(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、レリーズ操作が行なわれる前後においては、同じ被写体部分であっても、撮像された画像データのレベルが異なる。例えば、ある被写体領域のLVAEを行って得られた画像データが飽和レベルに達していないにも係わらず、同じ被写体領域のAFAEを行って得られた画像データが飽和レベルに達しているような場合は、AFAEを行って得られた画像データを基にLVAEを行って得られた画像データと同じ画質の画像データに補正することができない。したがって、このような場合は、画像データの補正によっても、依然として焦点調整を行う前後において、ライブビュー表示の画質が変化するのでユーザーは違和感を感じることになる。
【0006】
本発明はこのような従来技術の問題に鑑み、焦点調整を行わないときは焦点調整用の測光領域とは異なるライブビュー表示用の測光領域の輝度値を基に算出した露出パラメータを基に画像データを生成してライブビュー表示を行うとともに、焦点調整中もライブビュー表示を行う撮像装置及び撮像方法において、焦点調整中か否かに係わらず、画質が良好なライブビュー表示を行うとともに、精度の高い焦点調整を行うことが可能な撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の撮像装置は、
焦点調整領域を有し、焦点調整を行わないときは
上記焦点調整領域の近傍の焦点調整用の測光領域とは異なるライブビュー表示用の測光領域の輝度値を基に算出した露出パラメータを基に画像データを生成してライブビュー表示を行うとともに、焦点調整を行うときもライブビュー表示を行う撮像装置において、上記ライブビュー表示用の測光領域の
平均的な輝度レベルに基づく第1輝度値と上記焦点調整用の測光領域の
平均的な輝度レベルに基づく第2輝度値との差が所定範囲内か否かを判定する比較部と、上記第1輝度値と上記第2輝度値との輝度差が所定範囲内のとき上記第1輝度値に基づいて露出を行って画像データを取得する撮像部と、上記撮像部により取得した
上記焦点調整領域の画像データを基に焦点調整を行う焦点調整部と、上記撮像部により取得した画像データを基にライブビュー表示を行う表示部と、を備える。
【0008】
また、本発明の第2の態様の撮像装置は、上記第1の態様の撮像装置において、を行って
取得した上記焦点調整領域の画像データに基づいて上記焦点調整部により実行される焦点調整の精度を確保することが可能な所定範囲内か否かを判定するものである。
【0009】
また、本発明の第3の態様の撮像方法は、
焦点調整領域を有し、焦点調整を行わないときは
上記焦点調整領域の近傍の焦点調整用の測光領域とは異なるライブビュー表示用の測光領域の輝度値を基に算出した露出パラメータを基に画像データを生成してライブビュー表示を行うとともに、焦点調整を行うときもライブビュー表示を行う撮像方法において、上記ライブビュー表示用の測光領域の
平均的な輝度レベルに基づく第1輝度値を演算する第1ステップと、上記焦点調整用の測光領域の
平均的な輝度レベルに基づく第2輝度値を演算する第2ステップと、上記第1輝度値と上記第2輝度値との輝度差を所定値と比較する第3ステップと、上記第1輝度値と上記第2輝度値との輝度差が所定範囲内のとき上記第1輝度値に基づいて露出を行って画像データを取得する第4ステップと、上記第4ステップにおいて取得した
上記焦点調整領域の画像データを基に焦点調整を行う第5ステップと、上記第4ステップにおいて取得した画像データを基にライブビュー表示を行う第6ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、焦点調整中か否かに係わらず、画質が良好なライブビュー表示を行うとともに、精度の高い焦点調整を行うことが可能な撮像装置及び撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1−3に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1−3に係るカメラ制御の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図3】実施形態1−3に係るカメラのLVAE処理の流れを示すサブルーチンである。
【
図4】実施形態1に係るカメラのLVAE−AFAE露出差抑制処理の流れを示すサブルーチンである。
【
図5】実施形態1−3に係るカメラのAFAE処理の流れを示すサブルーチンである。
【
図6】実施形態1−3に係る撮像領域全体の中の、フォーカス領域(a)、LVAE用測光領域(b)、フォーカス領域を含む測光領域(c)の一例を示す図である。
【
