(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227100
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】電力系統の故障検出装置
(51)【国際特許分類】
H02H 3/05 20060101AFI20171030BHJP
H02H 3/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
H02H3/05 C
H02H3/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-243576(P2016-243576)
(22)【出願日】2016年12月15日
(65)【公開番号】特開2017-153342(P2017-153342A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0023338
(32)【優先日】2016年2月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘ−ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】チェ−ユン・ペ
(72)【発明者】
【氏名】チュン−ウク・シム
(72)【発明者】
【氏名】キョン−ホ・イ
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−253174(JP,A)
【文献】
特開2001−103654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08
H02H 3/05
H02H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の故障を検出する電力系統の故障検出装置において、
線路に流れる線路電流により線路周りに発生する磁気力に対応する第1状態信号を出力する第1状態信号出力部; 及び
前記第1状態信号に基づいて前記電力系統の故障可否を判断する判断部を含み、
前記第1状態信号出力部は、
前記線路周りに配置される固定部及び可動部を含み、
前記可動部は前記線路周りに発生された磁気力によって前記固定部の一端に向って移動する電力系統の故障検出装置。
【請求項2】
前記第1状態信号出力部は、
前記線路周りに発生する磁気力によって前記可動部が前記固定部の一端に接触されれば、前記第1状態信号を故障信号として出力し、
前記可動部が前記固定部の一端に接触されなければ、前記第1状態信号を正常信号として出力する請求項1に記載の電力系統の故障検出装置。
【請求項3】
前記第1状態信号出力部は、
前記固定部の一端と、前記固定部の一端に対する前記可動部の一端の間に連結されるスプリング;
前記スプリングの内部に位置する第1絶縁体;及び
前記可動部の一端が前記固定部の一端に接触されれば、前記第1絶縁体と接触する第2絶縁体をさらに含む請求項2に記載の電力系統の故障検出装置。
【請求項4】
前記第1状態信号出力部は、
前記線路周りに発生される磁気力によって前記可動部の一端が前記固定部の一端に接触し、前記第1及び第2絶縁体が相互接触されれば、前記第1状態信号を故障信号として出力し、
前記第1及び第2絶縁体が接触されなければ、前記第1状態信号を正常信号として出力する請求項3に記載の電力系統の故障検出装置。
【請求項5】
前記第1状態信号出力部と前記判断部の間に配置され、前記第1状態信号出力部で前記第1状態信号が出力されれば、前記第1状態信号を光信号に変換する光信号変換部をさらに含む請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電力系統の故障検出装置。
【請求項6】
前記線路電流の大きさ及び前記線路電流の増加率に基づいて第2状態信号を出力する第2状態信号出力部をさらに含み、
前記判断部は前記第1状態信号及び第2状態信号に基づいて前記電力系統の故障可否を判断する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電力系統の故障検出装置。
【請求項7】
前記第2状態信号出力部は、
前記線路電流の大きさを増幅し、前記増幅された線路電流の大きさと第1設定値を比較して、前記増幅された線路電流の大きさが前記第1設定値以上であれば第1出力信号を出力する第1比較部;
前記線路電流の増加率を増幅し、前記増幅された線路電流の増加率と第2設定値を比較して前記増幅された線路電流の増加率が前記第2設定値以上であれば第2出力信号を出力する第2比較部;及び
前記第1出力信号及び前記第2出力信号に基づいて前記第2状態信号を出力する出力部を含む請求項6に記載の電力系統の故障検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統に接続される電力系統の故障検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統の故障検出装置は、電力系統に接続されて電力系統に過電流や短絡電流のような故障電流が発生した時、これを検出する電力機器である。電力系統の故障検出装置は、故障電流が検出されると、回路遮断機を引きはずしたり(自動回路遮断)、または限流(回路を遮断して通電電流を制限)させる。
【0003】
図1は従来の電力系統の故障検出装置を図示した図面である。以下、
図1を参照して従来の電力系統の故障検出装置10が動作する過程を説明する。従来の電力系統の故障検出装置10は、線路電流の大きさ及び線路電流の増加率に基づいて電力系統の故障可否を判断することができる。
【0004】
先ず、検出器11が線路電流の大きさを検出し、増幅器12が検出された線路電流の大きさを増幅する。次に、比較器13は増幅された線路電流の大きさと第1設定値Ref1を比較して、増幅された線路電流の大きさが第1設定値Ref1以上であれば、第1出力信号を出力することができる。
