(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号処理ユニットは、フィルタリングサブユニット、信号増幅サブユニット、デジタル/アナログ変換サブユニット、アナログ/デジタル変換サブユニットや、変調/復調サブユニットを含む請求項1に記載のインテリジェントコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記分析に基づき、電気器具において主制御モジュールをスレーブモジュールと結合するための簡単な構造を備えるデバイスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、電気器具において少なくとも1つのスレーブモジュールにバスを結合するためのインテリジェントコネクタであって、前記バスと前記スレーブモジュールとの間で信号を伝達し、前記伝達された信号を処理し、前記バスからの制御信号が信号処理ユニットのアドレスと同一のアドレスを有する場合に前記制御信号に応答するための前記信号処理ユニットと、前記バスと前記信号処理ユニットとの間で信号を伝送するために前記バスと前記信号処理ユニットの間に結合される第1のポートであって、供給電力を受け取るために電力線に結合される第1のポートと、前記信号処理ユニットと前記スレーブユニットとの間で信号を伝送するために前記信号処理ユニットと前記スレーブモジュールとの間に結合される第2のポートであって、前記スレーブモジュールに供給電力を提供するように構成される第2のポートとを含むインテリジェントコネクタが提供される。
【0006】
前記インテリジェントコネクタには前記信号処理ユニットが配置されているため、前記インテリジェントコネクタは、前記バスと前記スレーブモジュールの間で信号を伝送し、供給電力を提供することができるだけでなく、前記バスからの前記制御信号に応答して処理することもできる。これにより、前記信号処理ユニットと結合する前記スレーブモジュール、特に、何らかの機械又は器具モジュール(ヒータ、モータ、バルブ等)が、前記電気器具の動作全体の可制御性及び動作効率を向上するように、信号処理性能を有することができる。
【0007】
更に、前記スレーブモジュールは、前記インテリジェントコネクタを介して前記電気器具における前記マスター制御モジュールに結合されることができるので、前記スレーブモジュールは、異なる信号線及び電力線を介して前記マスター制御モジュールに接続する必要がない。これにより、前記電気器具におけるワイヤの本数が効果的に減少する。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記信号処理ユニットは、フィルタリングサブユニットや、信号増幅サブユニットや、デジタル/アナログ変換サブユニットや、アナログ/デジタル変換サブユニットや、変調/復調サブユニットを含む。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記インテリジェントコネクタは、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に結合される電力制御ユニットであって、前記スレーブモジュールに供給される前記電力を制御するために、前記信号処理ユニットの制御下で前記電力線との前記スレーブモジュールの接続を切り替えるために前記信号処理ユニットにも結合される電力制御ユニットを更に含む。
【0010】
先行技術では、スレーブモジュールの供給電力は、スレーブモジュールから遠いマスター制御モジュールによって直接的に制御される。この先行技術と比較して、上述のインテリジェントコネクタの前記電力制御ユニットは前記スレーブモジュールに近接的に位置し、前記スレーブモジュールとの接続は、より単純である。従って、前記電気器具におけるワイヤの本数は、効果的に減少されることができる。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記電力制御ユニットは、リレー又は制御可能なスイッチを含む。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記電力制御ユニットは、前記電力線によって提供される前記供給電力を交流から直流に変換し、前記変換した供給電力を前記スレーブモジュールや前記信号処理ユニットに提供するためのAC‐DC変換器サブユニットを更に含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、前記電力制御ユニットは、前記電力線によって供給される直流電力の供給電圧を変換し、前記変換された供給電圧を前記スレーブモジュールや前記信号処理ユニットに提供するためのDC‐DC変換器サブユニットを更に含む。
【0014】
