【文献】
Dan Chicea,Results of sediment motion visualization by a modified LASCA technique,Proc. SPIE 6785, ROMOPTO 2006: Eighth Conference on Optics,2007年 8月 1日,Vol.6785,Page.67851O-1-67851O-7
【文献】
Nadkarni Seemantini K,Characterization of atherosclerotic plaques by laser speckle imaging,Circulation,2005年 8月 9日,Vol. 112, No. 6,pp. 885-892,Electronic Publication Date: 1 Aug 2005
【文献】
Piederriere Yann,Evaluation of blood plasma coagulation dynamics by speckle analysis,Journal of biomedical optics,2004年,Vol. 9, No. 2,pp. 408-412
【文献】
Tripathi Markandey M,Assessing blood coagulation status with laser speckle rheology,Biomedical optics express,2014年 3月 1日,Vol. 5, No. 3,pp. 817-831,Electronic Publication Date: 24 Feb 2014
【文献】
Piederriere Yann,Particle aggregation monitoring by speckle size measurement; application to blood platelets aggregation,Optics express,2004年 9月20日,Vol. 12, No. 19,pp. 4596-4601
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、特性評価システム10は、液体12内に含まれる血液粒子等の粒子の速度変化又は粒子の凝集を特性評価するように設計されていて、照らされた液体12を透過した放射によって形成された画像を取得して、画像を処理することで特性評価が行われる。粒子の速度変化は、例えば、以下で詳細に説明するように、粒子の減速である。当業者は、本発明に係る特性評価システム10が、粒子の加速を特性評価することも同様に可能であることを理解されたい。
【0019】
従って、一般的には、特性評価システム10は、粒子を備えた液体のパラメータを特性評価するように設計されていて、その液体は特に血液である。このパラメータは、例えば、液体を構成する粒子の凝固又は凝集であり、代わりに、粒子数又は粒子の形態の観測である。
【0020】
“粒子”との用語は、特に、生物学的粒子、つまり、細胞(例えば、赤血球、白血球、血小板)、細菌、ウイルス、又は他の分子(例えば、タンパク質)のことを指称する。
【0021】
凝集(agglutination,agglomeration)とは、試薬を導入した影響下で互いに接続された粒子の三次元構造が形成されることを指称する。
【0022】
凝集状態とは、凝集体のサイズの相対的若しくは絶対的なサイズであり得る推定、又は凝集体に存在する粒子の量に関する推定を指称する。
【0023】
特性評価システム10は、液体12を受容するように設計された流体チャンバ14と、励起レーザービーム18を放出して流体チャンバ14を照らすことができる光源16(そのレーザービーム18は、流体チャンバ14を通り抜けるように長手方向Xに向けられる)と、レーザービーム18によって照らされた流体チャンバ14を透過した放射の画像を取得することができるマトリクス光検出器20とを備える。透過した放射とは、流体チャンバを通り抜ける放射を指称し、マトリクス光検出器20及び光源16が流体チャンバ14の両側に配置される。
【0024】
特性評価システム10は、情報処理ユニット21と、チャンバ14の画像を表示するためのスクリーン22とを備える。
【0025】
本実施形態では、特性評価システム10は、血液の凝固又は血液粒子の凝集を特性評価することができ、その血液粒子の凝集は、対応する血液型を決定することを可能にする。液体12は血液を含む。液体12は、例えば、全血、血液成分、又は血漿である。代わりに、液体12は、尿、汗等の他の体液である。
【0026】
流体チャンバ14は、長手方向Xにおいて光源16とマトリクス光検出器20との間に配置される。流体チャンバ14は、
図3に示されるように、液体の堆積領域26と、液体12用の一つ以上の循環チャネル28とを備える。
【0027】
流体チャンバ14は、上部板及び下部板(図示せず)によって方向Xにおいて区切られた少なくとも一つの流体チャネルを含む。これらの板は、少なくとも部分的に半透明であり、光源16を用いて液体12を照らすこと、マトリクス光検出器20を透過した放射を検出することができるようになっている。
【0028】
下部板及び上部板は、例えば、ガラススライド(図示せず)であり、スペーサ(図示せず)によって離隔されていて、ガラススライドが長手方向Xにおいて略160μm離隔されるようになっている。
【0029】
流体チャンバ14は、長手方向Xにおいて厚さEを有する。厚さEは、例えば、20μmから100μmの間、好ましくは30μmから300μmの間の値を有する。
【0030】
光源16は、長手方向Xにレーザービーム18を放出することができる。
【0031】
光源16は、長手方向Xにおいて流体チャンバ14から第一距離D1に配置される。第一距離D1は、好ましくは1cmから30cmの間、例えば20cmの値を有する。
【0032】
本実施形態では、光源16は空間的及び時間的コヒーレント源である。光源16は、例えばレーザーである。代わりに、光源16は、レーザーダイオード(LD,laser diode)、又はVCSEL(vertical cavity surface emitting laser,垂直キャビティ面発光レーザー)型のレーザーダイオードである。
【0033】
代わりに、光源16は発光ダイオード(LED,light‐emitting diolde)であり、単色性であり、空間的にコヒーレントであるとされるのに十分小さな寸法を有し、LEDの直径は、チャンバからLEDを離隔する第一距離D1の1/10よりも小さい。
【0034】
レーザービーム18は、
図1に示されるように、長手方向Xに向けられて、流体チャンバのレベルにおいて、長手方向に垂直な平面P内において5mm
2から200mm
2の間、好ましくは25mm
2に等しい表面積を有する。平面Pは流体チャンバ14に接触して配置される。従って、照らされる流体表面が従来技術よりも大きくなる。これによって、決定したいパラメータの局所的な変動を排除することができる。
【0035】
レーザービーム18は、好ましくは光源16と流体チャンバ14との間に配置される拡大レンズ無しで、直接流体チャンバ14を照らすことができる。
【0036】
マトリクス光検出器20は、画素化画像センサーであり、複数の画素(図示せず)を含む。光検出器20の各画素は、10μm、又は4μm以下の寸法を有する。各画素は、例えば正方形であり、各辺が10μm又は4μm以下の値を有する。本実施形態では、各画素は、辺の長さ4μmの正方形の形状である。代わりに、各画素は、辺の長さ2.2μmの正方形の形状である。
【0037】
マトリクス光検出器20は、長手方向Xにおいて流体チャンバ14から第二距離D2に配置される。第二距離D2は、1cm未満、好ましくは100μmから2mmの間の値を有する。検出器とチャンバとの間の有利に短い距離が、異なる回折パターン間の干渉現象を制限することを可能にする。実際、この距離が増大すると、特に回折粒子の数が増える場合に、干渉が画像を使用不可能なものにし得る。これは、照らされる流体の体積が従来技術の特許文献1で説明されているデバイスの場合よりも大きいという事実に起因するものである。1cmよりも大きな距離で検出器を配置すると、検出器で得られる画像が使用し難くなる。
