特許第6227047号(P6227047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227047
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】ステント弁、送達装置、および送達方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A61F2/24
【請求項の数】16
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2016-85240(P2016-85240)
(22)【出願日】2016年4月21日
(62)【分割の表示】特願2013-529670(P2013-529670)の分割
【原出願日】2011年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-165493(P2016-165493A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年5月20日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2011/065744
(32)【優先日】2011年9月12日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】11006142.1
(32)【優先日】2011年7月26日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】11166201.1
(32)【優先日】2011年5月16日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】11004013.6
(32)【優先日】2011年5月15日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/431,710
(32)【優先日】2011年1月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/386,393
(32)【優先日】2010年9月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513057809
【氏名又は名称】シメティス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】SYMETIS SA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンバルディ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】エッシンガー,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】デラロワ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】エフティ,ジャン−ルク
(72)【発明者】
【氏名】マンタヌス,ルク
(72)【発明者】
【氏名】ビアディラ,ヨウセフ
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/045297(WO,A2)
【文献】 特表2009−530070(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02033593(EP,A1)
【文献】 特許第3036835(JP,B2)
【文献】 特表2013−521884(JP,A)
【文献】 特表2011−509742(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0233222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステント弁のための送達カテーテルであって、解剖学的組織の中に挿入可能である遠位部分を含み、前記遠位部分は前記解剖学的組織への送達のために前記ステント弁を収容するための収容領域を含み、前記送達カテーテルはさらに、少なくとも部分的に前記収容領域を閉じるための閉位置と、少なくとも部分的に前記収容領域を開くための開位置との間を動作可能な少なくとも1つのシースと、(i)前記送達カテーテルの初期状態では実質的に展開されておらず、(ii)前記解剖学的組織からの前記送達カテーテルの撤収を支援するための案内面を提供するよう展開可能である界面部材とを含み、
前記界面部材は、圧縮非展開状態から拡張展開状態へ自己拡張可能である、送達カテーテル。
【請求項2】
前記界面部材は、展開状態にある際に、前記収容領域において軸方向に摺動可能である、請求項1に記載の送達カテーテル。
【請求項3】
前記送達カテーテルはさらに、前記収容領域に存在し、かつ前記ステント弁が前記収容領域内に収容される際に前記ステント弁と接合係合するためのプロファイルを有するステントホルダを含み、前記界面部材の前記案内面は、展開されたときに、前記少なくとも1つのシースが開位置にある状態で前記送達カテーテルの撤収を促進するよう前記ステントホルダだけよりも流線型のプロファイルを提供する、請求項1または2に記載の送達カテーテル。
【請求項4】
ステント弁のための送達カテーテルであって、解剖学的組織の中に挿入可能である遠位部分を含み、前記遠位部分は前記解剖学的組織への送達のために前記ステント弁を収容するための収容領域を含み、前記送達カテーテルはさらに、少なくとも部分的に前記収容領域を閉じるための閉位置と、少なくとも部分的に前記収容領域を開くための開位置との間を動作可能な少なくとも1つのシースと、前記収容領域において展開中に所定の軸方向位置で保持するためのステントホルダと、前記収容領域内に収容される前記ステント弁と、(i)前記送達カテーテルの初期状態では実質的に展開されておらず、(ii)前記解剖学的組織からの前記送達カテーテルの撤収を支援するための案内面を提供するよう展開可能であり、(iii)展開状態にある際に、前記ステントホルダと前記シースの開口端との間で軸方向に摺動可能である界面部材とを含む、送達カテーテル。
【請求項5】
前記ステントホルダは、前記ステント弁が前記収容領域内に収容された際に、前記ステント弁と接合係合するようなプロファイルを有し、前記界面部材の前記案内面は、展開されたときに、前記少なくとも1つのシースが開位置にある状態で前記送達カテーテルの撤収を促進するよう前記ステントホルダだけよりも流線型のプロファイルを提供する、請求項4に記載の送達カテーテル。
【請求項6】
前記送達カテーテルは、前記少なくとも1つのシースが前記開位置にある状態で、18フレンチの動脈導入器を通って撤収可能である、請求項3または請求項5に記載の送達カテーテル。
【請求項7】
第2のシースをさらに含み、前記界面部材は、
(i)前記シースの概して対向する開放端にもしくは当該開放端の間に界面を提供すること、ならびに/または、
(ii)前記シースの開放端を互いに実質的に位置が合うよう、および/もしくはカテーテル軸に対して中心に位置するよう整列させること、ならびに/または、
(iii)前記シースの対向する前記開放端同士の間にブリッジおよび/もしくは平滑なプロファイルを規定することのうちの少なくとも1つを行うよう展開可能である、請求項1〜3,5,6のいずれか1項に記載の送達カテーテル。
【請求項8】
前記界面部材は前記送達カテーテル上に係留される、請求項1〜のいずれか1項に記載の送達カテーテル。
【請求項9】
非展開状態では、前記界面部材はシース内に受け入れられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の送達カテーテル。
【請求項10】
前記界面部材は、圧縮非展開状態から拡張展開状態へ自己拡張可能である、請求項4〜9のいずれか1項に記載の送達カテーテル。
【請求項11】
前記界面部材は、前記案内面を規定するテーパされたまたは丸くされた端部を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の送達カテーテル。
【請求項12】
ステント弁と、前記ステント弁のための送達カテーテルとを備え、前記送達カテーテルは、
送達のために前記ステント弁を収容するためのステント弁収容領域を有する、解剖学的組織への挿入のための遠位部分と、
前記カテーテルの前記遠位部分を操作するための制御ハンドルを有する近位部分と、
前記制御ハンドルから延在するとともに前記収容領域にてステントホルダに結合される第1のチューブと、
前記第1のチューブ内に入れ子式に入れられるとともに、前記制御ハンドルから前記収容領域にある第1のシースまで延在する第2のチューブとを含み、前記第1のシースは、前記第1のチューブ内の前記第2のチューブの遠位運動によって前記収容領域の第1の部分を覆う閉位置から開位置まで遠位方向に平行運動可能であり、前記送達カテーテルはさらに、
前記第1のチューブの周りに存在し、かつ前記制御ハンドルから前記収容領域にある第2のシースまで延在する第3のチューブを含み、前記第2のシースは、前記第1のチューブに対する前記第3のチューブの近位運動により、前記収容領域の第2の部分を覆う閉位置から開位置まで近位方向に平行運動可能であり、
前記ステント弁が前記収容領域内に位置する状態で、前記解剖学的組織への挿入可能な状態となり、前記第1および第2のシースは、前記ステント弁の一部がいずれのシースによっても覆われないように互いに間隔をあけており、
前記制御ハンドルは、前記第1のシースを近位方向に付勢するよう前記第2のチューブに引張力をかけるためのアクチュエータを含み、前記第1のチューブに保持力を加えつつ前記第2のシースが近位側に移動した際に、前記第1のシースが遠位側に近づくのが抑制される、経カテーテル大動脈弁埋込システム
【請求項13】
前記アクチュエータは前記第2のチューブにおいて引張力を維持するよう設定可能である、請求項1に記載のシステム
【請求項14】
前記第2のチューブに引張力をかけることは、前記第1のチューブに対する前記第3のチューブの操作の間、前記第1のシースが遠位に進むことを抑制するよう機能する、請求項1または1に記載のシステム
【請求項15】
前記第1のシースを平行運動させるために、前記アクチュエータは、前記引張力を緩和するとともに、前記第1のシースを遠位方向に平行運動させるために前記第2のチューブ内において軸方向圧縮力を生成するよう構成される、請求項1〜1のいずれか1項に記載のシステム
【請求項16】
前記アクチュエータは手動で運動可能であり、前記制御ハンドルは、前記引張力を生成するのに適切な前記アクチュエータの手動運動量を示すための設定可能インジケータを含む、請求項1〜1のいずれか1項に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の非限定的な局面は、解剖学的組織内での人工ステント弁の経カテーテル埋込みと、製造方法と、ステント弁を埋込みのために所望の埋込部位に送達するための方法および装置に関する。いくつかの非限定的な局面では、本発明は、心臓ステント弁、および/または心臓への送達に向けられる。付加的または代替的には、いくつかの非限定的な局面は、ステント弁と、経脈管アクセスルートを介するそれらの送達とに関する。
【背景技術】
【0002】
大動脈弁置換のための伝統的なアプローチでは、外科医が患者の心臓にアクセスすることを可能にするよう、患者の胸骨(「胸骨切開」)または胸腔(「開胸」)において相対的に大きな開口部の切開が必要である。さらに、これらのアプローチでは、患者の心臓の心拍停止と、心肺バイパス(すなわち患者の血液に酸素添加を行うとともに患者の血液の循環を行う心臓−肺間のバイパスマシンの使用)とが必要である。近年、経カテーテル処置を用いることにより、すなわち、より小さな皮膚切開を通じて挿入されたカテーテルを介して弁の埋込部位まで経脈管ルートまたは経心尖ルートのいずれかを用いて人工弁を送達および埋め込むことにより、侵襲性を低減する取り組みがなされている。人工弁は、ステント弁または弁が設けられたステントと称される。
【0003】
経カテーテル心臓弁置換装置および処置は、侵襲性が少なく、恐らくより複雑でないが、それでもまださまざまな困難に直面している。1つの問題は、たとえば厳しい石灰化の存在下での大動脈弁の解剖学的状態の予測不可能性である。このような変動し得る状態において、遠隔のカテーテルのみを介するアクセスによって、ステント弁の制御可能な一貫した展開および固定を達成することは難しい。不正確に位置決めされた弁は良好に機能し得ないか、繊細な心臓組織を損傷し得る(これによって、患者がペースメーカを装着しなければならなくなる場合がある)か、またはステント弁と生来の組織との間の界面にて血液が漏れ得る。経脈管送達のさらに別の問題は、埋込みのためのステント弁を収納するのに十分な大きさの送達カテーテルを、蛇行およびしばしば狭窄した脈管構造に沿ってナビゲートすることが困難であることである。送達カテーテルの遠位端は典型的に、ステント弁を収容するために直径が6mm〜8mmの範囲にある(18〜24フレンチ)。送達カテーテルの設計は、(i)脈管構造を通る非外傷性の導入、ナビゲーション、およびその後の撤収についての要件と、(ii)たとえば近位端からカテーテルの長さに沿って力を適用して、存在する弁を横方向に移動させるとともに、遠位端を操作して覆いを取ってステント弁を展開するための支持についての要件とに対応しなければならない。これらの要件は、しばしば矛盾し、設計における妥協へとつながる。たとえば、カテーテルの柔らかさおよび柔軟性は、非外傷性とナビゲーションのしやすさとのためには望まれるが、遠く近位端から遠位端に適用される力のための支持を提供するカテーテルの能力が低減してしまう。さらなる課題は、ステント弁の展開の信頼性、精度、または制御性と、ステントの展開の後、たとえばきつく嵌まっている導入器を通じてカテーテルを撤収する能力とに影響を与えることがない、送達カテーテルに望まれる小さなサイズに関する。
【0004】
非常に石灰化した生来の弁においても自己整列および自己配置を期待できる形状を有する1つの特定のタイプのステント弁が、共同所有されるWO−A−2009/053497およびWO−A−2011/051043に記載されている。そのステント構成要素は、流入端部を規定する円錐形の下側固定冠部と、流出端部に向かって下側冠部とは反対方向に外側に傾斜する円錐形の上側固定冠部と、当該流出端部に存在する安定化アーチとを含む。記載されるように、安定化アーチはまず、ステント弁を整列させるために展開され、その後、上側冠部を展開し、最後に下側冠部を展開する。上記のシーケンスに従ってス
テント弁を展開するために用いるのが容易で直観的に使用される経心尖送達装置が記載される。経脈管的な使用のためにステント弁および/または送達装置を改良することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらに別の問題は、ステントが生来の解剖学的組織に対してある回転整列するように、ステントを送達軸の周りを回転させる必要が時にあることである。以前に記載されたあるステントの設計は、正確に配置/機能するために、生来の解剖学的組織とステントとの間の正確な回転整列に依拠している。他の以前に示されたステントの設計は、局所的な解剖学的組織に対して適切に整列された際に、各冠動脈への入口を相対的に空けたままにするアパーチャまたは間隙を含む。これは冠動脈への血流に恩恵を与え、および/またはその後の治療において患者に望ましい場合、冠動脈ステントを埋め込むためのアクセスを可能にすることによって冠動脈のその後の治療を可能にする。
【0006】
以前に記載された装置では、捩り力を近位のハンドル端部からカテーテルに適用することにより回転が達成される。理想的には、遠位端が、捩り力に応答して一定の速度で回転するはずである。回転は一般的には、ハンドルからステント担持端部まで相対的に真っすぐに延在する短いカテーテル(たとえば経心尖)では問題ではないが、相対的に捩れたおよび/または実質的に湾曲した経路上を延在する長いカテーテル(たとえば経脈管)では非常に大きな問題となる。動脈壁に対する摩擦は自由回転を妨げ、これにより動脈自体へと捩れが分散する。ハンドル端部が回転されても、遠位端は固定されたままである傾向がある。捩りエネルギーは、全エネルギーが摩擦抵抗を上回るようハンドルが十分に回転されるまでカテーテルの長さに沿って強化される傾向がある。その際、遠位端は自由に飛び出るとともに大きな角度で回転する。これにより、回転の調節が相対的に粗くなり、細かい調節を達成するのが非常に難しくなる。したがって、長いまたは湾曲したルートを通ってステントを送達する際に、容易な回転および柔軟性を可能にするステント送達システムについての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題のすべてを念頭に置いて本発明は発明された。上記の問題の少なくとも1つに対応および/または上記の問題の少なくとも1つを軽減するのが望ましくあり得る(必須ではない)。
【0008】
上記の関連技術の記載を含むこの記載を通じて、任意またはすべての米国特許を含む本願明細書において記載される公的に利用可能な任意またはすべての文書は、本願明細書においてその全文が参照により具体的に援用される。上記の関連技術の記載は、係属中の米国特許出願を含むそこに記載された文書のいずれかが本開示に従った実施例に対する先行技術であることを認めるものとして意図されるものでは決してない。さらに、記載される製品、方法、および/または装置に関連付けられる如何なる欠点についての本願明細書における記載も、当該開示を限定するよう意図されるわけではない。確かに、開示される実施例の局面は、それらの記載される欠点を有することなく、記載される製品、方法、および/または装置のある特徴を含み得る。
【0009】
おおまかに言えば、本発明の1つの局面は、埋込部位へのステント弁の経脈管送達のための送達カテーテルを提供する。当該送達カテーテルは、ステント弁とは独立して規定されてもよく、またはステント弁と組み合されたシステムの一部として規定されてもよい。本発明はさらに、以下のすべて随意である特徴のいずれか1つまたは2つ以上の組合せを含み得る。
【0010】
(a)送達カテーテルは、解剖学的組織への挿入のための遠位部分と、近位部分と、遠位部分に存在する、ステント弁を送達のために圧縮状態で収容するためのステント弁収容領域と、収容領域から近位部分に向かって(たとえば、近位部分にある制御ハンドルへ)延在するステム部分とを有し得る。規定される場合、ステント弁は、送達のために圧縮状態へと半径方向に圧縮可能であるとともに、機能状態へと半径方向に拡張可能であり得る。ステント弁は、複数の弁尖と、上記弁尖を支持および/または収納するためのステント構成要素とを含み得る。ステント構成要素は、圧縮状態から自己拡張であるか、またはステント構成要素は非自己拡張であってもよい(その場合、送達カテーテルは、展開力を適用して拡張を引き起こすまたは拡張を強制するための装置を含み得る)。
