特許第6226987号(P6226987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226987
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】車速制御システム
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/02 20060101AFI20171030BHJP
   B60W 30/14 20060101ALI20171030BHJP
   B60K 31/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   F02D29/02 311A
   B60W30/14
   B60K31/00 Z
【請求項の数】21
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-526989(P2015-526989)
(86)(22)【出願日】2013年8月15日
(65)【公表番号】特表2015-526637(P2015-526637A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】EP2013067076
(87)【国際公開番号】WO2014027061
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2015年4月13日
(31)【優先権主張番号】1214651.0
(32)【優先日】2012年8月16日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1304312.0
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513208973
【氏名又は名称】ジャガー・ランド・ローバー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JAGUAR LAND ROVER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・フェアグリーブ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ウーリスコフト
【審査官】 藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−136929(JP,A)
【文献】 特開2003−329123(JP,A)
【文献】 特開2004−026151(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/026611(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0084237(US,A1)
【文献】 実開平01−067133(JP,U)
【文献】 特開昭61−188235(JP,A)
【文献】 特公平07−023070(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D29/00−29/06
B60W10/00−10/30
B60W30/00−50/16
B60K31/00−31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、
車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、
を含み、
システムが、目標速度を実現するために車を加速させる必要時に車輪スリップ事象を検出すると車のそれ以降の加速を一時的に中断させるように作動
前記システムが、前記車のそれ以降の加速の一時的中断が解除されるとスリップ事象が検出された時点における加速度に制限された加速度での加速を自動再開させるよう構成される車速制御システム。
【請求項2】
所定の1つ又は1つ以上の条件が合致すると車の加速を自動再開させるよう構成される
請求項1に記載の車速制御システム。
【請求項3】
所定の1つ又は1つ以上の条件が、スリップ事象が終息したこと、車が、1つ又は1つ
以上の先行輪の関与するスリップ事象の終息から所定距離あるいは所定時間長移動したこ
との中から選択される請求項1に記載の車速制御システム。
【請求項4】
所定の1つ又は1つ以上の条件が、車が、1つ又は1つ以上の先行輪の関与するスリップ事象の終息から所定距離移動したことを含み、所定距離が、車の先行輪及び追従輪の間の距離に相当し、あるいは、車が、1つ又は1つ以上の先行輪の関与するスリップ事象の終息から所定時間長移動したことを含み、所定時間長が、車の追従輪が、1つ又は1つ以上の先行輪が関与するスリップ事象が終息した位置に到達するのに要する時間に相当する請求項3に記載の車速制御システム。
【請求項5】
それ以降の加速が一時的に中断されると実質的に一定速度を維持するように構成される
請求項1〜4の何れかに記載の車速制御システム。
【請求項6】
実質的に一定速度が、スリップ事象検出時の車の走行速度に相当する請求項5に記載の車速制御システム。
【請求項7】
車速を目標速度に維持する手段を含み、前記車速を目標速度に維持する手段が、
走行する車の現在速度を判定する手段、
現在速度と目標速度とを比較してその差を表す出力を提供する手段、
出力に基づいて車の少なくとも1つの車輪への付加トルクを評価する手段、
を含む、請求項1〜6の何れかに記載の車速制御システム。
【請求項8】
車の少なくとも2つの車輪へのトルク付加を実質的に同時にコマンドするように作動する請求項7に記載の車速制御システム。
【請求項9】
車の少なくとも4つの車輪へのトルク付加を実質的に同時にコマンドするように作動する請求項8に記載の車速制御システム。
【請求項10】
現在速度が所定閾値速度以上であると判定すると、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段の作動を防止する手段を含む請求項に記載の車速制御システム。
【請求項11】
所定閾値速度が25〜35km/hの間のものである請求項10に記載の車速制御システム。
【請求項12】
所定閾値速度が実質的に30km/hである請求項11に記載の車速制御システム。
【請求項13】
所定閾値速度が第1の低速側閾値速度であり、車速制御システムが、
車の現在速度を第2の高速側閾値速度と比較し、現在速度が第2の高速側閾値速度未満であるときは車速制御システムを、車速制御が一時的に中断される状態に保持し、車の現在速度が第1の低速側閾値速度以下に低下した場合においてのみ車速制御を開始させる手段を更に含む請求項10〜12の何れかに記載の車速制御システム。
【請求項14】
第2の高速側閾値速度がそれ以上の速度では車速制御がキャンセルされる速度に相当し、車速が第2の高速側閾値速度以下に実質的に低下するとシステムは車速制御が一時的に中断される状態を取らない請求項13に記載の車速制御システム。
【請求項15】
車速を所定閾値速度以上に維持するように作動するクルーズコントロールシステムを含む請求項10〜14の何れかに記載の車速制御システム。
【請求項16】
クルーズコントロールシステムが、スリップ検出出力信号を受けるとシステムの作動を中断する手段を含む請求項15に記載の車速制御システム。
【請求項17】
車を走行させる地形特性を検出する手段、
目標速度が、車を走行させる地形特性に対して適切であるかを判定する手段、
目標速度が適切であると判定されたときにおいてのみ、複数の車輪の少なくとも1つへのトルク付加をコマンドすることにより目標速度を維持する手段、
を含む、請求項1〜16の何れかに記載の車速制御システム。
【請求項18】
複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加する手段、
車の動作時において1つ又は1つ以上の車輪の何れかと、車の走行する路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象検出時はスリップ検出出力信号を提供する手段、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、
目標速度を実現するべく車を加速させる必要時にシステムがスリップ事象を検出すると、システムが、スリップ事象がもはや検出されなくなるまで車のそれ以降の加速を一時的に中断させる手段、
を含み、
前記システムが、スリップ事象がもはや検出されなくなるとスリップ事象が検出された時点における加速度に制限された加速度での加速を自動再開させるよう構成される車速制御システム。
【請求項19】
複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、を含み、目標速度を実現するべく車を加速させる必要時にシステムがスリップ事象を検出すると、システムがそれ以降の加速の中断を解除するまで、スリップ事象検出時の車の走行時の車速に実質的に等しい値に車速を一時的に維持するように作動し、前記それ以降の加速の中断が解除されると、スリップ事象が検出された時点における加速度に制限された加速度での加速を自動再開させるよう作動する車速制御システム。
【請求項20】
請求項1〜19の何れかに記載の車制御システムを含む車。
【請求項21】
複数の車輪を有する車の速度を制御する方法であって、
複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加するステップ、
車の動作時に1つ又は1つ以上の車輪の何れかと、車が走行する路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象検出時にはスリップ検出出力信号を提供するステップ、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受けるステップ、
車を目標速度に加速させるステップ、
車輪のスリップ事象を検出すると、車のそれ以降の加速を一時的に中断させるステップ、及び、
スリップ事象がもはや検出されなくなるとスリップ事象が検出された時点における加速度に制限された加速度での加速を自動再開させるステップ、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車の速度を制御するシステムに関する。詳しくは本発明は、これに限定しないが、色々に異なる極限的地形及び状況で運転可能な陸上車の速度を制御するシステムに関する。本発明の各様相はシステム、方法、及び車である。
