特許第6226985号(P6226985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6226985オプトエレクトロニクス半導体部品、および半導体ボディ上へのミラー領域の作製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226985
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス半導体部品、および半導体ボディ上へのミラー領域の作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/10 20100101AFI20171030BHJP
【FI】
   H01L33/10
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-525834(P2015-525834)
(86)(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公表番号】特表2015-528641(P2015-528641A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】EP2013066230
(87)【国際公開番号】WO2014023648
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年4月9日
(31)【優先権主張番号】102012107384.8
(32)【優先日】2012年8月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】プフォイファー アレクサンダー エフ.
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−260245(JP,A)
【文献】 特開2004−071655(JP,A)
【文献】 特開2010−251383(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0246047(US,A1)
【文献】 特開2008−041866(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/067075(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ボディ(2)と、少なくとも部分的に前記半導体ボディの主面(23)に隣接しているミラー領域(3)とを備えているオプトエレクトロニクス半導体部品(1)であって、
前記ミラー領域が、互いに隔てられており前記主面に隣接している、第1の材料組成の複数のドメインと、第2の材料組成の連続的なミラー層(32)と、を有し、
前記ミラー層が、前記ドメインの間において少なくとも部分的に前記主面に隣接しており、
前記主面に沿った方向における前記ドメインの最大寸法が、少なくとも幾つかのドメインでは最大で20nmであり、
前記ミラー領域における前記ミラー層が、少なくとも50%の表面占有密度で前記主面に隣接し、
前記ドメインは、前記主面にランダムに形成され、
前記ドメインの大きさおよび局所的な占有密度は変化し、
前記ミラー領域が、ドメイン領域(41)およびドメイン非存在領域(42)を有する微細構造化部(4)を前記主面に沿って有する、
オプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項2】
前記第1の材料組成が、白金族金属の金属を含んでいる、
請求項1に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項3】
前記第1の材料組成が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、およびオスミウムからなる群の金属のうちの少なくとも1種類を含んでいる、
請求項1または請求項2に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項4】
前記ミラー領域における前記ミラー層が、少なくとも80%の表面占有密度で前記主面に隣接している、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項5】
前記ドメイン領域および前記ドメイン非存在領域が、少なくとも部分的に周期的なパターンにおいて交互に配置されている、
請求項1〜4の何れか1項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項6】
− 前記ミラー領域が、連続的な第1の部分領域(45)と連続的な第2の部分領域(46)とを、前記主面に沿って有し、
