(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記船舶の航行の状態に関する属性であって前記機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属性は、前記船舶が寄港する回数、前記船舶が航行する航路、前記船舶が航行において遭遇する気象または海象、前記船舶の姿勢、前記船舶の主機が用いる燃料油の特性のうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の装置。
前記関係データ生成手段は、前記実績属性データ取得手段により取得された実績属性データが示す複数の属性を説明変数とし、前記劣化度データ取得手段により取得された劣化度データが示す劣化度を目的変数とする回帰分析により前記関係データを生成する
請求項1または2に記載の装置。
前記推定属性データ取得手段は、前記実績属性データ取得手段により取得された実績属性データが示す前記船舶が過去に行った航行における前記複数の属性の実績に基づき、前記船舶の航行における前記複数の属性を推定し、当該推定した属性を示す推定属性データを生成することにより取得する
請求項4に記載の装置。
前記船舶の航行の状態に関する属性であって前記機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属性は、前記船舶が寄港する回数、前記船舶が航行する航路、前記船舶が航行において遭遇する気象または海象、前記船舶の姿勢、前記船舶の主機が用いる燃料油の特性のうちの少なくとも1つを含む
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
船舶に搭載されている機器に関しても、通常、当該機器の製造者により、保守作業が行われるべき時期が指定されている。ただし、船舶に搭載されている機器の劣化の程度は、機器の運転時間や機器が受ける負荷の大小に加えて、船速、船舶の姿勢、船舶が遭遇する気象または海象、主機が使用する燃料油の種別等の様々な要素によって左右される。
【0007】
上記のような事情に鑑み、本発明は、船舶に搭載されている機器の保守作業の時期の特定を可能とする手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、
船舶の航行の状態に関する属性であって前記
船舶に搭載されている機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属
性を含む
前記船舶の航行の状態に関する複数の属性の各々に関し、前記船舶が過去に行った航行における当該属性の実績を示す実績属性データを取得する実績属性データ取得手段と、前記機器の保守作業において特定された前記機器の劣化度を示す劣化度データを取得する劣化度データ取得手段と、前記実績属性データ取得手段により取得された実績属性データと、前記劣化度データ取得手段により取得された劣化度データ
とに基づき、前記複数の属性の各々を変数とする前記機器の劣化度
の算出式を示す関係データを生成する関係データ生成手段とを備える装置を提供する。
【0009】
上記の装置において、前記
船舶の航行の状態に関する属性であって前記機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属性は、前記船舶が寄港する回数、前記船舶が航行する航路、前記船舶が航行において遭遇する気象または海象、前記船舶の姿勢、前記船舶の主機が用いる燃料油の特性のうちの少なくとも1つを含む、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記関係データ生成手段は、前記実績属性データ取得手段により取得された実績属性データが示す複数の属性を説明変数とし、前記劣化度データ取得手段により取得された劣化度データが示す劣化度を目的変数とする回帰分析により前記関係データを生成する、という構成が採用されてもよい。
【0010】
また、本発明は、
船舶の航行の状態に関する属性であって前記
船舶に搭載されている機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属
性を含む
前記船舶の航行の状態に関する複数の属性の各々
を変数とする前記機器の劣化度
の算出式を示す関係データを取得する関係データ取得手段と、前記複数の属性の各々に関し、前記船舶が過去に行った航行における当該属性の実績を示す実績属性データを取得する実績属性データ取得手段と、前記複数の属性の各々に関し、前記船舶の航行において推定される当該属性を示す推定属性データを取得する推定属性データ取得手段と、前記関係データ取得手段により取得された関係データ
が示す算出式に、前記実績属性データ取得手段により取得された実績属性データ
が示す第1の日時までの属性と前記推定属性データ取得手段により取得された推定属性データ
が示す前記第1の日時から第2の日時までの属性とを変数として代入して前記機器の前記第2の日時における劣化度を算出し、
算出した劣化度に基づき前記機器の保守作業の時期を示す時期データを生成する時期データ生成手段とを備える装置を提供する。
【0011】
