(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227175
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20171030BHJP
H01R 13/504 20060101ALI20171030BHJP
H01R 13/58 20060101ALI20171030BHJP
H01R 13/405 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
H01R13/52 301A
H01R13/504
H01R13/52 Z
H01R13/58
H01R13/405
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-576101(P2016-576101)
(86)(22)【出願日】2015年6月23日
(65)【公表番号】特表2017-525101(P2017-525101A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】US2015037212
(87)【国際公開番号】WO2016003712
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】14/321,193
(32)【優先日】2014年7月1日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516388942
【氏名又は名称】ジオスペース テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ティモシー,デイ.
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第7033193(US,B2)
【文献】
米国特許第05984724(US,A)
【文献】
実開昭55−031202(JP,U)
【文献】
実開昭54−121291(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
H01R 13/405
H01R 13/504
H01R 13/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌コネクタと接続されて水密接続部を形成するように設計された雄コネクタを含む装置であって、
前記雄コネクタが、硬質ウレタン材料のプラグコネクタ本体と、ケーブル周りおよび前記プラグコネクタ本体の円筒形外面の一部分周りに配設されたコネクタオーバーモールドとを有し、前記オーバーモールドが比較的軟質のウレタン材料のものであり、
前記コネクタオーバーモールドおよび前記プラグコネクタ本体が、作製中に互いに嵌められたときに加熱され、それにより前記プラグコネクタ本体の前記硬質ウレタン材料の部分的な再溶融が、前記コネクタオーバーモールドの前記比較的軟質のウレタン材料と融着し、それにより前記コネクタオーバーモールドと前記プラグコネクタ本体の間で、接続が強化され水の漏入からの保護がもたらされ、
前記プラグコネクタ本体が、顕著な型分割線を有さないように成形されており、
前記プラグコネクタ本体は、前記コネクタオーバーモールドが周りに配置される前記円筒形外面を有する第1の円筒形部分と、第2の円筒形部分とを有し、前記第1の円筒形部分が前記第2の円筒形部分の半径よりも小さい半径によって画成され、前記第1の円筒形部分と前記第2の円筒形部分との間に環状ショルダが画成され、前記コネクタオーバーモールドの端部と前記プラグコネクタ本体の前記ショルダとの間にOリング溝が画成されている、前記装置。
【請求項2】
前記Oリング溝に受けられるOリングをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記雌コネクタが、前記プラグコネクタ本体と接続するように構成および設計された雌部分を含み、
前記プラグコネクタ本体と前記雌部分が互いに接続されるとき、前記雄コネクタの前記プラグコネクタ本体と前記雌コネクタの前記雌部分との間にOリングがシールを形成して、接続部に水が入るのを防止する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記雌コネクタが、内側シール領域を有する雌部分を含み、
Oリングが前記Oリング溝に受けられており、
前記プラグコネクタ本体と前記雌部分が互いに差し込まれるとき、前記雌部分の前記内側シール領域と、前記プラグコネクタ本体の前記ショルダとの間で、前記Oリングが圧縮される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
雌コネクタと接続されて水密接続部を形成するように設計された雄コネクタを含む装置であって、
前記雄コネクタが、