【0011】
(b)当該送達カテーテルは、ステント弁の第1の部分を圧縮状態に拘束するよう収容領域の第1の部分および/またはステント弁を覆うための第1のシースと、ステント弁の第2の部分を圧縮状態に拘束するよう収容領域の第2の部分および/またはステント弁を覆うための第2のシースとを含み得る。
【0012】
第2のシースは、第2の部分の覆いを取るよう近位方向に平行運動可能であり得る。第1のシースは、第1の部分の覆いを取るよう遠位方向に平行運動可能であり得る。反対方向に運動するこのようなシースの使用により、シースが開いている際のカテーテルの合計の遠位方向への延在が低減され得る(たとえば、単一の遠位方向に運動するシースを用いるカテーテルと比較して)。
【0013】
第1および第2のシースは独立して平行運動可能であり得る。
ステムは、第1のシースおよび/または第2のシースよりも小さい外径を有し得る。
【0014】
送達カテーテルはさらに、展開の間にステント弁を所定の軸方向位置に保持するための、収容領域に存在するステントホルダを含み得る。ステントホルダは、ステント弁が(たとえば遠位方向および近位方向の両方に)実質的な軸方向運動をするのを抑制し得る。ステントホルダは、ステント構成要素のある部分と接合するプロファイルを有し得る。たとえば、この接合は、ステントホルダと接合しているステント構成要素の部分が最終的にそれぞれのシースの除去により拡張することが許された際に、ステントホルダからのステント構成要素の自己分離を可能にし得るような接合であり得る。いくつかの実施例では、ステントホルダは、収容領域の遠位端に向かうように位置決めされ、ならびに/またはステント構成要素の遠位端部分および/もしくは流入端部部分に接合するよう構成される。随意では、ステントホルダは、第1のシースによって少なくとも部分的に重畳されてもよい。随意では、ステントホルダは第2のシースによって重畳されなくてもよい。
【0015】
第2のシースは第1のシースよりも長くあり得る。このような構成は、ステント弁を展開するようシースを平行運動させる際に送達カテーテルの遠位延在部をさらに低減し得る。たとえば、第1のシースの長さで除算した第2のシースの長さの比は、少なくとも1.1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、または少なくとも5であり得る。
【0016】
第1および第2のシースは、シースの端部が互いに重畳しないように構成され得る。重畳を避けることで、そうでなければシース壁部が互いに重畳することによって引き起こされ得た遠位部分の過剰な直径が避けられ得る。第1および第2のシースは互いに、実質的に同じ内径および/または外径を有してもよい。
【0017】
いくつかの実施例では、第1および第2のシースは、1つの構成では、実質的に端部同士で接触し得る。送達カテーテルは、患者への導入の準備ができたステント弁を含む際、シースが実質的に端部同士で接触するように用いられ得、これによりステント弁の長さを
実質的にすべて覆う。
【0018】
代替的には、シースが端部同士で接するよう位置決めされることが可能かどうかにかかわらず、患者への導入の準備ができたステント弁を含む場合の使用では、シース端部は、ステント弁の一部がいずれのシースによっても覆われないように互いに間隔を置き得る。シース同士の間隔は、たとえば、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、または少なくとも6mmであり得る。付加的または代替的には、この間隔は、10mm未満、9mm未満、8mm未満、7mm未満、6mm未満、または5mm未満であり得る。一形態では、間隔は約4mmと約6mmとの間である。間隔は、内側スカートおよび外側スカートが重畳するステント弁の領域に(たとえば近似的に)対応し得るか、および/または、間隔の領域においてステント弁における応力を低減し得る。
【0019】
収容領域では、ステント弁は、ステント弁の流入端部がステント弁の流出端部の遠位にあるように方向付けされ得る。
【0020】
カテーテルは、以下に記載する関連付けられる特徴のいずれかを有する界面部材をさらに含み得る。
【0021】
(c)送達カテーテルは、収容領域にてステント弁の少なくともある部分を圧縮状態に抑制するための抑制位置から、ステント弁のそれぞれの部分が収容領域から展開のために覆いを取られる開位置まで平行運動可能な少なくとも1つのシースと、ステント弁が展開された後、解剖学的組織からの送達カテーテルの撤収を支援するための案内面を提供するよう展開可能である界面部材とを含み得る。随意では、カテーテルは、界面部材が展開状態で撤収可能であり得る。随意では、界面部材は、送達カテーテル上、たとえば収容領域にて係留されて保持され得る。
【0022】
この界面部材は、有意な性能上の利点を提供し得る。いくつかの実施例では、送達カテーテルの遠位部分は、少なくとも1つのシースが開くよう平行運動する際に露出する1つ以上の急峻な表面またはエッジを含み得る。少なくとも1つのシースが開いたままであれば、これらの急峻な表面/エッジは、たとえば、きつく嵌まっている導入器を通るカテーテルの除去を妨げ得る。少なくとも1つのシースを閉じることは、シースの開放端が、送達カテーテルの別の部分との同心の関係について、圧縮されたステント弁の存在に最初に依拠している場合、問題となり得る(たとえば対向する第1および第2のシースの同心度)。
【0023】
いくつかの実施例では、界面部材は、少なくとも1つのシースが開いている際にステントホルダまたは遠位部分の他の構成要素の露出した急峻なエッジと協働するための案内面を提供し得る。この案内面は、シースが開いたままである場合に、あまり急峻でないおよび/またはより流線型の露出したプロファイルを規定する。より流線型のプロファイルによって、送達カテーテルの遠位部分が実質的な障害なしで、きつく嵌まっている導入器の中および当該導入器を通って撤収されることが可能になり得る。
【0024】
付加的または代替的には、いくつかの実施例では、界面部材の案内面は、
(i)開放端にてシースのエッジを少なくとも部分的に覆うおよび/もしくは当該エッジに対応するプロファイルを規定し、ならびに/または、
(ii)シースの開放端をカテーテルの軸に対して中心に配置するよう機能し得る。
【0025】
このような機能は、所望の場合、シースをより容易に閉じることを可能にし得る。
いくつかの実施例では、送達カテーテルは、第1および第2のシースを含み得、第1お
よび第2のシースの少なくとも1つは、上述したように平行運動可能である。他方のシースも平行運動可能であってもよく、または他方のシースは実質的に固定されてもよい。これらのシースは、当該(または各々の)シースが閉位置にある際に(シースが端部同士で接しているかどうかにかかわらず)互いに概して対向するそれぞれの開放端を有し得る。
【0026】
いくつかの実施例では、界面部材は、
(i)概して対向する開放端にもしくは当該開放端の間に界面を提供すること、ならびに/または、
(ii)シースの開放端を互いに実質的に位置が合うよう、および/もしくはカテーテル軸に対して中心に位置するよう整列させること、ならびに/または、
(iii)シースの対向する開放端同士の間にブリッジおよび/もしくは平滑なプロファイルを規定すること
を行うよう展開可能であり得る。
【0027】
界面部材の機能が何であれ、いくつかの実施例では、界面部材は、カテーテル軸に沿って非展開状態から展開状態まで平行運動可能であり得る。たとえば、界面部材は最初は非展開状態でシースの1つの中に収納され得るとともに、展開状態へ遷移するようシースの開放端までまたは開放端に向かって平行運動可能であり得る。いくつかの実施例では、界面部材は、運動の所定の範囲内で実質的に自由に平行運動可能であり得、シースの運動とともにまたはシースの運動に応答して運動するよう構成され得る。
【0028】
付加的または代替的には、いくつかの実施例では、界面部材(またはその少なくとも一部)は拡張可能であり得る。非展開状態から展開状態まで遷移は、拡張可能な部分の拡張を含み得る。たとえば、界面部材の拡張可能な部分は、半径方向に拡張可能であり得る。拡張可能な部分は、圧縮状態から自己拡張可能であり得る。
【0029】
いくつかの実施例では、界面部材は、運動可能および自己拡張可能の両方であり得る。たとえば、界面部材は最初は、圧縮非展開状態でシースの1つに収納され得る。シースは、圧縮状態に界面部材を拘束し得る。シースと界面部材との間の相対運動により、界面部材がシースの開放端に向かって遷移し得る。界面部材がシースによってもはや拘束されない場合、界面部材は展開するよう自己拡張し得る。拡張の際、界面部材は、シースの開放端および/もしくはステントホルダの露出したエッジにてまたは当該開放端および/もし
くはエッジの近くで、展開状態で浮動または自己位置決めし得る。
【0030】
(d)送達カテーテルは、ステント弁のある部分の外面と、送達カテーテルの平行運動可能なシースの内面との間の嵌合のための、柔軟性材料のスリーブまたはスカート(またはセグメント)を含み得る。スリーブ/スカートセグメントはさらに、ペタルまたはタブと称され得る。スリーブ/スカート(またはセグメント)は、柔軟な膜またはウェーハ材料からなり得る。シースは、スリーブ/スカート(またはセグメント)に対して平行運動し得る。スリーブ/スカート(またはセグメント)は随意では送達カテーテルのステントホルダ上にマウントされ得る。スリーブ/スカート(またはセグメント)は随意では、たとえば弁形成バルーンカテーテルといったバルーンカテーテルのバルーン材料からなり得る。このような材料は、強く、引裂きに対して抵抗があるが、柔軟である。
【0031】
スリーブ/スカート(またはセグメント)は、シースとステント弁との間の摩擦を低減し得、たとえば、送達カテーテルのシース内でのステント弁のより容易な搭載を促進する。スリーブ/スカート(またはセグメント)はさらに、シースがステント弁の外側スカートのエッジに引っかかるのを回避し得る。
【0032】
いくつかの実施例では、スリーブ/スカートは、一端にて閉ループ形状を有するスリー
ブセクションと、反対の端にて、互いに独立して外方向に屈曲し得るセグメントを規定するスリットとを含み得る。
【0033】
(e)(d)に類似したさらに別の特徴では、送達カテーテルは、ステント弁が少なくとも1つの方向に軸方向運動するのを軸方向に抑制するための圧縮状態にある際にステント弁と接合係合するためのステントホルダを含み得る。ステントホルダには、柔軟性材料のスリーブ/スカート(またはセグメント)が取り付けられている。
【0034】
いくつかの実施例では、スリーブ/スカート(またはセグメント)は、ステントホルダと接合するステント弁の外面部分と重畳するために構成され得る。
【0035】
いくつかの実施例では、ステントホルダは、ステント弁のある部分を受け入れるための半径方向に凹んだ部分を含み得る。スリーブ/スカート(またはセグメント)は、少なくともスリーブ/スカート(またはセグメント)の1つの位置において半径方向に凹んだ部分を覆い得る。
【0036】
いくつかの実施例では、スリーブ/スカートは、一端にて閉ループ形状を有するスリーブセクションと、反対の端にて、互いに独立して外方向に屈曲し得るセグメントを規定するスリットとを含み得る。
【0037】
いくつかの実施例では、スリーブ/スカートは、実質的にステントホルダの軸方向の全長と重畳し得る。
【0038】
いくつかの実施例では、スリーブ/スカート(またはセグメント)は、たとえば弁形成バルーンカテーテルといったバルーンカテーテルのバルーン材料からなり得る。このような材料は強く、引裂きに対して抵抗があるが、柔軟である。
【0039】
(f)送達カテーテルの遠位部分は、ステント弁の少なくともある部分を圧縮状態に抑制するための抑制位置から、ステント弁のそれぞれの部分が展開のために覆いが取られる開位置まで平行運動可能である少なくとも1つのシースと、ステントホルダとを含み得る。ステントホルダに対して、当該少なくとも1つのシースが平行運動する。ステントホルダは、シースの平行運動の間、ステント弁を所定の軸方向位置に保持するためにステント弁と協働するよう構成され得る。
【0040】
送達カテーテルは、遠位端と近位端との間を延在するステム部分を含み得る。ステム部分は、第2のチューブが中に入れ子式に入れられる第1のチューブを含み得る。第1および第2のチューブのうちの1つは、シースに結合され得、もう一方は、ステントホルダに結合され得る。第1および第2のチューブは、シースをステントホルダに対して平行運動させるために、近位端から遠位端まで相対運動を伝達するよう、相対的に摺動可能であり得る。
【0041】
第2のチューブは、ガイドワイヤを(直接的または間接的に)受け入れるためのガイドワイヤ内腔を規定するよう中空であり得る。第2のチューブは、ポリアミド材料およびポリイミド材料を含み得る。当該ポリアミドおよびポリイミドは、たとえば共有押出し成形によって、半径方向内側層および半径方向外側層を有する一体的な管状ラミネートを規定するよう、一方が他方の上に積層され得る。いくつかの実施例では、半径方向内側層がポリイミドからなり、半径方向外側層がポリアミドからなる。しかしながら、他の実施例では、その順番は所望であれば逆にされ得る。ポリイミドは、望ましく高い弾性係数および強度を有するが、有意な厚さで製造するには費用が高い。ポリアミド層の追加により、ポリイミドの物理的特性を補い得、これにより、伸張性および柱強度が高く、柔軟性が良好
であり、弾性係数が高い、より厚いチューブが提供される。たとえば、当該ポリイミドおよびポリアミドの組合せは、カテーテル送達システムにおいて時に用いられるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のチュービングのようなはるかに高価な材料に類似した特性を提供し得る。
【0042】
第1のチューブは、組紐が埋め込まれたプラスチックからなり得る。プラスチックはたとえばポリアミドであり得る。組紐は、たとえば、ステンレススチールフィラメントからなり得る。
【0043】
(g)ステム部分は、1つのチューブが他のチューブのなかに入れ子式で入れられるチューブ(以下第1および第3のチューブと称する)を含み得る。これらのチューブは、それぞれの組紐が埋め込まれたプラスチックからなり得る。組紐は、異なる特性を提供するよう異なり得る。組紐は、密度もしくはPPI(「ピークス・パー・インチ(peaks per inch)」)によってか、および/または組紐角度によって規定され得る。(たとえばこれらのチューブのうちより半径方向外方にあるもののための)1つの組紐は、(たとえばこれらのチューブのうちより半径方向内方にあるもののための)別の組紐よりも低密度(たとえばPPI)を有し得る。この密度はたとえば、他方の密度の少なくとも2倍、随意では少なくとも5倍、随意では少なくとも10倍であってもよい。一形態では、これらのチューブのうち半径方向内側のチューブは、約5と約10との間、たとえば約8のPPIを有し得る。付加的または代替的には、これらのチューブのうち半径方向外側のチューブは、約50と約100との間、たとえば約80のPPIを有し得る。
【0044】
高密度の組紐は、チューブに埋め込まれた上記の量の組紐フィラメントにより、良好な柱強度を提供し得る。良好な柱強度により、チューブに沿って軸方向に圧縮力の伝達が可能になり得る。
【0045】
低密度の組紐および/または約45°の組紐角度により、それぞれのチューブの長さに沿った良好なトルク伝達が提供され得る。2つの異なる組紐密度の組合せにより、両チューブにおける同一の組紐よりも良好な特性が提供され得る。
【0046】
(h)ステム部分は、少なくとも3つのチューブを含み得る。これらのチューブは、1つのチューブが他のチューブの中に入れ子式に入れられ、それらの間に少なくとも2つのスペース(たとえば略環状であるが、チューブ間の相対運動にさらされる)を規定する。送達カテーテルは、両方のスペースに注液を行うために液体を受け入れるための注液ポートをさらに含み得る。同じ注液ポートが、液体を第1および第2のスペースの両方に直接的に供給するために、第1および第2のスペースの両方と連通し得る。代替的には、注液ポートは、第1および第2のスペースの一方と、そこに液体を供給するために連通し得る。連通チャネルが、1つのスペースから他のスペースへ液体を通過させるために設けられ得る。たとえば、連通チャネルは、チューブのうちの1つの壁における開口部であり得る。
【0047】
このような構成により、注液が行われるべきスペースごとに異なる注液ポートを提供する必要が回避され得る。業者にとっても注液動作を簡略化し得る。
【0048】
(i)送達カテーテルは、カテーテルの遠位部分および近位部分の間を延在する第1および第2の中空の柔軟なチューブを含み得る。第1のチューブカップリングが、ステントホルダがマウントされるステントホルダチューブに第1のチューブを結合し得る。第1のチューブカップリングにて、ステントホルダチューブの端部が第1のチューブの中に受け入れられ得る。第2のチューブは、第1のチューブの中に入れ子式に入れられ得るとともに、第1のチューブに対して平行運動可能である。第2のチューブは、平行運動力をシー
スに適用するために、シースに(直接的または間接的に)結合され得る。第2のチューブは、ガイドワイヤを(直接的または間接的に)受け入れるためのガイドワイヤ受入内腔を提供し得る。第2のチューブは、第2のチューブの主な部分よりも小さい外径を有するとともに界面点にて第2のチューブと連通する遠位延在部を含み得る。第2のチューブの遠位延在部は、ステントホルダチューブの中に入れ子式に入れられ得るとともに、(相対的な平行運動力が第1および第2のチューブを介して適用されることに応答して)ステントホルダチューブに対して平行運動可能であり得る。第1のチューブカップリングは、第2のチューブの界面点の遠位にあり得る。第2のチューブの界面点は、シースの閉位置において、第1のチューブカップリングから軸方向に間隔を置き得る。第2のチューブの界面点は、シースが開位置に向かって運動すると、相対的に第1のチューブカップリングに向かうよう変位し得る。
【0049】
(j)送達カテーテルは、カテーテルの遠位部分および近位部分の間を延在する第1および第2の柔軟なチューブを含み得る。カテーテルのハンドル部分はたとえば、体への挿入の前に、および/または所望の埋込部位への到着の前に、および/またはシースを開く前に、引張力および/または「事前引張力」を柔軟なチューブの少なくとも1つにかけるよう動作可能であり得る。事前引張力をかけることにより、操作力が近隣のチューブを通じて適用されるとそれぞれのチューブがさらに伸びる如何なる傾向も回避され得る。
