(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基材(10)の基材表面(10s)を、基材表面(10s)または基材表面(10s)上に存在している膜(17)に液体(19)を塗布して処理するための方法であって、ここで、基材表面(10s)に塗布された液体(19)を、基材表面(10s)の上方および/または下方に配置された加熱面(6u、6u‘、6u‘‘、6u‘‘‘、6uIV、6uV)によって加熱し、ここで、加熱面(6u、6u‘、6u‘‘、6u‘‘‘、6uIV、6uV)を上昇および下降させることによって、液体(19)の温度TRを一定に保ち、基材(10)は、塗布された液体(19)のための床を形成し、基材ホルダー(4)のリングセクション(4s)が、液体(19)の流出を阻止する、前記方法において、リングセクション(4s)は、基材(10)と一緒になって、処理の間に液体(19)を収容するための槽を形成することを特徴とする前記方法。
基材(10)の基材表面(10s)を、基材表面(10s)または基材表面(10s)上に存在している膜(17)に液体(19)を塗布して処理するための装置であって:
・基材表面(10s)に塗布された液体(19)を加熱するための、基材表面(10s)の上方および/または下方に配置された加熱面(6u、6u‘、6u‘‘、6u‘‘‘、6uIV、6uV)、
・液体(19)の温度TRを一定に保つために、加熱面(6u、6u‘、6u‘‘、6u‘‘‘、6uIV、6uV)を上昇および下降させるための手段
を備える前記装置において、
前記装置は、基材ホルダー(4)のリングセクション(4s)によって、基材(10)に塗布された液体(19)の流出を阻止するように形成されており、ここで、基材(10)は、液体(19)のための床を形成しており、リングセクション(4s)は、基材(10)と一緒になって、液体(19)を収容するための槽を形成していることを特徴とする、前記装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の方法、ならびに請求項8に記載の装置に関する。
【0002】
半導体産業では、半導体基材を加工処理するために無数の化学薬品が使用される。多くの化学薬品は、基材内または基材上に永久的に残る成分を有しており、他方また別の化学薬品は、使用後に基材の表面から再び除去されるものである。使用後に再び除去されねばならない、最もよく知られた材料クラスの1つは、フォトレジストである。
【0003】
フォトレジストは、主に表面マスクの製造に使用される。ここで、フォトレジストは、まず被覆プロセスによって基材の表面に塗布される。ここで、慣用の塗布方法は、スピンコーティング法(Schleuderbelackung)およびスプレーコーティング法である。その場合、フォトレジスト膜厚は、一定してマイクロメートル範囲である。フォトレジスト膜の塗布後、加熱処理工程が行われることがきわめて多く、この工程は、溶媒を蒸発させて、純粋な、部分的に硬化したレジストを基材の表面に残すものである。この加熱処理工程の後、フォトレジストの露出を行うことができる。
【0004】
膜、特に、フォトレジスト膜の除去(洗浄)は、特別なプロセス装置で行われ、この装置は、大きく2つの群に分けることができる。
【0005】
プロセス装置の第一の群は、いわゆるバッチプロセス装置である。バッチプロセス装置では、複数のウェハを保持装置に固定して、浴に浸漬させる。この浴は、膜の除去プロセス(英語:stripping)に使用される化学薬品からなるものである。前記バッチプロセス装置は、流体静力学的または流体動力学的に設計されていてよい。第一の別形では、静止状態の、したがって循環していない液体を有する浴である。この実施態様の利点は、化学薬品がきわめて少量しか必要とされないことにある。重大な欠点は、剥離した膜によって化学薬品が汚染されることにある。洗浄プロセスの過程で、膜成分の濃度が上昇する。それと同時に洗浄効率が低下する。さらに、すでに洗浄されたウェハ上での、排出されなかった膜成分の析出率が上がるため、基材の完全な高純度表面洗浄は、平均してめったに行われない。確かに、ある程度の数のウェハを加工処理した後に化学薬品を交換することができるが、化学薬品が入っている容器の壁は、多くの場合、汚染されたままである。前記流体動力学の別形では、そもそも基材表面または前記容器の壁が新たに汚染される前に絶えず新しくされて、基材の表面から除去された膜成分は排出される。つまり、バッチプロセス装置は、一般に、大量の化学薬品を必要とし、したがって、相応して高い化学薬品費用を求めるものである。さらに、大量の化学薬品によって環境に不必要な負担がかかる。
【0006】
プロセス装置の第二の群は、いわゆる枚葉式基材プロセス装置(Einzelsubstratprozessanlagen)であり、ウェハを使用する場合、枚葉式ウェハプロセス装置とも呼ぶことができる。この種類の装置は、基材の連続的な加工処理を可能にするにすぎない。洗浄プロセスの始めに、除去もしくは洗浄する膜、特にフォトレジストに化学薬品が塗布される。この化学薬品は、ある程度の時間、基材の表面上に留まり、膜を剥離して、その後、適切に除去される。この除去は、振り落として(Abschleudern)行われるのが好ましい。したがって、前記基材は、スピンコーターの基材ホルダーに固定されるのが好ましい。前記化学薬品の塗布は、スプレーノズルまたはホースによって行われる。
【0007】
枚葉式基材プロセス装置は、バッチプロセス装置と同じく化学薬品を加熱するものである。化学薬品の温度調節は、除去する膜との化学反応を開始する、および/または促進する、および/または加速するために必要である。加熱速度および/または冷却速度も、加熱時間および加熱温度も、一般に、前記プロセスに関わるすべての材料、したがって、膜および/または化学薬品によって決まる。
【0008】
