(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
開口部を有する有底角筒状のケース本体と該ケース本体の開口部を塞ぐ蓋体とを有するケースであって、前記蓋体と対向する位置にある前記ケース本体の底部の内面である第1内面及びケース本体において該第1内面と略直交するように隣り合う位置にある第2内面を有するケースと、
該ケースの内部に収納される電極体であって、互いに絶縁された正極板と負極板とを含む電極体と、
前記ケースの外部に配置される電極端子と、
前記ケースの内部に収納され且つ該ケースの内面に沿って延びると共に、前記電極体と前記電極端子とを電気的に接続する集電体とを備え、
前記集電体は、前記集電体の長さ方向の先端部であって前記電極端子と接続される側とは反対の先端部、及び前記電極体の端部に接続される部位を含み、且つ、少なくとも前記電極体の端部に接続される部位が前記電極体の端部と前記ケースの第2内面との間に配置される電極添設部を備え、
前記電極添設部の長さ方向の基端部側の部位であって前記集電体が前記電極端子と接続されている側である基端部側の部位における幅は、前記電極添設部の前記先端部側の部位における幅より広く、
前記集電体の前記先端部は、前記ケースの前記第1内面に支えられる、
蓄電素子。
開口部を有する有底角筒状のケース本体と該ケース本体の開口部を塞ぐ蓋体とを有するケースであって、前記蓋体と対向する位置にある前記ケース本体の底部の内面である第1内面及びケース本体において該第1内面と略直交するように隣り合う位置にある第2内面を有するケースと、
該ケースの内部に収納される電極体であって、互いに絶縁された正極板と負極板とを含む電極体と、
前記ケースの外部に配置される電極端子と、
前記ケースの内部に収納され且つ該ケースの内面に沿って延びると共に、前記電極体と前記電極端子とを電気的に接続する集電体とを備え、
前記集電体は、前記集電体の長さ方向の先端部であって前記電極端子と接続される側とは反対の先端部、及び前記電極体の端部に接続される部位を含み、且つ、少なくとも前記電極体の端部に接続される部位が前記電極体の端部と前記ケースの第2内面との間に配置される電極添設部を備え、
前記電極添設部の長さ方向の基端部側の部位であって前記集電体が前記電極端子と接続されている側である基端部側の部位の強度は、前記電極添設部の長さ方向の先端部側の部位であって前記集電体が前記電極端子と接続されている側と反対の側である先端部側の部位の強度よりも高く、
前記集電体の前記先端部は、前記ケースの前記第1内面に支えられる、
蓄電素子。
前記電極添設部は、前記電極添設部の長さ方向の基端部側の部位であって前記集電体が前記電極端子と接続されている側である基端部側の部位における前記開口部の端部及び前記電極添設部の前記先端部側の部位における前記開口部の端部のそれぞれに切欠きを備え、
前記電極添設部の前記基端部側の部位における前記切欠きの開き角度は、前記電極添設部の前記先端部側の部位における前記切欠きの開き角度よりも小さい
請求項9に記載の蓄電素子。
【背景技術】
【0002】
近年、車両(自動車、自動二輪車等)や各種機器(携帯端末、ノート型パソコン等)の動力源として、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)やキャパシタ(電気二重層キャパシタ等)といった放充電可能な蓄電素子が採用されている。特に、電気自動車などの動力源として、エネルギ密度の高いリチウム二次電池が各種提供されている。このリチウム二次電池は、金属製の電池ケース、電池ケースの内部に収納される発電要素、電池ケースの内部から外部に突出する電極端子、発電要素と電極端子とを接続する集電体などを備えている。そして、特許文献1には、電池の内部抵抗を増大させることなく、発電要素と集電体とを接続した角型二次電池についての発明が記載されている。
【0003】
この角型二次電池では、
図11に示すように、電池ケース(特許文献1では「電池缶」)110の内部に、発電要素(特許文献1では「巻き取り電極体」)120が電池ケース110の内面との間に隙間を設けて収容され、電池ケース110の内部から外部に正極及び負極の電極端子131、132が突出し、発電要素120と各電極端子131、132とが集電体(特許文献1では「集電部材」)140によって接続されている。
【0004】
発電要素120は、帯状の正極板と負極板との間に帯状のセパレータを介在させ(いずれも個別に図示せず)、これらを渦巻状に巻回して扁平に圧縮したものである。発電要素120は、その両端部の巻回中心部に、それぞれ
図12に示すような(
図12では片方のみ図示)中央孔121を有している。また、発電要素120は、その両側に、それぞれ正極芯体と負極芯体の端部が突出した芯体束部122を有している。そして、発電要素120は、各中央孔121が電池ケース110の端面と対峙し、各芯体束部122が電池ケース110の両端に位置するようにして、電池ケース110内に収納される。
【0005】
集電体140は、電極端子131、132に溶接される端子接続部141と、発電要素120の中央孔121に挿入される芯体接続部142と、端子接続部141と芯体接続部142とを繋ぐ連繋部143とを備えている。集電体140は、1枚の矩形状の金属板をプレス加工することで形成される。
【0006】