本発明の一実施形態では、前記バスは、電力線搬送波通信回路である。前記インテリジェントコネクタは、信号の変調や復調のために前記信号処理ユニットに結合される第2のモデムユニットと、前記第2のモデムユニットと前記バスの間で前記変調した信号を伝達するために前記第2のモデムユニットと前記第1のポートとの間に結合される第2の結合ユニットとを更に含む。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記バスは、DC電力線通信バスであり、前記インテリジェントは、信号の変調や復調のために前記信号処理ユニットと前記第1のポートとの間に結合される第2のモデムユニットを更に含む。
【0016】
先行技術とは異なり、上記実施形態に記述される前記インテリジェントコネクタは、前記電力線搬送バス又はDC電力線通信バスを受けるのに適している。このように、データ信号を伝送するために更なるデータ信号線を使用する必要がなく、前記電気器具におけるワイヤの本数は、更に減少されることができる。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記第1のポートは、PSI5バスポートである。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記第1のポートは、RS‐485バスポート又はLINバスポートである。
【0019】
本発明の一実施形態では、前記第2のポートは、直接的に接触又は間接的に接触することによって前記スレーブモジュールに結合される。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記インテリジェントコネクタは、拡張ユニットを前記信号処理ユニットに結合するための拡張インターフェースを更に含む。
【0021】
本発明の他の一態様によれば、電気器具においてマスター制御モジュールとバスとを結合するためのバスコントローラが更に提供される。前記バスコントローラは、前記バスと前記マスター制御モジュールとの間で信号を伝達するための制御ユニットを含む。前記制御ユニットは、前記マスター制御モジュールからの制御信号に宛先アドレスを追加するように構成され、前記宛先アドレスは、前記制御信号に対応する前記バスに結合されるインテリジェントコネクタのアドレスを示す。
【0022】
前記バスコントローラを使用することにより、前記マスター制御モジュールは、前記バスを介して前記スレーブモジュールと相互作用し、前記スレーブモジュールの動作を制御することができる。このように、前記マスター制御モジュールは、各スレーブモジュールと接続するための個別のインターフェースを有する必要がない。従って、前記電気器具におけるワイヤの本数は、更に減少されることができ、従って、前記制御回路モジュールは、複雑さが低下する。
【0023】
本発明の一実施形態では、前記バスコントローラは、信号の変調や復調のための第1のモデムユニットと、前記第1のモデムユニットと前記バスとの間で前記変調した信号を伝達するために前記第1のモデムユニットに結合される第1の結合ユニットとを更に含む。
【0024】
本発明の一実施形態では、前記バスは、複数のバス分岐部を含む。前記第1の結合ユニットは、複数の結合サブユニットを更に含む。各結合サブユニットは、前記複数のバス分岐部の一つに夫々結合し、前記バスコントローラは、複数のデータ信号チャネルを有する多重化ユニットを更に含む。前記多重化ユニットは、前記第1のモデムユニットと前記制御ユニットとの間で信号を伝達するために前記複数のデータ信号チャネルからデータ信号チャネルを選択するように構成される。
【0025】
前記バスコントローラは、前記データ信号チャネルを切り替えるための多重化ユニットを有するので、前記バスコントローラは、モデムユニットを有するだけでよく、このモデムユニットは、前記結合ユニットにおける複数の結合サブユニットによって共有される。
【0026】
本発明の一実施形態では、各結合サブユニットは一次コイルと二次コイルとを含み、各二次コイルは、結合キャパシタを介してバス分岐部に夫々結合する。
【0027】
本発明の一実施形態では、前記第1の結合ユニットは一次コイルを含み、各結合サブユニットは二次コイルを含み、前記複数の結合サブユニットは前記一次コイルを共有し、各二次コイルは結合キャパシタを介してバス分岐部に夫々結合される。
【0028】
本発明の一実施形態では、前記バスコントローラは、RS‐485バスインターフェース、LINバスインターフェース、又はPSI5バスインターフェースを介して前記バスに結合する。
【0029】
