(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226989
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】最適治療パラメータ判定法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
A61N1/36
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-531904(P2015-531904)
(86)(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公表番号】特表2015-528371(P2015-528371A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】US2013000211
(87)【国際公開番号】WO2014042670
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2016年8月12日
(31)【優先権主張番号】61/744,085
(32)【優先日】2012年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515067077
【氏名又は名称】ローズ、ドナルド, エイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】ローズ、ドナルド, エイ.
【審査官】
石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−519704(JP,A)
【文献】
特表2009−541010(JP,A)
【文献】
特開2003−102692(JP,A)
【文献】
特開2012−070777(JP,A)
【文献】
特開2004−267325(JP,A)
【文献】
特表2008−500113(JP,A)
【文献】
特表2009−538173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の場所での患者に対し行われる家庭用干渉波型電気治療レジメンに係る干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法であって、
一対の電極を前記第1の場所における患者の相対する肢の選択部位にそれぞれ外部から適用し、当該一対の電極を通じて、前記第1の場所における電子デバイスによって生成された、一対の電極位置に関しビート周波数の干渉波型電気治療パラメータを各々が含む一連の干渉波型電気治療用試行信号を送信する工程と、
前記干渉波型電気治療パラメータの各々に起因する前記患者の自律神経系活動に応じた生体機能を測定し、測定結果を、当該生体機能を示す数値に変換する工程と、
前記数値の各々と、望ましい生体機能を示す所定の数値とを比較する工程と、
前記数値の各々が前記所定の数値以上であるか否かを判定し、当該所定の数値以上の数値をもたらした干渉波型電気治療パラメータを特定する工程と、
前記電子デバイスに対し、前記数値のデータと、前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータのデータと、特定された前記干渉波型電気治療パラメータのデータとを格納する工程と、
前記第1の場所に対し直近でない程度に離れた第2の場所における別の電子デバイスに対し格納データを電子的に送信する工程と、
前記第1の場所において、次の治療レジメンに則って前記患者に対し前記一対の電極を通じて干渉波型電気治療用信号が適用されるに先立って、前記格納データから、前記所定の数値以上の数値をもたらしたと特定された前記干渉波型電気治療パラメータを選択する工程と、
前記第1の場所及び前記第2の場所において、前記数値の前記格納データと、前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータの前記格納データと、前記所定の数値以上の数値をもたらしたと特定された前記干渉波型電気治療パラメータの前記格納データとをモニタし、前記格納データから、特定された前記干渉波型電気治療パラメータが前記所定の数値以上の数値をもたらしたか否かを判定する工程と、
を備えたことを特徴とする干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項2】
前記データを格納する工程は、
前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータと、前記所定の数値以上の数値をもたらしたと特定された前記治療パラメータとの各々を適用する日時情報を格納する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項3】
前記電子的に送信する工程は、
前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータと、前記所定の数値以上の数値をもたらしたと特定された前記治療パラメータと、の日時情報をともなう前記格納データを前記電子デバイス及び前記別の電子デバイスに送信することによって、特定された前記干渉波型電気治療パラメータが前記所定の数値以上の数値をもたらしたか否かを前記格納データから判定するために、前記所定の数値以上の数値に該当する前記格納データを双方の電子デバイスにおいてモニタする工程を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項4】