連繋部143は、発電要素120の圧縮方向の幅よりもわずかに狭い幅を有している。連繋部143は、芯体接続部142に対して直角方向(正面視でL字形)に折り曲げられている。芯体接続部142は、その芯体接続部142の長さ方向の中心線を折り目として二つ折りにされ、折り目が端子接続部141の折り曲げ方向に突出している。
【0007】
芯体接続部142が発電要素120の中央孔121に挿入され、発電要素120の芯体束部122が加圧されることで、芯体接続部142と発電要素120とが圧着される。この状態で、芯体束部122の一方の外周側面から超音波溶接を施すことにより、芯体接続部142と芯体束部122の内周面とが内部抵抗を増大することなく接続される。
【0008】
なお、電池ケース110は、開口部を有する有底角筒状のケース本体111と、ケース本体111の開口部を塞ぐ蓋体112とを組み合わせたものである。ケース本体111の開口部の端縁と蓋体112の外周縁とが溶接される。蓋体112には、電極端子131、132が貫通する孔部(採番せず)が設けられる。蓋体112の孔部から電極端子131、132が突出し、リベットによって蓋体112に固定される。発電要素120で発生した電力は、蓋体112から突出した電極端子131、132から取り出される。
【0009】
ところで、従来の電池では、発電要素120と電池ケース110のケース本体111の内面との間に隙間が設けられている。このため、発電要素120は集電体140によって蓋体112から吊り下げられた状態になっている。また、集電体140の端子接続部141が電池ケース110の蓋体112に固定されている。
【0010】
したがって、例えば自動車に搭載された電池において、走行中に振動が生じたときに、発電要素120はケース本体111と異なる振幅や周波数で振動する。すると、集電体140の、発電要素120と接続されている部分や折り曲げられている部分(連繋部143)に応力が生じ、ついにはこれらの部分が破断して、電池が機能しなくなることもある。
【0011】
特許文献1に記載された集電体140のような形態の集電体について、国連輸送基準試験(UN Transport Test)による振動試験プロファイルを基本とし、最大加速度となる部分のパラメータを、8、10、12、15、18、20、22Gと順次上げて、繰返し試験を行ったところ、16Gや8Gで破断したものがあった。
【0012】
また、従来の電池では、集電体140が発電要素120や電極端子131、132と溶接されているだけでなく、電池ケース110のケース本体111と蓋体112とが溶接されているため、集電体140が破断しても、集電体140を取り出して交換することができない。
【0013】
この種の問題は、キャパシタ(電気二重層キャパシタ等)における集電体についても同様である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態である電池について説明するが、まず始めに、本実施形態に係る電池の概要を説明する。
【0032】
本実施形態に係る電池は、
第1内面及び該第1内面と隣り合う第2内面を有する電池ケースと、
該電池ケースの内部に収納される発電要素であって、互いに絶縁された正極板と負極板とを含む発電要素と、
電池ケースの外部に配置される電極端子と、
電池ケースの内部に収納され、発電要素と電極端子とを電気的に接続する集電体とを備え、
集電体の先端部の先端縁は、電池ケースの第1内面に支えられる。
【0033】
この電池によれば、(電池ケースと電気的に絶縁された状態で該電池ケースに固定されている集電体の、該固定端部とは反対側の端部である)先端部の先端縁が電池ケースの第1内面に(電気的に絶縁された状態で)支えられることにより、発電要素は集電体に吊り下げられた状態にならず、発電要素と集電体と電池ケースとが一体化された状態となる。したがって、電池に振動が加えられたとしても、発電要素と集電体と電池ケースとが一体的に振動する。すなわち、発電要素が電池ケースと異なる振幅や周波数で振動することはない。このため、集電体の、発電要素と接続されている部分などに応力が生じず、集電体が破断しないようにすることができる。
【0034】
ここで、本実施形態に係る電池の一態様として、集電体の先端部は、電池ケースの第2内面と接するように屈曲される、ようにすることができる。
【0035】
この電池によれば、集電体の先端部が電池ケースの第2内面と接するように屈曲されることにより、集電体の先端部がステーのようになる。このため、発電要素を安定した状態で支えることができる。
【0036】
また、本実施形態に係る電池の他態様として、集電体の先端部は、電池ケースの第1内面に沿うように屈曲される、ようにすることができる。
【0037】
この電池によれば、集電体の先端部が電池ケースの第1内面に沿うように屈曲されることにより、集電体の先端部が電池ケースの第1内面に面で接する。このため、発電要素を安定した状態で支えることができる。
【0038】
また、本実施形態に係る電池の一態様として、集電体の先端部の先端縁は、電池ケース
の第1内面と接することにより、電池ケースの第1内面に支えられる、ようにすることが
できる。
【0039】
この電池によれば、集電体の先端部の先端縁が電池ケースの第1内面に接することにより、集電体の先端部の先端縁が電池ケースの第1内面に支持される状態となる。このため、発電要素と集電体と電池ケースとを一体化した状態にすることができる。なお、ここでいう集電体の先端部の先端縁と電池ケースの第1内面とが接する状態は、両者間に絶縁物が介在している状態を含む。
【0040】
また、本実施形態に係る電池の他態様として、