枚葉式基材プロセス装置は、バッチプロセス装置よりも多くの決定的な利点を有している。この装置は、消費する化学薬品がはるかに少なく、不純物が混じっている化学薬品をきわめて容易にこの系から排出することができ、エネルギー供給の必要量が少ない、それというのは、時間単位あたりのウェハの処理量が一般に比較的少ないにもかかわらず、比較的少量の化学薬品しか加熱する必要がなく、それによって総じて多くの場合、比較的低コストであるからである。さらに、枚葉式基材プロセス装置で適切に加工処理されたウェハの収率は、一般に、バッチプロセス装置におけるよりも優れていることが判明した。
【0009】
枚葉式基材プロセス装置は、前記のことからバッチプロセス装置に対する真の代替案であるにもかかわらず、制御可能で、正確かつ再現可能な化学薬品の温度調整は、技術的な問題である。それに対してバッチプロセス装置では、均一で、適切に調節可能かつ再現可能な温度を確立することはきわめて容易である、それというのは、化学薬品浴が、処理される基材と比べて大きいからである。
【0010】
枚葉式基材プロセス装置では、膜を表面から剥離させるために、洗浄する基材の表面を覆う化学薬品は確かに少量で足りるが、統計物理学および熱力学の範囲において、熱バッファ(Waermepuffer)として作用するには不充分である。さらに、化学薬品は、枚葉式基材プロセス装置において、基材の片側しか湿潤しない一方、バッチプロセス装置における基材は、完全に液体で取り囲まれており、したがって、基材は、最適に充分に温められる。
【0011】
しかし、ここ数年、まさに温度を一定に保つことが、効率的で、完全で、経済的かつ再現可能な洗浄プロセスに対して決定的に重要であることが示された。化学薬品を特定の臨界温度を超えて加熱するだけでは不充分である。最適な洗浄が行われるプロセスウィンドウは、きわめて狭く、正確に守られねばならない。
【0012】
技術的な問題は、通常の場合に片側だけを加熱することにあり、その結果、液体、特に、洗浄液体の温度に大きな影響を及ぼす熱勾配が存在する。
【0013】
したがって、本発明の課題は、特にフォトレジストで被覆された基材表面を処理、特に洗浄するための、特に枚葉式基材プロセス装置を基準とする方法および装置であって、前記洗浄が、比較的好都合かつ迅速に、特に、その上環境に優しく行われる前記方法および装置を企図することである。
【0014】
前記課題は、請求項1および8の特徴によって解決される。本発明の有利なさらなる実施態様は、下位請求項に示されている。本発明の範囲には、本願記載、請求項および/または図に示された少なくとも2つの特徴からなるあらゆる組み合わせも含まれる。提示される値の範囲では、記載された範囲内にある値は、限界値として開示されると見なされ、任意の組合せとして特許請求の範囲に記載可能である。
【0015】
本発明は、表面を処理、特に洗浄するための液体、好ましくは化学薬品を、可能な限り一定の温度に保つための、および好ましくは同時に、可能な限り均一な温度分布を保証するための装置および方法を記載している。本発明による実施態様は、洗浄プロセスのために使用されるのが好ましいが、液体を一定温度に保つ必要があるあらゆるプロセスに使用することができる。考えられるプロセスは:
・表面の洗浄
・仮着用接着剤(Temporaekleber)の温度処理、好ましくは、溶媒を蒸発させるための温度処理
・現像液プロセス
・基材表面上の化学薬品の成分の湿式化学析出
・電気化学析出
・(湿式化学)エッチングプロセス
・分子の自己組織化プロセス
・リフトオフプロセス。
【0016】
ここで、本発明は、主に、ストリッピング、つまり、膜、好ましくはフォトレジストを基材、特にウェハの表面から除去するために使用される化学薬品を温度調整するために使用される。ここで、とりわけ、本発明の基礎をなす考えは、特にストリッピングに最適な温度を、前記化学薬品に浸漬するのではなく、この化学薬品の上方で、制御可能な位置にある加熱器によって一定に保つことである。
【0017】
本発明による方法および装置は、基本的に、あらゆる液体を好適に温度調整するために使用することができる。しかし、特に、厚み対側面の径の比が小さい液体膜、特に、1未満:10、好ましくは1未満:100の比を有する液体膜の温度の調整が実施されるのが好ましい。この液体は、いずれの種類の化学薬品、好ましくは、洗浄化学薬品であってもよい。しかし、フォトレジストをストリッピングするための化学薬品であるのが好ましい。本発明によれば、特に以下の化学薬品を使用することができる:
・アセトン、
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
・メシチレン、
・MicroChemicals社のシリーズ、AZ 100、TechniStrip P1316、TechniStrip NI555、TechniStrip NI105、
・DMSOおよびNMP、
・TMA
・アミン
・ケトン
・ピラニアエッチング(Piranha Etch)
・アセトニトリル
・アニリン
・シクロヘキサン
・n−ペンタン
・トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)
・ジメチルアセトアミド
・ジメチルホルムアミド
・ジメチルスルホキシド
・1,4−ジオキサン
・酢酸
・無水酢酸
・酢酸エチルエステル
・エタノール
・二塩化エチレン
・エチレングリコール
・アニソール
・ベンゼン
・ベンゾニトリル
・エチレングリコールジメチルエーテル
・石油エーテル/石油ベンジン
・ピペリジン
・プロパノール
・炭酸プロピレン(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)
・ピリジン
・γ−ブチロラクトン
・キノリン
・クロロベンゼン
・クロロホルム
・n−ヘプタン
・2−プロパノール(イソプロピルアルコール)
・メタノール
・3-メチル−1−ブタノール(イソアミルアルコール)
・2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)
・塩化メチレン
・メチルエチルケトン(ブタノン)
・N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
・N−メチルホルムアミド
・テトラヒドロフラン
・乳酸エチルエステル
・トルエン
・ジブチルエーテル
・ジエチレングリコール