− 前記第1の部分領域および前記第2の部分領域それぞれが、前記ミラー領域の少なくとも20%を構成しており、
− 前記第1の部分領域における前記ドメイン非存在領域の表面占有密度が、前記第2の部分領域における前記ドメイン非存在領域の表面占有密度よりも少なくとも20%大きい、
請求項1〜5の何れか1項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項7】
前記半導体ボディの表面中心(25)が、前記半導体部品の平面視において前記第1の部分領域内に位置している、
請求項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項8】
− 前記主面に隣接する前記半導体ボディの材料が、p導電型にドープされた窒化物半導体材料系である、
請求項1に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項9】
− 前記第1の材料組成が、ロジウム、イリジウム、およびオスミウムからなる群の金属のうちの少なくとも1種類を含んでおり
− 前記ミラー層が銀を含んでいる、
請求項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品。
【請求項10】
半導体ボディ(2)の主面(23)の上にミラー領域(3)を作製する方法であって、
a) 第1の材料組成のドメイン(31)が前記主面の上に形成されるように、前記第1の材料組成を、最大で5nmの厚さで、前記主面の上に堆積させるステップと、
b) 連続的なミラー層(32)を形成する目的で、第2の材料組成を前記主面の上に堆積させるステップであって、前記ミラー層(32)が、前記ドメインの間において少なくとも部分的に前記主面に隣接するテップと、
を含んでおり、
前記ミラー領域における前記ミラー層が、少なくとも50%の表面占有密度で前記主面に隣接し、
前記ドメインの大きさおよび局所的な占有密度が変化するように前記ドメインはランダムに形成され、
前記主面に沿った前記ドメインの最大寸法を全ての前記ドメインで平均した平均範囲が減少するように、ステップb)の前に、前記第1の材料組成に熱処理ステップが行われ
前記第1の材料組成が、マスクされていない領域のみにおいて前記主面の上に堆積されるように、ステップa)の前に、前記主面が部分的にマスク(8)によって覆われ、ステップb)の前に前記マスクが除去される、方法。
【請求項11】
請求項1から請求項のいずれかに記載のオプトエレクトロニクス半導体部品が製造される、
請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、半導体ボディおよびミラー領域を備えたオプトエレクトロニクス半導体部品と、半導体ボディの上にミラー領域を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば発光ダイオードなどの放射放出半導体部品は、半導体ボディにおいて生成される放射を反射する目的で設けられるミラー層を備えていることができる。しかしながら、可視スペクトル領域における比較的高い反射率を特徴とする材料(例えば銀など)は、半導体材料への接着性が低いことがしばしばある。この結果として、このようなミラー層が剥離することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1つの目的は、高い反射率とともにミラー層の高い信頼性での接着を得ることのできる半導体部品を開示することである。さらなる目的は、このようなミラー層を作製することのできる方法を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、独立特許請求項によるオプトエレクトロニクス半導体部品によってと、独立特許請求項による方法によって達成される。従属特許請求項は、構造形態および発展形態に関する。
【0005】
一実施形態によると、オプトエレクトロニクス半導体部品は、半導体ボディおよびミラー領域を備えている。ミラー領域は、少なくとも部分的に半導体ボディの主面に隣接している。ミラー領域は、第1の材料組成の複数のドメイン(domain)であって、互いに隔てられており主面に隣接している、複数のドメインと、第2の材料組成の連続的なミラー層と、を有する。ミラー層は、ドメインの間において少なくとも部分的に主面に隣接している。
【0006】
第1の材料組成のドメインによって、半導体ボディへのミラー層の接着を改善することができる。したがって、ドメインは、接着促進体としての役割を果たす。したがって、領域全体にわたり半導体ボディに直接堆積されたときには比較的低い接着性しか示さない材料も、ミラー層に使用することができる。