集電体の先端部の先端縁と電池ケースの第1内面との間に間隔が設けられ、
集電体は、該間隔にスペーサを備え、
集電体の先端部の先端縁は、該スペーサを介して電池ケースの第1内面に支えられる、ようにすることができる。
【0041】
この電池によれば、集電体の先端部の先端縁がスペーサを介して電池ケースの第1内面に支持される状態となる。このため、発電要素と集電体と電池ケースとを一体化した状態にすることができる。
【0042】
この場合、スペーサは、絶縁性を有することが好ましい。
【0043】
この電池によれば、集電体の先端部の先端縁と電池ケースの第1内面との間に、絶縁性を有するスペーサが介在していることにより、集電体と電池ケースとの絶縁性を確保することができる。
【0044】
なお、集電体の先端部が電池ケースの第1内面に沿うように屈曲される場合、集電体の先端部の先端縁が、絶縁性を有するスペーサを電池ケースの第1内面との間に挟んで突き刺すことはない。このため、絶縁性を有するスペーサが破損しないようにすることができる。なお、集電体の先端部を円弧状に曲げることによっても、曲げられている部分が、絶縁性を有するスペーサを突き刺すことがなく、このため、同様に絶縁性を有するスペーサが破損しないようにすることができる。
【0045】
また、本実施形態に係る電池の別の態様として、
集電体は、発電要素の端部と電池ケースの第2内面との間に配置される電極添設部であって、発電要素の端部に電気的に接続される電極添設部を備え、
該電極添設部の先端部の先端縁が電池ケースの第1内面に支えられる
ようにすることができる。
【0046】
この電池によれば、電極添設部の先端部の先端縁が電池ケースの第1内面に支えられることにより、発電要素は集電体に吊り下げられた状態にならず、発電要素と集電体と電池ケースとが一体化された状態となる。したがって、電池に振動が加えられたとしても、発電要素と集電体と電池ケースとが一体的に振動する。すなわち、発電要素が電池ケースと異なる振幅や周波数で振動することはない。このため、電極添設部の、発電要素と接続されている部分などに応力が生じず、集電体が破断しないようにすることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る電池のさらに別の態様として、
集電体は、
電極端子と接続される内部接続部と、
発電要素の端部と電池ケースの第2内面との間に配置される電極添設部であって、発電要素の端部に電気的に接続される電極添設部と、
内部接続部と電極添設部との間に介在する中間部とを備え、
該中間部は、バネ性を有する
ようにすることができる。
【0048】
この電池によれば、電池に振動が加えられ、発電要素が電池ケースと異なる振幅や周波数で振動しようとしても、中間部がバネ性を有していることにより、この振動が中間部で吸収される。このため、電極添設部の、発電要素と接続されている部分などに応力が生じないようにすることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る電池の別の態様として、
電極添設部には、その電極添設部の長さ方向に沿って開口部が設けられ、
電極添設部は、該開口部のエッジに、発電要素の端部に接続される突条を備える
ようにすることができる。
【0050】
この電池によれば、開口部のエッジに設けられた突条が発電要素に接続される。そして、突条であることにより、発電要素の正極板又は負極板と電極添設部とを接続しやすくすることができる。
【0051】
この場合、電極添設部の基端部側における強度は、電極添設部の先端部側における強度よりも高い、のが好ましい。
【0052】
この電池によれば、電極添設部の基端部側における強度が電極添設部の先端部側における強度よりも高くされていることにより、電極添設部の基端部側の破断を抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る電池の他態様として、
電極添設部は、電極添設部の基端部側における開口部の端部及び電極添設部の先端部側における開口部の端部のそれぞれに切欠きを備え、
電極添設部の基端部側における切欠きの開き角度は、電極添設部の先端部側における切欠きの開き角度よりも小さい
ようにすることができる。
【0054】
この電池によれば、電極添設部の基端部側における開口部の端部と電極添設部の先端部側における開口部の端部とが切り欠かれ、電極添設部の基端部側における切欠きの開き角度が電極添設部の先端部側における切欠きの開き角度よりも小さくされていることにより、電極添設部の基端部側における強度を電極添設部の先端部側における強度よりも高くすることができる。
【0055】
この場合、
切欠きは、切欠きの尖端部に留孔を備え、
電極添設部の基端部側における切欠きの留孔は、電極添設部の先端部側における切欠きの留孔よりも小さい
ようにすることができる。
【0056】
この電池によれば、切欠きの尖端部に留孔が設けられ、電極添設部の基端部側における切欠きの留孔が電極添設部の先端部側における切欠きの留孔よりも小さくされていることにより、電極添設部の基端部側における切欠きの留孔の周囲の強度を電極添設部の先端部側における切欠きの留孔の周囲の強度よりも高めることができる。
【0057】
また、本実施形態に係る電池の別の態様として、電極添設部の基端部側における幅は、電極添設部の先端部側における幅よりも広い、ようにすることができる。
【0058】