上記の装置において、前記推定属性データ取得手段は、前記実績属性データ取得手段により取得された実績属性データが示す前記船舶が過去に行った航行における前記
複数の属性の実績に基づき、前記船舶の航行における前記
複数の属性を推定し、当該推定した属性を示す推定属性データを生成することにより取得する、という構成が採用されてもよい。
【0012】
また、上記の装置において、前記船舶の航行のスケジュールを示す航行スケジュールデータを取得する航行スケジュールデータ取得手段と、前記時期データ生成手段により生成された時期データと、前記航行スケジュールデータ取得手段により取得された航行スケジュールデータとに基づき、前記機器の保守作業の時期および場所を示す保守作業スケジュールデータを生成す
る保守作業スケジュールデータ生成手段とを備える、という構成が採用されてもよい。
【0013】
また、上記の装置において、前記
船舶の航行の状態に関する属性であって前記機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属性は、前記船舶が寄港する回数、前記船舶が航行する航路、前記船舶が航行において遭遇する気象または海象、前記船舶の姿勢、前記船舶の主機が用いる燃料油の特性のうちの少なくとも1つを含む、という構成が採用されてもよい。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、
船舶の航行の状態に関する属性であって前記
船舶に搭載されている機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属
性を含む
前記船舶の航行の状態に関する複数の属性の各々に関し、前記船舶が過去に行った航行における当該属性の実績を示す実績属性データを取得する処理と、前記機器の保守作業において特定された前記機器の劣化度を示す劣化度データを取得する処理と、前記実績属性デー
タと、前記劣化度データ
とに基づき、前記複数の属性の各々を変数とする前記機器の劣化度
の算出式を示す関係データを生成する処理とを実行させるためのプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータに、
船舶の航行の状態に関する属性であって前記
船舶に搭載されている機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属
性を含む
前記船舶の航行の状態に関する複数の属性の各々
を変数とする前記機器の劣化度
の算出式を示す関係データを取得する処理と、前記複数の属性の各々に関し、前記船舶が過去に行った航行における当該属性の実績を示す実績属性データを取得する処理と、前記複数の属性の各々に関し、前記船舶の航行において推定される当該属性を示す推定属性データを取得する処理と、前記関係データ
が示す算出式に、前記実績属性データ
が示す第1の日時までの属性と前記推定属性データ
が示す前記第1の日時から第2の日時までの属性とを変数として代入して前記機器の前記第2の日時における劣化度を算出し、
算出した劣化度に基づき前記機器の保守作業の時期を示す時期データを生成する処理とを実行させるためのプログラムを提供する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータに、
船舶の航行の状態に関する属性であって前記
船舶に搭載されている機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属
性を含む
前記船舶の航行の状態に関する複数の属性の各々に関し、前記船舶が過去に行った航行における当該属性の実績を示す実績属性データを取得する処理と、前記機器の保守作業において特定された前記機器の劣化度を示す劣化度データを取得する処理と、前記実績属性デー
タと、前記劣化度データ
とに基づき、前記複数の属性の各々を変数とする前記機器の劣化度
の算出式を示す関係データを生成する処理とを実行させるためのプログラムを持続的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0017】
また、本発明は、コンピュータに、
船舶の航行の状態に関する属性であって前記
船舶に搭載されている機器の運転の状態に関する属性ではない1以上の属
性を含む
前記船舶の航行の状態に関する複数の属性の各々
を変数とする前記機器の劣化度
の算出式を示す関係データを取得する処理と、前記複数の属性の各々に関し、前記船舶が過去に行った航行における当該属性の実績を示す実績属性データを取得する処理と、前記複数の属性の各々に関し、前記船舶の航行において推定される当該属性を示す推定属性データを取得する処理と、前記関係データ
が示す算出式に、前記実績属性データ
が示す第1の日時までの属性と前記推定属性データ
が示す前記第1の日時から第2の日時までの属性とを変数として代入して前記機器の前記第2の日時における劣化度を算出し、