部分継続の英国特許出願番号第GB1214651.0はここで参照することにより本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0002】
既知の車速制御システムは、代表的にはクルーズコントロールシステムと参照され、ユーザーが一度設定した車速は、その後のユーザーの介入を要することなく路上で維持され、かくして作業量が減少して運転上のユーザーエクスペリエンスが向上する。
【0003】
ユーザーは車が維持すべき速度を選択し、車は、ユーザーがブレーキ又は、あるシステムではクラッチを踏まない限りその速度に維持される。クルーズコントロールシステムはドライブシャフト又はホイールの速度センサからその速度信号を得る。ブレーキ又はクラッチを踏むとクルーズコントロールシステムが無効化され、ユーザーはシステムからの抵抗を受けずに車速を変更できる。ユーザーがアクセルペダルを踏むと車速は上がるが、アクセルペダルから足を離すと車はプリセットされた巡航速度に戻る。
【0004】
より高度なクルーズコントロールシステムがエンジンマネジメントシステム内に一体化され、先行車までの距離をレーダー利用システムで考慮するアダプティブファンクションを含み得る。例えば車に、ユーザー入力を要さずに安全な追従速度及び距離が自動維持されるよう、先行車の速度及び距離を検出する前方監視レーダー検出システムを設け得る。レーダー検出システムが先行車の減速あるいは他の物標を検出すると、システムはエンジン又は制動システムにそれに応じて車速を減速させる信号を送信する。
【0005】
それらシステムは通常は特定速度、代表的には15〜20mph(約24.1〜32.1km/h)程度の速度以上においてのみ作動し、車が定常交通状況、特に高速道路あるいは自動車専用道路を移動する状況では理想的なものである。しかしながら、車速が大きく変化しがちな混雑した交通状況ではクルーズコントロールシステムは役に立たず、特に、最低速度条件のせいで作動不能である。最低速度条件は、例えば駐車時の低速衝突の恐れを低下させるよう、クルーズコントロールシステムに課せられることがある。従って、それらシステムはある種の運転状況(例えば低速時)では有用ではないため、ユーザーがそれを望まない状況では自動的に無効化されるよう設定される。
【0006】
既知のクルーズコントロールシステムは、トラクションコントロールシステム(TCS)あるいは安定性コントロールシステム(SCS)の介入を要する車輪スリップ事象が検出された場合にもキャンセルされる。従って、既知のクルーズコントロールシステムは、そうした事象が比較的一般的なオフロード状況走行時に車の進行を維持するには不向きである。
【0007】
1つ又は1つ以上の車サブシステムを制御する自動車用の制御システムを提供することも既知である。ここに参照することにより本明細書の一部とする米国特許第7349776号には、エンジン管理システム、トランスミッションコントローラ、ステアリングホイールコントローラ、ブレーキコントローラ、サスペンションコントローラを含む複数のサブシステムコントローラを含む車制御システムが記載される。各サブシステムは複数のサブシステムファンクションモードで作動する。サブシステムコントローラは車モードコントローラに連結され、この車モードコントローラが、車の多数の運転モードを提供する要求ファンクションモードを呈するようにサブシステムコントローラを制御する。各運転モードは特定運転状況あるいは一組の運転状況に相当し、各サブシステムは各モードでそれらの状況に最適なファンクションモードに設定される。それらの状況は、車が走行するであろう草/砂利/雪、泥及び轍、岩道クロール、砂等の、そして高速道路モードとして既知の“特殊プログラムオフ”(SPO)モード等の既知の地形タイプにリンクされている。車モードコントローラは地形応答(TR)(RTM)システム又はコントローラとして参照され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】GB1214651.0
【特許文献2】US7349776
【特許文献3】GB1111288.5
【特許文献4】GB1211910.3
【特許文献5】GB1202427.9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既存システムの問題を解消する車速制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は付随する請求の範囲を参照して理解され得る。
本発明の様相によれば、システム、車及び方法が提供される。
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、を含み、システムが、車を加速して目標速度を実現させる必要時及び車輪スリップ事象検出時に車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作動する構成を有する車速制御システムが提供される。かくして、ユーザーが設定した目標速度へのそれ以降の車速増加が防止される。
【0011】
本発明の他の様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、を含み、システムが、車を加速して目標速度を実現させる必要時及び車輪スリップ事象検出時に、車輪のスリップ事象検出時における走行速度に実質的に等しい車速に一時的に維持させるよう作動する構成を有する車速制御システムが提供される。かくして、ユーザーが設定した目標速度へのそれ以降の車速増加が防止される。
システムは、目標速度に達すると、1つ又は1つ以上の車輪のスリップが所定値を越えていることを表すスリップ検出出力信号とは無関係に車をこの目標速度に維持するよう作動自在であり得る。
【0012】
クルーズコントロールシステムとしても知られるような既存の車速制御システムのオフロード使用を不適合化する特徴は、それらシステムでは車が1つ又は1つ以上の車輪のスリップ事象を検出すると速度制御がキャンセルされることである。既存のシステムはアンチロック制動システム(ABS)、トラクション制御システムあるいは安定制御システムあるいはその他の作動時にもキャンセルされる。既存のクルーズコントロールシステムの取る手法は高速道路上をドライブする上では全く適切であろうが、これらの“オンハイウェイ”型のクルーズコントロールシステムは、運転速度が代表的にはずっと遅く、しかも地形特性変化により頻繁にスリップ事象を生じる大抵のオフロード走行状況時に用いるには信頼性に乏しく且つ全く不適切なものである。
言い換えれば、車輪スリップが珍しくない悪い且つ滑り易い状況でのオフロード走行時はオンハイウェイ型のクルーズコントロールシステムは機能しない。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の一つの利益は、車が走行している場合はユーザーによるペダル入力を要すること無く、車を進行させる極めて低速の目標速度を選択可能とする速度ベースの制御が提供されることであり、更には、車のスリップ制御機構の作動時にも制御が無効化されないことである。詳しくは、これにより車輪が比較的頻繁にスリップし得る滑り易いあるいは凍結地形等であるが、しかも車を低速走行させることが尚、所望される運転状況での車速制御が可能となる。
【0014】
本発明の他の利益は、ユーザーが車速調節に集中しなくて済むためにルートプランニングや障害物回避等の交通的局面に注意を向け易くなることである。この点は、車の走行地形が、ユーザーが更に注意を集中する必要のある、例えば、オフロード地形(砂、岩、砂利等の)、あるいは氷又は雪、あるいは車による深水通過等の走行困難なものである場合は特に有益である。
【0015】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
複数の車輪の少なくとも一つにトルクを付加する手段、
車の動作時に車輪の1つ又は1つ以上のいずれかと、車が走行する地形上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、
を含み、システムが、車を目標速度を実現させるべく加速するよう要求され、次いで車輪のスリップ事象を検出すると、車の加速を一時的に中断させるように構成される車速制御システムが提供される。
【0016】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
複数の車輪の少なくとも一つにトルクを付加する手段、
車の動作時に車輪の1つ又は1つ以上のいずれかと、車が走行する地形上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、
を含み、システムが、車を目標速度を実現させるべく加速するよう要求され、次いで車輪のスリップ事象を検出すると、車を、スリップ事象検出時の車速と実質的に等しい車速に一時的に維持させるように構成される車速制御システムが提供される。
【0017】
この特徴は、車が走行する路面の傷みを低減させ得る利益がある。これは、制御システムが、路面が少なくとも一時的に車の所望の加速度を支持し得ないと認識するからである。制御システムはこれに応答して、目標速度への車の走行速度加速を中断させ、スリップ事象を最初に検出した時点の速度と実質的に等しい速度に走行速度を維持する。
車輪スリップ事象とは、1つ又は1つ以上の車輪のスリップ量が所定値を越える場合を意味するものとする。
有益には本システムは、所定の1つ又は1つ以上の条件に適合すると車の加速を自動再開させる構成を有し得る。
所定の1つ又は1つ以上の条件は、スリップ事象の終息、車が、1つ又は1つ以上の車輪に関与するスリップ事象終息時点からの所定距離あるいは所定時間長走行、及び、1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息時点からの車の所定距離あるいは所定時間長移動、の中から選択したものであり得る。
【0018】
先行輪とは、車の走行方向に関して追従輪より前方の車輪を意味するものとする。
有益には、所定の1つ又は1つ以上の条件には、車の1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息時点からの所定距離にして、車の先行輪と追従輪との間の距離に相当する所定距離(この距離に実質的に等しい距離、あるいはその1.5倍、2倍、あるいはその他好適な値における倍数値等の)の移動、あるいは、1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息時点からの所定時間長にして、1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息地点に追従輪が到達するに要する時間長に相当する所定時間長の移動を含み得る。所定時間長は、車が先行輪と追従輪との間に実質的に等しい距離移動するのに必要な時間、あるいはその1.5倍、2倍、あるいはその他好適な値における倍数値等の時間長に相当し得る。