本発明の上記特徴及びその他の特徴は、以下の実施形態を参照して更に詳細に記述される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の好適な実施形態の詳細な記述において、本発明の添付の図面の幾つかが参照される。以下、本発明の具体的な実施形態を、一例として且つ添付の図面を参照して示す。本発明の例示的な実施形態は、全ての考え得る実施形態を示すものではない。尚、本発明は、その他の実施形態を有してもよいし、本発明の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的に修正されてもよい。従って、以下の詳細な記述は制限的なものとみなされるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲において定義される。
【0033】
図1は、バスコントローラ110とインテリジェントコネクタ120とを含む制御回路100を示す。制御回路100は、マスター制御モジュール130とスレーブモジュール140との間で信号通信又は交換を実現するように電気器具(図示せず)においてマスター制御モジュール130を少なくとも1つのスレーブモジュール140に結合するために、電気器具内に設置される。
【0034】
幾つかの例において、電気器具は、例えば、家電製品、産業機器、又は数値制御(NC)工作機械等でもよい。電気器具において、マスター制御モジュール130とは、スレーブモジュール140の動作を制御するためのモジュールを指す。ユーザ入力又はアプリケーションプログラムが発生する命令に基づき、マスター制御モジュール130は、スレーブモジュール140の動作を制御するための制御信号を発生する。スレーブモジュール140としては、マイクロコントローラユニット、マイクロプロセッサ、又はその他の適切な電子デバイスが挙げられる。スレーブモジュール140とは、制御回路100を介してマスター制御モジュール130に結合される電子モジュール又は電気機械モジュールを指す。幾つかの例では、スレーブモジュール140の動作は、ヒータ、ラジエータ、アクチュエータ等のマスター制御モジュール130によって提供される制御信号によって制御される。他の例では、センサ等のスレーブモジュール140は、フィードバック信号を発生することもできる。一般に、スレーブモジュール140の動作は、負荷された供給電力によって維持されることができ、その動作状態は、異なる供給電力(例えば異なる供給電力、電流又は電圧)によって変わり得る。
【0035】
尚、
図1に示すスレーブモジュール140の数は一例であり、当業者であれば、電気器具におけるスレーブモジュール140の数は3つに限られず、実際のアプリケーションにおいて、1つ、2つ又は4つ以上とすることができることが分かる。更に、実際のアプリケーションにおいて、1つのインテリジェントコネクタ120を2つ以上のスレーブモジュール140に対応させることもできる。
【0036】
図1に示すように、制御回路100は、バス構造を採用しており、データ信号を伝送するためにインテリジェントコネクタ120をバスコントローラ110に結合するためのバス150が存在する。例えば、マスター制御モジュール130からの制御信号は、バス150を介してインテリジェントコネクタ120に伝送されることができ、更に、インテリジェントコネクタ120を介して、対応するスレーブモジュール140に提供されることができ、或いは、スレーブモジュール140からのフィードバック信号は、バス150を介してバスコントローラ110に伝送されることができ、更に、バスコントローラ110を介してマスター制御モジュール130に提供されることができる。
【0037】
実際のアプリケーションにおいて、インテリジェントコネクタ120は、電力線160からの供給電力(電源からの供給電力等)を受けるために電力線160にも結合され、その電力をスレーブモジュール140に提供する。
図1に示す実施形態では、電力線160は、バス150を介してインテリジェントコネクタ120に案内される。すなわち、バス150は、信号を伝送するための信号バス151と、電力を供給するための電力バス152とを含む。電力バス152は、バスコントローラ110を介して電力線160に間接的に結合するか、電気器具上の電力線160に直接的に結合することによって、供給電力を得ることができる。実際のアプリケーションにおいて、電力バス152と電力線160との接続は、
図1に示すように、上述の2つの結合方法のいずれか、又はこれら2つの方法の両方によって行われることができる。幾つかのその他の実施形態では、電力線160は、バス150を使用せずに、インテリジェントコネクタ120に直接的に結合されることができ、電力は、インテリジェントコネクタ120を介して、対応するスレーブモジュール140に提供されることができる。
【0038】
図2及び
図3は、夫々、バスコントローラ110及びインテリジェントコネクタ120の一例を示す。次に、
図1乃至
図3を組み合わせて、バスコントローラ110とインテリジェントコネクタ120を、更に詳細に記述する。
【0039】
図1及び
図2に示すように、バスコントローラ110は、バス150をマスター制御モジュール130と結合するために構成されており、バスコントローラ110は、