前記第1の場所は前記患者の住居を含み、前記第2の場所は専門家のオフィスを含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項5】
前記生体機能を測定する工程は、指の温度を測定する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項6】
前記判定する工程は、選択した前記治療パラメータが適用されて、4分間未満で華氏1度以上の指の温度の上昇をもたらすか否かを判定することによって、効果的な治療レジメンを構成する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項7】
前記一連の干渉波型電気治療用試行信号を送信する前に、前記患者の指の温度を経時にわたって測定し、指の温度の変化速度が所定値を下回ると、前記一対の電極を通じて前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の送信を開始することによって、前記患者の最初の指の温度を室温と等しくする工程を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項8】
前記変化速度の前記所定値は、1分間当たりおよそ華氏1度以上の変化であることを特徴とする請求項7に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定方法。
【請求項9】
第1の場所での患者に対し行われる干渉波型電気治療レジメンに係る干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システムであって、
前記第1の場所における患者の相対する肢に一時的にそれぞれ外部から取付けられるように構成された一対の電極、及び、当該一対の電極を通じて、一対の電極位置に関しビート周波数の干渉波型電気治療パラメータを各々が含む一連の干渉波型電気治療用試行信号を送信する前記第1の場所における電子デバイスと、
前記干渉波型電気治療パラメータの各々に起因する前記患者の自律神経系活動に応じた生体機能を測定するセンサと、
を備え、
前記電子デバイスは、
前記センサに応じて測定した前記生体機能を示す数値を計算するように構成され、
前記数値と、望ましい生体機能を示す所定の数値とを比較するように更に構成され、
前記数値が前記所定の数値以上であるか否かを判定可能とするように更に構成され、
前記数値のデータと、前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータのデータと、前記所定の数値以上の数値に該当する干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータのデータとを格納するように更に構成され、
前記数値の前記格納データと、前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータの前記格納データと、前記所定の数値以上の数値に該当する干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータの前記格納データとを、前記第1の場所に対し直近でない程度に離れた第2の場所における別の電子デバイスに対し電子的に送信するように更に構成され、
次の治療レジメンに則って前記患者に対し前記一対の電極を通じて干渉波型電気治療用信号が適用されるに先立って、前記所定の数値以上の数値をもたらした前記干渉波型電気治療パラメータを選択可能とするように更に構成され、
前記電子デバイス及び前記別の電子デバイスは、
前記数値と、前記一連の干渉波型電気治療用試行信号の治療パラメータと、前記所定の数値以上の数値をもたらしたと特定された前記干渉波型電気治療パラメータとをモニタするとともに、前記格納データから、特定された前記干渉波型電気治療パラメータが前記所定の数値以上の数値をもたらしたか否かを判定するように構成されている
ことを特徴とする干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システム。
【請求項10】
前記センサは、指の温度センサを含むことを特徴とする請求項9に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システム。
【請求項11】
前記指の温度センサは、前記一連の干渉波型電気治療用試行信号を送信する前に、前記患者の指の温度を経時にわたって測定するように構成され、
前記電子デバイスは、指の温度の変化速度が所定値を下回ると、前記一対の電極を通じて前記一連の干渉波型電気治療用試行信号を送信するように構成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システム。
【請求項12】
前記変化速度の前記所定値は、1分間当たりおよそ華氏1度以上の変化であることを特徴とする請求項11に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システム。
【請求項13】
