので、差込ジョイント部材を凹部に差し込む際の位置合わせが容易となる。更に、下部において差込ジョイント部材がずれにくくなるため、固定状態が安定する。
請求項19記載の発明は、第1の地上ブロック体及び第2の地上ブロック体は、差込ジョイント部材を介して道路上に固定されると共に連結されるため、差込ジョイント部材を基準とした固定状態と連結状態とが維持される。又、第1及び第2の地上ブロック体並びに第1及び第2の地中ブロック体は、差込ジョイント部材を介して固定されると共に連結されるため、差込ジョイント部材を基準とした固定状態と連結状態とが4つのブロック体に対して同時に維持される。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、この発明の第1の実施の形態による重量構造物にガードレールを設けた使用状態を示す図であり、
図2は、この発明の第1の実施の形態による重量構造物の外観形状を示す正面図であり、
図3は、
図1で示した重量構造物の地中ブロック体の平面図であり、
図4は、
図1で示した重量構造物の平面図である。
【0053】
まず、
図1を参照して、車線の分離帯1は、道路面5の進行方向と平行となる方向(すなわち長手方向)に配置される複数の重量構造物10A〜10Cからなる。重量構造物10A〜10Cは、それぞれ、道路面5上に移動自在に設置されるものであって、地上ブロック体20a〜20cと、地中ブロック体30a〜30cとから構成される。
【0054】
地上ブロック体20a〜20cは、プレキャストコンクリートよりなり、ガードレール40a〜40cが設けられ、地中ブロック体30a〜30c上に設置される。
【0055】
地中ブロック体30a〜30cは、プレキャストコンクリートよりなり、地中に埋設される。以下、重量構造物10A〜10C、地上ブロック体20a〜20c、地中ブロック体30a〜30c、ガードレール40a〜40cを、それぞれ、特に区別する必要がない場合は、説明の簡便のため、単に、重量構造物10、地上ブロック体20、地中ブロック体30、ガードレール40と記載する。
【0056】
次に、
図2及び
図3を参照して、地中ブロック体30は、長手方向における長さL
1が、略2000mmに、短手方向における幅W
1が900mmに、高さH
1が200mmに、それぞれ設定されている。又、地中ブロック体30は、上面31に梨地模様等の滑り防止加工を施すと共に、上面31の一部において、地上ブロック体20の板状の差込ジョイント部材51a、51b(後述)が差し込まれる凹部32a、32bが形成されている。尚、
図2において、L−Lラインは、道路面5のレベルを表しており、地中ブロック体30は、地中に埋め込まれた状態で上面31が道路面5に面一になるように設置される。
【0057】
このように構成すると、必要に応じて地上ブロック体20を地中ブロック体30に設置できるため、板状の差込ジョイント部材51a、51bを差し込むための凹部32a、32bを道路に設ける工事をしなくても容易に分離体1を構成できる。
【0058】
又、凹部32a、32bは、平面視において短手方向に伸びる溝状に構成され、側壁34a、35a及び側壁34b、35bは、溝の深さ方向に向かって先細りの形状を有している。このように構成すると、側壁34a、35a及び側壁34b、35bの先細りの形状に沿って、板状の差込ジョイント部材51a、51bを凹部32a、32bに案内し易くなる。このため、地上ブロック体20の長手方向の位置合わせが容易となる。
【0059】
次に、
図2及び
図4を参照して、地上ブロック体20は、長手方向における長さL
2が、略2000mmに、短手方向における幅W
2が900mmに、高さH
2が250mmに、それぞれ設定されている。又、地上ブロック体20は、上面21において、ガードレール40を取り付けるためのボルトを螺合させるためのインサート22a、23a、24a、25a、及び、インサート22b、23b、24b、25bが設けられる。又、地上ブロック体20の下面50には、差込ジョイント部材51a、51bが下面50から下方に突出するように設けられる。
【0060】
差込ジョイント部材51a、51bは、9mm厚さの鉄板などにより構成される板状の部材であり、地中ブロック体30側に設けられる凹部32a、32bに対して差し込み可能な形状に形成される。
【0061】
又、地上ブロック体20は、下面50において道路面5の進行方向に直行する方向(すなわち短手方向)に形成され、フォークリフトの第1及び第2のツメをそれぞれ挿通可能とする第1切欠部52a及び第2切欠部52bを備えている。尚、第1切欠部52a及び第2切欠部52bは、第1切欠部52a及び第2切欠部52bの上面において更にベルトスリングを案内するための案内溝を備えている。
【0062】
このように構成すると、差込ジョイント部材51a、51bを凹部32a、32bに差し込んで地上ブロック体20を地中ブロック体30に設置することで地上ブロック体20を道路面5上に固定することができる一方で、必要に応じて地上ブロック体20を取り外すことが可能になる。
【0063】
図5は、
図2で示したV−Vラインの拡大断面図である。