【0019】
この特徴は、車の追従輪が単数あるいは複数の先行輪のスリップが終了した位置に到達するあるいは通過するまで、1つ又は1つ以上の駆動輪への正味のトルク増加要求が再開されない利益がある。これにより、単数あるいは複数の追従輪が、先行輪がスリップを生じたと同じ地形領域上でスリップする恐れが低減される。追従輪が先行輪におけると同じ地形領域でスリップするとその領域の傷みが進み、後続車がそこを通過するのが更に困難となり得る。
【0020】
システムは、それ以降の加速が一時的に中断されると実質的に一定速度を維持するよう構成され得る。
有益には、実質的に一定の速度は、スリップ事象検出時の車の走行速度に相当し得る。
システムは所定加速度を再開するよう構成され得る。
所定加速度は、スリップ事象検出時の車の加速率に相当し得る。
【0021】
言い換えると、システムは車の加速度を、最初のスリップ事象検出時点に車が受ける加速度に制限し得る。かくして、システムは加速度がこの加速度を超えないことを保証する。
有益には、車速を目標速度に維持する手段は、現在の車の走行速度を判定する手段、現在速度を目標速度と比較し、現在速度と目標速度との差を表す出力を提供する手段、この出力に基づき、車の少なくとも一つの車輪に付加するトルクを評価する手段、を含む。
【0022】
制御システムは、車の少なくとも2輪への実質的に同時のトルク付加をコマンドするよう作動自在であり得る。
制御システムは、車の少なくとも4輪への実質的に同時のトルク付加をコマンドするよう作動自在であり得る。
【0023】
システムは、現在速度が所定閾値速度を超えると判断すると車の制御システムの作動を妨害する手段を更に含み得る。
所定閾値速度は25〜35km/hであり得る。
所定閾値速度は実質的に30km/hであり得る。
【0024】
有益には、所定閾値速度は第1の低速側閾値速度であり、車速制御システムは、現在車速を第2の高速側閾値速度と比較し、現在車速が第2の高速側閾値速度未満であるときは車速制御システムを待機状態にホールドし、現在車速が第1の低速側閾値速度以下に低下した場合においてのみ車速制御を開始させる手段を更に含む。
【0025】
更に有益には、システムは、速度が第2の高速側閾値速度を超えるとキャンセル状態を取るよう作動自在であり得る。このキャンセル状態は、システムがキャンセル状態の時に速度がその後第1の低速側閾値速度以下に低下すると車速制御が開始されない点で、待機状態とは相違する。
車速制御システムは、所定閾値速度以上に車速を維持するよう作動自在のクルーズコントロールシステムを更に含み得る。
【0026】
クルーズコントロールシステムは、スリップ検出出力信号を受けると車の加速を中断させる手段を含み得る。ある実施形態では加速は、スリップ検出信号が所定閾値を超えたスリップを表す場合に中断され得る。
【0027】
システムは、車を走行させる地形の性質を検出する手段、目標速度が、車を走行させる地形の性質に対して適切であるかを判断する手段、システムが目標速度が適切であると判断された場合においてのみ、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加するようコマンドして目標速度を維持する手段、を更に含み得る。随意的にはシステムは、適切な目標速度を決定し、適切な目標速度がユーザーの設定した目標速度より低い場合は適切な目標速度に車を維持するように作動自在であり得る。
【0028】
随意的には制御システムは、検出した地形特性、例えば、所定の地形分類に従う特性に基づき、値セットを越えるスリップ事象の検出時においてのみ加速を中断させるよう構成され得る。例えば、砂地走行に好適なモードでは加速度は、路面をずっと傷め易い草地走行に適したモードにおけるそれよりずっと高いスリップ値で中断され得る。
【0029】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加する手段、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車を走行させる路上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、車を走行させようとする目標速度のユーザー入力を受ける手段を含み、システムが、車を目標速度に加速させる必要時における目標速度を実現させるべく車を加速する間に車輪のスリップ事象を検出するとシステムが車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作働し得る車速制御システムが提供される。
【0030】
制御システムは、スリップ事象がもはや検出されなくなるまでそれ以降の加速を中断させ得る。
制御システムは、車が移動中であると判断するときにおいてのみ、加速を中断させるように構成され得る。
【0031】
システムは、スリップ事象がもはや検出されなくなると、スリップ事象を検出した時点における車の加速度を超えない加速度で加速を再開させるよう作動自在であり得る。
システムは、新規の目標速度に達する以前は、再開された加速度を超えさせないように構成され得る。
【0032】
システムは、車輪と走行路面との間の表面摩擦係数を監視するよう作動自在であり得る。システムは、表面摩擦係数が所定値を越えると判断すると前記制限を付与することなく、車の加速を許容するように作動自在であり得る。現在の走行路面は現在可能とされる以上に高い加速度を支持し得ると判断すると、システムは、スリップ事象の最初の検出時に車が受けた加速度を超える率では車が加速し得なくなる制限を撤廃させ得る。システムは尚、安全目的上、許容最大加速度を、例えば1.25ms-2に制限し得る。その他値も有益である。
【0033】
随意的にはシステムは、車を走行させる地形特性に基づいて車の許容加速度制限を付与し得、地形特性は、ある実施形態では制御システムにより自動検出され得、あるいはユーザーが手動設定できる。
【0034】
システムは、スリップ事象がもはや検出されなくなると、スリップ事象を検出した時点における車の加速度に実質的に等しい加速度を再開させるよう作動自在であり得る。
本発明の更に他の様相によれば、先の様相に従う制御システムを含む車が提供される。
【0035】
本発明の尚他の様相によれば、複数の車輪を有する車の速度を制御する方法であって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付与するステップ、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車の動作時に車の走行路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象検出時にはスリップ検出出力信号を提供するステップ、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受けるステップ、及び車を目標速度を実現するよう加速させ、次いで車輪のスリップ事象を検出すると車のそれ以降の加速を一時的に中断させるステップを含む方法が提供される。
【0036】
車のそれ以降の加速は、車を加速させるために1つ又は1つ以上の車輪に付加されるパワートレイントルクの増加を中断させることにより中断され得る。その他構成も有益である。
【0037】
本発明の更に尚他の様相によれば、複数の車輪を有する車の速度を制御する方法であって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加するステップ、車の動作時において、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車を走行させる路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象を検出するとスリップ検出出力信号を提供するステップ、車を走行させたい目標速度のユーザー入力を受けるステップ、目標速度を実現するよう車を加速し、次いで車輪のスリップ事象を検出すると車速をスリップ事象検出時における車の走行速度に実質的に等しい速度に維持するステップを含む方法が提供される。
【0038】
本方法は、スリップ事象がもはや検出されないと車の加速を再開するステップを含み得る。加速は、1つ又は1つ以上の車輪へのパワートレイントルク付加を増加させる要求を再開させることで再開され得る。その他構成も有益である。
本方法は、スリップ事象検出に引き続き、スリップが最初に検出された時点におけるそれに相当する加速度を再開させるステップを含み得る。
【0039】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車の速度制御システムであって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付与する手段、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車を走行させる路上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、及び車を走行させようとする目標速度のユーザー入力を受ける手段を含み、システムが、目標速度実現のための車の加速を要求され、次いで車輪スリップ事象を検出すると、車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作動自在である速度制御システムが提供される。
システムは、車をスリップ検出出力信号とは無関係に目標速度に維持する手段を含み得る。
【0040】
本発明の1様相によれば、オフハイウェイ状況で作動自在の速度制御システムであって、システムが車を新規設定速度に加速させる際に所定値を越えるスリップ事象を検出すると、車の1つ又は1つ以上の車輪への路面上で所定設定速度を維持するために必要なトルク付加要求をパワートレインにコマンドし、新規設定速度への車の加速時に所定値を越えるスリップを検出するとシステムは加速を自動的に中断させる速度制御システムが提供される。
本発明の更に他の様相によれば、オフハイウェイ状況で作動自在の速度制御システムであって、路上での所定設定速度を維持するために必要なトルクを車の1つ又は1つ以上の車輪に付加させるようパワートレインにコマンドし、車を新規設定速度に加速する際に所定値を越えるスリップ事象が生じると、システムは所定値を越えるスリップを検出した速度に車速を自動維持するよう作動自在である速度制御システムが提供される。
