【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は付随する請求の範囲を参照して理解され得る。
本発明の様相によれば、システム、車及び方法が提供される。
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、を含み、システムが、車を加速して目標速度を実現させる必要時及び車輪スリップ事象検出時に車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作動する構成を有する車速制御システムが提供される。かくして、ユーザーが設定した目標速度へのそれ以降の車速増加が防止される。
【0011】
本発明の他の様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、車の1つ又は1つ以上の車輪へのトルク付加をコマンドする手段、を含み、システムが、車を加速して目標速度を実現させる必要時及び車輪スリップ事象検出時に、車輪のスリップ事象検出時における走行速度に実質的に等しい車速に一時的に維持させるよう作動する構成を有する車速制御システムが提供される。かくして、ユーザーが設定した目標速度へのそれ以降の車速増加が防止される。
システムは、目標速度に達すると、1つ又は1つ以上の車輪のスリップが所定値を越えていることを表すスリップ検出出力信号とは無関係に車をこの目標速度に維持するよう作動自在であり得る。
【0012】
クルーズコントロールシステムとしても知られるような既存の車速制御システムのオフロード使用を不適合化する特徴は、それらシステムでは車が1つ又は1つ以上の車輪のスリップ事象を検出すると速度制御がキャンセルされることである。既存のシステムはアンチロック制動システム(ABS)、トラクション制御システムあるいは安定制御システムあるいはその他の作動時にもキャンセルされる。既存のクルーズコントロールシステムの取る手法は高速道路上をドライブする上では全く適切であろうが、これらの“オンハイウェイ”型のクルーズコントロールシステムは、運転速度が代表的にはずっと遅く、しかも地形特性変化により頻繁にスリップ事象を生じる大抵のオフロード走行状況時に用いるには信頼性に乏しく且つ全く不適切なものである。
言い換えれば、車輪スリップが珍しくない悪い且つ滑り易い状況でのオフロード走行時はオンハイウェイ型のクルーズコントロールシステムは機能しない。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の一つの利益は、車が走行している場合はユーザーによるペダル入力を要すること無く、車を進行させる極めて低速の目標速度を選択可能とする速度ベースの制御が提供されることであり、更には、車のスリップ制御機構の作動時にも制御が無効化されないことである。詳しくは、これにより車輪が比較的頻繁にスリップし得る滑り易いあるいは凍結地形等であるが、しかも車を低速走行させることが尚、所望される運転状況での車速制御が可能となる。
【0014】
本発明の他の利益は、ユーザーが車速調節に集中しなくて済むためにルートプランニングや障害物回避等の交通的局面に注意を向け易くなることである。この点は、車の走行地形が、ユーザーが更に注意を集中する必要のある、例えば、オフロード地形(砂、岩、砂利等の)、あるいは氷又は雪、あるいは車による深水通過等の走行困難なものである場合は特に有益である。
【0015】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
複数の車輪の少なくとも一つにトルクを付加する手段、
車の動作時に車輪の1つ又は1つ以上のいずれかと、車が走行する地形上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、
を含み、システムが、車を目標速度を実現させるべく加速するよう要求され、次いで車輪のスリップ事象を検出すると、車の加速を一時的に中断させるように構成される車速制御システムが提供される。
【0016】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、
複数の車輪の少なくとも一つにトルクを付加する手段、
車の動作時に車輪の1つ又は1つ以上のいずれかと、車が走行する地形上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、
車を走行させる目標速度のユーザー入力を受ける手段、
を含み、システムが、車を目標速度を実現させるべく加速するよう要求され、次いで車輪のスリップ事象を検出すると、車を、スリップ事象検出時の車速と実質的に等しい車速に一時的に維持させるように構成される車速制御システムが提供される。