硬質ウレタン材料の成形プラグコネクタ本体であって、前記プラグコネクタ本体が、外側に面する第1の円筒形部分、および外側に面する第2の部分を有し、前記外側に面する第1の円筒形部分と前記外側に面する第2の部分との間に環状ショルダが画成され、前記外側に面する第1の円筒形部分が型分割線を有さない、プラグコネクタ本体と、
前記プラグコネクタ本体に接続され前記プラグコネクタ本体から延在するケーブルと、
前記ケーブル周りおよび前記プラグコネクタ本体の前記外側に面する第1の円筒形部分の一部分周りに配設された、比較的軟質のウレタン材料のものであるコネクタオーバーモールドと
を有し、
前記コネクタオーバーモールドと前記プラグコネクタ本体がともに融着され、
前記プラグコネクタ本体が、顕著な型分割線を有さないように成形されており、
前記コネクタオーバーモールドが、前記プラグコネクタ本体の前記環状ショルダに近接した端部を含み、前記オーバーモールド端部と前記環状ショルダとの間に環状空間が画成されている、前記装置。
【請求項6】
前記プラグコネクタ本体の前記外側に面する第1の円筒形部分の少なくとも一部が、前記コネクタオーバーモールドと融着される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記プラグコネクタ本体と前記コネクタオーバーモールドとの前記融着により、前記コネクタオーバーモールドと前記プラグコネクタ本体との間で接続が強化され水の漏入からの保護がもたらされる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記オーバーモールド端部と前記環状ショルダとの間の前記環状空間に受けられるOリングをさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記環状ショルダが型分割線を有さない、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記雌コネクタは、前記雄コネクタが前記雌コネクタに接続されている間に前記プラグコネクタ本体の少なくとも一部を受けるように構成および設計された雌部分を含み、
前記雄コネクタが前記雌コネクタに接続されている間に、前記プラグコネクタ本体と前記雌部分との間に前記Oリングが水密シールをもたらす、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記雄コネクタが前記雌コネクタに接続されている間に、前記雌コネクタの前記雌部分と前記プラグコネクタ本体の前記外側に面する第1の円筒形部分との間で、前記Oリングが径方向に圧縮される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
雌コネクタと接続されて水密接続部を形成するように設計された雄コネクタを含む装置であって、
前記雄コネクタが、
硬質ウレタン材料の成形プラグコネクタ本体であって、前記プラグコネクタ本体が第1の円筒形部分および第2の円筒形部分を有し、前記第2の円筒形部分が前記第1の円筒形部分よりも大きい直径を有し、前記第1の円筒形部分と前記第2の円筒形部分との間に環状ショルダが画成された、プラグコネクタ本体と、
前記プラグコネクタ本体に接続され前記プラグコネクタ本体から延在するケーブルと、
前記ケーブル周りおよび前記プラグコネクタ本体の前記第1の円筒形部分の一部分周りに配設されたコネクタオーバーモールドであって、前記プラグコネクタ本体の前記環状ショルダに近接する端部を有し、前記オーバーモールド端部と前記環状ショルダとの間に環状空間が画成される、コネクタオーバーモールドと
を有し、
前記コネクタオーバーモールド端部、前記環状ショルダ、および前記プラグコネクタ本体の前記第1の円筒形部分が、前記環状空間においてシールリング溝を画成し、
前記コネクタオーバーモールドが比較的軟質のウレタン材料のものであり、
前記コネクタオーバーモールドと前記プラグコネクタ本体の前記第1の円筒形部分がともに融着され、
前記プラグコネクタ本体が、前記第1の円筒形部分上に顕著な型分割線を有さないように成形されており、
Oリングが、前記シールリング溝に受けられ、前記プラグコネクタ本体の前記第1の円筒形部分を取り囲みそれに接触する、装置。
【請求項13】
前記雌コネクタは、前記雄コネクタが前記雌コネクタに接続されている間に前記プラグコネクタ本体の少なくとも一部を受けるように構成および設計された雌部分を含み、