前記第1の場所は前記患者の住居を含み、前記第2の場所は専門家のオフィスを含むことを特徴とする請求項9又は12に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システム。
【請求項14】
測定した前記生体機能を示す数値を提供するように構成された前記電子デバイスは、測定した前記生体機能を前記数値に変換する構成を有することを特徴とする請求項10に記載の干渉波型電気治療試行信号の治療パラメータ判定及び適用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的干渉波システムにおいて効果的な治療パラメータを判定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2006年3月14日に出願された特許文献1(その開示内容は当該特許文献番号にて援用)は、種々のパルス信号及び電極位置に係る情報を送信し、適用された治療に対する患者の反応を測定する、干渉波型電気治療におけるより良い治療パラメータの判定法を開示している。これらの治療パラメータを変更しつつ熟練の判定を下すことによって、患者に発現する病気の治療に効果的な治療パラメータセットが得られる。
【0003】
本発明と何らかの関連を有する開示が、以下に示す特許文献2−16に見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第11/374,903号
【特許文献2】米国特許第4,505,275号
【特許文献3】米国特許第6,016,447号
【特許文献4】米国特許第6,154,675号
【特許文献5】米国特許第6,698,921号
【特許文献6】米国特許出願公開第20020003832号
【特許文献7】米国特許出願公開第20070150029号
【特許文献8】米国特許出願公開第20100063564号
【特許文献9】米国特許出願公開第20100106226号
【特許文献10】米国特許出願公開第20100211135号
【特許文献11】米国特許出願公開第20100222844号
【特許文献12】米国特許出願公開第20110105916号
【特許文献13】米国特許出願公開第20110106216号
【特許文献14】米国特許出願公開第20110152974号
【特許文献15】米国特許出願公開第20110231836号
【特許文献16】米国特許出願公開第20110313488号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より効果的な治療パラメータを取得して当該治療パラメータの判定時間を短縮し、必要とされる人材の熟練度があまり高くなくても、患者自身又は当該患者の介護者に依存することにより、効果的な治療パラメータを判定することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、ソフトウェアは、より良い治療パラメータの取得用に設計されて、患者の反応が入力されると、一連の治療パラメータの適用に反応しての血流改善を患者が感じるか否かの判定結果を出力する一連の論理回路としての機能を備える。
以下に開示する方法の一つの広い用途として、先ず、第1のセットの治療パラメータを得て第1の治療に係る情報を患者あてに送信する専門的な環境で専門家が患者を治療し、次に、これに続く多くの治療を、患者の住居等の専門家のオフィス以外の場所で、患者自身又は介護者が行う。その後も、デバイスを通じての治療を行うために、新たなセットの治療パラメータを、好ましくは同じデバイス及びソフトウェアを用いて得るようになっている。
【0007】
ハードウェア及びソフトウェアは、一連の治療パラメータに対する患者の反応を自動的に取得して、この反応に係る情報を、当該治療パラメータ、当該治療パラメータが判定された時期及び方法、その他の適切な情報とともに、通常は、電子記憶媒体に格納する。同様に、時期と、治療に使用されたパラメータとについて格納してもよい。治療パラメータが適切に選択されたか否かの専門家によるチェックを可能とするために通信リンクを設けてもよい。同様に、通信リンクを用いて、治療が実際に行われたか否か、及び、最良の実務と整合する方法で且つそのような時期に行われたか否かを専門家がチェック可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】自動化されたパラメータ選択方法のフローチャートである。
【
図2】診断システムの概略図、及び、それに従って患者に電極を適用する描画図を組み合わせた図である。
【
図4】通信リンクの一つの実施形態の概略図である。
【
図5】開示する方法の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示する方法の実務では、電気的干渉パルス波の形態の電気エネルギーが患者の身体に送信される。これらの治療信号によって、開示するデバイスによりモニタ可能な患者の変化が生じる。換言すれば、電気的干渉パルス波の効果が、自律神経系の機能又は様相を検知する1以上のセンサによってモニタされる。次に、検知された患者の変化を用いて、治療ユニットの出力、及び/又は、治療器が使用する電極の配置を変更する。換言すれば、テストの結果を、当該結果に反応して治療器を調整することによって患者を治療する好ましい方法を判定するように用いる。
【0010】