【0050】
いくつかの実施例では、引張力がかけられたチューブは、ステント弁のある部分を抑制するための閉位置からステント弁のそれぞれの部分を展開するための開位置まで遠位方向に平行運動するシースに結合され得る。たとえば第2のシースを平行運動させて開くために少なくとも1つの他のチューブを通じて操作力が適用される際にシースが遠位に進むことを抑制するよう、チューブに引張力をかけることにより、シースを近位方向に付勢し得る。
【0051】
引張力または「事前引張力」の使用により、これらの使用がなければ遠位に進むことに対応するために用いられ得たロック機構、シースの重畳、または付加的なシースの長さについての如何なる必要性も回避され得る。したがって、引張力の使用は、よりコンパクトおよび/またはあまり複雑でない遠位部分を提供し得る。
【0052】
(k)送達カテーテルはさらに、カテーテル上に係留されるとともにシースに対して摺動可能である部材(たとえば界面部材)を含み得る。当該部材は、最初はシース内に収納され得、シースの相対運動(たとえばシースと部材との間)によってシースから変位され得る。当該部材は、ひとたびシースから変位されると、当該部材(または部分)がシースと比較して大きなサイズになるよう自己拡張するように、自己拡張可能であり得る(または自己拡張可能な部分を含み得る)。この大型サイズの部材は、少なくとも部分的にシースの内側の外にあるままである傾向があり得る。
【0053】
(l)送達カテーテルは、圧縮状態にある際にステント弁と接合係合し、ステント弁が軸方向運動をするのを抑制するためのステントホルダを含み得る。ステントホルダは、ステント弁の取付要素と接合するための複数の実質的に半径方向の突出部を有する本体を含む。各突出部は、突出部のいずれかの側の円周方向に、かつ突出部の1つの側の軸方向に傾斜表面部分を規定するよう、部分的に各突出部の周りを延在する少なくとも1つの傾斜表面を有する。当該傾斜表面部分は、突出部から外方向に離れるよう傾斜する。
【0054】
このような構成により、傾斜表面部分は、ステント弁が機能状態への拡張のために覆いが取られるのが完了されると、ステントホルダからのステント弁取付要素の分離を支援し得る。送達システムの小さな軸方向または回転運動により、そうでなければ取付要素が突出部に近接近したままであり得た場合に、取付要素が傾斜表面部分の1つに載り上げると
ともに、半径方向にステントホルダから離れるように促され得る。
【0055】
いくつかの実施例では、ステントホルダ本体は、半径方向の凹部が設けられる回転面によって規定される部分を有する。それぞれの突出部は、各凹部内で突出し得る。突出部の半径方向の長さは、全体的にまたは実質的に凹部の中に収容され得る。それぞれの傾斜表面は、凹部の1つの軸方向の側および対向する円周方向の側を規定し得る。凹部の他の軸方向の側は開いていてもよい。凹部は半径方向外方に開き得る。
【0056】
ステントホルダのこのような構成は、回転面によって与えられる概して平滑な外側輪郭を有し得る。平滑表面は、たとえばステント弁の展開の後でステント弁の弁を通る、(ステントホルダを含む)送達カテーテルの遠位部分の撤収を促進し得る。
【0057】
(m)送達カテーテルはさらに、ステント収容領域の近位に位置するボールジョイントを含み得る。ボールジョイントは、遠位部分に存在するまたは遠位部分につながる外側チューブに形成され得る。
【0058】
このような送達カテーテルでは、近位部分は、収容領域の遠位端の少なくともある部分を覆うよう摺動可能に構成されるとともに、折畳可能なステントのための収容領域の遠位端を露呈するよう遠位方向に摺動するよう構成される遠位(第1の)シースと、折畳可能なステントのための収容領域の近位端の少なくともある部分を覆うよう摺動可能に構成されるとともに、折畳可能なステントのための収容領域の近位端を露呈するよう近位方向に摺動するよう構成される近位(第2の)シースとを含み得る。いくつかの実施例では、遠位シースと近位シースとは、折畳可能なステントの遠位端および近位端を覆う際に、遠位シースの近位端および近位シースの遠位端にて接触する。
【0059】
ボールジョイントは、カテーテルのステント収容領域の5cm未満近位にあり得る。さらに、カテーテルのステント収容領域の2cm未満近位にあり得る。さらに、カテーテルのステント収容領域の1cm未満にあり得る。さらに、カテーテルのステント収容領域の1cmと2cmとの間だけ近位にあり得る。心臓ステント送達システムのボールジョイントも中空であり得る。さらに、1つ以上の内側管状部材がボールジョイントの中空部を通過し得る。ボールジョイントはさらに、いくつかの実施例に従って、少なくとも20°、少なくとも30°、少なくとも40°、または少なくとも45°だけ外側および内側管状部材が湾曲することを可能にし得る。
【0060】
いくつかの実施例では、心臓ステント送達カテーテルのボールジョイントはさらに、軸方向力が内側管状部材および外側管状部材に適用されることを可能にし得、これにより遠位シースが遠位方向に運動されるおよび/または近位シースが近位方向に運動される。遠位シースを遠位方向に、かつ近位シースを近位方向に運動させることにより、たとえば取付領域上の折畳可能なステントが露呈し得る。
【0061】
いくつかの実施例では、心臓ステント送達カテーテルのボールジョイントはさらに、外側管状部材および内側管状部材が互いに対して回転することを可能にし得る。外側および内側管状部材はたとえば、互いに対して1回の回転または無制限回の回転をすることを可能にされ得る。
【0062】
(n)当該システムは、ステント構成要素と、ステント構成要素が支持する複数の弁尖とを含む大動脈ステント弁を含み、ステント構成要素は、流入端部と流出端部とを有し、埋込みの際に送達のための圧縮状態から機能状態に向かって自己拡張可能であり、ステント構成要素は流出端部にあるかまたは流出端部に向かう流出構造と、流入端部と流出端部との間の冠部とを含み、冠部は、流入端部と流出端部との間にある、流出端部に向かって
方向付けされた自由な末端を有し、ステント構成要素はさらに冠部と流入端部との間の固定セクションを含み、上記システムはさらに、解剖学的組織への挿入のための遠位部分と、近位部分と、遠位部分に存在する、ステント弁を送達のために圧縮状態で収容するためのステント弁収容領域とを有する送達カテーテルを含み、遠位部分は、固定セクションを圧縮状態に拘束するよう固定セクションの少なくともある部分を覆うための第1のシースと、アーチおよび冠部を圧縮状態に拘束するようアーチの少なくともある部分および冠部の少なくともある部分を覆うための第2のシースとを含む。
【0063】
第2のシースは、冠部および流出構造の覆いを取るよう近位方向に平行運動可能であり得る。第1のシースは、固定セクションの覆いを取るよう遠位方向に平行運動可能であり得る。反対方向に運動するこのようなシースの使用により、カテーテルの実質的な遠位方向の延在なしで、冠部および流出構造の少なくとも部分的な展開が可能になり得る。さらに、シースが開いている場合、(遠位方向に運動する単一のシースを用いるカテーテルと比較して)カテーテルの合計の遠位方向の延在を低減し得る。
【0064】
流出セクションは、流出端部にて各々が頂部を有する、流出端部に存在する複数のアーチを含み得る。
【0065】
(たとえば近位方向における)第2のシースの平行運動により、展開のために冠部の覆いが取られ得、その後、展開のために流出構造(たとえばアーチ)の覆いが取られ得る。このようなシーケンスは、上記のWO−A−2009/053497およびWO−A−2011/051043に記載されるものとは異なる。しかしながら、冠部の後に流出構造(たとえばアーチ)を展開することはそれでも、アーチが機能することを可能にすることにおいて非常に効果的であるということが理解されている。特に、流出構造(たとえばアーチ)は、展開のために固定セクションの覆いを取る前に展開され得る。
【0066】
いくつかの実施例では、流出構造(たとえばアーチ)は、上行大動脈の壁との接触により上行大動脈の軸に対してステント弁を整列させるために構成され得る。たとえば、アーチは、互いに対して独立して湾曲可能であり得る。冠部は、存在する尖に対して流出側から係合および/または配置するために構成され得る。固定セクションは、存在する弁輪を係合するために構成され得る。
【0067】
固定セクションの前に流出構造(たとえばアーチ)を展開することにより、流出構造(たとえばアーチ)の作用により、存在する弁の弁輪にステント弁を固定するよう固定セクションが展開する前に、ステント弁の自己整列が可能になる。
【0068】
本発明のさらに別の局面は、上記のいずれかに対応するプロセスステップを用いることによるステント弁および/または送達カテーテルの使用方法に関する。
【0069】
本発明のさらに別の局面はステント弁に関する。随意では、当該ステント弁は、上述したようなシステムにおける使用および/または上述したような送達カテーテルとの使用のためのものであり得る。したがって、以下の定義は、上記の局面のいずれかと組み合されることが意図される。ステント弁は、弁構成要素と、弁構成要素が支持する複数の尖とを含み得る。ステント弁はさらに、すべて随意である以下の特徴のいずれか1つまたは2つ以上の組合せをさらに含み得る。
【0070】
(a)ステント構成要素は、圧縮状態になるよう半径方向に圧縮可能であるとともに機能状態になるように拡張可能であるよう構成され得る。ステント構成要素は、圧縮状態から自己拡張であり得るか、またはステント構成要素は、非自己拡張であり得る(その場合、送達カテーテルは、拡張を引き起こすよう(たとえば、ステント弁内部から)展開力を
適用するための装置を含み得る。自己拡張ステント構成要素についての非限定的な例示的な材料は、形状記憶材料を含み、特にニチノールといった金属合金を含む。非自己拡張ステント構成要素についての非限定的な例示的な材料は、形状記憶材料と、ステンレススチールとを含む。
【0071】
ステント構成要素は、弁尖を支持するための交連支持部(たとえば柱)を含み得る。交連支持部は、交連支持部にて接する弁尖の支持エッジを支持し得る。
【0072】
交連支持部は、ステントの対向する端部セクションの中間にあるステント構成要素のセクションによって規定され得る。各交連支持部は、交連支持部に軸方向に隣接するそれぞれのステントセクションと各々が連通する対向する端部を有し得る。交連支持部は随意では、自由端を有さなくてもよい。
【0073】
付加的または代替的には、交連支持部は各々、尖のタブを受け入れるためのスロットを有し得る。交連支持部はさらに、スロットの一方または両方の長辺の側面に位置する複数の穴を含み得る。これらの穴は、縫合糸を受け入れるために構成され得る。
【0074】
付加的または代替的には、各交連支持部は、柱を含み得る。各交連支持部は、叉骨形状を有し得る。この叉骨形状は、柱の一端から分岐する第1および第2の脚部を含み得る。
【0075】
いくつかの実施例では、ステント構成要素は、セルの少なくとも1つの列を有する格子構造を含み得る。この格子構造は、円周方向に繰り返すセルの配列を含み、当該セルの配列は、セル頂部を含む。セル頂部は、少なくとも叉骨交連支持部の第1の脚部と連通する第1の頂部ノードと、叉骨交連柱が架橋する少なくとも1つの自由頂部と、少なくとも叉骨交連支持部の第2の脚部と連通する第2のノード頂部と、冠部の要素と連通する少なくとも1つのさらに別のノード頂部と規定する。第1および第2のノード頂部は付加的には、冠部の1つ以上のそれぞれの要素と連通し得る。上述したように、交連支持部は、一端にて叉骨形状の脚部と連通するとともに、他端にて(たとえば安定化アーチを含む)ステント構成要素の流出セクションと連通する柱を含み得る。
【0076】
上記の構造の形態は、弁構成要素を支持するよう機能するが、小さなサイズに圧縮可能なステントを提供し得る。
【0077】
(b)ステント弁(たとえばステント構成要素)は、送達カテーテルのステントホルダと協働するための少なくとも1つ(好ましくは複数)の取付要素を含み得る。各取付要素(または取付要素の少なくとも1つ)は、2つのステント支柱を結合するU字形状部分を含み得る。「U字形状」という用語は、本願明細書において、側が真っすぐまたは曲がっているか、外方向、平行、または非平行に隆起しているかにかかわらず、概して弓形の頂部を含む任意の形状を含むよう用いられる。送達カテーテルの収容領域内に受け入れられた際のステントの折畳まれた(たとえば圧縮)状態では、支柱は、U字形状部分の孤が、たとえば、支柱の間隔よりも大きなアパーチャを有する閉じたまたはほぼ閉じた(たとえば蹄鉄形)アイレットを規定するよう180°よりも大きな第1の角度で周りを延在するように、取付要素にて互いに隣接するよう存在し得る。アイレットアパーチャの蹄鉄形と、支柱同士の間の隣接するスペースとが共に、鍵穴型形状を規定し得る。送達カテーテルの収容領域から解放された時のステントの拡張(または非圧縮)状態では、支柱は離れるように運動し得、U字形状部分の孤は、少なくとも部分的にアイレットをさらに開くよう、第1の角度よりも小さい第2の角度で周りを延在し得る。たとえば、第2の角度は、約180°以下であり得る。拡張状態では、取付要素は、弓形の頂部を有する、実質的に真っすぐな側が設けられたU字形状を規定し得る。
【0078】
送達カテーテルは、収容領域内に設けられるステントホルダを含み得る。ステントホルダは、
(i)アイレット内に受け入れ可能な1つ以上の突出部を含み得、突出部は、ステントが折畳状態にある際には、突出部はアイレット内に捕捉され、隣接する支柱の間を通過することができないように寸法決めされ得、および/または、
(ii)少なくともステントが折畳状態で実質的に内部にアイレットを収容するための1つ以上の凹部または隙間
を含み得る。
【0079】
上記の形態は、コンパクトであるが、ステント弁と送達システムとの間の信頼性のある自己開放および/または自己解放取付けを提供し得る。
【0080】
(c)ステント弁は、少なくとも2つの尖を含み得る。尖は、心膜組織のものであってもよく、もっとも好ましくは豚の心膜組織または牛の心膜であってもよい。豚の心膜は、望ましい組織の厚さを提供し得る。牛の心膜は、若干厚いがより耐久性があり得る。
【0081】
各弁尖は、少なくとも2つのタブを含み得る。タブは、ステント構成要素に対して尖を支持するために機能し得る。
【0082】
いくつかの実施例では、タブは、ステント構成要素の交連支持部(たとえば柱)に直接的に取り付けられ得る。タブは、交連支持部上に設けられた取付手段に取り付けられる。たとえばタブは、交連支持部におけるスロットを通って、ステント構成要素の内部から外部へと通過し得る。ステント構成要素の外側のタブの部分は、交連支持部に接触して存在するように折り曲げられ得るか、および/または交連支持部に縫合され得る。随意では、交連支持部にて接触する2つの隣接した尖のそれぞれのタブは、同じスロットを通過する。各タブは、他のタブに重畳することなく交連支持部の外側に接触するよう折り曲げられ得る。これら2つのタブは随意では、互いに直接的に取り付けられない。
【0083】
付加的または代替的には、尖は、内側スカートに取り付けられ得る。尖は、内側スカートの内側部分に取り付けられ得、タブは、内側スカートにおけるスロット(たとえば、スリット)を通って内側スカートの外側まで通過する。内側スカートは、スカラップ形の間隙を有し得、このような間隙の各々にはそれぞれの尖が及ぶ。内側スカートは、スロット(たとえば、スリット)が設けられる交連部分または立ち上がりを有し得る。
【0084】
付加的または代替的には、内側スカートを規定する材料は、交連支持部を覆うためのおよび/または交連支持部に固定される尖のタブを覆うための少なくとも交連支持部の周りを包む一体化された延在部分を含み得る。この延在部分は、交連支持部に縫合され得る。
【0085】
いくつかの実施例では、上記構成のいずれか2つまたは3つすべての組合せが用いられ得る。たとえば、隣接した尖のタブの対は、内側スカートにおけるスロットを通過し得るとともに交連支持部におけるスロットを通過し得る。タブは、反対方向に折り返され得るとともに、交連支持部の外側に縫合され得る(随意ではタブが互いに直接的に縫合されることなく)。交連支持部での内側スカートの1つ以上の延在部は、タブおよび/または交連支持部を覆うよう交連支持部の外側の周りに包まれてもよい。延在部は、交連支持部に縫合されてもよい。たとえば、交連支持部において、縫合糸がタブを取り付けるために用いられるのと同じ縫合穴を通って通過し得る。延在部は、タブのエッジが覆われて保護されるようにタブを超えて軸方向に延在し得る。
【0086】
(d)ステント弁は、ステント構成要素と、ステント構成要素内にマウントされる複数の弁尖と、弁尖に取り付けられる内側スカートとを含み得、内側スカートは少なくとも部
分的にステント構成要素内で延在し、ステント弁はさらに、少なくとも部分的にステント構成要素の外を延在する外側スカートを含み得る。スカートの少なくとも1つが上を延在するステント構成要素の少なくともある部分は、複数のセルの少なくとも1つの列を有する格子構造を含み得る。
【0087】
いくつかの実施例では、内側および外側スカートは、少なくともスカートのうちの少なくとも1つのスカートの表面に対して部分的に重畳し得る。付加的または代替的には、内側および外側スカートは、隣接する末端を有さなくてもよい。付加的または代替的には、外側スカートは、内側スカートが延在するよりもさらに、ステント構成要素の流入末端部に向かって延在し得る。付加的または代替的には、内側スカートはさらに、外側スカートが延在するよりもステント構成要素の流出末端に向かって延在し得る。
【0088】
内側スカートの機能は、血液を弁尖に向かわせるよう、ステント内の管を規定し、ステント構成要素(たとえば、格子隙間)の隙間を通る血液の漏れを妨げる機能であり得る。外側スカートの機能は、周囲の組織との界面での漏れを妨げるよう、ステント構成要素の外側の、周囲の組織をシールするためのシール面を提供する機能であり得る。
【0089】
両方のスカートを設けることにより、漏れを妨げる点において有益となり得る。しかしながら、両方のスカートの存在は、ステントが担持する材料の厚さに大きく加わり得、これによりステント弁を望ましく小さいサイズまで圧縮する困難さが増加する。軸方向において部分的に重畳した両方のスカートを設けることにより、両方のスカートの利益が得られ得るだけでなく、1つのスカートのみが延在する領域において厚さプロファイルが低減される。(たとえば、特にステント弁が送達のための圧縮および埋込みでの再拡張により実質的に変形されることになることを念頭に置くと)スカートを重畳させることで、スカートがステント構成要素のそれぞれ内部および外部上でエッジ同士が面して配されるよりも、スカート同士の間の良好なシールが提供され得る。
【0090】