【0005】
一方、微分器14は電流の増加率を算出し、増幅器15は算出された線路電流の増加率を増幅する。次に、比較器16は増幅された線路電流の増加率と第2設定値Ref2を比較して、増幅された線路電流の増加率が第2設定値Ref2以上であれば、第2出力信号を出力することができる。次に、判断部17は第1出力信号及び第2出力信号に基づいて電力系統の故障可否を判断することができる。
【0006】
しかし、従来の電力系統の故障検出装置10は、電力系統の故障可否を判断することができるだけであって、ノイズを判断することはできない問題点がある。
【0007】
すなわち、従来の電力系統の故障検出装置10は、電力系統の故障可否検出後にノイズを判断し、ノイズが発生すれば動作を中止する。したがって、従来の電力系統の故障検出装置10によれば、ノイズが入力される場合、動作を中止する間に電力系統の故障可否を検出できない問題点がある。また、従来の電力系統の故障検出装置10はノイズに敏感であるため、ノイズによる誤動作が発生する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は線路周りに発生する磁気力を利用して状態信号を出力することで、ノイズによる動作遅延を減らすことができる電力系統の故障検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は線路周りに発生する磁気力を利用して状態信号を出力することで、ノイズによる誤動作を減らすことができる電力系統の故障検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は磁気力に基づいた第1状態信号、線路電流の大きさ及び線路電流の増加率に基づいた第2状態信号を利用して電力系統の故障可否を判断することで、故障検出の信頼度を高めることができる電力系統の故障検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は設定値と測定値を比較して故障可否を判断することで、故障検出時間を減らすことができる電力系統の故障検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するための本発明の一実施形態による電力系統の故障検出装置は、線路に流れる線路電流の大きさに基づいて電力系統の故障を検出する電力系統の故障検出装置において、前記線路周りに発生する磁気力を利用して可動部の一端を固定部の一端に接触させて第1状態信号を出力する第1状態信号出力部、前記線路電流の大きさ及び前記線路電流の増加率に基づいて第2状態信号を出力する第2状態信号出力部、及び前記第1状態信号及び前記第2状態信号に基づいて前記電力系統の故障可否を判断する判断部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前述したような本発明によると、線路周りに発生する磁気力を利用して状態信号を出力することで、ノイズが発生しても電力系統の故障可否を持続的に検出することができる効果がある。
【0014】
また、本発明によると、線路周りに発生する磁気力を利用して状態信号を出力することで、ノイズによる誤動作を減らすことができる効果がある。
【0015】
また、本発明は磁気力に基づいた第1状態信号、線路電流の大きさ及び線路電流の増加率に基づいた第2状態信号を利用して電力系統の故障可否を判断することで故障検出の信頼度を高めることができる効果がある。
【0016】
また、本発明は設定値と測定値を比較して故障可否を判断することで、故障検出時間を減らすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来の電力系統の故障検出装置を図示した図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による電力系統の故障検出装置を図示した図面である。
【
図3】本発明の一実施形態による故障状態の時の第1状態信号出力部を図示した図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による正常状態の時の第1状態信号出力部を図示した図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による線路電流の大きさを図示したグラフである。
【
図6】本発明の一実施形態による第1比較部を図示した図面である。
【
図7】本発明の一実施形態による第2比較部を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前述した目的、特徴及び長所は、添付された図面を参照して詳細に後述されるし、これによって本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたり、本発明と係る公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができると判断される場合は、詳細な説明を省略する。以下、添付された図面を参照して本発明による好ましい実施形態を詳しく説明する。図面において同一な参照符号は、同一または類似の構成要素を示すものとして使用される。
【0019】
図2は本発明の一実施形態による電力系統の故障検出装置100を図示した図面である。
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による電力系統の故障検出装置100は、第1状態信号出力部110、第2状態信号出力部120、判断部130、及び光信号変換部140を含んで構成されることができる。
図2に図示された電流遮断機100は一実施形態によるものであって、その構成要素が