【0038】
マトリクス光検出器20によって取得される画像は、流体チャンバ14とマトリクス光検出器20との間に配置される拡大レンズ無しで、照らされる流体チャンバ14を直接透過した放射によって形成される。また、マトリクス光検出器20は、レンズレス撮像デバイスとも呼ばれ、流体チャンバ14から短距離に配置され、流体チャンバ14の画像を形成することができる。短距離とは、1cm未満の距離を指称する。
【0039】
マトリクス光検出器20は、5秒毎に少なくとも一枚の画像を生成することができるので、その取得リズムは0.2Hzよりも大きい。マトリクス光検出器20は二次元画像センサーであり、つまり、長手軸Xに垂直な平面内に存在する。画像の取得周波数は、好ましくは1Hzから20Hzの間である。
【0040】
マトリクス光検出器20は例えばCCDセンサーである。代わりに、光検出器20はCMOSセンサーである。
【0041】
マトリクス光検出器20は、例えば、
図3に光検出器20が破線で示されるように、長手方向Xにおいて流体チャンバ14と実質的に整列される。
【0042】
代わりに、マトリクス光検出器20は、
図4に光検出器20が破線で示されるように、長手方向Xに沿ってチャンバ14に対して僅かにずらされている。
【0043】
図1に示される情報処理ユニット21は、データプロセッサ30と、そのプロセッサに付随するメモリ32を含む。
【0044】
図2の例示的な実施形態では、マトリクス光検出器20と、光源16と、任意で情報処理ユニット21の全部又は一部とが、第二基板23に固定される。特性評価システム10は、光学システム24、例えばミラーを備え、光源16からのレーザービーム18を光検出器20に向けることができる。これは、小型システムを可能にする。流体チャンバ14は、例えば取り外し可能サポート25に形成される。取り外し可能サポート25は、例えば使い捨て可能であり、光検出器20から短距離でその光検出器20を覆って挿入されて、流体チャンバをレーザービーム18で照らすことができるようにされる。この例示的な実施形態によると、サポート25は、分析される流体12を受容して、その後、分析を行えるように光検出器20近くに挿入されるように設計される。例えば、サポート25は、導管を含み、その中において流体12が、流体チャンバのチャネル28の範囲で循環し、流体チャンバ14がその導管に接続される。分析が完了すると、サポート25を取り外して、特に捨てる。そして、特性評価システム10は別のサポートを用いて別の測定を行うように利用可能である。
【0045】
当業者は、
図2の例示的な実施形態において、長手方向Xは、光学システム24の対応するミラーと光検出器20との間で流体チャンバ14を通り抜けるレーザービーム18の最後の部分に対応することを理解されたい。
【0046】
各循環チャネル28は、
図3及び
図4に示される幅Lを有する。幅Lは、例えば、50μmから5mmの間、好ましくは1.5mmの値を有する。
【0047】
メモリ32は、マトリクス光検出器20が取得した画像を受信するためのソフトウェア34と、所望のパラメータ、この場合、減速といった粒子の速度変化の特性を示すことができる第一指標Ind1
n,n+mを計算することができる第一ソフトウェア36とを記憶することができる。追加的に又は代替的に、メモリ32は、他の所望のパラメータ、この場合、粒子の凝集の特性を示すことができる第二指標Ind2を計算するための第二ソフトウェア38を記憶することができる。また、メモリ32は、粒子の速度変化及び/又は粒子の凝集を特性評価するためのソフトウェア40を記憶することもできる。
【0048】
代わりに、受信手段34、第一計算手段36、第二計算手段38、及び特性評価手段40は、プログラム可能論理コンポーネントとして、又は専用集積回路として設けられる。
【0049】
受信ソフトウェア34は、光検出器20から、異なる時点において逐次的に取得された画像を規則的に受信することができる。受信ソフトウェア34は、1秒当たり少なくとも一枚の画像を受信することができ、画像の受信リズムは、0.2Hzよりも大きく、典型的には1Hzから20Hzまでである。
【0050】
第一計算ソフトウェア36は、局所的平均が取り出される透過画像I
n(x,y)を表す画像A
nを計算することができる。局所的平均は、画像I
n(x,y)とカーネルk1との畳み込みによって得られる。このカーネルk1は、I
nに対して相対的に寸法の小さな行列である。例えば、カーネルk1の寸法は、10画素×10画素であり、I
nの寸法は、カーネルk1の寸法の少なくとも2倍、場合によっては10倍大きい。P行Q列のカーネルk1は、例えば均一であり、その値が全て同一である。この場合、P及びQは整数であり、例えば10である。従って、二つの画像A
n及びA
n+mが求められ、それぞれ整数である時点n及びn+mに対応する。一般的に、mは1であり、透過画像I
n及びI
n+1は二つの連続した透過画像である。
【数8】
ここで、I
n(x,y)、I
n+m(x,y)は、時点n及びn+mにおける二つの連続した透過画像を表し、x及びyは、各画像の点の座標であり、I
n(x,y)、I
n+m(x,y)はX行Y列の行列であり、記号
【数9】
は、以下の式によって定義される畳み込み積分を表す:
【数10】
FはX行Y列の行列であり、
k1は、取得した画像の相関に対するカーネルを表し、k1はP行Q列の行列であり、
X、Y、P及びQは、X≧P≧1、Y≧Q≧1を満たす整数である。
【0051】
画像は、例えば、マトリクス光検出器20によって毎秒取得され、二つの透過画像I
n(x,y)、I
n+1(x,y)は、一秒の間隔で取得された画像となる。
【0052】
次に、第一計算ソフトウェア36は、例えば以下の式に従って、二つの透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)の間の相関を表す相関画像Icorr
n,n+m(x,y)を計算することができる:
【数11】
ここで、Icorr
n,n+m(x,y)は個々の時点n及びn+mにおいて求められた二つの透過画像I
n、I
n+mの相関画像を表し、x及びyは画像の点の座標であり、Icorr
n,n+m(x,y)はX行Y列の行列である。
【0053】
最後に、第一計算ソフトウェア36は、得られた相関画像Icorr
n,n+m(x,y)から第一指標Ind1
n,n+mを計算することができる。この指標Ind1
n,n+mは、画像Icorr
n,n+m(x,y)の強度を表す。この指標Ind1
n,n+mは、減速等の粒子の速度変化の特徴を表すことができる。
【0054】
相関指標Ind1
n,n+mは、それぞれ時点n及びn+mに取得した少なくとも二枚の透過画像I
n(x,y)及びI
n+m(x,y)の間の相関を表し、その相関は、相関画像Icorr
n,n+m(x,y)の関心領域142について求められる。関心領域142は使用者によって決定されて、相関指標Ind1
n,n+mを決定するのに使用したい相関画像Icorr
n,n+m(x,y)の領域に対応し、例えば、一辺当たり数十画素、例えば50×50画素の正方形の領域である。相関指標Ind1
n,n+mは、関心領域142内の強度の値を変換し、特に、画像Icorr
n,n+m(x,y)の関心領域142内の平均強度又は全強度から決定される。その指標Ind1
n,n+mは、例えば、関心領域142内の平均強度レベル、又は全強度を表す。
【0055】
代わりに、第一計算ソフトウェア36は、以下の式に従って、時点n及びn+mにおいて取得された二つの透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)から中間画像C
n(x,y)、C
n+m(x,y)を計算することができる:
【数12】
ここで、I’
n(x,y)、I’
n+m(x,y)はそれぞれ二つの透過画像I
n、I
n+mの関心領域を表す。上述のように、添え字mは、例えば、1である。座標x及びyは画像の点の座標を指し、C
n(x,y)、C
n+m(x,y)はN行M列の行列であり、
【数13】
はそれぞれ関心領域I’
n(x,y)、I’
m(x,y)の平均値を表す。I’
n、I’
n+mからのそれぞれ
【数14】