図5を参照して、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20aに埋設される埋設部53と、地中ブロック体30側に設けられる凹部32aに差し込む差込部54とから構成される。埋設部53には、開口部55、56が設けられている。このように構成すると、地上ブロック体20aのコンクリート打設時に、コンクリートが開口部55、56に巻き込まれるようになり、差込ジョイント部材51aの地上ブロック体20への固定がより強固になる。尚、差込ジョイント部材51bについても、上述の差込ジョイント部材51aの場合と同様に構成することが可能であるため、ここではその説明を繰り返さない。又、以降で説明する各実施の形態でも、差込ジョイント部材51aと差込ジョイント部材51bとを同様又は対称に構成できるが、説明の簡略化のため、差込ジョイント部材51a側について説明する。
【0064】
図6は、
図2で示した重量構造物の地上ブロック体を持ち上げ、地中ブロック体から取り外した状態を示す図である。
【0065】
図6を参照して、地上ブロック体20の第1切欠部52a及び第2切欠部52bに、短手方向から、フォークリフトの第1のツメ60a及び第2のツメ60bを挿入し、フォークリフトの第1のツメ60a及び第2のツメ60bを上昇させて持ち上げた状態で地上ブロック体20を別の地中ブロック体30やその他の場所に移動させることができる。
【0066】
地上ブロック体20は、このように、第1切欠部52a及び第2切欠部52bを備えているため、フォークリフトを用いて、自在に地上ブロック体20を移動させることができる。このため、地上ブロック体20の運搬作業の効率性が向上する。
【0067】
又、地中ブロック体30の上面31には滑り防止加工を施しているため、地上ブロック体20を取り外して使用する場合においても、地中ブロック体30の上面31に進入する車両が滑るのを防止することができる。よって、地上ブロック体20を取り外して道路を使用するときの安全性が高まる。
【0068】
又、差込ジョイント部材51a、52bは、板状に形成し、地中ブロック体30の凹部32a、32bは、溝状に形成し、凹部32a、32bの幅方向に位置する側壁34a、35a及び側壁34b、35bを、下方に先細りの形状としたため、差込ジョイント部材51a、52bを凹部32a、32bに差し込む際、凹部32a、32bに案内し易くなる。
【0069】
図7は、この発明の第2の実施の形態による重量構造物を示す図であり、
図2で示したVII−VIIラインの拡大断面図に対応する。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0070】
図7を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、地中ブロック体30が、凹部32aにおいて、底面38と、底面38と大略135度の傾斜角θで接続される側壁36、37と、を備える。
【0071】
このように構成すると、凹部32aの溝の長さ方向に位置する側壁36、37によって、差込ジョイント部材51aをより案内し易くなる。
【0072】
図8は、この発明の第3の実施の形態による重量構造物を示す図であり、
図2で示したVIII−VIIIラインの拡大断面図に対応する。尚、説明に当たっては、基本的には第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0073】
図8を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、凹部32aの溝の長さ方向(すなわち、重量構造物10の短手方向)に位置する側壁36、37の面が、2段階に傾斜する。すなわち、側壁36の下方に先細りの形状は、上部45の傾斜よりも下部46の傾斜が大きい。又、側壁37の下方に先細りの形状は、上部47の傾斜よりも下部48の傾斜が大きい。
【0074】
このように構成すると、上部45、47で差込ジョイント部材51aを下部46、48に案内する一方で、下部46、48において差込ジョイント部材51aがずれにくくなり、固定状態が安定する。
【0075】
図9は、この発明の第4の実施の形態による重量構造物を示す部分正面図であり、(a)は、正面視逆L字形状の差込ジョイント部材を示しており、(b)は、正面視逆T字形状の差込ジョイント部材を示している。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0076】
図9を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、差込ジョイント部材51aが、地上ブロック体20から着脱自在に構成される。
【0077】
一例として、(a)を参照して、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20の固定部62においてボルト61により固定される水平部42と、水平部42に略直角に接続される垂直部43とを備えており、正面視逆L字形状に形成される。固定部62には、ボルト61を螺合させるためのインサートが設けられる。又、固定部62には、水平部42をボルト61によって固定した際、水平部42及びボルト61が下面50を含む仮想水平面から突出しないように、窪みが設けられる。
【0078】