この電池によれば、電極添設部の基端部側における幅が電極添設部の先端部側における幅よりも広くされていることにより、電極添設部の基端部側における強度を電極添設部の先端部側における強度よりも高くすることができる。
【0059】
また、本実施形態に係る車両は、前記いずれかの電池を備える。
【0060】
この車両によれば、電池に振動が加えられても電池の内部の集電体が破断しにくいものとされている。このため、電池に起因する故障を少なくすることができる。
【0061】
以上、電池が振動しても、集電体が破断しにくいようにした電池が提供される。これにより、電池の長寿命化を図ることができる。
【0062】
<第1実施形態>
次に、本実施形態に係る電池の第1実施形態について、
図1〜
図3を参照しながら詳細に説明する。
【0063】
第1実施形態に係る電池は、従来と同様、金属製の電池ケース10、電池ケース10の内部に収納される発電要素20、電池ケース10の内部から外部に突出する正極の電極端子31及び負極の電極端子32、発電要素20と電極端子31、32とを接続する集電体40などを備えている。
【0064】
電池ケース10は、開口部を有する有底角筒状のケース本体11と、ケース本体11の開口部を塞ぐ蓋体12とを組み合わせたものである。両者11、12を組み付けた後にケース本体11の開口部の端縁と蓋体12の外周縁とが溶接されて、両者11、12は一体化される。
【0065】
また、ケース本体11は、長方形状の底部11aの周縁に、対向する一対の側板部11bと対向する一対の端板部11cとが立設されたものである。ケース本体11は、一対の端板部11cが(一対の側板部11bよりも)幅狭とされることで、奥行きの小さい薄型の有底角筒状に形成されている。このような薄型のケース本体11は、薄型でないケース本体よりも放熱性を良好にすることができる。なお、本実施形態においては、ケース本体11の底部11aの内面が本発明の第1内面に相当し、ケース本体11の側板部11bや端板部11cの内面が本発明の第2内面に相当する。
【0066】
蓋体12には、電極端子31、32が貫通する孔部(採番せず)が形成されている。電極端子31、32は、蓋体12の孔部を貫通し、リベットのようにして蓋体12に固定される。したがって、電極端子31、32の外端部が蓋体12から突出し、電極端子31、32の内端部が電池ケース10内に突出している。
【0067】
発電要素20は、帯状の正極板21と帯状の負極板22との間に帯状のセパレータ23を介在させ、これらを扁平に巻回したものである。また、発電要素20の一端側では、正極板21がセパレータ23から突出して露出し、発電要素20の他端側では、負極板22がセパレータ23から突出して露出している。発電要素20は、軸が電池ケース10の底部11aと平行となるように、すなわち、露出している正極板21及び負極板22の各端部が電池ケース10の各端板部11cと対峙するようにして、電池ケース10内に収納される。
【0068】
集電体40は、発電要素20(の一端部から露出する正極板21、すなわち、正極板21の端部)と正極の電極端子31とを接続する正極の集電体40と、発電要素20(の他端部から露出する負極板22、すなわち、負極板22の端部)と負極の電極端子32とを接続する負極の集電体40とがある。
図2及び
図3に示すように、集電体40は、正極の電極端子31又は負極の電極端子32がリベットのようにかしめられて接続されるあるいは電極端子31、32が溶接によって接続される内部接続部41と、発電要素20の正極板21の端部又は負極板22の端部に接続される電極添設部42と、内部接続部41と電極添設部42とを接続する中間部43とを備えている。そして、集電体40は、1枚の金属材料によって正面視変形L字状に成形したものである。
【0069】
なお、例えば、正極の集電体40は、アルミニウム又はアルミニウム合金から成形され、負極の集電体40は、銅又は銅合金から成形される。しかしながら、電池の組立て性を重視する場合は、いずれの集電体40も同じ材質の金属で成形してもよい。
【0070】
集電体40において、中間部43を折目として、内部接続部41と電極添設部42が直角方向(正面視でL字形)に向けられている。内部接続部41は、電池ケース10の蓋体12の裏面と絶縁した状態で、電池ケース10の蓋体12の裏面に沿うように配置されている。内部接続部41の先端部には、
図2(c)に示すように、正極の電極端子31又は負極の電極端子32の内端部を嵌め込む貫通穴41aが設けられている。
【0071】
電極添設部42は、発電要素20の端部とケース本体11の端板部11cとの間に配置されている。電極添設部42の先端縁42aはケース本体11の底部11aに支えられている。より詳しくは、電極添設部42の先端部42bには、例えば、
図1、
図3(a)に示すように、キャップ状の絶縁体(スペーサ)50が被せられている。これにより、電極添設部42(の先端縁42a)は、ケース本体11との絶縁性を確保しつつ、ケース本体11の底部11aに支えられる。
【0072】
あるいは、電極添設部42(の先端縁42a)は、図示しないが、先端縁42aとケース本体11の底部11aとの間に配置された絶縁性スペーサや絶縁コートなどを介して、ケース本体11の底部11aに支えられる。あるいは、図示しないが、先端縁42aとケース本体11の底部11aとの間に間隔が設けられ、この間隔に絶縁性のスペーサが配置されることにより、電極添設部42(の先端縁42a)は、スペーサを介してケース本体11の底部11aに支えられてもよい。
【0073】
電極添設部42は、