【0041】
本発明の更に他の様相によれば、オフハイウェイ状況で作動自在の速度制御システムであって、路上での所定設定速度を維持するために必要なトルクを車の1つ又は1つ以上の車輪に付加させるようパワートレインにコマンドし、車を新規設定速度に加速する際に所定値を越えるスリップ事象が生じると、システムは所定値を越えるスリップを検出した速度に車輪速度を自動維持するよう作動自在である速度制御システムが提供される。この作用は車の車輪スリップが所定値未満となる時点まで実施され得、前記時点でシステムは車の新規設定速度を達成させるよう加速を制御し得る。
【0042】
先に記載した各様相において、システムはスリップ事象が終了すると加速を再開させるように作動自在であり得る。スリップ事象終息は、システムのアクティブ時、即ち、スリップを低下させるためのシステムの介入時に、トラクションコントロールシステム(TCS)あるいは安定制御システム(SCS)によるフラグセット等の好適な信号を参照して判断され得る。TCSあるいはSCSフラグが、TCSあるいはSCSシステムがもはやアクティブではないことを示すと、オフロード速度制御システムは車の加速を再開し得る。ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、中でも、車輪の過剰なスリップがもはや検出されなくなってからの所定時間長及び所定距離から選択した何れかにおいて加速を再開し得る。その他構成も有益である。その他サブシステムからの信号フラグも有益であり得る。
【0043】
ある実施形態では、車が段差を登坂あるいは対処中であることを検出すると、オフロード速度制御システムは、段差に対処し終えるまで、段差遭遇時における速度と同じ速度に車速を維持するよう作動自在であり得る。ある実施形態ではシステムは、1つ又は1つ以上の追従輪、のみならず1つ又は1つ以上の先行輪が段差に対処し終えるまで車速を維持し得る。
【0044】
ある実施形態では、渡渉事象を検出すると、前方からの波への対処や車の制御性を高めるために加速が制限され得る。
ある実施形態では、オフロード速度制御システムの、車の1つ又は1つ以上の追従輪(車が前方に移動する場合は後輪)で検出されたスリップ(あるいは段差)事象への対応は、1つ又は1つ以上の先行輪(車が前方に移動する場合は前輪)で検出されたスリップ事象に対するそれとは相違し得る。
【0045】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、車の速度及びホイールベースに比例する時間での1つ又は1つ以上の先行輪のスリップ事象(あるいは段差の出現)の認識に基づき、1つ又は1つ以上の追従輪がスリップ(及び又は、ある実施形態では段差と遭遇)しそうであると予測するように作動自在であり得る。速度制御システムは、1つ又は1つ以上の追従輪のスリップあるいは段差乗り越えを、追従輪のスリップによる車の加速への影響を低減させる様式において対処するよう作動自在であり得る。特定の滑り易い路面パッチを同じ側の前後輪が共に通過してスリップが発生すると車の加速は低下され得る。ユーザー要求に応答する車の加速はグリップが回復するまで低下され得る。かくして、ある実施形態では速度制御システムは、スリップ事象が発生した、あるいは段差に対処した場所を追従輪が通過し得るに十分な所定時間長あるいは距離における高速への車の加速を中断させる。
【0046】
本発明のある実施形態は、速度制御システムが車を加速させようとする際は車の加速に対する車輪のスリップの影響が低下され得る利益がある。ある実施形態では車のゆとりが実質的に改善され得る。これは、少なくとも部分的には、1つ又は1つ以上の先行(ある実施形態では追従)輪のスリップ量が、1つ又は1つ以上の先行輪のスリップ検出時に加速が中断されることで低減され得るためである。更には、ある実施形態では、1つ又は1つ以上のスリップ事象のせいでオフロード路面が受ける傷みの度合いが減少され得る。
【0047】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、車がエンジンの失速を回避し且つ好適な進行を維持するに適切なギヤで低速でオフロードを走行することが保証されるよう、ギヤ及び又はギヤ比選択を制御する、あるいはそうでなければ影響するように作動自在であり得る。
【0048】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、きつい勾配上の障害物対処時においてさえ車のゆとりを最適化するよう、降坂制御(HDC)/坂道発進補助(HHA)システムと共に作用するよう作動自在であり得る。ある実施形態では、車の走行勾配が前決定値より大きい、及び又は、速度が前決定閾値以下である場合は、HDC/坂道発進補助(HHA)システムの制動コマンドがオフロード速度制御システムのコマンドを無効化するあるいはそうでなければそれに優先される。
【0049】
ある実施形態では、車を現在クルーズ速度から変更された設定速度に加速する際に用いる加速度は、地形応答システムが地形モードに基づいて表示する前設定された性能特性に影響され得る。
ある実施形態では車は、前後何れかの走行方向においてオフロード速度制御モードで運転され得る。
【0050】
本発明の更に他の様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加する手段、車を走行させたい目標速度のユーザー入力を受ける手段、車を運転する地形特性を判断する手段、目標速度が車が走行する地形特性に適切であるかを判断する手段を含む速度制御システムが提供される。車速制御システムは、目標速度が適切であると判断される場合においてのみ、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加して車を目標速度に維持する手段を更に含む。システムは、目標速度を実現するための加速が要求され、次いで車輪のスリップ事象を検出すると、車の加速を一時的に中断させるよう作動自在である。加速は、車を加速させるためのそれ以降のトルク付加を中断させることにより中断され得る。
【0051】
先に記載したように、ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、ユーザーからの車の加速要求への応答時にスリップ事象を検出すると、車速を一時的に保持する、あるいは車の加速を一時的に中断させる構成とされる。ある実施形態では車速は車が最初にスリップ事象に遭遇した時点の速度に保持される。ある実施形態ではシステムは、スリップ事象が終息した場合においてのみ、ユーザが選択した高い設定速度への車の加速を再開させる構成を有する。
【0052】
こうして、オフロード速度制御システムは設定速度増加を受け入れるが、しかし、トラクションが許す設定速度の達成のみを試行する。
ある実施形態では車輪速度が、車輪スリップが約5%〜20%の量等の所定量に制限されるように低下される。その他の量も有益である。この量は、車速、車輪の動き、車の姿勢、及び又は、選択したTRモードに対して敏感であり得る。その他パラメータを追加あるいはそれに代えても有益である。
【0053】
ある実施形態では、車輪速度低下後に1つ又は1つ以上の車輪のスリップが尚発生する場合は、車輪スリップが先に記載した所定量内に低下するよう、車輪速度が更に低下される。
【0054】
ある実施形態では速度制御システムは、車が恐らく勾配を横切るあるいは横断中であることを検出するように作動自在であり得る。あるシナリオでは、車が車の左側に上る勾配を横断すると、1つまたは1つ以上の上り坂側の前後等の各左側車輪が受ける車の負荷は前後の各右側車輪の受けるそれより軽い。この例では、左側車輪がスリップして傾斜センサあるいはその他センサの出力が坂が車の左側への上り坂であることを表示すると、速度制御システムは車速を、恐らくユーザー設定速度(ユーザー設定速度値に依存する)の所定値以下へと一時的に減速させ得る。
【0055】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、1つ又は1つ以上の先行輪のスリップ事象(あるいは段差の出現)に基づき、車の車速及びホイールベースに比例した時間に1つ又は1つ以上の追従輪にスリップ事象(及び又は、ある実施形態では段差との遭遇)が生じることを予測するように作動自在であり得る。速度制御システムは、追従輪におけるスリップによる車の加速への影響を低減させるような様式下の如きにおいて、1つ又は1つ以上の追従輪でのスリップ又は段差乗り越えに対処するように作動自在であり得る。仮に前後の同じ側のタイヤが共に特定の滑りやすい路面パッチ上を通過してスリップを生じると車の加速が悪化し得る。グリップが回復するまではユーザーの要求に応じた車の加速は損なわれ得る。
【0056】
本発明の実施形態は、速度制御システムが車を加速させようとする際の車輪スリップによる車の加速への影響が低減され得る利益がある。ある実施形態では車のゆとりが実質的に改善され得る。これは少なくとも部分的には、1つ又は1つ以上の先行輪(ある実施形態では追従輪)のスリップ量が、そのスリップの検出時に加速を中断させることにより減少され得ることによるものである。更には、ある実施形態では、1つ又は1つ以上のスリップ事象のせいでオフロード路面が受ける損傷度が低減され得る。
【0057】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、車がエンジンの失速を回避し且つ好適な進行を維持するに適切なギヤで低速でオフロードを走行することが保証されるよう、ギヤ及び又はギヤ比選択を制御する、あるいはそうでなければ影響するように作動自在であり得る。
【0058】
本発明の1様相に従うシステムにおいて、スリップ事象検出によりシステムが車のそれ以降の加速を一時的に中断させている時間長の間にユーザーが目標速度増加を要求すると、システムは設定速度増加を受け入れるように作動自在であり得る。しかしながら、システムは新規設定速度への車の加速試行を一時的に遅延させ得る。システムは、トラクションが加速再開を許容するまで、新規設定速度への車の加速試行を遅延させ得る。その他構成も有益である。
【0059】
本発明の1様相に従う方法において、スリップ事象検出によりシステムが車のそれ以降の加速を一時的に中断させている時間長の間にユーザーが目標速度増加を要求すると、本方法は設定速度増加を受け入れるステップを含み得る。しかしながら本方法は新規設定速度への車の加速試行を一時的に遅延させるステップを含み得る。本方法は、上述の通りトラクションが加速再開を許容するまで、新規設定速度への車の加速試行を遅延させるステップを含み得る。その他構成も有益である。
【0060】