又、別の例として、(b)を参照して、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20の固定部65においてボルト63及び64により固定される水平部42と、ボルト63及び64の間において、水平部42に略直角に接続される垂直部43とを備えており、正面視逆T字形状に形成される。固定部65には、ボルト63及び64を螺合させるためのインサートが設けられる。又、固定部65には、水平部42をボルト63及び64によって固定した際、水平部42及びボルト63及び64が下面50を含む仮想水平面から突出しないように、窪みが設けられる。
【0079】
このように構成すれば、重量構造物10を平坦な地面に載置するとき等、所望のときに、差込ジョイント部材51aを取り外すことができる。又、差込ジョイント部材51aが損傷したような場合において、差込ジョイント部材51aを交換することが容易となる。
【0080】
図10は、この発明の第5の実施の形態による重量構造物を示す平面図であり、
図11は、
図10で示したXI−XIラインの拡大断面図であり、
図12は、
図11で示したXII−XIIラインの断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0081】
これらの図を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、まず、地上ブロック体20の上面21から下面50にかけて形成された開口部71aを含む。開口部71aは、長手方向の断面視において、上面21から中央部にかけては下方に先細りの形状を有し、中央部から下面50にかけては下方に末広がりの形状を有する。
【0082】
又、差込ジョイント部材51aは、開口部71aの上端から挿脱可能な形状を有している。尚、差込ジョイント部材51b及び開口部71bは、差込ジョイント部材51a及び開口部71aと同様に構成できるため、以下では、差込ジョイント部材51a及び開口部71aについて説明する。
【0083】
図12を参照して、差込ジョイント部材51aは、差込部58と、差込部58の上部において水平方向に突出した突出部57とから構成される。差込部58の下端58aは、差込ジョイント部材51aが地中ブロック体30の凹部32aに差し込まれたときに自重で下方に移動して凹部32aの底部に当接する。又、差込部58の下端58aと側縁58bとがなす角は略直角に設定されている。
【0084】
開口部71aの上部72は、差込ジョイント部材51aの突出部57の幅よりも広く形成される。開口部71aの下部73は、差込ジョイント部材51aの差込部58の下部の幅よりも広く、差込ジョイント部材51aの突出部57の幅よりも狭く形成される。
【0085】
又、開口部71aの上部72は、短手方向の断面視において、下方に先細りの形状を有し、開口部71aの下部73は、下方に末広がりの形状を有する。
【0086】
重量構造物10は、開口部71aの下部73において、開口部71aの上端から挿入された差込ジョイント部材51aが下面50から抜け落ちないようにするための抜止手段としての係止部67を更に備える。係止部67は、突出部57に係合し、差込ジョイント部材51aの一定以上の下方への移動を阻止する。
【0087】
尚、
図12に示すように、差込ジョイント部材51aが凹部32aに差し込まれ、差込部58の下端58aが凹部32aの底部に当接している状態で、係止部67が突出部57に係合するような寸法関係に設定されている。
【0088】
このように構成すると、移動の際、重量構造物10を持ち上げたときに、差込ジョイント部材51aが係止部67によって係止されるため、差込ジョイント部材51aが下方に抜け落ちることを防止することができる。このため、差込ジョイント部材51aの抜け落ちを気にせず効率的に移動作業を行うことができる。
【0089】
図13は、
図11に示した地上ブロック体を地中ブロック体から取り外して地面に載置した状態を示す図であり、
図14は、
図13で示したXIV−XIVラインの断面図である。
【0090】
これらの図を参照して、地上ブロック体20を地中ブロック体30から取り外して平坦な道路面5に載置した場合、差込ジョイント部材51aの下端58aが、道路面5に当接し、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20の内部へ引込まれる。このため、差込ジョイント部材51aが地上ブロック体20の自重により損傷することを防ぐことができる。尚、この状態で、差込ジョイント部材51aの上端が、地上ブロック体20の上面21を含む仮想水平面の上方に突出しないような寸法関係に設定されている。
【0091】
図15は、この発明の第6の実施の形態による重量構造物を示す図であり、
図11に対応する。尚、説明に当たっては、基本的には第5の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0092】
図15を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、地上ブロック体20が地中ブロック体30に設置された状態において、地上ブロック体20の上方から開口部71aに差し込まれ開口部71aを封止するゴム等からなるキャップ49を備える。
【0093】