図2(b)(c)に示すように、中間部43に接続される基端部42cと、先端部42bとの間に、開口部42dを備えている。この開口部42dの両端部は、図面においてΛ字状とV字状に切り欠かれている。
【0074】
また、Λ字状とV字状に切り欠かれた開口部42dの両端(図面では上端と下端)には、C字状(図面では下向きC字状と上向きC字状)の留孔42e、42fが設けられている。基端部42c側における留孔(以下、「上側留孔」という。)42eは、先端部42b側における留孔(以下、「下側留孔」という。)42fよりも小さくされている。これにより、上側留孔42eの周囲の強度が下側留孔42fの周囲の強度よりも高められている。
【0075】
開口部42dの両エッジには、内部接続部41と同一方向に2本の突条42g、42gが突出して設けられている。開口部42d及び突条42g、42gは、例えば、電極添設部42を成形する前の帯板の状態において長さ方向の切込みを入れ、この切込みの両側を立ち上げることによって形成される。そして、この切込みの両側を立ち上げるのに先立って、前記C字状の上側及び下側の留孔42e、42fを形成しておくことにより、帯板が引き裂かれることはない。
【0076】
立ち上げられた突条42g、42gは、電極添設部42の両側縁よりも内側に寄っている。このため、電極添設部42の上下の両端部は、図面においてW字状と逆W字状に変形する。ただし、立ち上げられた突条42g、42gが内側に寄らないで、電極添設部42の両端部が逆M字状とM字状とに成形されてもよい。
【0077】
各突条42g、42gの両端部は、開口部42dのΛ字状とV字状の切欠きによって捻られている。基端部42c側におけるΛ字状の切欠きの開き角度は、先端部42b側におけるV字状の切欠きの開き角度よりも小さくされ、また、基端部42c側における突条42g、42gの捻り具合が先端部42b側における突条42g、42gの捻り具合よりも小さくされている。これにより、電極添設部42の基端部42c側が先端部42b側よりも高い強度となっている。
【0078】
中間部43は、振動を吸収することができるように、バネ性を備えている。バネ性は、
図2(a)に示すように、円弧状部43aを設けることで付与されている。
【0079】
以上、第1実施形態に係る電池によれば、発電要素20は集電体40によって電池ケース10に吊り下げられた状態でなく、集電体40によって電池ケース10に固定された状態となっている。また、集電体40の中間部43にバネ性が備わっている。このため、電池に振動が加えられても、発電要素20は、電池ケース10と異なる振幅や周波数で振動しない、あるいは、支障のない範囲の振幅や周波数の範囲で振動する。したがって、電池に振動が加えられたときに、集電体40(電極添設部42)の、発電要素20と接続されている部分や折り曲げられている部分(中間部43)などに応力が生じず、これらの部分が破断することはない。
【0080】
具体的には、国連輸送基準試験(UN Transport Test)による振動試験プロファイルを基本とし、最大加速度となる部分のパラメータを、8、10、12、15、18、20、22Gと順次上げて、繰返し試験を行ったところ、
図1に示した第1実施形態に係る電池では、集電体40は破断しなかった。
【0081】
万一、集電体40が破断するとしても、基端部42c側における突条42g、42gの捻り具合を先端部42b側における突条42g、42gの捻り具合よりも小さくし、及び/又は、上側留孔42eを下側留孔42fよりも小さくし、及び/又は、電極添設部42の基端部42c側における幅を電極添設部42の先端部42b側における幅よりも広くすることで、電極添設部42の基端部42c側を電極添設部42の先端部42b側より高い強度とし、電極添設部42の先端部42b側が先に破断するようにされている。したがって、集電体40は、電極添設部42の先端部42b側が先に破断し、電極添設部42の基端部42c側が破断しないため、しばらく電池として使用し続けることができる。
【0082】
このため、第1実施形態に係る電池は、自動車や燃料電池で走行する電車などの車両に搭載して好適に使用することができる。
【0083】
<第2実施形態>
次に、本実施形態に係る電池の第2実施形態について、
図4〜
図6を参酌しながら詳細に説明する。なお、電池ケース10、発電要素20及び電極端子31、32に関する記載は、第1実施形態における記載を援用する。
【0084】
集電体40は、発電要素20(の一端部から露出する正極板21、すなわち、正極板21の端部)と正極の電極端子31とを接続する正極の集電体40と、発電要素20(の他端部から露出する負極板22、すなわち、負極板22の端部)と負極の電極端子32とを接続する負極の集電体40とがある。
図5及び
図6に示すように、集電体40は、正極の電極端子31又は負極の電極端子32がリベットのようにかしめられて接続されるあるいは電極端子31、32が溶接によって接続される内部接続部41と、発電要素20の正極板21の端部又は負極板22の端部に接続される電極添設部42と、内部接続部41と電極添設部42とを接続する中間部43とを備えている。そして、集電体40は、1枚の金属材料によって正面視変形L字状に成形したものである。
【0085】
なお、例えば、正極の集電体40は、アルミニウム又はアルミニウム合金から成形され、負極の集電体40は、銅又は銅合金から成形される。しかしながら、電池の組立て性を重視する場合は、いずれの集電体40も同じ材質の金属で成形してもよい。