軸方向におけるスカートの重畳の程度は、たとえば、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、または少なくとも8mmであり得る。付加的または代替的には、軸方向におけるスカートの重畳の程度はたとえば、10mm未満、9mm未満、8mm未満、7mm未満、6mm未満、5mm未満、または4mm未満であり得る。たとえば、軸方向におけるスカートの重畳の程度は約4mm〜6mmであり得る。
【0091】
スカートの少なくとも1つ(随意では各スカート)は、当該重畳領域から少なくとも1mm離れた重畳しない軸方向距離だけ延在し得る。当該または各スカートについてのこの重畳しない距離はたとえば、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、または少なくとも10mmであり得る。
【0092】
いくつかの実施例では、ステント構成要素の流入端部またはエッジは、セルの少なくとも1つの列の格子構造によって規定されるジグザグ形状を有し得る。ジグザグ形状は、(たとえば、流入末端部にある)自由頂部と、(たとえば流入端部から離れて流出端部に向かうよう延在する格子構造に接続される)接続頂部との交互の配列を規定し得る。いくつかの実施例では、内側スカートは、接続頂部のみに延在し得る。外側スカートは、内側スカートと重畳し得、自由頂部の少なくともいくつかに対応するレベルまで、内側スカートよりもさらに延在する。
【0093】
いくつかの実施例では、内側スカートは、弁尖の流入エッジおよび/または流出エッジに取り付けられ得る。内側スカートは、ステント構成要素の流入末端部に向かって延在し
得る。外側スカートは、ただ部分的に内側スカートに重畳し得る一方、内側スカートの最上エッジから距離を置いたままである。外側スカートは、ステント構成要素の流入末端部に向かって(または随意では流入末端部まで)延在し得る。外側スカートは、随意では(たとえば、直接的または間接的にステント構成要素を介して)尖の如何なる部分とも重畳しなくてもよい。
【0094】
内側スカートおよび/または外側スカートは、心膜組織(たとえば、厚さのため、豚の心膜)、PET、ダクロンなどといった任意の好適な材料からなり得る。内側および外側スカートは随意では互いに同じ材料からなり得る。
【0095】
本発明の付加的な局面は、添付の特許請求の範囲に規定される。ある特徴およびアイデアが上記および/または特許請求の範囲において強調されたが、強調がなされたかどうかにかかわらず、本願明細書において記載されるおよび/または図面に示されるいずれの新規な特徴またはアイデアについて保護が請求される。
【0096】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を例示目的でのみ記載する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】送達カテーテルおよびステント弁の概略的な部分断面図である。
図2】送達カテーテルの部分的に開いた遠位部分を示す概略的な断面図である。
図3】送達カテーテルの全面的に開いた遠位部分を示す概略的な断面図である。
図4】送達カテーテルの遠位部分をより詳細に示す概略的な断面図である。単一の図にすべての要素が示され得るように、軸方向(水平方向)のスケールが、半径方向(垂直方向)のスケールに対して圧縮されている。
図5】界面要素を展開するよう、送達カテーテルの全面的に開いた遠位部分を示す概略的な斜視図である。
図6】展開状態で示される界面要素を単独で示す概略的な側面図である。
図7】第2のシースの最初の閉じることを示す概略的な斜視図である。
図8】閉位置にある第2のシースを示す概略的な斜視図である。
図9】界面要素が展開された状態で再び閉じられた第1および第2のシースを示す概略的な側面図である。
図10図10a〜cは、送達カテーテルのステントホルダへの取り付けのためのステント弁の例示的な取付要素を単独で示す概略的な断面図である。取付要素は、ステント弁の拡張状態において示される。
図11】送達カテーテルのためのステントホルダの一例を単独で示す概略的な斜視図である。
図12図10aの取付要素と図11のステントホルダとの間の係合を示す概略的な側面図である。
図13図10a/図10bの取付要素とステントホルダの第2の例との間の係合を示す概略的な側面図である。
図14】ステントホルダ上のペタルを示す概略的な斜視断面図である。
図15】組み合されたステントホルダおよび界面要素を示す、図14に類似した概略的な断面図である。
図16】送達カテーテルの近位端に制御部を有するハンドルを示す概略的な断面図である。
図17】ステント弁の一例を示す概略的な側面図である。
図18図17のステント弁のステント構成要素のプロファイルエンベロープを示す概略的なプロファイル図である。
図19】単一の面においてステント構成要素の発展された形状を示す概略図である。
図20】カテーテルのためのライナースリーブを示す概略的な断面図である。
図21】開いている状態で導入器を通るカテーテルの撤収を可能にするようステントホルダを流線形にするための界面部材を示す概略的な断面図である。図21では、シースは煩雑さを回避するよう省略される。
図22図13に類似した形状を有する単一ピースの製品としてステントホルダを単独で示す概略的な斜視図である。
図23】シースが上にあるとともにステントホルダ支持チューブ上にマウントされた状態の図22のステントホルダの概略的な斜視図である。
図24】ボールジョイントを有する送達カテーテルを示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
図面では、同じ参照番号が、異なる実施例および例の間で同じまたは均等な特徴を指すよう用いられる。一実施例または例におけるある特徴の記載は、反対の意味で記載されるのでなければ、別の実施例または例における同じまたは均等な特徴にも該当し得る。特徴はさらに、所望のように実施例同士の間で相互に交換され得る。
【0099】
図1図3を参照して、ステント弁10およびステント弁10のための送達カテーテル12を例示する。送達カテーテル12は、患者の解剖学的組織の中への挿入のために一端に向かう遠位部分14と、送達カテーテルが作業者による使用の際にそこから操作される、反対側の端に向かう近位部分16とを有し得る。バレルまたはステム部分15は、遠位部分と近位部分との間を延在し得る。
【0100】
本願明細書において用いられるように、送達カテーテルについて「遠位」および「近位」という文言は、作業者に対する相対位置を指し得る。
【0101】
カテーテル12の遠位部分14は、解剖学的組織への導入のためにステント弁10を折り畳まれた形態で収容するための収容領域18を含み得る。ステント弁10は心臓ステント弁であり得る。送達カテーテル12は、たとえば低侵襲性の外科的処置および/または経皮的処置を用いて、心臓を拍動したまま、ステント弁10の所望の埋込部位への送達および所望の埋込部位での展開を可能にするよう構成され得る。いくつかの実施例では、カテーテル12は、解剖学的脈管束系への導入のために構成され得るとともに、脈管構造系に沿って所望の埋込部位への進展のために構成され得る。たとえば、カテーテル12は、大腿動脈への導入と、下行大動脈、大動脈弓、および上行大動脈を介する心臓へのガイドされた逆行部(時に経大腿的アクセスと称される)とのために構成され得る。カテーテル12は、解剖学的組織内へ挿入可能な十分な長さを提供するよう、少なくとも約1mの長さを有し得る。他の実施例では、カテーテル12は、鎖骨下動脈とガイドされた逆行とを介して心臓に挿入可能である(時に経鎖骨下的アクセスと称される)。他の実施例では、心臓が拍動したままで、カテーテル12は、直接的なアクセスルートを介して心室(たとえば左心室)のような心腔に直接的に挿入され得る。たとえば、直接的なアクセスルートは、心尖において開口するアパーチャを通ってもよい(時に経心尖アクセスと称される)。
【0102】
解剖学的組織へのアクセスアパーチャのサイズは、遠位部分14の外径に依存し得る。バレル部分15は、所望のように、遠位部分14よりも若干小さいかまたは遠位部分14
と同じ直径であり得る。低侵襲手術の場合、ステント弁10が損傷のリスクなしで折り畳まれ得るサイズを念頭に置くと、解剖学的組織へのアクセスアパーチャはできるだけ小さいのが望ましい。たとえば標準的な動脈導入器である導入器19が、解剖学的組織へのアクセスアパーチャで随意に用いられ得る。この随意である導入器19は、20フレンチ以下、たとえば18フレンチ以下のサイズを有し得る。遠位部分14は、このようなサイズの導入器19を通る挿入のために寸法決めされ得る。
【0103】
ステント弁10は、ステント弁10を埋込部位に固定するよう、圧縮状態または折畳状態から機能状態および/または拡張状態へと拡張可能であり得る。たとえば、ステント弁10は、生来の解剖学的組織に対して摩擦嵌めおよび/または締まり嵌めを形成し得る。ステント弁10のさまざまな形状および形状寸法が、埋込部位にて解剖学的組織に嵌まるよう用いられ得る。ここでは明確さのために略円筒形のステント弁10が示されるが、本発明は円筒形に限定されず、非円筒形状のステント弁10を用いても特に有利となり得る。ステント弁10のより詳細な例は後述する。後述するステント弁の形状には、送達カテーテル12のすべての詳細が明示的に適用可能である。
【0104】
ステント弁10は、自己拡張し得るか、および/または拡張器(たとえば図示しないバルーン)の膨張により拡張可能なように構成され得る。自己拡張ステント弁10は、たとえば(ニチノールのような)形状記憶金属合金といった形状記憶材料から構成され得るか、または当該形状記憶材料を用い得る。自己拡張ステント弁10は、送達カテーテル12のシース20/22内で拘束されることにより圧縮状態で保持され得る。シース20/22からの少なくとも部分的な解放の際には、ステント弁10の解放部分は自由に拡張し得る。また、非自己拡張ステント弁10は、形状記憶材料からなるか、またはステンレススチールもしくはコバルトクロム合金から形成され得る。また、非自己拡張ステント弁10は、ステント弁10を保護するようおよび/または解剖学的組織を通る円滑な導入を促進するよう、シース20/22内に少なくとも部分的に含まれ得る。
【0105】
カテーテル12の遠位部分14は、少なくとも1つのシース20および/または22を含み得る。シース20および/または22は、収容領域18および/またはその中のステント弁10を少なくとも部分的に覆う閉位置と、収容領域18および/またはその中のステント弁10を少なくとも部分的に開放または露出する開位置との間で平行運動可能である。本例では、カテーテル12は、2つのシース20および22を含む。これらのシース20および22は両者とも、少なくとも部分的に(随意では実質的に完全に)収容領域18におけるステント弁10を覆うよう、図1では自身のそれぞれの閉位置にあるのが示される。シース20および22は、それぞれの開位置へと反対の方向に平行運動可能であり得る。シースのうち第1のシース20(たとえばより遠位のシース)は、開位置(図3)へと遠位方向(図1における矢印20aによって示される)に平行運動可能であり得る。この第1のシース20は、遠位シースとも称され得る。シースのうち第2のシース22(たとえばより近位のシース)は、開位置(図2および図3)へと近位方向(図1における矢印22aによって示される)に平行運動可能であり得る。第2のシース22は近位シースとも称され得る。対向する第1のシース20および第2のシース22の使用により、収容領域からのステント弁12の解放のために良好な融通性が提供され得る。たとえば、図2を参照して、第1のシース20を平行運動させることなく第2のシース22をその開位置までまたは開位置に向かって平行運動させることにより、第2のシース22が以前覆っていたステント弁10の部分10aは、第1のシース20が覆うステント弁10の部分10bの前に、(少なくとも部分的に)解放され得る。部分10bは、第1のシース20のその開位置(図3)への平行運動またはその開位置に向かう平行運動によって、その後、解放され得る。第2のシース22の長さは、第1のシース20の長さよりも長くあり得る。たとえば、第1のシースの長さで除算した第2のシースの長さの比は、少なくとも1.1、随意では少なくとも1.2、随意では少なくとも1.3、随意では少なくとも1.4
、随意では少なくとも1.5、随意では少なくとも1.6、随意では少なくとも1.7、随意では少なくとも1.8、随意では少なくとも1.9、随意では少なくとも2.0、随意では少なくとも2.1、随意では少なくとも2.2、随意では少なくとも2.3、随意では少なくとも2.4、随意では少なくとも2.5、随意では少なくとも2.6、随意では少なくとも2.7、随意では少なくとも2.8、随意では少なくとも2.9、随意では少なくとも3、随意では少なくとも3.5、随意では少なくとも4、随意では少なくとも4.5、または随意では少なくとも5であり得る。相対的に短い第1のシース20の使用により使用時の外傷のリスクが低減され得る。第1のシース20は、カテーテルのバレル部分15が採用する経路が規定するより制御された経路から恩恵を受ける第2のシースと比較して、あまり制御されていない経路に沿って遠位方向に進展する。たとえば、経脈管アクセス(たとえば経大腿的なアクセス)の場合、第1のシース20は、心臓の心室へと進展し得る。相対的に短い第1のシース20の使用により、カテーテル12が心室内に入り込まなければならない度合いが低減されるとともに、繊細な組織表面に干渉するリスクが低減される。直接的なアクセス(たとえば経心尖アクセス)の場合、第1のシース20は、上行大動脈の中へと進展し得る。相対的に短い第1のシース20の使用により、第1のシース20が上行大動脈のスペースに入り込まなければならない度合いが低減されるとともに、大動脈壁に干渉するリスクが低減される。
【0106】
シース20および22の一方または両方は、プラスチックからなり得、随意ではシースの半径方向の拡張に抵抗する強化材を含む。1つの好適なプラスチックは、たとえばPEBAX(TM)といったポリエーテルブロックアミド(PEBA)である。強化材は、シース内に埋め込まれる螺旋コイルによって与えられる。この螺旋コイルは、たとえばステンレススチールフィラメントといった金属からなり得る。
【0107】
シース20および22は、同じ内径および/または外径を有してもよい。シース20および22は、互いに重畳しないように構成され得る。重畳を避けることで、そうでなければ互いに重畳していたシース壁部によって引き起こされ得る遠位部分の過剰な直径が避けられ得る。
【0108】
シース20および22は、実質的に端部同士で接するように位置決めされることが可能であり得る。代替的には、シース20および22は、第1のシース20および第2のシース22が相互に閉位置にあっても、常に互いに間隔を置くように構成され得る。たとえば、最小の間隔は、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、または少なくとも6mmであってもよい。付加的または代替的には、この間隔は、10mm未満、9mm未満、8mm未満、7mm未満、6mm未満、または5mm未満であってもよい。一形態では、この間隔は、約4mmと約6mmとの間である。
【0109】
シース20および22の平行運動の間、ステントホルダ24は、ステント弁10を軸方向において適切な位置に保持し、および/またはステント弁10が軸方向の運動をするのを抑制し得る。ステントホルダ24は、純粋に概略的に図1図3において示され、後でより詳細に記載される。ステントホルダ24は、シース20または22の平行運動によってステント弁10が引きずられる如何なる傾向も防止および/または妨げ得る。付加的または代替的には、ステント弁10の小さな部分のみがシース20または22によって拘束されたままである場合でも、ステントホルダ24は、自己拡張ステント弁10がカテーテルから自由に飛び出る如何なる傾向も防止および/または妨げ得る。ステントホルダ24は、収容領域からのステント弁10の最終的な解放まで、収容領域18において、ステント弁10を係合するのに適切な位置に位置決めされ得る。この示された例では、ステント弁10の遠位部分は、最後に解放されるよう意図され得るとともに、ステントホルダ24は、収容領域18の遠位端に向かうよう位置決めされ得る。他の実施例では、ステント弁
10の近位部分が最後に解放されるよう意図される場合は、ステントホルダ24はその代わりに、収容領域18の近位端に向かうよう位置決めされ得る。
【0110】
図4は、カテーテル12の遠位部分14の1つの例示的な構成をより詳細に示す図である。バレル部分15は、遠位部分14と近位部分16との間を延在する複数の柔軟なチューブ26、28、および30を含む。チューブ26〜30は、少なくとも1つが別のチューブの中に入れ子式に入り得るとともに、シース20および22とステントホルダ24とに結合され得る。シース20および22は、それぞれのチューブの相対的な平行運動によって平行運動され得る。当該柔軟なチューブの少なくとも1つ、随意では2つ、随意では3つ、随意ではそれより多くは、プラスチックからなり、随意では強化材を有する。
【0111】
たとえば、少なくとも1つのチューブは、ポリアミド材料およびポリイミド材料の組合せを含み得る。当該ポリアミドおよびポリイミドは、たとえば共有押出し成形によって、半径方向内側層および半径方向外側層を有する一体的な管状ラミネートを規定するよう、一方が他方の上に積層され得る。いくつかの実施例では、半径方向内側層がポリイミドからなり、半径方向外側層がポリアミドからなる。しかしながら、他の実施例では、その順番は所望であれば逆にされ得る。ポリイミドは、望ましく高い弾性係数および強度を有するが、有意な厚さで製造するには費用が高い。ポリアミド層の追加により、ポリイミドの物理的特性を補い得、これにより、伸張性および柱強度が高く、柔軟性が良好であり、弾性係数が高い、より厚いチューブが提供される。たとえば、当該ポリイミドおよびポリアミドの組合せは、カテーテル送達システムにおいて時に用いられるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のチュービングのようなはるかに高価な材料に類似した特性を提供し得る。
【0112】