前記雄コネクタが前記雌コネクタに接続されている間に、前記雌コネクタの前記雌部分と前記プラグコネクタ本体の前記第1の円筒形部分との間で前記Oリングが径方向に圧縮されて、前記プラグコネクタ本体と前記雌部分との間に水密シールをもたらす、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、防湿および防水完全性を有する電気コネクタまたは光ファイバコネクタの分野に関する。より詳細には、本発明は、コネクタの成形プラスチック部分に隣接するOリングシールの強化されたシーリング性能を提供する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタに対する用語「雄」および「雌」という呼称は、当分野において一貫して使用されているわけではない。一部のコネクタは、それらの電気コンタクトがソケットか、ピン(もしくはブレードなど)か、またはソケットとピンの組み合わせかに関わらず、それらのインサートが相手側コネクタのシェル内に受けられることから、「雄」と呼ばれる。本明細書で使用される「インサート」は、コンタクトを定位置に保持しそれらを互いに、およびシェルから電気的に絶縁するコネクタの部分を指す。インサートは、多くの円筒形コネクタ組立体の場合と同じく、コネクタ組立体の別個の取外し可能な構成要素である必要はなく、接合された単一のコネクタの同じ機能を果たす部分を含んでもよい。「シェル」は、コネクタの外側ケースまたは外面を指す。
【0003】
他のコネクタ(例えば、Dサブコネクタ)は、雄コネクタのシェルが雌コネクタのインサートを受けるにも関わらず、それらのピンコンタクトが相手側コネクタのソケットコンタクト内に受けられることから「雄」と呼ばれる。さらに、コネクタ対は、どちらのコネクタのシェルも相手側コネクタのインサートを受けないように、張り出したシェルを有さずに構成されてもよい。したがって、本明細書で使用される「雄」および「雌」という呼称は、コネクタ対の相補的なコネクタ同士を区別するために発明者の選好によって指定される。これらの用語は、いかなる制限的な態様で使用されることも意図されていない。
【0004】
他のコネクタ性別の呼称、例えば用語「プラグ」および「レセプタクル」、も電気コネクタの分野で使用される。口語的に使用されるように、「プラグ」のインサートが「レセプタクル」のシェル内に受けられる。プラグもレセプタクルも、ピン、ソケット、またはピンとソケットの組み合わせを有することが当分野で知られている。しかし、「プラグ」および「レセプタクル」という専門用語は、代替的な意味になることもある。例えば、「プラグ」は、ケーブルまたはコードの自由端を終端接続させるように設計されたコネクタとしても定義され、「レセプタクル」は、隔壁、壁、外枠、またはパネルに固定されたコネクタとして定義される。言い換えれば、どちらのインサートがどちらのシェル内に受けられるか、またはどちらのコネクタがピンコンタクト、ソケットコンタクトなどを有するかに関わらず、「プラグ」は移動可能なコネクタであり、「レセプタクル」は固定されたコネクタである。後者の専門用語を使用すると、2つのケーブルをつなげるときに「プラグ型」のコネクタは「プラグ」と称されることが多く、「ケーブルを接続するレセプタクル型のコネクタ」は「ケーブル接続プラグ」と称されることが多い。上記の定義にも関わらず、本明細書で使用されるとき、用語「プラグ」は単に他方のシェル内に受けられるコネクタインサートの部分を指し、用語「レセプタクル」は単に他方のインサートを受けるコネクタシェルの部分を指す。
【0005】
水中または湿潤な環境に配備されることになる電導線または光ファイバをつなげる必要があるときには、容易な嵌合および防水完全性を提供するように構築されたコネクタを使用することが好ましい。要求される特徴が、修繕可能なこと、または変更可能なことである場合、コネクタのケーブル端部をシールするために典型的にはOリング、ガスケット、またはパッキンが使用される。あるいは、再挿入が必要ない場合は、ケーブルジャケットとコネクタの間でシールが作られるように、コネクタがポッティング、接着接合、またはオーバーモールドされることがある。しかし、2つの嵌合したコネクタ間の境界面をシールすることは、従来からガスケットまたはOリングを使用することに限られており、ガスケットまたはOリングは、隣接面と一致するように圧縮され、それにより、繰り返し嵌合および嵌合解除することができる流体を通さないバリアまたはシールが作られる。
【0006】
2つのコネクタ間の共通の境界面は、圧縮係合してシールをもたらす1つのシーリング要素だけでシールされることが最も多い。シーリング要素は、コネクタを構成する別個の分離した一片であっても、単一の成形コネクタの切り離せない部分であってもよい。境界面シーリング要素が1つしかないコネクタ対は、シーリングの冗長性をもたらさず、したがってコネクタ境界面で不良シールがあると、接続の完全性を損なう可能性が高い。
【0007】
従来技術のコネクタ対が
図1に示されており、米国特許第7,195,505号明細書に記載されている。
図1は、外側端面および外側側面を有する円筒形プラグを画成するインサートを含む雄コネクタを示す。雄コネクタは、ソケットまたはピンなどの1つもしくは複数の電気コンタクトまたは光ファイバコンタクトを含む。雄コネクタのプラグは、外側端面から第1の長手方向距離にある、外側側面周りに配設された第1の環状溝、および外側端面から溝よりもさらに遠くなるように外側端面周りに突出する第1の環状可撓性シーリング要素によって特徴付けられる。
【0008】