図2に図示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて一部構成要素が付加、変更または削除されることがある。
【0020】
図3は本発明の一実施形態による故障状態の時の第1状態信号出力部110を図示した図面で、
図4は本発明の一実施形態による正常状態の時の第1状態信号出力部110を図示した図面である。
【0021】
図5は本発明の一実施形態による線路電流の大きさを図示したグラフである。
図6は本発明の一実施形態による第1比較部121を図示した図面で、
図7は本発明の一実施形態による第2比較部122を図示した図面である。以下、
図3ないし
図7を参照して本発明の一実施形態による電力系統の故障検出装置100を説明する。
【0022】
第1状態信号出力部110は、線路200周りに発生する磁気力を利用して可動部112の一端を固定部111の一端に接触させて第1状態信号を出力することができる。可動部112及び固定部111は線路200周りに備えられた物体であって、可動部112は固定部111の両端で左右動きを通じて固定部111の両端を連結することができる。固定部111は線路200周りに固定された物体であって、可動部112と固定部111の構成は同一でありえる。
【0023】
言い換えれば、第1状態信号出力部110は、線路200周りに配置される固定部111と可動部112を含む。可動部112は、線路200周りに発生する磁気力によって固定部111の一端側に移動する。例えば、可動部112は固定部111の他端に接触された状態で、線路200周りに発生される磁気力によって固定部111の一端に向って移動されることができる。この時、線路200周りに発生する磁気力が充分に大きければ、可動部112は固定部111の一端に接触されるが、線路200周りに発生される磁気力が小さければ、可動部112は固定部111の一端に接触されない。
【0024】
ここで、第1状態信号出力部110は線路200周りの磁気力による可動部112と固定部111の間の接触可否に対応する第1状態信号を出力する。つまり、第1状態信号出力部110の第1状態信号は線路200周りの磁気力に対応する。
【0025】
また、可動部112と固定部111の形は、
図3及び
図4に図示されたように四角形に限定されず、別の形の図形であることができる。第1状態信号は線路電流が故障状態であるか、または正常状態であるかを示す信号であって、故障信号及び正常信号を含むことができる。
【0026】
図3及び
図4に図示された磁束は、磁気力の大きさを図示した線であって、磁気力が強くなると磁束が多くなり、磁気力が弱くなれば磁束は減る。一方、線路200上に流れる線路電流の大きさが大きくなると磁気力も大きくなり、線路電流の大きさが小くなると磁気力も小くなる。磁気力の方向はアンペアの右ねじの法則にしたがい、線路電流が進行する方向に垂直する平面上で右ねじ方向に形成される。また、磁気力は上述した可動部112を動かして固定部111と接触させることができる。
【0027】
一実施形態として、第1状態信号出力部110は、スプリング113、第1絶縁体114及び第2絶縁体115をさらに含んで構成されることができる。
図3及び
図4の第1状態信号出力部110は一実施形態によるものであり、その構成要素が
図3及び
図4に図示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて一部構成要素が付加、変更または削除されることがある。
【0028】
図3及び
図4を参照すれば、スプリング113は可動部112の一端と固定部111の一端に連結されることができる。線路電流の大きさに比例して磁気力が強くなると、可動部112の一端が固定部111の一端に接触される。そして、再び磁気力が減少すると、スプリング113は可動部112を固定部111の一端から離隔させる。
【0029】
第1絶縁体114はスプリング113の内部に位置することができ、第2絶縁体115は可動部112の一端が固定部111の一端に接触されると第1絶縁体114と接触することができる。
【0030】
図3を参照すれば、故障状態なので線路電流の大きさが大きくなり、これによって磁気力の強さが大きくなる。磁気力の強さがスプリング113の弾性力より大きくなれば、可動部112の一端は固定部111の一端と接触するようになる。可動部112の一端が固定部111の一端と接触すると、第1絶縁体114と第2絶縁体115もまた接触するようになる。第1絶縁体114と第2絶縁体115が接触すれば、第1状態信号出力部110は故障信号を出力することができる。
【0031】
一方、
図4を参照すれば、正常状態なので磁気力の大きさがスプリング113の弾性力より小さいし、可動部112の一端は固定部111の一端に接触せずに離隔される。可動部112の一端が固定部111の一端と離隔されると、第1絶縁体114と第2絶縁体115もまた接触しない。第1絶縁体114と第2絶縁体が接触しないと、第1状態信号出力部110は正常信号を出力することができる。
【0032】
一実施形態として、第1状態信号出力部110は線路電流の大きさが予め設定された値以上であれば故障信号を出力し、線路電流の大きさが予め設定された値未満であれば正常信号を出力することができる。予め設定された値は使用者によって設定されることもでき、第1状態信号出力部110で自動に設定されることもできる。
【0033】
一方、
図5を参照すれば、予め設定された値は正常電流及び定格電流より大きいし、第1状態信号出力部110は、予め設定された値を基準にして画一的に判断することで故障検出時間を短縮することができる。一方、第1状態信号出力部110は、線路電流の大きさが一定すれば正常電流として判断することができ、線路電流の大きさが一定しないものの、その大きさの変化が小さい場合は定格電流として判断することができる。
【0034】