付加的または代替的には、強化材は、プラスチック内においてたとえば金属組紐といった組紐によって提供され得る。プラスチックは、たとえばポリアミドおよび/またはステンレススチールフィラメントの組紐であってもよい。強化材は、強化材のない同じプラスチックのチューブと比較すると、(i)柔軟性を維持しつつも弾性係数を増加させ、(ii)チューブが曲げられる際の捩れに対する抵抗を向上させ、および/または(iii)近位部分から遠位部分までのトルクの伝達のための能力を増加させ得る。それぞれの異なるチューブはそれぞれの異なる組紐を有し得る。組紐は、密度もしくはPPI(「ピークス・パー・インチ(peaks per inch)」)によってか、および/または組紐角度によって規定され得る。たとえば、低密度であれば、巻き角が軸方向により近いことが示され得、高密度であれば、巻き角が半径方向により近いことが示される。(たとえばより半径方向外方にあるチューブのための)1つの組紐は、(たとえばより半径方向内方にあるチューブのための)別の組紐よりも低密度(たとえばPPI)を有し得る。この密度はたとえば、他方の密度の少なくとも2倍、随意では少なくとも5倍、随意では少なくとも10倍であってもよい。高密度であれば、より大きな柱強度が提供され得る。低密度および/また
は45°により近い組紐角度であれば、より大きなトルク伝達が提供され得る。2つの異なる組紐密度の組合せにより、両方のチューブにおいて組紐が同一である場合よりも良好な特性が提供され得る。いくつかの実施例では、1つのチューブは、約5と約10との間、たとえば約8の組紐PPIを有し得る。付加的または代替的には、他のチューブは、約50と約100との間、たとえば約80の組紐PPIを有し得る。
【0113】
図4における特定の構造を参照して、第1のチューブ26は、ステントホルダ24を制御するために結合され得る。第1のチューブ26は上述したように随意で、組紐強化材を有するプラスチックを含み得る。第1のチューブカップリング34は、ステントホルダ24がマウントされるステントホルダ支持チューブ32に第1のチューブ26を結合し得る。たとえば、ステントホルダ支持チューブ32は、第1のチューブカップリング34にて、第1のチューブ26の端部内に挿入され得、および/またはそこに取り付けられる。ス
テントホルダ支持チューブ32は、第1のチューブ26よりも小さい外径を有し得る。ステントホルダ支持チューブ32は、第1のチューブ26よりも柔軟性が小さくあり得る。ステントホルダ支持チューブ32はたとえばポリイミドからなり得る。ステントホルダ支持チューブ32は、収容領域18の相対的に制限されたスペース内を通過するよう適合された第1のチューブ26の延在部として作用し得る。この低減された柔軟性は、ステントホルダ支持チューブ32の軸に沿って適切な柱強度を提供するよう、より小さな直径を補い得る。
【0114】
第2のチューブ28は、第1の(遠位)シース20を制御するよう結合され得る。第2のチューブ28は随意で、上記の関連付けられる詳細のいずれかを含む、ポリアミド層内にある半径方向のポリイミド層の管状ラミネートを含み得る。第2のチューブ28は、第1のチューブ26内に入れ子式に入れられ得るとともに、第1のチューブ26に対して平行運動可能であり得る。第2のチューブ28は、第2のチューブの主な部分よりも小さい外径を有するとともに界面点36にて第2のチューブ28と連通する遠位延在部38を含み得る。遠位延在部38はたとえば、ポリアミド外側層のないポリイミド内側層の延在部であり得る。遠位延在部38は、(直接的または間接的に)第1のシース20を支持し得る。シース20は、先端部材40によって遠位延在部38にマウントされる。先端部材40は、周囲の解剖学的組織へ外傷を与えることなく解剖学的組織内でのカテーテル12の進展を補助するよう、テーパ状の非外傷性の形状を有し得る。先端部材40は、後方延在部42を有し得る。後方延在部42の周りには、第1のシース20が先端部材40にしっかりと取り付けられる。遠位延在部38のより小さな外径は、ステントホルダ支持チューブ32の小さな直径内を通過するよう構成され得る。遠位延在部38は、第2のチューブ28が第1のチューブ26内で動くと、ステントホルダ支持チューブ32内で平行運動および動き得る。第1のシース20を開位置に移動させるために、第2のチューブ28を第1のチューブ26に対して遠位方向に進展させるよう平行運動力が適用され得る。平行運動力および運動が、第2のチューブ28から遠位延在部38まで適用され、これにより第1のシース20が遠位方向に引っ張られる(たとえば、平行運動力および運動が先端部材40を通じて適用される)。同時に、ステントホルダ24は、第1のチューブ26と、ステントホルダ24がマウントされるステントホルダ支持チューブ32との制御下で、ステント弁10を相対的に静的に保持し得る。
【0115】
第1のチューブ26とステントホルダ支持チューブ32との間の随意の直径の差は、第1のチューブカップリング34でのプロファイルの段または変化を規定し得る。第2のチューブ28と遠位延在部38との間の随意の直径の差は、界面点36でのプロファイルの段または変化を規定し得る。第2のチューブ28の外径は、(たとえば第2のチューブが第1のチューブカップリング34を超えて平行運動し得ないように)、ステントホルダ支持チューブ34の内径よりも大きくあり得る。第1のシース20の閉位置において、第1のチューブカップリング34と界面点36とは間隔を置き得る。界面点36は、第1のチューブカップリング34の近位であり得る。間隔は、シースがその開位置と閉位置との間を移動する際の第1のシース20の線形の平行運動の量と少なくとも同じ大きさであり得る。この間隔は、界面点36が遠位方向に進展するのを可能にし得る。
【0116】
第2のチューブ28および遠位延在部38は、カテーテルを通って延在する内腔46を規定し得る。内腔46は、ガイドワイヤ(図示せず)を受け入れるためのガイドワイヤ受入内腔であり得る。当該ガイドワイヤに沿ってカテーテル12が、遠位部分14を所望の埋込部位までガイドするよう解剖学的組織内で進展され得る。
【0117】
第3のチューブ30が、第2の(近位)シース22を制御するために結合され得る。第3のチューブ30は随意で、上述したような組紐強化材を有するプラスチックを含み得る。第1のチューブ26は、第3のチューブ30に入れ子式に入れられ得る。第3のチュー
ブは、第1のチューブ26および/または第2のチューブ28に対して平行運動可能であり得る。第3のチューブカップリング44は、第3のチューブ30を第2のシース22に結合し得る。第3のチューブカップリング44は、第3のチューブ30の外面と第2のシース22との間の平滑な非外傷性の遷移を規定するためのテーパ面を含み得る。第3のチューブカップリング44は、第2のシース22と一体化されてもよく、第2のシース22の狭くされた端部分であってもよい。
【0118】
第2のシース32を開位置に動かすために、第3のチューブ30を第1のチューブ26に対して近位方向に引っ込ませるよう平行運動力(たとえば引張力)が適用され得る。平行運動力および運動は、第3のチューブ30から第2のシース22まで適用され、これにより第2のシース22が近位方向に引っ張られる。同時に、ステントホルダ24は、第1のチューブ26と、ステントホルダ24がマウントされるステントホルダ支持チューブ32との制御下で、ステント弁10を相対的に静的に保持し得る。
【0119】
上述したように、第1のチューブ26および第3のチューブ30における組紐は、それぞれの内側および外側の半径方向の関係に従った異なる特性を有し得る。
【0120】
第1および第2のシースがそれらの開位置へと平行運動するシーケンスの順番は、ステント弁の設計に依存し得る。少なくともいくつかの実施例では、第2のシース22は、第1のシース20の前に平行運動し得る。例示的な展開シーケンスを後述する。
【0121】
さらに、いくつかの実施例では、チューブのうち少なくとも1つは、少なくともステント弁を展開するために遠位部分14を開く前に事前に引張力をかけることが可能である。チューブに事前に引張力をかけることで、チューブが制御するカテーテルの部分が、操作の間に適用される力に応答して遠位方向に進み、他のチューブが制御するカテーテルの他の部分を開く如何なる傾向も補償され得る。たとえば、第1のチューブ26に維持力を適用しつつ第2のシース22が引き戻される際に第1のシース20が遠位方向に進むのを防止するために、第2のチューブ28は近位端から事前に引張力がかけられ得る。第1のシース20が進むことは、展開位置の移動またはステントの早すぎる解放につながり得るので、望ましくない。第2のチューブ28に事前に引張力をかけることにより、第1のシース20がしっかりと閉じられたままで維持され得、これにより早すぎる解放を防止する。第2のチューブ28を通じて押圧力を適用することにより第1のシース20を開くことが望ましい場合、押圧力を適用する遷移の一部として、上記の事前引張力は取り除かれる。事前引張力は、後述するように、ハンドル内での制御により発生され得る。上記の事前引張力の量は、第2のシースを近位方向に動かすよう第3のチューブを平行運動させる際に第1のチューブを通じて適用される反力に対処するのに十分であり得る。送達カテーテルの特定の実施例に適切な事前引張力の量は、たとえば経験的に導出可能であり得る。
【0122】
上記の構成により、コンパクトなサイズ、捩れのない良好な柔軟性、トルクの良好な伝達、良好な柱強度、および遠位でシースが進むことの回避のうちの望ましい特性を組み合せる送達カテーテルが提供され得る。上記のすべては、非常に高価な特殊材料を用いることがない。
【0123】
付加的な柔軟性が望まれる場合、本発明はさらに、遠位部分のちょうど近位に存在するボールジョイント(図示せず)を含むことを考慮する。ボールジョイントは、第3のチューブか、または第3のチューブと第2のシースとの間の接続部に設けられ得る。ボールジョイントは、第1および第2のチューブがその間を通過すること可能にするよう中空であり得る。
【0124】
図1図4において概略的に分かり得るように、第1のシース20および第2のシース
22は、それぞれの口部または開放端20b,22bをそれぞれ有し得る。当該開放端20b,22bは、シース20,22(もしくはその各々)が閉位置にある場合に、互いに概して対向もしくは重なり得るか、または若干間隔を置いたままであり得る。当該示される実施例では、シース20および22の両方が平行運動可能であるが、いくつかの実施例では、シース20および22の一方のみが平行運動可能である得ることも可能である。
【0125】
ステント弁10の解放の前では、収容領域18におけるステント弁10の存在により、シース20および22が概して位置が合うよう整列し得る。開放端20bおよび22bが互いに間隔を置く場合かまたは互いに重なることなく直面する場合でも、開放端20bおよび22bはこのように位置が合うよう整列し得る。このような整列により、シースの外側プロファイルにおいて如何なる急峻なエッジも回避され得るとともに、(随意では導入器19によるおよび/または脈管構造を通る進展による)解剖学的組織への遠位部分14の挿入を促進し得る。しかしながら、ステント弁10が収容領域18から解放された後、作業者がシースを閉じることを望む場合、開放端20bおよび22bはもはや接近して整列されない傾向があり得る。このような誤整列は、開放端同士が直面もしくは若干間隔を置く場合に急峻なエッジにつながり得、および/または開放端を重ねることを試みる場合は開放端を再係合する困難さにつながり得る。特に第1のシース20の開放端20bにて、急峻なエッジを回避することが望ましい場合がある。ステント弁10を解放した後でカテーテル12が撤収される際、開放端20bがリターン経路上で生来の組織と干渉し得るか、または特に遠位部分14が導入器19内にきつく嵌まる場合に、遠位部分を導入器19を通って引き出すのが難しくなり得る。このような撤収の間、第2のシース22は、第3のチューブカップリング44にて傾斜表面44によって導入器19内に円滑にガイドされ得る。しかしながら、第1のシース20の開放端20bでの急峻なエッジにより、導入器19を通る撤収のための第1のシース20の円滑な通過が妨げられ得る。
【0126】
あるいは、シース20および22の一方または両方が開いた状態でカテーテル12が撤収される場合、特に遠位部分14が導入器19内にきつく嵌まっていれば、ステントホルダ24の露出した急峻なエッジ(たとえば図11図13における端面92)によって、導入器19を通って遠位部分を引き出すのが困難になり得る。このような撤収の間、第2のシース22は、第3のチューブカップリング44にて傾斜表面44によって導入器19内に円滑にガイドされ得る。しかしながら、ステントホルダ24の急峻なエッジ92により、導入器19を通る撤収について第1のシース20の円滑な通過が妨げられ得る。
【0127】
これに対応するよう、遠位部分14は界面部材50(図4図9)を含み得る。界面部材50は、
(i)(少なくともほとんど)閉じられた際に、概して直面する開放端20bおよび22b同士にまたは開放端20bおよび22b同士の間に界面を提供し、
(ii)開放端20bおよび22bを互いに実質的に位置が合うか、および/もしくはカテーテル軸に対して中心に位置するように整列させ、
(iii)直面する開放端20bおよび22b同士の間にブリッジおよび/もしくは平滑なプロファイルを規定し、ならびに/または、
(iv)ステントホルダ24に、露出したエッジ92よりもあまり急峻ではない界面を提供するよう展開可能であり得る。
【0128】
いくつかの実施例では、界面部材50は、ステント弁10の解放の最中または解放の後のシーケンスの一部として展開可能であり得る。
【0129】
いくつかの実施例では、界面部材50は、非展開状態(図4)から展開状態(図5図9)まで、カテーテル軸に沿って平行運動可能であり得る。たとえば、界面部材50は、最初は当該シースのうちの1つ(たとえば第2のシース22)の中に非展開状態で収納さ
れ得、展開状態へと遷移するようシース(22)の開放端までまたは当該開放端に向かって平行運動可能であり得る。移動可能な界面部材50を最初は第2のシース22内に収納することにより、界面部材50を収容するのに不必要に第1のシース20を伸ばす必要性が回避され得る。以下に示されるように、いくつかの実施例では、界面部材50は、所定の運動範囲内で実質的に自由に平行運動可能であり得、シースの運動と一緒にまたは当該運動に応答して動くよう構成され得る。界面部材50は、シャトルとも称され得る。界面部材50は、チューブ26,28,32,38の1つの上で摺動可能(たとえば係留的に摺動可能)であり得る。
【0130】
いくつかの実施例では、界面部材50(または少なくともその部分52)は拡張可能であり得る。非展開状態(図4)から展開状態(図5図9)への遷移は、拡張可能な部分52の拡張を含み得る。たとえば、界面部材の拡張可能な部分52は、半径方向に拡張可能であり得る。当該拡張可能な部分は、圧縮状態から自己拡張可能であり得る。
【0131】
例示される実施例では、界面部材50は、移動可能および自己拡張可能の両方であり得る。図4を参照して、界面部材50は、最初は圧縮された非展開状態でシースのうちの1つ(たとえば上述したように第2のシース22)の中に収納され得る。シース22は、界面部材50を圧縮状態で拘束し得る。界面部材50は、界面部材50がステント弁10と干渉し得ない収容領域18の一端にて収容され得る。
【0132】
上で説明したようなステント弁10の解放の一部として、第2のシース22は近位方向に引き戻され得る。しかしながら、近位方向への界面部材50の運動はたとえば、第1のチューブカップリング34の段状のプロファイルによって抑制され得る。したがって、第2のシース22を引き戻すことによって、第2のシース22と界面部材50との間で相対運動が引き起こされ得、これにより界面部材50がシース22の開放端22bに向かって遷移する。界面部材50がもはやシース22によって拘束されなくなると、界面部材50(またはその部分52)が自己拡張し得る。拡張の際、界面部材50は大きくなり過ぎて、シース22内に完全には再び受け入れられなくなり得る。界面部材50は、カテーテル上にてステントホルダ24と第2のシース22との間で少なくとも部分的に「浮動」係留し得る。
【0133】
いくつかの実施例では、カテーテル12を体から取り除く前に、シース22および24を再び閉じることが望ましい場合がある。ステント弁10の解放の後で第2のシース22が再び閉じられると、界面部材50は開放端22bにて少なくとも部分的に自己配置または「浮動」し得る。界面部材50は、ステントホルダ24および/または第1のシースの開放端20bに向かって遠位方向に押され得る。随意であるが、界面部材50は、その移動がステントホルダ24および/または第1のシース20によって停止されるまで遠位方向に押され得る。たとえば現在、第1のシース20が開位置にある場合、界面部材50は、その移動がステントホルダ24によって停止されるまで進展し得る。その後、第1のシース20が閉じられると、上で説明したように、界面部材50は第1のシース20の開放端20bと協働し得る。
【0134】
随意であるが、界面部材50は、拡張可能な部分52(たとえば、端同士の間にある)が拡張されてシースの開放端に対してサイズが大きくなる場合でも、一端または両端にて、シースのそれぞれの開放端の中に部分的に挿入可能であるよう寸法決めされ得る。このような挿入は、当該(各)シースと界面部材との間に確かな係合および協働を提供し得る。このような挿入はさらに、当該(各)シースと界面部材との間にある程度の自己整列または自己中心配置を提供し得る。シャトルの両端がそれぞれのシースの中に挿入すると、これらのシースはさらに互いに位置が合うよう自己整列または自己中心配置し得る。
【0135】
付加的または代替的には、界面部材50の拡張可能な部分52は、概して円滑な環状の隆起またはバルブ形状を有し得る。拡張可能な部分は、概して丸くされるかまたは傾斜表面をその対向する軸方向端に有し得る。このような形状は、界面部材50と各開放端20bおよび22bとの間に円滑な遷移を提供し得、ならびに/または開放端20bと開放端22bとの間に概して平滑なプロファイルまたはブリッジを提供し得る。上記形状はさらに、互いに位置が合う開放端20bおよび22bの自己整列または自己中心配置を増強し得る。
【0136】
拡張可能な部分52は、拡張可能な部分52の拡張状態では、開放端20bおよび22bの少なくとも1つが拡張可能な部分全体の上を通過しないように、寸法決めされ得る。たとえば、直面する開放端20bおよび22bの場合、随意では、開放端20bおよび22bのいずれもが、拡張可能な部分52全体の上を通過し得ない。重なる開放端20bおよび22bの場合、随意では、当該開放端の1つが拡張可能な部分52の上を通過し得る。
【0137】
界面部材の端部は、一般的に非対称的であり得る。示された形態では、近位端62は円錐として形成され得る。円錐形は、以下に記載される随意のスカート60のためのマウント表面を提供し、および/または第3のチューブカップリング44内に嵌まるよう入れ子のプロファイルを提供し得る。遠位端64は、第1のシース20がその上で閉じられるので、第1のシース20の開放端20bをガイドするための平滑な、たとえば丸くされたエッジを有する概して環状のリムとして形成され得る。
【0138】