図1に示される雌コネクタは、内側端面および内側側面を有するレセプタクルを画成するシェルを含む。雌コネクタは、嵌合を目的として雄コネクタのコンタクトに対応する1つもしくは複数の電気コンタクトまたは光ファイバコンタクトを含む。雌接続部のレセプタクルは、内側端面からおおよそ第1の長手方向距離にある内側側面周りに突出した第2の環状可撓性シーリング要素、および内側端面からおおよそ第2の長手方向距離にある内側側面周りに配設された第2の環状溝によって特徴付けられる。言い換えれば、レセプタクルは、プラグのシーリング要素がレセプタクルの溝に受けられ、その逆も同様になるようにプラグを取外し可能に受けるように構成および設計され、それにより冗長性のあるシールでコンタクトを動作可能に結合する。
【0009】
プラグの表面の外部円筒表面が、
図1のコネクタのインサートの内部円筒形表面と相互作用するコネクタのシーリング性能には問題が存在することがあり、したがって、コネクタにわずかな湿気の通路が形成される。この現象は、コネクタが高圧水環境にさらされる場合、特に問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主目的は、高圧水条件下で漏入を受ける可能性が少ないコネクタを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、雄コネクタに固定されるケーブル用の軟質プラスチックオーバーモールドを提供することであり、オーバーモールドは、顕著な型分割線(significant mold parting line)を有さない硬質成形プラスチックから形成されたインサートを囲むように設計される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、オーバーモールドおよびインサートが漏入を受けないように作製された、成形硬質プラスチックインサートおよび軟質オーバーモールドコネクタを含む電気コネクタに関する。
【0013】
本発明は、添付図面に表される実施形態に基づいて、以下で詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】1つの環状隆起シーリング要素および1つのシーリング要素受け溝を有する雄コネクタ、ならびに、1つの相補的なシーリング要素受け溝および1つの相補的な環状シーリング要素を有する雌コネクタを示す、従来技術のコネクタ対の断面図である。
【
図2】
図6の断面図に示される雄部分の切断線6−6を有する、本発明の接続部の雄部分の側面図である。
【
図3】
図7の断面図に示される雄部分の切断線7−7を有する、コネクタの雄部分の端面図である。
【
図4】コネクタの雄部分の後方からの立面図である。
【
図6】
図2の6−6線に沿って見た、雄コネクタの断面図である。
【
図7】
図3の7−7線に沿って見た、雄コネクタの断面図である。
【
図8】嵌合して接続する前の、雄コネクタおよび雌コネクタの側面図である。
【
図9】
図8の9−9線に沿って切り取られた、雄および雌コネクタの断面図である。
【
図10】互いに接続されて接続部を形成している、雄および雌コネクタの側面図である。
【
図11】
図10の11−11線に沿って切り取られた断面図である。
【
図12】
図11の12−12線に沿って切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2、
図3、
図4、および
図5は、雄コネクタ20の立面図である。結合ナット1が、硬質ポリウレタン製のプラグコネクタ本体2の外側の周りに位置づけられる。コネクタオーバーモールド5は、曲がり制限器としての役割を果たし、軟質ポリウレタン製である。オーバーモールド5は、ケーブル6周りに配設される。結合ナット1は、雌の結合片に結合ナット1をつなぎ留めるための横方向に延在するロック片8を有する(
図11を参照)。
【0016】
図6は、雄コネクタ20の
図2の6−6線から見た断面図である。
図7は、
図3の7−7線に沿って見た雄コネクタ20の断面図である。
図6はロック片8を示すが(
図2を参照)、
図7は
図6のロック片8から90°離れた向きに見ていることに注意されたい。
【0017】
オーバーモールド片5(軟質ポリウレタン製)がケーブル6およびプラグコネクタ本体2(硬質ポリウレタン製)周りに配置されるとき、強度および水の浸入からの保護を維持するために、基準線10を示すことによって参照される
図6の表面10は、それらが接するところで互いに接合されることが不可欠である。ポリウレタン材料で形成されるプラグコネクタ本体2は、型分割線ができる可能性がないように成形される。プラグコネクタ本体2もオーバーモールド5もポリウレタン材料のものであるので、プラグコネクタ本体2は硬質ポリウレタンのものであり、コネクタオーバーモールド片5は軟質ポリウレタンのものであるが、それらの溶融温度は同様である。作製中、互いに接続されている間に加熱されると、プラグコネクタ本体2の硬質ウレタンの部分的な再溶融が生じ、コネクタオーバーモールド5とプラグコネクタ本体2の10−10線に沿って材料の融着が起こる。
