(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記案内部材は、前記片面段ボールシートを案内する案内面に吸引部が設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記判定装置は、前記明部の長さと第1判定値を比較して良否を判定すると共に、前記暗部の長さと第2判定値と比較して良否を判定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記第1判定値及び前記第2判定値は、既に良否判定が終了した複数の前記明部の長さ及び既に良否判定が終了した複数の前記暗部の長さをそれぞれ平均して算出した値であることを特徴とする請求項8に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記第1判定値及び前記第2判定値は、予め設定された前記明部及び前記暗部の長さの各基準値に対して所定の余裕度を加味した第1判定領域及び第2判定領域として設定することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記第1判定値及び前記第2判定値は、前記片面段ボールシートの種類ごとに設定され、記憶装置に格納されることを特徴とする請求項10に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記判定装置は、前記明部の長さと前記暗部の長さとの比率を判定値と比較して良否を判定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記判定装置は、複数の前記明部の長さと複数の前記暗部の長さとの比率の平均値を判定値と比較して良否を判定することを特徴とする請求項12に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記判定値は、既に良否判定が終了した複数の前記明部の長さの合計値と既に良否判定が終了した複数の前記暗部の長さの合計値との比率であることを特徴とする請求項13に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記判定値は、既に良否判定が終了した複数の前記明部の長さの平均値と既に良否判定が終了した複数の前記暗部の長さの平均値との比率であることを特徴とする請求項14に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記判定装置は、複数の前記明部の長さを平均して算出した明部平均値と第1判定値を比較して良否を判定すると共に、複数の前記暗部の長さを平均して算出した暗部平均値と第2判定値と比較して良否を判定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記照射装置の照射角度は、前記芯紙の山頂部を通過する前記片面段ボールシートの垂線に対する角度であり、前記垂線から前記芯紙の山の斜面に沿う傾斜線までの角度より大きい角度に設定されることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記撮像装置は、前記ラインカメラが前記片面段ボールシートの幅方向に沿って複数配置されて構成されることを特徴とする請求項19に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記ラインカメラは、前記芯紙における山における前記照射部を撮像し、前記画像処理装置は、前記ラインカメラにより撮像された前記芯紙における山の撮影画像を複数個結合することで、前記片面段ボールシートの搬送方向に沿って複数連続した前記明部と前記暗部を規定することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記画像処理装置は、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記片面段ボールシートの幅方向における所定画素単位の撮像データを加算して前記明部と前記暗部を規定することを特徴とする請求項17から請求項21のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記画像処理装置は、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記片面段ボールシートの幅方向における一部の撮像データを加算して前記明部と前記暗部を規定することを特徴とする請求項19から請求項21のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記撮像装置は、前記片面段ボールシートの搬送速度または前記芯紙の山のピッチに応じて撮像間隔が設定されることを特徴とする請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記照射装置と前記撮像装置の少なくとも一方の振動を検出する振動検出装置と、警報を発する警報装置が設けられ、前記判定装置は、前記振動検出装置の検出値が予め設定された振動基準値を超えると、前記警報装置を作動させることを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の段ボールシートの不良検出装置。
前記段ボールシートの不良検出装置が検出した不良位置を特定する不良位置特定装置と、前記不良位置特定装置が特定した不良位置を追跡する追跡装置と、前記追跡装置の追跡結果に基づいて前記排出装置を作動させる制御装置とが設けられることを特徴とする請求項27に記載の段ボールシートの不良除去装置。
前記不良位置特定装置は、前記撮像装置による撮像時期から前記判定装置による不良判定時期までに前記片面段ボールシートが搬送された距離から前記不良位置を特定し、前記追跡装置は、前記不良位置が前記排出装置に到達する時期を推定し、前記制御装置は、前記不良位置が到達する時期に前記排出装置を作動させることを特徴とする請求項28に記載の段ボールシートの不良除去装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の片面段ボールの不良検出装置は、中芯紙に光を照射して発生したストライプ状の陰影の数により不良を判定している。ところが、片面段ボールシートにおける芯紙の波形の山が大幅に変形すると、隣接する芯紙の波形の山同士の陰影が重なり、ストライプ状の陰影の数が減少してこれを不良として検出することができる。しかし、芯紙の波形の山が小幅に変形した場合、隣接する芯紙の波形の山同士の陰影が重ならず、ストライプ状の陰影の数が減少せず、片面段ボールシートが不良であっても、これを不良として判定することができない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、芯紙における波形の山の変形による段ボールシートの不良を高精度に検出可能とする段ボールシートの不良検出装置、段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の段ボールシートの不良検出装置は、波形形状をなす芯紙を外側にして案内部材により案内される片面段ボールシートの不良を検出する段ボールシートの不良検出装置において、前記片面段ボールシートに対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で前記芯紙に向けて光を照射する照射装置と、前記芯紙における前記光の照射部を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記片面段ボールシートの搬送方向に沿う明部と暗部を規定する画像処理装置と、前記画像処理装置により規定された前記明部の長さ及び前記暗部の長さを予め設定された判定値と比較して良否を判定する判定装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
従って、照射装置が案内部材により案内される片面段ボールシートの芯紙に向けて光を照射すると、撮像装置が芯紙における光の照射部を撮像し、画像処理装置は、この撮影画像に基づいて片面段ボールシートの搬送方向に沿う明部と暗部を規定し、判定装置は、この明部の長さと暗部の長さを判定値と比較して片面段ボールシートの良否を判定する。このとき、波形形状をなす芯紙の山の陰影により形成される明部と暗部の長さに基づいて芯紙の不良、つまり、段ボールシートの不良を検出することとなる。そのため、芯紙の山の潰れ不良、高低不良、長さ不良などを検出することができ、芯紙における波形の山の変形による段ボールシートの不良を高精度に検出することができる。
【0010】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記照射装置は、前記芯紙に向けて平行光を照射することを特徴としている。
【0011】
従って、照射装置が芯紙に向けて平行光を照射することで、明部と暗部との間に境界線が明確に形成され、明部の長さと暗部の長さを高精度に規定することができる。
【0012】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記案内部材は、湾曲面を有することを特徴としている。
【0013】
従って、案内部材が湾曲面を有することで、案内部材に片面段ボールシートを沿わせやすくなり、片面段ボールシートの振動を抑制し、安定して案内することができる。
【0014】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記案内部材は、ガイドローラであることを特徴としている。
【0015】
従って、案内部材は、ガイドローラとすることで、片面段ボールシートがガイドローラに接触させて案内されることとなり、片面段ボールシートの振動を抑制しつつ、ガイドローラの回転により片面段ボールシートをスムーズに案内することができる。
【0016】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記案内部材は、円柱体または円筒体であることを特徴としている。
【0017】
従って、案内部材を円柱体または円筒体とすることで、片面段ボールシートが円柱体または円筒体に案内されることとなり、片面段ボールシートの振動を抑制することができる。
【0018】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記案内部材は、板状体であることを特徴としている。
【0019】
従って、案内部材を板状体とすることで、片面段ボールシートが板状体に案内されることとなり、片面段ボールシートの振動を抑制することができる。
【0020】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記案内部材は、前記片面段ボールシートを案内する案内面に吸引部が設けられることを特徴としている。