【0086】
集電体40において、中間部43を折目として、内部接続部41と電極添設部42が直角方向(正面視でL字形)に向けられている。内部接続部41は、電池ケース10の蓋体12の裏面と絶縁した状態で、電池ケース10の蓋体12の裏面に沿うように配置されている。内部接続部41の先端部には、
図5(c)に示すように、正極の電極端子31又は負極の電極端子32の内端部を嵌め込む貫通穴41aが設けられている。
【0087】
電極添設部42は、発電要素20の端部とケース本体11の端板部11cとの間に配置されている。電極添設部42の先端部42bは、
図6に示すように、内部接続部41と反対の外向き、すなわち、電池ケース10の端板部11cの方に斜め向きに屈曲している。これにより、電極添設部42の先端縁42aはケース本体11の底部11aに支えられている。こうすることにより、電極添設部42の先端縁42aが(後記の絶縁体50を介して)ケース本体11の端板部11bとも接し、ステーのようになる。このため、集電体40が不安定になることなく、発電要素20を安定した状態で支えることができる。
【0088】
電極添設部42の先端部42bには、キャップ状の絶縁体(スペーサ)50が被せられている。これにより、電極添設部42(の先端縁42a)は、ケース本体11との絶縁性を確保しつつ、ケース本体11の底部11aに支えられる。
【0089】
あるいは、電極添設部42(の先端縁42a)は、図示しないが、先端縁42aとケース本体11の底部11aとの間に配置された絶縁性スペーサや絶縁コートなどを介して、ケース本体11の底部11aに支えられる。あるいは、図示しないが、先端縁42aとケース本体11の底部11aとの間に間隔が設けられ、この間隔に絶縁性のスペーサが配置されることにより、電極添設部42(の先端縁42a)は、スペーサを介してケース本体11の底部11aに支えられてもよい。
【0090】
電極添設部42は、
図5(b)(c)に示すように、中間部43に接続される基端部42cと、先端部42bとの間に、開口部42dを備えている。この開口部42dの両端部は、図面においてΛ字状とV字状に切り欠かれている。
【0091】
また、Λ字状とV字状に切り欠かれた開口部42dの両端(図面では上端と下端)には、C字状(図面では下向きC字状と上向きC字状)の留孔42e、42fが設けられている。基端部42c側における留孔(以下、「上側留孔」という。)42eは、先端部42b側における留孔(以下、「下側留孔」という。)42fよりも小さくされている。これにより、上側留孔42eの周囲の強度が下側留孔42fの周囲の強度よりも高められている。
【0092】
開口部42dの両エッジには、内部接続部41と同一方向に2本の突条42g、42gが突出して設けられている。開口部42d及び突条42g、42gは、例えば、電極添設部42を成形する前の帯板の状態において長さ方向の切込みを入れ、この切込みの両側を立ち上げることによって形成される。そして、この切込みの両側を立ち上げるのに先立って、前記C字状の上側及び下側の留孔42e、42fを形成しておくことにより、帯板が引き裂かれることはない。
【0093】
立ち上げられた突条42g、42gは、電極添設部42の両側縁よりも内側に寄っている。このため、電極添設部42の上下の両端部は、図面においてW字状と逆W字状に変形する。ただし、立ち上げられた突条42g、42gが内側に寄らないで、電極添設部42の両端部が逆M字状とM字状とに成形されてもよい。
【0094】
各突条42g、42gの両端部は、開口部42dのΛ字状とV字状の切欠きによって捻られている。基端部42c側におけるΛ字状の切欠きの開き角度は、先端部42b側におけるV字状の切欠きの開き角度よりも小さくされ、また、基端部42c側における突条42g、42gの捻り具合が先端部42b側における突条42g、42gの捻り具合よりも小さくされている。これにより、電極添設部42の基端部42c側が先端部42b側よりも高い強度となっている。
【0095】
中間部43は、振動を吸収することができるように、バネ性を備えている。バネ性は、
図5(a)に示すように、円弧状部43aを設けることで付与されている。
【0096】
以上、第2実施形態に係る電池によれば、発電要素20は集電体40によって電池ケース10に吊り下げられた状態でなく、集電体40によって電池ケース10に固定された状態となっている。また、集電体40の中間部43にバネ性が備わっている。このため、電池に振動が加えられても、発電要素20は、電池ケース10と異なる振幅や周波数で振動しない、あるいは、支障のない範囲の振幅や周波数の範囲で振動する。したがって、電池に振動が加えられたときに、集電体40(電極添設部42)の、発電要素20と接続されている部分や折り曲げられている部分(中間部43)などに応力が生じず、これらの部分が破断することはない。
【0097】
具体的には、国連輸送基準試験(UN Transport Test)による振動試験プロファイルを基本とし、最大加速度となる部分のパラメータを、8、10、12、15、18、20、22Gと順次上げて、繰返し試験を行ったところ、
図4に示した第2実施形態に係る電池では、集電体40は破断しなかった。
【0098】