本件出願の範囲内において、請求項、及び又は以下の記載及び図面に記載する色々な様相、実施形態、例及び変更例、詳しくはそれらの個別の特徴は独立、あるいは任意組み合わせにおいて提供され得るものとする。例えば、ある実施形態を参照して記載された特徴はそれら特徴に互換性がない以上、全ての実施形態に適用し得るものとする。
【発明の効果】
【0061】
既存システムの問題を解消する車速制御システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、本発明の1実施形態に従う車の略平面図である。
図2図2は、図1の車の側面図である。
図3図3は、図1の車に含まれる、本発明の1実施形態に従う車速制御システムの1実施形態の、クルーズコントロールシステム及び低速進行制御システムを示す模式図である。
図4図4は、図3のクルーズコントロールシステム及び低速進行制御システム間の相互作用を例示する流れ図である。
図5図5は、図3の車速制御システムの更に他の特徴の模式図である。
図6図6は、図1の車のステアリングホイール、ブレーキペダル、及びアクセルペダルの例示図である。
図7図7は、オフロード旅行例の一部のコースにおける、本発明の1実施形態に従う車の車速v、設定速度vset、トラクションコントロールシステムのフラグ状態を時間の関数として示すプロット図である。
図8図8は、設定速度増加要求後の時間tの関数として表す車速vのプロット図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
ファンクションブロック等のブロックへの参照は、1つ又は1つ以上の入力に応じて出力が提供されるものとして定義された前記ファンクション又は動作を実行するソフトウェアコードに対する参照を含むものとする。ソフトウェアコードはコンピュータ主プログラムが呼び出すソフトウェアルーチンあるいはファンクション形態のものであり得、あるいは別のルーチンあるいはファンクションではないコードのフローの一部を形成するコードであり得る。ファンクションブロックは、本発明に従う制御システムの操作方法の説明を簡易化するために参照される。
【0064】
図1には、パワートレイン129を有する本発明の一実施形態に従う車100が示される。パワートレイン129は、変速機124を有する駆動ライン130に連結したエンジン121を含む。駆動ライン130は前方車輪対111、112を前方ディファレンシャル137と前方駆動シャフト対118とにより駆動するよう構成される。駆動ライン130は、後方車輪対114、115を補助駆動シャフト又はプロペラシャフト132と、後方ディファレンシャル135と、後方駆動シャフト対139で駆動するよう構成された補助駆動ライン部131とをも含む。本発明の実施形態は、変速機が前方車輪対のみ、あるいは後方車輪対のみ(即ち、前輪駆動車、あるいは後輪駆動車)を駆動する構成を有する車、あるいは2輪駆動/4輪駆動切替自在の構成を有する車で使用するために好適なものである。図1の実施形態では変速機124は、2輪駆動又は4輪駆動切替を可能にする動力伝達ユニット(PTU)131Pにより補助駆動ライン部131に解放自在に連結可能である。本発明の実施形態は、4輪以上を有する車、あるいは、例えば3輪車あるいは4輪車あるいは4輪以上車の2輪のみが駆動される場合の車用に好適なものであり得る。本発明の実施形態は、連続可変式変速機あるいは手動変速機等の形式範囲の変速装置を有する車での使用に好適なものでもある。その他形式の変速装置も本発明の実施形態と互換性を有するものとする。
【0065】
車用の制御システムには、車制御ユニット(VCU)10として参照される中央コントローラ、パワートレイコントローラ11、ブレーキコントローラ13、ステアリングコントローラ170Cが含まれる。VCU10は車に取り付けた色々のセンサやサブシステム(図示せず)に出入りする複数の信号を受信及び出力する。VCU10は図3に表す低速進行(LSP)制御システム12と、安定性制御システム(SCS)14とを含み、後者は既存の車制御システムにおける既知のコンポーネントである。SCS14はトラクション喪失を検出及び低減させて車100の操縦性を高める。ステアリングホイール制御喪失が検出されると、SCS14はブレーキシステム22を自動的に効かせてユーザーの所望方向への車の操舵を支援する。図示実施形態ではSCS14はVCU10により開始される。ある実施形態ではSCS14はブレーキコントローラ13により開始され得る。更には、SCS14は別個のコントローラにより開始され得る。
【0066】
図3には示されないが、VCU10は動的安定性制御(DSC)ファンクションブロック、トラクション制御(TC)ファンクションブロック、アンチロックブレーキングシステム(ABS)ファンクションブロック、降坂制御(HDC)ファンクションブロックを更に含む。これらのファンクションブロックは例えば、DSC、TC、ABSの各アクティビティ、各車輪における制動介入、及び、エンジン121に対するVCU10からのエンジントルク低減要求を表示する出力を提供する。前述した事象は全て、車輪のスリップ事象を表すものである。ロール安定性制御システムあるいはその他等の車のサブシステムもまた有益であり得る。
【0067】
車は、30km/h以上の速度で移動する場合に車速を選択速度に自動維持するように作動するクルーズコントロールシステム16をも含む。クルーズコントロールシステム16には、ユーザーが既知の様式で前記クルーズコントロールシステム16に目標車速を入力できるようにするクルーズコントロールHMI(ヒューマンインターフェース)18が設けられる。本発明の一実施形態ではクルーズコントロールシステム入力制御装置がステアリングホイール171(図6)に装備される。“設定速度”制御装置173を押すと現在の車速が設定速度に設定される。“+”ボタン174を押すと設定速度を上げ、“−”ボタンを押すと設定速度を下げることができる。ある実施形態では、クルーズコントロールシステム16の非アクティブ時に“+”ボタン174を押すとクルーズコントロールシステム16がアクティブ化される。
【0068】
クルーズコントロールシステム16は車速を監視し、目標車速からの偏差は、車速が実質的に一定値、代表的には30km/h以上に維持されるように自動調節される。言い換えれば、クルーズコントロールシステムは30km/h以下の車速時は機能しない。クルーズコントロールHMI18は、前記クルーズコントロールHMI18の可視ディスプレイを介してユーザーにクルーズコントロールシステムの状態に関する警告を提供するようにも構成され得る。
【0069】
LSP制御システム12は、ユーザーによるペダル入力の必要無く車が進行し得る極めて低速の目標車速を選択可能とする、速度ベースの制御システムをユーザーに提供する。この低速進行制御機能は30km/h以上の車速のみで作動するオンハイウェイ式クルーズコントロールシステム16によっては提供されない。更には、前記システム16を含む既知のオンハイウェイ式クルーズコントロールシステムは、ユーザーがブレーキ(あるいは、車が手動変速機を装備する場合はクラッチ)を踏むとクルーズコントロール機能が無効化され、車は車速を維持するためにユーザーのペダル入力を要求するマニュアル運転モードに戻るように構成される。加えて、トラクション喪失により生じ得る車輪スリップの検出はクルーズコントロール機能を中断させる効果がある。
【0070】
LSP制御システムは、車100の速度を所望速度に維持するべく、全車輪又は個別の車輪に選択的なパワートレイン、トラクションコンロール及び制動作用を付加することにより実施される。仮に車100が前輪111、112のみを駆動させる2輪運転モード下に作動する場合は、制御システム12は車100の後輪113、114への駆動トルク付加を防止させ得る。
【0071】
ユーザーは低速進行HMI(LSP HMI)20を介し、LSP制御システム12に所望の目標車速を入力する(図1図3)。LSP制御システム12は代表的には約50km/h以下の車速で作動するが、車のクルーズコントロールシステムが効かなくなる30km/h以下まではアクティブ化されない。LSP制御システム12はトラクション事象とは無関係に作動する構成、即ち、車輪スリップ検出時には速度制御がキャンセルされない構成を有する。LSP制御システム12はむしろ、車の挙動をアクティブに処理し、すくなくともこの点において、以下に詳しく説明する如きクルーズコントロールシステム16の機能性とは相違する。
【0072】
LSP制御HMI20は、ユーザーが容易にアクセスし得るように車のキャビン内に設けられる。車のユーザーはLSP HMI20を介してLSP制御システム12に希望の車移動速度(“目標車速”と称する)を入力できる。LSP HMI20は、LSP制御システム12の状態に関する情報及び案内をユーザーに提供し得る可視ディスプレイ(図示せず)をも含む。
【0073】
LSP制御システム12は、ユーザーのブレーキペダル163踏み込み量を表わす入力を車の制動システム22から受ける。LSP制御システム12は更に、ユーザーのアクセルペダル161踏み込み量を表わす入力を車のアクセルペダル161から受ける。LSP制御システム12には、変速機あるいはギヤボックス124から提供される入力も提供される。この入力には例えば、ギヤボックス124からの出力軸速度、トルクコンバータスリップ、そして要求ギヤ比を表す信号が含まれ得る。LSP制御システム12へのその他入力には、クルーズコントロールシステム16の状態(オン/オフ)を表すクルーズコントロールHMI18からの入力や、LSP制御機能の状態を表すLSP制御HMI20からの入力が含まれる。
クルーズコントロールHMI18及びLSP HMI20は代表的には、ユーザーが操作し易いよう車のステアリングホイール171上に装備される入力制御装置を有する。
【0074】
図6には、図1の車100のステアリングホイール171の詳細が、アクセル及びブレーキの各ペダル161、163と共に示される。ステアリングホイール171はクルーズコントロールHMI18及びLSPコントロールHMI20の、ユーザー操作式入力制御装置を搭載する。従来の車における如く、ステアリングホイール171は、ユーザーが押し込むことで車の現在車速を維持するよう従来のクルーズコントロールシステム16を作動させ得る“設定速度”制御装置173を有する。ステアリングホイール171は“LSP”制御装置作動ボタン172とレジュームボタン173Rとをも有する。レジュームボタン173Rはオンロード走行時において“オンハイウェイ”クルーズコントロールシステムを、オフロード走行時にはLSP制御システム12を、何れも制御するために使用し得る。LSP制御装置作動ボタン172はLSP制御システム12を作動させるために、レジュームボタン173RはLSP制御システム12に以前の設定(ユーザー定義の)速度を再開するように車を制御するようコマンドするために使用する。