図21を参照して、いくつかの実施例では、シース20および22を閉じる代わりに、遠位部分14が「開いた」状態のままでカテーテル12を体から取り除くことが望ましい場合があり得る。たとえば、第2のシース22が「開いた」ままであるかまたは少なくとも部分的に閉じられたかどうかにかかわらず、少なくとも第1のシース20は「開いた」ままであり得る。このような場合、ステントホルダ24および界面部材50は、遠位部分14にて露出したままであり得る。界面部材50は、解剖学的組織を通る移動の結果、または遠位部分が密接に嵌まる導入器19の部位に到達する際に、ステントホルダ24に向かって摺動する傾向があり得る。界面部材50は、ステントホルダ24と協働して、急峻なエッジ92よりも流線型のプロファイルを提供し得る。特に、界面部材50は、ステントホルダ24を導入器の内部および/または止血弁を通るようガイドするべく導入器19のエッジ上を摺動することになる、平滑な傾斜プロファイルを規定する円錐面62を含み得る。界面部材50は、界面部材50がステントホルダ24と当接または係合するまで界面部材50が導入器を通過するのを防止する停止部として作用する拡大された大型サイズ部分52を含み得る。そのとき、カテーテルを撤収するよう連続して引っ張ることにより、当該拡大された部分52が若干折り畳まれ、これにより界面部材50およびステントホルダ24が円滑に導入器を通過することが可能になる。随意では、界面部材50は随意では、ステントホルダ24と密接な接触状態のままであるように、ステントホルダ24の端部の上に滑り締まり嵌めを形成するよう構成され得る。
【0139】
上述したような界面部材50は、プラスチック、弾性的に圧縮可能なプラスチック、金属、および形状記憶合金(たとえばニチノール)のうち1つ以上を含む任意の好適な材料を含み得る。示される形態においては、界面部材50は、拡張可能な部分52を規定するシェル56を担持する一般的に圧縮不可能なコア部材54を含む。この圧縮不可能なコアはたとえば、プラスチックからなってもよい。コア部材54は、シェル56よりも長くあり得、上述した端部プロファイル62および64を規定する。シェル56はたとえば、良好に規定される拡張形状を提供するよう金属または形状記憶合金(たとえばニチノール)からなり得る。拡張可能な部分52は、ケージ状の隆起またはバルブを規定するセグメントを含み得る。
【0140】
上記の構造的特徴のいずれかもしくはすべてに加えてまたは構造的特徴の代替物として、界面部材50は、柔軟なスリーブまたはスカート60を随意に含み得る。スリーブまたはスカート60は随意に、重畳し得るまたは重畳し得ない、まとめてスリーブまたはスカートとして振る舞い得る材料の複数のペタルまたはセグメントとして構成され得る。本願明細書におけるスカートへのすべての参照も、このようなペタルまたはセグメントを指すよう意図される。スカート60は、折重または折畳状態から拡張状態へと展開可能である。スカート60は実質的に自己拡張し得る。折重/折畳状態では、スカート60は、シース20および22の1つの中で保持および/または制限され得る。拡張状態において、スカート60がひとたび解放されると、スカート60は、開放端20b,22bまたはシース20,22の少なくとも1つの外側にそれぞれ嵌まるよう寸法決めされ得る。特に、スカート60は、少なくとも部分的に第1のシース20の開放端20bを覆い得る。スカート60はたとえば、軟質プラスチックのような任意の好適な材料からなり得る。一形態では、スカート60は、たとえば公知のバルーンカテーテルにおいて用いられるような成形されたバルーン部材から切り出され得る。バルーンカテーテルは、弁形成のために用いられ得る。このようなバルーンは、その拡張形状に成形され、このようなバルーンから切り出されたスカート60は、拡張形状に向かって自己付勢され得るが、柔軟であり折畳状態へ容易に折り重ねられる。このようなバルーンはさらに、非外傷性の特性を有する薄い材料からなるよう設計される。
【0141】
示される例では、スカート60は、界面部材50の一体部分となるよう接合され得る。スカート60は、近位円錐部62に接合され得る。円錐部62は、スカート60の自然な形状を支持するための好適な分岐表面を提供し得る。
【0142】
摺動可能である代わりに、展開可能である界面部材50および/またはスカート60がステントホルダ24に対して実質的に静的であり得る。後述する一例では、展開可能な界面部材50および/またはスカート60は、ステントホルダ24上にマウントされ得る。
【0143】
図10a〜図10cは、図11図13および図22に示されるように、ステントホルダ24の異なる例を係合するためのステント弁の取付要素68の異なる例を示す図である。ステント弁は、少なくとも1つの取付要素68、随意では2つまたは3つの取付要素68、随意ではそれより多い取付要素を含み得る。一般に、各取付要素68は、頂部74または76によって規定され得、これにより、ステント弁10の端部から延在する第1および第2の支柱70および72を結合する。支柱70および72は、ステント弁10の格子または骨格ステント構造を規定する部材であり得る。格子の場合、支柱70および72に関連付けられるセルが、当該格子の近隣のセルを超えて軸方向に突出し得る。
【0144】
図10aでは、支柱70および72は、略V字形状を規定する頂部74にて接触するよう概して線形に延在し得る。図10bおよび図10cでは、頂部76は、支柱70および72の端部同士の間にU字形状を組み込むことで、若干異なる。当該U字形状は、側面が直線状(たとえば、図10b)であってもよく、または側面が曲線状(たとえば図10c)であってもよい。
【0145】
図11を参照して、2ピースのステントホルダ構造を記載する。しかしながら、ステントホルダは、所望であれば、1ピースの製品として作られ得るということが理解されるであろう。ステントホルダ24の2ピースの例示的な構造は一般的に、一緒に組み付けられた第1の部分78および第2の部分80を含み得る。第1の部分78は、複数の突出部84が突出するハブ82を含み得る。第2の部分80は、突出部84が突出するハブ82の少なくとも一部の周りに嵌まるとともに、その周りに、スペースまたは間隙88を有する係止突起84を収容するための隙間86を規定するための中空の内部を有するケーシング
を含み得る。ケーシングは、当該隙間を規定するよう分岐し得る。各隙間86のエッジ90は、随意では丸くされるか、または面取りされ得る。2部分のアセンブリは、ステントホルダ24の複雑な形状が確実にかつコスト効率よく形成されることを可能にし得る。さらに、異なる材料が適切なように用いられることが可能である(たとえば、第1の部分は強度のために金属からなり得、第2の部分はプラスチックからなり得る)。しかしながら、すでに述べたように、ステントホルダ24は、複数の部分のアセンブリではなく単一の製品として形成され得る。
【0146】
突出部84は、ステント弁10が折畳状態にある際に、各取付要素68の頂部74または76の内側に嵌まるために構成され得る。突出部84と頂部74/76との間の係合により、少なくともステントホルダ24から離れる軸方向に軸方向運動をしないよう取付要素(したがってステント弁10)を捕捉する。
【0147】
突出部84は、半径方向に概して突出しているので、半径方向突出部と称され得る。いくつかの実施例では、突出部またはそのエッジは、たとえば約20°以下、随意では約10°以下、随意では約5°以下の角度だけ遠位方向に向かって傾斜し得る。
【0148】
図11および図12の例では、突出部84は、頂部74(図10a)の内部に嵌まるのに好適な細長いブレードまたはフィン形状を有する。フィンまたはブレードの使用により、突出部84が、(特に軸伸長方向において)強い強度のまま、望ましく薄い形状を有することが可能になり得る。ステントホルダから離れる軸方向運動をしないようにステント弁10を突出部84が捕捉することに加えて、頂部74を受ける隙間86の形状および/またはステントホルダ24の端面92とステントのその近隣のセル頂部との間の係合が、反対方向に軸方向運動をしないようステント弁10を抑制し得る。これにより、ステント弁10は、ステント弁10の拡張によってステントホルダ24から当該または各取付要素68の係合が外れ得るまで、適切な位置にしっかりと保持され得る。
【0149】
自己拡張ステント弁10の場合、取付要素は、取付要素68が延在するステント弁10の部分がシース(たとえば第1のシース20)による覆いを取られる際に、係合が外れ得る。ステント弁10の拡張の際、支柱70および72は、頂部74のV字形状を開くよう離れるように動く。V字形状が開くと、取付要素68の内側が大きくなり、これにより突出部84と頂部74との間の係合が外れるのを促進する。隙間86の面取りされたエッジ90はさらに、支柱70および72が円周方向に拡張してエッジ90を押圧すると、間隙88から半径方向に支柱70および72を「持ち上げる」よう傾斜表面として作用する。取付要素68が隙間86内に誤って差し込まれ得た場合、取付要素68は、カテーテルの若干の回転および/または軸方向変位により自由にされ得、これによりエッジ90に対してさらに載ることが促進される。
【0150】
図13および図22の例では、突出部84は、頂部76(図10b/c)の内側に嵌まるために好適な指部またはピンである。各ピン(図13)は、均等なフィン(図12)よりも大きな厚さを有し得る。ステント弁10の折畳状態(図13)では、支柱70および72は取付要素68にて、互いに密接して隣接するよう存在し得る。そのため、U字形状部分76の弧は、約180°より大きな第1の角度で延在し、ピン84を収容するよう支柱のスペーシングよりも大きなアパーチャを有する閉じたまたはほとんど閉じたアイレットを規定する。当該U字形状は、蹄鉄状のU字形状と称され得る。支柱同士の間のアイレットアパーチャおよびスペースは一緒に、鍵穴型形状を規定し得る。代替的には、アイレットを閉じるよう、支柱70および72は、取付要素68にて互いを押圧し得る。いずれの構成も、ただ取付要素68と突出部84との間の係合によって、両方の軸方向において取付要素68を抑制し得る。これは、隙間86のエッジ90および/またはステントホルダの端面92にて、より大きな面取された表面が用いられることを可能にすることによっ
て、有利となり得る。ひとたび埋め込みがなされると、ステント弁10によってステントホルダ24および第1のシース20の撤収を促進するために、面取された端面92が望ましくあり得る。
【0151】
ステント弁10の拡張状態(または機能状態もしくは非折畳状態)では、支柱70および72は離れるように動き得、U字形状の頂部76の孤は、少なくとも部分的にアイレットを開くよう第1の角度よりも小さい第2の角度で周りを延在し得る。第2の角度は約180°以下である。たとえば、当該頂部は、側面が実質的に真っすぐなU字形状を有し得る。上記と同様の態様で、頂部86が開くことにより、突出部84との係合が外れることが促進され得る。隙間86の面取りエッジ90はさらに、傾斜表面として作用し、支柱70および72が円周方向に拡張してエッジ90を押圧すると、支柱70および72を半径方向に間隙88から「持ち上げる」。
【0152】
図22は、随意では単一ピースの製品としての製造のための、図13と均等なステントホルダを示す図である。図11図13および図22に示されるステントホルダのすべては、突出部のいずれかの側に対して円周方向に、かつ突出部の1つの側に対して軸方向に(たとえば遠位方向に)傾斜表面部分を規定するよう、部分的に各突出部の周りを延在する少なくとも1つの傾斜表面が設けられることを示す。当該傾斜表面部分は、突出部から外方向に離れるよう傾斜する。突出部の周りの間隙は、他の軸(近位側)に対して開いているか、および/または半径方向外方に開いている。突出部84の半径方向の高さは、ステントホルダ本体のプロファイル内に、全体的にまたは少なくとも実質的に収まり得る。ステントホルダ本体は回転面であってもよい。一方として図11および図12の例と他方として図13および図22の例との間で言及され得る1つの違いは、後者の例では、傾斜表面は、突出部84の周りを間隙または隙間のフロアへと延在する。傾斜表面は概して、約20°と約40°との間の角度、随意では約30°または35°の角度で傾斜され得る。
【0153】
図14および図23を参照して、ステントホルダ24は、スカート(スリーブとも称され得る)94を担持し得る。スカート94は随意に、まとめてスリーブまたはスカートとして振る舞う材料の複数のペタルまたはセグメントとして構成され得る。本願明細書におけるスリーブ/スカートへのすべての参照も、このようなペタルまたはセグメントを指すよう意図される。スカート94は、上記のスカート60と同様であり得、同じ構造的詳細が用いられ得る。図23は、より詳細に1つの例示的な構造を示す図である。スカート94は、略管状のスリーブセクション94aと、結合されたペタルまたはセグメント94cを規定する複数のカットまたはスリット94bとを含み得る。ペタル94cは、突出部84および/またはその周りの半径方向の凹部を実質的に覆い得る。スリット94bは、ペタル94cが外方向に開くよう折り曲げまたは屈曲することを可能にし得る。スリット94bは、突出部84またはその周りの半径方向凹部と概して整列され得る。このようなスリット94bの位置決めによって、ペタル94cがステント弁の取付要素の拡張および取外しを妨害しないことを確実にし得る。ペタルの外方向の屈曲により、自動的にスリット94bが開くようになり、これにより開いているスリットを通じて取付要素が拡張することが可能になる。
【0154】
スカート94は、送達カテーテル12の使用の前に、折り畳まれたステント弁10を特に第1のシース20の中に搭載することを促進するよう機能し得る。搭載は、まず第1のシース20を開き(矢印20a)、スカート94(またはそのペタル94c)を折り返すまたは開き、取付要素68がステントホルダ24に係合するようにステント弁10を折り畳み、次いで第1のシース20を、ステント弁10の遠位部分を覆うその閉位置(矢印20c)に移動することにより達成され得る。スカート94は、少なくとも部分的に取付要素68を覆うよう平坦に戻り得る。取付要素68を覆うことで、取付要素68がステント
ホルダ24の表面と完全に面一でなくても、頂部74または76が第1のシース10が閉じるのを妨げる急峻なエッジを作り出すことが回避され得る。取付要素68を覆うことによってさらに、取付要素の1つが誤って第1のシース20の開放端20bの外側を通過することが回避され得る。ステント弁10が複数の取付要素68を含む場合、取付要素68のすべてが、搭載の間、ステントホルダ24の中に完全に係合されるかどうか分かるのが難しい場合があるということが理解されるであろう。スカート94で取付要素68を覆うことにより、この問題が低減され得、たとえ完璧に位置決めされていなくても、取付要素68の上で第1のシース20の開放端20bをガイドするよう補償され得る。スカート94はさらに、第1のスリーブ20の開放端がステント弁の外側スカート材料のエッジ上で激しくこすれることから保護し得る。
【0155】
ステントホルダ上のスカート94はさらに、単一のシースのみを有する送達カテーテル12(図示せず)における使用を見出し得る。
【0156】
図14の構成では、スカート94は、別個の界面部材50の随意のスカート60とは区別され得る。図15は、単一のスリーブまたはスカート94がさらに界面要素としてスカート60の機能を行い得る代替的な構成を示す図であり得る。
【0157】
図15を参照して、ステント弁10の解放の後、スカート94は、開放端が遠位方向に向くよう方向付けされ得、これにより第1のシース20の開放端20bを覆う。スカート94は、第1のシース20の外側を延在する。界面部材という用語の範囲内で、スカート94は、第1のシース20の外を延在する際、展開状態であり得る。第2のシース22は、第1のシース20に向かって遠位方向に進展され得る。第2のシース22は随意に、その通常の閉位置を超えて遠位方向に進展され得る。
【0158】
スカート94について付加的または代替的には、他の展開可能な界面要素が、ステントホルダ24の上に設けられ得るか、ステントホルダ24の一部を形成し得るか、またはステントホルダ支持チューブ上にマウントされ得るということが理解されるであろう。これは、収容領域18内で自由に摺動可能でない展開可能な界面要素のさらに別の例を示す。
【0159】
図16は、送達カテーテルの近位部分と遠位部分との間を延在するチューブ26〜30を介して遠位部分14を制御するための、送達カテーテルの近位部分16用のハンドル100を示す図である。チューブ26は随意では、ハンドル100を通って延在するそれぞれの剛体部分を含み得るか、または当該剛体部分に接続され得る。
【0160】
ハンドル100は、実質的にハンドル100の長さだけ延在する固定本体102を含み得るとともに、制御ピンが以下に記載されるように摺動し得る細長いスロット104を有し得る。固定部106は、本体102が第1のチューブ26の相対位置を制御し得るように、本体102を第1のチューブ26に固定的に結合する。つかむことが可能な「第1のチューブ」ハンドル108は、たとえばハンドル100の遠位端にて、本体102に結合され得る。
【0161】
ハンドル100はさらに、関連付けられるらせん状ガイド112を有する「第2のチューブ」ハンドル110を含み得る。らせん状ガイド112は、随意で「第2のチューブ」ハンドル110により回転するよう結合される別個の構成要素112aに形成され得る。第2のチューブ28に結合されるスライダ114は、らせん状ガイド112と係合するスロット104を通って延在するピン116を有し得る。「第2のチューブ」ハンドル110は、本体102の周りを回転可能であり得る。(本体102に対する)「第2のチューブ」ハンドル110の回転により、らせん状ガイド112が回転し、これによりピン116と、したがってスライダ114とが軸方向に運動する。スライダ114は当該軸方向運
動を伝達して第2のチューブ28を第1のチューブ26に対して平行運動させ、これにより第1の(遠位)シース20をステントホルダ24に対して平行運動させる。
【0162】
ハンドル100はさらに、関連付けられるらせん状ガイド120を有する「第3のチューブ」ハンドル118を含み得る。らせん状ガイド120は、随意で「第3のチューブ」ハンドル118により回転するよう結合される別個の構成要素120aに形成され得る。第3のチューブ30に結合されるスライダ122は、らせん状ガイド120と係合するスロット104を通って延在するピン124を有し得る。「第3のチューブ」ハンドル118は、本体102の周りを回転可能であり得る。(本体102に対する)「第3のチューブ」ハンドル118の回転により、らせん状ガイド120が回転し、これによりピン124と、したがってスライダ122とが軸方向に運動する。スライダ122は当該軸方向運動を伝達して第3のチューブ30を第1のチューブ26に対して平行運動させ、これにより第2の(近位)シース22をステントホルダ24に対して平行運動させる。