【0007】
連続的なミラー層とは、特に、ミラー層がドメインの間において主面に隣接しているミラー層の少なくとも一部の領域が、互いに連続的に結合されていることを意味するものと理解されたい。言い換えれば、これらの領域の間には、領域が互いに導電接続されるミラー層内の経路が存在する。しかしながら、連続的なミラー層は半導体ボディの主面を完全に覆っている必要はなく、例えば部分的に省くことができる。
【0008】
材料組成という用語は、ドメインもしくはミラー層またはその両方それぞれが2種類以上の材料を含んでいることを必ずしも意味しない。そうではなく、ドメインもしくはミラー層またはその両方それぞれは、1種類のみの材料からなることができる。しかしながら、ドメインもしくはミラー層またはその両方が、2種類以上の材料を含んでいることもできる。一例として、2種類の材料を、例えば金属合金の形で互いに混合することができ、または、2種類の材料を層状に互いに重ねて具体化することができる。
【0009】
第1の材料組成と第2の材料組成は、互いに異なる。主面に隣接するドメインの材料は、半導体ボディへの高い接着性に基づいて選択し、ミラー層は、受け取る放射または放出される放射に対する高い反射率に基づいて選択することが好ましい。
【0010】
半導体積層体は、例えば、放射を生成する目的で、または放射を受け取る目的で設けられている活性領域を有することができる。ミラー層は、動作時に活性領域によって検出される放射、または活性領域によって放出される放射に対して高い反射率、特に、少なくとも70%の反射率を有することが好ましい。可視スペクトル領域および紫外スペクトル領域において、例えば銀は、高い反射率を特徴とする。
【0011】
好ましい一構造形態においては、第1の材料組成は、白金を含んでいない。白金は、半導体材料への良好な接着特性を特徴とするが、白金は、反射率が比較的低く、さらには導電率が比較的低い。しかしながら、原理的には、白金も第1の材料組成に適している。ドメインが表面の一部のみを占有している結果として、全領域が白金層である場合と比較して反射率を高めることができる。
【0012】
さらなる好ましい構造形態においては、第1の材料組成は、白金族金属(PGM)からの金属、好ましくは白金を除く白金族金属からの金属の少なくとも1種類を含んでいる。白金族金属は、白金以外には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、およびオスミウムを含んでいる。これらの材料は、半導体材料への高い接着性を特徴とすることが判明した。ロジウムは、可視スペクトル領域および紫外スペクトル領域における65%以上の高い反射率のため、特に適している。
【0013】
好ましい一構造形態においては、ミラー領域におけるミラー層は、少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも80%の表面占有密度で主面に隣接している。ミラー領域におけるミラー層の表面占有密度が大きいほど、ミラー領域全体にわたり平均した反射率が、ミラー層の反射率に近づく。
【0014】
ミラー領域全体において、すべての位置においてドメインの材料またはミラー層の材料のいずれかが主面に直接隣接していることが好ましい。したがって、ミラー層の表面占有密度が高ければドメインの表面占有密度が低くなり、逆も同様である。
【0015】
さらには、ミラー領域におけるミラー層の表面占有密度は、最大で95%、特に好ましくは最大で90%である。言い換えれば、ドメインの表面占有密度は、少なくとも5%、特に好ましくは少なくとも10%である。こうして、主面へのミラー層の高い信頼性の接着性が確保される。
【0016】
さらなる好ましい構造形態においては、横方向における(すなわち主面に沿っての)ドメインは、少なくとも部分的に、最大で100nm、特に好ましくは最大で20nmの最大範囲(maximum extent)を有する。ドメインの少なくとも50%の最大範囲は、1nm〜20nmの範囲内(両端値を含む)であることが好ましい。ドメインが、上記の範囲内の範囲(extent)を有する結果として、良好な接着性と高い反射率とを特に良好に両立させることができることが判明した。
【0017】
ドメインは、ミラー領域全体にわたり主面に沿って分布させることができる。これに代えて、ミラー領域が、ドメイン領域とドメイン非存在領域とを含む微細構造化部を、主面に沿って有することができる。すなわち、ドメインは、ドメイン領域のみに形成されている。これに対して、ドメイン非存在領域にはドメインが存在しない。すなわち、ミラー層は、ミラー領域のドメイン非存在領域において、特に、ミラー領域のドメイン非存在領域のすべての位置において、主面に隣接している。