バス150とマスター制御モジュール130との間で信号を伝達するための制御ユニット111を含み、制御ユニット111は、マスター制御モジュール130からの制御信号に宛先アドレスを加えるように構成されており、宛先アドレスは、制御信号に対応するバス150に結合されるインテリジェントコネクタ120のアドレスを示す。
【0040】
制御信号に宛先アドレスを用いることにより、バスコントローラ110からバス150への制御信号は、対応するインテリジェントコネクタ120によって認識されることができ、これにより、インテリジェントコネクタ120は、インテリジェントコネクタ120が結合するスレーブモジュール140の対応するアクションを制御することができる。当然のことながら、制御ユニット111は、マスター制御モジュール130からバス150へ他の信号を供給することもできる。
【0041】
更に、バスコントローラ110は、制御ユニット111とバス150との間で信号タイミング、信号レベル、信号フォーマット等の信号伝送を一致させるように構成されるインターフェースユニット112を更に含む。幾つかの例では、バスコントローラ110は、RS‐485バスインターフェース又はLIN(ローカル相互接続ネットワーク)バスインターフェースを介してバス151,152に結合されることができ、バスコントローラ110は、対応するバスプロトコル仕様に従って信号を伝送する。当然のことながら、バスコントローラ110は、その他の適当なバスインターフェース及び対応するバスプロトコル仕様を用いて、バス151,152と信号を伝達することもできる。
【0042】
当然のことながら、実際のアプリケーションにおいて、バスコントローラ110は、単一のハードウェアモジュールとすることができ、マスター制御モジュール130に結合されることができる。この実施方法は、互換性が良く、マスター制御モジュール130がシームレスに組み込まれることができる。或いは、バスコントローラ110は、ファームウェア又はソフトウェア形式でマスター制御モジュール130に組み込まれることができる。かかる実施によるハードウェアは、比較的低コストであり、マスター制御モジュール130においてソフトウェア又はファームウェアコードを更新するだけで実現することができる。
【0043】
図1及び
図3に示すように、インテリジェントコネクタ120は、バス150と少なくとも1つのスレーブモジュール140を結合するように構成されており、インテリジェントコネクタ120は、
バス150とスレーブモジュール140との間で信号を伝達するため及び伝達信号を処理するため、及び、上記制御信号を受け取ると、バス150からの対応するアドレスを備える制御信号に応答するための信号処理ユニット121と、
バス150と信号処理ユニット121との間で信号を伝送するためのバス150と信号処理ユニット121の間に結合される第1のポート122であって、供給電力を受けるために電力線160にも結合される第1のポート122と、
信号処理ユニット121とスレーブモジュール140との間で信号を伝送するために信号処理ユニット121とスレーブモジュール140との間に結合される第2のポート123であって、スレーブモジュール140に供給電力を提供する第2のポートとを含む。
【0044】
特に、バス150に結合される異なるインテリジェントコネクタ120は、互いに異なるアドレスを有するので、これらのインテリジェントコネクタ120は互いに識別されることができ、バスコントローラ110によって認識されることができる。制御回路100が取り付けられる電気器具において、マスター制御モジュール130がスレーブモジュール140を制御する場合、バスコントローラ110は、まず、マスター制御モジュール130によって提供される制御信号を受信する。次に、バスコントローラ110は、データパケットとして制御信号を圧縮し、制御信号に宛先アドレスを追加する。その後、バスコントローラ110は、圧縮された制御信号をバス150に送信し、バス150を介してバス150に結合される各インテリジェントコネクタ120に制御信号を分配する。圧縮された制御信号及び宛先アドレスを受信すると、各インテリジェントコネクタ120における信号処理ユニット121は、自身の固有のアドレスに宛先アドレス対応するか否かを確認して決定し、宛先アドレスがインテリジェントコネクタ120のアドレスと一致する場合は、信号処理ユニット121は、データパケットを解凍し、制御信号を得るが、宛先アドレスが信号処理ユニット121のアドレスと一致しない場合は、データパケットは廃棄される。次に、信号処理ユニット121は、獲得した制御信号に応答し、制御信号内の異なる制御命令に従って動作する。
【0045】
幾つかの例では、信号処理ユニット121は、フィルタリングサブユニット、信号増幅サブユニット、D/A変換器サブユニット、A/D変換器サブユニットや変調/復調サブユニットを含むことができる。これらのサブユニットは、インテリジェントコネクタ120と通信される信号に対して、対応する信号処理を行うことができる。