【0075】
車がオンハイウェイ走行中の時に設定速度制御装置173を押し込むと、現在車速がクルーズコントロールシステム16の作動範囲内である場合に起動する。クルーズコントロールシステム16は、“+”制御装置174を押すと設定速度を上げ、“−”制御装置175を押すと設定速度を下げる。“+”及び“−”の各制御装置はロッカー形式ボタン等の単独のボタンであり得る。ある実施形態では“+”制御装置174は“設定速度”制御装置としても機能し得、その場合は設定速度制御装置173は排除され得る。
【0076】
車がオフハイウェイ走行中の時に設定速度制御装置173を押すと、LSP制御システム12は、車速がLSP制御システム12の作動範囲内であれば先に説明した如く起動及び作動する。
ある実施形態ではシステムは、LSP制御システム12による速度制御をキャンセルするよう作動自在の“キャンセル”ボタンを更に含み得る。ある実施形態ではLSP制御システム12は、アクティブ状態あるいはスタンバイ状態の何れかであり得る。ある実施形態ではLSP制御システム12は、LSP制御システム12による車速制御が中断されるが、降坂制御(HDC)システムあるいはその他は、既にアクティブ化されていればアクティブに維持され得る中間状態を取るように作動自在であり得る。その他構成も有益である。
【0077】
LSP制御システム12がアクティブの状態ではユーザーは“+”及び“−”の各ボタン174、175により車速を増減できる。加えて、ユーザーはアクセルペダル161あるいはブレーキペダル163を夫々軽く踏むことによっても設定車速を増減できる。他の実施形態ではLSP制御システム12がアクティブの時は“+”及び“−”の各ボタン174、175が無効化される。後者の場合、例えば、ステアリング角を比較的大きく且つ頻繁に変化させる必要があり得る困難な地形に対処する際にこれらのボタンの1つを誤って押すことによる設定速度変化が防止され得る。その他構成も有益である。
【0078】
図4にはクルーズコントロールHMI18及びLSP制御システム12間の相互作用が流れ図で示される。ユーザーがLSP制御HMI20を介してLSP制御システム12のアクティブ化を試みると速度制御ルーチンをキャンセルさせる信号がクルーズコントロールシステム16に送られる。するとLSP制御システム12が起動し、ユーザーがLSP HMI20を介して選択した低速の目標車速に車速を維持する。LSP制御システム12がアクティブ化されるとクルーズコントロールシステム16の作動が防止されることもある。従って、前記LSP制御システム12及びクルーズコントロールシステム16は相互に無関係に作動し、移動中の車速に応じてその都度何れか一方のみが作動し得る。
【0079】
ある実施形態ではクルーズコントロールシステム16は、ユーザーが設定速度100をLSP制御システム12の作動範囲内の値に低下させるとLSP制御システム12に車速制御を渡す。同様に、ある実施形態ではLSP制御システム12は、ユーザーが設定速度をクルーズコントロールシステム16の作動範囲内の値に増加させるとクルーズコントロールシステム16に車速制御を渡す。その他構成も有益である。
【0080】
ある実施形態ではクルーズコントロールHMI18及びLSPコントロールHMI20は、例えば、1つ又は1つ以上の別個のスイッチがLSP入力及びクルーズコントロール入力間の切替を提供する状態において同一ハードウェアを介して速度選択が入力されるよう、同一ハードウェア内に構成され得る。
【0081】
図5にはLSP制御システム12の車速制御手段が例示される。ユーザーが選択した車速はLSP制御HMI20を介してLSP制御システム12に入力される。パワートレイン129(図1に示す)に関連する車速センサ34が車速を表す信号36をLSP制御システム12に提供する。LSP制御システム12はユーザーが選択した設定速度(目標車速38とも称する)を測定車速36と比較し、この比較を表す出力信号30を提供するコンパレータ28を含む。出力信号30はVCU10のエバリュエータユニット40に提供され、このエバリュエータユニットが出力信号30を、ユーザーの選択した車速を維持するには車速増減の何れが必要であるかに依存して、車輪に付加すべきトルク追加要求か、又は、トルク減少要求として解釈する。トルク増加は一般に、車輪へのパワートレイン負荷トルク量を増加させることにより達成される。ポジティブ未満あるいはネガティブ以上である値へのトルク減少は、車輪へのパワートレイントルク負荷の減少、及び又は、車輪への制動力増加により達成され得る。パワートレイン129が発電機として作動する電気機械である実施形態では、ネガティブトルクはパワートレイン129により1つ又は1つ以上の車輪に負荷され得る。その場合でも尚、ブレーキコントローラ13は、パワートレイン129の電気機械により制動トルクが提供する必要があるかの決定及び、制動トルクを電気機械あるいは摩擦ベースの基礎ブレーキシステム22により提供すべきかの決定に関与し得る。
【0082】
エバリュエータユニット40からの出力42はパワートレインコントローラ11及びブレーキコントローラ13に提供され、それにより、車輪111−115用の駆動ラインに提供される正味のトルクが制御される。エバリュエータユニット40からのトルク要求がポジティブ及びネガティブの何れであるかに基づき、車輪への正味のトルクが増減される。かくして、車輪への増減何れかの必要トルク付加を開始させるべく、エバリュエータユニット40は、その何れかあるいは両方を用いて目標車速の維持に必要なトルク変化を開始させ得るところの、車輪への動力追加及び又は制動力追加の何れかをコマンドし得る。例示実施形態ではトルクは目標車速を維持するよう車輪に個別に付加されるが、他の実施形態ではトルクは目標車速を維持するべく全車輪に付加され得る。ある実施形態ではパワートレイコントローラ11は、後方駆動ユニット、前方駆動ユニット、ディファレンシャル、あるいは任意のその他好適なコンポーネント等の駆動ラインコンポーネントを制御することで、1つ又は1つ以上の車輪への負荷トルク量をコントロールするように作動自在であり得る。例えば、駆動ライン130の1つ又は1つ以上のコンポーネントは、1つ又は1つ以上の車輪への負荷トルク量を変更可能とするように作動自在の1つ又は1つ以上のクラッチを含み得る。その他構成も有益である。
【0083】
パワートレイン129が1つ又は1つ以上の、例えば推進モータ、及び又は、発電機等の電気機械を含む場合は、パワートレイコントローラ11は、1つ又は1つ以上の電気機械により1つ又は1つ以上の車輪への負荷トルクを調節するように作動自在であり得る。ある実施形態では、1つ又は1つ以上の電気機械は、パワートレイコントローラ11の制御下に推進モータあるいは発電機の何れかとして作動自在であり得る。かくして、パワートレイコントローラ11はある実施形態では、電気機械により1つ又は1つ以上の車輪により多くの正あるいは負のトルクが付加されるように制御される。
【0084】
LSP制御システム12は、車輪のスリップ発生事象を表す信号48をも受ける。信号48は車のオンハイウェイ型クルーズコントロールシステム16に供給されるそれと同じものであり得るが、後者の場合はオンハイウェイ型クルーズコントロールシステム16の作動がこの信号によって無効化あるいは防止され、オンハイウェイ型クルーズコントロールシステム16による車速自動制御は中断あるいはキャンセルされることになる。しかしながらLSP制御システム12は、車輪スリップを表す車輪スリップ信号48を受けるとその作動がキャンセルあるいは中断されるようには構成されず、むしろ、車輪スリップを監視し且つ実質的にドライバーの作業量を最小限に維持するよう処理するように構成される。スリップ事象の発生中、LSP制御システム12は測定車速をユーザーが入力した所望車速と比較し続け、選択された車速が維持されるようなトルクが車輪に付加されるよう自動制御し続ける。このように、LSP制御システム12は車輪スリップ事象がクルーズコントロール機能を無効化するために車の手動操作を再開する又はクルーズコントロール機能をリセットするクルーズコントロールシステム16とは異なる構成を有する。
【0085】
本発明の更に他の実施形態(図示せず)では、車に、車輪速度の比較により入手されるのみならず、対地車速を表すセンサデータを用いて一段と正確化された車輪スリップ信号48が提供される。そのような対地車速は、全地球測位網(GPS)データ、又は車と、車の走行地点との相対的移動を決定する構成を有する車載レーダーあるいはレーザー式システムを介して決定され得る。ある実施形態では対地車速判定用のカメラシステムが使用され得る。
【0086】
LSP制御プロセスの任意ステージにおいて、ユーザーはアクセルペダル161及び又はブレーキペダル163を踏み込んで車速を増減させることで、この機能を無効化できる。しかしながら、車輪スリップ事象が信号48を介して検出された場合は、LSP制御システム12はアクティブに維持され、LSP制御システム12による車速制御は中断させることがない。図5に示すように、その際は車輪スリップ事象の信号48はLSP制御システム12に提供されてLSP制御システム12で処理される。図1に示す実施形態ではSCS14が車輪スリップ信号48を生成し、この信号をLSP制御システム12及びクルーズコントロールシステム16に提供する。
【0087】
車輪スリップ事象は、車輪の何れか一つがトラクションを喪失すると発生する。車輪及びタイヤは、例えば、雪、氷、あるいは砂及び又は、きつい勾配あるいは横断勾配、あるいは、通常のオンロードコンディションの高速道路上を運転するのと比較してずっと荒れたあるいは滑りやすい地形環境でトラクションをより喪失し易いと考えられる。従って本発明は、車をオフロード環境あるいは車輪が一般にスリップし易いであろう状況で運転する場合において取り分け有益である。それらの状況ではユーザーの手動操作が困難且つしばしばストレスの溜まる経験となるせいで乗り心地が悪化し得る。本発明の実施形態によれば、ユーザー介入を要すること無く低速の目標車速での連続走行が可能になる。
【0088】