【0021】
従って、段ボールシートが案内部材の案内面により案内されるとき、吸引部に吸引されることとなり、片面段ボールシートを確実に案内部材に接触させることができる。
【0022】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定装置は、前記明部の長さと第1判定値を比較して良否を判定すると共に、前記暗部の長さと第2判定値と比較して良否を判定することを特徴している。
【0023】
従って、明部の長さの異常と暗部の長さの異常から芯紙の良否を判定することで、芯紙の不良の検出漏れが減少し、良否検出精度を向上することができる。
【0024】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記第1判定値及び前記第2判定値は、既に良否判定が終了した複数の前記明部の長さ及び既に良否判定が終了した複数の前記暗部の長さをそれぞれ平均して算出した値であることを特徴としている。
【0025】
従って、判定値を既に良否判定が終了した複数の明部の長さ及び既に良否判定が終了した複数の暗部の長さをそれぞれ平均した値、所謂、移動平均値とすることで、運転条件により芯紙の山の形状が変化した場合であっても、これを不良と判定することはなく、不良の誤検出の発生を抑制することができる。
【0026】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記第1判定値及び前記第2判定値は、予め設定された前記明部及び前記暗部の長さの各基準値に対して所定の余裕度を加味した第1判定領域及び第2判定領域として設定することを特徴としている。
【0027】
従って、明部及び暗部の長さの各基準値に対して余裕度を加味した第1判定領域及び第2判定領域を判定値とすることで、段ボールシートの品質を確保した上で、製造時における片面段ボールシートの芯紙の山の形状のばらつきを考慮して良否判定を行うことで、不良の誤検出の発生を抑制することができる。
【0028】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記第1判定値及び前記第2判定値は、前記片面段ボールシートの種類ごとに設定され、記憶装置に格納されることを特徴としている。
【0029】
従って、芯紙の山の高さや幅に応じて各判定値を変更することで、片面段ボールシートの種類が変更されても、高精度な良否判定が可能となり、良否判定精度を向上することができる。
【0030】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定装置は、前記明部の長さと前記暗部の長さとの比率を判定値と比較して良否を判定することを特徴としている。
【0031】
従って、明部の長さと暗部の長さとの比率から芯紙の良否を判定することで、各種機器が振動しても、明部の長さと暗部の長さとの比率はほぼ同様であることから、正常な陰影画像が得られなくても、誤検出を抑制して良否検出精度を向上することができる。
【0032】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定装置は、複数の前記明部の長さと複数の前記暗部の長さとの比率の平均値を判定値と比較して良否を判定することを特徴としている。
【0033】
従って、判定装置は、複数の明部の長さと複数の暗部の長さとの比率の平均値を判定値と比較して良否を判定することで、各種機器が振動しても、明部の長さと暗部の長さとの比率はほぼ同様であり、また、運転条件により芯紙の山の形状が変化した場合であっても、これを不良と判定することはなく、正常な陰影画像が得られなくても、誤検出を抑制して良否検出精度を向上することができる。
【0034】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定値は、既に良否判定が終了した複数の前記明部の長さの合計値と既に良否判定が終了した複数の前記暗部の長さの合計値との比率であることを特徴としている。
【0035】
従って、判定値を複数の明部の長さの合計値と複数の暗部の長さの合計値の比率とすることで、各種機器が振動しても、明部の長さと暗部の長さとの比率はほぼ同様であることから、正常な陰影画像が得られなくても、誤検出を抑制して良否検出精度を向上することができる。
【0036】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定値は、既に良否判定が終了した複数の前記明部の長さの平均値と既に良否判定が終了した複数の前記暗部の長さの平均値との比率であることを特徴としている。
【0037】
従って、明部の長さと暗部の長さの個数を増やして平均値の比率を用いることで、更なる良否検出精度を向上することができる。
【0038】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定装置は、複数の前記明部の長さを平均して算出した明部平均値と第1判定値を比較して良否を判定すると共に、複数の前記暗部の長さを平均して算出した暗部平均値と第2判定値と比較して良否を判定することを特徴としている。
【0039】
従って、明部平均値と暗部平均値、所謂、移動平均値から芯紙の良否を判定することで、運転条件により芯紙の山の形状が変化した場合であっても、これを不良と判定することはなく、不良の誤検出の発生を抑制して良否検出精度を向上することができる。
【0040】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記照射装置の照射角度は、前記芯紙の山頂部を通過する前記片面段ボールシートの垂線に対する角度であり、前記垂線から前記芯紙の山の斜面に沿う傾斜線までの角度より大きい角度に設定されることを特徴としている。
【0041】
従って、照射装置の照射角度を垂線から芯紙の山の斜面に沿う傾斜線までの角度より大きい角度に設定することで、平行光により芯紙の山の陰影を明瞭に形成することができる。
【0042】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記照射装置の照射角度を変更する照射角度変更装置が設けられることを特徴としている。
【0043】
従って、片面段ボールシートの種類ごとに芯紙の山の形状が相違するため、芯紙の山の形状ごとに照射角度変更装置により照射装置の照射角度を変更することで、片面段ボールシートの種類が変更されても、平行光により芯紙の山の陰影を明瞭に形成することができる。
【0044】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記撮像装置は、ラインカメラであることを特徴としている。
【0045】
従って、撮像装置をラインカメラとすることで、搬送方向の位置によってラインカメラと片面段ボールシートとの距離が変化する場合であっても、ピントボケなく撮影することができる。
【0046】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記撮像装置は、前記ラインカメラが前記片面段ボールシートの幅方向に沿って複数配置されて構成されることを特徴としている。
【0047】
従って、ラインカメラを片面段ボールシートの幅方向に沿って複数配置することで、ラインカメラと片面段ボールシートとの距離を短縮することができ、ラインカメラの配置位置の確保が容易となり、また、分解能を高くすることで撮像精度を向上することができる。
【0048】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記ラインカメラは、前記芯紙における山における前記照射部を撮像し、前記画像処理装置は、前記ラインカメラにより撮像された前記芯紙における山の撮影画像を複数個結合することで、前記片面段ボールシートの搬送方向に沿って複数連続した前記明部と前記暗部を規定することを特徴としている。
【0049】
従って、ラインカメラにより撮像された芯紙における山の撮影画像を複数個結合した画像とすることで、芯紙の複数の山の良否判定を一括して行うことができ、判定装置における処理工数を減少することができる。
【0050】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記画像処理装置は、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記片面段ボールシートの幅方向における所定画素単位の撮像データを加算して前記明部と前記暗部を規定することを特徴としている。
【0051】
従って、片面段ボールシートの幅方向における所定画素単位の撮像データを加算し、ノイズ除去することで、明瞭な明部と暗部を表示することができる。
【0052】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記画像処理装置は、前記撮像装置により撮像された撮影画像に基づいて前記片面段ボールシートの幅方向における一部の撮像データを加算して前記明部と前記暗部を規定することを特徴としている。
【0053】
従って、片面段ボールシートの幅方向における所定画素単位の撮像データの一部を加算し、ノイズ除去することで、画像処理装置の処理工数を減少して処理時間を短縮することができる。
【0054】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記撮像装置は、前記片面段ボールシートの搬送速度または前記芯紙の山のピッチに応じて撮像間隔が設定されることを特徴としている。
【0055】
従って、片面段ボールシートは、その種類ごとに芯紙の山の形状が相違するため、片面段ボールシートの搬送速度や芯紙の山のピッチに応じて撮像間隔を設定することで、芯紙の山の形状に応じた最適な撮像間隔が設定されることとなり、平行光により形成された芯紙の山の陰影を明瞭に撮像することができる。
【0056】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記判定装置の判定結果を表示する表示装置が設けられることを特徴としている。
【0057】
従って、表示装置に段ボールシートの良否判定結果が表示されることとなり、作業者は、不良の発生状況を早期に確認することができる。
【0058】
本発明の段ボールシートの不良検出装置では、前記照射装置と前記撮像装置の少なくとも一方の振動を検出する振動検出装置と、警報を発する警報装置が設けられ、前記判定装置は、前記振動検出装置の検出値が予め設定された振動基準値を超えると、前記警報装置を作動させることを特徴としている。
【0059】