健康な生命体は、十分な交感神経反応のため、多くの外的影響に対して迅速に調整可能となっている。該当する要因が消失すると、副交感神経活性が高まり、これによって全体的な自律神経活動のバランスがとられる。極めて多くの人々が過度に活発な交感神経系を有し、つまり、交感神経系は副交感神経系を圧倒しているか又は優位に立っていることが分かっている。これは多くの影響を持つ場合があり、そのうちの幾つかは議論の余地があるが、多くはそうではない。概して、過度に活発な交感神経系は、2006年1月5日に出願された米国特許出願第11/326,230号に開示されているような、1型糖尿病及び2型糖尿病、線維筋痛、双極性障害、子宮内膜症、高血圧症、その他の病気、又は、米国特許第5,995,873号に開示されている病気等の多様な症状又は病気を引き起こすか又は悪化させるかする傾向にある。
【0011】
自律神経系をモニタし、それによって、患者に対する干渉波型治療の効果を判定するために多種多様な方法を用いてもよい。好ましい方法は、指先の温度のモニタであり、これは、該当する反応が比較的速く、測定が容易であり、比較的明確であることが要因となっている。これと代替的に、又は、これに加えて、指先の温度のモニタのために、自律神経系の他の徴候、例えば、皮膚の抵抗力、脈拍数、血圧、虹彩の瞳孔の直径、呼吸数、又は自律神経系機能の任意の他の指標をモニタしてもよい。
【0012】
図1及び
図2に示されるように、患者10が、ハウジング14の内部の干渉波型電気治療デバイス12につながれている。干渉波型電気治療デバイス12は、そのより完全な説明については本明細書の後のより完全な記載において言及するが、Dynatronics, Inc.(Salt Lake City, Utah)から市販されている、事実上、従来の治療モジュール16を含むものであってよい。患者10の反応は、患者の各側の指又はつま先に取付け可能なばね式クリップに組み込まれた、好ましくはデジタル温度センサである1以上のセンサ18、20によってモニタされる。各センサ18、20は、ワイヤ22、24を介してハウジング14の内部のモジュール28に接続可能である。モジュール28は、センサ18、20からの温度検知の結果を記録し、メモリモジュール30に検知結果の値を格納し、治療モジュール16を制御して、デバイス12を別様に操作するためのデータプロセッサであってもよい。幾つかの実施形態では、メモリモジュール30は、以下述べる目的から、ハウジング14から取出し可能となっている。
【0013】
ハウジング14は、一対の電極44、44’及び46、46’にそれぞれ接続される一対の絶縁ワイヤ40、42のジャック36、38を受付け可能な一対のレセプタクル32、34を備えていてよい。好適なディスプレイ48は、センサ18、20が出力する出力値、搬送周波数、テストされるパルス周波数、処置の日時、治療の強度、治療の終了までの残り時間、特定のテストサイクル中の経過時間、テストシーケンスの結果、電極の交換時期か否かといった、他の任意の望ましい情報等の読取値を表示する。
【0014】
標準的な市販の干渉波型電気治療デバイスは、一定の搬送周波数又は最小限度に選択可能な搬送周波数を有する。主として歴史的な理由から、これらの周波数は、従来は、Dynatronics, Inc.からの交感神経治療システムでは1850Hz及び2850Hzであり、Rehabilicare Corporation(St. Paul, Minnesota)によって市販されているデバイスでは4000Hzである。このデバイスでは、搬送周波数は一定又は可変の何れであってもよい。
【0015】
デバイス12は、選択アクチュエータ50及びアップ/ダウンアクチュエータ52、54を備えていてよい。電気パルスの強度の増大が望ましい場合がある。仮にアクチュエータ52が強度を増大させるものとすると、アクチュエータ52を手動で押下してもよく、強度値を画面48に表示してもよい。所望の強度値が画面48に表示されると、選択アクチュエータ50を押下し、モジュール28に、選択された値まで強度を増大させるように命令してもよい。モジュール28は他の機能を提供してもよい。例えば、電極44、44’、46、46’は、無限に良好な検知を提供するものではない。モジュール28は、電極の交換の必要性の有無を判定するようにテストを行ってもよく、治療の回数、又は、実施されたパラメータ判定試行の回数を計数し、電極を交換するよう画面48にメッセージを表示してもよい。そのようなメッセージに反応して、選択アクチュエータ50を押下して、電極が変更されたか又はこれから変更されるというメッセージをモジュール28に送信してもよい。デバイス12は、タイマ機能、治療の時間と持続時間、及び/又は、治療パラメータの取得も含むものであってもよい。デバイス12は、オンオフスイッチ56を備えたものであってもよい。
【0016】
治療パラメータの選択において用いられる搬送周波数及びビート周波数は、アクチュエータ50、52、54によって選択してもよく、又は、プロセッサ28の内部のソフトウェアによってデフォルトの選択を提供してもよい。経験上、望ましいビート周波数の大多数が1−150拍/秒(bps)であることが示されているが、現在市販されているデバイスは1−80拍/秒しか使用しない。合理的な時間枠で最も望ましいビート周波数を見つけるように、この範囲はより小さいセグメントに分割されている。経験上、セグメントのうちの幾つか、最も多くの努力がなされた1以上の搬送周波数が、最も望ましいビート周波数を提供することが示されている。
【0017】