【0018】
ドメイン領域の平均最大横方向範囲は、ドメインの平均最大範囲よりも少なくとも10倍大きいことが好ましい。したがって、ドメイン領域内に多数のドメインを形成することができる。
【0019】
ドメイン領域とドメイン非存在領域は、少なくとも部分的に、周期的なパターンにおいて交互に配置することができる。特に、ミラー領域全体が、周期的なパターンを有する微細構造化部を有することができる。したがって、ドメイン領域は、ミラー領域全体にわたり均一に分布している。
【0020】
これに代えて、ミラー領域は、特に連続的な第1の部分領域と、特に連続的な第2の部分領域とを、主面に沿って有することができる。第1の部分領域および第2の部分領域それぞれは、ミラー領域の少なくとも20%を構成していることが好ましい。第1の部分領域におけるドメイン非存在領域の表面占有密度は、第2の部分領域におけるドメイン非存在領域の表面占有密度よりも少なくとも20%大きい。特に、第1の部分領域は、ドメイン領域がまったく存在しないようにすることができる。
【0021】
半導体ボディの表面中心(surface centroid)は、半導体部品の平面視において第1の部分領域内に位置させることができる。言い換えれば、半導体ボディの主面の中央領域には、主面の縁部領域と比較してドメイン領域の数が少ない、またはドメイン領域がまったく存在しない。第1の部分領域において、ミラー領域は特に高い反射率を特徴とすることができる。
【0022】
主面に隣接している半導体ボディの材料は、III−V族化合物半導体材料系であることが好ましい。特に、この半導体材料は、窒化物化合物半導体材料系、例えばp導電型にドープされた窒化物半導体材料系とすることができる。窒化物化合物半導体材料は、V族元素としての窒素を含む半導体材料と考えられる。特に、この半導体材料は、AlInGa1−x−y(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)を含んでいることができる。
【0023】
p導電型にドープされた窒化物半導体材料の場合、ドメインが、白金族金属のチタン以外の金属、特に、ロジウム、イリジウム、オスミウムを含んでおり、ミラー層が銀を含んでいる構造が、特に適していることが判明した。
【0024】
一実施形態による、半導体ボディの主面の上にミラー領域を作製する方法においては、第1の材料組成のドメインが主面の上に形成されるように、第1の材料組成を、好ましくは最大で5nmの厚さで、特に好ましくは最大で1nmの厚さで、主面の上に堆積させる。その後、第2の材料組成を主面の上に堆積させて連続的なミラー層を形成し、ミラー層は、ドメインの間において少なくとも部分的に主面に隣接する。
【0025】
好ましい一形態においては、ミラー層を堆積させる前に、主面に沿ったドメインの平均範囲が減少するように、第1の材料組成に熱処理ステップを行う。
【0026】
熱処理ステップは、好ましくは50℃〜500℃の範囲内(両端値を含む)の温度、特に好ましくは50℃〜300℃の範囲内(両端値を含む)の温度において行う。
【0027】
熱処理ステップの持続時間は、好ましくは10分〜5時間の範囲内(両端値を含む)、特に好ましくは1時間〜2時間の範囲内(両端値を含む)である。
【0028】
構造上の1つのバリエーションにおいては、第1の材料組成を堆積させる前に、主面を部分的にマスクによって覆い、したがって第1の材料組成は、マスクされていない領域のみにおいて主面の上に堆積する。第2の材料組成を堆積させる前にマスクを除去することが好ましく、したがって、ミラー層がドメインの上に連続的に形成され、前にマスクによって覆われていた領域において少なくとも部分的に主面に隣接する。
【0029】
説明した方法は、前述した半導体部品を製造するのに特に適している。したがって、半導体部品に関連して説明した特徴は、本方法にもあてはまり、逆も同様である。
【0030】
さらなる特徴、構造形態、および利点は、図面を参照しながらの例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】半導体部品の例示的な一実施形態を概略断面図として示している。
図1B】半導体部品の例示的な一実施形態の部分領域の拡大図を示している。
図1C】半導体部品の例示的な一実施形態の部分領域を平面図として概略的に示している。
図2】さらなる例示的な実施形態による、ミラー領域の一部分を概略断面図として示している。
図3A】ミラー領域のさらなる例示的な実施形態を概略平面図として示している。
図3B】ミラー領域のさらなる例示的な実施形態を概略平面図として示している。
図4A】ミラー領域を作製する方法の例示的な一実施形態を断面図として概略的に示した中間ステップに基づいて示している。