の引き算は任意であることを明記しておく。これは正規化ステップに対応し、0から1の間の指標を得ることを可能にし、更に、二つの画像の間の媒体の照明強度の揺らぎ効果を排除することを可能にする。
【0056】
この代替例によると、次に、第一計算ソフトウェア36は、以下の式に従って第一指標Ind1
n,n+mを計算することができる:
【数15】
ここで、Ind1
n,n+mが第一指標を表す。
【0057】
特性評価ソフトウェア40は、液体12中に含まれる粒子の速度変化及び/又は凝集を特性評価することができる。より具体的には、特性評価ソフトウェア40は、計算された第一指標Ind1
n,n+mから、液体12中に含まれる粒子の速度変化(減速等)を計算することができる。液体12が血液を含む実施形態では、第一特性評価ソフトウェア40は、計算された第一指標Ind1
n,n+mから、血液粒子の凝固、及び/又は、凝固時間と呼ばれる、初期時点と計算された第一指標Ind1
n,n+mが所定の値を取る時点との間の時間間隔を決定することができる。従って、一般的には、Ind1
n,n+mは、時点n及びn+m(mは一般的には1から10の間であり、好ましくは1である)における透過画像I
n、I
n+mの観測に基づいて、血液の凝固パラメータの特性を表す。
【0058】
以下、本発明に係る特性評価システム10の動作を、本発明に係る特性評価方法の流れ図を示す
図5を用いて説明する。
【0059】
使用前において、流体チャンバの循環チャネル28は空であり、チャンバ14の初期画像I
0は、
図6に示されるように、循環チャネル28に対応する白色領域と、チャネルを区切る領域(この例では、流体チャンバ14の残りの部分に対応する暗色領域で表される)とを示す。
【0060】
初期ステップ100において、液体12が流体チャンバの堆積領域26に導入される。液体12は、毛細管現象によって堆積領域26内を循環チャネル28に向けて流れる。
【0061】
そして、液体12は、任意で、ステップ110において、
図3及び
図4に示される試薬112と混合されて、粒子の減速現象を引き起こす又は促進することができる。試薬112は、例えば、血液の凝固を介して血液粒子の減速を促進することができる凍結乾燥試薬である。
【0062】
試薬112は、例えば、光検出器20によって画像が取得される
図3の破線の内側の領域に対応する光学検出領域の上流に堆積される。代わりに、試薬112は、
図4に示されるように、光学検出領域の内側に配置される。液体12と試薬112との混合は、液体12が循環チャネル28の内側に流れて試薬112と接触した際に生じる(矢印F1)。
【0063】
本実施形態では、試薬112は、凝血源タンパク質である。このタンパク質は、循環チャネル28内に堆積、乾燥、又は凍結乾燥される。試薬112は、例えば、INR(International Normalized Ratio,国際標準化比)パラメータが決定される場合には、プロトロンビンタンパク質(PTとも呼ばれる)である。
【数16】
【0064】
Tは、測定された凝固時間であり、Trefは、検討される参照時間であり、ISIは、凝固を引き起こすのに用いられる試薬に依存する相関因子である。
【0065】
代わりに、ECT(Ecarin Clotting Time,エカリン凝固時間)試験を用いて凝固時間が測定される場合には、試薬112はエカリンタンパク質である。代わりに、TT(Thrombin Time,トロンビン時間)試験を用いて凝固時間が測定される場合には、試薬112はトロンビンタンパク質である。
【0066】
液体12は、ステップ120中においてレーザービーム18によって照らされる。実際、光源16は、長手方向Xに沿って、液体12が存在する流体チャンバ14に向けてレーザービーム18を放出する。
【0067】
そして、ステップ130中において、マトリクス光検出器20が、異なる時点n及びn+mにおいて複数の透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)を逐次的に取得する。各透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)は、照らされた流体チャンバ14を透過した放射によって対応する取得時間に形成される。
【0068】
画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)は、例えば、
図7及び
図8に示されるように、極めて連続した画像であり、mが1であり、好ましくは毎秒取得され、連続して取得される二つの画像I
n(x,y)、I
n+1(x,y)の時間間隔は1秒である。
【0069】
取得された画像I
n(x,y)、I
n+1(x,y)は、液体12内に懸濁した粒子によって生成された回折パターンの干渉に対応する。レーザービーム等の空間的及び時間的コヒーレントビーム18で粒子を照らすことは、液体12内に含まれる粒子の移動に起因して時間と共に変化する干渉パターンを生成する。
【0070】
短距離で離してマトリクス光検出器20を配置することによる利用可能な回折パターンの観測は、特に、流体チャンバ14と光検出器20との間に拡大レンズが存在しないことのおかげである。
【0071】
取得ステップ130において、光検出器20が流体チャンバ14から短距離に配置され、その流体チャンバ14と光検出器20との間の長手方向Xにおける第二距離D2は、1cm未満である。
【0072】
取得ステップ130が終わると、特に画像I
n(x,y)、I
n+1(x,y)の取得後に、第一計算ソフトウェア36が、ステップ140において、式(1)、(2)及び(3)を用いて画像A
n(x,y)、A
n+1(x,y)の計算を始める。
【0073】
そして、第一計算ソフトウェア36は、画像A
n(x,y)、A
n+1(x,y)から、式(4)を用いて、対応する相関画像Icorr
n,n+1(x,y)を計算する。
【0074】
本実施形態では、相関画像は、
図9及び
図10に示されるように、時間の関数として発展し、相関画像Icorr
N1,N1+1(x,y)が、Icorr
N1(x,y)と表され、凝固前のn=N1(
図9)で行われた二つの透過画像I
n、I
n+1の間の相関に対応し、凝固後のn=N2(
図10)で行われた二つの透過画像I
N2、I
N2+1の間の相関に対応する画像Icorr
N2(x,y)とは大きく異なる見た目を有する。
【0075】
最後に、第一計算ソフトウェア36は、得られた各相関画像Icorr
n,n+1(x,y)についての第一指標Ind1
n,n+1の値を計算する。第一指標Ind1
n,n+1の値は、例えば、
図9及び
図10に見て取れる所定の関心領域142における相関画像Icorr
n,n+1(x,y)の点の平均値である。代わりに、第一指標Ind1
n,n+1の値は、関心領域142の画像の積分(つまり、各画像のグレーレベルの和)である。また、代わりに、第一指標Ind1
n,n+1の値はその積分の関数である。
【0076】
代わりに、第一計算ソフトウェア36は、ステップ140において、式(5)及び(6)を用いて中間画像C
n(x,y)、C
n+1(x,y)の計算を始める。
【0077】
次に、第一計算ソフトウェア36は、中間画像C
n(x,y)、C
n+1(x,y)から式(7)を用いて、第一指標Ind1
n,n+1の値を出す。
【0078】
本実施形態では、計算ステップ140が終わると、特性評価方法は、ステップ130に戻り、照らされた流体チャンバ14の新たな画像を取得し、そして、同様にステップ140中において、新たな相関画像Icorr
n+1,n+2(x,y)と、第一指標Ind1
n+1,n+2の新たな値とを計算する。
【0079】
そして、取得ステップ130及び計算ステップ140を、所定の長さの時間(例えば、60秒より長く)にわたって、又は、使用者による停止まで、特に、第一指標の経時的な発展を考慮して、規則的に(例えば毎秒)反復する。
【0080】
図11に示される曲線145で説明される実施形態に示される第一指標Ind1
n,n+mの経時的な発展は、液体12に含まれる粒子の速度変化(血液粒子の減速等)を計算することを可能にする。
【0081】