【0018】
図6および
図7に示されるように、コネクタオーバーモールド5は、Oリング溝、すなわちOリング14が配置される環状空間12、を提供するように、雄プラグコネクタ本体2と協調的に設計される。
図7および
図9は、雌部分18の対応するピン13と嵌合する(
図12を参照)プラグコネクタ本体2の接続ピン7を示す。以下で
図11および
図12に示されるように、アライメントキー路16がOリング14に接触し、それにより雄プラグコネクタ本体2と雌部分18との間に「シール」を提供して、接続部に水が入るのを防ぐ。この接続部は水道施設での用途に特に適合される。したがって、その意図される用途のために水密接続部が不可欠である。
【0019】
図8は、互いに差し込まれる前の向きに並べられた雄コネクタ20および雌コネクタ30の立面図である。結合ナット1のロック片8および雌部分30のロック片9は、プラグ接続に備えて位置合わせされている。
図8および
図9は、雌部分30の外部隆起らせん状コネクタ22、および雄コネクタ20の結合ナット1の内部部分隆起らせん状コネクタ24を示す。
【0020】
図10、
図11、および
図12は、互いに構成された雄コネクタ20および雌コネクタ30を有する接続部を示し、
図10は構成された接続部の立面図を示し、
図11は、11−11線に沿って見た
図10の接続部の断面図を示し、
図12は、
図11の12−12線に沿った接続部の断面図を示す。
【0021】
図11および
図12は、互いに嵌合した3つの電気プラグ(
図7を参照)のうちの1つを示す。
図11および
図12は、コネクタオーバーモールド5の長手方向端部と雄プラグコネクタ本体2のショルダ4との間に画成されたOリング溝にあるOリング14を示す。ショルダ4は、雄プラグコネクタ本体2の半径が異なる部分間に形成される。
【0022】
Oリング14は、雄プラグコネクタ本体2が雌部分18に挿入され、アライメントキー路16がOリング14の外面に接触するとき、Oリング環状空間12(
図6)に捕捉される。
【0023】
軟質ウレタンのコネクタオーバーモールド5は、Oリング14の材料よりも硬く、それにより環状空間12の1つの壁の変形から支持がもたらされる。オーバーモールド5の硬さは、90〜95のショアA硬さである。Oリング14は、好ましくは70以下のショアA硬さである。環状空間のプラグコネクタ本体2の反対側の壁は、オーバーモールド5よりも硬い硬質材料製である。
なお、本発明には、以下の態様も含まれることを付記する。
[1]
雌コネクタ(30)と接続されて水密接続部(40)を形成するように設計された雄コネクタ(20)を含む装置であって、
前記雄コネクタ(20)が、硬質ウレタン材料のプラグコネクタ本体(2)と、ケーブル(6)周りおよび前記プラグコネクタ本体(2)の円筒形外面の一部分周りに配設されたコネクタオーバーモールド(5)とを有し、前記オーバーモールド(5)が比較的軟質のウレタン材料のものであり、
前記コネクタオーバーモールド(5)および前記プラグコネクタ本体(2)が、作製中に互いに嵌められたときに加熱され、それにより前記プラグコネクタ本体(2)の前記硬質ウレタン材料の部分的な再溶融が、前記コネクタオーバーモールド(5)の前記比較的軟質のウレタン材料と融着し、それにより前記コネクタオーバーモールド(5)と前記プラグコネクタ本体(2)の間で、接続が強化され水の漏入からの保護がもたらされる、装置。
[2]
前記プラグコネクタ本体(2)が、前記プラグコネクタ本体(2)と前記コネクタオーバーモールド(5)の接続中に前記コネクタオーバーモールド(5)と部分的に融着する前に、型分割線を有さないように成形される、[1]に記載の装置。
[3]
前記プラグコネクタ本体(2)が、前記コネクタオーバーモールド(5)が周りに配置される第1の円筒形部分と、第2の円筒形部分とを有し、前記第1の部分が前記第2の部分の半径よりも小さい半径によって画成されて、前記2つの部分の間に環状ショルダ(4)が画成され、
前記コネクタオーバーモールド(5)の端部と前記プラグ本体(2)の前記ショルダ(4)との間にOリング溝が画成される、[1]に記載の装置。
[4]
前記雌コネクタ(30)が、前記プラグコネクタ本体(2)と雌部分(18)が互いに差し込まれるとき、Oリング(14)をシールする隣接キー路(16)を有する前記雌部分(18)を含む、[1]に記載の装置。
【符号の説明】
【0024】
1 結合ナット
2 プラグコネクタ本体
4 ショルダ
5 コネクタオーバーモールド
6 ケーブル
7 接続ピン
8 結合ナットのロック片
9 雌部分のロック片
10 オーバーモールドとプラグコネクタ本体との間の表面に対する基準線
12 環状空間
13 雌部分のピン
14 Oリング
16 アライメントキー路
18 雌部分
20 雄コネクタ
22 雌部分の隆起らせん状コネクタ
24 結合ナットの隆起らせん状コネクタ
30 雌コネクタ
40 接続部