(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具を例示するものであって、本発明はそれらを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0019】
なお、以下の説明では、本発明を自動二輪車に適応させた場合を例として用いるが、本発明の適用は自動二輪車に限定されず、その他の車両であってもよい。
(第一実施例)
(ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11の構成)
【0020】
本発明を適用した第一実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11の使用時の外観図を
図1に、正面図を
図2に、分解図を
図3に、回転側アタッチメントを示す図を
図4Aに、固定側アタッチメントを示す図を
図4Bに、
図2におけるA−A'断面図であって、外力が所定の閾値を超えていない場合の断面図を
図5Aに、外力が所定の閾値を超えた場合の断面図を
図5Bに示す。
【0021】
これらの図に示すように、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11は、自動二輪車から取り外されたサイドミラーMIのステーが取り付けられ、外力によって回転する回転側アタッチメント12(特許請求の範囲における「回転部」の一例に対応する。詳細は後述する。)と、サイドミラーMIが取り外された自動二輪車のハンドルHAに固定され、回転側アタッチメント12を回動可能に支持する固定側アタッチメント13(特許請求の範囲における「固定部」の一例に対応する。詳細は後述する。)とを備えている。
【0022】
また、固定側アタッチメント13は、回転側アタッチメント12の回転軸方向及び回転半径方向への移動を制限する組付ボルト16(特許請求の範囲における「係合部」の一例に対応し、回転側アタッチメント12が固定側アタッチメント13から外れ、抜け落ちるのを防止するための部材である「ストッパー部」の一例にも対応する。詳細は後述する。)を有し、回転側アタッチメント12と係合する面に第一孔部132が設けられている。
【0023】
さらにまた、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11は、第一孔部132に挿入され、回転側アタッチメント12の回転軸方向に回転側アタッチメント12と固定側アタッチメント13とが互いに常時
離反するよう弾性的に付勢するバネ14(特許請求の範囲における「発条部」の一例に対応する。)と、固定側アタッチメント13及び回転側アタッチメント12にバネ14を介して挟まれ、外力を回転側アタッチメント12の回転方向とバネ14の収縮方向の力に滑らかに変換することで、回転側アタッチメント12を回動させたり、係止させるための鋼球15(特許請求の範囲における「球体部」の一例に対応する。)とを備えている。
【0024】
さらにまた、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11は、外力が所定の閾値を超えるまでは、回転側アタッチメント12が固定側アタッチメント13に対して回転しないよう、回転側アタッチメント12と固定側アタッチメント13とが係合し、外力が閾値を超えると、バネ14が収縮して、回転側アタッチメント12が回転するよう、回転側アタッチメント12と固定側アタッチメント13とが係合するよう構成されている。
(回転側アタッチメント12)
【0025】
ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11の回転側アタッチメント12は、サイドミラーMIのステーが取り付けられるとともに、外力が加えられた際に、回転することで、サイドミラーMIが歩行者等に接触した場合などに、衝撃を緩和し、歩行者の傷害を防ぐとともに、サイドミラーMIの破損を防ぐ部材である。
【0026】
図1乃至
図5に示すように、回転側アタッチメント12は、例えば円柱形状の鋼鉄からなり、円柱形状の回転側アタッチメント12の一方の平面であるステー取付面124には、サイドミラーMIのステーを取り付ける第一取付部121が、回転側アタッチメント12の他方の平面で、固定側アタッチメント13と係合する第一係合面125(特許請求の範囲における「係合部」の一例に対応する。)には、鋼球15の球面の一部を覆う球欠状の球欠状凹部122が、例えば回転側アタッチメント12の回転軸を中心に等間隔に4箇所形成されている。
【0027】
また、回転側アタッチメント12は、回転軸に沿って二段階に径が変化する挿通孔123を有し、挿通孔123を貫通する組付ボルト16が固定側アタッチメント13に螺合されることによって定位置に固定される。回転側アタッチメント12は、組付ボルト16の外に張り出した頭部161と挿通孔123の径の切り替わり面である段差部1231とによって、回転軸方向への移動が制限されると共に、挿通孔123の穴径が組付ボルト16の外径よりも若干大きいため、組付ボルト16を回転軸として回動可能に取り付けられている。
【0028】
本実施形態の回転側アタッチメント12の材質は、鋼鉄であるが、鋼鉄に限られず、ステンレスやチタンなど適宜選択可能で、錆難い材質が好ましい。
(第一取付部121)
【0029】
第一取付部121は、自動二輪車のサイドミラーMIのステーのネジ部と螺合するネジ穴である。本実施形態の第一取付部121のネジのサイズはM8であるが、M8に限られず、一般的なバイクのステーのネジサイズの一つであるM10など、本件発明を適用する車両のサイドミラーのステーの雄ネジに螺合すればよい。
(球欠状凹部122)
【0030】