治療強度の増大が望ましい場合、増大アクチュエータ52が押下される。治療強度の低下が望ましい場合、低下アクチュエータ54が押下される。したがって、デバイス12が、患者の身体に治療用の電気エネルギーを送信する回路を備え、より具体的には、搬送周波数、ビート周波数、及び/又は交流タイプのエネルギーの振幅を変更するサブ回路を備えることが分かる。
【0018】
最初に実施してもよいことは、患者の指先の温度を安定させる又は患者の指先の温度の安定を確実にすることである。患者の指の温度は、多くの場合に室温に反応して変化するため、患者の指先の温度が室温に反応しないようにすることが望ましい。これは、患者の指先の最初の温度を測定するとともに、その温度が経時にわたって変わるか否かを判定することによって実現できる。短い特定の期間後、例えば1分間経過後に、最初の温度及びその後の温度を比較することによって、指先の温度の安定の有無を判定する。好適なパラメータセットは、指先の温度が1分間以内に華氏1°未満変化するときに、プロセッサ28が、温度の安定性を判定し、治療パラメータの取得が
図1に従って継続することである。
【0019】
電極は、従来のように患者の皮膚に取付けられ、つまり、自己接着性であってよい。患者の身体の上の電極の位置は、患者の身体において電気回路を確立する。図
2に示されているように、一つの方法では、一つの電極44が右内側足底神経L5の端又は終端に隣接して配置され、その対応する電極すなわち相手方44’は、左距骨(外果)の下の、左腓腹神経S1の端又は終端に隣接して配置され、それによって、患者の身体において第1の回路58を確立又は形成する。本明細書において用いられる場合、参照符号L5、S1等は、神経の標準的な医学用語である。当業者は、L5を、第5腰椎から離れるように延びる神経として認識し、S1を、第1仙椎から離れるように延びる神経として認識するであろう。
【0020】
図2に示され、記載されるような電極パターンが米国特許第5,995,873号に示されている。数百又は数千の可能性のある電極パターンがあることが理解されるであろう。上述したL5−S1パターンに加えて、好ましい手法は、全部で8つの電極となる、付加的な4つの電極を使用することであってもよい。付加的な電極は、L4−S2、L5−L4パターンで、又は足の針治療部位等に任意の好適な方法で配置してよい。
【0021】
当業者は、右内側足底神経L5の終端が、右足の底面の、およそ足の母指球に位置することを認識するであろう。左腓腹神経S1の終端は、左距骨(外果)の下に位置する。別の電極46が、右腓腹神経S1の終端に隣接して配置され、その対応する電極すなわち相手方46’が、左内側足底神経L5の終端に隣接して配置され、それによって、患者の身体において第2の回路60を確立する。デバイス12をオンにすると、電気エネルギーが回路58、60を通じて送信される。当業者は、内側足底神経L5及び腓腹神経S1が、腰部交感神経節に接続するエリアにおいて隣接する椎骨付近で脊柱に隣接して終端することを認識するであろう。
【0022】
他の神経を刺激する電極の他の配置が本発明の範囲内にあり、米国特許第5,995,873号に示されている。数千もの可能性のある電極の配置があるため、経験によって効果的な治療を多くの場合にもたらすことが示されている一つの配置を選択することによって、治療パラメータの取得を開始することが望ましい。
【0023】
図3を参照する。
図3にはMinnesota Wire Company(Saint Paul, Minnesota)から入手可能なタイプの好適な温度センサ18が示されている。センサ18は、軸66を中心に回動するように接続される一対のクリップセクション62、64を備えたものであってもよい。ばね(不図示)がセクション62、64をともに付勢する。赤外線温度センサ(不図示)又は他の好適な温度測定デバイスが、クリップセクション62、64の一方又は他方に組み込まれる。代替的には、赤外線センサ(不図示)をハウジング14において露出させて、患者が単にハウジング14に指先を置くものであってもよい。
【0024】
最初に、患者は、サーミスタが指の温度平衡を保持可能とするために、短時間、通常は約5分間、搬送周波数(単数又は複数)又はビート周波数(単数又は複数)に短時間晒されない。次に、患者は、自律神経系に対して所望の効果を生じるパラメータの効果的な、最適な、又は理想的な組み合わせを判定し、それによって好ましい治療レジメンを判定するように、最初に異なるビート周波数を用いて一連のテストに供される。これは、センサ18、20によって測定される温度を検知及び記録しながら、搬送周波数のうちの1つを用いること、及び、1−10パルス/秒等の第1の範囲の一連のパルスを送信することによって達成できる。パルスを送信する順序は任意の好適な方法であるものとしてもよい。標準的な干渉波型モジュール16は、この範囲において以下の繰り返しパターンで拍の掃引を生成する。すなわち、毎秒変化する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1である。指先の温度は、連続的に、又は例えば1分間である任意の好適な間隔で記録されてもよい。華氏71.2°の元の左手の指先の温度、及び、華氏72.6°の元の右手の指先の温度を有する女性に行った仮説の温度パターンが表Iに示されている。
【0026】
この試行の目的は、指の温度の大幅な上昇をもたらすパラメータを、これが改善された血液循環の代わりになるという前提に基づいて、判定することである。表Iは、被験者の指先の温度が3分間で約華氏0.