車100には、車の動きや状態に関連する色々の異なるパラメータを表す追加的センサ(図示せず)も搭載される。それらは、速度制御システムに一意的な慣性システム、あるいは乗員拘束システムの一部、あるいは車体の動きを表示し得且つLSP制御システム12に有益な入力を提供し得るジャイロ、及び又は、加速度計等のセンサからのデータを提供し得るその他のサブシステムであり得る。センサからの信号は、車の走行地形状況の特性(例えば、泥や轍、砂、砂、草/砂利/雪)を表す複数の運転状況インジケータ(地形インジケータとも称する)を提供する、あるいは算出するために使用される。この信号はVCU10に送られ、VCU10は地形インジケータに基づいて種々のサブシステム用の最適制御モードを決定し、それらのモードに従い前記サブシステムを自動制御する。本発明の様相の詳細についてはここに参照することで本明細書の一部とする、本件出願人の継続特許出願であるGB1111288.5、GB1211910.3、GB1202427.9に記載される。
【0089】
車のセンサ(図示せず)には、これに限定しないが、VCU10に連続的なセンサ出力を提供するセンサが含まれ、それらセンサには、先に説明され且つ図5に示す車輪速度センサ34、周囲温度センサ、大気圧センサ、タイヤ圧センサ、車輪動作センサ、車のヨー、ロール、ピッチ角及びピッチ率を検出するジャイロスコープセンサ、車速センサ、前後加速度センサ、エンジントルクセンサ(あるいはエンジントルク推定器)、ステアリングホイール舵角センサ、ステアリングホイール速度センサ、傾斜センサ(あるいは傾斜推定器)、安定性制御システム(SCS)上の横加速度センサ、ブレーキペダル位置センサ、ブレーキ圧センサ、アクセルペダル位置センサ、前後、横、縦方向運動センサ、車の渡渉支援システム(図示せず)の一部を構成する水検出センサが含まれる。
他の実施形態では前述のセンサの選択されたもののみが使用され得る。
【0090】
VCU10はステアリングコントローラ170Cからの信号も受ける。ステアリングコントローラは、電動支援ステアリングユニット(ePASユニット)の形をとる。ステアリングコントローラ170Cは車100の操縦可能な車輪111、112に付加されているステアリング力を示す信号をVCU10に提供する。ステアリング力は、ユーザーがステアリングホイール171に加える力と、コントローラ170Cにより発生したステアリングフォースとを組み合わせた力に相当する。
【0091】
VCU10は様々のセンサ入力を評価し、先に記載したように車を運転する複数の特定地形タイプに各々相当する複数の異なる制御モードから車のサブシステム用に適切なものを決定する。次いでVCU10は最適な制御モードを選択し、このモードに従い車の様々のパラメータを制御する。
【0092】
車を運転する地形特性(選択した制御モードを参照して決定される如き)は、LSP制御システム12における車輪への付加駆動トルクの適切な増減の決定に際しても利用され得る。例えば、ユーザーが、例えば安全上の理由から車を運転する地形特性に適さない目標車速を選択すると、システム12が自動作動して車輪速度を低下させ、かくして車速を低速に調節する。例えば、ユーザーの選択した速度は達成し得ない、あるいは特定地形タイプ、特には不整あるいは荒れた路面には適切ではない恐れがある場合がある。システム12が、ユーザーの選択した設定速度(即ち、目標車速)とは異なる設定速度を選択すると、別の速度が採用されたことを表示する速度制限の可視表示がLSP HMI20を介してユーザーに提供される。
【0093】
ユーザーがLSPコントロールHMI20を用いてスリップし易い路面あるいは傾斜のきついオフロードに対処し、車100の路面走行時あるいは登坂時に設定速度を増加すると、VCU10はエンジントルクを強引に上げようとするためトラクション喪失が発生する恐れがある。
従って、VCU10は、ユーザーによるLSP制御システム12の設定速度増加のコマンド時にスリップ事象を検出すると車100の加速を中断させるように構成される。こうして、LSP制御システム12は設定速度増加を受け入れるが、トラクションの許す場合においてのみ、設定速度達成を試行し得る。
【0094】
ある実施形態では、車輪スリップ事象が、約5%〜約20%量等の所定量に制限されるように車輪速度が減速される。その他量も有益である。前記量は、車速、車輪の動き、車の姿勢、及びまたは、選択したTRモードに基づくものであり得る。その他パラメータも追加あるいは代替上有益である。
【0095】
ある実施形態では、車速低下後に1つ又は1つ以上の車輪が定義閾値以上でスリップし続ける場合は、車輪スリップが先に記載した所定範囲内になるように正味のトルクを制御することにより、1つ又は1つ以上の車輪の速度がアクティブに処理される。
図7には、本発明の1実施形態に従う車100が色々な地形を走行する間の車速v、車の設定速度vset、及びトラクションコントロールシステム(TCS)フラグ状態F、を時間の関数として示すプロット図が示される。
【0096】
時間t=0では車100は設定速度vset=v1とするLSP制御システム12の制御下に速度v1で移動している。t=0より遅い時間t=1では車100のユーザーがvset値をvset=v3に増加させる。LSP制御システム12はそれに応答して車100を速度v1からv3に加速させる。
図示例では時間t=t2で、1つ又は1つ以上の車輪111−115の過剰スリップに対処するべくTCSシステムが車の進行制御に介入して車100のトラクションを制御する。TCSシステムは、車が多数の異なる理由、例えば、滑りやすい平地あるいは滑りやすい傾斜地形に対して車を加速する間に起動され得る。
【0097】
TCSシステムフラグ状態Fの値はTCSシステムが介入を開始するとF=0からF=1に変化する。LSP制御システム12は、それ以降のトルク増加要求が中断されることでTCSシステムフラグ状態Fの値がF=0からF=1に変化するのに応答して車100のそれ以上の加速を中断させる。LSP制御システム12は、TCSシステムの介入が開始される直前の車の移動速度(v2)に車速を保持する。
過剰スリップが尚発生する場合はLSP制御システム12は車輪速度をTCSシステムの介入が開始される直前の車の移動速度以下、即ちv2以下の速度に低下させ得る。
【0098】
ある実施形態ではLSP制御システム12はTCSフラグ状態が、スリップ事象の終息を示すF=0に戻るまで車速をv=v2に保持する。次いでLSP制御システム12は、前回要求設定速度であるv3への車速増加を試行する。ある実施形態ではLSP制御システム12は、車速を増加する前にFが0に設定された後の所定時間長待機し得る。この時間長は、ある実施形態では所定時間長であり得、あるいは、車速、TCSフラグ状態がF=1に設定される時間長、及び又は、その他の追加あるいはそれに変わる1つ又は1つ以上のパラメータ等のパラメータの1つ又は1つ以上に応じて選択された時間長であり得る。本実施形態ではLSP制御システム12は所定時間長(例えば1秒)の待機後に車速増加を再試行するが、その他時間も有益である。かくしてLSP制御システム12は、TCSフラグ状態が時間t=t3でF=0にリセットされると1秒間の待機後、時間t=t4で車を速度v3に加速させる。時間t=t5では車100は新規設定速度であるvset=v3に到達する。
図7のトレースv’は、TCSフラグ状態Fが、v1からv3に加速する時間長の間にF=1に設定されなかった場合の時間の関数としての予測車速を比較上示すものである。
【0099】
本発明の実施形態には、オフロード速度制御モードでの加速中の車のゆとりが増大され得る有益性がある。ある実施形態では、オフロードルートにおけるタイヤ腐食の影響が低減され得、タイヤの損耗や燃費が共に改善される。車のゆとりは、利用可能なグリップレベル及びエンジンオーバーレブへの対処にLSP制御システムを用いることで増長され得る。加えて、LSP制御システム12は既知のクルーズコントロールシステムとは対照的にトラクションコントロールあるいはスリップ事象中はキャンセルされない。オフロード運転中のキャンセルは不安定性、不便性、作業量の増加を招き得る。
【0100】
ある実施形態では、スリップ事象後の車100の加速が推奨される場合、LSP制御システム12は、スリップ事象検出時の加速度に設定速度を増加する加速度を制限するよう構成される。これは、車を加速させるべく車輪に高いトルクが付加されることによる更なるスリップ事象のリスクを低下させるためである。
図8は、新規設定速度達成以前に車輪のスリップ事象がなかった場合の、LSP制御システム12が車100を新規設定速度に加速させる時間長に渡る車速(プロットPP)を時間tの関数として表すプロット図である。
【0101】
時間t=t1でパワートレイン129が、時間t=t1時点における現行設定速度vset0=v1を維持するに十分なトルクを付与する。時間t=t1の直後にユーザーが設定速度vset1=v3に増加させる。これに応答してLSP制御システム12は、車100を加速するためのパワートレイントルク増加をコマンドする。車100は時間tsで新規設定速度v3に達する。
トレースPAは、車が新規設定速度v3に加速される間にトラクション制御事象が生じた場合の車速vの増加形状を示す。
【0102】
パワートレイン129からの発生トルク量が増加すると車100は時間t=t2で速度v2に達し、速度は加速度v2’で増加する。加速度v2’は、図8に示す、時間t=t2の関数としての、vのプロットに接するラインv2’の勾配により与えられる。
時間t=t2でTCSフラグはスリップ事象発生を示すF=1に設定される。これに応じて、LSP制御システム12は車100のそれ以降の加速を中断させる。LSP制御システム12はF=1である時間長に渡り加速度v2維持を試行する。
【0103】
時間t=t3でTCSフラグはスリップ事象終息を示すF=0に戻る。これに応じてLSP制御システム12は、Fが0に設定された瞬間から1秒経過後、即ち時間t4で、車を速度vset1に加速させるためのパワートレイントルク増加をコマンドする。スリップ事象後、LSP制御システム12は車100の最大許容加速度を、時間t=t2の時点の加速度即ちv2’に制限する。図8に示すように、時間t=t3でのスリップ事象終息後にLSP制御システム12により許可される最大速度増加率は時間t=t4’で生じ、且つ、ラインv2’Aの勾配で与えられる。LSP制御システム12が車100の加速度を制限することから、v2’Aの勾配はラインv2’のそれを越えることはなく、図示例では実質的にラインv2’の勾配に等しい。LSP制御システム12は、時間t=t4における実質的にゼロからv2’Aの値(先に記載したようにv2’に実質的に等しい)への速度増加率を混合させるように構成される。
【0104】
車速がvset1に近づくと、加速度は時間t=t5でvset1が達成されるまで減少される。
上述した如く、図8のトレースPPは、スリップ事象が発生しなかった場合の類似状況における予想車速を示すものである。図示の特定例では速度増加率は時間t=t2及びt3の間の時間で最大値v’となる。図8から認識されるように、v’>v2’=V2’Aである。