【0017】
この特徴は、車が走行する路面の傷みを低減させ得る利益がある。これは、制御システムが、路面が少なくとも一時的に車の所望の加速度を支持し得ないと認識するからである。制御システムはこれに応答して、目標速度への車の走行速度加速を中断させ、スリップ事象を最初に検出した時点の速度と実質的に等しい速度に走行速度を維持する。
車輪スリップ事象とは、1つ又は1つ以上の車輪のスリップ量が所定値を越える場合を意味するものとする。
有益には本システムは、所定の1つ又は1つ以上の条件に適合すると車の加速を自動再開させる構成を有し得る。
所定の1つ又は1つ以上の条件は、スリップ事象の終息、車が、1つ又は1つ以上の車輪に関与するスリップ事象終息時点からの所定距離あるいは所定時間長走行、及び、1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息時点からの車の所定距離あるいは所定時間長移動、の中から選択したものであり得る。
【0018】
先行輪とは、車の走行方向に関して追従輪より前方の車輪を意味するものとする。
有益には、所定の1つ又は1つ以上の条件には、車の1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息時点からの所定距離にして、車の先行輪と追従輪との間の距離に相当する所定距離(この距離に実質的に等しい距離、あるいはその1.5倍、2倍、あるいはその他好適な値における倍数値等の)の移動、あるいは、1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息時点からの所定時間長にして、1つ又は1つ以上の先行輪に関与するスリップ事象終息地点に追従輪が到達するに要する時間長に相当する所定時間長の移動を含み得る。所定時間長は、車が先行輪と追従輪との間に実質的に等しい距離移動するのに必要な時間、あるいはその1.5倍、2倍、あるいはその他好適な値における倍数値等の時間長に相当し得る。
【0019】
この特徴は、車の追従輪が単数あるいは複数の先行輪のスリップが終了した位置に到達するあるいは通過するまで、1つ又は1つ以上の駆動輪への正味のトルク増加要求が再開されない利益がある。これにより、単数あるいは複数の追従輪が、先行輪がスリップを生じたと同じ地形領域上でスリップする恐れが低減される。追従輪が先行輪におけると同じ地形領域でスリップするとその領域の傷みが進み、後続車がそこを通過するのが更に困難となり得る。
【0020】
システムは、それ以降の加速が一時的に中断されると実質的に一定速度を維持するよう構成され得る。
有益には、実質的に一定の速度は、スリップ事象検出時の車の走行速度に相当し得る。
システムは所定加速度を再開するよう構成され得る。
所定加速度は、スリップ事象検出時の車の加速率に相当し得る。
【0021】
言い換えると、システムは車の加速度を、最初のスリップ事象検出時点に車が受ける加速度に制限し得る。かくして、システムは加速度がこの加速度を超えないことを保証する。
有益には、車速を目標速度に維持する手段は、現在の車の走行速度を判定する手段、現在速度を目標速度と比較し、現在速度と目標速度との差を表す出力を提供する手段、この出力に基づき、車の少なくとも一つの車輪に付加するトルクを評価する手段、を含む。
【0022】
制御システムは、車の少なくとも2輪への実質的に同時のトルク付加をコマンドするよう作動自在であり得る。
制御システムは、車の少なくとも4輪への実質的に同時のトルク付加をコマンドするよう作動自在であり得る。
【0023】
システムは、現在速度が所定閾値速度を超えると判断すると車の制御システムの作動を妨害する手段を更に含み得る。
所定閾値速度は25〜35km/hであり得る。
所定閾値速度は実質的に30km/hであり得る。
【0024】
有益には、所定閾値速度は第1の低速側閾値速度であり、車速制御システムは、現在車速を第2の高速側閾値速度と比較し、現在車速が第2の高速側閾値速度未満であるときは車速制御システムを待機状態にホールドし、現在車速が第1の低速側閾値速度以下に低下した場合においてのみ車速制御を開始させる手段を更に含む。
【0025】
更に有益には、システムは、速度が第2の高速側閾値速度を超えるとキャンセル状態を取るよう作動自在であり得る。このキャンセル状態は、システムがキャンセル状態の時に速度がその後第1の低速側閾値速度以下に低下すると車速制御が開始されない点で、待機状態とは相違する。
車速制御システムは、所定閾値速度以上に車速を維持するよう作動自在のクルーズコントロールシステムを更に含み得る。