算出した劣化度に基づき前記機器の保守作業の時期を示す時期データを生成する処理とを実行させるためのプログラムを持続的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、船舶が過去に行った航行の状態に関する属性と過去の保守作業において特定された機器の劣化度に基づき、それらの属性と機器の劣化度との関係が特定される。そして、当該関係に基づき、機器の保守作業の時期が特定される。その結果、船舶に搭載されている機器の保守作業の時期が特定される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態にかかる保守作業管理システム1を説明する。保守作業管理システム1は、船舶に搭載されている機器の保守作業の時期を管理するためのシステムである。なお、本願において「機器」は保守作業の対象物を意味する。従って、例えば或る装置が互いに異なる保守作業の対象となる部品を複数有する場合、それらの部品の各々を「機器」という。
【0021】
図1は、保守作業管理システム1の全体構成を示した図である。保守作業管理システム1は、船舶8に配置された端末装置11と、通信衛星9を介して端末装置11との間でデータ通信を行うサーバ装置12と、サーバ装置12に対し船舶8が航行中に遭遇する気象または海象を示す気象海象データを配信するサーバ装置13と、端末装置14を備える。端末装置14は、例えば船舶8の管理会社の職員等がサーバ装置12に記憶されるデータを閲覧するために使用する端末装置である。なお、
図1において、船舶8および端末装置11は各々、1つのみ記載されているが、船舶8および端末装置11の数は保守作業管理システム1により保守作業の時期を管理する船舶の数等により変化する。また、
図1において、端末装置14は1つのみ記載されているが、端末装置14の数は保守作業管理システム1を利用してデータ閲覧を行う管理会社の職員等のユーザ数により変化する。また、
図1において、端末装置14は陸上に配置されているが、端末装置14の配置場所は陸上に限られない。
【0022】
端末装置11および端末装置14のハードウェア構成は、例えば一般的な端末装置用のコンピュータである。
図2は、端末装置11および端末装置14のハードウェアとして採用されるコンピュータ10の基本構成を示した図である。コンピュータ10は、各種データを記憶するメモリ101、メモリ101に記憶されているプログラムに従う各種データ処理を行うプロセッサ102、他の装置との間でデータ通信を行うIF(Interface)である通信IF103、ユーザに対し画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置104、ユーザの操作を受け付けるキーボード等の操作装置105を備える。なお、コンピュータ10に内蔵される表示装置104に代えて、もしくは加えて、コンピュータ10に接続される外付けの表示装置が用いられてもよい。また、コンピュータ10に内蔵される操作装置105に代えて、もしくは加えて、コンピュータ10に接続される外付けの操作装置が用いられてもよい。
【0023】
サーバ装置12およびサーバ装置13のハードウェア構成は、例えば一般的なサーバ装置用のコンピュータである。
図3は、サーバ装置12またはサーバ装置13のハードウェアとして採用されるコンピュータ20の基本構成を示した図である。コンピュータ20は、各種データを記憶するメモリ201、メモリ201に記憶されているプログラムに従う各種データ処理を行うプロセッサ202、他の装置との間でデータ通信を行う通信IF203を備える。
【0024】
図4は、端末装置11の機能構成を示した図である。すなわち、コンピュータ10は、端末装置11用のプログラムに従うデータ処理を実行することにより、
図4に示す構成を備える装置として動作する。
【0025】
端末装置11は、まず、船舶8の過去または現在の航行の状態に関する各種の属性を示す実績属性データを取得する実績属性データ取得手段111を備える。実績属性データ取得手段111が取得する実績属性データのあるものは、船舶8に配置された各種の計測装置により計測された値を示し、それらの計測装置により生成されて端末装置11に入力されたものである。また、実績属性データのあるものは、船舶8の乗組員等により入力されたものである。また、実績属性データのあるものは、上記のように取得された1以上の実績属性データを実績属性データ取得手段111が加工したものである。
【0026】
また、実績属性データのあるものは、当該実績属性データが示す属性がどの期間における属性であるかを示す期間データを伴う。また、実績属性データのあるものは、当該実績属性データが示す属性が、どの時刻における属性であるかを示す時刻データを伴う。実績属性データ取得手段111は現在時刻を計測する計時手段を備えている。実績属性データ取得手段111は、期間データおよび時刻データのいずれも伴わない実績属性データを取得した場合、計時手段により計測された現在時刻を示す時刻データを、当該実績属性データに対応付ける。
【0027】
また、実績属性データ取得手段111は記憶手段を備えている。実績属性データ取得手段111は、取得した実績属性データを当該実績属性データが示す属性がどの期間における属性であるかを示す期間データと対応付けて、記憶手段に一時的に記憶する。実績属性データ取得手段111は、実績属性データが時刻データに対応付けられている場合、例えば所定の時間間隔で定まる期間の各々に関し、当該期間中の時刻に応じた実績属性データが示す属性の代表値(例えば、平均値や中間値等)を特定し、当該特定した代表値を示す実績属性データを当該期間を示す期間データと対応付けて、記憶手段に一時的に記憶する。