【0163】
随意では、ハンドル100は、解剖学的組織に対して開いているスペースから空気を押し流すよう液体(たとえば生理食塩水)が注入され得る少なくとも1つの注液ポート126を含み得る。特に、第1および第2のチューブの間のスペースと、第2および第3のチューブの間のスペースとに注液するのが望ましくあり得る。いくつかの実施例では、単一または共通の注液ポート126が両方のスペースに注液するために設けられ得る。連通ポートまたはアパーチャ(その位置は概略的に128で示されるとともに、以下同じ数字によって言及される)が、1つのスペースにおける液体が他のスペースに入ることを可能にするために設けられ得る。たとえば、注液ポート126は、第1および第2のチューブの間のスペースに液体を入れるよう構成され得る。第2のチューブにおける連通ポート128は、当該液体が第2および第3のチューブの間のスペースにも入ることを可能にし得る。連通ポート128は随意で、当該スペースに完全に遠位部分まで注液するよう、ハンドル100か、または少なくとも遠位部分よりもカテーテルの近位部分に近いところに位置決めされる。複数のスペースに注液するために単一または共通の注液ポート126を設けることには、接続の数と、使用のためにカテーテルを準備する際に作業者が行わなければならない作業とを簡略化するという利点があり得る。代替的には、各スペースの注液に対する独立制御を有することが望ましい場合、各々が注液されるべきそれぞれのスペースと個々に連通する複数の注液ポート128が設けられ得る。
【0164】
ハンドル100は上述したように、事前引張力をチューブの1つ以上に適用するよう構成され得る。事前引張力を適用するためのさまざまな機構が考えられる。当該機構は、「第2のチューブ」ハンドル110の一部であってもよく、または引張力を適用することが可能である別個の機構であってもよい。簡素であるが有効かつ直観的な形態では、「第2のチューブ」ハンドル110は、事前引張力を生成するよう回転可能であり得るとともに、引張位置にロック可能であり得る。ハンドルは、除去可能なピンまたはラチェット機構のような任意の好適なロックを用いてロック可能であり得る。さらに、ハンドル100は、所望の量の事前引張力を生成するハンドル110の回転の量を示すためのインジケータリングを含み得る。インジケータリングは、第1のシースが事前引張力なしで閉位置にある場合、第1のマーカーがハンドル110上のカウンタマーカー(counter marker)と位置が合うように手動で設定可能であり得る。ひとたびセットされると、インジケータリングは、第2のマーカーによって、事前引張力を生成するようハンドル110が回転または変位されるべきさらなる回転の程度を示し得る。ハンドル110を適切な位置にロックするためのロックおよび/または設定可能なインジケータリングは、概略的に110aにて一般的に示される。しかしながら、ロックおよびインジケータリングは、別個であってもよく、ならびに/または所望のようにハンドル100上の異なる位置に配置されてもよいということが理解されるであろう。
【0165】
図20は、カテーテル12とともに用いられ得るライナースリーブ150を示す図である。ライナースリーブ150は、カテーテル12と、カテーテルが中を通って体の中へと挿入される導入器19(たとえば標準的な動脈導入器)との間の摩擦低減ライナーとして作用し得る。ライナースリーブ150は、カテーテルチューブ、特に外側チューブ30上の摩擦を低減し得、これによりステント10のより容易な展開を可能にする。標準的な動脈導入器は、血液の逆流および空気の吸引を防止するための止血弁19aを含む。止血弁19aは、動脈中に導入され得る広い範囲の異なるタイプおよびサイズの機器で機能するよう、かなりアグレッシブな複数のフラップ弁であり得る。止血弁のアグレッシブさは、遠位部分にてシースの平行運動を制御するための送達カテーテル12のチューブの微細な変位を妨げる傾向があり得る。ライナースリーブ150は、第3のチューブ30と導入器19との間に低摩擦界面を提供する。ライナースリーブ150は、カテーテル12上にて係留され得、カテーテルの長さに沿って軸方向に摺動可能であり得る。ライナースリーブ150は、その近位端にて、導入器に入る程度を制限する停止部152を含み得る。付加的または代替的には、ライナースリーブ150は、ハンドル100のソケット156との除去可能な締まり嵌めのための部分154を含み得る。これにより、ライナースリーブ150が、ハンドル100のソケット156に収納、接続されるとともに、ライナースリーブ150を導入器19内の作動位置へと進展することが望ましい場合、ハンドル100から分離されることが可能となる。ライナースリーブ150は、随意では、ライナースリーブ150とカテーテル12の外側チューブ30との間に実質的に血液密封を行うためのシール158をさらに含み得る。シール158は、カテーテル12の寸法のために一意に構成され得るので、導入器19の止血シール19aよりも実質的にアグレッシブさが低い。たとえば、シール158は、Oリングによって形成され得る。シール158は随意では、シール158は導入器19内で力にさらされないように、停止部152または接続部154に設けられてもよい。代替的には、シール158は、ライナースリーブ150の長さに沿った別のところに位置決めされてもよい。
【0166】
導入器中に展開されると、ライナースリーブ150は、カテーテル12のその他の部分に対して軸方向および/または回転方向に固定され得ず、これによりカテーテルが障害なく操作されることが可能になる。いくつかの実施例では、遠位方向に停止部152から突出するライナースリーブ150の長さは、約30cm以下でもよく、随意では約25cm以下、随意では約20cm以下、随意では約15cm以下、随意では約10cm以下である。
【0167】
図24は、カテーテルの少なくとも1つの管状部材においてボールジョイント(ボールジョイント、ボールソケット、ボールソケット関節部、およびボールソケット接続部という用語は、すべて相互交換可能である)を含む送達カテーテルの修正例を示す図である。ボールジョイントは、カテーテルの(本願明細書においてステント保持領域またはコンパートメントとも称される)ステント収容領域に対してちょうど近位に設けられ得、そのためボールジョイントがステント保持コンパートメントに対してちょうど近位である高柔軟性領域を提供し得る。ボールジョイントは、ステント保持コンパートメントに対して5cm以内の近位にあり得る。ボールジョイントはさらに、ステント保持コンパートメントの0.1cm、0.5cm、1cm、2cm、3cm、4cm、または4.5cm近位にあり得る。ボールジョイントは、ステント保持コンパートメントの1cmと2cmとの間の近位にもあり得る。ボールジョイントは、ステントの位置に対して軸方向に運動するカテーテルの管状部材に設けられ得る。すなわち、いくつかの実施例に従った管状部材は、(図1にも示されるように)ステントを解放するよう近位方向22Aまたは遠位方向20Aに運動され得る。この場合、上記の距離測定は、管状部材が閉位置に対応する位置、たとえばその管状部材についてもっとも閉じた位置にある場合であると規定される。この閉位置の例が図24に示される。閉位置では、シース同士は、端部同士で接触するか、互いに間隔を置いたままであり得る。
【0168】
ボールジョイントは、カテーテルアセンブリの外側管状部材中に設けられ得る。ボールジョイントは好ましくは、1つ以上の内側管状部材の通過を可能にするよう、中空であるか、またはアパーチャを含む。いくつかの実施例では、外側管状部材を通る単一の内側管状部材が存在する。この内側管状部材は、ガイドワイヤ受入内腔であり得る。さらに、ステントホルダは、この内側管状部材上にマウントされ得る。さらに、外側管状部材を通る少なくとも2つの管状部材が存在し得る。これらの2つ以上の内側管状部材は、1つの内側管状部材が別の内側管状部材の中にあるよう配され得る。3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の内側管状部材が存在し得る。これらの各々は、互いに入れ子式に入れられ得る。
【0169】
いくつかの実施例では、ボールジョイントは、そのときのカテーテルの直線軸と比較して少なくとも45°までの範囲での管状部材の湾曲を可能にし得る。ボールジョイントはさらに、そのときのカテーテルの直線軸と比較して少なくとも40°までの管状部材の湾曲を可能にし得る。ボールジョイントはさらに、そのときのカテーテルの直線軸と比較して少なくとも30°までの管状部材の湾曲を可能にし得る。ボールジョイントはさらに、そのときのカテーテルの直線軸と比較して少なくとも20°までの管状部材の湾曲を可能にし得る。ボールジョイントはさらに、そのときのカテーテルの直線軸と比較して、20°、21°、22°、23°、24°、25°、26°、27°、28°、29°、31°、32°、33°、34°、35°、36°、37°、38°、39°、41°、42°、43°、および44°の管状部材の湾曲を可能にし得る。このような高い柔軟性は、均等な断面直径の連続的な湾曲部材では、連続部材を捩じるリスクなしで達成することは難しいであろう。
【0170】
いくつかの実施例では、ボールジョイントは、カテーテルアセンブリの少なくとも1つの隣接する管状部材の直径以下である横断方向の外径(たとえば、カテーテルの軸に対して断面方向に測定される)を有する。これにより、カテーテルアセンブリのサイズプロファイルを大きくすることなしに、ボールジョイントが収容されることが可能になる。ボールジョイントに隣接する管状部材のプロファイルは、カテーテルアセンブリがボールジョイントに固定されていても概して平滑な連続面を規定するよう、円滑にボールジョイントのプロファイルの中に混合し得る。所望の場合、ボールジョイントの横断方向の外径は、ボールジョイントにつながるカテーテルアセンブリの両方の隣接する管状部材の直径よりも大きくあり得る。
【0171】
いくつかの実施例では、ボールジョイントの横断方向の外径は、カテーテルアセンブリのもっとも大きな管状部材直径以下である。たとえば、18フレンチサイズの導入器を用いて体の中に挿入可能であるカテーテルアセンブリの場合、外側管状部材の最大直径は約6mm(7mm以下)である。次いで、ボールジョイントの横断方向の外径は、この最大部直径以下であり得る。いくつかの実施例では、(カテーテルアセンブリの軸方向における)ボールジョイントの長さは、ボールジョイントの横断方向の外径の約2/3までであり得る。
【0172】
いくつかの実施例では、ボールジョイントはさらに、管状部材を前方向(遠位方向)に押すために、または(近位方向に)管状部材を引き戻すために軸方向力が管状部材の長さに沿って適用されることを可能にする。たとえば、外側管状部材は、少なくとも部分的にステントを包含するシース(たとえば近位シース部分)を含み得る。シースは、軸方向力により、閉状態から開状態にシフトするよう軸方向において前または後ろに平行運動し得る。この軸方向力は、ボールジョイントを通じて適用され得る。したがって、ボールジョイントは、カテーテル上のステント位置に関して軸方向に運動するカテーテルの部分またはサブアセンブリの一部を形成し得る。
【0173】
いくつかの実施例では、ボールジョイントはさらに、ボールジョイントのいずれかの側上の管状部材の2つの部分の間での相対回転を可能にし得る。この相対回転は、1回転までに限定されてもよく、またはいくつかの実施例では、相対回転はさらに、2回転、3回転、4回転、5回転、6回転、7回転、8回転、9回転、または10回転までに限定されてもよい。代替的には、限定されなくてもよい。いずれの構成でも、カテーテルの外側ボディが動脈内において回転することなく静的なままでありつつ、カテーテルのステント保持コンパートメントが回転されることが可能になり得る。カテーテルの外側ボディは、動脈壁に対する摩擦なしで、他の管状部材が中で回転するブッシングのように作用し得る。捩じれが、カテーテル内で担持されるとともにボールジョイントを通って送達装置の遠位セクション(少なくともボールジョイントの遠位)まで通過する他の(1つ以上の)管状部材を介して適用され得る。代替的には、油圧または電子アクチュエータが、電子信号線または流体導管を介して供給される好適な流体/電子信号に応答して、遠位部分(ステント保持コンパートメント)にて回転運動を生成し得る。
【0174】
図24は、本開示のいくつかの実施例に従ったボールジョイントを有するステント送達装置の例を示す。示されるように、ボールジョイント1は、カテーテルの外側管状部材30に設けられる。外側管状部材30は、ステント10の(少なくとも)一部を覆う近位の外側シース(第2のシース)22を(カテーテルハンドルに向かって近位方向22Aへ)引き戻すための管状部材である。近位シースを引っ張り戻すために、軸方向力がカテーテルの長さに沿ってハンドルから適用され、次いで、ボールジョイントを通って外側シースへ適用される。回転は、カテーテル内で捩り力を内側管状部材26および/または28に適用することにより達成される。これらにより、ステントが内部から回転される。ステントホルダ30は、他の内側管状部材からの捩り力を伝達して、ステントをカテーテル軸の周りにて回転させる。ステントと外側シースとの間の摩擦はさらに外側シースを回転させる。ボールジョイントは、カテーテルのボディによって捩じれが適用される(または抵抗される)ことなく、外側シースが自由に回転することを可能にする。図1はさらに、ステントホルダが遠位方向6Aまたは近位方向6Bに配置され得ることを示す。ステント保持コンパートメントは、近位シース22と遠位シース20とから構成される。遠位シースは、内側管状部材に取り付けられる。内側管状部材が遠位方向に延在されると、遠位シースはさらに遠位方向に押され得、ステントから離れ得る。同様に、上述したように、近位シースは近位方向に引っ張られ得る。もっとも内側の管状部材はさらに、カテーテルの中心を通って延在するガイドワイヤ内腔3を形成する。
【0175】
ボールジョイントおよびボールジョイントに結合される管状部材の部分は、たとえば金属(たとえばステンレススチール)またはプラスチック(たとえばナイロン)といった任意の好適な材料からなり得る。
【0176】
ボールジョイントのソケット部分は、ソケット表面の球形の範囲が増加するよう、管状部材の下段領域または首下領域と連通し得る。
【0177】
ある関連する局面では、ステント保持コンパートメントに隣接するカテーテルの高柔軟性部分が提供される。高柔軟性とは、高柔軟性領域のいずれかの側上の管状部材の50%未満の曲げ抵抗を有することと規定され得る。高柔軟性領域はさらに、高柔軟性領域のいずれかの側上の管状部材の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または45%の抵抗を有し得る。高柔軟性領域は、5cm未満の軸方向長さを有し得る。高柔軟性領域はさらに、1cmと2cmとの間の軸方向長さを有し得る。高柔軟性領域についての一実現例では、上記のようなボールジョイントを用いてもよい。別の実現例は、カテーテルチュービングに結合(または一体化した)高柔軟性チュービングのセグメントを用い得る。
【0178】
ボールジョイントの屈曲および回転関節部は、両方がカテーテルのステント保持コンパートメントに近ければ、2つの別個の接続部、ジョイント、またはカップリングへと分離され得る。当該2つのカップリングは一般的に5cm以下離れている。2つのカップリングはさらに、1cmと2cmとの間だけ離れ得る。屈曲接続部は、隣接するステントの剛性を補償するよう、ステント保持コンパートメントにより近く位置決めされ得るが、その順番は特定の実現例に従って容易に反転され得る。
【0179】
外側チューブの中にボールジョイントを含むことにより、外側チューブを通じて伝達可能なトルクの量が制限され得るということが理解されるであろう。他の内側チューブの構造は、たとえば上に記載した原理を用いてトルクを伝達するよう随意で修正され得る。
【0180】
図17図18、および図19は、先行する実施例のいずれかの送達カテーテル12が極めて好適であり得るステント弁10の詳細な例を示す図である。ステント弁10は、拡張および/または機能状態に向かって弾性的に付勢される自己拡張タイプのステント弁であり、好適な半径方向の圧縮力の適用により圧縮状態に圧縮可能である。ステント弁10は、拘束されている間は、圧縮状態のままである。拘束が取り除かれると、ステント弁10は、拡張状態および/または機能状態に向かって自己拡張する。代替的には、ステント弁10は、圧縮状態10’から拡張状態までステント弁10を変形する展開力の適用を必要とする非自己拡張タイプであり得る。
【0181】
ステント弁10は、複数の弁尖136を支持するステント構成要素134を含み得る。尖136は、尖136が一体のユニットを形成するかどうかにかかわらず、まとめて弁構成要素と称され得る。ステント構成要素134は、生来の解剖学的組織においてステント弁を固定するための固定機能、および/または弁尖136を支持するための支持機能を提供し得る。ステント構成要素134は、任意の好適な材料からなり得る。ステント構成要素14は金属からなり得る。例示的な材料は、形状記憶および/もしくは超弾性合金(たとえばニチノール)、ステンレススチール、またはコバルトクロム合金を含む。示される形態においては、ステント構成要素134は、自己拡張しており、形状記憶/超弾性合金(たとえばニチノール)からなる。しかしながら、ステント構成要素134はさらに、実質的に非自己拡張であり得る。
【0182】
ステント構成要素134は、所望の埋込部位にて生来の解剖学的組織に対してステント弁10を固定および/または整列するのに望ましい任意のプロファイルを有し得る。いくつかの実施例では、ステント構成要素134は概して円筒形の形状であり得るか、または1つ以上の概して円筒形の部分もしくは概して円筒形の面上に存在する部分を含み得る(たとえば140cおよび142a)。付加的または代替的には、ステント構成要素134は、概して非円筒形の形状であり得るか、または、1つ以上の概して非円筒形の部分もしくは非円筒形の表面上に存在する部分を含む(たとえば140a、140b、および144)。付加的または代替的には、ステント構成要素134は、1つ以上の固定突出部および/または1つ以上の安定化部分を含み得る。
【0183】
1つの局面で見ると、ステント構成要素134は随意で、流入端部と流出端部とを有し、随意で、埋込みの際、送達のための圧縮状態から拡張機能状態に向かって自己拡張可能である。ステント構成要素134は、たとえば、流出端部に存在し、各々が流出端部にて頂部を有する複数のアーチ144aの形態にある流出構造を含む。ステント構成要素はさらに、流入端部と流出端部との間の冠部(たとえば上冠部)140bを含む。冠部140bは、流入端部と流出端部との間にある、流出端部に向かって方向付けされた自由な末端を有する。ステント構成要素はさらに、冠部と流入端部との間の固定セクション(たとえば下冠部)140aを含む。