【0046】
信号処理ユニット121がインテリジェントコネクタ120に配置されているため、インテリジェントコネクタ120は、バス150とスレーブモジュール140との間で信号を伝送し、供給電力を提供することができ、バス150からの制御信号に応答して処理することもできることが分かる。これにより、特に何らかの機械や器具のモジュール(ヒータ、モータ、バルブ等)に接続されるスレーブモジュール140は、信号処理能力を有することができ、これにより、電気器具の動作全体の可制御性及び効率が向上する。
【0047】
上記したように、実際のアプリケーションにおいて、バスコントローラ110における制御ユニット111は、バス150とマスター制御モジュール130との間で信号を伝達するために使用される。従って、インテリジェントコネクタ120における信号処理ユニット121は、バス150とスレーブモジュール140との間で信号を伝達するように配置される。このように、バス150と、バスコントローラ110と、インテリジェントコネクタ120とを用いることにより、マスター制御モジュール130とスレーブモジュール140との間で双方向の通信が行われることができる。
【0048】
例えば、スレーブモジュール140は、検出信号を発生することができるモジュールであるセンサである。検出されたデータは、電気器具の動作状態を反映することができる。例えば、スレーブモジュール140は、電気器具内の温度変化を検出し、その温度変化に応じてフィードバック信号を発生する温度センサである。他の例では、スレーブモジュール140の動作状態は、電気器具の動作状態の変化に従って変化する。例えば、スレーブモジュールはラジエータ(ファン等)であり、ラジエータの放熱効率は、電気器具の局所温度又は全体的な温度の変化と共に変化する。幾つかの他の例では、フィードバック信号は、マスター制御モジュール130が発する制御信号へのスレーブモジュール140による応答でもよい。このように、この状況下では、インテリジェントコネクタ120は、スレーブモジュール140からのフィードバック信号を受信することができる。フィードバック信号は、電気器具の動作状態を反映する検出データ、又はスレーブモジュール140からのその他の信号を含有する。このように、インテリジェントコネクタ120は、フィードバック信号をカプセル化する。任意ではあるが、インテリジェントコネクタ120は、これらのフィードバック信号を伝送するように構成されるスレーブモジュール140に命令するためにフィードバック信号にアドレスを追加してもよい。次に、スレーブモジュール140は、バス150を介してバスコントローラ110にフィードバック信号を伝送する。その後、バスコントローラ110は、カプセル化したフィードバック信号を復号し、フィードバック信号をマスター制御モジュール130に提供する。このようにして、マスター制御モジュール130は、電気器具における各スレーブモジュール140の動作状態を決定し、更に、これらのスレーブモジュール140の管理及び制御を一元化する。
【0049】
図1に示す例では、バス150は、信号バス151と電力バス152とを含む。従って、インテリジェントコネクタ120の第1のポート122は、信号タイミング、信号レベル、信号フォーマット等の信号伝送をこれら2つのバス151,152と一致させるように、バス151,152を接続するのに適している。幾つかの例では、インテリジェントコネクタ120の第1のポート122は、対応するバスプロトコル仕様に従って信号を伝送するRS−485バスインターフェース又はLINバスインターフェースである。従って、バスコントローラ110は、RS−485バスインターフェース又はLINバスインターフェースによってバス150に結合されることもできる。当然のことながら、インテリジェントコネクタ120とバスコントローラ110は、その他の適当なバスインターフェース及び対応するバスプロトコル仕様を用いてバス151,152との間で信号を伝達することができる。
【0050】
他の一態様では、インテリジェントコネクタ120をスレーブモジュール140と結合するために、第2のポート123が配置される。この第2のポート123は、直接的に接触することによってすなわち直接的な接触を必要とする導電性のリード線又は導電性のコンタクト片等を介して信号及び供給電力を伝送することによって、スレーブモジュール140に結合することができる。或いは、第2のポート123は、接触せずにすなわち電磁界、光波、超音波、又はその他の媒体を介する信号及び供給電力を伝送することにより、スレーブモジュール140に結合されてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、インテリジェントコネクタ120は、拡張サブユニットを接続するように構成される1つ以上の拡張インターフェースも含む。拡張インターフェースは、入力デバイス、表示デバイス等のデバイス、又はインテリジェントコネクタ120に結合するのに適したその他の拡張サブユニットを支持する。UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter),I