【0028】
実績属性データ取得手段111により取得される実績属性データには、船舶8が航行した航路に関するもの、船舶8の航行中の姿勢に関する属性を示すもの、船舶8が航行において遭遇した気象または海象に関する属性を示すもの、船舶8の主機の運転に用いられた燃料油に関する属性を示すもの、船舶8の船速に関するもの、船舶8に搭載されている装置の運転の状態に関する属性を示すもの等がある。
【0029】
図5〜
図10は、実績属性データ取得手段111が実績属性データを一時的に記憶するためのテーブルの構成を例示した図である。
【0030】
図5に例示のテーブル(以下、「実績航路テーブル」という)は、航路に関する属性を示す実績属性データを記憶するためのテーブルである。実績航路テーブルには、期間データに対応付けて、当該期間データが示す期間において船舶8が航行した海域および寄港した港を示す実績属性データが格納される。なお、実績航路テーブルに格納されるデータによれば、船舶8が或る期間内に寄港した回数も特定される。
【0031】
図6に例示のテーブル(以下、「実績姿勢テーブル」という)は、船舶8の姿勢に関する属性を示す実績属性データを記憶するためのテーブルである。実績姿勢テーブルには、期間データに対応付けて、当該期間データが示す期間における船舶8の船首トリム、中間トリム、船尾トリムを示す実績属性データが格納される。
【0032】
図7に例示のテーブル(以下、「実績気象海象テーブル」という)は、船舶8が遭遇した気象または海象に関する属性を示す実績属性データを記憶するためのテーブルである。実績気象海象テーブルには、期間データに対応付けて、当該期間データが示す期間に船舶8が遭遇した風速、風向、潮速、潮向、波高、波向、波周期、水温、気温を示す実績属性データが格納される。
【0033】
図8に例示のテーブル(以下、「実績主機燃料油テーブル」という)は、主機が使用した燃料油に関する属性を示す実績属性データを記憶するためのテーブルである。実績主機燃料油テーブルには、期間データに対応付けて、当該期間データが示す期間に主機が消費した燃料油の補油地、販売者、油種(例えば、C重油、A重油、低硫黄重油等)、粘度、硫黄含有量、シリカ含有量、アルミナ含有量を示す実績属性データが格納される。
【0034】
図9に例示のテーブル(以下、「実績船速テーブル」という)は、船速に関する属性を示す実績属性データを記憶するためのテーブルである。実績船速テーブルには、期間データに対応付けて、当該期間データが示す期間における船舶8の対地船速、対水船速、プロペラスリップが格納される。
【0035】
図10に例示のテーブル(以下、「実績主機運転テーブル」という)は、船舶8に搭載されている主機(船舶8に搭載されている装置の一例)の運転の状態に関する属性を示す実績属性データを記憶するためのテーブルである。実績主機運転テーブルには、期間データに対応付けて、当該期間データが示す期間における主機の回転数、負荷、吸気温度、排気温度、シリンダ注油量を示す実績属性データが格納される。実績属性データ取得手段111は、船舶8に搭載されている主機以外の様々な装置の各々に関しても、実績主機運転テーブルと類似のテーブルを記憶し、取得した実績属性データをそれらのテーブルに格納する。
【0036】
なお、
図5〜
図10に示されるデータの種別は例示であって、船舶8に搭載されている機器の劣化の程度に影響を与え得る船舶8の航行の状態に関する属性を示すデータである限り、実績属性データ取得手段111が取得する実績属性データの種別は限定されない。
【0037】
図4に戻り、端末装置11の機能構成の説明を続ける。端末装置11は、船舶8に搭載されている機器の劣化度を示す劣化度データを取得する劣化度データ取得手段112を備える。劣化度データ取得手段112が取得する劣化度データは、作業員が機器の保守作業を行った際に確認した当該機器の劣化度を示し、例えば作業員により入力されたものである。作業員は、保守作業において、適正なタイミングで保守作業が行われたと判断した場合は、劣化度として例えば100を入力し、保守作業のタイミングが早すぎたと判断した場合は劣化度として例えば100未満の値を入力し、保守作業のタイミングが遅すぎたと判断した場合は劣化度として例えば100を超える値を入力する。劣化度データ取得手段112が取得する劣化度データには、作業員が劣化度の確認を行った時期と、その際に行った保守作業の内容とを示すデータが伴う。
【0038】
劣化度データ取得手段112は記憶手段を備える。劣化度データ取得手段112は、取得した劣化度データおよび当該データに伴うデータを、記憶手段に一時的に記憶する。
図11は、劣化度データ取得手段112が劣化度データを一時的に記憶するためのテーブル(以下、「保守作業テーブル」という)の構成を例示した図である。保守作業テーブルには、作業員が劣化度の確認を行った日時、保守作業の対象の装置および部品(機器)の名称、保守作業の名称を示すデータと、劣化度データとが対応付けて格納される。
【0039】
端末装置11は、実績属性データ取得手段111により取得されたデータ(
図5〜
図10参照)と、劣化度データ取得手段112により取得されたデータ(