図11では、初期時点t0は、液体12と試薬の混合に対応し、第一時点t1において、光学検出領域の真向かいの循環チャネル28が充填される。つまり、
図11の例示的な実施形態は、
図3に示されるように、光学検出領域の直前に試薬112が堆積される場合に対応する。
【0082】
曲線145は、第一時点t1から、第一指標Ind1
n,n+mの値が減少して、0.1未満の最小値に達する様子を示す。曲線145は、第二時点t2
Aから、第一指標Ind1
n,n+mの値が0.8付近で安定化するまで急激に増大する様子を示す。
【0083】
第一指標Ind1
n,n+mの値が小さい第一時点t1と第二時点t2
Aとの間の段階は、第一段階とも呼ばれ、連続的に取得された透過画像間の低い相関に対応する。実際、これは、第一段階における一方の画像から他方の画像への回折パターンの顕著な変化に起因するものであって、関心領域142に対応する空間において、液体12中に懸濁された粒子の移動に起因するものである。
【0084】
第二時点t2
Aで始まり特性強化の終わりまでの段階は、第二段階とも呼ばれ、液体12中の粒子の膨張に対応し、連続的な画像間の相関の増加に達する。
【0085】
特性評価ソフトウェア40は、投入された第一指標Ind1
n,n+mから、初期時点t0と時点t2
A(その時点において第一指標が再び増大する相関値を有する)との間の時間間隔を決定する。初期時点t0と第二時点t2
Aとの間の時間間隔は凝固時間Tcとも呼ばれる。
図11の例示的な実施形態では、凝固時間Tcは略29秒である。
【0086】
また、特性評価ソフトウェア40は、投入された第一指標Ind1
n,n+mから、血液粒子の凝固も決定する。凝固時間Tは、例えば、初期時点t0(
図11の曲線145のt=0)と凝固時点(血液凝固の特性を示す)との間の時間間隔に対応する。
【0087】
この凝固時点は、曲線145が停滞状態に達する点に対応し、この点を越えると、第一指標Ind1
n,n+mの値は事実上発展しない(第二時点t2
A)。この凝固時点t2
Aを、第一指標Ind1
n,n+mの発展を記述する時間関数の導関数から決定することもできることを理解されたい(例えば、第一指標が特定の閾値以下に下がる時)。
【0088】
代わりに、この規定時点を、関数の二次導関数から決定する。その二次導関数から、曲線145の変曲点146の位置を決定することができる。そして、その変曲点146に対応する時点t2
Aを、例えば、凝固時点を決定するのに用いる。
【0089】
図11の例示的な実施形態では、曲線145に対する接線147が、その変曲点146を通って引かれている。凝固時点は、接線147が曲線の基線と交差する横座標(第二時点t2
A)、又は接線147がx軸と交差する横座標(第三時点t2
B)に対応する。基線とは、第一指標Ind1
n,n+mの値が急激に上昇する前の実質的に平坦な曲線の部分のことを称する。図示されている例では、基線は、横座標が略15秒から28秒(第二時点t2
A)の間である曲線145の部分に対応する。
【0090】
上述のように、凝固時間Tは、凝固時点t2
A、t2
Bと、曲線145のx軸の原点に選択された初期時点t0との間の差によって得られる。
【0091】
従って、本発明に係る特性評価システム10及び特性評価方法は、流体チャンバ14と光検出器20との間の短距離に起因して、流体チャネルの循環チャネル28の大部分にわたって液体12内に含まれる粒子の速度変化を特性評価することを可能にする。
【0092】
図11の例示的な実施形態では、本発明に係る特性評価システム10及び特性評価方法は、連続的な画像間の相関の増大を検出することによって、粒子の減速を特性評価することを可能にする。
【0093】
当業者は、本発明に係る特性評価システム10及び特性評価方法が、同様に、連続した画像間の相関の減少を検出することによって、粒子の加速を特性評価することも可能にすることを理解されたい。
【0094】
また、流体チャンバ14と光検出器20との間の1cm未満の第二距離D2は、特性評価システム10の嵩張りを制限することも可能にする。
【0095】
更に、平面Pに沿った、レーザービーム18の顕著な範囲、つまり5mm
2以上、例えば5mm
2から200mm
2の間の範囲が、流体チャンバ14内に含まれる液体12の加熱を制限することを可能にする。実際、レーザービーム18の顕著な表面積は、低出力の光学密度を有することを可能にする。
【0096】
更に、拡大レーザービームを用いて、チャンバから短距離の画像を形成することが、大容量の流体を試験することを可能にする。そして、レーザービームが細い場合に支配的になる可能性がある局所的現象の影響が排除され、分析される流体の容量が格別なものとなる。二つの透過画像I
n、I
n+mの間の相関の分析は、マイクロ流体チャネル28の平面内において、凝固の空間的構造を考慮することを可能にする。つまり、血液凝固の発展が二次元で観測される。
【0097】
図12から
図17は第二実施形態を示し、上述の第一実施形態と同様の要素を同一の参照符号を用いて識別し、繰り返しては説明しない。
【0098】
第二実施形態によると、特性評価システム10は、液体12に含まれる粒子の凝集をより具体的に特性評価するように設計される。特性評価システム10は、例えば、赤血球等の血液粒子の凝集を特性評価することができる。
【0099】
また、血液型に関する情報が、凝集状態から決定される。
【0100】
周知のように、ベス・ビンセント(Beth‐Vincent)試験を用いて、抗A抗体、抗B抗体の不存在を示唆するA抗原、B抗原の存在を検出することによって、血液型を決定することができる。試験された血液の赤血球がA抗原又はB抗原を有する場合、抗原抗体複合体が形成されて、
図12に示される表200で思い出される細胞凝集がもたらされる。
【0101】
流体チャンバ14は、二つの別々の循環チャネル202、204、つまり
図13に示されるように第一チャネル202と第二チャネル204とを含む。
【0102】
第二実施形態によると、光源16は任意のタイプの光源である。レーザー16は、必ずしも空間的及び時間的にコヒーレントでなくてよい。
【0103】
第二実施形態によると、第二計算ソフトウェア38は、粒子の凝集の特性を示すことができる第二指標Ind2を計算可能であり、その第二指標Ind2は、取得された各画像I
n(x,y)についての強度指標である。第二指標Ind2は、画像I
n又はその関心領域内の各画素の強度のヒストグラムを表し、例えば、画像I
nの全強度の測定によって、又は画像I
nの所定の関心領域において決定され、任意で閾値化の後に行われる。
【0104】
次に、特性評価システム40は、計算された第二指標Ind2から液体12の粒子の凝集状態を決定することができる。凝集状態は、例えば、第二指標Ind2が所定の閾値を超えた際に決定される。
【0105】
本実施形態では、液体12が血液を含み、粒子は例えば赤血球であり、特性評価ソフトウェアが、凝集状態から血液型に関する情報を決定することができる。
【0106】
以下、
図13から
図17を用いて、第二実施形態の動作について説明する。
【0107】
初期ステップ100中に、液体12、例えば、血液型を決定したい供血者の血液サンプルを、流体チャンバの堆積領域26内に導入する。液体12は、例えば毛細管現象によって、堆積領域26から循環チャネル28に向けて流れる。
【0108】
次に、ステップ110中において、
図13に示されるように、液体12を個別の第一試薬206及び第二試薬208と混合する。
【0109】
各試薬206、208を、例えば、光検出器20によって画像が取得される
図13の破線内部の領域に対応する光学検出領域から上流に堆積させる。
【0110】
液体12と第一試薬206及び第二試薬208との間の混合は、液体12が第一チャネル202内部に流れて第一試薬206と接触する際(矢印F2)に、また液体12が第二チャネル204内部に流れて第二試薬208と接触する際(矢印F3)にそれぞれ行われる。
【0111】
本実施形態では、第一試薬206は、ドナーA血清であり、つまり抗B抗体を含み、第二試薬208はドナーB血清であり、つまり抗A抗体を含む。
【0112】
血液サンプル12に関する血液型に依存して、循環チャネル202、204各々の内において、細胞凝集が生じたり生じなかったりする。