2C(Inter−Integrated Circuit),SPI(Serial Peripheral Interface)等の拡張インターフェース又はその他のインターフェースを使用してもよい。
【0052】
図3に示す例では、インテリジェントコネクタ120の第1のポート122は、電力線160によって提供される供給電力を受けるために、バス150によって電力線160に結合される。また、第1のポート122及び第2のポート123は、受け取った供給電力を、第2のポート123によってスレーブモジュール140に供給されることができるように、直接的に電気的に接触している。
【0053】
図4は、
図1に示すインテリジェントコネクタ120の他の例を示す。
図4に示す例では、インテリジェントコネクタ120は、供給電力を制御するための電源制御ユニット124も含む。
【0054】
図4に示すように、電源制御ユニット124は、第1のポート122と第2のポート123との間に結合され、スレーブモジュール140に供給される電力を制御するためにスレーブモジュール140と電力線160の接続を切り替えるよう信号処理ユニット121に更に結合される。
【0055】
具体的には、インテリジェントコネクタ120は、制御可能なスイッチやリレー等の回路制御部材を含む。制御可能なスイッチ又はリレーは、電力線160からスレーブモジュール140への電気経路に配置され、回路制御部材の状態に基づいてスレーブモジュール140に供給される電力を変化させるように構成される。
【0056】
一例では、電力線160によって提供される供給電力は交流である。従って、電源制御ユニット124は、電力線160によって提供される供給電力を交流(AC)から直流(DC)に変換するためのAC−DC変換サブユニットを更に含み、変換した供給電力の全てをスレーブモジュール140や信号処理ユニット121に提供する。その他の例では、電力線160によって提供される供給電力は直流(DC)である。電源制御ユニット124は、電力線160によって提供される直流の供給電圧を変換するためのDC−AC変換サブユニットを更に含み、変換された電圧を全てスレーブモジュール140や信号処理ユニット121に提供する。
【0057】
先行技術では、スレーブモジュールの供給電力は、スレーブモジュールから離れたマスター制御モジュールによって直接的に制御される。先行技術と比較すると、本実施形態におけるインテリジェントコネクタ120における電源制御ユニット124は、スレーブモジュール140に近接し、スレーブモジュール140との接続が比較的複雑ではないため、これにより、電気器具におけるワイヤの本数が効果的に減少する。
【0058】
図5は、制御回路200の本発明の他の実施形態が、バスコントローラ210とインテリジェントコネクタ220とを含むことを示す。
【0059】
図5に示す制御回路200では、バス250は、電力線を介して信号を伝送する回路である。例えば、バス250は、電力線搬送波通信回路又はDC電力線通信バスである。この場合、
図1に示す信号バス151と電力バス152を統合して単一の回路にしている。制御回路200は、データ信号を伝送するための更なる信号回路を有する必要がないので、電気器具におけるワイヤの本数を効果的に減少している。加えて、制御回路200は、マスター制御モジュール230とスレーブモジュール240との間でのデータ信号と供給電力を送るために単一の回路を利用しているため、マスター制御モジュール230は、各スレーブモジュール240と接続するための複数の個別のインターフェースを有する必要がない。これにより、更にワイヤの本数が減少され、制御回路モジュール200の複雑さが軽減される。
【0060】
バス250からのデータ信号を収集するために、バス250に結合されるバスコントローラ210及びインテリジェントコネクタ220は、信号を変調したり復調したりするように構成されるユニットに統合されなければならない。この変調/復調(モデム)ユニットは、データ信号と供給電力を同一のバス250を介して伝送することが可能なように、マスター制御モジュール230によって提供される信号やスレーブモジュール240によって提供される信号を、電力線伝送のために動作可能な形式に変換することができる。
【0061】
図6及び
図7は夫々、
図5に示すバスコントローラ210とインテリジェントコネクタ220の一例を示し、バスコントローラ210とインテリジェントコネクタ220は、バス250がDC電力線通信バスである場合、すなわちバス250によって伝送される供給電力が直流であり、信号が直流に変調される場合に適応している。