図11参照)とをサーバ装置12に送信する送信手段113を備える。送信手段113は、例えば所定時間の経過毎に、実績属性データ取得手段111に記憶されているデータと、劣化度データ取得手段112に記憶されているデータを、通信衛星9経由でサーバ装置12に送信する。なお、実績属性データ取得手段111および劣化度データ取得手段112は、例えば、サーバ装置12に送信されたデータをテーブル記憶手段から削除する。
【0040】
また、端末装置11は、サーバ装置12から送信されてくる保守作業スケジュールデータを受信する受信手段114を備える。保守作業スケジュールデータは、船舶8に搭載されている機器の各々に関し、保守作業の時期および場所(例えば、将来における保守作業が行われるべき時期および場所)を示すデータである。
【0041】
また、端末装置11は、受信手段114により受信された保守作業スケジュールデータが示す情報をユーザに提示する画面(以下、「保守作業スケジュール表示画面」という)を表示するための表示手段115を備える。なお、表示手段115は表示装置を備え、保守作業スケジュール表示画面を自ら表示してもよいし、外部の表示装置に対し保守作業スケジュール表示画面の表示を指示してもよい。
【0042】
以上が端末装置11の機能構成である。続いて、サーバ装置12の機能構成を説明する。
図12は、サーバ装置12の機能構成を示した図である。すなわち、コンピュータ20は、サーバ装置12用のプログラムに従うデータ処理を実行することにより、
図12に示す構成を備える装置として動作する。
【0043】
サーバ装置12は、まず、端末装置11から送信されてくる実績属性データを期間データと共に受信する実績属性データ取得手段121と、端末装置11から送信されてくる劣化度データを日時等を示すデータと共に受信する劣化度データ取得手段122を備える。
【0044】
また、サーバ装置12は、実績属性データ取得手段121により取得されたデータ(実績属性データ等)と劣化度データ取得手段122により取得されたデータ(劣化度データ等)を用いて、船舶8に搭載されている機器の各々に関し、実績属性データが示す属性と劣化度データが示す劣化度との関係を示す関係データを生成する関係データ生成手段123を備える。
【0045】
関係データ生成手段123は記憶手段を備え、過去に実績属性データ取得手段121から取得したデータと、過去に劣化度データ取得手段122から取得したデータを記憶手段に蓄積している。関係データ生成手段123は、記憶手段に蓄積しているこれらのデータを用いて、既知の統計手法に従い、機器の各々に関し各種の属性と劣化度との関係を示す関係式を特定する。以下、例として、関係データ生成手段123は、劣化度データが示す劣化度を目的変数、実績属性データが示す各種の属性を説明変数とする回帰分析を行い、それらの関係式を「劣化度算出式」として算出するものとする。この劣化度算出式を示すデータが、関係データの一例である。
【0046】
また、サーバ装置12は、船舶8の航行のスケジュールを示す航行スケジュールデータを取得する航行スケジュールデータ取得手段124を備える。航行スケジュールデータ取得手段124が取得する航行スケジュールデータは、例えば船舶8の運航管理者により入力されたデータである。
【0047】
図13は、航行スケジュールデータ取得手段124が取得する航行スケジュールデータの構成を例示した図である。航行スケジュールデータは、データフィールドとして[港・航行区間]、[期間]、[排水量]、[使用燃料油種]、[補油燃料油種]、[販売者]、[補油燃料油量]を有するテーブル形式のデータである。[港・航行区間]には、船舶8が寄港する港、または船舶8が航行する航行区間の名称が格納される。[期間]には、船舶8が[港・航行区間]に示される港に停泊する期間、または船舶8が[港・航行区間]に示される航行区間を航行する期間を示すデータが格納される。
【0048】
[排水量]には、船舶8が[港・航行区間]に示される航行区間を航行する際の排水量(船舶8により排除された水の量)を示すデータが格納される。[使用燃料油種]には、船舶8が[港・航行区間]に示される航行区間を航行する際に使用する燃料油の油種名が格納される。[補油燃料油種]には、船舶8が[港・航行区間]に示される港において補油する燃料油の油種名が格納される。[販売者]には、船舶8が[港・航行区間]に示される港において補油する燃料油の販売者名が格納される。[補油燃料油量]には、[補油燃料油種]に示される油種名の燃料油を[港・航行区間]に示される港において補油する補油量を示すデータが格納される。
【0049】
また、サーバ装置12は、船舶8の航行において推定される各種の属性を示す推定属性データを取得する推定属性データ取得手段125を備える。推定属性データ取得手段125が取得する推定属性データが示す属性の種類は、実績属性データ取得手段121が取得する実績属性データが示す属性の種類と同じである。従って、推定属性データ取得手段125が取得する推定属性データの構成は、
図5〜
図10に例示したものと同様である。
【0050】
推定属性データ取得手段125が取得する推定属性データには、サーバ装置12から取得したデータ、推定属性データ取得手段125が生成することにより取得したデータ等が含まれる。推定属性データ取得手段125は記憶手段を備え、取得したデータを記憶手段に記憶する。