【0026】
クルーズコントロールシステムは、スリップ検出出力信号を受けると車の加速を中断させる手段を含み得る。ある実施形態では加速は、スリップ検出信号が所定閾値を超えたスリップを表す場合に中断され得る。
【0027】
システムは、車を走行させる地形の性質を検出する手段、目標速度が、車を走行させる地形の性質に対して適切であるかを判断する手段、システムが目標速度が適切であると判断された場合においてのみ、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加するようコマンドして目標速度を維持する手段、を更に含み得る。随意的にはシステムは、適切な目標速度を決定し、適切な目標速度がユーザーの設定した目標速度より低い場合は適切な目標速度に車を維持するように作動自在であり得る。
【0028】
随意的には制御システムは、検出した地形特性、例えば、所定の地形分類に従う特性に基づき、値セットを越えるスリップ事象の検出時においてのみ加速を中断させるよう構成され得る。例えば、砂地走行に好適なモードでは加速度は、路面をずっと傷め易い草地走行に適したモードにおけるそれよりずっと高いスリップ値で中断され得る。
【0029】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加する手段、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車を走行させる路上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、車を走行させようとする目標速度のユーザー入力を受ける手段を含み、システムが、車を目標速度に加速させる必要時における目標速度を実現させるべく車を加速する間に車輪のスリップ事象を検出するとシステムが車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作働し得る車速制御システムが提供される。
【0030】
制御システムは、スリップ事象がもはや検出されなくなるまでそれ以降の加速を中断させ得る。
制御システムは、車が移動中であると判断するときにおいてのみ、加速を中断させるように構成され得る。
【0031】
システムは、スリップ事象がもはや検出されなくなると、スリップ事象を検出した時点における車の加速度を超えない加速度で加速を再開させるよう作動自在であり得る。
システムは、新規の目標速度に達する以前は、再開された加速度を超えさせないように構成され得る。
【0032】
システムは、車輪と走行路面との間の表面摩擦係数を監視するよう作動自在であり得る。システムは、表面摩擦係数が所定値を越えると判断すると前記制限を付与することなく、車の加速を許容するように作動自在であり得る。現在の走行路面は現在可能とされる以上に高い加速度を支持し得ると判断すると、システムは、スリップ事象の最初の検出時に車が受けた加速度を超える率では車が加速し得なくなる制限を撤廃させ得る。システムは尚、安全目的上、許容最大加速度を、例えば1.25ms
-2に制限し得る。その他値も有益である。
【0033】
随意的にはシステムは、車を走行させる地形特性に基づいて車の許容加速度制限を付与し得、地形特性は、ある実施形態では制御システムにより自動検出され得、あるいはユーザーが手動設定できる。
【0034】
システムは、スリップ事象がもはや検出されなくなると、スリップ事象を検出した時点における車の加速度に実質的に等しい加速度を再開させるよう作動自在であり得る。
本発明の更に他の様相によれば、先の様相に従う制御システムを含む車が提供される。
【0035】
本発明の尚他の様相によれば、複数の車輪を有する車の速度を制御する方法であって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付与するステップ、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車の動作時に車の走行路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象検出時にはスリップ検出出力信号を提供するステップ、車を走行させる目標速度のユーザー入力を受けるステップ、及び車を目標速度を実現するよう加速させ、次いで車輪のスリップ事象を検出すると車のそれ以降の加速を一時的に中断させるステップを含む方法が提供される。
【0036】
車のそれ以降の加速は、車を加速させるために1つ又は1つ以上の車輪に付加されるパワートレイントルクの増加を中断させることにより中断され得る。その他構成も有益である。