【0062】
図6に示すように、バスコントローラ210は、制御ユニット211と第1のモデムユニット212とを含み、第1のモデムユニット212は、信号を変調したり復調したりするため、すなわちマスター制御モジュール230からの制御信号やバスからのフィードバック信号を変調したり復調したりするために制御ユニット211とバス250との間に結合される。第1のモデムユニット212により、信号と供給電力の両方が、同一のバス250を介して伝送されることができる。幾つかの例では、バスコントローラ210は、PSI5(Peripheral Sensor Interface 5)を介してバス250に結合されることができる。
【0063】
図7に示すように、インテリジェントコネクタ220は、信号処理ユニット221と、第1のポート222と、第2のポート223と、第2のモデムユニット224とを含み、信号処理ユニット221と第1のポート222との間に結合される第2のモデムユニット224は、信号を変調したり復調したりするために、すなわちバス250からの制御信号やスレーブモジュール240からのフィードバック信号を変調したり復調したりするように構成される。幾つかの例では、第1のポート222は、PSI5バスインターフェースである。
【0064】
図8及び
図9は夫々、
図5に示すバスコントローラ210とインテリジェントコネクタの他の例を示す。バスコントローラ210とインテリジェントコネクタは、電力線搬送波通信線であるバス250に適応しており、すなわちバス250によって伝送される供給電力は交流であり、信号は交流(AC)に変調される。
【0065】
図8に示すように、バスコントローラ210は、制御ユニット211と、第1のモデムユニット212と、第1の結合ユニット213とを含み、第1のモデムユニット212と第1の結合ユニット213は、制御ユニット211とバス250の間で直列に接続される。第1のモデムユニット212は、信号を変調したり復調したりするように構成される。第1の結合ユニット213は、第1のモデムユニット212とバス250との間での変調された信号の通信のために第1のモデムユニット212と結合される。
【0066】
図9に示すように、インテリジェントコネクタ220は、信号処理ユニット221と、第1のポート222と、第2のポート223と、第2のモデムユニット224と、第2の結合ユニット225とを含み、第2のモデムユニット224は、信号の変調や復調のために信号処理ユニット221に結合される。第2の結合ユニット225は、第2のモデムユニット224とバス250との間での変調された信号の通信のために第2のモデムユニット224と第1のポート222との間に結合される。
【0067】
図6乃至
図9に示す第1のモデムユニット212と第2のモデムユニット224は、直交周波数分割多重等の搬送波変調技術を用いることによって信号の変調や復調を行う。当然のことながら、幾つかの例では、スレーブモジュール240は、マスター制御モジュール230に信号をフィードバックしなくてもよい。従って、第1のモデムユニット212は、制御信号を変調するための変調器を含み、第2のモデムユニット224は、変調された制御信号を復調するための復調器を含む。他の例では、スレーブモジュール240は、マスター制御モジュール230に信号をフィードバックしてもよい。従って、第2のモデムユニット212は、フィードバック信号を変調するための変調器を更に含み、第1のモデムユニット224は、変調されたフィードバック信号を復調するための復調器を更に含んでもよい。
【0068】
図8及び
図9では、第1の結合ユニット213及び第2の結合ユニット225とのバス250の信号結合は、容量性結合回路又は誘導性結合回路構造によって得ることができる。
図10は、第1の結合ユニット213と第2の結合ユニット225の一例を示す。
【0069】
図10に示すように、結合ユニットは、変圧器261及び結合キャパシタ262を介してバス250に結合される。変圧器261は、バス250上で振幅が大きい電圧を結合ユニットの他の部分から絶縁してもよい。結合キャパシタ262と変圧器261の二次コイルは、バス250からACの周波数(50又は60Hz)の干渉をフィルタリングして除去するための高域フィルタを形成する。変圧器261の二次コイルは、第1の演算増幅器263の入力に結合され、演算増幅器263の他方の入力は、基準インダクタンス264に結合される。バス250から信号が受信されると、演算増幅器263は、その2つの入力間の信号差を増幅し、その信号差を、対応するモデムユニットに出力する。
【0070】