従って、照射装置や撮像装置が振動すると、芯紙の山の適正な画像を取得することができないおそれがあることから、振動の検出値が振動基準値を超えると、警報を発することで、作業者は、この振動発生時に判定された段ボールシートの良否判定を目視により確認することができ、良否判定精度を向上することができる。
【0060】
また、本発明の段ボールシートの不良除去装置は、前記段ボールシートの不良検出装置と、前記段ボールシートの不良検出装置が検出した不良個所を含む所定長さに切断された両面段ボールシートを排出する排出装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0061】
従って、段ボールシートの不良検出装置が波形形状をなす芯紙の山の陰影により形成される明部と暗部の長さに基づいて芯紙の不良、つまり、段ボールシートの不良を検出し、排出装置が不良個所を含む所定長さに切断された両面段ボールシートを搬送ラインから排出して除去する。そのため、芯紙の山の潰れ不良、高低不良、長さ不良などを検出することができ、芯紙における波形の山の変形による段ボールシートの不良を高精度に検出し、良品の段ボールシートだけを搬送することができる。
【0062】
本発明の段ボールシートの不良除去装置では、前記段ボールシートの不良検出装置が検出した不良位置を特定する不良位置特定装置と、前記不良位置特定装置が特定した不良位置を追跡する追跡装置と、前記追跡装置の追跡結果に基づいて前記排出装置を作動させる制御装置とが設けられることを特徴としている。
【0063】
従って、段ボールシートの不良が検出されると、不良位置特定装置が片面段ボールシートの不良位置を特定し、追跡装置がこの不良位置を追跡して排出装置を作動させることとなり、不良の段ボールシートを確実に搬送ラインから排出して除去することができる。
【0064】
本発明の段ボールシートの不良除去装置では、前記不良位置特定装置は、前記撮像装置による撮像時期から前記判定装置による不良判定時期までに前記片面段ボールシートが搬送された距離から前記不良位置を特定し、前記追跡装置は、前記不良位置が前記排出装置に到達する時期を推定し、前記制御装置は、前記不良位置が到達する時期に前記排出装置を作動させることを特徴としている。
【0065】
従って、撮像時期から不良判定時期までに段ボールシートが搬送された距離から不良位置を特定すると共に、不良位置が排出装置に到達する時期を推定し、不良位置が到達する時期に排出装置を作動させることで、不良の段ボールシートを確実に搬送ラインから排出して除去することができる。
【0066】
また、本発明の段ボールシートの製造装置は、波形加工された芯紙に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、前記片面段ボールシートにおける前記芯紙側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、前記段ボールシートの不良除去装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0067】
従って、シングルフェーサは、波形加工された芯紙に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造し、ダブルフェーサは、シングルフェーサで製造される片面段ボールシートにおける芯紙側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造する。このとき、不良除去装置が段ボールシートの不良を検出し、排出装置が不良個所を含む所定長さに切断された両面段ボールシートを搬送ラインから排出して除去する。そのため、芯紙の山の潰れ不良、高低不良、長さ不良などを検出することができ、芯紙における波形の山の変形による段ボールシートの不良を高精度に検出し、良品の段ボールシートだけを搬送することができる。
【発明の効果】
【0068】
本発明の段ボールシートの不良検出装置、段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置によれば、撮影画像に基づいて片面段ボールシートの搬送方向に沿う明部と暗部を規定する画像処理装置を設けると共に、規定された明部の長さ及び暗部の長さを判定値と比較して良否を判定する判定装置を設けるので、芯紙における波形の山の変形による段ボールシートの不良を高精度に検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下に添付図面を参照して、本発明の段ボールシートの不良検出装置、段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0071】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。
【0072】
第1実施形態において、
図1に示すように、段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシン10は、波形加工された中芯(芯紙)Bに第2ライナとして、例えば、裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造し、この製造される片面段ボールシートDにおける中芯B側に第1ライナとして、例えば、表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートEとし、連続した両面段ボールシートEを所定長さに切断してシート状の両面段ボールシートFを製造するものである。
【0073】
コルゲートマシン10は、中芯Bのミルロールスタンド11と、プレヒータ(予熱装置)12と、裏ライナCのミルロールスタンド13と、プレヒータ(予熱装置)14と、シングルフェーサ15と、ブリッジ16と、表ライナAのミルロールスタンド17と、プレヒータ(予熱装置)18と、グルーマシン19と、ダブルフェーサ20と、ロータリシャ21と、スリッタスコアラ22と、カットオフ23と、不良品排出装置24と、スタッカ25を有している。
【0074】
ミルロールスタンド11は、両側にそれぞれ中芯Bが形成される芯紙がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、その上方には、紙継ぎを行なうスプライサ(紙継ぎ装置)11aが設けられている。一方のロール紙から給紙されている場合に、他方のロール紙が装着され、紙継ぎ準備がなされる。一方のロール紙の原紙が残り少なくなると、スプライサ11aにより他方のロール紙の原紙に紙継ぎされる。そして、他方のロール紙から原紙が供給されている間に、一方のロール紙が装着され紙継ぎ準備がなされる。このようにして、原紙は順次紙継ぎされてミルロールスタンド11から下流側へ向けて連続的に繰り出されることになる。
【0075】
一方、ミルロールスタンド13は、両側にそれぞれ裏ライナCがロール状に巻かれたロール紙が装着されており、その上方には、紙継ぎを行なうスプライサ13aが設けられている。一方のロール紙から給紙されている場合に、他方のロール紙が装着され、紙継ぎ準備がなされる。一方のロール紙の原紙が残り少なくなると、スプライサ13aにより他方のロール紙の原紙に紙継ぎされる。そして、他方のロール紙から原紙が供給されている間に、一方のロール紙が装着され紙継ぎ準備がなされる。このようにして、原紙は順次紙継ぎされてミルロールスタンド13から下流側へ向けて連続的に繰り出されることになる。
【0076】
各プレヒータ12,14は、中芯Bと裏ライナCをそれぞれ予熱するものである。各プレヒータ12,14は、内部に蒸気が供給される加熱ロールを有しており、ミルロールスタンド11,13から連続的に繰り出される原紙(中芯B、裏ライナC)を、この加熱ロールに巻き付けて搬送することで、この原紙を所定温度まで昇温する。
【0077】
シングルフェーサ15は、プレヒータ12で加熱された中芯Bを波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、プレヒータ14で加熱された裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを形成する。シングルフェーサ15は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベア31が設けられている。この取上げコンベア31は、一対の無端ベルトで構成され、シングルフェーサ15において形成された片面段ボールシートDを挟持してブリッジ16に搬送する機能を有している。このブリッジ16は、シングルフェーサ15とダブルフェーサ20との速度差を吸収するために、片面段ボールシートDを一次的に滞留させる滞留部として機能するものである。
【0078】
ミルロールスタンド17は、両側にそれぞれ表ライナAがロール状に巻かれたロール紙が装着されており、その上方には、紙継ぎを行なうスプライサ17aが設けられている。一方のロール紙から給紙されている場合に、他方のロール紙が装着され、紙継ぎ準備がなされる。一方のロール紙の原紙が残り少なくなると、スプライサ17aにより他方のロール紙の原紙に紙継ぎされる。そして、他方のロール紙から原紙が供給されている間に、一方のロール紙が装着され紙継ぎ準備がなされる。このようにして、原紙は順次紙継ぎされてミルロールスタンド17から下流側へ向けて連続的に繰り出されることになる。
【0079】
プレヒータ18は、片面段ボールシートD用の加熱ロール(以下、片段シート加熱ロール)32と、表ライナA用の加熱ロール(以下、表ライナ加熱ロール)33とを有している。片段シート加熱ロール32は、巻き付け量調整装置を有すると共に、内部に蒸気を供給することによって所定の温度に加熱されており、周面に片面段ボールシートDの裏ライナC側が巻き付けられることで、この片面段ボールシートDを予加熱することができる。一方、表ライナ加熱ロール33も、同様に、巻き付け量調整装置を有すると共に、内部に蒸気を供給することによって所定の温度に加熱されており、周面に表ライナAが巻き付けられることで、この表ライナAを予加熱することができる。
【0080】
グルーマシン19は、糊付け装置と加圧装置を有している。片段シート加熱ロール32で加熱された片面段ボールシートDは、途中で、グルーマシン19内を案内され、ライダロールと糊付ロールとの間を通過する際に、中芯Bの段の各頂部に糊付けされる。
【0081】
グルーマシン19により糊付けされた片面段ボールシートDは、次工程のダブルフェーサ20に移送される。また、表ライナ加熱ロール33で加熱された表ライナAもグルーマシン19内を通ってダブルフェーサ20に移送される。
【0082】