【0037】
本発明の更に尚他の様相によれば、複数の車輪を有する車の速度を制御する方法であって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加するステップ、車の動作時において、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車を走行させる路面との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象を検出するとスリップ検出出力信号を提供するステップ、車を走行させたい目標速度のユーザー入力を受けるステップ、目標速度を実現するよう車を加速し、次いで車輪のスリップ事象を検出すると車速をスリップ事象検出時における車の走行速度に実質的に等しい速度に維持するステップを含む方法が提供される。
【0038】
本方法は、スリップ事象がもはや検出されないと車の加速を再開するステップを含み得る。加速は、1つ又は1つ以上の車輪へのパワートレイントルク付加を増加させる要求を再開させることで再開され得る。その他構成も有益である。
本方法は、スリップ事象検出に引き続き、スリップが最初に検出された時点におけるそれに相当する加速度を再開させるステップを含み得る。
【0039】
本発明の1様相によれば、複数の車輪を有する車の速度制御システムであって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付与する手段、車輪の1つ又は1つ以上の何れかと、車を走行させる路上との間のスリップ事象を検出し、スリップ事象時にはスリップ検出出力信号を提供する手段、及び車を走行させようとする目標速度のユーザー入力を受ける手段を含み、システムが、目標速度実現のための車の加速を要求され、次いで車輪スリップ事象を検出すると、車のそれ以降の加速を一時的に中断させるよう作動自在である速度制御システムが提供される。
システムは、車をスリップ検出出力信号とは無関係に目標速度に維持する手段を含み得る。
【0040】
本発明の1様相によれば、オフハイウェイ状況で作動自在の速度制御システムであって、システムが車を新規設定速度に加速させる際に所定値を越えるスリップ事象を検出すると、車の1つ又は1つ以上の車輪への路面上で所定設定速度を維持するために必要なトルク付加要求をパワートレインにコマンドし、新規設定速度への車の加速時に所定値を越えるスリップを検出するとシステムは加速を自動的に中断させる速度制御システムが提供される。
本発明の更に他の様相によれば、オフハイウェイ状況で作動自在の速度制御システムであって、路上での所定設定速度を維持するために必要なトルクを車の1つ又は1つ以上の車輪に付加させるようパワートレインにコマンドし、車を新規設定速度に加速する際に所定値を越えるスリップ事象が生じると、システムは所定値を越えるスリップを検出した速度に車速を自動維持するよう作動自在である速度制御システムが提供される。
【0041】
本発明の更に他の様相によれば、オフハイウェイ状況で作動自在の速度制御システムであって、路上での所定設定速度を維持するために必要なトルクを車の1つ又は1つ以上の車輪に付加させるようパワートレインにコマンドし、車を新規設定速度に加速する際に所定値を越えるスリップ事象が生じると、システムは所定値を越えるスリップを検出した速度に車輪速度を自動維持するよう作動自在である速度制御システムが提供される。この作用は車の車輪スリップが所定値未満となる時点まで実施され得、前記時点でシステムは車の新規設定速度を達成させるよう加速を制御し得る。
【0042】
先に記載した各様相において、システムはスリップ事象が終了すると加速を再開させるように作動自在であり得る。スリップ事象終息は、システムのアクティブ時、即ち、スリップを低下させるためのシステムの介入時に、トラクションコントロールシステム(TCS)あるいは安定制御システム(SCS)によるフラグセット等の好適な信号を参照して判断され得る。TCSあるいはSCSフラグが、TCSあるいはSCSシステムがもはやアクティブではないことを示すと、オフロード速度制御システムは車の加速を再開し得る。ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、中でも、車輪の過剰なスリップがもはや検出されなくなってからの所定時間長及び所定距離から選択した何れかにおいて加速を再開し得る。その他構成も有益である。その他サブシステムからの信号フラグも有益であり得る。
【0043】