他の態様では、結合ユニットは、第2の演算増幅器265を更に含み、この演算増幅器265の入力が、変調された制御信号を受信し、この演算増幅器265の出力は、変圧器261を介してバス250に制御信号を提供するように結合キャパシタ269を介して変圧器261の一次コイルに結合される。この例では、第2の演算増幅器265の出力は、更に、クランピングダイオード266,267と直列に結合される。クランピングダイオード266,267は、サージ保護を行うように、すなわち第2の演算増幅器265が、瞬時の高電圧パルスによって損傷することから保護するように構成される。クランピングダイオード266の一端は、シャントキャパシタ268を介して基準電位に結合される。
【0071】
尚、
図10に示す結合ユニットは、第1の結合ユニット213と第2の結合ユニット225のための例示的な回路構造を示しているに過ぎない。実際のアプリケーションにおいて、第1の結合ユニット213と第2の結合ユニット225は、モデムユニットをバスに結合するために異なる実施形態に係る他の回路構造を有することができる。
【0072】
幾つかの電気器具では、異なるスレーブモジュールは、異なる大きさの電圧による供給電力を必要とする場合がある。例えば、センサ等のより低い定格動作電力のモジュールが必要とする電力の電圧は、ラジエータ又はヒータ等のより高い定格動作電力のモジュールが必要とする電力の電圧よりもはるかに小さい。この場合、バス250は、複数のバス分岐部を含み、各バス分岐部は、異なる大きさの電圧を有する電力を供給する。これらのバス分岐部は夫々、異なるインテリジェントコネクタ220及び同一のバスコントローラ210に結合されることができる。
【0073】
制御回路200における各インテリジェントコネクタ220は、更に、スレーブモジュール240とバス分岐部との間に結合される。このように、インテリジェントコネクタ220は、
図10に示すインテリジェントコネクタの構造を利用することができる。しかしながら、バスコントローラ210は、複数のバス分岐部と結合される必要があるため、その構造は、
図9に示すバスコントローラの構造とは異なることになる。
【0074】
図11は、
図5に示すバスコントローラの他の例を示す。
【0075】
図11に示すように、バスコントローラは、制御ユニット211と、第1のモデムユニット212と、第1の結合ユニット213とを含み、第1の結合ユニット213は、複数の結合サブユニット214を含む。各結合サブユニット214は、バス分岐部に結合され、バス分岐部を介してバス分岐部に結合されるインテリジェントコネクタと通信し、当該インテリジェントコネクタに電力を供給するようになっている。
【0076】
更に、バスコントローラは、複数のデータ信号チャネルを有する多重化ユニット215を更に含む。多重化ユニット215は、第1のモデムユニット212と制御ユニット211との間で信号を伝達するために複数のデータ信号チャネルの一つを選択するために制御ユニット211と第1のモデムユニット212との間に結合されることにより、異なるバス分岐部に結合されるスレーブモジュールとマスター制御モジュールとの間の通信を促進する。実際のアプリケーションにおいて、多重化ユニット215は、データ信号チャネルを切り替えるためにマスター制御モジュールから選択信号を受け取る。
【0077】
データ信号チャネルを切り替えるために多重化ユニット215が配置されているので、バスコントローラには、モデムユニット212は1つだけあればよい。このモデムユニット212は、第1の結合ユニット213における複数の結合サブユニット214によって共有される。これによりバスコントローラにおけるモデムユニットの使用が減少されることができ、従ってハードウェアのコストが減少される。
【0078】
一例では、第1の結合ユニット213における各結合サブユニット214は、一次コイルと二次コイルを含む。結合サブユニットの各二次コイルは、結合キャパシタを介してバス分岐部に夫々結合される。他の例では、第1の結合ユニット213が二次コイルを含み、各結合サブユニット214が二次コイルを含み、複数の結合サブユニット214が一次コイルを共有し、各二次コイルが、結合キャパシタを介してバス分岐部に夫々結合される。かかる結合ユニットは、コイルの使用を更に減少し、従って、ハードウェアのコストを更に減少する。
【0079】
本発明は、図面及び上記の記述を参照してかなり詳細に記述されているが、かかる図面や記述は、記述的且つ例示的なものであり、限定することを意図したものではない。本発明は、上述の実施形態に限定されない。
【0080】
本明細書、詳細な記述、図面、及び添付の請求項を検討することにより、当業者であれば、本発明のその他の実施形態を直ぐに理解し、実施することができる。請求項において、「を含む」という表現は、その他の要素及びステップを排除するものではなく、「1つの」という表現は、複数の可能性を排除するものではない。本発明の実際のアプリケーションにおいて、1つの要素は、請求項におけるいくつかの技術的機能部の機能を実行することができる。請求項における任意の図面の参照符号は、本発明の範囲に対する制限と解釈されるべきではない。