ダブルフェーサ20は、片面段ボールシートD及び表ライナAの走行ラインに沿って、上流側のヒーティングセクション20aと、下流側のクーリングセクション20bとに分かれている。グルーマシン19で糊付けされた片面段ボールシートDは、このヒーティングセクション20aにて、加圧ベルト34と熱板35との間に搬入され、表ライナAは、片面段ボールシートDの中芯B側に重なるように加圧ベルト34と熱板35との間に搬入される。そして、片面段ボールシートDと表ライナAは、加圧ベルト34と熱板35との間に搬入された後、上下に重なりあった状態で一体となってクーリングセクション20bへ向けて移送される。この移送中、片面段ボールシートDと表ライナAは、加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続した両面段ボールシートEとなる。両面段ボールシートEは、クーリングセクション20bにて、加圧ベルト34と搬送ベルト36で挟持されながら搬送されるときに自然冷却される。
【0083】
ダブルフェーサ20で製造された両面段ボールシートEは、ロータリシャ21に移送される。このロータリシャ21は、稼動初期段階で貼合せが安定するまでといった場合に、両面段ボールシートEを幅方向に全幅切断あるいは部分切断するものである。スリッタスコアラ22は、幅広の両面段ボールシートEを所定の幅を持つように搬送方向に沿って裁断し、且つ、搬送方向に延在する罫線を加工するものである。このスリッタスコアラ22は、両面段ボールシートEの搬送方向に沿って配列された略同一構造をした第1スリッタスコアラユニット22aと第2スリッタスコアラユニット22bとから構成されている。第1スリッタスコアラユニット22a及び第2スリッタスコアラユニット22bは、両面段ボールシートEを挟んで対向配置される上罫線ロールと下罫線ロールとの組を幅方向に複数組有すると共に、両面段ボールシートEの下側に配置されるスリッタナイフを幅方向に複数組有している。
【0084】
カットオフ23は、スリッタスコアラ22によって搬送方向に裁断された両面段ボールシートEを幅方向に沿って切断し、所定長さをもった板状の両面段ボールシートFに形成するものである。不良品排出装置24は、後述する不良検出装置により不良品と判定された両面段ボールシートFを搬送ラインから排出するものである。スタッカ25は、良品の両面段ボールシートFを積み上げて製品として機外に排出するものである。
【0085】
ここで、第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置について説明する。第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置40は、ブリッジ16とプレヒータ18との間に設けられている。
【0086】
図2は、第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図、
図3は、片面段ボールシートに対する照射装置及び撮像装置の配置構成を表す側面図、
図4は、片面段ボールシートに対する照射装置及び撮像装置の配置構成を表す正面図である。
【0087】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置40は、
図2に示すように、波形形状をなす中芯Bを外側にしてガイドローラにより搬送される片面段ボールシートDの不良を検出するものである。段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ(案内部材)41,42,43,44と、照射装置45と、撮像装置46と、制御装置47、表示装置48とを有している。そして、制御装置47は、陰影画像処理装置51と、判定装置52と、記憶装置53とを有している。また、段ボールシートの不良除去装置60は、この段ボールシートの不良検出装置40と、不良品排出装置24とを有している。具体的に、段ボールシートの不良除去装置60は、制御装置47を構成する不良位置特定装置61と、追跡装置62とを有している。
【0088】
以下、段ボールシートの不良検出装置40及び段ボールシートの不良除去装置60について詳細に説明する。
【0089】
ガイドローラ41,42,43,44は、駆動回転または従動回転可能であって、外周部で片面段ボールシートDをガイドして搬送可能である。片面段ボールシートDは、波形形状をなす中芯Bが裏ライナCに貼り合わされて形成されたものであり、ガイドロール43は、波形形状をなす中芯Bを外側にして片面段ボールシートDをガイドしている。
【0090】
照射装置45は、片面段ボールシートDの垂線に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で中芯Bに向けて平行光を照射するものである。撮像装置46は、中芯Bにおける平行光の照射部(陰影)を撮像するものである。陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部と暗部を規定するものである。判定装置52は、陰影画像処理装置51により規定された明部の長さ及び暗部の長さを予め設定された判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定するものである。記憶装置53は、判定装置52が使用する判定値を格納している。また、表示装置48は、判定装置52の判定結果などを表示する。
【0091】
また、不良位置特定装置61は、段ボールシートの不良検出装置40が検出した片面段ボールシートDにおける不良位置を特定するものである。追跡装置62は、不良位置特定装置61が特定した片面段ボールシートDにおける不良位置を追跡するものである。制御装置47は、この追跡装置62の追跡結果に基づいて不良品排出装置24を作動させる。
【0092】
図2から
図4に示すように、照射装置45は、ガイドローラ43から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット71により装置本体(図示略)に固定されている。また、照射装置45は、ガイドローラ43の軸方向の長さに対応するように、ガイドローラ43の周面に対向して配置されており、ガイドローラ43の外周面、つまり、ガイドローラ43によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域に向けて平行光を照射することができる。この平行光とは、特に、ガイドローラ43を軸方向から見た場合、ガイドローラ43に向かって照射される光軸が放射状に広がらずに、互いに平行に直進する光である。
【0093】
撮像装置46は、ガイドローラ43から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット72により装置本体に固定されている。また、撮像装置46は、ガイドローラ43の軸方向における中間位置に対向して配置されており、ガイドローラ43の外周面、つまり、ガイドローラ43によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域を撮像することができる。この撮像装置46は、1個のラインカメラであって、波形形状をなす中芯Bにおける山における照射部を撮像する。この場合、撮像装置46は、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像を取り込むことができる。そのため、撮像装置46は、片面段ボールシートDの搬送速度または中芯Bの山のピッチに応じて撮像間隔が設定される。
【0094】
本実施形態にて、撮像装置(ラインカメラ)46は、片面段ボールシートDの垂線、つまり、ガイドローラ43の中心を通る径方向に沿った線上に配置されるが、照射装置45は、片面段ボールシートDの垂線(ガイドローラ43の中心を通る径方向に沿った線)に対して所定角度だけ傾斜した角度(照射角度)の線上に配置される。
【0095】
図5は、片面段ボールシートの中芯に対する照射装置の照射角度を説明するための概略図、
図6は、片面段ボールシートの中芯に対する照明光の作用を表す概略図であり、
図6Aは、拡散光による作用を表し、
図6Bは、平行光による作用を表している。
【0096】
図5に示すように、片面段ボールシートDは、裏ライナCに波形形状をなす中芯Bが貼り付けられてなり、裏ライナCがガイドローラ43に接触し、中芯Bが外側に露出して搬送される。なお、片面段ボールシートDは、ガイドローラ43に支持されて弧状に走行するものであるが、ここでは、直線状に走行するものとして説明する。ガイドローラ43の中心及び中芯Bの山の山頂部B1を通って径方向に沿う片面段ボールシートDの垂線L1が規定される。照射装置45による平行光Sの照射角度θ1は、この垂線L1に対する角度であり、垂線L1から中芯Bの山の斜面に沿う傾斜線L2までの角度θより大きい角度θ1に設定される。なお、中芯Bの山は、山頂部B1から裾野部にかけて外側に凸形状をなす第1曲線部B2と、外側の凹形状をなす第2曲線部B3とからなり、傾斜線L2は、第1曲線部B2における最も裾野側の位置に対する接線である。照射装置45による平行光Sの照射角度θ1が垂線L1から傾斜線L2までの角度θより大きい角度θ1に設定されることから、照射光により山の陰影を生成することができる。
【0097】
そして、照射装置45は、所定の照射角度θ1で中芯Bに向けて平行光を照射する。
図6aに示すように、照射装置45からの照射光が平行光でない場合、この照射光により中芯Bの山の陰影が形成されることで、明部Wと暗部Gが形成されるが、例えば、光の照射方向にばらつきがある場合、照射方向が異なる光ごとに斜面と接するため、これにより照射方向が異なる光ごとに明部Wと暗部Gとの境界が生じてしまう。よって、明部Wと暗部Gとの間にぼやける領域Mが形成されてしまい、明部Wの長さと暗部Gの長さを高精度に規定することが困難となる。一方、
図6bに示すように、照射装置45からの照射光が平行光である場合、この照射光により中芯Bの山の陰影が形成されることで、明部Wと暗部Gが形成される。ここで、照射光が平行光であることから、明部Wと暗部Gとの間に境界線Nが明確に形成され、明部Wの長さと暗部Gの長さを高精度に規定することができる。
【0098】
図2に示すように、陰影画像処理装置51は、撮像装置46の撮影画像から中芯Bの各山の陰影から明部Wと暗部Gを規定する。この場合、前述したように、撮像装置46(ラインカメラ)は、波形形状をなす中芯Bにおける1個の山の陰影を、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像として取り込んでいる。そのため、陰影画像処理装置51は、この1画素×複数画素の画像を片面段ボールシートDの搬送方向に沿って複数個結合することで、片面段ボールシートDの所定長さにおける複数連続した明部Wと暗部Gを規定する。
【0099】
この場合、陰影画像処理装置51は、片面段ボールシートDの所定長さだけの明部Wと暗部Gの画像において、明部Wと暗部Gの撮像データの全部を片面段ボールシートDの幅方向に加算して明部Wと暗部Gを規定する。なお、片面段ボールシートDの所定長さだけの明部Wと暗部Gの画像において、明部Wと暗部Gの撮像データの一部だけを片面段ボールシートDの幅方向に加算して明部Wと暗部Gを規定してもよい。