ある実施形態では、車が段差を登坂あるいは対処中であることを検出すると、オフロード速度制御システムは、段差に対処し終えるまで、段差遭遇時における速度と同じ速度に車速を維持するよう作動自在であり得る。ある実施形態ではシステムは、1つ又は1つ以上の追従輪、のみならず1つ又は1つ以上の先行輪が段差に対処し終えるまで車速を維持し得る。
【0044】
ある実施形態では、渡渉事象を検出すると、前方からの波への対処や車の制御性を高めるために加速が制限され得る。
ある実施形態では、オフロード速度制御システムの、車の1つ又は1つ以上の追従輪(車が前方に移動する場合は後輪)で検出されたスリップ(あるいは段差)事象への対応は、1つ又は1つ以上の先行輪(車が前方に移動する場合は前輪)で検出されたスリップ事象に対するそれとは相違し得る。
【0045】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、車の速度及びホイールベースに比例する時間での1つ又は1つ以上の先行輪のスリップ事象(あるいは段差の出現)の認識に基づき、1つ又は1つ以上の追従輪がスリップ(及び又は、ある実施形態では段差と遭遇)しそうであると予測するように作動自在であり得る。速度制御システムは、1つ又は1つ以上の追従輪のスリップあるいは段差乗り越えを、追従輪のスリップによる車の加速への影響を低減させる様式において対処するよう作動自在であり得る。特定の滑り易い路面パッチを同じ側の前後輪が共に通過してスリップが発生すると車の加速は低下され得る。ユーザー要求に応答する車の加速はグリップが回復するまで低下され得る。かくして、ある実施形態では速度制御システムは、スリップ事象が発生した、あるいは段差に対処した場所を追従輪が通過し得るに十分な所定時間長あるいは距離における高速への車の加速を中断させる。
【0046】
本発明のある実施形態は、速度制御システムが車を加速させようとする際は車の加速に対する車輪のスリップの影響が低下され得る利益がある。ある実施形態では車のゆとりが実質的に改善され得る。これは、少なくとも部分的には、1つ又は1つ以上の先行(ある実施形態では追従)輪のスリップ量が、1つ又は1つ以上の先行輪のスリップ検出時に加速が中断されることで低減され得るためである。更には、ある実施形態では、1つ又は1つ以上のスリップ事象のせいでオフロード路面が受ける傷みの度合いが減少され得る。
【0047】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、車がエンジンの失速を回避し且つ好適な進行を維持するに適切なギヤで低速でオフロードを走行することが保証されるよう、ギヤ及び又はギヤ比選択を制御する、あるいはそうでなければ影響するように作動自在であり得る。
【0048】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、きつい勾配上の障害物対処時においてさえ車のゆとりを最適化するよう、降坂制御(HDC)/坂道発進補助(HHA)システムと共に作用するよう作動自在であり得る。ある実施形態では、車の走行勾配が前決定値より大きい、及び又は、速度が前決定閾値以下である場合は、HDC/坂道発進補助(HHA)システムの制動コマンドがオフロード速度制御システムのコマンドを無効化するあるいはそうでなければそれに優先される。
【0049】
ある実施形態では、車を現在クルーズ速度から変更された設定速度に加速する際に用いる加速度は、地形応答システムが地形モードに基づいて表示する前設定された性能特性に影響され得る。
ある実施形態では車は、前後何れかの走行方向においてオフロード速度制御モードで運転され得る。
【0050】
本発明の更に他の様相によれば、複数の車輪を有する車用の車速制御システムであって、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加する手段、車を走行させたい目標速度のユーザー入力を受ける手段、車を運転する地形特性を判断する手段、目標速度が車が走行する地形特性に適切であるかを判断する手段を含む速度制御システムが提供される。車速制御システムは、目標速度が適切であると判断される場合においてのみ、複数の車輪の少なくとも1つにトルクを付加して車を目標速度に維持する手段を更に含む。システムは、目標速度を実現するための加速が要求され、次いで車輪のスリップ事象を検出すると、車の加速を一時的に中断させるよう作動自在である。加速は、車を加速させるためのそれ以降のトルク付加を中断させることにより中断され得る。
【0051】