・ジエチルエーテル
・ブロモベンゼン
・1−ブタノール
・tert−ブチルメチルエーテル(TBME)
・トリエチルアミン
・トリエチレングリコール
・ホルムアミド
・n−ヘキサン
・ニトロベンゼン
・ニトロメタン
・1,1,1−トリクロロエタン
・トリクロロエテン
・硫化炭素
・スルホラン
・テトラクロロエテン
・四塩化炭素
・水
・酸、特に
・H
2SO
3、H
2SO
4、HCL、H
3PO
4、HNO
3、H
2O
2、ギ酸、酢酸、
・ラウゲン、特に
・NaOH、KOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)
・前記化学薬品の混合物。
【0018】
本発明の技術的な利点は、使用する溶媒が少量であることにあり、この溶媒は、適切に温度を上げることができるものであり、およびその温度が連続的に監視されて、必要な場合に、きわめて制限された、狭いプロセスウィンドウで溶液プロセスを進行させるため、充分迅速に調整することができるものである。洗浄温度を、特に一定の加熱面温度にて、相応して正確に制御/調整することによって、洗浄する基材表面のきわめて効率的かつ繰り返し可能な洗浄が行われる。さらに、本発明による実施態様によって、均一な、それゆえ場所に左右されない温度分布が達成される。温度均一性は、基材から膜を均一に取り去ることを保証するために重要である。
【0019】
本発明による実施態様は、基材ホルダーと、この基材ホルダーの上方および/または下方に存在している、加熱面を備える加熱器とからなる本発明の実施態様にある。前記基材ホルダーは、基材を、好ましくはウェハを、より好ましくは半導体ウェハを、最も好ましくはシリコンウェハを固定することができ、かつ基材上に塗布された液体の流出を側面の周縁によって阻止するように設計されているものである。この基材ホルダーは、前記固定された基材が、導入された液体のための床を形成し、および前記周縁が、前記液体の流出を阻止するように作られているのが好ましい。前記周縁は、前記基材ホルダー上にのっている基材と一緒になって、洗浄の間に洗浄剤を収容するための槽を形成している。この構造に関する実施態様については、特に、PCT/米国特許出願公開第2012/066204号の開示が参照される。
【0020】
前記基材ホルダーは、シャフト上にあるのが好ましく、このシャフトは、その軸を中心に回転しうるものである。それによって、洗浄工程が行われた後に、前記化学薬品を振り落とすことによって除去が可能になる。さらに、本発明によれば、洗浄プロセスの間に前記基材ホルダーを回転させることは、基材表面に沿う温度の均一化、およびそれにしたがって、均一的な洗浄および膜の基材表面からの剥離に役立ちうる。温度の均一化は、最も理想的には、基材ホルダーの回転数が可能な限り小さい場合に達成される。ここで、毎分回転数(英語:rounds per minute、rpm)は、3000未満、好ましくは1000未満、より好ましくは500未満、最も好ましくは100未満、きわめて好ましくは50未満、最も好ましくは30〜0である。回転の代わりに、前記基材ホルダーを、シャフトを中心に軽く振動させることも考えられる。その場合、本発明によれば、前記基材ホルダーは、シャフト長軸を中心にねじり振動を行う。ここで、好ましいねじり周波数は、100Hz未満、好ましくは50Hz未満、より好ましくは30〜0Hzである。さらに、前記化学薬品は、効率的な作用を発揮するために、超音波衝撃が加えられるのが好ましい。特に、洗浄液体を使用する場合、超音波は、特に前記表面の洗浄に好影響を及ぼすことがある。さらに、洗浄時間は減少する。超音波機器は、好ましくは、前記基材ホルダーに直接組み込まれているが、しかし、旋回アームによって液体の上方を動かして浸漬することができるものである。
【0021】
加熱器は、加熱面を基材に向けて、前記基材ホルダーの上方に存在しているのが好ましい。この加熱器は、特に、平面加熱器(Flaechenheizer)である。この平面加熱器は、洗浄する基材表面の0.1倍の大きさの加熱面、好ましくは同じ大きさの加熱面、より好ましくは1.5倍の大きさの加熱面、最も好ましくは2倍の大きさの加熱面を有しているものである。
【0022】
前記平面放熱器の形態は、前記基材の形態に一致しているのが好ましい。半導体産業では、円形の基材が使用されることが多いため、それゆえ前記加熱器は、円形の形態を有しているのが好ましい。前記加熱器の形態は、長方形、または前記基材の特別な形態に適合するものであってもよい。前記加熱器は、全面加熱器(Vollflaechenheizer)か、またはゾーン加熱器(Zonenheizer)である。全面加熱器の場合、加熱面全体の温度を調節および変化させることしかできない。ゾーン加熱器の場合、この加熱器の個々のセグメントの温度を調整することができる。ゾーン加熱器の好ましい実施態様は、中央の、中心にある円形の加熱エレメントと、この中央の加熱エレメントを取り囲む、中心に合わされた少なくとも1つの環状の加熱エレメントとからのみなる。殊に特別な実施態様では、前記加熱器は、円形セグメントのように形成されている。前記化学薬品を相応して全面的に温度加熱(Temperaturaufschlagung)でき、前記化学薬品もしくは前記試料ホルダーと、加熱面もしくは加熱器との間で相対回転が行われる。前記加熱器のこの特別な形態は、特に、場所によって異なる伝熱特性の補整に役立つ。しかし、この特別な実施態様では、前記加熱器が動くのが好ましく、それによって、液体は、不必要な振動をしない。前記化学薬品もしくは前記試料ホルダーの間の相対回転は、最も理想的には、前記基材ホルダーの回転数が可能な限り小さい場合に達成される。ここで、毎分回転数は、3000未満、好ましくは1000未満、より好ましくは500未満、さらに好ましくは100未満、最も好ましくは10未満、きわめて好ましくは1未満である。きわめて特別な実施態様では、試料ホルダーおよび加熱器は、互いに逆方向に動いてよい。
【0023】