【0051】
推定属性データ取得手段125は、航路に関する推定属性データを航行スケジュールデータ(
図13参照)に基づき生成する。例えば、推定属性データ取得手段125は、航行スケジュールデータ取得手段124から航行スケジュールデータを取得し、航行スケジュールデータが示す航行スケジュールに従う場合、船舶8がどの期間にどの港に停泊するか、また、どの期間にどの海域を航行するか、を特定する。推定属性データ取得手段125は、特定した結果を示すデータを、船舶8の航路に関する推定属性データとして
図5に示されるテーブルと同様の構成のテーブル(以下、「推定航路テーブル」という)に格納する。
【0052】
また、推定属性データ取得手段125は、船舶8の姿勢に関する推定属性データを、航行スケジュールデータ(
図13参照)に基づき生成する。例えば、推定属性データ取得手段125は、船舶8が航行スケジュールデータが示す航行スケジュールに従い航行した場合の燃料消費量を推定する。そして、推定属性データ取得手段125は、航行スケジュールデータが示す排水量および補油燃料油量と、推定した燃料消費量とに基づき、各期間における船舶8の船首トリム、中央トリム、船尾トリムを推定する。推定属性データ取得手段125は推定の結果を示すデータを、船舶8の姿勢に関する推定属性データとして
図6に示されるテーブルと同様の構成のテーブル(以下、「推定姿勢テーブル」という)に格納する。
【0053】
また、推定属性データ取得手段125は、気象または海象に関する推定属性データをサーバ装置12から取得する。例えば、推定属性データ取得手段125は、航路に関する推定属性データが示す時期および海域の気象海象データをサーバ装置12から取得し、気象または海象に関する推定属性データとして
図7に示されるテーブルと同様の構成のテーブル(以下、「推定気象海象テーブル」という)に格納する。
【0054】
また、推定属性データ取得手段125は、主機の燃料油に関する推定属性データを実績属性データに基づき生成する。例えば、推定属性データ取得手段125は、航路に関する推定属性データが示す航路上の補油地において過去に補油された燃料油に関する実績属性データが示す属性の代表値(例えば、油種の最頻値、最頻値を示す油種の燃料油の粘度の平均値等)を特定し、主機の燃料油に関する推定属性データとして
図8に示されるテーブルと同様の構成のテーブル(以下、「推定主機燃料油テーブル」という)に格納する。
【0055】
また、推定属性データ取得手段125は、船速に関する推定属性データを航行スケジュールデータおよび実績属性データに基づき生成する。例えば、推定属性データ取得手段125は、航行スケジュールデータが示す航行スケジュールに従い航行した場合の船舶8の各期間における対地船速を算出する。また、推定属性データ取得手段125は、気象または海象に関する推定属性データが示す気象または海象の下で、算出した対地船速で船舶8が航行した場合のプロペラスリップを、過去に同一または類似の条件下で船舶8が航行したときの船速に関する実績属性データが示すプロペラスリップに基づき推定する。また、推定属性データ取得手段125は、上記のように算出した対地船速と、上記のように推定したプロペラスリップに基づき、船舶8の対水船速を推定する。推定属性データ取得手段125は、上記のように算出または推定した対地船速、対水船速、プロペラスリップを示すデータを、船速に関する推定属性データとして
図9に示されるテーブルと同様の構成のテーブル(以下、「推定船速テーブル」という)に格納する。
【0056】
また、推定属性データ取得手段125は、船舶8に搭載されている装置の各々に関し、当該装置の運転状態に関する推定属性データを生成する。例えば、主機の運転状態に関する推定属性データを例に説明すると、推定属性データ取得手段125は、例えば、気象海象に関する推定属性データ、船速に関する推定属性データ等に基づき、各時期における主機の回転数、負荷、吸気温度、排気温度を推定する。また、推定属性データ取得手段125は、例えば主機の運転状態に関する実績属性データが示す過去のシリンダ注油量に基づき、各時期におけるシリンダ注油量を推定する。推定属性データ取得手段125は、上記のように推定した主機の回転数等のデータを、主機の運転状態に関する推定属性データとして
図10に示されるテーブルと同様の構成のテーブル(以下、「推定主機運転テーブル」という)に格納する。
【0057】
なお、推定属性データ取得手段125は、時間の経過に伴い、記憶しているテーブル(推定航路テーブル等)のデータレコードのうち、時期データが示す時期が既に過ぎているものを削除する。
【0058】
再び
図12に戻り、サーバ装置12の機能構成の説明を続ける。サーバ装置12は、関係データ生成手段123により生成された関係データ、実績属性データ取得手段121により取得された実績属性データ、推定属性データ取得手段125により取得された推定属性データに基づき、船舶8に搭載されている機器の各々に関し、当該機器の保守作業の時期を示す時期データを生成する時期データ生成手段126を備える。
【0059】
具体的には、時期データ生成手段126は、船舶8に搭載されている機器の各々に関し、まず、保守作業テーブル(