地上ブロック体20の差込ジョイント部材51aが地中ブロック体30の凹部32aに設置された状態において、地上ブロック体20の上面21から、差込ジョイント部材51aの上端までの距離をdとすると、頭部49aを除くキャップ49の高さhは、略dに設定されている。このため、差込ジョイント部材51aが凹部32aに適切に差し込まれていない場合、キャップ49を、開口部71aに差し込もうとしても、キャップ49の頭部49aが地上ブロック体20の上面21を含む水平面から上方に突出してしまう。言い換えれば、差込ジョイント部材51aが凹部32aに適切に差し込まれている場合、キャップ49の頭部49aが開口部71aを完全に封止するように差し込むことができる。
【0094】
このため、キャップ49の頭部49aが開口部71aを完全に封止できているか否かを外側から確認することで、差込ジョイント部材51aの凹部32aへの設置状態を容易に確認することができる。又、キャップ49で開口部71aを封止することで開口部71aにゴミなどの異物が入り込むことを防止することができる。
【0095】
図16は、この発明の第7の実施の形態による重量構造物の地上ブロック体を示す平面図であり、
図17は、
図16で示したXVII−XVIIラインの拡大断面図であり、
図18は、
図17で示したXVIII−XVIIIラインの断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0096】
まず、
図16及び
図17を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、差込ジョイント部材51aが、地中ブロック体30の凹部32aに差し込まれる差込部75と、差込部75に溶接により接合され垂直上方に延びる垂直部76と、垂直部76の上端において重量構造物10の中央寄りに長手方向に水平に伸びる水平部77とから構成される。尚、垂直部76及び水平部77は、4.5mm厚さの鉄板を折り曲げて作製している。垂直部76及び水平部77には、曲げ加工のし易さを考慮し4.5mm厚さの鉄板を採用する一方で、差込部75には、差込時の強度を考慮し9mm厚さの鉄板を採用している。
【0097】
又、重量構造物10では、開口部71aの上端において重量構造物10の中央寄りに切欠部74が形成されている。
【0098】
地上ブロック体20が地中ブロック体30に設置されたときに、差込ジョイント部材51aの水平部77が切欠部74に収まり底部78に載置されるような寸法関係に設定されており、水平部77が底部78に載置されると水平部77が上面21と面一になる。言い換えれば、差込ジョイント部材51aが凹部32aに適切に差し込まれていない場合、差込ジョイント部材51aの水平部77が上面21と面一とならず、地上ブロック体20の上面21を含む仮想水平面から上方に突出してしまう。このため、差込ジョイント部材51aの水平部77が上面21と面一となっているか否かを確認することで、差込ジョイント部材51aの凹部32aへの設置状態を容易に確認することができる。
【0099】
更に言えば、切欠部74の底部78に差込ジョイント部材51aの水平部77が係合するようになっているため、重量構造物10が持ち上げられた際、開口部71aの上端から挿入された差込ジョイント部材51aが下面50から抜け落ちることを阻止できる。このように、差込ジョイント部材51aの水平部77と切欠部74の底部78とは抜止手段を構成する。
【0100】
次に、
図18を参照して、差込部75は、台形状に構成しており、下端75aと側縁75bとがなす角は鋭角である。又、垂直部76の幅は、差込部75の幅よりも小さく設定しており、これにより鉄板材料の使用量を低減している。
【0101】
図19は、
図17に示した地上ブロック体を地中ブロック体から取り外して地面に載置した状態を示す図であり、
図13に対応し、
図20は、
図19で示したXX−XXラインの断面図である。
【0102】
これらの図を参照して、地上ブロック体20を地中ブロック体30から取り外して平坦な道路面5に載置した場合、差込ジョイント部材51aの下端75aが、道路面5に当接し、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20の内部へ引込まれる。このため、差込ジョイント部材51aが地上ブロック体20の自重により損傷することを防ぐことができる。
【0103】
図21は、この発明の第8の実施の形態による重量構造物を示す図である。尚、説明に当たっては、基本的には第7の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0104】
図21を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、道路面5側に設けられる凹部としての切り込み6に、差込ジョイント部材51aが差し込まれる。
【0105】
切り込み6は、ラウンドカッター等により道路面5上に形成される。切り込み6の側壁6a、6bは、それぞれ、底面6cから、道路面5にかけて湾曲している。
【0106】
差込ジョイント部材51aの下端75aと側縁75bとがなす角は鋭角に構成しているため、重量構造物10が、例えば、車両の衝突等によって短手方向から衝撃を受けた場合、下端75aと側縁75bとがなす角の先端部分が切り込み6の側壁6a(あるいは側壁6b)に食い込み易くなる。このため、差込ジョイント部材51aが側壁6a(あるいは側壁6b)上をスライドして水平方向にずれることを抑止することができる。
【0107】