【0100】
判定装置52は、陰影画像処理装置51により規定された明部Wの長さと暗部Gの長さを判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定する。この場合、判定装置52は、明部Wの長さと第1判定値を比較して良否を判定すると共に、暗部Gの長さと第2判定値と比較して良否を判定する。即ち、片面段ボールシートDが搬送されるとき、明部Wと暗部Gが交互に連続して規定され、判定装置52が良否判定を行い、明部Wの良否判定と、暗部Gの良否判定を連続して行っている。
【0101】
この場合、第1判定値と第2判定値は、照射装置45における平行光Sの照射角度θ1が所定角度に設定されたとき、片面段ボールシートDにおける中芯Bの山の形状に応じて予め実験などにより基準値が設定されている。そして、この基準値に所定の余裕度を加味して第1判定領域と第2判定領域が設定される。即ち、陰影画像処理装置51が処理して求めた明部Wの長さが、この第1判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、第1判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。また、同様に、陰影画像処理装置51が処理して求めた暗部Gの長さが、第2判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、第2判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。
【0102】
なお、第1判定値と第2判定値の設定の仕方は、この方法に限定されるものではない。例えば、第1判定値と第2判定値を既に良否判定が終了した複数の明部Wの長さと既に良否判定が終了した複数の暗部Gの長さをそれぞれ平均して算出した値、所謂、移動平均値としてもよい。この場合、既に良否判定が終了した明部Wの長さの数(所定個数)と、既に良否判定が終了した暗部Gの長さの数(所定個数)は、適宜設定すればよいものである。また、明部Wの長さと暗部Gの長さの撮像データが所定個数だけ収集できるまでは、前述した基準値に基づいた第1判定値と第2判定値を使用すればよい。
【0103】
そして、この第1判定値と第2判定値は、片面段ボールシートDの種類(中芯Bの種類)ごとに設定され、記憶装置53に格納されている。片面段ボールシートDは、特に、中芯Bの形状(高さやピッチ)が相違する場合、陰影の形状が相違することから、明部Wの長さと暗部Gの長さが相違する。そのため、中芯Bの形状に応じた複数種類の第1判定値と第2判定値が設定されている。
【0104】
ここで、陰影画像処理装置51と判定装置52の処理について詳細に説明する。
図7は、画像処理方法を説明するためのフローチャート、
図8は、画像処理方法を説明するための説明図、
図9は、片面段ボールシートの中芯の変形例を表す概略図であり、
図9Aは、山潰れを表し、
図9Bは、山低を表し、
図9C及び
図9Dは、山高を表している。
【0105】
図7に示すように、ステップS11にて、取り込まれた中芯Bの陰影画像を射影する。即ち、
図8(a)(b)(c)に示すように、1画素×複数画素の画像を搬送方向に複数撮影して並べた陰影画像にて、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。
図7に戻り、ステップS12にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS13にて、
図8(d)に示すように、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取る、即ち、差分を求める。
図7に戻り、ステップS14にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値Pを抽出する。ステップS15にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1を算出する。
【0106】
ステップS16にて、明部Wの長さW1と第1判定領域とを比較し、明部Wの長さW1が第1判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、明部Wの長さW1が第1判定領域内にあると判定されると、良品であるとしてステップS17に移行する。ステップS17にて、暗部Gの長さG2と第2判定領域とを比較し、暗部Gの長さG1が第2判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、暗部Gの長さG1が第2判定領域内にあると判定されると、良品であるとしてステップS18に移行し、ここで中芯Bの一つの山が良品であると判定する。一方、ステップS16にて、明部Wの長さW1が第1判定領域内にないと判定されると、不良品であるとしてステップS19に移行する。また、ステップS17にて、暗部Gの長さG1が第2判定領域内にないと判定されると、不良品であるとしてステップS19に移行する。そして、ステップS19にて、中芯Bの一つの山が不良品であると判定し、ステップS20にて、この不良の山が含まれる不良の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。なお、ここでは、明部Wの長さW1と第1判定値とを比較すると共に、暗部Gの長さW2と第2判定値とを比較したが、
図8に示すように、明部Wの長さW1と暗部Gの長さW2の合計値WGと判定値とを比較してもよい。
【0107】
ここで、具体的な不良の中芯Bにおける良否判定について説明する。
図9aに示す中芯Bの不良は、山潰れによるものであり、一部の山が潰れていることで、暗部Gの長さG1が正常であるものの、明部Wの長さW1が長くなって異常となる。
図9bに示す中芯Bの不良は、山低によるものであり、一部の山が低いことで、暗部Gの長さG1が短くなってて異常であり、且つ、明部Wの長さW1が長くなって異常となる。
図9cに示す中芯Bの不良は、山高1によるものであり、一部の山が高いことで、暗部Gの長さG1が長くなって異常であり、且つ、明部Wの長さW1が短くなって異常となる。
図9dに示す中芯Bの不良は、山高2によるものであり、一部の山がより高いことで、隣接する暗部Gが連続して長さG1が長くなって異常である。この場合、明部Wがないものの、前後の明部Wの長さW1は正常である。
【0108】
片面段ボールシートDにおける中芯Bの所定の位置に不良部が発生すると、この不良部が発生した位置を追跡し、この不良部が含まれる段ボールシートFを排除する。不良位置特定装置61は、撮像装置46による中芯Bの山の撮像時期(時刻)から判定装置52による不良判定時期(時刻)までに片面段ボールシートD(両面段ボールシートE,F)が搬送された距離を算出し、この段ボールシート搬送距離に基づいて中芯Bの山の不良位置を特定する。追跡装置62は、時間の経過と共に移動する中芯Bの山の不良位置を追跡し、この不良位置が含まれる切断後の両面段ボールシートFが不良品排出装置24に到達する時期(時刻)を推定する。制御装置47は、この追跡装置62の追跡結果に基づいて、不良位置が含まれる両面段ボールシートFが不良品排出装置24に到達したとき、この不良品排出装置24を作動させる。
【0109】
このように第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、ガイドローラ43により搬送される片面段ボールシートDの不良を検出するものであって、片面段ボールシートDの垂線L1に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度θ1で中芯Bに向けて平行光Sを照射する照射装置45と、中芯Bにおける平行光の照射部を撮像する撮像装置46と、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部Wと暗部Gを規定する陰影画像処理装置51と、陰影画像処理装置51により規定された明部Wの長さW1及び暗部Gの長さG1を予め設定された判定値と比較して良否を判定する判定装置52とを設けている。
【0110】
従って、照射装置45がガイドローラ43により搬送される片面段ボールシートDの中芯Bに向けて平行光を照射すると、撮像装置46が中芯Bにおける平行光の照射部を撮像し、陰影画像処理装置51は、この撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部Wと暗部Gを規定し、判定装置52は、この明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1を判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定する。このとき、波形形状をなす中芯Bの山の陰影により形成される明部Wと暗部Gの長さW1,G1に基づいて中芯Bの不良、つまり、両面段ボールシートFの不良を検出することとなる。そのため、中芯Bの山の潰れ不良、高低不良、長さ不良などを検出することができ、中芯Bにおける波形の山の変形による段ボールシートFの不良を高精度に検出することができる。
【0111】
そして、照射装置45は、片面段ボールシートDに対して平行光Sを照射することで、明部Wと暗部Gとの間に境界線が明確に形成され、明部Wの長さと暗部Gの長さを高精度に規定することができる。
【0112】
また、案内部材として湾曲面を有するガイドローラ43とすることで、ガイドローラ43に片面段ボールシートDを沿わせやすくなり、且つ、片面段ボールシートDがガイドローラ43に接触させて案内されることとなり、片面段ボールシートDの振動を抑制しつつ、ガイドローラ43の回転により片面段ボールシートDをスムーズに案内することができる。
【0113】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、判定装置52は、明部Wの長さW1と第1判定値を比較して良否を判定すると共に、暗部Gの長さG1と第2判定値と比較して良否を判定する。従って、明部Wの長さW1の異常と暗部Gの長さG1の異常から中芯Bの良否を判定することで、中芯Bの不良の検出漏れが減少し、良否検出精度を向上することができる。
【0114】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、第1判定値及び第2判定値は、既に良否判定が終了した複数の明部Wの長さW1及び既に良否判定が終了した複数の暗部Gの長さG1をそれぞれ平均して算出した値である。従って、判定値を所定個数の明部Wの長さW1及び暗部Gの長さG1をそれぞれ平均した値、所謂、移動平均値とすることで、コルゲートマシン10の運転条件により中芯Bの山の形状が変化した場合であっても、これを不良と判定することはなく、不良の誤検出の発生を抑制することができる。