【0113】
そして、ステップ120中において、第一試薬206及び第二試薬208と混合した血液サンプル等の液体12が、光ビーム18によって照らされる。
【0114】
そして、ステップ130中において、マトリクス光検出器20が、二つの循環チャネル202、204を含む光学検出領域に対応する透過画像I(x,y)を取得する。
【0115】
当業者は、第二実施形態によると、単一の透過画像I(x,y)の取得が、その画像を参照画像I
ref(x,y)と比較することによって、液体12に含まれる粒子の凝集を特性評価することを可能にすることを理解されたい。参照画像I
ref(x,y)は、例えば、血液が試薬と混合されていない参照領域(図示せず)に対して撮られた画像である。この参照領域は、例えば、第一チャネル202又は第二チャネル204と同一の幾何学的形状を有するが、試薬を含んでいない第三チャネルである。
【0116】
代わりに、参照領域は、試薬206、208から上流において第一チャネル202又は第二チャネル204に位置する領域である。
【0117】
代わりに、参照画像I
ref(x,y)は、分析される液体をチャネルに充填させた直後に、透過画像と同じ箇所において生成され、透過画像I(x,y)が、同じ条件下で、一定時間(例えば1分間)後に撮られて、分析される液体に対する試薬の影響が測定可能とされる。
【0118】
取得される画像I(x,y)は、同様に、液体12に懸濁された粒子による光ビーム18の回折及び拡散に対応する。好ましくは、この画像は、二つのチャネル並びに参照領域に対して同一条件下で撮られる。同一条件とは、特に照明条件、光源から検出器の距離、使用される検出器の特性、配置時間、観測される場、画像サイズについてのことである。
【0119】
レーザービーム18で粒子を照らすと、回折パターンが生成される。上述のように、流体と光検出器20との間で入射ビームの顕著な表面に結合される拡大レンズが存在しないことによって、短距離で使用可能な画像を形成することを可能にし、数ミリメートル平方の面積を有する場等の大きな流体場をカバーすることができる。
【0120】
取得ステップ130中に、光検出器20が流体チャンバ14近くに配置され、長手方向Xにおける流体チャンバ14と光検出器20との間の第二距離D2は、1cm未満である。
【0121】
図14の例示的な実施形態では、第一チャネル202の取得画像210と、第二チャネル204の取得画像212が示されていて、画像212における白色のしみの存在によって、第二チャネル204内においてのみ細胞凝集が観測される。つまり、試験した血液サンプルに関する血液型は、
図12の表200によるとB型である。
【0122】
取得ステップ130が終わると、第二計算ソフトウェア38は、ステップ140中において、粒子の凝集の特性を示すことができる第二指標Ind2を計算し、その第二指標Ind2は、取得された各画像I(x,y)についての強度指標である。第二指標Ind2は、画像の所定の関心領域における強度、特にその領域内の画素の強度分布を表す。
【0123】
第二指標Ind2は、例えば、画像の特性、特に、
図16及び
図17に示されるように、各チャネル202、204並びに利用可能であれば参照チャネルについて取得した画像のグレーレベルのヒストグラムの特性であり、第一チャネル202の取得画像のグレーレベルのヒストグラム214、第二チャネル204の取得画像のグレーレベルのヒストグラム216がそれぞれ示されている。各グレーレベルヒストグラム214、216は、x軸上にグレーレベルの値を有し、y軸上に画素分布、つまり、x軸上に与えられたグレーレベルに対する画素の数を有する。ヒストグラムの特性は、例えば、画像を閾値化した後の画素の平均強度(I
meanで指称される)であり、その閾値化が、強度が一定の閾値よりも大きい画素についての情報のみを保持することを可能にする。
【0124】
図16及び
図17に示される例を参照すると、値120に対応する強度において閾値化を行った後において、
図17に対応する画像の平均強度が、
図16に対応する画像の平均強度よりも高いことが見て取れる。これは、粒子の凝集の観測を示す
図17のヒストグラムが、非凝集の観測を示す
図16のヒストグラムよりも強い画素(200よりも高いグレーレベル)を有することに起因する。第二指標Ind2は、例えば、画像の平均強度に従って求められる。
【0125】
一代替例によると、生成された各画像について、画像のヒストグラムにおいて、所定の数の画素、例えば500画素をまとめた強度の最大値に対応する強度I
maxを決定する。そして、I
max−I
meanの引き算によって、I
maxとI
meanとの間の偏差を決定し、第二指標Ind2が、その偏差を表す。
図17のヒストグラムにおいて、このようにして定められた第二指標Ind2は、
図16のヒストグラムの場合よりも高い。このようにして決定された第二指標Ind2の値は、例えば、参照領域に対して得られた値Ind2
refとの比較、又は、例えば実験的試験に従って予め決定された値との比較によって、凝集現象の存在又は不存在を結論付けることを可能にする。
【0126】
一代替例によると、各透過画像について、ヒストグラムの最大値に対応する強度I
peak、つまり、最高数の画素をまとめた強度値を決定する。
図16及び
図17において、この値は、各分布のピークに対応し、それぞれ120、130に等しい。また、所定の閾値よりも大きな値を備えた多数の画素をまとめた最大値I
maxも決定する。
図16及び
図17に関して、500の閾値を適用すると、I
maxはそれぞれ181、256に等しい。第二指標Ind2は、I
maxとI
peakとの間の距離に対応し、
図16について61であり、
図17について126である。第二指標Ind2が、所定の閾値よりも例えば略25%大きい場合に、又は、参照領域について求められた指標Ind2
refよりも大きい場合に、凝集があると結論付けられる。
【0127】
一代替例によると、第二指標Ind2は、以下のような、透過画像Iの関心領域と、試薬を含まない(従って凝集が生じていない)参照画像I
refとの間の比較指標である:
【数17】
【0128】
第二指標Ind2は、所定の閾値、例えば0.25と比較される。そして、第二指標Ind2がその閾値よりも大きければ、凝集が見られる。
【0129】
そして、特性評価ソフトウェア40は、計算された第二指標Ind2から、液体の粒子の凝集状態を決定することができる。
【0130】
凝集状態は、例えば、第二指標Ind2が所定の閾値を超えた際に決定される。
【0131】
比較が正である、つまり、得られたグレーレベルが所定の閾値よりも大きいと、特性評価ソフトウェア40は、対応するチャネル202、204における細胞凝集の存在を推測する。
【0132】
本第二実施形態では、最後に、特性評価ソフトウェア40は、第一領域206及び第二領域208のタイプから、また表200から、試験された血液サンプル12に関する血液型を決定する。
【0133】
本第二実施形態の利点は、上述の第一実施形態のものと同一である。
【0134】
第一実施形態の補完として、流体チャンバ14は、複数のチャネル、例えば
図13に見て取れる二つのチャネル202、204を含み、液体12が異なる複数の試薬(各試薬は流体チャンバ14の各チャネル202、204に配置される)と混合された際に液体12の粒子の速度変化を特性評価する。これは、同一のデバイスで、同じ液体サンプルの異なる複数の分析パラメータ、例えば凝固時間及び血液型を決定することを可能にする。
【0135】
このような流体チャンバ14は、血液凝固を介して血液粒子の減速を促進することができる異なる複数の試薬(上述のような異なる試薬112等)を用いて、例えば、血液を含む液体12の凝固を特性評価するのに有利である。
【0136】
本発明に係る特性評価システム10が、嵩張りを制限しつつ、流体チャンバ14の大部分を観測することを可能にすることが理解される。
【0137】
図18から
図29は、第二実施形態の第二例を示し、特性評価される液体12は、生物学的液体、特に、血液又は希釈血液であり、特性評価システム10は、生物学的液体12中の粒子、この場合、赤血球の凝集を特性評価することができる。
【0138】