本発明によれば、前記加熱器は、25℃超、好ましくは100℃超、より好ましくは200℃超、さらに好ましくは300℃超、最も好ましくは400℃超の加熱温度に調節される。ここで、上下への温度調整の精度もしくは偏差は、特に10℃、好ましくは5℃、より好ましくは1℃、さらに好ましくは0.1℃、最も好ましくは0.01℃よりも優れている。殊に特別な実施態様では、前記液体の温度は、常に、引火点付近で、またはさらには引火点を軽く上回って保たれる、それというのは、所望の処理、特に洗浄が、この温度範囲内で効率的に実施されうるからである。
【0024】
前記加熱器は、基材表面と距離をおいて配置されているか、もしくは洗浄する基材上の液体もしくは洗浄液体、特に化学薬品の表面と距離をおいて配置されている。本発明によれば、特に、洗浄プロセスの間、加熱面と洗浄液体の表面との距離を変える必要がありうるため、前記加熱器は、液体表面から離れるか、またはこの表面に接近する。前記加熱器の好ましい距離は、100mm未満、好ましくは50mm未満、より好ましくは25mm未満、さらに好ましくは10mm未満、最も好ましくは1mm未満である。
【0025】
本発明によれば、特に、特定の適用の場合、通路スペース(Abstandskorridor)があらかじめ定められており、この通路スペースは、経験的に求められるものであり、前記装置および前記方法工程を制御するための制御装置に保管されている。前記加熱面は、この通路スペース内で、基材表面に対して垂直に動くことが可能である。本発明による運動は、特に、直線運動として、相応の駆動手段を用いて行われる。
【0026】
第一の好ましい実施態様では、複数のセンサーが前記加熱器内に統合されており、それらのセンサーを使用して液体表面の温度を測定することができる。
【0027】
第二の、あまり好ましくないが、考えられる実施態様では、前記センサーは、洗浄する基材の下側の試料ホルダー内に統合されている。この実施態様の欠点は、前記試料ホルダー内に組み込まれたセンサーと、化学薬品との間にある部品が、温度を誤り伝えて(verzerren)、品質を落としうることにある、それというのは、熱対流および熱放射による熱が、化学薬品から前記センサーまでの途中で部分的に失われうるからである。
【0028】
本発明によれば、標準浴(Eichbad)および標準基材(Eichsubstrat)による前記センサーの較正が考えられる。本願特許文献のさらなる過程には、特に、前記好ましい第一の実施態様が記載されている。
【0029】
前記センサーの精度は、特に10℃、好ましくは5℃、より好ましくは1℃、さらに好ましくは0.1℃、最も好ましくは0.01℃よりも優れている。本発明によれば、センサーとして、好ましくは、サーモメーター、ボロメーター、またはパイロメーターが考慮に入れられる。温度測定は、化学薬品が不所望の金属によって汚染されないように、および温度測定器を洗浄する必要が可能な限りほとんどないように、非接触で行われるのが好ましい。本発明によれば、直接液体に浸漬する温度センサーによる温度の測定が考えられる。このセンサーは、確かに、現場で分析された温度データを提供するものではないが、液体全体のきわめて正確な平均温度を提供するものである。さらにより好ましい実施態様では、複数の温度センサーが、液体と境界をなしている前記試料ホルダーの縁に沿って、液体容量の高さに取り付けられており、そのようにして、液体の周囲に沿って温度測定が可能である。
【0030】
前記加熱器は、1つ超のセンサーおよび/または複数のセンサーの種類を有していてよい。複数のセンサーが、特に、前記加熱器に左右対称に配分されているのが好ましく、前記加熱器、特に加熱面に、左右対称の模様の形態で配置されているのがより好ましい。それによって、液体表面の温度分布のin−situ測定が可能になる。複数のセンサーを使用することが、不可能または不所望である場合、個々のセンサーは、前記加熱器の中央に存在しているのが好ましい。
【0031】
本発明による実施態様は、前記加熱器を所定の温度に予熱することにある。本発明によれば、前記温度は、特に、洗浄温度を上回っている、それというのは、前記加熱面で発生した熱量は、損失なく液体表面に達するのではなく、部分的に失われるからである。きわめて多くの適用の場合、前記加熱器の温度は、前記化学薬品の引火点を上回っている。前記加熱器の目標温度に達した後、液体表面の温度の測定が始まる。実際温度が、所定の目標温度(液体温度)よりも低い場合、加熱器と液体表面との距離は狭められる。前記加熱器を液体表面に接近させるか、または前記試料ホルダー持ち上げて液体表面を前記加熱器もしくは前記加熱面に接近させることが考えられる。第一の実施態様が好ましい、それというのは、前記化学薬品は、それによってz方向に動かず、したがって、比較的穏やかな表面を有しているからである。したがって、本特許文献のさらなる過程には、常に、前記加熱器が動かされる前記好ましい実施態様が記載されている。
【0032】
ここで、前記接近は、モーター制御によって、調整ループのアルゴリズムに応じて行われる。特に加熱板に配置された加熱面が液体表面に接近することによって、前記発生した熱流量を橋渡しする距離が減少し、それによって、熱出力が同じ場合、加熱器と液体表面との間で失われる熱量は比較的少ない。
【0033】
実際温度が、目標温度よりも高い場合、冷却は、前記加熱器を調整ループによって液体表面から離して間接的に行われ、それによって、熱流量のための比較的大きい経路(加熱面と液体表面との距離)が結果として生じる。この比較的大きい経路によって、相応の熱量が液体表面に達する前に、比較的多くの熱量が熱流量から失われる。したがって、前記液体、前記基材および本発明による実施態様の装置全体それ自体の絶えず進行する熱排出によって一定に冷却されて、それによって、実際温度は目標温度に収斂する。
【0034】
前記加熱器を、z方向(加熱面および/または液体表面および/または基材表面に対して垂直)に直線運動させるためのモーター、ならびに前記液体表面の温度を測定するためのセンサーは、特に、調整ループで互いに連結している。この調整ループは、ソフトウェアおよび/またはハードウェア−Proportional−Integral−Differential controller(PID−Controller(PID制御器))である。
【0035】