尚、上記の各実施の形態では、重量構造物10はプレキャストコンクリートよりなるものであったが、他の材料よりなるものであってもよく、又、重量構造物10はコンクリートの現場打ち工法にて製造してもよい。
【0108】
又、上記の各実施の形態では、重量構造物10により車線の分離帯(例えば、中央分離帯等)を構成することについて説明したが、これに限られない。重量構造物10を、歩車道を分離するために用いても構わない。
【0109】
更に、上記の各実施の形態では、重量構造物10は特定の寸法及び形状に設定されているものであったが、他の寸法及び形状に設定されているものであってもよい。特に、地上ブロック体20の差込ジョイント部材51a(51b)、地中ブロック体30の凹部32a(32b)の形状、大きさ、これらが設けられる位置、数に特に限定はない。
【0110】
更に、上記の第1〜第7の実施の形態では、地上ブロック体20の差込ジョイント部材51a(51b)を地中ブロック体30の凹部32a(32b)に設置することについて説明したが、これらの実施の形態においても、第8の実施の形態と同様、道路面5側に設けられる凹部としての切り込み6に、地上ブロック体20の差込ジョイント部材51a(51b)を差し込んで地上ブロック体20を道路面5に設置してもよい。このように構成すると、地中ブロック体30が予め設けられていない場所でも、道路面に切り込みを入れることで、迅速に地上ブロック体20を設置することができる。
【0111】
更に、上記の第1、第4、第5、第6及び第7の実施形態では、ガードレール40を取り付けるための複数のインサートが設けられていたが、これらは無いものであってもよい。又、インサートを介して地上ブロック体20に取り付けるのはガードレール40には限られず、ガードポールや、横断防止柵などを、インサートを介して地上ブロック体20に取り付けてもよい。
【0112】
更に、上記の第1、第4、第5、第6及び第7の実施形態では、切欠部52a(52b)が形成されている構成であったが、これらは無いものであってもよい。
【0113】
更に、上記の第3の実施の形態では、説明しなかったが、地中ブロック体30の凹部32a、32bの溝の幅方向に位置する側壁36、37が、2段階に傾斜する構成であってもよい。
【0114】
更に、上記の第5〜8の実施の形態では、開口部71a(71b)を備える構成であったが、この構成は必須ではない。差込ジョイント部材51aが、地上ブロック体20の下面50から突出したり、地上ブロック体20の内部に引込んだりできるように設けられ、突出した状態において、地中ブロック体30に設けられる凹部32aに対して差し込み可能な構成であればよい。
【0115】
更に、上記の第5〜8の実施の形態では、特定形状の差込ジョイント部材51a(51b)及び開口部71a(71b)について説明したが、差込ジョイント部材51a(51b)及び開口部71a(71b)は、この特定形状に限られない。例えば、開口部71a(71b)は、長手方向の断面視において下方に先細りの形状でなくても構わない。又、地上ブロック体20は、係止部67や切欠部74の底部78により抜け止めされる構成であったが、これに限られない。係止部67及び切欠部74は省略することも可能であるし、別の形状とすることも可能である。
【0116】
更に、上記の第5及び第6の実施の形態では、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20の差込ジョイント部材51aが地中ブロック体30の凹部32aに設置された状態において、突出部57が係合部67に係合するような寸法関係の形状を有していた。しかしながらこれに限られず、地上ブロック体20の差込ジョイント部材51aが地中ブロック体30の凹部32aに設置された状態において、突出部57が係合部67に係合していなくてもよい。すなわち、差込ジョイント部材51aの下端58aが凹部32aの底部に当接した際に、突出部57が係合部67と離間するような形状を差込ジョイント部材51aが有していてもよい。
【0117】
更に、上記の第7及び第8の実施の形態では、差込ジョイント部材51aは、地上ブロック体20の差込ジョイント部材51aが地中ブロック体30の凹部32aに設置された状態において、差込ジョイント部材51aの水平部77が上面21と面一になるような寸法関係に設定されていたが、これに限られない。差込ジョイント部材51aが凹部32aに設置された状態において、水平部77が上面21を含む水平面よりも上方に位置するような形状を差込ジョイント部材51aが有していてもよい。
【0118】
図24は、この発明の第9の実施の形態による重量構造物を示す図であり、
図1に対応する図であり、
図25は、
図24で示した重量構造物の地上ブロック体の正面図であり、
図26は、
図24で示した重量構造物の地上ブロック体の平面図であり、
図27は、
図24で示した重量構造物の地中ブロック体の正面図であり、
図28は、
図24で示した重量構造物の地中ブロック体の平面図であり、
図29は、
図24で示した重量構造物の差込ジョイント部材の正面図であり、
図30は、
図29で示したXXX−XXXラインの拡大端面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0119】