この例で特性評価される液体12は、PBS(Phosphate BufferedSaline,リン酸緩衝生理食塩水)バッファで1/20に希釈させた血液を含み、そのバッファは1体積%のFBS(Fetal Bovine Serum,ウシ胎仔血清)を含む。
【0139】
希釈血液の容積は40μLであり、それに、可変量の抗体(例えば、BD555569との型番でベクトン・ディッキンソン社から販売されているCD235Aと呼ばれる抗赤血球抗体等)が添加される。添加される抗体の量は、希釈血液1μl当たり0から1μgであり、0から6.7μMの間の濃度に対応する。
【0140】
こうした抗体の添加は、凝集を引き起こす赤血球(特に、グリコホリンA)の表面抗原をマスキングすることを可能にする。
【0141】
この第二例の目的は、特性評価システム10を用いたレンズレス撮像によって、血液粒子、例えば赤血球の凝集状態の特性評価が可能になることを示すことである。
【0142】
特性評価される液体12に添加された各量の抗体について、特性評価される液体サンプル12が、特性評価システム10を用いて取得され、つまりレンズレス撮像され、得られた画像220A、220B、220C、220Dを
図18から
図21に見て取れる。これら画像220A、220B、220C、220Dの各々の画素の強度のグレースケールヒストグラムが計算され、計算されたヒストグラム222A、222B、222C、222Dが
図22から
図25に見て取れる。特性評価される液体サンプル12の参照画像224A、224B、224C、224Dも、
図26から
図29に示されるように、顕微鏡を用いて得られる。顕微鏡観察について、血液サンプルは、1/10の希釈率で希釈される点に留意されたい。
【0143】
第二例では、光源16はレーザーダイオードであり、例えば670nmに等しい波長λに中心がある放出スペクトルを有し、第一距離D1は実質的に8cmに等しい。サンプルは、厚さ200μmの二つの透明な壁の間に形成された厚さ150μmのチャネル28を含む流体チャンバ14に閉じ込められる。これらの壁は、プラスチック物質、例えば、COP(Cyclo Olefin Polymer,シクロオレフィンポリマー)製である。
【0144】
流体チャンバ14は、マトリクス光検出器20のガラスカバーの上に直接配置され、そのマトリクス光検出器20は、例えばCMOSセンサーであり、1280×1024の画素を含み、各画素が5μm×5μmのサイズを有し、流体チャンバ14が、CMOSセンサーと光源16との間に配置される。第二距離D2は、好ましくは1cmよりも小さく、例えば550μmに等しい。
【0145】
画像取得は、例えば、5msの露光時間で行われ、一回の取得毎に一枚の画像が得られる。画像220A,220B、220C、220Dは、抗体の添加量の増大に対応している。より具体的には、画像220A、220B、220C、220Dは、それぞれ以下の量に対応する:
‐ 実質的にゼロの抗体量;
‐ 閾値濃度C未満の抗体量;
‐ 閾値濃度Cに等しい抗体量;
‐ 閾値濃度の2倍に等しい抗体量。
【0146】
添加された抗体量が閾値濃度Cを超えると、赤血球が凝集し、特性評価システム10を用いたレンズレス撮像によって得られた画像が、凝集体のサイズを反映する。閾値濃度Cの値は、例えば、1μlの希釈されていない血液に対して250ngの抗体に等しく、1.7μMに対応する。
【0147】
赤血球の凝集は、暗色領域(低グレーレベル)によって区切られた拡大明色領域(高グレーレベル)の見た目を生じさせるものとして観測される。比較可能なグレーレベルの数十から数百の画素を含む領域への画像分割効果は、凝集が観測されていない画像220A(
図18)又は220B(
図19)を、凝集が観測されている画像220C(
図20)又は220D(
図21)と比較することによって、観測可能である。画像220A、220B、220C及び220Dにおいて観測可能な粒子の凝集の存在又は不存在は、画像224A(
図26)、224B(
図27)、224C(
図28)、224D(
図29)それぞれに示される顕微鏡観察によって確かめられる。これは、各画像のヒストグラムの発展をもたらし、そのヒストグラムは、画像220Aに対応するヒストグラム222Aから画像220Dに対応するヒストグラム222Dに向かって示されるように、凝集量が増大するにつれて低グレーレベル値に向けて広がる傾向がある。
【0148】
そして、複数の考えられる代替例に従って第二指標Ind2を計算することによって、血液サンプルの凝集状態が定量化される:
‐ 第一代替例に従うと、第二指標Ind2は、試験される関心領域の画素の強度分布の標準偏差に等しく、Ind2
Aと指称される、
‐ 第二代替例に従うと、第二指標Ind2は、特定の閾値未満の画素の数に等しく、その閾値は、例えば、最大グレーレベルを、試験される関心領域内の画素の総数で割った比率であり、この第二代替例に従って計算される第二指標Ind2はInd2
Bと指称される。
図22から
図25の例では、閾値は125に等しい。
【0149】
以下の表1は、これら二つの代替例に係る第二指標Ind2の値を、
図18から
図21に示される各関心領域について示す。
【0151】
第一代替例に係る第二指標Ind2
Aは、例えば40から45の間の閾値未満であり、観測可能な凝集が存在しない。この閾値を超えると、第二指標Ind2
Aの値が大きくなるほど、凝集した粒子の量が多くなる。
【0152】
第二代替例に従って計算される第二指標Ind2
Bは、1×10
−2と5×10
−2との間の閾値を取って、同じ結論に達することを可能にする。
【0153】
生物学的液体12中の粒子の凝集状態を観測、更には定量化することが、特性評価システム10によって、つまりレンズレス撮像によって得られる画像から計算される指標、特に本例の第一及び第二代替例に係る第二指標Ind2
A、Ind2
Bを用いて、可能になることが理解され、その第二指標は、特性評価システム10によって取得される画像220A、220B、220C、220Dの画素の強度分布に依存する。
【0154】
また、特性評価システム10を、体液中の凝集体の検出に基づいた診断試験において用いることもできる。
【0155】
図30から
図45は、第二実施形態の第三例を示し、特性評価される液体12は、生物学的液体、特に血液又は希釈血液であり、特性評価システム10は、生物学的液体12中の粒子の凝集を特性評価することができる。
【0156】
本第三例では、血液サンプル中の赤血球の凝集の検出が示され、可変量のAタンパク質が含まれ、凝集は、所定の量の試薬(抗体)の添加によって引き起こされる。
【0157】
特性評価される液体12は、例えば、PBS(Phosphate BufferedSaline,リン酸緩衝生理食塩水)バッファで1/20に希釈された血液を含み、そのバッファは1体積%のFBS(Fetal Bovine Serum,ウシ胎仔血清)を含む。
【0158】
希釈血液の容積は40μLであり、これに対して、可変量のAタンパク質溶液と共に、抗体(例えば、BD555569との型番でベクトン・ディッキンソン社から販売されているCD235Aと呼ばれる抗赤血球抗体等)が培養される。培養期間は1時間である。
【0159】
従って、複数の所謂抗体‐Aタンパク質溶液が利用可能であり、その抗体‐Aタンパク質モル比は可変である。その溶液は、赤血球の凝集を生じさせ得て、“凝集源溶液”と命名される。各溶液1.2μLを、上述の希釈血液サンプル40μLと共に1.5時間にわたって培養し、各混合物が、特性評価される液体サンプル12を形成する。
【0160】
このようにして得られる各混合物において、抗体モル濃度Sは、上記の第二例で決定された閾値C未満である。つまり、この抗体濃度は、赤血球の自発的な凝集を許容しない。この例では、この濃度Sは、希釈されていない血液1μl当たり抗体100ngであり、つまり、0.7μMである。
【0161】
特性評価される各液体サンプル12について、特性評価システム10を用いて、つまりレンズレス撮像によって、画像取得が行われ、得られた取得画像230A、230B、230C、230D、230Eが
図30から