図7】実施形態1に係る、焦点調整用測光領域の輝度とライブビュー表示用の測光領域の輝度との差(delta_bv)と、ライブビュー表示用の測光領域の輝度値を補正して焦点調整を行うための輝度値を算出する場合の補正値(bv_revise)との関係を表すグラフである。
【
図8】実施形態2に係る、焦点調整用測光領域の輝度とライブビュー表示用の測光領域の輝度との差(delta_bv)と、ライブビュー表示用の測光領域の輝度値を補正して焦点調整を行うための輝度値を算出する場合の補正値(bv_revise)との関係を表すグラフである。
【
図9】実施形態3に係る、焦点調整用測光領域の輝度とライブビュー表示用の測光領域の輝度との差(delta_bv)と、ライブビュー表示用の測光領域の輝度値を補正して焦点調整を行うための輝度値を算出する場合の補正値(bv_revise)との関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態1]
以下、本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態1について説明する。
なお、以下の説明においては、通常の撮像装置と同様の動作及び制御技術については説明を省略、又は詳細な説明を省略する。
【0013】
実施形態1に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像素子105を有し、この撮像素子105によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を表示部にリアルタイムに表示(以下「ライブビュー表示」と称する。)する。撮影時には、撮影者はライブビュー表示を観察することにより、被写体の焦点を合わせるべき領域(以下、「フォーカス領域」と称する。)の選択や構図を設定する。操作部114に含まれるレリーズ釦の半押し(以下、「1stレリーズ」と称する。)がなされると、撮影レンズ100のフォーカス調整を行い、さらにレリーズ釦の全押し(以下、「2ndレリーズ」と称する。)がなされると撮影を行う。撮影時に得られた画像データは画像処理回路110によって所定の画像処理が施された後、メモリ111に記録される。
【0014】
図1は、実施形態1に係わるカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。実施形態1に係わるカメラは、大別すると、レンズユニットとカメラボディを有している。レンズユニットは、撮影レンズ100、絞り101、それらを駆動するためのレンズ/絞り駆動モータ102、モータドライブ回路103、レンズ側CPU104を有している。また、カメラボディは撮像素子105、撮像制御・信号処理回路106、カメラ側CPU107、AF(Auto Focus)評価値算出回路108、AE(Auto Exposure)評価値算出回路109、画像処理回路110、メモリ111、表示回路112、表示部113、操作部114、記録媒体115を有している。
【0015】
撮影レンズ100は被写体像を形成するための複数の光学レンズから構成され、単焦点レンズ又はズームレンズである。絞り101は撮影レンズ100の射出瞳近傍の、撮影レンズ100の光軸上に配置され、入射光量や焦点深度を調整する。それらはカメラ側CPU107、レンズ側CPU104、モータドライブ回路103、及びモータ102によって位置制御され、焦点調整、絞り調節を実現する。なお、レンズ側CPU104は後述するカメラ側CPU107から受信した制御コマンドを解釈し、レンズ100、絞り101を制御する。
【0016】
撮像素子105は撮影レンズ100の光軸上に配置され、撮影レンズ100によって形成された被写体像の撮像を行なう。この撮像素子105はフォトダイオードを含む画素が二次元マトリクス状に配置されており、受光量に応じた電荷を蓄積する。後段の撮像制御・信号処理回路106により撮像素子105の電荷蓄積制御や画像信号の読出し制御等が行なわれる。この撮像素子105から読み出された画像データは、カメラ側CPU107、AF評価値算出回路108、AE評価値算出回路109、画像処理回路110、及びメモリ111に出力される。
【0017】
AF評価値算出回路108は、撮像素子105から出力された画像データの高周波成分に基づいて、被写体のピント状態を検出する。このAF評価値算出回路108は、焦点調整部を兼用する。AE評価値算出回路109は、ライブビュー画像データを取得時の測光領域の輝度値を補正して焦点調整用の画像データ取得時の輝度値を演算したり、ライブビュー表示時及び焦点調整時の露出が適正になるような露出時間(Tv)や絞り値(Av)を演算する。このAE評価値算出回路109は、焦点調整用輝度値演算部を兼用する。画像処理回路110は、撮像素子105から読み出された画像データの同時化処理、階調変換処理、ホワイトバランス調整、エッジ処理等の各種画像処理を行なう。画像処理が施された画像データは、カメラボディーに着脱自在の記録媒体115に記録される。