図4B】ミラー領域を作製する方法の例示的な一実施形態を断面図として概略的に示した中間ステップに基づいて示している。
図4C】ミラー領域を作製する方法の例示的な一実施形態を断面図として概略的に示した中間ステップに基づいて示している。
図4D】ミラー領域を作製する方法の例示的な一実施形態を断面図として概略的に示した中間ステップに基づいて示している。
図5】さまざまな材料の、波長λの関数としての反射率Rの図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
同じ要素、同じタイプの要素、または同じ機能の要素には、図面において同じ参照数字を付してある。
【0033】
図面と、図面に示した要素の互いのサイズの関係は、正しい縮尺ではないものとみなされたい。むしろ、図を見やすくする、または本発明を深く理解できるようにする目的で、個々の要素および特に層の厚さを誇張した大きさで示してあることがある。
【0034】
図1Aは、半導体部品1の例示的な一実施形態を示している。この半導体部品は、半導体ボディを形成する半導体積層体2を有する半導体ボディを備えている。半導体積層体は、放射を生成する、または放射を受け取る目的で設けられている活性領域20を備えており、この活性領域は、第1の導電型の第1の半導体層21と第2の導電型の第2の半導体層22との間に配置されている。一例として、第1の半導体層をp導電型に具体化し、第2の半導体層をn導電型に具体化する、またはこの逆に具体化することができる。
【0035】
半導体部品1は、特に半導体チップの形における、例えばルミネセンスダイオード(例えば発光ダイオード)として、または放射受光器(例えばフォトダイオードまたはフォトトランジスタ)として、具体化することができる。
【0036】
縦方向には、すなわち半導体ボディ2の半導体積層体の半導体層の主延在面に垂直に延びる方向には、半導体ボディは、主面23とさらなる主面24との間に延在している。主面23の上にミラー領域3が配置されている。ミラー領域は、主面に直接隣接している。
【0037】
半導体積層体2を有する半導体ボディは、結合層6によってキャリア5に固定されている。
【0038】
本半導体部品の動作時、さらなる主面24の上の第1のコンタクト71と、半導体ボディ2とは反対側のキャリア5の面に配置されている第2のコンタクト72とを介して、活性領域20に両側から電荷キャリアを注入することができ、電荷キャリアは活性領域20において再結合して放射を放出することができる。放射受光器の場合、互いに反対の方向からコンタクトを介して電荷キャリアを運び去ることができる。半導体ボディ2との電気的接触は、ミラー領域3を通じて形成することができる。
【0039】
図示した例示的な実施形態においては、半導体ボディ2の半導体積層体のための成長基板が除去されている。このような半導体チップは、薄膜半導体チップとも称される。キャリア5が、半導体積層体を機械的に安定化させる役割を果たしているため、この目的のために成長基板はもはや必要ない。
【0040】
説明した例示的な実施形態の変形形態においては、ミラー領域3は半導体ボディ2の主面全体を覆っている必要はない。
【0041】
さらには、以下に説明するミラー領域3は、原理的には、動作時に受け取る放射または放出される放射が反射されるように意図されているあらゆるタイプの半導体部品に適している。一例として、半導体ボディ2は、主面23から第1の半導体層21および活性領域20を貫いて第2の半導体層の中まで達して第2の半導体層22との電気的接触を形成する目的で設けられる1つまたは複数の切取り部を有することもできる。この場合、さらなる主面24の上の電気コンタクトを省くことができる。
【0042】
さらには、本半導体部品を例えばフリップチップとして具体化することもでき、この場合、電気的接触は成長基板によって形成されるキャリアを通じて形成されるのではなく、キャリアとは反対側の半導体ボディの面における2つのコンタクトを通じて形成される。したがって、この場合、ミラー領域3が第1のコンタクト71の一部または第2のコンタクト72の一部を形成することができる。
【0043】
図1Bは、図1Aに示したミラー領域の一部分9を断面図として概略的に示している。ミラー領域3は、第1の材料組成のドメイン31と第2の材料組成のミラー層32とを有する。ドメインの間の領域において、ミラー層32は主面31に隣接している。ドメイン31は、少なくとも部分的に、互いに連続的ではなく、したがって、これらのドメイン31は、特に、横方向における電流輸送を目的に設けられていない。
【0044】
好ましくは、ミラー領域3におけるミラー層32は、少なくとも50%の表面占有密度で、特に好ましくは少なくとも80%の表面占有密度で、主面23に隣接している。