図34に示されている。画像230A、230B、230C、230D、230Eの各々の画素の強度のグレースケールヒストグラムが計算され、計算されたヒストグラム232A、232B、232C、232D、232Eが
図35から
図39に示されている。特性評価される液体サンプル12の各々の参照画像234A、234B、234C、234D、234Eも、
図40から
図44に示されるように、顕微鏡を用いて得られる。顕微鏡観察について、血液サンプルが1/10の希釈率で希釈される点に留意されたい。
【0162】
本第三例では、光源16はレーザーダイオードであり、670nmに等しい波長λに中心がある放射スペクトルを有し、第一距離D1は、略8cmに等しい。厚さ200μmの二つの透明な壁の間に形成された厚さ150μmのチャネル28を含む流体チャンバ14内に、サンプルが閉じ込められる。これらの壁は、プラスチック物質、例えば、COP(Cyclo Olefin Polymer,シクロオレフィンポリマー)製である。
【0163】
流体チャンバ14は、CMOSセンサー等のマトリクス光検出器20のガラスカバーの上に直接配置される。CMOSセンサーは、例えば、1280×1024画素のマトリクスを有し、各画素は、正方形の形状であり、各辺が5μmであり、流体チャンバ14は、CMOSセンサーと光源16との間に配置される。第二距離D2は、好ましくは1cm未満、例えば550μmに等しい。
【0164】
画像取得は、例えば、5msの露光時間で行われ、一回の取得毎に一枚の画像が得られる。画像230A、230B、230C、230D、230Eは、Aタンパク質の添加量の増大に対応している。より具体的には、画像230A、230B、230C、230D、230Eは、それぞれ以下の量に対応する:
‐ 抗体の不存在、つまり、抗体:Aタンパク質のモル比=0:40(40個のAタンパク質分子に対して0個の抗体分子);
‐ Aタンパク質の不存在、つまり、抗体:Aタンパク質のモル比=1:0(0個のAタンパク質分子に対して1個の抗体分子);
‐ 抗体:Aタンパク質のモル比=1:1(1個のAタンパク質分子に対して1個の抗体分子);
‐ 抗体:Aタンパク質のモル比=1:5(5個のAタンパク質分子に対して1個の抗体分子);
‐ 抗体:Aタンパク質のモル比=1:40(40個のAタンパク質分子に対して1個の抗体分子)。
【0165】
この場合、以下で概説するように、抗体は、Aタンパク質分子と赤血球との間の結合剤として機能する。
【0166】
Aタンパク質が存在するが、抗体が存在しないと、
図30に示されるように、赤血球の凝集は観測されない。抗体が存在するが、Aタンパク質が存在しなくても、
図31に示されるように、赤血球の凝集は観測されない。
【0167】
抗体:Aタンパク質の比が1:1に等しくても、
図32に示されるように、赤血球の凝集は観測されない。
【0168】
抗体:Aタンパク質の比が1:5に等しいと、
図33に示されるように、赤血球の凝集が観測される。抗体:Aタンパク質の比が1:40に等しくても、
図34に示されるように、赤血球の凝集が観測され、
図34に観測される凝集体のサイズは、
図33に観測される凝集体のサイズよりも大きい。
【0170】
赤血球の凝集が、暗色領域(低グレーレベル)によって区切られた明色領域(高グレーレベル)の見た目を生じさせることが見て取れる。凝集が観測されていない画像230A(
図30)又は230B(
図31)又は230C(
図32)を、凝集が観測されている画像230D(
図33)及び230E(
図34)と比較することによって、比較可能なグレーレベルの数十から数百の画素を含む領域への画像分割効果が、観測可能である。
図230A、230B、230C、230D及び230Eにおいて観測可能な粒子の凝集の存在又は不存在は、画像234A(
図40)、234B(
図41)、234C(
図42)、234D(
図43)、234E(
図44)にそれぞれ示される顕微鏡観察によって確かめられる。これは、各画像のヒストグラムの発展をもたらし、そのヒストグラムは、画像230Aに対応するヒストグラム232Aから画像230Eに対応するヒストグラム232Eに向かって示されるように、凝集量が増大するにつれて、低グレーレベル値に向けて広がる傾向がある。そして、複数の想定される代替例に従って第二指標Ind2を計算することによって、血液サンプルの凝集状態が定量化される:
‐ 第一代替例に従うと、第二指標Ind2は、試験される関心領域の画素の強度分布の標準偏差に等しく、Ind2
Aと指称される、
‐ 第二代替例に従うと、第二指標Ind2は、特定の閾値未満の画素の数に等しく、その閾値は、例えば、最大グレーレベルを、試験される関心領域内の画素の総数で割った比率であり、この第二代替例に従って計算される第二指標Ind2はInd2
Bと指称される。
図22から
図25において、閾値は125に等しい。
【0171】
以下の表2は、これら二つの代替例に係る第二指標Ind2の値を、
図30から
図34に示される各関心領域について示す。
【0173】
第一代替例に係る第二指標Ind2
Aが、例えば40から45の間の閾値未満である場合、観測可能な凝集は存在しない。その閾値を超えると、第二指標Ind2
Aの値が大きくなるほど、凝集した粒子の量が増大する。
【0174】
第二代替例に従って計算された第二指標Ind2
Bは、1×10
−2から5×10
−2の間の閾値を用いて、同一の結論に達することを可能にする。
【0175】
従って、特性評価システム10によって、つまりレンズレス撮像によって得られた画像から計算された指標、特に、特性評価システム10によって取得された画像230A、230B、230C、230D、230Eの画素の強度分布に依存する本例の第一及び第二代替例に係る第二指標Ind2
A、Ind2
Bを用いて、生物学的液体12内の粒子の凝集状態を観測、更には定量化することが可能になることが理解される。
【0176】
更に、Aタンパク質の量が多くなるほど、凝集体のサイズが大きくなるが、添加される抗体の量は一定である。従って、凝集状態を定量化する第二指標Ind2
A、Ind2
Bは、血液サンプル中のタンパク質の量を定量化することもできる。
【0177】
抗体‐Aタンパク質のモル比に依存して、赤血球が凝集し、レンズレス撮像によって得られた画像230A、230B、230C、230D、230Eは、凝集体のサイズ、つまり凝集の程度を反映している。そして、所定の量の抗体を血液サンプル中に導入することによって、凝集状態に従って、つまり、上述の第二指標Ind2
A、Ind2
Bに従って、サンプル中に存在するAタンパク質の量を推定することが可能になる。
【0178】
つまり、その量を超えると凝集が観測されるようになるAタンパク質の量は、特性評価される液体サンプル12内に所定の量の抗体を導入することによって、血液サンプル中のタンパク質を分析するための検出限界を構成する。
【0179】
従って、レンズレス撮像によって得られる画像に関する指標、特に、本例の第一及び第二代替例に係る第二指標Ind2
A、Ind2
B(画素の強度分布に依存する)を用いて、体液中の粒子の凝集状態を観測、更には定量化することが可能になることが理解される。この凝集状態は、例えば、生物学的液体中の検体の濃度に依存し、その凝集状態の定量化は、液体中の検体の分析を可能にする。本例は、生物学的液体の粒子(この場合、赤血球302)及び分析される検体(この場合、Aタンパク質304)の両方に対して結合することができる二機能試薬(この場合、抗体300)を血液サンプル中に導入することによって、
図45に示されるように、検体304と赤血球302との間の架橋を形成することで、分析を行うことができる様子を示す。
【0180】
二機能との用語は、粒子及び検体の両方に対して結合する試薬の性能を指称する。
【0181】
一般的に、“検体”との用語は、液体中に存在する化学種や、生物学的種のことを指称し、例えば、分子、巨大分子(例えば、タンパク質、核酸)、細胞、細菌、ウイルス、胞子である。
【0182】
更に、検体304は、二機能試薬と共に少なくとも二つの結合サイトを含まなければならない。従って、各検体304が、二機能試薬を介して、少なくとも二つの粒子と結合することができる。これが、粒子の凝集を生じさせる。
【0183】