図11参照)が示す機器に関し最後に保守作業が行われた日時(以下、「最終保守作業日時t
s」という)を特定する。続いて、時期データ生成手段126は、実績属性データ取得手段121に記憶されているテーブル(実績航路テーブル等)に含まれるデータレコードのうち、最終保守作業日時t
s以降のものを抽出する。
【0060】
続いて、時期データ生成手段126は、実績属性データ取得手段121に記憶されているテーブルから抽出した最終保守作業日時t
s以降に関するデータレコードに示される属性値と、推定属性データ取得手段125に記憶されているテーブル(推定航路テーブル等)のデータレコードに示される属性値とに基づき、最終保守作業日時t
sから将来の或る日時t
eまでの属性値の代表値(例えば、平均値、最頻値等)を特定する。時期データ生成手段126は、最終保守作業日時t
sから将来の或る日時t
eまでの属性値の代表値を、関係データ生成手段123により生成された劣化度算出式に説明変数として代入することにより、機器の日時t
eにおける劣化度の推定値(以下、「推定劣化度D(t
e)という」)を算出する。
【0061】
時期データ生成手段126は、推定劣化度D(t
e)を、日時t
eを変更しながら繰り返し算出し、推定劣化度D(t
e)が所定の閾値範囲内(例えば、「90〜100」)となる日時t
eの範囲を、機器の保守作業の時期として特定する。時期データ生成手段126は、特定した時期を示す時期データを生成する。
【0062】
また、サーバ装置12は、船舶8に搭載されている機器の各々に関する保守作業の制約条件を示す保守作業制約条件データを、例えば各港で保守作業を行う修理業者の端末装置等(
図1において図示略)から取得する保守作業制約条件データ取得手段127を備える。保守作業制約条件データ取得手段127は、修理業者の端末装置等から送信されてくる保守作業制約条件データをテーブル(以下、「保守作業制約条件テーブル」という)に格納し管理する。
【0063】
図14は保守作業制約条件テーブルの構成を示した図である。保守作業制約条件テーブルは、修理業者と保守作業の対象となる機器の種別の組み合わせの各々に応じたデータレコードの集まりである。保守作業制約条件テーブルはデータフィールドとして、修理業者を識別するデータを格納する[修理業者]、保守作業が行われる港を識別するデータを格納する[港]、保守対象の機器を識別するデータを格納する[装置種別]および[部品種別]、保守作業の名称を格納する[保守作業名]、保守作業に要する日数を格納する[所要日数]、保守作業の依頼時期に関する条件(例えば、1ヶ月前までの依頼が必要など)を格納する[依頼時期]を有している。
【0064】
なお、保守作業制約条件データ取得手段127は、新たに受信した保守作業制約条件データが示す修理業者、港、装置種別、部品種別、保守作業名が同一の保守作業制約条件データが既に保守作業制約条件テーブルに格納されている場合、新たに受信した保守作業制約条件データで古い保守作業制約条件データを上書きする。
【0065】
再び
図12に戻り、サーバ装置12の機能構成の説明を続ける。サーバ装置12は、時期データ、航行スケジュールデータ、および保守作業制約条件データに基づき機器の保守作業の時期と場所を特定し、特定した時期および場所を示す保守作業スケジュールデータを生成する保守作業スケジュールデータ生成手段128を備える。
【0066】
具体的には、保守作業スケジュールデータ生成手段128は、船舶8に搭載されている機器の各々に関し、航行スケジュールデータと保守作業制約条件データに基づき、時期データ生成手段126により生成された時期データが示す時期において船舶8が寄港し、かつ、保守作業が可能な港を1以上特定し、特定した港および当該港に停泊する期間を示す保守作業スケジュールデータを生成する。
【0067】
保守作業スケジュールデータ生成手段128は生成した保守作業スケジュールデータをテーブル(以下、「保守作業スケジュールテーブル」という)に記憶する。
図15は、保守作業スケジュールテーブルの構成を示した図である。保守作業スケジュールテーブルは、保守作業の対象の機器の各々に応じたデータレコードの集まりである。保守作業スケジュールテーブルはデータフィールドとして、機器を識別するデータを格納する[装置名]および[部品名]、保守作業を識別するデータを格納する[保守作業名]、保守作業が行われるべき期間を示すデータを格納する[期間]、保守作業が行われるべき場所を示すデータを格納する[港名]を有している。
【0068】
なお、保守作業スケジュールデータ生成手段128は或る機器に関し新たな保守作業スケジュールデータを生成した場合、保守作業スケジュールテーブルの当該機器に応じたデータレコードのデータを、新たに生成したデータで上書きする。
【0069】
また、サーバ装置12は、保守作業スケジュールデータ生成手段128により生成された保守作業スケジュールデータを端末装置11に送信する送信手段129を備える。送信手段129は、例えば所定時間の経過毎に、その時点で保守作業スケジュールデータ生成手段128に記憶されている保守作業スケジュールテーブルを通信衛星9経由で端末装置11に送信する。
【0070】