【0045】
横方向における(すなわち主面に沿っての)ドメイン31の範囲は、少なくともいくつかのドメインにおいて、好ましくは最大で100nm、特に好ましくは最大で20nmである。主面に垂直に延びる縦方向においては、ドメインの厚さは、好ましくは最大で20nm、特に好ましくは最大で10nmである。
【0046】
主面23に隣接している半導体材料がp導電型にドープされた窒化物半導体材料系である場合、ドメイン31にはロジウムが特に適しており、ミラー層32には銀が特に適していることが判明した。しかしながら、これに代えて、またはこれに加えて、ドメインは、別の材料、例えばイリジウムやオスミウム、あるいは白金族金属の別の金属を含んでいることもできる。
【0047】
これに代えて、またはこれに加えて、ミラー層も、別の材料、例えばアルミニウムやニッケル、パラジウム、またはこれらの材料の少なくとも1種類を含む金属合金を含んでいることができる。
【0048】
ミラー領域3全体において、ドメインまたはミラー層のいずれかが、すべての位置において主面23に直接隣接している。図1Cは、ドメイン31と連続的なミラー層32とを有するミラー領域3を平面図として概略的に示している。
【0049】
半導体ボディ2(特に、活性領域20)も、別の半導体材料、例えばヒ化物化合物半導体材料(例:AlInGa1−x−yAs)またはリン化物化合物半導体材料(例:AlInGa1−x−yP)(いずれの場合も0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)を含んでいることができる。
【0050】
図2は、ミラー領域3のさらなる例示的な実施形態を示している。図1Bを参照しながら説明した例示的な実施形態とは異なり、ドメイン31それぞれが第1の層311および第2の層312を有する。この場合、第2の層が、殻状に第1の層を囲んでいる。2種類の材料によるドメインの層状構造の代わりに、2種類の材料を合金の形で一緒に堆積させることもできる。
【0051】
ドメイン31は、ミラー領域3全体にわたり主面23に沿って分布させることができる。こうして、接着促進体としてのドメインによるミラー層の良好な接着が、領域全体にわたり確保される。
【0052】
これに代えて、図3Aおよび図3Bに示したように、ドメインを部分的にのみ存在させることもできる。
【0053】
図3Aに平面図として示した例示的な実施形態の場合、ミラー領域3は、ドメイン領域41およびドメイン非存在領域42を有する微細構造化部4を、主面23に沿って有する。図示した例示的な実施形態においては、ドメイン領域およびドメイン非存在領域は、周期的に交互に並んだ格子縞状に形成されている。しかしながら、構造化のパターンは、幅広い範囲内で自由に選択することができる。一例として、ドメイン領域41は、円、楕円、または少なくとも一部分が曲線である基本形状を有する、あるいは多角形、特に四角形(例えば長方形や正方形)の基本形状を有することができる。
【0054】
微細構造化部のドメイン領域41の横方向範囲は、好ましくは少なくとも10μm、特に好ましくは少なくとも50μmである。各ドメイン領域41に、多数のドメイン、好ましくは少なくとも100個のドメインを形成することができる。
【0055】
ドメイン31それぞれは、ドメイン領域41にのみ形成されている。ドメイン領域41内では、ドメインの間においてミラー層32が主面23に隣接している。これに対して、ドメイン非存在領域42においては、ミラー領域3のすべての位置においてミラー層32が主面23に隣接している。主面23におけるミラー層の表面占有密度を、微細構造化部4によってより大幅に高めることができる。したがって、ミラー領域3全体にわたり平均した反射率が高まる。
【0056】
微細構造化部4は、図3Aに示したように、ミラー領域3全体にわたり均一に形成することができる。特に、図示した例示的な実施形態における微細構造化部4は、半導体積層体から作製される半導体部品の幾何学形状とはまったく独立して形成することができる。したがって、微細構造化部は、個片化の結果として半導体部品が作製されるウェハ全体にわたり均一に形成することができる。
【0057】
これに代えて、図3Bに示したように、微細構造化部は、異なる微細構造化を有する相互に異なる部分領域を有することができる。
【0058】
一例として、微細構造化部は、第1の連続的な部分領域45を有することができ、この領域45にはドメイン領域41が存在しない、または少なくとも、第2の部分領域46におけるよりもドメイン領域による占有密度が低い。
【0059】