万一、集電体40が破断するとしても、基端部42c側における突条42g、42gの捻り具合を先端部42b側における突条42g、42gの捻り具合よりも小さくすることで、電極添設部42の基端部42c側を電極添設部42の先端部42b側より高い強度としている。そして、上側留孔42eを下側留孔42fよりも小さくし、また、電極添設部42の基端部42c側における強度を電極添設部42の先端部42b側における強度よりも高くすることで、電極添設部42の先端部42b側が先に破断するようにされている。したがって、集電体40は、電極添設部42の先端部42b側が先に破断し、電極添設部42の基端部42c側が破断しないため、しばらく電池として使用し続けることができる。
【0099】
このため、第2実施形態に係る電池は、自動車や燃料電池で走行する電車などの車両に搭載して好適に使用することができる。
【0100】
<第3実施形態>
次に、本実施形態に係る電池の第3実施形態について、
図7〜
図9を参酌しながら詳細に説明する。なお、電池ケース10、発電要素20及び電極端子31、32に関する記載は、第1実施形態における記載を援用する。
【0101】
集電体40は、発電要素20(の一端部から露出する正極板21、すなわち、正極板21の端部)と正極の電極端子31とを接続する正極の集電体40と、発電要素20(の他端部から露出する負極板22、すなわち、負極板22の端部)と負極の電極端子32とを接続する負極の集電体40とがある。
図8及び
図9に示すように、集電体40は、正極の電極端子31又は負極の電極端子32がリベットのようにかしめられて接続されるあるいは電極端子31、32が溶接によって接続される内部接続部41と、発電要素20の正極板21の端部又は負極板22の端部に接続される電極添設部42と、内部接続部41と電極添設部42とを接続する中間部43とを備えている。そして、集電体40は、1枚の金属材料によって正面視変形L字状に成形したものである。
【0102】
なお、例えば、正極の集電体40は、アルミニウム又はアルミニウム合金から成形され、負極の集電体40は、銅又は銅合金から成形される。しかしながら、電池の組立て性を重視する場合は、いずれの集電体40も同じ材質の金属で成形してもよい。
【0103】
集電体40において、中間部43を折目として、内部接続部41と電極添設部42が直角方向(正面視でL字形)に向けられている。内部接続部41は、電池ケース10の蓋体12の裏面と絶縁した状態で、電池ケース10の蓋体12の裏面に沿うように配置されている。内部接続部41の先端部には、
図8(c)に示すように、正極の電極端子31又は負極の電極端子32の内端部を嵌め込む貫通穴41aが設けられている。
【0104】
電極添設部42は、発電要素20の端部とケース本体11の端板部11cとの間に配置されている。電極添設部42の先端部42bは、
図9に示すように、内部接続部41と同じ内向き、すなわち、発電要素20の方に曲げられている。これにより、電極添設部42の先端縁42aは(後記の絶縁体50を介して)ケース本体11の底部11aに面で支えられている。こうすることにより、電極添設部42の先端部42bがケース本体11の底部11aと広い面積で接したステーのようになる。このため、集電体40が不安定になることなく、発電要素20を安定した状態で支えることができる。
【0105】
電極添設部42の先端部42bには、キャップ状の絶縁体(スペーサ)50が被せられている。これにより、電極添設部42(の先端縁42a)は、ケース本体11との絶縁性を確保しつつ、ケース本体11の底部11aに支えられる。そして、電極添設部42の先端縁42aが絶縁体50をケース本体11の底部11aとの間に挟んで突き刺す状態とならないため、絶縁体50は破損しない。また、電極添設部42の先端部42bを円弧状に曲げることで、この曲げられた部分が絶縁体50を突き刺さないようにして、絶縁体50が破損しないようにすることもできる。
【0106】
あるいは、電極添設部42(の先端縁42a)は、図示しないが、先端縁42aとケース本体11の底部11aとの間に配置された絶縁性スペーサや絶縁コートなどを介して、ケース本体11の底部11aに支えられる。あるいは、図示しないが、先端縁42aとケース本体11の底部11aとの間に間隔が設けられ、この間隔に絶縁性のスペーサが配置されることにより、電極添設部42(の先端縁42a)は、スペーサを介してケース本体11の底部11aに支えられてもよい。この絶縁性のスペーサも、電極添設部42の先端縁42aや折り曲げられた部分が突き刺ささらないため、破損しない。
【0107】
電極添設部42は、
図8(b)(c)に示すように、中間部43に接続される基端部42cと、先端部42bとの間に、開口部42dを備えている。この開口部42dの両端部は、図面においてΛ字状とV字状に切り欠かれている。
【0108】
また、Λ字状とV字状に切り欠かれた開口部42dの両端(図面では上端と下端)には、C字状(図面では下向きC字状と上向きC字状)の留孔42e、42fが設けられている。基端部42c側における留孔(以下、「上側留孔」という。)42eは、先端部42b側における留孔(以下、「下側留孔」という。)42fよりも小さくされている。これにより、上側留孔42eの周囲の強度が下側留孔42fの周囲の強度よりも高められている。
【0109】
開口部42dの両エッジには、内部接続部41と同一方向に2本の突条42g、42gが突出して設けられている。開口部42d及び突条42g、42gは、例えば、電極添設部42を成形する前の帯板の状態において長さ方向の切込みを入れ、この切込みの両側を立ち上げることによって形成される。そして、この切込みの両側を立ち上げるのに先立って、前記C字状の上側及び下側の留孔42e、42fを形成しておくことにより、帯板が引き裂かれることはない。