【0184】
付加的または代替的には、ステント構成要素134は随意では、たとえば、その間に溝部および/またはくびれ部140cを規定する下冠部140aおよび上冠部(または他の固定セクション)140bによって規定される固定部分140を含む。固定部分140は、圧縮に対する第1の抵抗を有し得るとともに、セル状格子を含み得る。
【0185】
ステント構成要素134は随意では(さらに)、たとえば複数(たとえば3つ)の交連支持柱142aを含む弁支持部分142を含む。交連支持柱142aは、冠部140aおよび140bの少なくとも1つの末端よりも小さいピッチ円径上に配され得る。交連支持柱142aは、くびれ部140cに対応するピッチ円径上に配され得る。交連支持柱142aは、冠部140および142の少なくとも1つと軸方向に部分的に重畳するとともに、そのそれぞれの冠部を超えて軸方向に延在し得る。交連支持柱142aはフレーム状であり得る。交連支持柱142aは、少なくとも交連支持柱に隣接する弁周辺部の領域において、少なくとも近似的に弁の周辺輪郭に従った形状を有し得る。
【0186】
ステント構成要素134は随意では(さらに)、流出構造を示し得る安定化または整列部分144を含む。部分144はたとえば、複数(たとえば3つ)のウィングまたはアーチ144aによって規定され得る。アーチ144aは、交連支持柱142aの先端から延在し、その上にヴォールト形構造を規定し得る。整列部分144は、固定部分140および/または弁支持部分142よりも柔軟性が大きくあり得る。整列部分144は、固定部分140の圧縮に対する第1の抵抗よりも小さい、圧縮に対する第2の抵抗を有し得る。整列部分144は、固定部分140および/または弁支持部分142よりも(たとえば半径方向において)あまり剛体ではない。
【0187】
ステント構成要素134は随意では(さらに)、ステント構成要素134を送達カテーテル12のステントホルダ24に取り付けるための取付要素68を含む。本実施例では、取付部分68は、下冠部140aのセルの複数(たとえば3つ)の延在部によって規定され、図10a〜図10cの例の1つに対応する形状を有する。
【0188】
弁構成要素または尖136は、任意の好適な自然材料および/または合成材料からなり
得る。たとえば、弁構成要素/尖136は、豚および/もしくは牛の心膜ならびに/または採取された自然な弁材料を含み得る。上記尖は、閉位置へと接合または折り畳まれて、そこを通る一方向のフローを妨げる一方、反対方向のフローを可能にするよう開位置へと離れるよう屈曲するように支持され得る。弁構成要素/尖136は、弁支持部分142に収容され得、および/または少なくとも部分的に固定部分140内に収容され得る。尖はサイドタブを有し得る。隣接する対の尖のタブは、対で支持柱142におけるスロットを通過し得、スロットのいずれかの側上にて折り戻され得るか、または縫合され得る。支持柱142aは、縫合糸を収容するようスロットのいずれかの側に縫合穴のラインを有し得る。さらに別の縫合穴は、スロットの上および/または下に設けられ得る。所望の場合、スロット(図19においてAで示される)上の縫合穴および/またはスロットの下の縫合穴は、スペースを節約するよう省略され得る。
【0189】
ステント弁10(たとえば弁構成要素136)はさらに、少なくとも部分的にステント構成要素14のそれぞれの内面または外面部分を覆う内側スカートおよび/または外側スカートを含んでもよい。たとえば、スカートは、固定部分140の少なくとも一部および/または弁支持部分142の少なくとも一部を覆い得る。スカートは、PETおよび/または心膜を含む任意の好適な材料から形成され得る。心膜は、尖と同じ材料からなり得る。いくつかの実施例では、内側および外側スカートは、図17におけるスカート重畳領域Aにおいて互いに部分的に重畳し、それぞれ軸方向において重畳領域Aの上および下に延在する非重畳部分を含む。内側スカートには、血液を尖に向けるとともに、格子構造の隙
間を通る血液の漏れを防止する利点があり得る。外側スカートには、ステント弁とその周りの組織との間の界面にて血液の漏れを防止するという利点があり得る。両方のスカートを部分的に重畳された状態で設けることにより、上記の両方の利点が得られることが可能となり得るだけでなく、(そうでなければステント弁の材料の厚さを増加させステント弁を小さなサイズに圧縮するのをより困難にしたであろう)材料の完全な重畳を低減する。しかしながら、部分的な重畳により、内側スカートと外側スカートとの間に信頼性のあるシールが達成されることが可能になる。
【0190】
使用の際、一般的な局面で鑑みると、下冠部(または他の固定セクション)140aの少なくとも一部が、第1のシース20に受け入れられ、拘束され得る。第1のシース20によって覆われていないステント構成要素134の少なくとも一部は、第2のシース22によって受け入れられるとともに拘束され得る。先に説明したとともに以下により詳細に記載されるように、ステント弁10を解放する方法は、冠部/上冠部140bを展開し、その後支持セクション142、最後にアーチ144aを展開するよう、第2のシース20を開位置まで移動させるステップを含み得る。たとえば、これらの要素は、生来および/または機能していない弁の大動脈側上に展開され得る。その後、作業者が生来の解剖学的組織内でのステント弁10の位置および/または機能に満足すると、第1のシース10は、下冠部140aを展開するよう、その開位置まで移動され得る。同時に、取付要素68は、ステントホルダ24から解放し得る。
【0191】
このような展開シーケンスは、上記のWO−A−2009/053497およびWO−A−2011/051043において記載されるものとは異なる。しかしながら、冠部140bの後にアーチ144aを展開することはそれでも、アーチが機能することを可能にすることにおいて非常に効果的であるということが理解されている。特に、アーチは、展開のために固定セクション140aの覆いを取る前に展開され得る。
【0192】
いくつかの実施例では、アーチは、上行大動脈の壁との接触により上行大動脈の軸に対してステント弁を整列させるために構成され得る。たとえば、アーチは、互いに対して独立して湾曲可能であり得る。冠部は、存在する尖に対して流出側から係合および/または配置するために構成され得る。固定セクションは、存在する弁輪を係合するために構成され得る。
【0193】
固定セクションの前にアーチを展開することにより、アーチの作用により、存在する弁の弁輪にステント弁を固定するよう固定セクションが展開する前に、ステント弁の自己整列が可能になる。
【0194】
どのように上記の装置が一例において用いられ得るかの詳細な説明を以下に記載する。その説明は、装置のどの特徴が、用いられる実際の実施例に従って実現され得るかに従って修正され得る。個々のステップの順番は、所望のように変更され得る。これらのステップは、項目によりグループ化され得る。項目の順番は所望のように変更され得る。各項目内でのステップの順番は、所望のように変更され得る。以下の記載は、前述した送達カテーテルの特徴に主に着目し得る。ここで記載されない付加的なステップは、経カテーテルステント弁の埋込みの分野の当業者であれば分かり得るように、処置の一部として含まれてもよい。
【0195】
A:収容領域内へのステント弁の搭載
A1:第1のシース20および第2のシース22の各々は、ハンドル100の制御部110および118を用いることにより開くよう平行運動し得る。スカート94のペタル94cは、ステントホルダの突出部84を露出するよう折り戻される。
【0196】
A2:ステント弁10は、収容領域において適切な位置で圧縮される。従来のクリンパが用いられ得る。ステント弁は、取付要素を有する端部(たとえば流入端部)が収容領域において遠位方向に位置決めされるとともに突出部84と位置が合うよう位置決めされる状態で配される。固定セクション/下冠部140aがまず、取付要素68が突出部84と接合するように圧縮され得る。ハンドル110を用いて、第1のシース20は、固定セクション/下冠部140aを少なくとも部分的に覆うよう近位方向に平行運動され得、その取付要素によりステント弁を捕捉する。このような平行運動の間、ペタル94は、第1のシース20の内側表面とステント弁の外側表面部分との間に存在するように平坦に広がり得る。次いで、ステント弁の残りのセクションは圧迫され得(たとえば冠部/上冠部140b、弁支持セクション、およびアーチ)、第2のシース22は少なくとも部分的にステント弁をアーチから冠部/上冠部140bまで覆うよう遠位方向に平行運動され得、これによりステント弁のこれらのセクションを圧縮状態に拘束する。上述したように、第1および第2のシースの閉位置において、シースの端部は、実質的に端部同士にて接触し得るか、シース同士は、間隔を置いたままの状態であり得る。
【0197】
B:体への導入のための送達カテーテルの準備(ステップAの後)
B1:送達カテーテルは、少なくとも1つの注液ポート126を介して液体(たとえば生理食塩水)を注入することにより注液され得る。随意では、単一および/または共通ポート126を通って液体を注入することにより、送達カテーテル内の複数のスペースが注液され得る。
【0198】
B2:第1のシースを「強めに閉じる」よう第2のチューブハンドル110を回転させることにより、第1のチューブ26には事前に引張力がかけられる。適用する事前引張力の量は、インジケータリング上の第1のマーカーがハンドル100上のカウンタマーカーと整列するように手動でインジケータリングをセットすることによって示され得る。第2のチューブハンドル110はさらに、事前引張力を生成するよう、リング上の第2のマーカーによって示される量だけ手動で回転される。第2のチューブハンドル100は随意では、ハンドルが使用時に滑り、意図されるモーメントの前に事前引張力を緩和することを回避するよう、事前引張位置にロックされ得る。
【0199】
C:埋込みの前に患者に対して行われるステップ(ステップAまたはBの後)
C1:動脈導入器19が、皮膚を通して、たとえば大腿動脈または鎖骨下動脈といった動脈を貫くよう配置される。ガイドワイヤが、導入器19を通じて導入され、脈管構造に沿ってナビゲートされ、たとえば大動脈弁といった置換されるべき弁を横断する。
【0200】
C2:当該導入器19を通じて、バルーンカテーテルが随意で導入され得るとともに、ガイドワイヤに沿って、置換されるべき弁まで進展され得る。狭窄弁の場合、弁尖を解放する弁形成が行われ得る。次いで、バルーンカテーテルが取り除かれる。
【0201】
D:ステント弁の埋込み(ステップA、B、およびCの後)
D1:ガイドワイヤが第1のチューブ26の内腔内に受け入れられた状態で、送達カテーテルが、導入器19に向かうようガイドワイヤの上に供給される。送達カテーテルの遠位部分は、導入器を通じて導入され得る。その後、送達カテーテルは、遠位部分をガイドワイヤに沿って、置換されるべき弁の位置まで進展するよう、少しずつ導入器を通じて供給され得る。
【0202】
D2:いくつかのステージでは、少なくとも遠位部分が導入器19を通過した後、ライナースリーブ150がハンドル100から分離され得るとともに、遠位方向にカテーテルステムに沿って導入器19の中へと摺動され、導入器において摩擦嵌めの低減が提供される。これにより、脈管構造を通るカテーテルのより容易な進展、および/または以下のス
テップでのシースの容易な操作が可能となり得る。
【0203】
D3:遠位部分が上行大動脈においてほぼ適切な位置にあるかまたは若干高い場合、作業者は所望であれば、ステント弁を生来の解剖学的組織に回転整列するよう送達カテーテルを回転し得る。ステント弁自体の形状は、このような回転整列を必要とし得ないが、ステント弁が自然の弁機能を可能な限り近く複製することができるようにステント弁を生来の弁に整列する可能性を好む当業者がいる場合がある。上述したように、組紐が設けられたチューブ26および30の組合せ、ならびに/または第3のチューブ30の組紐の特性により、送達カテーテルの長さが相対的に長いにもかかわらず、ハンドル100から遠位部分までトルクの良好な伝達が可能となる。ステント弁の回転方位は、たとえばX線イメージング機器といった好適なイメージング機器を用いて観察され得る。
【0204】
D4:上行大動脈において遠位部分がほぼ適切な位置にある状態または若干高い状態のままで、第3のチューブハンドル118は、第2のシース22を近位方向に平行運動し、第2のシース22によって以前覆われていたステント弁のセクションを解放するよう動作され得る。これは、冠部/上冠部140b、アーチ144a、およびその間の任意のステントセクション(たとえば支持セクション142)を含み得る。第2のシース22の平行運動は、冠部/上冠部140bをまず解放し、その後、最後にアーチ144aを解放する。事前引張力がステップB2において用いられる場合、事前引張力は第1のシースを近位方向に付勢し得、これにより第2のシースの操作中にチューブを通じて適用される反力の結果、第1のシースが遠位方向に進む如何なる傾向も防止する。事前引張ステップはステップB2での準備の一部として記載されるが、事前引張力の適用はその後、D4の前の如何なる段階でも行われてもよく、カテーテルが、置換されるべき弁まで進展された後でも行われてもよいということが理解され得る。いくつかの場合において、事前引張ステップをその後で行うことにより、ガイドワイヤに沿ってトラッキングするためのカテーテルの柔軟性が向上する。付加的または代替的には、ライナースリーブ150がステップD2で用いられる場合、ライナースリーブ150は、導入器19内での第3のチューブ30の運動に対する摩擦抵抗を低減し得、これにより、第2のシース22を平行運動させる動作をより容易かつ円滑にするということが理解され得る。
【0205】
D5:展開された冠部/上冠部140bが置換されるべき弁に存在する尖を押圧するまで、作業者はカテーテルを穏やかに押し得る。このような配置の場合、作業者は抵抗を感じ得るとともに、冠部/上冠部140bが尖に対して正しく配置されているかを効果的に感じ得る。付加的または代替的には、その位置は、X線イメージング機器のような好適なイメージング機器によりモニタリングされ得る。ステント弁が部分的に展開された状態でのカテーテルのこのような操作の間、ステントホルダ24と取付要素68との間の係合が、ステント弁を送達カテーテルに固く固定したままとする。
【0206】
D6:作業者が冠部/上冠部140bの位置について満足する場合、作業者は、固定セクション/下冠部140aを解放するために第1のシース20を遠位方向に平行運動するよう第2のチューブハンドル110を動作し得る。第2のチューブハンドル110が、事前引張動作の一部として適切な位置にロックされている場合、当該ロックは、事前引張力が緩むよう取り除かれるかまたは取り消され得、第2のチューブがその代わりに、第1のシースを遠位方向に平行運動するために圧縮力を適用する。上述したように、第2のチューブ28の構造により、圧縮力をハンドル100から第1のシース20まで伝達するための良好な柱強度が提供される。
【0207】
D7:第1のシース20の除去の際、固定セクション/下冠部140aは、ステント弁を適切な位置に固定するよう展開する。取付要素68は半径方向外方に拡張し、円周方向に拡張し得、これにより、自動的にステントホルダ24の突出部84から解放する。少な
くとも部分的に突出部84を取り囲む傾斜表面は、ステントホルダ24がない状態で、拡張している取付要素を半径方向に持ち上げる。取付要素68がステントホルダ24に係合されたままであり得るような場合であっても、傾斜表面はさらに、送達カテーテルのわずかな軸方向および/または回転運動により取付要素を解放するのが容易になり、これにより取付要素が傾斜表面に対して載るのを促進する。
【0208】
D8:収容領域からのステント弁10の解放の後、送達カテーテルの除去の第1のステップは、弁尖136の遠位である送達カテーテルの部分を、弁尖を通って近位側まで(たとえば上行大動脈の中へ)撤収することであり得る。その後、送達カテーテルは、シース20および22が開いた状態または閉じた状態で撤収され得る。
【0209】
E:開いた状態での送達カテーテルの除去(ステップDの後)
E1:シース20および22を閉じるよう、如何なるさらに別の操作または平行運動を行うことなく、送達カテーテルが撤収され得る。界面部材50がまだ第2のシース22から展開されていない場合、第2のシース22は開くようさらに平行運動され得(近位方向に)、これにより界面部材50を解放および展開する。
【0210】
E2:近位方向に導入器19を通って引っ張ることにより送達カテーテルが撤収され得る。ライナースリーブ150は、用いられる場合、ステムが引っ張られる際に、導入器において適切な位置にあるままであるか、手動で撤収され得るか、または摩擦の結果、自己撤収し得る。
【0211】
E3:送達カテーテルの遠位部分が導入器に近づくと、第2のシース22は、第3のチューブカップリング44の流線形の形状により、導入器の中へと円滑に通過し得る。界面部材50は、血流におけるカテーテルの運動か、または界面部材50と導入器19の端部との間の接触のいずれかにより、ステントホルダ24に当接するよう遠位方向に平行運動し得る。上で説明したように、界面部材50は、ステントホルダ24を有する遠位部分をガイドして円滑に導入器に入るよう流線形プロファイルを提示する形状を有する。したがって、遠位部分は、シースが開いていても、導入器を通って撤収され得る。界面部材50は、撤収の間、展開されたままである。
【0212】
F:シースが閉じた状態での送達カテーテルの除去(ステップDの後でありステップEの代わり)
F1:界面部材50がまだ第2のシース22から展開されていない場合、第2のシース22は開くようさらに平行運動され得(近位方向に)、これにより界面部材50を解放および展開する。
【0213】
F2:第1および第2のシースは閉状態に向かって平行運動され得る。第1のシースは近位方向に平行運動され、第2のシースは遠位方向に平行運動される。上で説明したように、界面部材50は、2つのシースの端部の間にブリッジまたは界面を提供し得る形状を有し、急峻なエッジのない平滑なプロファイルを規定する。したがって、遠位部分は、導入器を通って円滑に撤収され得る。界面部材50は、撤収の間、展開されたままである。
【0214】
F3:ライナースリーブ150は、用いられる場合、ステムが引っ張られる際に、導入器の適切な位置にあるままであるか、ライナースリーブ150は手動で撤収され得るか、または摩擦の結果、自己撤収し得る。
【0215】
上記の記載は、本発明の好ましい形態を単に例示するものであり、多くの修正例、均等物、および改善例が本発明の範囲内で用いられ得るということが理解されるであろう。
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