つまり、液体12中の粒子の凝集状態は、液体12中に存在する検体の量に依存し、その量を、凝集体の形成を生じさせることができる試薬の添加によって分析することができ、そして、その試薬300は、複数粒子302のうち一つと検体304との間に結合して、凝集体を形成することができる。
【0184】
液体中に存在する検体304の量の関数として、粒子302及び検体304で構成された凝集体が形成される。そして、所定の量で導入された試薬に対応する凝集状態を決定することによって、液体12中に存在する検体304の量を推定することができる。
【0185】
上述の第二実施形態の第二例及び第三例では、第二距離D2は1cm未満である。ここで、本発明者は、凝集の特性評価の場合において、1cmよりも大きな第二距離D2の値、例えば、数センチメートル、更には数十センチメートルの値でも、使用可能な結果を得ることができることを観測してはいるが、1cm未満の第二距離の値がやはり好ましいものである。
【0186】
一般的に、第二例及び第三例は、本発明の他の態様も実証する。この他の態様によると、本発明は、液体(例えば、生物学的液体、特に体液)中の粒子(生体粒子等)の凝集を特性評価するための方法に関し、その特性評価方法は、以下のステップを含む:
‐ 液体を流体チャンバに導入するステップ;
‐ 光ビームを用いて流体チャンバを照らすステップであって、その光ビームが、特にレーザーダイオードや発光ダイオード等の光源からのものである、ステップ;
‐ マトリクス光検出器を用いて、流体チャンバの一枚以上の画像を取得するステップであって、その光検出器が、好ましくは、流体チャンバから1cm未満の距離に配置され、流体チャンバが光源とマトリクス光検出器との間に配置される、ステップ;
‐ 一枚以上の画像を処理して、生物学的液体中の粒子の凝集の特性を示す指標を決定するステップ;及び
‐ 指標の値に応じて、液体中の粒子の凝集を特性評価するステップ。
【0187】
好ましくは、流体チャンバとマトリクス光検出器との間の拡大レンズ無しで、画像が光検出器によって取得される点に留意されたい。しかしながら、上述のように、対物マイクロレンズを、検出器の各画素に設けてもよい。
【0188】
追加的に、任意で、指標は、画像内の画素の強度分布を表す指標であり、より一般的には、画像の分割を複数の異なる領域に変換する他の指標であって、各領域が、数十から数百の比較可能な強度の画素を含み、つまり、強度が、画像の動力学の略半分、三分の一、四分の一、又は四分の一よりも小さいグレーレベルの範囲内に分布する。
【0189】
追加的に、任意で、特性評価方法は、液体中の粒子の凝集を引き起こすことができる試薬の添加を含む。
【0190】
第二実施形態の第三例に例示されるように、粒子の凝集は、例えば、液体中に存在する検体の量に依存する。
【0191】
代替例によると、本発明は、液体(例えば、生物学的液体、特に体液)中の検体の量を検出するための方法に関し、その検出方法は以下のステップを含む:
‐ 液体を流体チャンバ中に導入するステップ;
‐ 光ビームを用いて流体チャンバを照らすステップであって、その光ビームが、特に、レーザーダイオードや発光ダイオード等の光源からのものである、ステップ;
‐ 液体中の粒子及び検体の凝集体の形成を生じさせることができる試薬を添加するステップ;
‐ マトリクス光検出器を用いて流体チャンバの一枚以上の画像を取得するステップであって、その光検出器が、好ましくは、流体チャンバから1cm未満の距離に配置され、流体チャンバが光源とマトリクス光検出器との間に配置される、ステップ;
‐ 一枚以上の画像を処理して、生物学的液体中の粒子の凝集の特性を示す指標を決定するステップ;及び
‐ 指標の値の関数として、液体中の検体の量を推定するステップ。
【0192】
更に他の態様によると、本発明は、血液を含む液体12のパラメータを決定するための方法に関し、本方法は以下のステップを含む:
‐ 液体12を流体チャンバ14に導入するステップ;
‐ 光源16から放出される励起レーザービーム18を用いて、流体チャンバ14を照らすステップであって、そのレーザービーム18が、長手方向Xにおいて流体チャンバ14を通り抜ける、ステップ;
‐ マトリクス光検出器20を用いて、少なくとも一枚の画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)、I(x,y)を取得するステップであって、画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)、I(x,y)が、照らされた流体チャンバ14を透過した放射によって形成される、ステップ;
‐ 少なくとも一枚の画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)、I(x,y)から、指標Ind1
n,n+m、Ind2を決定するステップ。
【0193】
取得ステップ中において、光検出器20は、長手方向Xにおいて流体チャンバ14から1cm未満の距離D2に配置される。
【0194】
補完として、任意で、本決定方法は、以下の特徴のうち一つ以上を、単独で、又は全ての技術的に可能な組み合わせを考慮して、備える:
‐ 光ビーム18が流体チャンバ14を直接照らし、画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)、I(x,y)が、流体チャンバ14と光検出器20との間に配置される拡大レンズ無しで、照らされた流体チャンバ14を透過した放射によって直接形成されること;
‐ パラメータが凝固であり、本方法が、
+ 血液の凝固を促進する試薬と液体12を混合するステップと、
+ 異なる時点n、n+mにおいて一組の透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)を取得するステップと、
+ 指標Ind1
n,n+mを計算して、透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)の二つの領域間の相関を求めるステップとを含み、そして、凝固が、その指標の値の関数として決定されること;
‐ パラメータが凝固時間であり、本方法が、
+ 血液の凝固を促進する試薬と液体12を混合するステップと、
+ 異なる時点n、n+mにおいて一組の透過画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)を取得するステップと、
+ 指標Ind1
n,n+mを計算して、二つの画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)間の相関を求めるステップと、
+ 初期時点t0と、指標Ind1
n,n+mが所定の値を取る時点t2
A、t2
Bとの間の時間間隔(凝固時間と称される)を決定するステップとを含むこと;
‐ パラメータが血液粒子の凝集であり、本方法が、
+ 血液粒子の凝集体を生成することができる試薬と液体12を混合するステップと、
+ 透過画像I(x,y)を取得するステップと、
+ 透過画像I(x,y)の所定の領域内の強度の関数として指標Ind2を計算するステップと、
+ その指標Ind2が所定の閾値を超えた際に凝集状態を決定するステップとを含むこと;
‐ 血液粒子が赤血球であり、試薬が抗体を含み、凝集状態が血液型に関する情報を提供すること。
【0195】
他の独立的な態様によると、本発明は、血液を含む液体12のパラメータを決定するためのシステムにも関し、本決定システムは、
‐ 液体12を受容するように設計された流体チャンバ14と、
‐ 励起レーザービーム18を放出して、流体チャンバ14を照らすことができる光源16(そのレーザービーム18が長手方向Xに延伸する)と、
‐ 照らされた流体チャンバ14を透過した放射の少なくとも一枚の画像I
n(x,y)、I
n+1(x,y)、I(x,y)を取得することができるマトリクス光検出器20と、
‐ 少なくとも一枚の画像I
n(x,y)、I
n+m(x,y)、I(x,y)から、指標Ind1
n,n+m、Ind2を決定するための手段を含む情報処理ユニット21とを備える。
【0196】
光検出器20は、長手方向Xにおいて流体チャンバ14から1cm未満の距離D2に配置される。
【0197】
パラメータは、凝固、凝固時間、又は、血液粒子の凝集である。