図24を参照して、第1の実施の形態による重量構造物10にあっては、地上ブロック体20の下面50に設けられた差込ジョイント部材51a、51bが、地中ブロック体30側に設けられる凹部32a、32bに対して差し込まれて設置されていたのに対して、この実施の形態による重量構造物10A及び10Bにあっては、地上ブロック体20とは別に設けられた差込ジョイント部材151を介して固定されると共に連結される。
【0120】
以下において、地上ブロック体20、地中ブロック体30及び差込ジョイント部材151の構成について順に説明する。
【0121】
まず、
図25及び
図26を参照して、地上ブロック体20は、道路上に移動自在に設置されるものであり、道路面(L−Lライン)に面する下面50と、連結方向に面する一対の端面である端面125、126とを有する。又、地上ブロック体20は、下面50の一部から一方の端面125の一部にかけて形成された凹部122と、下面50の一部から他方の端面126の一部にかけて形成された凹部123とを有する。凹部122、123は、上方から下面50にかけて末広がりの溝状の形状を有する。
【0122】
又、地上ブロック体20の正面側壁129には、連結方向中央の下面50に接する位置において、位置決め印127が設けられている。尚、背面についても同様である。
【0123】
又、地上ブロック体20の上面21には、幅方向の中央の位置において、中央印128が設けられている。
【0124】
尚、このような位置決め印127及び中央印128を設けている理由については後述する。
【0125】
次に、
図27及び
図28を参照して、地中ブロック体30は、地上ブロック体20の下方に配置されるものであり、地上ブロック体20の下面50に対向する上面31と、連結方向に面する一対の端面である地中端面134、135とを有する。又、地中ブロック体30は、地中に埋め込まれた状態で上面31が道路面(L−Lライン)に面一になる。又、地中ブロック体30は、上面31の一部から一方の端面である地中端面134の一部にかけて形成された地中凹部132と、上面31の一部から他方端面である地中端面135の一部にかけて形成された地中凹部133とを有する。地中凹部132、133は、上面31から下方にかけて先細りの溝状の形状を有する。
【0126】
又、地中ブロック体30の上面31には、連結方向中央の正面側壁137に接する位置に位置決め印136が設けられる。尚、背面についても同様である。又、このような位置決め印136を設ける理由については後述する。
【0127】
次に、
図29及び
図30を参照して、差込ジョイント部材151は、平板形状よりなり、上述した凹部122、123及び地中凹部132、133の溝状形状に合わせた形状、すなわち、正面視六角形状を有する。又、差込ジョイント部材151は、道路への設置時には、道路面(L−Lライン)から上方部分が突出するような寸法に設定されている。
【0128】
又、差込ジョイント部材151の連結方向の両端部には、設置時に道路面(L−Lライン)よりも上方となる位置であって、且つ、道路面に接する位置において切欠部152a、152bが形成されている。又、差込ジョイント部材151には、設置時に道路面(L−Lライン)よりも上方となる位置であって、連結方向中央には、開口部154が形成されている。
【0129】
又、差込ジョイント部材151には、設置時に道路面(L−Lライン)よりも下方となる位置であって、一方端部寄りの位置に突出部153が形成されている。
【0130】
突出部153は、差込ジョイント部材151の本体155に開口を設けて、当該開口に金属小片を差し込んで本体155と溶接することにより形成されている。しかしながら、これに限られず、突出部153を、本体155と一体に形成しても構わない。
【0131】
図31は、
図24で示したP部分に対応する拡大平面図であり、
図32は、
図31で示したXXXII−XXXIIラインの拡大端面図であり、
図33は、
図31で示したXXXIII−XXXIIIラインの拡大端面図であり、
図34は、
図33で示したQ部分の拡大図である。
【0132】
図31及び
図32を参照して、差込ジョイント部材151は、連結方向Aに対して平行となるように配置され、道路面から突出する上方部分は、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20bが道路上に連結状態に配置された時に、第1の地上ブロック体20aの第1の凹部123aと第2の地上ブロック体20bの第2の凹部122bとに差し込まれる。
【0133】
又、差込ジョイント部材151の下方部分は、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20b並びに第1の地中ブロック体30a及び第2の地中ブロック体30bが連結状態に配置された時に、第1の地中ブロック体30aの第1の地中凹部133aと第2の地中ブロック体30bの第2の地中凹部132bとに差し込まれる。
【0134】
第1の地中凹部133aと第2の地中凹部132bとは、下方に先細りの溝状の形状を有するため、差込ジョイント部材151の下方部分が第1の地中凹部133aと第2の地中凹部132bに差し込まれる際、差込ジョイント部材151の下方部分を溝に案内し易くなる。
【0135】