【0115】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、第1判定値及び第2判定値は、予め設定された明部W及び暗部Gの長さの各基準値に対して所定の余裕度を加味した第1判定領域及び第2判定領域としている。従って、段ボールシートFの品質を確保した上で、製造時における片面段ボールシートDの中芯Bの山の形状のばらつきを考慮して良否判定を行うことで、不良の誤検出の発生を抑制することができる。
【0116】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、第1判定値及び第2判定値は、片面段ボールシートDの種類ごとに設定され、記憶装置53に格納されている。従って、中芯Bの山の高さや幅に応じて各判定値を変更することで、片面段ボールシートDの種類が変更されても、高精度な良否判定が可能となり、良否判定精度を向上することができる。
【0117】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、照射装置45の照射角度θ1は、中芯Bの山頂部を通過する片面段ボールシートDの垂線L1に対する角度であり、垂線L1から中芯Bの山の斜面に沿う傾斜線L2までの角度より大きい角度に設定されている。従って、照射装置45の照射角度θ1を最適角度に設定することで、平行光により中芯Bの山の陰影を明瞭に形成することができる。
【0118】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、撮像装置46をラインカメラとしている。従って、搬送方向の位置によってラインカメラと片面段ボールシートDとの距離が変化する場合であっても、ピントボケなく撮影することができる。
【0119】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、撮像装置(ラインカメラ)46は、中芯Bにおける山における照射部を撮像し、陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された中芯Bにおける山の撮影画像を複数個結合することで、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って複数連続した明部Wと暗部Gを規定する。従って、中芯Bの複数の山の良否判定を一括して行うことができ、判定装置52における処理工数を減少することができる。
【0120】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの幅方向における所定画素単位の撮像データを加算して明部Wと暗部Gを規定する。従って、ノイズを除去することで明瞭な明部Wと暗部Gを表示することができる。
【0121】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの幅方向における一部の撮像データを加算して明部Wと暗部Gを規定する。従って、ノイズを除去することで陰影画像処理装置51の処理工数を減少して処理時間を短縮することができる。
【0122】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、撮像装置46は、片面段ボールシートDの搬送速度または中芯Bの山のピッチに応じて撮像間隔が設定される。従って、片面段ボールシートDは、その種類ごとに中芯Bの山の形状が相違するため、片面段ボールシートDの搬送速度や中芯Bの山のピッチに応じて撮像間隔を設定することで、中芯Bの山の形状に応じた最適な撮像間隔が設定されることとなり、平行光により形成された中芯Bの山の陰影を明瞭に撮像することができる。
【0123】
第1実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、判定装置52の判定結果を表示する表示装置48を設けている。従って、表示装置48に片面段ボールシートDの良否判定結果が表示されることとなり、作業者は、不良の発生状況を早期に確認することができる。
【0124】
また、第1実施形態の段ボールシートの不良除去装置にあっては、段ボールシートの不良検出装置40と、段ボールシートの不良検出装置40が検出した不良個所を含む所定長さに切断された両面段ボールシートFを排出する不良品排出装置24とを設けている。
【0125】
従って、段ボールシートの不良検出装置40が波形形状をなす中芯Bの山の陰影により形成される明部Wと暗部Gの長さW1,G1に基づいて中芯Bの不良、つまり、段ボールシートFの不良を検出することとなる。そのため、中芯Bの山の潰れ不良、高低不良、長さ不良などを検出することができ、中芯Bにおける波形の山の変形による段ボールシートFの不良を高精度に検出し、良品の段ボールシートFだけを搬送することができる。
【0126】
第1実施形態の段ボールシートの不良除去装置では、段ボールシートの不良検出装置40が検出した不良位置を特定する不良位置特定装置61と、不良位置特定装置61が特定した不良位置を追跡する追跡装置62と、追跡装置62の追跡結果に基づいて不良品排出装置24を作動させる制御装置47とを設けている。従って、段ボールシートDの不良が検出されると、不良位置特定装置61が片面段ボールシートDの不良位置を特定し、追跡装置62がこの不良位置を追跡して不良品排出装置24を作動させることとなり、不良の段ボールシートFを確実に搬送ラインから排出して除去することができる。
【0127】
第1実施形態の段ボールシートの不良除去装置では、不良位置特定装置61は、撮像装置46による撮像時期から判定装置52による不良判定時期までに片面段ボールシートDが搬送された距離から不良位置を特定し、追跡装置62は、不良位置が不良品排出装置24に到達する時期を推定し、制御装置47は、不良位置が到達する時期に不良品排出装置24を作動させる。従って、不良の段ボールシートFを確実に搬送ラインから排出して除去することができる。
【0128】
また、本実施形態の段ボールシートの製造装置にあっては、波形加工された芯紙(中芯B)に裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造するシングルフェーサ15と、シングルフェーサ15で製造される片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートEを製造するダブルフェーサ20と、段ボールシートの不良除去装置60とを設けている。
【0129】
従って、シングルフェーサ15は、波形加工された芯紙(中芯B)に裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造し、ダブルフェーサ20は、片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートEを製造する。このとき、段ボールシートの不良除去装置60が片面段ボールシートDの不良を検出し、不良品排出装置24が不良個所を含む所定長さに切断された両面段ボールシートFを搬送ラインから排出して除去する。そのため、中芯Bの山の潰れ不良、高低不良、長さ不良などを検出することができ、中芯Bにおける波形の山の変形による段ボールシートFの不良を高精度に検出し、良品の段ボールシートFだけを搬送することができる。
【0130】
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態の段ボールシートの不良検出装置を表す片面段ボールシートに対する照射装置及び撮像装置の配置構成を表す正面図である。なお、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置の基本的な構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様の構成であり、
図2を用いて説明すると共に、上述した第1施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0131】
第2実施形態において、
図2に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ41,42,43,44と、照射装置45と、撮像装置46と、制御装置47、表示装置48とを有している。そして、制御装置47は、陰影画像処理装置51と、判定装置52と、記憶装置53とを有している。
【0132】
照射装置45は、片面段ボールシートDの垂線に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で中芯Bに向けて平行光を照射するものである。撮像装置46は、中芯Bにおける平行光の照射部(陰影)を撮像するものである。陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部と暗部を規定するものである。判定装置52は、陰影画像処理装置51により規定された明部の長さ及び暗部の長さを予め設定された判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定するものである。
【0133】
この撮像装置46は、
図10に示すように、複数個(本実施形態では、2個)のラインカメラであって、波形形状をなす中芯Bにおける山における照射部を撮像する。この場合、撮像装置46は、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像を取り込むことができる。そのため、撮像装置46は、片面段ボールシートDの搬送速度または中芯Bの山のピッチに応じて撮像間隔が設定される。
【0134】
このように第2実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、撮像装置46として、ラインカメラを片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数配置している。
【0135】
従って、撮像装置(ラインカメラ)46を片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数配置することで、撮像装置46と片面段ボールシートDの中芯Bとの距離を短縮することができ、撮像装置46の配置位置の確保が容易となり、また、分解能を高くすることで撮像精度を向上することができる。
【0136】
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態の段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0137】