さらなる本発明による実施態様は、一方では、前記基材または前記基材ホルダーも、前記加熱器も、その温度を連続的に変化させる必要がないことにある。基材ホルダーおよび/または加熱器の温度変化は、相応して費用がかかり、手間がかかり、および制御しにくい。このことは、特に、基材ホルダーおよび/または加熱器が、高い熱容量およびわずかな伝熱性を有しており、したがって、温度の変化に、相応して長時間を要する場合、特に、変化する温度差異が大きい場合にあてはまる。本発明によれば、前記加熱器のみが一定の温度に保たれる。前記加熱器が、加熱面上で、所定の加熱面温度に達している限り、液体温度の調整は、特に、前記加熱器の加熱面をz方向に接近または動かしてのみ行われる。前記加熱器は、PID制御器および温度センサーの測定データによって、そのz位置が変えられるため、実際温度は、目標温度、ストリッピングのプロセス温度と可能な限り等しい。
【0036】
さらなる本発明による実施態様は、前記加熱器を前記化学薬品に浸漬する必要がもはやないこと、つまり、非接触式もしくは接触せずに加熱することにある。それによって、複数の問題が同時に解決される。第一に、すでに温度が上げられた加熱器を浸漬する場合、または常温で前記化学薬品に浸漬されて、その後温度が上げられた加熱器を浸漬する場合、前記化学薬品は、過熱により、自発的にまたは少なくともゆっくりと蒸発する。このことは、本発明によって回避される。
【0037】
第二に、前記加熱器を浸漬しないことによって、前記化学薬品、およびそれにしたがって前記基材の表面は、前記加熱器の金属によって不純にされていない。前記加熱器は、特に、異なる金属で被覆されており、これらの金属は、前記化学薬品に溶解することがあり、それによって、除去する膜に前記化学薬品が作用する前および/またはその間および/またはその後に、前記基材表面も汚染し、このことによって、機能的ユニット、例えば、マイクロチップまたはメモリーチップがそこに存在している場合、重大な問題を引き起こしうる。
【0038】
第三に、前記加熱器の表面が前記化学薬品によって汚染されることが、少なくともほぼ阻止される。さらに、化学薬品に汚染された加熱器の使用は、極度に不均一な温度分布をもたらし、このことは、次に洗浄するバッチにおいて相応して悪影響を及ぼす。特に、相応して温度が高い場合、前記化学薬品が前記加熱器の表面で硬化することがあり、きわめて除去しにくい、硬化した外皮(Kruste)を形成することによって前記不均一な温度分布は成立する。この不純物は、一般に、前記加熱器の表面に不規則に現れるため、温度分布に相応の影響も及ぼしている。前記不純物の不規則な分布によって、不均一な温度分布が形成される、それというのは、不純物の箇所の熱は、前記加熱器から比較的排出しにくいからである。
【0039】
さらなる本発明による実施態様は、液体を前記基材の片側にのみ塗布することによって、この基材の反対側が汚染されないことにある。さらに、前記加熱器を加熱することによって、前記基材の表面付近の領域のみ、つまり、液体膜に熱負荷がかけられるため、前記液体を振り落として前記基材を取り除いた後、もう1つの、前記基材ホルダーおよび/または前記加熱器の長期間の冷却プロセスがその前に終了するのを待つ必要なく、即座に新規の基材を基材ホルダーに位置づけることができる。例えば、前記化学薬品が、加熱可能な基材ホルダーによって加熱される場合、前記基材全体は、充分に温められる。さらに、その次の、まだ常温の基材は、高温の基材ホルダーに装填される場合に損なわれることがある。したがって、新規の基材を装填する前に、前記基材ホルダーを冷却する必要があり、このことは、エネルギー、時間および費用と結びつく。
【0040】
本発明による実施態様では、中温もしくは高温の液体が振り落とされ、前記加熱器は、洗浄時よりも大きい距離をおいて安全な位置に動かされる。それに続いて、または同時に、加工処理済みの基材が取り除かれる。次の基材を洗浄するために、比較的低温で清潔な基材ホルダーが残る。
【0041】
本発明によれば、前記基材の交換もしくは新規の基材の脱装および装填の間、前記加熱器は、加熱温度に引き続き保たれてよいため、新規の基材の装填および新規の液体容量の塗布の直後に、前記加熱器を接近させることによって、一瞬の間に加熱を行うことができる。前記化学薬品の自然蒸発は、接近の間の前記加熱器内および相応して早期に停止された加熱器内の温度センサーで連続的に温度を測定することによって阻止される。
【0042】
さらなる本発明による考えは、本発明による装置が、前記基材ホルダーおよび前記基材の異なる熱損失に対応することができることにある。したがって、本発明によれば、異なる厚み、異なる膜、および異なる材料を有する多様な基材は、本発明による同一の装置で処理することができる。
【0043】
特別な実施態様では、前記加熱器は、セグメント加熱器として仕上げられている。本発明によるセグメント加熱器とは、個々のセグメントに区分された加熱器であると理解され、その加熱器によって、加熱温度は、局所的に、それぞれ個々のセグメントにおいて別個に調整されうる。相応のセグメントの直下の液体表面の温度、および/またはそれぞれのセグメントの加熱温度を測定することができるように、それぞれのセグメント内に少なくとも1つの温度センサーが配置されていることが特に好ましい。
【0044】
ここで、本発明によれば、前記加熱器のセグメントは、上から見て長方形に形成されているように企図されていてよい。代替的な実施態様では、前記セグメントは、環状に置かれており、ここで、環それぞれは、その周囲に沿って複数に区分されていてよい。さらなる実施態様では、正確に2つの環セグメントが存在しており、1つは縁に、1つは中央に存在している。殊に好ましい実施態様では、前記セグメントは、はちの巣状、つまり、六角形に仕上げられている。
【0045】
本発明による実施態様は、前記加熱器が前記化学薬品に浸漬するのを阻止する安全装置を有しているのが好ましい。これは、前記加熱器の側面に取り付けられた、液体に過敏に反応するピン(Stift)、および/または光学的距離測定装置、および/またはセーフガードを始動させる、閉じる電流接点であってよい。
【0046】