【0018】
カメラ側CPU107に接続された操作部114をユーザが操作すると、カメラ側CPU107によってAF評価値算出回路108、AE評価値算出回路109、画像処理回路110、メモリ111が制御され、カメラとしての基本動作である焦点調整、露出制御、画像処理等が行なわれる。このとき、AFやAEのようなレンズや絞りの制御を伴う動作の場合、カメラ側CPU107はAF評価値算出回路108及びAE評価値算出回路109の出力値を基に、メモリ111に格納されている制御プログラムに従ってレンズ側CPU104に制御コマンドを送信する。また、画像処理回路110で生成された表示用画像データによって表されるライブビュー画像を、表示回路112を介して表示部113に表示する。
【0019】
つぎに、上述した電気的構成を用いた本発明の具体的な動作の流れを、
図2−
図5のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の動作説明においては、特に断りのない限り各動作はカメラ側CPU107が行う。
図2は実施形態1に係るカメラ制御の動作の流れを示すフローチャートである。まずステップS21において、焦点調整を行わない通常のライブビュー表示用の測光領域の輝度値であるLVAE用Bv(Brightness value)(変数名:lvae_bv)を取得する。このlvae_bvは、AE評価値算出回路109において、撮像素子105により撮像して得られた画像データのうち、LVAE測光領域の画像データの平均的なレベルを基に、いわゆるアペックス演算により算出される。このとき、
図6(a)のようなシーンを想定すると、LVAE測光領域は
図6(b)で示すように広範囲にわたる。
図6(b)のシーンではLVAE測光領域の大部分が高輝度になるため、lvae_bvは大きな値になる。このlvae_bvを基に、ステップS22にてLVAE処理を実施する。このLVAE処理はlvae_bvを基に露出条件を算出し設定することで、ライブビューとして適切な露出制御を行う。
【0020】
つぎに、ステップS22のLVAE処理について、
図3のサブルーチンを参照しながら詳細に説明する。このLV_AE処理は、AE評価値算出回路109とカメラ側CPU107との連携動作により実行される。ステップS31は、ステップS21で求めたlvae_bvを基に、不図示のプログラム線図から導かれるLVAE用Av、Tv、Sv(それぞれ変数名:lvae_av、lvae_tv、lvae_sv)を決定する。ステップS32では、絞り101がlvae_avとなる絞り制御命令をカメラ側CPU107からレンズ側CPU104に対して送信する。同様に、ステップS33では撮像素子105の露光時間、感度がそれぞれlvae_tv、lvae_svとなる撮像素子制御命令をカメラ側CPU107から撮像制御・信号処理回路106に対して送信する。これらによりLVAEに適した露出を行う。LVAE処理が終了すると
図3のサブルーチンからリターンする。
【0021】
つぎに、ステップS23にて1stレリーズ操作が行なわれたか否かの判定を行う。1stレリーズ操作が行なわれたものと判定された場合には、つぎにステップS24の1stレリーズ操作後の処理に移行する。
【0022】
一般にAFAE用の測光領域はLVAE用の測光領域とは異なるため、AFAE用の輝度値であるBv(変数名:afae_bv)を基に、ライブビュー表示を行うためのLVAE処理を実行すると、AF処理時のライブビュー表示の画質が劣化する。特に、1stレリーズ操作が行なわれる前後において、ライブビュー表示の画質が変化するため、ユーザーは違和感を感じることになる。そこで、実施形態1においては、1stレリーズ操作が行なわれたものと判定された場合には、つぎにステップS24において、以下に述べるようなLVAE−AFAE露出差抑制処理を行う。
【0023】
つぎに、
図4を参照しながら、LVAE−AFAE露出差抑制処理の流れを詳細に説明する。なお、このLVAE−AFAE露出差抑制処理は、輝度値補正部であるAE評価値算出回路109とカメラ側CPU107との連携動作により実行される。ステップS41にて、フォーカス領域近傍のAF用測光領域の輝度値であるBv(afarea_bv)を取得する。つぎに、ステップS42にてafarea_bvとlvae_bvの差分(afarea_bv−lvae_bv)を算出し、これをdelta_bvとする。つぎにステップS43において、track_limit_low≦delta_bv ≦track_limit_hiか否かを判定する。すなわち、delta_bvが追従領域内(上限変数:track_limit_hi、下限変数:track_limit_low)か否かを判定する。
【0024】