第3実施形態において、
図11に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ41,42,43,44と、照射装置45と、撮像装置46と、制御装置47、表示装置48とを有している。そして、制御装置47は、陰影画像処理装置51と、判定装置52と、記憶装置53とを有している。
【0138】
照射装置45は、片面段ボールシートDの垂線に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で中芯Bに向けて平行光を照射するものである。撮像装置46は、中芯Bにおける平行光の照射部(陰影)を撮像するものである。陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部と暗部を規定するものである。判定装置52は、陰影画像処理装置51により規定された明部の長さ及び暗部の長さを予め設定された判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定するものである。
【0139】
照射装置45は、ガイドローラ43から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット71により装置本体に固定されている。また、照射装置45は、ガイドローラ43の軸方向の長さに対応するように、ガイドローラ43の周面に対向して配置されており、ガイドローラ43の外周面、つまり、ガイドローラ43によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域に向けて平行光を照射することができる。そして、照射装置45は、照射角度θ1を変更する照射角度変更装置81が設けられている。この照射角度変更装置81は、取付ブラケット71に対して照射装置45を回動可能とするものであり、ガイドローラ43の軸方向に沿う回動軸を支点として照射装置45を回動することができる。なお、照射装置45をガイドレールに沿って移動することで、照射角度θ1を変更するようにしてもよい。
【0140】
このように第3実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、照射装置45の照射角度θ1を変更する照射角度変更装置81を設けている。
【0141】
従って、片面段ボールシートDは、種類ごとに中芯Bの山の形状が相違するため、中芯Bの山の形状ごとに照射角度変更装置81により照射装置45の照射角度θ1を変更することで、片面段ボールシートDの種類が変更されても、平行光により中芯Bの山の陰影を明瞭に形成することができる。
【0142】
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態の段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0143】
第4実施形態において、
図12に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ41,42,43,44と、照射装置45と、撮像装置46と、制御装置47、表示装置48とを有している。そして、制御装置47は、陰影画像処理装置51と、判定装置52と、記憶装置53とを有している。
【0144】
照射装置45は、片面段ボールシートDの垂線に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で中芯Bに向けて平行光を照射するものである。撮像装置46は、中芯Bにおける平行光の照射部(陰影)を撮像するものである。陰影画像処理装置51は、撮像装置46により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部と暗部を規定するものである。判定装置52は、陰影画像処理装置51により規定された明部の長さ及び暗部の長さを予め設定された判定値と比較して片面段ボールシートDの良否を判定するものである。
【0145】
照射装置45は、ガイドローラ43から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット71により装置本体に固定されている。また、照射装置45は、ガイドローラ43の軸方向の長さに対応するように、ガイドローラ43の周面に対向して配置されており、ガイドローラ43の外周面、つまり、ガイドローラ43によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域に向けて平行光を照射することができる。そして、照射装置45の振動を検出する振動検出装置82と、警報を発する警報装置83が設けられ、制御装置47(判定装置52)は、振動検出装置82の検出値が予め設定された振動基準値を超えると、警報装置83を作動させる。
【0146】
即ち、何らかの外的要因で、照射装置45が振動すると、中芯Bに照射する平行光がぶれて鮮明な陰影を形成することが困難となる。すると、撮像装置46は、中芯Bの山の鮮明な画像を取得することができず、片面段ボールシートDの良否判定の精度に影響を及ぼす。そこで、照射装置45の振動の検出値が振動基準値を超えると、警報装置83により警報を発する。作業者は、この警報を聞くと、そのときに判定した片面段ボールシートDの部位を目視により確認することができ、片面段ボールシートDの良否判定を行う。
【0147】
なお、振動基準値とは、中芯Bに照射する平行光がぶれによる撮影画像の劣化度合いに応じて設定されるものであり、予め実験等により求めておく。また、照射装置45の振動を検出する振動検出装置82を設けたが、撮像装置46の振動を検出する振動検出装置を設けてもよい。また、照射装置45と取付ブラケット71との間や撮像装置46とブラケット72との間などに防振ゴムを設けるとよい。
【0148】
このように第4実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、照射装置45と撮像装置46の少なくとも一方の振動を検出する振動検出装置82と、警報を発する警報装置83を設け、制御装置47は、振動検出装置82の検出値が振動基準値を超えると、警報装置83を作動させる。
【0149】
従って、照射装置45が振動すると、平行光がぶれて鮮明な陰影を形成することが困難となるおそれがあり、撮像装置46が中芯Bの山の適正な画像を取得することができない。そのため、照射装置45の振動の検出値が振動基準値を超えると、警報を発することで、作業者は、この振動発生時に判定された両面段ボールシートFの良否判定を目視により再確認することができ、良否判定精度を向上することができる。
【0150】
[第5実施形態]
図13は、第5実施形態の段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図、
図14から
図17は、案内部材の変形例を表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0151】
第5実施形態の段ボールシートの不良検出装置は、
図13に示すように、ガイドローラ42,44と、照射装置45と、撮像装置46と、案内装置としての円柱体(または、円筒体)91とを有している。
【0152】
そして、走行する片面段ボールシートDは、ガイドローラ42、円柱体91、ガイドローラ44に案内される。そして、片面段ボールシートDが円柱体91に接触して案内されるとき、照射装置45が円柱体91により搬送される片面段ボールシートDの中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置46が中芯Bにおける平行光の照射部を撮像する。
【0153】
第5実施形態では、案内部材を円柱体(または円筒体)91とすることで、片面段ボールシートが円柱体91に案内されることとなり、片面段ボールシートDの振動を抑制することができる。
【0154】
なお、案内装置は、円柱体(または、円筒体)91に限定されるものではない。第5実施形態の第1変形例としての段ボールシートの不良検出装置は、
図14に示すように、ガイドローラ42,44と、照射装置45と、撮像装置46と、案内装置としての半円柱体(または、半円筒体)92とを有している。
【0155】
そして、走行する片面段ボールシートDは、ガイドローラ42、半円柱体92、ガイドローラ44に案内される。そして、片面段ボールシートDが半円柱体92に接触して案内されるとき、照射装置45が円柱体91により搬送される片面段ボールシートDの中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置46が中芯Bにおける平行光の照射部を撮像する。
【0156】
この第1変形例では、案内部材を半円柱体(または半円筒体)92とすることで、片面段ボールシートが半円柱体92の湾曲面に案内されることとなり、片面段ボールシートDの振動を抑制することができる。
【0157】
第5実施形態の第2変形例としての段ボールシートの不良検出装置は、
図15に示すように、ガイドローラ42,44と、照射装置45と、撮像装置46と、案内装置としての湾曲体93とを有している。
【0158】
そして、走行する片面段ボールシートDは、ガイドローラ42、湾曲体93、ガイドローラ44に案内される。そして、片面段ボールシートDが半円柱体92に接触して案内されるとき、照射装置45が円柱体91により搬送される片面段ボールシートDの中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置46が中芯Bにおける平行光の照射部を撮像する。
【0159】
この第2変形例では、案内部材を湾曲体93とすることで、片面段ボールシートが湾曲体93の湾曲面に案内されることとなり、片面段ボールシートDの振動を抑制することができる。
【0160】
第5実施形態の第3変形例としての段ボールシートの不良検出装置は、
図16に示すように、ガイドローラ42,44と、照射装置45と、撮像装置46と、案内装置としての板状体94とを有している。
【0161】
そして、走行する片面段ボールシートDは、ガイドローラ42、板状体94、ガイドローラ44に案内される。そして、片面段ボールシートDが板状体94の平面部に接触して案内されるとき、照射装置45が円柱体91により搬送される片面段ボールシートDの中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置46が中芯Bにおける平行光の照射部を撮像する。
【0162】
この第3変形例では、案内部材を板状体94とすることで、片面段ボールシートが板状体94の平面面に案内されることとなり、片面段ボールシートDの振動を抑制することができる。
【0163】
第5実施形態の第4変形例としての段ボールシートの不良検出装置は、