又、第1の凹部123aと第2の凹部122bとは、上方から下面50にかけて末広がりの溝状の形状を有するため、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20bを第1の地中ブロック体30a及び第2の地中ブロック体30b並びに差込ジョイント部材151に配置する際、差込ジョイント部材151の上方部分を上記溝状の形状に案内しやすくなる。これにより、差込ジョイント部材151を、第1の凹部123aと第2の凹部122bとに容易に差し込むことができる。
【0136】
次に、
図33及び
図34を参照して、地中ブロック体30bの凹部132bの側壁146は下方に先細りの形状を有し、差込ジョイント部材の板厚と略同一の幅の底面147を備える。このため、差込ジョイント部材151が凹部132bに差し込まれる際、下方に先細りの形状により差込ジョイント部材151を溝に案内し易くなる。
【0137】
又、差込ジョイント部材151の突出部153は、凹部132bの上部の幅に応じた寸法に設定されている。このため、差込ジョイント部材151を凹部132に差し込んだ際に、突出部153によって幅方向への動作が規制され、差込ジョイント部材151の固定状態が安定する。
【0138】
又、地上ブロック体20bの凹部122bが有する側壁の面は、下部141の傾斜よりも上部142の方が道路面に対する傾斜が大きい。このため、下部141で差込ジョイント部材151を上部142に案内する一方で、上部142において差込ジョイント部材151の幅方向へのずれを抑制し、固定状態がより安定する。
【0139】
又、差込ジョイント部材151を取り外す際には、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20bを取り外した後、差込ジョイント部材151の切欠部152a、152bに鉄挺などの工具をあてがって引き抜くことができる。このため、第1の地中凹部133aと第2の地中凹部132bに土砂が堆積し、差込ジョイント部材151が埋まっているような場合であっても、工具を用いて容易に差込ジョイント部材151を取り外すことができる。
【0140】
又、差込ジョイント部材151には開口154が設けられているため、差込ジョイント部材151を取り外す際や、差込ジョイント部材151を取り外した後、運搬する際に、開口154を介して差込ジョイント部材151を把持することができる。
【0141】
図35は、重量構造物の設置工程の一部を示す図であり、
図36は、重量構造物の設置工程の一部を示す図であり、
図35に示す工程の続きを示す図であり、
図37は、重量構造物の設置工程の一部を示す図であり、
図36に示す工程の続きを示す図である。
【0142】
重量構造物を設置する際には、まず、
図35を参照して、連結方向Aに沿って道路面5に、地中に埋め込まれた状態で上面が道路面5に面一になるように第1の地中ブロック体30a及び第2の地中ブロック体30bを並べて設置する。尚、幅方向の合わせは、第1の地中ブロック体30aの地中凹部133a及び第2の地中ブロック体30bの地中凹部132bそれぞれの溝の形成方向が同一直線上となるように位置決めすればよい(
図28参照)。
【0143】
次に、
図36を参照して、第1の地中ブロック体30aの地中凹部133a及び第2の地中ブロック体30bの地中凹部132bに差込ジョイント部材151の下方部分を差し込む。尚、連結の末端部分の地中凹部132aには、差込ジョイント部材151の半分のサイズの末端用の差込ジョイント部材160を差し込んでもよい。
【0144】
次に、
図37を参照して、第1の地上ブロック体20aを、第1の地中ブロック体30a及び差込ジョイント部材151に対して配置する。
【0145】
この際、連結方向Aの位置合わせは、第1の地上ブロック体20aの位置決め印127aと、第1の地中ブロック体30aの位置決め印136aとを合わせることにより行えばよい。第2の地上ブロック体20bの配置についても同様である。
【0146】
又、幅方向の位置合わせは、第1の地上ブロック体20aの上面12の中央印128と第2の地上ブロック体20bの上面12の中央印128とを合わせることにより行えばよい(
図26参照)。
【0147】
図38は、この発明の第10の実施の形態による重量構造物を示す図であり、
図34に対応する図である。尚、説明に当たっては、基本的には第9の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0148】
図38を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、差込ジョイント部材151の形状が異なっている。又、これに伴い、第1の地上ブロック体20aの凹部123a及び第2の地上ブロック体20bの凹部122b並びに第1の地中ブロック体30aの地中凹部133a及び第2の地中ブロック体30bの地中凹部132bの形状も異なっている。
【0149】
差込ジョイント部材151は、上方部分に設けられ、上端から下方にかけて先細りの形状を有する上部凹部156及び下方部分に設けられ、下端から上方にかけて先細りの形状を有する下部凹部157を備える。
【0150】
第1の地上ブロック体20aの凹部123aは、上部凹部156の形状に応じて下方に突出した下方凸部163を有し、第2の地上ブロック体20bの凹部123bは、上部凹部156の形状に応じて下方に突出した下方凸部162を有する。
【0151】