図示した例示的な実施形態においては、第1の部分領域45は、半導体部品1の平面視において中央に配置されており、したがって半導体部品の領域中心25が第1の部分領域内に位置している。したがって、中央に位置する中央領域においては、ミラー領域3は、ミラー層の反射率のみによって決まる特に高い反射率を有することができる。第2の部分領域46は、この例示的な実施形態においては、第1の部分領域の周囲に枠状に延在している。このようにすることで、半導体部品1の縁部に沿ったミラー領域が、高い密度のドメイン領域を有することができる。主面23からミラー層32が剥離する危険性は、必ず縁部において起こることが判明している。相異なる部分領域の結果として、ミラー領域3の高い平均反射率と良好な接着性とを特に効果的に組み合わせることができる。
【0060】
説明した例示的な実施形態の変形形態においては、必ずしも第1の部分領域45にドメイン領域41がまったく存在しないようにする必要はない。しかしながら、第1の部分領域におけるドメイン非存在領域の表面占有密度は、第2の部分領域におけるドメイン非存在領域の表面占有密度よりも少なくとも20%大きいことが好ましい。
【0061】
この場合、第1の部分領域45および第2の部分領域46それぞれは、これらの部分領域がミラー領域3の少なくとも20%を構成するような大きさである。
【0062】
図4A図4Dは、ミラー領域を作製する方法の例示的な一実施形態を、それぞれ断面図として示した中間ステップに基づいて概略的に示しており、図3Aおよび図3Bを参照しながら説明したように微細構造化部を有するミラー領域を作製する方法について説明する。
【0063】
微細構造化部4を作製する目的で、図4Aに示したように、半導体ボディ2の主面23の上にマスク8を配置する。マスク8は、例えば主面の上に配置する、または主面の上の構造化されたフォトレジスト層の形で具体化することができる。
【0064】
図4Bに示したように、第1の材料組成の堆積時、ドメイン31は、主面23のうちマスクされていない領域にのみ形成される。ドメインはランダムに形成され、したがって、ドメインの大きさおよび局所的な占有密度は変化する。
【0065】
第1の材料組成を堆積させた後、ドメインを形成する目的で、熱処理ステップを行うことができる。熱処理ステップは、真空下で、または保護ガス雰囲気下で、行うことができる。熱処理ステップは、例えば、50℃〜500℃の範囲内(両端値を含む)の温度、特に50℃〜300℃の範囲内(両端値を含む)の温度において、例えば1〜2時間の持続時間にわたり行うことができる。
【0066】
図4Bにおいては、ドメインの範囲を誇張した大きさで示してある。第1の材料組成の層厚さは、好ましくは最大で10nm、特に好ましくは5nm、最も好ましくは最大で1nmである。
【0067】
ミラー層を堆積させる前に、図4Cに示したようにマスク8を除去し、したがって、ミラー層を連続的に、特に、ミラー領域において領域全体にわたり形成することができる(図4D)。
【0068】
ドメインを形成するための材料の堆積とミラー層の堆積は、蒸着法によって行うことが好ましい。これに代えて、PVD(物理的気相成長)法(例えばスパッタリング)を採用することもできる。
【0069】
図5は、銀(曲線91)、白金(曲線92)、ロジウム(曲線93)、およびイリジウム(曲線94)の場合の、波長に依存する金属の反射率を示している。このグラフの取得元はhttp://webmineral.com/AtoZ/である。このグラフが示すように、紫外スペクトル領域および可視スペクトル領域においては、上記の金属のうち、銀が最高の反射率を有する。さらに、ロジウムおよびイリジウムは、白金よりも高い反射率を特徴とし、したがって、白金よりも適している。しかしながら、接着促進体としてのドメインの材料として白金を使用した場合でも、領域全体が白金層である場合と比較して、ミラー領域3の平均反射率は高まる。
【0070】
したがって、銀から構成されるミラー層とともに、ロジウム、イリジウム、または白金族金属の別の金属から構成されるドメインを有するミラー領域3の説明した構造形態では、ミラー領域3の特に高い反射率と同時に、ミラー層の良好な接着性を得ることが可能になる。
【0071】
ここまで、本発明について例示的な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はこれらの例示的な実施形態に限定されない。本発明は、任意の新規の特徴および特徴の任意の組合せを包含している。これらの特徴または特徴の組合せは、それ自体が特許請求項あるいは例示的な実施形態に明示的に記載されていない場合であっても、本発明に含まれる。
【0072】
関連出願
本特許出願は、独国特許出願第102012107384.8号の優先権を主張し、この文書の開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5