この追従領域とは、AFAE用の輝度値であるBv(変数名:afae_bv)として、lvae_bvを用いてもAF精度を確保することが可能なdelta_bvの値の範囲である。delta_bvがこの追従領域内であれば、ステップS44にてAFAE用Bvであるafae_bvをlvae_bvに置き換えた後に、LVAE−AFAE露出差抑制処理のサブルーチンからリターンする。
【0025】
即ち、delta_bvが追従領域内の場合は、LVAE−AFAE露出差抑制処理後のAFAEはLVAEと同じになる。したがって、delta_bvが追従領域内では、1stレリーズ操作が行なわれる前後において、ライブビュー表示の画質が変化することがない。また、AF精度も保証される。
【0026】
一方で、delta_bvが追従領域外の場合、afae_bv=lvae_bvとしたのではAF精度を確保できなくなる可能性がある。従って、delta_bvが追従領域外になった場合、afae_bvはlvae_bvに対し追従領域超過分をBv補正値(変数名:bv_revise)として加算したものを用いる。まず、ステップS45において、track_limit_low>delta_bvか否かを判定する。track_limit_low>delta_bvの場合は、つぎに、ステップS46において、BV補正値をbv_reviseとするとき、bv_revise=delta_bv−track_limit_lowとする。また、ステップS45において、track_limit_low>delta_bvではないと判定した場合は、ステップS47において、bv_revise=delta_bv−track_limit_hiとする。ステップS46、又はステップS47の処理が終了すると、つぎにステップS48において、LVAE用BVに、ステップS46、又はステップS47において算出したBV補正値を加算してafae_bvを得る。ステップS48において、afae_bv=lvae_bv+bv_reviseの演算を行うと、LVAE−AFAE露出差抑制処理のサブルーチンからリターンする。
【0027】
本実施形態におけるLVAE−AFAE露出差抑制処理(焦点調整用輝度値演算部の処理)を要約すると、ライブビュー表示用の測光領域の第1輝度値(lvae_bv)に補正値(bv_revise)を加算して焦点調整のための画像データを取得するための輝度値(afae_bv)を算出するものであり、上記第1輝度値と焦点調整用の測光領域の第2輝度値の輝度差が所定値以下の場合は上記補正値を零とし、上記輝度差が上記所定値より大きい場合は上記輝度差が大きい程上記補正値を大きくする。
【0028】
図7は、以上述べたdelta_bvとbv_reviseとの関係を示したグラフである。
【0029】
このように、本実施形態によれば、焦点調整中か否かに係わらず、画質が良好なライブビュー表示を行うとともに、精度の高い焦点調整を行うことが可能な撮像装置及び撮像方法を提供することができる。
【0030】
LVAE−AFAE露出差抑制処理が終わると、つぎに
図2のステップS25のAFAE処理を行う。つぎに、このAFAE処理の詳細について、
図5を参照しながら説明する。まず、ステップS51において、ステップS24で求めたAFAE用Bv(変数名:afae_bv)を基に、LVAE、AFAEに共通のプログラム線図から導かれるAFAE用Av、Tv、Sv(それぞれ変数名:afae_av、afae_tv、afae_sv)を決定する。以上の処理はAE評価値算出回路109とカメラ側CPU107により実行される。つぎに、ステップS52において、カメラ側CPU107がafae_avに対応した絞り制御命令をレンズ側CPU104に対して送信する。つぎに、ステップS53において、カメラ側CPU107がafae_tv、afae_svに対応した撮像素子制御命令を撮像制御・信号処理回路106に対して送信する。
【0031】
AFAE処理が終わると、つぎに
図2のステップS26において、2ndレリーズ操作が行なわれたか否かを判定する。2ndレリーズ操作が行われていないときは、ステップS23に戻り、以上述べた処理を繰り返し実行する。ステップS26において2ndレリーズ操作が行なわれたものと判定したときは、つぎにステップS27において、上述したLVAE処理において算出した露出パラメータAv、Tv、Svに基づいて露出制御を行う。この露出制御は、カメラ側CPU107、撮像制御・信号処理回路106、絞り101、撮像素子105等の連携動作のもとに実行される。露出制御が終了すると、つぎに撮像素子105から画像データを読み出して、撮像制御・信号処理回路106、画像処理回路110にて所定の画像処理を行う。つぎに、ステップS30において、画像データを記録媒体115に記録する。
【0032】
[実施形態2]
実施形態2は、LVAE−AFAE露出差抑制処理のみが実施形態1と異なる。その他の構成や処理は実施形態1と同様であるので、以下の説明においてはその異なるところのみを説明する。