本発明による実施態様では、加熱器が前記基材ホルダー内に設けられていないにもかかわらず、特定の状況のもとでは、本発明による、前記基材ホルダーとは切り離されている加熱器の他に、さらに追加の加熱器を前記基材ホルダーに直接組み込むか、または前記基材ホルダー内に組み込まれている加熱器のみを使用することが利点であることがある。そのような加熱器は、特に、温度均一性に、予熱または温度維持に重要である。その場合、加熱器が組み込まれている基材ホルダーは、前記本発明による相応の方法が、そのような冷却された初期状態を必要とする場合、新たに装填する前に冷却が行われなければならないという欠点だけを有している。実際の本発明による、基材ホルダーと切り離されている加熱器に対して、温度センサー、セグメント化、能動的な温度調整に対する並進運動などに関してあらかじめなされる考慮はすべて、前記基材ホルダー内に組み込まれた加熱器も同じくあてはまる。同じく、前記基材ホルダー内もしくは基材ホルダー下に組み込まれた加熱器も、この基材ホルダーに向かって、またはこの基材ホルダーから離れて並進運動を行うことができるように設計されていてよいことを特に顧慮する必要がある。それによって、さらにまた、液体もしくは基材全体の下側からの本発明による能動的な温度調整は、前記加熱器の能動的な加熱および/または冷却によってではなく、前記加熱器の前記基材への、または前記基材からの運動によって可能になる。最も効率的な実施態様は、特に、相応に太い中空シャフトであり、この中空シャフト内で、本発明による加熱器は、第二のリフトシャフトに固定されて、この中空シャフト内部で、前記基材に向かって、または前記基材から離れて動くことができる。当然、加熱器が、静止状態で前記基材試料ホルダーに組み込まれていてもよい。
【0047】
前記処理する基材は、前記洗浄プロセスの間、完全に液体で覆われているのが好ましい。
【0048】
本発明による洗浄は、特に密閉可能で、蓋を取り外して使用しうる真空可能な洗浄チャンバー内で行われるのが好ましい。この洗浄チャンバーは、1bar(絶対圧)未満、好ましくは1mbar(絶対圧)未満、より好ましくは0.1mbar(絶対圧)未満、さらに好ましくは0.01mbar(絶対圧)未満、最も好ましくは0.0001mbar(絶対圧)未満の圧力に減圧されてよい。このような真空排気は、液体を導入する前に行われるのが好ましい。相応の比較的低い圧力は、大部分の液体を過度に低い温度で沸騰させる。しかし、真空排気は、不所望なガス成分、特に酸素を前記チャンバーから取り除いて、このチャンバーを、そのようにして前記プロセスに有利な所望のガス、好ましくは、火炎および燃焼を抑制するための不活性ガスでフラッシングもしくは充填する準備ができる。
【0049】
前記洗浄チャンバーは、全自動で制御可能かつプログラム化可能な排気制御を有しているのが好ましい。ここで、排気導管の体積流量は、1m
3/h〜1000m
3/h、好ましくは50m
3/h〜750m
3/h、より好ましくは100m
3/h〜500m
3/h、最も好ましくは70m
3/h〜150m
3/hである。
【0050】
特別な実施態様では、弁を介して前記洗浄チャンバーにガスを充填することが可能である。その場合、この洗浄チャンバーには、好ましくは超過圧力がかけられてもよい。ここで、圧力は、0.001mbar超、好ましくは0.1mbar超、より好ましくは1mbar超、さらに好ましくは1bar超、最も好ましくは5bar超である。前記基材の装填後、不所望な空気成分を除去するために前記チャンバーを(特に1bar未満、好ましくは1mbar未満、より好ましくは0.1mbar未満、さらに好ましくは0.01mbar未満、最も好ましくは0.0001mbar未満の圧力に)真空排気し、それに続いて、本発明によるプロセスに好影響を及ぼすガスを(特に、上記パラメーターで)充填することが特に有利である。これは、ガスが酸素を排除もしくは置換して、前記化学薬品の点火限界を低下させ、かつ好ましくはそれ自体酸化可能ではないか、またはきわめて酸化しにくいガスであるのが好ましい。その例は、窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトンである。熱容量が特に小さく、伝熱性が高いガスも特に好ましい。熱容量が小さければ小さいほど、温度単位あたりのガスを蓄積できる熱量はますます小さくなることがあり、および前記加熱器で温度変化が開始した場合に、前記化学薬品表面での熱変化の遅延がますます少なくなることが望ましい。したがって、前記系は、熱容量が可能な限り小さいガスを使用する場合、可能な限り小さい熱慣性を有しているのが望ましい。したがって、前記使用されるガスの比熱容量は、10J(g
*K)未満、好ましくは5J/(g
*K)未満、より好ましくは2J/(g
*K)未満、さらに好ましくは1J/(g
*K)未満、さらにより好ましくは0.5J/(g
*K)未満、最も好ましくは0.1J/(g
*K)未満であるのが望ましい。同時に、熱は、可能な限り迅速に前記加熱器から前記化学薬品に運ばれるのが望ましい。前記ガスの熱伝導性は、相応して大きいのが望ましい。したがって、熱伝導性は、10
-3W/(m
*K)超、好ましくは10
-2W/(m
*K)超、より好ましくは10
-1W(m
*K)超、さらに好ましくは1W(m
*K)超、最も好ましくは10W/(m
*K)超、殊に好ましくは100W/(m
*K)超であるのが望ましい。特に好ましくは、不活性ガスと、効率的な熱接触を担うガスとからなるガス混合物が混合されてもよい。
【0051】
前記液体は、前記基材が前記基材ホルダーに収容された後に、ホースおよび/またはノズルで塗布される。ノズルを使用する場合、好ましくは1つ超のノズル、より好ましくは5つ超のノズル、さらに好ましくは10つ超のノズル、最も好ましくは50つ超のノズルが、前記液体の塗布に用いられる。前記ホースおよび/または前記ノズルは、特に好ましくは、前記基材ホルダー内に存在していてよいため、前記基材ホルダーのきわめてすぐそばに近づけられた加熱器は、前記化学薬品の析出を妨げない。
【0052】