先に記載したように、ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、ユーザーからの車の加速要求への応答時にスリップ事象を検出すると、車速を一時的に保持する、あるいは車の加速を一時的に中断させる構成とされる。ある実施形態では車速は車が最初にスリップ事象に遭遇した時点の速度に保持される。ある実施形態ではシステムは、スリップ事象が終息した場合においてのみ、ユーザが選択した高い設定速度への車の加速を再開させる構成を有する。
【0052】
こうして、オフロード速度制御システムは設定速度増加を受け入れるが、しかし、トラクションが許す設定速度の達成のみを試行する。
ある実施形態では車輪速度が、車輪スリップが約5%〜20%の量等の所定量に制限されるように低下される。その他の量も有益である。この量は、車速、車輪の動き、車の姿勢、及び又は、選択したTRモードに対して敏感であり得る。その他パラメータを追加あるいはそれに代えても有益である。
【0053】
ある実施形態では、車輪速度低下後に1つ又は1つ以上の車輪のスリップが尚発生する場合は、車輪スリップが先に記載した所定量内に低下するよう、車輪速度が更に低下される。
【0054】
ある実施形態では速度制御システムは、車が恐らく勾配を横切るあるいは横断中であることを検出するように作動自在であり得る。あるシナリオでは、車が車の左側に上る勾配を横断すると、1つまたは1つ以上の上り坂側の前後等の各左側車輪が受ける車の負荷は前後の各右側車輪の受けるそれより軽い。この例では、左側車輪がスリップして傾斜センサあるいはその他センサの出力が坂が車の左側への上り坂であることを表示すると、速度制御システムは車速を、恐らくユーザー設定速度(ユーザー設定速度値に依存する)の所定値以下へと一時的に減速させ得る。
【0055】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、1つ又は1つ以上の先行輪のスリップ事象(あるいは段差の出現)に基づき、車の車速及びホイールベースに比例した時間に1つ又は1つ以上の追従輪にスリップ事象(及び又は、ある実施形態では段差との遭遇)が生じることを予測するように作動自在であり得る。速度制御システムは、追従輪におけるスリップによる車の加速への影響を低減させるような様式下の如きにおいて、1つ又は1つ以上の追従輪でのスリップ又は段差乗り越えに対処するように作動自在であり得る。仮に前後の同じ側のタイヤが共に特定の滑りやすい路面パッチ上を通過してスリップを生じると車の加速が悪化し得る。グリップが回復するまではユーザーの要求に応じた車の加速は損なわれ得る。
【0056】
本発明の実施形態は、速度制御システムが車を加速させようとする際の車輪スリップによる車の加速への影響が低減され得る利益がある。ある実施形態では車のゆとりが実質的に改善され得る。これは少なくとも部分的には、1つ又は1つ以上の先行輪(ある実施形態では追従輪)のスリップ量が、そのスリップの検出時に加速を中断させることにより減少され得ることによるものである。更には、ある実施形態では、1つ又は1つ以上のスリップ事象のせいでオフロード路面が受ける損傷度が低減され得る。
【0057】
ある実施形態ではオフロード速度制御システムは、車がエンジンの失速を回避し且つ好適な進行を維持するに適切なギヤで低速でオフロードを走行することが保証されるよう、ギヤ及び又はギヤ比選択を制御する、あるいはそうでなければ影響するように作動自在であり得る。
【0058】
本発明の1様相に従うシステムにおいて、スリップ事象検出によりシステムが車のそれ以降の加速を一時的に中断させている時間長の間にユーザーが目標速度増加を要求すると、システムは設定速度増加を受け入れるように作動自在であり得る。しかしながら、システムは新規設定速度への車の加速試行を一時的に遅延させ得る。システムは、トラクションが加速再開を許容するまで、新規設定速度への車の加速試行を遅延させ得る。その他構成も有益である。
【0059】
本発明の1様相に従う方法において、スリップ事象検出によりシステムが車のそれ以降の加速を一時的に中断させている時間長の間にユーザーが目標速度増加を要求すると、本方法は設定速度増加を受け入れるステップを含み得る。しかしながら本方法は新規設定速度への車の加速試行を一時的に遅延させるステップを含み得る。本方法は、上述の通りトラクションが加速再開を許容するまで、新規設定速度への車の加速試行を遅延させるステップを含み得る。その他構成も有益である。
【0060】
本件出願の範囲内において、請求項、及び又は以下の記載及び図面に記載する色々な様相、実施形態、例及び変更例、詳しくはそれらの個別の特徴は独立、あるいは任意組み合わせにおいて提供され得るものとする。例えば、ある実施形態を参照して記載された特徴はそれら特徴に互換性がない以上、全ての実施形態に適用し得るものとする。