第2状態信号出力部120は線路電流の大きさ及び線路電流の増加率に基づいて第2状態信号を出力することができる。先ず、第2状態信号出力部120は、線路電流の大きさを検出し、検出された線路電流の大きさを増幅する。次に、増幅された線路電流の大きさと第1設定値を比較して、増幅された線路電流の大きさが第1設定値以上であれば第1出力信号を出力することができる。例えば、線路電流の大きさが第1設定値以上であれば、第1出力信号は「1」であり、線路電流の大きさが第1設定値未満であれば、第1出力信号は「0」でありえる。
【0035】
また、第2状態信号出力部120は、線路電流の増加率を検出し、検出された線路電流の増加率を増幅する。次に、増幅された線路電流の増加率と第2設定値を比較して、増幅された線路電流の増加率が第2設定値以上であれば、第2出力信号を出力することができる。このとき、線路電流の増加率は
図5におけるグラフの傾きであることができ、第2状態信号出力部120は、
図5に図示されたグラフを微分して線路電流の増加率を検出することができる。一方、線路電流の増加率が第2設定値以上であれば、第2出力信号は「1」であり、線路電流の大きさが第2設定値未満であれば、第2出力信号は「0」でありえる。
【0036】
第1出力信号及び第2出力信号が出力されれば、第2状態信号出力部120はこれに基づいて第2状態信号を出力することができる。例えば、第1出力信号が「1」で、第2出力信号が「1」であれば、線路電流の大きさ及び線路電流の増加率が設定値以上であるので、故障状態を示す第2状態信号として「1」を出力することができる。一方、第1出力信号が「1」で、第2出力信号が「0」であれば、線路電流の大きさだけ第1設定値以上であり、線路電流の増加率は第2設定値未満であるため、正常状態を示す第2状態信号として「0」を出力することができる。
【0037】
一実施形態として、第2状態信号出力部120は、第1比較部121、第2比較部122、出力部123及び検出器124を含んで構成されることができる。
図2に図示された第2状態信号出力部120は一実施形態によるもので、その構成要素が
図2に図示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて一部構成要素が付加、変更または削除されることができる。
【0038】
第1比較部121は線路電流の大きさを増幅し、増幅された線路電流の大きさと第1設定値を比較して、増幅された線路電流の大きさが第1設定値以上であれば、第1出力信号を出力することができる。
図6を参照すれば、増幅器121-1で電流の大きさを増幅し、比較器121-2で第1設定値と増幅された電流の大きさを比べることができる。
【0039】
また、第2比較部122は線路電流の増加率を増幅し、増幅された線路電流の増加率と第2設定値を比較して、増幅された線路電流の増加率が第2設定値以上であれば、第2出力信号を出力することができる。
図7を参照すれば、微分器122-1で線路電流の増加率を算出し、増幅器122-2で線路電流の増加率を増幅する。次に、比較器122-3で増幅された線路電流の増加率と第2設定値を比較して第2出力信号を出力することができる。
【0040】
出力部123は、第1出力信号及び第2出力信号に基づいて第2状態信号を出力することができる。検出器は線路200と連結されて線路電流信号を検出する装置であって、検出された線路電流信号を第1比較部121及び第2比較部122に伝達することができる。
【0041】
光信号変換部140は、第1状態信号出力部110で第1状態信号が出力されれば、第1状態信号を光信号に変換することができる。第1状態信号は電気信号であるので、光信号変換部140はこれを光信号に変換して判断部130へ送信する役割をする。より具体的に、光信号変換部140は、電気信号を光信号に変換し、光信号を光繊維を通じて伝達した後、伝達された光信号を再び電気信号に変えて判断部130へ送信することができる。光繊維は内部に屈折率が大きい物質を含み、外部に屈折率が小さい物質を含むことで、光信号の全反射を利用して光信号を伝達する。一方、光信号変換部140は、フォトダイオード、光コンバーターなどがあり、光信号変換部140の種類は上述の実施形態に限定しない。
【0042】
判断部130は、第1状態信号及び第2状態信号に基づいて電力系統の故障可否を判断することができる。また、判断部130は、電気信号に変換された第1状態信号及び第2状態信号に基づいて、電力系統の故障可否を判断することもできる。例えば、第1状態信号が「1」で、第2状態信号が「1」であれば、判断部130は電力系統を故障状態と判断することができる。一方、第1状態信号が「1」で第2状態信号が「0」であるか、または第1状態信号が「0」で第2状態信号が「1」であれば、判断部130は電力系統を正常状態と判断することができる。また、判断部130は、第1状態信号が「0」で、第2状態信号が「0」であれば、電力系統を正常状態と判断することができる。
【0043】
前述したような本発明によると、線路周りに発生する磁気力を利用して状態信号を出力することで、ノイズによる動作遅延を減らすことができる効果がある。また、本発明によると、線路周りに発生する磁気力を利用して状態信号を出力することで、ノイズによる誤動作を減らすことができる効果がある。
【0044】
また、本発明は磁気力に基づいた第1状態信号、線路電流の大きさ及び線路電流の増加率に基づいた第2状態信号を利用して電力系統の故障可否を判断することで、故障検出の信頼度を高めることができる効果がある。また、本発明は設定値と測定値を比較して故障可否を判断することで、故障検出時間を減らすことができる効果がある。
【0045】
前述した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者には、本発明の技術的思想を脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能なので、前述した実施形態及び添付の図面に限定されるものではない。