4°上昇した状況を示している。これは、血液循環の最小限の増大を示唆するため、プロセッサモジュール28のソフトウェアが、選択されたパルスビート周波数及び電極の配置の効果がないと結論付ける。
【0027】
モジュール28はしたがって、試行に関連する情報をメモリモジュール30に格納し、例えば、デバイス12の通し番号、試行の日時、治療のテスト及び実行中に生成されるデータの全てをメモリモジュール30に格納する。
【0028】
指の温度の上昇が華氏1°未満であり得る表Iにおけるように、最初の試行からの温度の反応が満足のいくものではない場合、第2の試行を、例えば11−20拍/秒の異なるパルス周波数を用いて開始してもよい。このプロセスを、好ましくは3分間若しくは4分間等の数分の間に少なくとも華氏1°である幾らかの最小値を超える温度上昇が得られるか、又は、幾らかの最高範囲に達するまで繰り返す。最高範囲まで各10のパルス範囲を試した後で試行が成功しなかった場合、ディスプレイ48に、異なる電極パターン及び/又は異なる搬送周波数を試すようメッセージが現れる。このプロセスを、満足のいく温度上昇が得られるまで繰り返す。試行パラメータ及び試行結果の全てがメモリモジュール30に格納される。
【0029】
実質的に改善された血流を示唆するパラメータを判定する成功した試行、すなわち、温度の反応が、数分間で華氏1°の温度上昇等の所定の閾値を上回った後で、ディスプレイ48上のメッセージに応じて又は自動的に、選択された治療信号を患者に送信してもよい。患者、介護者、又は専門家は、選択アクチュエータ50を押下することによって、デバイス12に、治療を適用するように指示してもよい。利用可能なビート周波数の配列の全てをテストした後で、どの組み合わせも、十分な循環の増大を示す十分なサーミスタの温度の上昇を生成可能でない場合、最も高く上昇させたビート周波数の組み合わせが治療に用いられる。治療の終わりに、ディスプレイ48に、「新たなプロトコルが必要」と言うメッセージ、又は、異なる電極の配置が必要であることを臨床医又は患者に忠告する他の同様のメッセージが現れる。代替的には、患者又は介護者が、専門家の施設から離れた場所においてこれらの試行を行う状況では、メッセージの内容は、別の電極パターンを判定するように専門家に連絡するか、又は、別の電極パターンを判定するように参考書若しくはデータベースを用いるように指摘するものであってもよい。
【0030】
メモリモジュール30は重要な利点を提供する。患者又は介護者が好適なパラメータを判定するように試行を行い、次に、専門家のオフィスから離れた場所、例えば患者の住居において治療信号を送信する状況がある。この状況では、試行の手順及び結果をレビューする機能を有することが非常に望ましい。取外し可能なメモリモジュールの場合、モジュール30を取出してコンピュータ68に配置して、当該コンピュータ68から通信リンク70を通じて当該モジュール30からのデータを専門家のオフィス72に送信し、当該オフィス72でデータをコンピュータ74に格納することによって、当該データを読み出して閲覧するものであってもよい(
図4)。このように、専門家は、患者から離れた場所から、パラメータを判定する試行が行われ、また正確に行われたか否かを判定できる。明らかに、パラメータを判定する試行が不正確に行われたか、又は全く行われなかった場合、これは、専門家、及びパラメータを正確に判定するようになされる適切なステップによって判定できる。この利点の重要性を誇張することは難しい。通信リンク
70が、インターネット接続等による任意の好適なタイプであり得ることが明らかであろう。
【0031】
通信リンク70はまた、治療情報及びパラメータ取得情報がメモリモジュール30に格納されているため、専門家が、治療が行われたか否か、いつ行われたのか、及びどのように行われたのかをレビュー可能にする。したがって、治療情報及びパラメータ情報を専門家に送信できる。
【0032】
図5を参照する。
図5には、干渉波型治療モジュール78、及び、プロセッサ28の機能の全てを有するプロセッサモジュール80、及び、専門家のオフィス88のコンピュータ86との直接的な通信リンク84を提供する通信モジュール82を備えた干渉波型デバイス76の別の実施形態が示されている。通信リンク84は、携帯電話、インターネット接続等のような任意の好適なタイプであるものとしてもよい。干渉波型デバイス76が、パラメータ判定情報及び治療情報をコンピュータ86に送信するため、正確さ及び適時性に関してレビューできることが分かる。
【0033】
本発明を、或る程度の具体性でその好ましい形態で開示及び記載したが、好ましい形態の本開示は例に過ぎず、操作の詳細及び組み合わせ、部品の配置の多くの変更を、以下で特許請求されるような本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく行うことができることが理解される。