前記液体は、前記基材の表面に析出される前に、熱交換器を流れるのが好ましい。それによって、前記液体の予熱がすでに達成される。前記熱交換器の熱源は、前記加熱器の廃熱、および/または振り落とされた使用済みの液体、および/または電気加熱装置であってよい。
【0053】
前記化学薬品を前記基材の表面から振り落とした後、新たな化学薬品および/または水による洗浄が行われてよい。
【0054】
前記洗浄プロセスの終わりに、前記基材は、取り出される前にDI水(脱イオン水)で洗浄されてよい。前記洗浄は、1つまたは複数のノズルで行われるのが好ましい。
【0055】
本発明による装置は、有利な実施態様によれば、内部消火系が備えられており、この系は、火災警報器および/または少なくとも1つの吸引装置および/または不活性ガスでフラッシングするための供給部を有している。本発明によれば、消化系、真空可能かつ不活性ガスを充填可能なチャンバー、能動的に制御可能な調整器を使用することによって、自然発火させることなく、液体をその引火点を超えて加熱するのが特に容易になる。したがって、本発明によれば、最初に、液体を発火させることなく、この液体の引火点を超えて制御しながら温度を保つことができる装置が記載される。
【0056】
基材の表面を洗浄するための本発明によるプロセスは、特に以下の1つまたは複数の工程を、好ましくは下記順序で企図するものである:
・特に(洗浄)液体を収容する槽を形成するために、洗浄する基材を基材ホルダーに載せる工程、
・特に、予熱された(洗浄)液体を、前記基材表面上で析出する工程、
・特に、予熱された加熱器の加熱面を近づけて、この加熱面の加熱温度および/または液体表面の洗浄温度を連続的に測定する工程、
・前記加熱器を、液体表面の上方で、定義された距離をおいて、好ましいz位置で保持する工程、この位置では、前記液体表面は、所望の洗浄温度を有していることが保証される、
・前記液体表面の温度を連続的に測定して、必要な場合、前記加熱器のz位置もしくは距離を相応に再調整する工程、
・前記基材の表面が洗浄されるまで前記洗浄プロセスを実施する工程、
・前記加熱器を安全位置に動かす工程、
・特に、好ましくは傾斜のゆるやかな、前記槽の縁にそって前記基材表面から前記化学薬品を振り落とす工程、
・前記基材表面をDI水で再フラッシングおよび洗浄する工程
・前記加工処理した基材を前記装置から取り外す工程。
【0057】
前記順序のいくつかの工程は、実施する必要はない。さらに、記載されていない工程が、上記順序に組み込まれることも考えられる。複数の工程が同時並行に実施されることも考えられる。
【0058】
本発明による装置は、好ましくは、クラスター系の一部、より好ましくは、真空クラスター系の一部、さらにより好ましくは、高真空クラスター系の一部、最も好ましくは、超高真空クラスター系の一部である。
【0059】
したがって、本発明によれば、本発明による実施態様は、モジュール内に収容されていてよく、このモジュールは、前記真空クラスターの中央チャンバーに対して少なくとも1つのロック(Schleuse)で分離されているものである。本発明によれば、このロックによって、本発明による実施態様が存在しているモジュールの雰囲の、別のモジュール、特に前記真空クラスターの中央チャンバーからの分離を制御することができる。
【0060】
前記真空クラスターは、1bar未満、好ましくは10
-3mbar未満、より好ましくは10
-5mbar未満、最も好ましくは10
-8mbar未満の圧力に減圧されてよい。
【0061】
本発明による装置が存在しているモジュールは、好ましくは前記真空クラスターに左右されずに、1bar未満、好ましくは10
-3mbar未満、より好ましくは10
-5mbar未満、最も好ましくは10
-8mbar未満の圧力に減圧されてよい。
【0062】
本願において、および/または以下の図面の説明において、装置の特徴が開示されている限り、その特徴は、方法の特徴としても開示されると見なされ、逆もまたその通りである。
【0063】
本発明のさらなる特徴および実施態様は、請求項ならびに図に対する以下の図面の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図2a】本発明による加熱面の本発明による第一の実施態様を示す平面図
【
図2b】本発明による加熱面の本発明による第二の実施態様を示す平面図
【
図2c】本発明による加熱面の本発明による第三の実施態様を示す平面図
【
図2d】本発明による加熱面の本発明による第四の実施態様を示す平面図
【
図2e】本発明による加熱面の本発明による第五の実施態様を示す平面図
【
図2f】本発明による加熱面の本発明による第六の実施態様を示す平面図
【
図3】本発明による装置を備える本発明によるクラスター系を示す図
【0065】
図中で、同一または同一作用をする部分は、統一した記号で表されており、ここで、サイズの比率は、実例をあげて具体的に説明するために縮尺どおりではない。
【0066】
図1は、本発明による処理モジュール1の実施態様を示している。処理モジュール1は、下ハウジング半体2と上ハウジング半体3とからなる。ハウジング半体2、3は、任意であるが、密閉可能な仕様として使用されるのが好ましい。上ハウジング半体3は、取り外すことができる、もしくは持ち上げることができる、またはヒンジを中心に傾けることができる蓋として仕上げられているのが好ましく、特に、制御装置によって制御される。ハウジング半体2、3は、密閉して形成されているのが好ましいため、内部空間18は、真空排気されているか、または大気に対して超過圧力をかけることができる。
【0067】
下ハウジング半体2の内部に、基材ホルダー4が配置されている。基材ホルダー4は、特に、リフトシャフト7に固定されている。リフトシャフト7は、基材ホルダー4の回転運動だけでなく、基材10の装填を容易にするために、z方向の運動も可能にするものである。リフトシャフト7は、相応のモーター8によって制御される。モーター8は、(洗浄)液体19を基材10から振り落とす場合に、(洗浄)液体19による汚染を充分に阻止するために、保護カバー9で覆われていてよい。
【0068】