【0110】
立ち上げられた突条42g、42gは、電極添設部42の両側縁よりも内側に寄っている。このため、電極添設部42の上下の両端部は、図面においてW字状と逆W字状に変形する。ただし、立ち上げられた突条42g、42gが内側に寄らないで、電極添設部42の両端部が逆M字状とM字状とに成形されてもよい。
【0111】
各突条42g、42gの両端部は、開口部42dのΛ字状とV字状の切欠きによって捻られている。基端部42c側におけるΛ字状の切欠きの開き角度は、先端部42b側におけるV字状の切欠きの開き角度よりも小さくされ、また、基端部42c側における突条42g、42gの捻り具合が先端部42b側における突条42g、42gの捻り具合よりも小さくされている。これにより、電極添設部42の基端部42c側が先端部42b側よりも高い強度となっている。
【0112】
中間部43は、振動を吸収することができるように、バネ性を備えている。バネ性は、
図8(a)に示すように、円弧状部43aを設けることで付与されている。
【0113】
以上、第3実施形態に係る電池によれば、発電要素20は集電体40によって電池ケース10に吊り下げられた状態でなく、集電体40によって電池ケース10に固定された状態となっている。また、集電体40の中間部43にバネ性が備わっている。このため、電池に振動が加えられても、発電要素20は、電池ケース10と異なる振幅や周波数で振動しない、あるいは、支障のない範囲の振幅や周波数の範囲で振動する。したがって、電池に振動が加えられたときに、集電体40(電極添設部42)の、発電要素20と接続されている部分や折り曲げられている部分(中間部43)などに応力が生じず、これらの部分が破断することはない。
【0114】
具体的には、国連輸送基準試験(UN Transport Test)による振動試験プロファイルを基本とし、最大加速度となる部分のパラメータを、8、10、12、15、18、20、22Gと順次上げて、繰返し試験を行ったところ、
図7に示した第3実施形態に係る電池では、集電体40は破断しなかった。
【0115】
万一、集電体40が破断するとしても、基端部42c側における突条42g、42gの捻り具合を先端部42b側における突条42g、42gの捻り具合よりも小さくすることで、電極添設部42の基端部42c側を電極添設部42の先端部42b側より高い強度としている。そして、上側留孔42eを下側留孔42fよりも小さくし、また、電極添設部42の基端部42c側における強度を電極添設部42の先端部42b側における強度よりも高くすることで、電極添設部42の先端部42b側が先に破断するようにされている。したがって、集電体40は、電極添設部42の先端部42b側が先に破断し、電極添設部42の基端部42c側が破断しないため、しばらく電池として使用し続けることができる。
【0116】
このため、第3実施形態に係る電池は、自動車や燃料電池で走行する電車などの車両に搭載して好適に使用することができる。
【0117】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定することなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
【0118】
例えば、集電体40において、電極添設部42の先端縁42aは、ケース本体11の底部11aに支えられれば、端板部11cと必ずしも接していなくてもよい。また、電極添設部42の中間部43がバネ性を有していなくてもよい。
【0119】
また、集電体40は、中間部43にて直角に屈曲しているものに限定されず、鈍角又は鋭角で屈曲しているものであってもよい。あるいは、集電体40は、中間部43のような屈曲箇所がなく、蓋体12の内面からケース本体11の底部11aに向かって真っ直ぐ伸びる形態であってもよい。
【0120】
また、電極添設部42において、基端部42c側におけるΛ字状の角度と先端部42b側におけるV字状の角度とが同じであってもよい。電極添設部42において、C字状の留孔42e、42fが同じ大きさであってもよい。電極添設部42において、基端部42c側の幅と先端部42b側の幅とが同じであってもよい。
【0121】
また、中間部43のバネ性は、
図10(a)に示すように、内部接続部41に接続される傾斜部43bと、この傾斜部43bと電極添設部42との間の曲がり部43cとを接続させることで付与されてもよい。あるいは、中間部43のバネ性は、
図10(b)に示すように、内部接続部41に接続される曲がり部43dと、この曲がり部43dと電極添設部42との間に設けた横向きU字状の迂回部43eとを接続させることで付与されてもよい。
【0122】
なお、
図10(b)に示した迂回部43eは、ケース本体11内のスペースの関係から内部接続部41側に突出するように設けられるが、図示した1か所だけでなく、複数設けてもよい。また、この迂回部43eと
図10(a)に示した傾斜部43bとを組み合わせたものとしてもよい。さらに、中間部43は波形状に蛇行させてバネ性を備えさせてもよい。
【0123】
また、ケース本体11の端板部11cは幅狭に形成されていることが好ましいが、使用状況に応じて、ケース本体11は必ずしも幅狭の端板部を備えなくてもよい。
【0124】
また、蓄電素子は、電池に限定されるものではない。蓄電素子は、電気二重層キャパシタ等のキャパシタであってもよい。
【0125】
さらに、蓄電素子は、車両に限らず、用途を限定するものでないことはいうまでもない。