このように構成すると、設置時に上部凹部156と下方凸部162、163とが連結方向に関し係止状態となるので、固定状態と連結状態とがより安定する。
【0152】
第1の地中ブロック体30aの凹部133aは、下部凹部157の形状に応じて上方に突出した上方凸部173を有し、第2の地上ブロック体30bの凹部132bは、下部凹部157の形状に応じて上方に突出した上方凸部172を有する。
【0153】
このように構成すると、設置時に下部凹部157と上方凸部172、173とが連結方向に関し係止状態となるので、固定状態と連結状態とがより安定する。
【0154】
図39は、この発明の第11の実施の形態による重量構造物を示す図であり、
図34に対応する図である。尚、説明に当たっては、基本的には第10の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0155】
図39を参照して、この実施の形態による重量構造物10にあっては、差込ジョイント部材151の形状が異なっている。又、これに伴い、第1の地上ブロック体20aの凹部123a及び第2の地上ブロック体20bの凹部122b並びに第1の地中ブロック体30aの凹部133a及び第2の地中ブロック体30bの凹部132bの形状も異なっている。
【0156】
差込ジョイント部材151は、上方部分において一方の端部寄りに設けられた上部凹部158aと、上方部分において他方の端部寄りに設けられた上部凹部158bとを有する。
【0157】
又、差込ジョイント部材151は、下方部分において一方の端部寄りに設けられた下部凹部159aと、下方部分において他方の端部よりに設けられた下部凹部159bとを有する。
【0158】
第1の地上ブロック体20aの下方凸部163、第2の地上ブロック体20bの下方凸部162、第1の地中ブロック体30aの上方凸部173及び第2の地上ブロック体30bの上方凸部172は、このような差込ジョイント部材151の形状に応じた形状に設定されている。
【0159】
このように構成すると、設置時に上部凹部158a、158bと下方凸部163、162とが連結方向に対し係止状態となるので、固定状態と連結状態とがより安定する。又、設置時に下部凹部159a、159bと上方凸部173、172とが連結方向に対し係止状態となるので、重量構造物の固定状態と連結状態とがより安定する。
【0160】
尚、上記の第9の実施の形態、第10の実施の形態及び第11の実施の形態では、重量構造物10は特定の寸法及び形状に設定されているものであったが、他の寸法及び形状に設定されているものであってもよい。特に、地上ブロック体20の凹部122、123、地中ブロック体30の地中凹部132、133及び差込ジョイント部材151の形状、大きさ、これらが設けられる位置、数に特に限定はない。例えば、差込ジョイント部材は、平板形状でなくてもよく、第1の凹部、第2の凹部、第1の地中凹部及び第2の地中凹部は、それぞれ差込ジョイント部材の形状に応じた形状を有していればよい。
【0161】
又、上記の第9の実施の形態、第10の実施の形態及び第11の実施の形態では、差込ジョイント部材は、連結方向に対して平行となるように配置される構成であったが、これに限られず、連結方向に対して交差する方向に配置可能に構成してもよい。
【0162】
更に、上記の第9の実施の形態、第10の実施の形態及び第11の実施の形態では、重量構造物10は、地上ブロック体20a、20b、地中ブロック体30a、30b及び差込ジョイント部材151から構成されていたが、差込ジョイント部材が道路面から上方部分が突出するように設けられていれば、地中ブロック体30a、30bは省略してもよい。すなわち、重量構造物10は、第1の地上ブロック体20aと、第2の地上ブロック体20bとが道路上に連結状態に配置された時に、差込ジョイント部材151が第1の凹部133aと第2の凹部132bとに差し込まれる構成であればよい。
【0163】
更に、上記の第9の実施の形態で示した重量構造物の設置工程において、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20b並びに第1の地中ブロック体30a及び第2の地中ブロック体30b等の連結方向における設置順には特に制限がない。上述のような形状の差込ジョイント部材151、凹部122、123、地中凹部132、133を採用すれば、各ブロック体を精度よく設置し整列させることができるため、任意の位置から設置を行うことができる。
【0164】
更に、上記の第9の実施の形態では、差込ジョイント部材151は、上方部分及び下方部分の両方に、それぞれ上部凹部及び下部凹部を設ける構成であったが、このような凹部をいずれか一方に設ける構成であっても構わない。
【0165】
更に、上記の第9の実施の形態、第10の実施の形態及び第11の実施の形態では、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20bの間において、差込ジョイント部材151を、連結方向Aに対して平行となるように1つ配置して、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20bを連結していたが、これに限られない。2つ以上の差込ジョイント部材151によって、第1の地上ブロック体20a及び第2の地上ブロック体20bを連結してもよい。