従って、上述した例では、スリップ事象検出後はLSP制御システム12は、加速再開後の最大加速度をスリップ事象発生時の車が受けた加速度に制限することが分かる。
【0105】
本発明の実施形態には、ある設定速度からより高い設定速度に加速する間に車がスリップ事象を繰り返す恐れが低下する利益がある。スリップ事象の反復は走行路面を傷め、路面への車の十分な対処を困難化させ得る。例えば、車の一団が滑り易い地形を走行し、先頭車の車輪にスリップ事象が繰り返し発生することで路面が傷むと、後続車は先頭車を原因とする地形変化のせいでこの地形への対処はより困難なものとなろう。スリップ事象後に車を新規設定速度に加速させる間のパワートレイントルク増加率を制限することで、スリップ事象が繰り返し発生する恐れは低下され得る。
車を休止状態から加速させる際に車輪スリップ事象を生ずるある実施形態もまた有益であり得る。例えば、車を休止状態から設定速度(あるいは最低運転速度)に加速させる際に車輪スリップ事象が生じ、スリップ事象が終息するまで車の加速が中断され得る。
【0106】
ある実施形態ではLSP制御システム12は、車の追従輪が、先行輪がスリップした地形部分を通過するに要する相当距離走行すると、先行輪の関与するスリップ事象後の加速再開を許可するように構成される。これにより、追従輪が過剰な車輪スリップを起こす恐れが低下する。ある実施形態では、この距離は、車のホイールベース長に比例したものであり得る。この距離は、ある実施形態の車のホイールベース長に実質的に等しいものであり得る。
【0107】
ある実施形態ではLSP制御システム12は、車100の加速が中断されている時間長でさえ、ユーザーによる設定速度変更要求入力を受けるように作動自在である。しかしながら、本実施形態ではLSP制御システム12は、加速中断が解除されるまで新規設定速度への加速を試行しない。この特徴によりドライバーは、加速が中断されている時間長でさえ、現行の運転状況に従い設定速度を更新させてドライバー作業量を低下させ得る。その他構成も有益である。
上述した実施形態は単に例示目的上のものであるって、これに限定しようとするものではなく、それらの範囲は付随する請求項において定義されるものである。
【0108】
本発明の実施形態は番号付けした以下の記載により理解され得る。
1.複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受けるステップ、
車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドするステップ、
を含み、
システムが、目標速度を実現するために車を加速させる必要時に車輪スリップ事象を検出すると車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作動自在である車速制御システム。
2.所定の1つ又は1つ以上の条件が合致すると車の加速を自動再開させるよう構成される番号1に記載の車速制御システム。
3.所定の1つ又は1つ以上の条件が、スリップ事象が終息したこと、車が、1つ又は1つ以上の先行輪の関与するスリップ事象の終息から所定距離あるいは所定時間長移動したこと、の中から選択される番号1に記載の車速制御システム。
4.所定の1つ又は1つ以上の条件が、車が、1つ又は1つ以上の先行輪の関与するスリップ事象の終息から所定距離移動したことを含み、所定距離が、車の先行輪及び追従輪の間の距離に相当し、あるいは、車が、1つ又は1つ以上の先行輪の関与するスリップ事象の終息から所定時間長移動したことを含み、所定時間長が、車の追従輪が、1つ又は1つ以上の先行輪が関与するスリップ事象が終息した位置に到達するに要する時間に相当する番号3に記載の車速制御システム。
【0109】
5.それ以降の加速が一時的に中断されると実質的に一定速度を維持するように構成される番号1に記載の車速制御システム。
6.実質的に一定速度が、スリップ事象検出時の車の走行速度に相当する番号5に記載の車速制御システム。
7.加速を所定加速度で再開させるよう構成される番号1に記載の車速制御システム。
8.所定の加速度が、スリップ事象検出時の車の加速度に相当する番号7に記載の車速制御システム。
9.走行する車の現在速度を判定し、
現在速度と目標速度とを比較してその差を表す出力を提供し、
出力に基づいて車の少なくとも1つの車輪への付加トルクを評価するように作動自在の番号1に記載の車速制御システム。
10.車の少なくとも2つの車輪へのトルク付加を実質的に同時にコマンドするよう作動自在の番号9に記載の車速制御システム。
11.車の少なくとも4つの車輪へのトルク付加を実質的に同時にコマンドするよう作動自在の番号10に記載の車速制御システム。
12.現在速度が所定閾値速度以上であると判定すると車速制御システムの作動を防止するよう作動自在の番号9に記載の車速制御システム。
13.所定閾値速度が25〜35km/hの間のものである番号12に記載の車速制御システム。
14.所定閾値速度が実質的に30km/hである番号13に記載の車速制御システム。
【0110】
15.所定閾値速度が第1の低速側閾値速度であり、車速制御システムが、
車の現在速度を第2の高速側閾値速度と比較し、現在速度が第2の高速側閾値速度未満であるときは車速制御システムを待機状態に保持し現在速度が第1の低速側閾値速度以下に低下した場合においてのみ車速制御を開始させるように更に作動自在である番号12に記載の車速制御システム。
16.車速を所定閾値速度以上に維持するように作動自在のクルーズコントロールシステムを更に含む番号12に記載の車速制御システム。
17.クルーズコントロールシステムが、スリップ検出出力信号を受けるとシステムの作動を中断するように作動自在の番号16に記載の車速制御システム。
18.車を走行させる地形の特性を検出し、
目標速度が、車を走行させる地形の特性に適切であるかを判定し、
目標速度が適切であると判定されたときにおいてのみ、複数の車輪の少なくとも1つへのトルク付加をコマンドすることにより目標速度を維持するように作動自在である番号1〜17の何れかに記載の車速制御システム。
19.複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加し、
車の動作時において1つ又は1つ以上の車輪の何れかと、車の走行する路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象を検出するときはスリップ検出出力信号を提供し、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受け、
目標速度を実現するべく車を加速させる必要時にシステムがスリップ事象を検出するときは、システムが、スリップ事象がもはや検出されなくなるまで車のそれ以降の加速を一時的に中断させるように作動自在である車速制御システム。
【0111】
20.スリップ事象がもはや検出されなくなると、スリップ事象検出時の車の加速度に実質的に等しい加速度で車の加速を再開させるように作動自在の番号19に記載の車速制御システム。
21.番号1に記載の制御システムを含む車。
22.複数の車輪を有する車の速度を制御する方法であって、
複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加するステップ、
車の動作時に1つ又は1つ以上の車輪の何れかと、車が走行する路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象検出時にはスリップ検出出力信号を提供するステップ、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受けるステップ、
車を目標速度に加速させるステップ、
を含み、
車輪のスリップ事象を検出すると、車のそれ以降の加速を一時的に中断させるステップを含む方法。
23.スリップ事象がもはや検出されないときは車の加速を再開させるステップを含む番号22に記載の方法。
24.スリップ事象検出に引きつづいて車の加速を再開させるステップを含み、当該ステップが、スリップ事象が最初に検出された時の加速度に相当する加速度で車の加速を再開させるステップを含む番号22に記載の方法。
25.複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、を含み、目標速度を実現するべく車を加速させる必要時にシステムがスリップ事象を検出するときは、スリップ事象検出時の車の走行時の車速に実質的に等しい値に車速を一時的に維持するように作動自在である車速制御システム。
【0112】
上述した実施形態は例示目的のみのために説明されたものであって、これに限定しようとするものではなく、それらの範囲は付随する請求の範囲に定義される。
本明細書の説明及び請求の範囲を通して、“含む”及び“収納する”及びそれらの派生語、例えば、“包んでいる”や“含み”は、“含むがこれに限定されない”ことを意味するものであって、その他部分、付加物、コンポーネント、整数、あるいはステップを除外しようとするものではない。
本明細書の説明及び請求の範囲を通して、文脈上他の意味に解釈する必要がある場合を除き、単数形は複数形を包含するものとする。詳しくは、不定冠詞が用いられる場合、文脈上他の意味に解釈する必要がある場合を除き、明細書における単数形は複数形を包含するものとする。
本発明の特定の様相、実施形態あるいは例に関連して記載される特徴、整数、特性、配合物、化学成分あるいは群は、それらとの非互換性を有さない限り、ここに記載した任意のその他様相、実施形態あるいは例に適用し得るものとする。
【符号の説明】
【0113】
11 パワートレイコントローラ
12 LSP制御システム
13 SCS14ブレーキコントローラ
16 クルーズコントロールシステム
22 制動システム
22 基礎ブレーキシステム
28 コンパレータ
30 出力信号
34 車輪速度センサ
36 測定車速
38 目標車速
40 エバリュエータユニット
42 出力
48 車輪スリップ信号
111−115 車輪
118 前方駆動シャフト対
121 エンジン
124 変速機
129 パワートレイン
130 補助駆動ライン
132 プロップシャフト
135 後方ディファレンシャル
137 前方ディファレンシャル
139 後方駆動シャフト対
161 アクセルペダル
163 ブレーキペダル
170C ステアリングコントローラ
171 ステアリングホイール
172 LSP制御ボタン
173 “設定速度”制御装置
173R レジュームボタン
174 “+”制御装置
175 “−”制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8