図17に示すように、ガイドローラ42,44と、照射装置45と、撮像装置46と、案内装置としてのガイドローラ95及び吸引装置96とを有している。ガイドローラ95は、中空形状をなし、外周面に多数の吸引孔が設けられると共に、吸引装置96により吸引可能となっている。
【0164】
そして、走行する片面段ボールシートDは、ガイドローラ42、ガイドローラ95、ガイドローラ44に案内される。そして、片面段ボールシートDがガイドローラ95の周面に接触して案内されるとき、吸引装置(吸引部)96によりガイドローラ95は、外周面が各吸引孔により吸引部作用することとなり、片面段ボールシートDがガイドローラ95の外周面に吸着されながら走行し、照射装置45がガイドローラ95により搬送される片面段ボールシートDの中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置46が中芯Bにおける平行光の照射部を撮像する。
【0165】
この第4変形例では、案内部材をガイドローラ95及び吸引装置96とすることで、片面段ボールシートがガイドローラ95の案内面に吸着されながら案内されることとなり、片面段ボールシートDを確実にガイドローラ95に接触させることができる。
【0166】
なお、第4変形例では、案内部材としてのガイドローラ95に吸引装置96により吸引部を設けたが、第5実施形態の円柱体(または、円筒体)91、各変形例の半円柱体(または半円筒体)92、湾曲体93、板状体94に吸引部を設けてもよい。
【0167】
[第5実施形態]
図18は、第6実施形態の段ボールシートの不良検出装置における画像処理方法を説明するためのフローチャートである。なお、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置の基本的な構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様の構成であり、
図2を用いて説明すると共に、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0168】
第5実施形態において、
図2に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ41,42,43,44と、照射装置45と、撮像装置46と、制御装置47、表示装置48とを有している。そして、制御装置47は、陰影画像処理装置51と、判定装置52と、記憶装置53とを有している。本実施形態にて、判定装置52は、明部Wの長さと暗部Gの長さとの比率を判定値と比較して良否を判定する。ここで、判定装置52は、複数の明部Wの長さと複数の暗部Gの長さとの比率の平均値を判定値と比較して良否を判定するように構成してもよい。
【0169】
この場合、判定値は、予め設定された領域であるが、これに限定されるものではない。例えば、既に良否判定が終了した複数の明部Wの長さの合計値と既に良否判定が終了した複数の暗部Gの長さの合計値との比率を判定値としてもよい。この判定値を用いることで、各種機器が振動しても、明部Wの長さと暗部Gの長さとの比率がほぼ同様となり、正常な陰影画像が得られなくても、誤検出を抑制して良否検出精度を向上することができる。また、既に良否判定が終了した複数の明部Wの長さの平均値と既に良否判定が終了した複数の暗部Gの長さの平均値との比率を判定値としてもよい。この判定値を用いることで、更なる良否検出精度を向上することができる。
【0170】
図18に示すように、ステップS21にて、取り込まれた中芯Bの陰影画像を射影し、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。ステップS22にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS23にて、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取る、即ち、差分を求める。ステップS24にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値Pを抽出する。ステップS25にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1を算出する。そして、ステップS26にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率を算出する。
【0171】
ステップS27にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率と判定領域とを比較し、この比率が判定領域内にあるかどうかを判定する。具体的には、下記のように比率を算出し、この比率が判定値以下であれば、良品と判定し、比率が判定値より大きければ、不良品と判定する。
比率=明部Wの長さW1/暗部Gの長さG1
【0172】
即ち、ステップS27にて、比率が判定領域内にあると判定されると、良品であるとしてステップS28に移行し、ここで中芯Bの一つの山が良品であると判定する。一方、ステップS27にて、比率が判定領域内にないと判定されると、不良品であるとしてステップS29に移行する。また、そして、ステップS29にて、中芯Bの一つの山が不良品であると判定し、ステップS30にて、この不良の山が含まれる不良の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
【0173】
このように第5実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、判定装置52は、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率とを判定値(判定領域)と比較して良否を判定している。従って、各種機器が振動したり、搬送中の片面段ボールシートDに滑りが発生して明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1が変動しても、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率はほぼ同様であることから、正常な陰影画像が得られなくても、誤検出を抑制して良否検出精度を向上することができる。
【0174】
[第6実施形態]
図19は、第7実施形態の段ボールシートの不良検出装置における画像処理方法を説明するためのフローチャートである。なお、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置の基本的な構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様の構成であり、
図2を用いて説明すると共に、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0175】
第6実施形態において、
図2に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ41,42,43,44と、照射装置45と、撮像装置46と、制御装置47、表示装置48とを有している。そして、制御装置47は、陰影画像処理装置51と、判定装置52と、記憶装置53とを有している。本実施形態にて、判定装置52は、複数の明部の長さを平均して算出した明部平均値と第1判定値を比較して良否を判定すると共に、複数の所定個数の暗部の長さを平均して算出した暗部平均値と第2判定値と比較して良否を判定する。
【0176】
図19に示すように、ステップS31にて、取り込まれた中芯Bの陰影画像を射影し、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。ステップS32にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS33にて、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取る、即ち、差分を求める。ステップS34にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値Pを抽出する。ステップS35にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1を算出する。そして、ステップS36にて、複数の明部Wの長さW1を平均して算出した明部平均値と、複数の暗部Gの長さG1を平均して算出した暗部平均値を算出する。
【0177】
ステップS37にて、明部Wの長さW1の平均値と第1判定領域とを比較し、明部Wの長さW1の平均値が第1判定領域内にあるかどうかを判定する。例えば、下記のように平均値を算出し、この平均値が判定領域内にあれば、良品と判定し、平均値が判定領域外にあれば、不良品と判定する。
明部平均値=(明部Wの長さW1+長さW2+長さW3)/3
暗部平均値=(暗部Gの長さG1+長さG2+長さG3)/3
【0178】
即ち、ステップS37にて、明部Wの長さW1の平均値が第1判定領域内にあると判定されると、良品であるとしてステップS38に移行する。ステップS38にて、暗部Gの長さG2の平均値と第2判定領域とを比較し、暗部Gの長さG1の平均値が第2判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、暗部Gの長さG1の平均値が第2判定領域内にあると判定されると、良品であるとしてステップS39に移行し、ここで中芯Bの一つの山が良品であると判定する。一方、ステップS37にて、明部Wの長さW1の平均値が第1判定領域内にないと判定されると、不良品であるとしてステップS40に移行する。また、ステップS38にて、暗部Gの長さG1の平均値が第2判定領域内にないと判定されると、不良品であるとしてステップS40に移行する。そして、ステップS40にて、中芯Bの一つの山が不良品であると判定し、ステップS41にて、この不良の山が含まれる不良の両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
【0179】
このように第6実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、複数の明部Wの長さW1を平均して算出した明部平均値と第1判定値を比較して良否を判定すると共に、複数の暗部Gの長さG1を平均して算出した暗部平均値と第2判定値と比較して良否を判定している。従って、運転条件により芯紙の山の形状が変化した場合であっても、所定個数の明部Wの長さW17暗部Gの長さG1を平均した平均値と判定値(判定領域)とを比較して判定する。そのため、異常値が平準化されてから比較されることとなり、これを不良と判定することはなく、不良の誤検出の発生を抑制して良否検出精度を向上することができる。