本発明により考えられる基材ホルダー4の実施態様は、好ましくはPCT/米国特許出願公開第2012/066204の実施態様に相当するものであり、その点でこれを参照する。基本的に、基材ホルダー4は、熱導管を介する熱流出が最小限に抑えられ、かつ可能な限り、この基材ホルダーの上方に配置されている加熱装置5の側から、可能な限り片側のみ加熱されるように設計されているのが望ましい。加熱器が、基材ホルダー4の下方にも配置されているのが望ましい場合、熱導管を介する熱流量は、最大になる。
【0069】
基材ホルダー4は、特に、槽の形態であって、特に、基材10をその裏面10rで収容するための環状肩部(ringfoermiger Absatz)4rを、好ましくは、側面縁の領域のみに備える槽の形態を有しており、ここで、基材10の内側領域は、少なくともほとんど支えられておらず、槽の空隙4hの上方に配置されている。
【0070】
基材10は、前記基材ホルダーのリングセクション4sと一緒になって、特に、槽状の液体収容部4fを形成している。この収容部は、前記基材の裏面10rに対して密閉されているのが好ましい。
【0071】
上カバー3の内側の少なくとも一部、および好ましくはそのカバーに固定されて、リフトシャフト7‘および加熱装置5の加熱器6を備えるモーター8‘がある。加熱器6は、リフトシャフト7‘によってz方向に調節可能である。リフトシャフト7‘としてのシャフトの仕様は、加熱器6の回転も可能にし、このことによって、相応してより優れた、かつ特に均一な温度分布がもたらされうる。リフトシャフト7‘の簡素な直線駆動の仕様も考えられる一方、加熱器6と基材4との間の相対回転運動は、リフトシャフト7によって行われる。
【0072】
加熱器6は、加熱面6uを有しており、この加熱面6uは、基材表面10sと向かい合って配置されており、本発明によれば、この基材表面に向かって、およびこの基材表面から離れてz方向で動くことができる。
【0073】
本発明による処理モジュール1の内部空間18は、吸引開口部12を介して真空が可能である。ガスまたは混合ガスを吸引開口部12およびそれに接続されている吸引導管13を介して導入することも考えられる。相応して、真空ポンプと前記吸引開口部との間に弁(図示されていない)が組み込まれ、このバルブは、真空が成功した後に、ガス源への切り替えを可能にするものである。吸引導管13とは別の、内部空間18へ向かうさらなる固有の導管もしくは複数の導管も考えられる。
【0074】
除去する膜17、特に、フォトレジストを備える基材10は、基材ホルダー4に位置付けられて固定される。次に、(洗浄)液体19の析出は、析出系11で行われる。液体19は、予熱されているのが好ましい。
【0075】
加熱器6は、加熱面6uにおいて加熱温度T
Hに加熱される。加熱面、特に、加熱面6uの中央に配置された温度センサー15もしくは複数の温度センサーは、加熱温度Tを加熱面6uで測定し、および/または液体19の洗浄温度T
Rを液体表面19fで測定し、液体19が所定の洗浄温度T
Rを有するまで加熱器6の位置をPID制御器(図示されていない)で調整する。
【0076】
図2a〜fは、本発明による加熱器の複数の実施態様6、6‘、6‘‘、6‘‘‘、6
IV、6
Vを示している。6つの異なる加熱器6、6‘、6‘‘、6‘‘‘、6
IV、6
Vの加熱面6u、6u‘、6u‘‘、6u‘‘‘、6u
IV、6u
Vが示されている。
【0077】
本発明による第一の実施態様では、加熱器6は、単独のセグメントからなる全面型の加熱面6uからなるものである。この全面型の加熱面6uの中央に、温度センサー15が存在している。
【0078】
第二の本発明による実施態様では、加熱器6‘は、円形セグメント16‘からなる加熱面6u‘からなる。円形セグメント16‘それぞれ(中央にあるセグメントも含む)は、複数の、特に3つの温度センサー15を有しており、この温度センサーは、特に均等に、好ましくは、それぞれ120°の角距離で分けられて周囲に配置されている。
【0079】
第三の本発明による実施態様では、加熱器6‘‘は、長方形のセグメント16‘からなり、その中央に温度センサー15がそれぞれ存在している。
【0080】
第四の本発明による実施態様では、加熱器6‘‘‘は、蜂の巣状の、六角形のセグメント16‘‘からなり、その中央に温度センサー15がそれぞれ存在している。
【0081】
第五の本発明による実施態様では、加熱器6
IVは、実質的に第二の実施態様に相当するものであり、円形セグメント16を比較的少なく、特に正確に2つしか有していない。
【0082】
第六の本発明による実施態様では、加熱器6
Vは、扇形16‘‘‘として形成されており、この扇形は、特に、円中心を回転可能である。
【0083】
図3に記載の実施態様では、本発明による装置は、クラスター系20、より好ましくは真空クラスター系の一部、さらにより好ましくは高真空クラスター系の一部、最も好ましくは、超高真空クラスター系の一部の処理モジュール1として配置されている。処理モジュール1は、少なくとも1つのモジュールロックゲート(Modulschleusentor)26によって、クラスター系20の中央チャンバー21と特に気密にして分離可能である。本発明によれば、モジュールロックゲート26によって、処理モジュール1の雰囲気と、別のモジュール25、特に中央チャンバー21との分離を制御することができる。
【0084】
前記クラスター系は、1bar未満、好ましくは10
-3mbar未満、より好ましくは10
-5mbar未満、最も好ましくは10
-8mbar未満の圧力に減圧することができる。
【0085】
処理モジュール1は、好ましくは中央チャンバー21または別のモジュール25内の圧力に関わらず、1bar未満、好ましくは10
-3mbar未満、より好ましくは10
-5mbar未満、最も好ましくは10
-8mbar未満の圧力に減圧することができる。
【0086】
中央チャンバー21の内部で、ロボット28は、基材10をモジュール25から処理モジュール1に搬送する。基材10は、まず、送入される基材のためのFOUP22のロック24を通って中央チャンバー21に到達する。クラスター系20の内部で基材10が成功裏に加工処理された後、ロボット28は、基材10をFOUP−ロック24を通して送出FOUP23内で下ろす。