以上が、サーバ装置12の機能構成である。サーバ装置13の機能構成は、要求に応じて要求元に対しデータ配信を行う一般的なサーバ装置の機能構成と同様であるため、説明を省略する。端末装置14の機能構成は、サーバ装置にデータを要求し、要求に応じて送信されてくるデータを表示する一般的な端末装置の機能構成と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
端末装置11は、サーバ装置12から送信されてくる保守作業スケジュールテーブルを受信すると、表示手段115により保守作業スケジュール表示画面を表示する。
図16は、保守作業スケジュール表示画面を例示した図である。保守作業スケジュール表示画面には、船舶8の航行スケジュールが各寄港地における停泊期間により示される。また、保守作業スケジュール表示画面には、各寄港地において保守作業が行われるべき機器の名称が示される。船舶8の作業員等は、保守作業スケジュール表示画面により、様々な機器の保守作業をいつどこで行うことが望ましいかを容易に知ることができる。
【0072】
上記のように、保守作業管理システム1によれば、船舶8に搭載されている機器の保守作業が行われるべき時期がユーザに提示される。ユーザに提示される保守作業の時期は、船舶8の航行の状態に関する様々な属性の影響が考慮された時期である。従って、それらの属性の影響が考慮されない場合と比較し、ユーザはより適正な保守作業の時期を知ることができる。また、保守作業管理システム1によれば、船舶8に搭載されている機器の保守作業が行われるべき場所がユーザに提示される。従って、ユーザは、例えば保守作業に要する交換部品を保守作業を行う港に配送するように予め手配をしたり、保守作業に要する時間を考慮してバースウィンドウの調整をしたりすることができる。
【0073】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下の2以上の変形例が組み合わされてもよい。
【0074】
(1)上述した保守作業管理システム1の端末装置11が行う処理の少なくとも一部をサーバ装置12が行う構成が採用されてもよい。また、上述した保守作業管理システム1のサーバ装置12が行う処理の少なくとも一部を端末装置11が行う構成が採用されてもよい。例えば、保守作業管理システム1がサーバ装置12を備えず、上述した実施形態においてサーバ装置12により行われていた処理が全て端末装置11により行われてもよい。
【0075】
(2)上述した実施形態において、関係データ生成手段123は、或る船舶8に関する関係データを生成する際に、その船舶8ではない他の船舶に関する実績属性データおよび劣化度データを用いない。これに代えて、関係データ生成手段123が、例えば或る船舶8に関する関係データを生成する際に、その船舶8と同じ型式の他の船舶に関する実績属性データおよび劣化度データを用いてもよい。
【0076】
(3)上述した実施形態において、気象または海象に関する実績属性データは全て、船舶8において計測等により取得されたデータが用いられる。これに代えて、サーバ装置13から取得された気象海象データが、気象または海象に関する実績属性データの少なくとも一部として用いられてもよい。
【0077】
(4)上述した実施形態において、端末装置11およびサーバ装置12は一般的なコンピュータがプログラムに従った処理を実行することにより実現される。これに代えて、端末装置11およびサーバ装置12の少なくとも一方が、いわゆる専用装置として構成されてもよい。
【0078】
(5)上述した実施形態において、劣化度データは、作業員が機器の保守作業を行った際に確認した当該機器の劣化度を示す。或る機器の劣化度を示すデータを計測装置が計測可能である場合、劣化度データ取得手段122は、当該計測装置により計測された結果に基づき特定される劣化度を示すデータを、この機器に関する劣化度データとして取得してもよい。
【0079】
(6)上述した実施形態において、関係データが示す劣化度と属性との関係は、ユーザに提示されることはない。これに代えて、関係データが示す劣化度と属性との関係が、作業員や運航管理者等のユーザに表示等により提示される構成が採用されてもよい。
【0080】
(7)上述した実施形態において、時期データは保守作業スケジュールデータの生成に用いられ、時期データが示す内容がそのままユーザに提示されることはない。これに代えて、時期データが示す機器の保守作業の時期が、作業員や運航管理者等のユーザに表示等により提示される構成が採用されてもよい。
図17は時期データが示す或る機器の保守作業の時期を、当該機器の劣化度のトレンドと当該機器の劣化度に影響を与える主要な属性のトレンドと共に示したグラフである。
図17のグラフにおいて横軸は日時を示し、時期データが示す時期は保守作業適正時期開始日時から保守作業適正時期終了日時までの時期として示されている。また、
図17のグラフにおいて縦軸は、劣化度や属性の各々の値(属性の種別によっては累積値)を示す。ただし、
図17には、劣化度と保守作業の時期との関係を示すために、縦軸に保守作業の時期に応じた劣化度の下限閾値「90」と上限閾値「100」を示している。また、
図17のグラフの横軸の左端は最後に当該機器の保守作業を行った日時を示す。
図17に例示のグラフによれば、ユーザは直観的に機器の保守作業の時期を知ることができる。