図8に、本実施形態における、焦点調整用測光領域の輝度とライブビュー表示用の測光領域の輝度との差(delta_bv)と、ライブビュー表示用の測光領域の輝度値を補正して焦点調整を行うための輝度値を算出する場合の補正値(bv_revise)との関係を示す。
【0033】
本実施形態においては、delta_bvが、下限値track_limit_lowから上限値track_limit_hiの範囲内にあるときは、delta_bvの絶対値が大きくなる程、bv_reviseが大きくなるようにする。すなわち、delta_bvの絶対値が大きくなる程、lvae_bvとafae_bvとの差が大きくなるように、lvae_bvを補正してafae_bvを算出する。一方、delta_bvが、下限値track_limit_lowから上限値track_limit_hiの範囲外にあるときは、
図8に示すように横軸のdelta_bvに対する縦軸のbv_reviseの直線の傾きが45度になるようにする。これは、bv_reviseがdelta_bvから一定値を差し引いた値になることを意味する。以上の処理は、輝度値補正部であるAE評価値算出回路109とカメラ側CPU107との連携動作により実行される。
【0034】
本実施形態においては、delta_bvが、下限値track_limit_lowから上限値track_limit_hiの範囲内にあるときは、delta_bvの絶対値が大きくなる程、bv_reviseが大きくなるようにする。したがって、実施形態1の場合と比べて、焦点調整の精度とライブビュー表示の画質とのバランスをより微妙に調整することが可能となる。
【0035】
[実施形態3]
実施形態3は、LVAE−AFAE露出差抑制処理のみが実施形態1と異なる。その他の構成や処理は実施形態1と同様であるので、以下の説明においてはその異なるところのみを説明する。
【0036】
図9に、本実施形態における、焦点調整用測光領域の輝度とライブビュー表示用の測光領域の輝度との差(delta_bv)と、ライブビュー表示用の測光領域の輝度値を補正して焦点調整を行うための輝度値を算出する場合の補正値(bv_revise)との関係を示す。
【0037】
本実施形態においては、delta_bvが、下限値track_limit_lowから上限値track_limit_hiの範囲内にあるときは、delta_bvの絶対値が大きくなる程、lvae_bvとafae_bvとの差が大きくなるように、lvae_bvを補正してafae_bvを算出する。一方、delta_bvが、下限値track_limit_lowから上限値track_limit_hiの範囲外にあるときは、delta_bvとbv_reviseとの関係を表す直線の傾きが、delta_bvがtrack_limit_lowからtrack_limit_hiの範囲内にあるときの直線の傾きよりもやや大きくなるようにする。これは、本実施形態においては、delta_bvの絶対値が大きくなる程、つねに、lvae_bvとafae_bvとの差が大きくなるように、lvae_bvを補正してafae_bvを算出することを意味する。以上の処理は、輝度値補正部であるAE評価値算出回路109とカメラ側C
PU107との連携動作により実行される。
【0038】
本実施形態におけるLVAE−AFAE露出差抑制処理(焦点調整用輝度値演算部の処理)を要約すると、焦点調整用輝度値演算部は、ライブビュー表示用の測光領域の第1輝度値(lvae_bv)に補正値(bv_revise)を加算して焦点調整のための画像データを取得するための輝度値(afae_bv)を算出するものであり、上記第1輝度値(afae_bv)と焦点調整用の測光領域の第2輝度値(afarea_bv)の輝度差が大きい程、上記補正値が大きくなるようにする。
【0039】
本実施形態によれば、実施形態1、2に比べて、焦点調整の精度とライブビュー表示の画質とのバランスをより微妙に調整することが可能となる。
【0040】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することもできる。例えば、実施形態1においてはレリーズ操作前にLVAEに基づいて得られた画像データを基にライブビュー表示を行い、レリーズ操作後にAFAEに基づいて得られた画像データを基に焦点調整を行うとともにライブビュー表示を行ったが、レリーズ操作は必ずしも必須のものではない。すなわち、ライブビュー表示を行っている際に、AF制御を行った場合も本発明の範囲に含まれる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することもできる。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形や応用が可能である。