球欠状凹部122は、第一係合面125に、組立時に鋼球15の一部を覆い、バネ14の付勢力によって押圧されるよう、回転側アタッチメント12の回転軸を中心とした同一円周上に90度毎に形成された球冠形状の凹みである。球欠状凹部122は、本実施形態の位置及び数に限定されず、回転対称性を有する位置に設けられていればよい。また、深さや形状はバネ14の付勢力や、外力に対する移動しやすさなどに応じ適宜変更可能である。
(挿通孔123)
【0031】
挿通孔123は、回転側アタッチメント12の回転軸廻りに、ステー取付面124側から組付ボルト16が挿入されるよう形成された、A−A'断面視T型の貫通孔である。ステー取付面124側の孔は、直径が、組付ボルト16の頭部161が収まるような円柱形状に、第一係合面125側は、直径が、組付ボルト16の円筒部162またはネジ部163よりやや大きな径を有する円柱形状に形成されている。なお、挿通孔123は、前記形状に限られず、回転側アタッチメント12の回転を妨げることなく、組付ボルト16を固定側アタッチメント13に固定することができる形状であればよい。
(固定側アタッチメント13)
【0032】
ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11の固定側アタッチメント13は、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11を自動二輪車に固定し、回転側アタッチメント12を回動可能に支持する部材である。
【0033】
図1乃至
図5に示すように、固定側アタッチメント13は、例えば円柱形状の鋼鉄から形成される。回転側アタッチメント12と係合する第二係合面133(特許請求の範囲における「係合部」の一例に対応する。)には、バネ14が挿入される第一孔部132と、組付ボルト16のネジ部163と螺合する組付ボルト締結部134が設けられ、第二係合面133に対向する面には、サイドミラーMIを取り付けるために、予め自動二輪車に設けられているネジ穴と螺合する第二取付部131を備えている。固定側アタッチメント13は、第二取付部131を介して、自動二輪車に固定されるとともに、第二係合面133と第二係合面133から回転側アタッチメント12側に垂直に延伸される側壁135とによって形成される凹みに、回転側アタッチメント12が一部挿入される。
【0034】
固定側アタッチメント13の材質は、本実施形態においては、鋼鉄(SS400)であるが、鋼鉄に限られず、ステンレスやチタンなど適宜選択可能で、錆難い材質が好ましい。
(第二取付部131)
【0035】
第二取付部131は、固定側アタッチメント13の第二係合面133と対抗する面に設けられた、自動二輪車に予め形成されているネジ穴に螺合する雄ネジである。本実施形態の第二取付部131のネジのサイズはM8であるが、M8に限られず、一般的なバイクのステーのネジサイズの一つであるM10など、本件発明を適用する車両のネジ穴に螺合するものであればよい。
(第一孔部132)
【0036】
第一実施例の第一孔部132は、固定側アタッチメント13の中心軸を中心とした同一円周上に等間隔に4箇所形成された円柱形状の孔である。第一孔部132には、バネ14と、鋼球15が挿入される。
【0037】
第一孔部132は、この位置及び数に限定されず、第二係合面133に、球欠状凹部122に対応した位置に設けられていればよい。また、第一孔部132の形状は、バネ14の形状や付勢力に応じ適宜変更可能であり、バネ14と鋼球15の一部が挿入可能な大きさで、鋼球15がバネ14の付勢力によって常に第一係合面125または球欠状凹部122を付勢できる深さの孔であればよい。
(組付ボルト締結部134)
【0038】
組付ボルト締結部134は、第二係合面133の中心に設けられたネジ穴であり、組付ボルト16のネジ部163と螺合し、組付ボルト16を固定側アタッチメント13に締結する役割を担う。
(バネ14)
【0039】
図3乃至
図5に示すように、バネ14は、例えばピアノ線からなる、圧縮コイルバネである。バネ14は、第一孔部132に挿入され、鋼球15を支持するとともに、常時、鋼球15を第一係合面125または球欠状凹部122に押圧する。なお、
第一実施例においては、特許請求の範囲における「発条部」は、回転部と固定部と
が互いに離反するよう弾性的に付勢する部材であるが、回転部と固定部とを直接押圧するものに限られず、本実施形態のように、鋼球15を介して、間接的に押圧するものも含まれる。
(鋼球15)
【0040】
図3乃至
図5に示すように、鋼球15は、例えば市販の鋼球(SUJ2)である。鋼球15は、第一孔部132に挿入されたバネ14と、第一孔部132の曲面(側面)によって支持され、常時、第一係合面125または球欠状凹部122を押圧している。
(組付ボルト16)
【0041】
図3乃至
図5に示すように、組付ボルト16は、例えば市販のクロム・モリブデン鋼(SCM材)の六角穴付組付ボルト16である。
(ストッパー部)
【0042】
ストッパー部は、回転側アタッチメント12が固定側アタッチメント13から外れ、抜け落ちるのを防止するための部材である。ストッパー部は、回転側アタッチメント12の挿通孔123をステー取付面124側から第一係合面125側に貫通し、固定側アタッチメント13の組付ボルト締結部134と螺合することで、固定側アタッチメント13に固定された組付ボルト16の頭部161と、挿通孔123の段差部1231とが担う。固定側アタッチメント13から離れる方向に、回転側アタッチメント12が力を受けた際、組付ボルト16の頭部161が、挿通孔123の段差部1231に当たり、固定側アタッチメント13から離れる方向への移動を抑制し、回転側アタッチメント12が固定側アタッチメント13から外れ、抜け落ちるのを防止している。
(係合部17)
【0043】
係合部17は、第一実施例において、回転側アタッチメント12に加わる外力が、所定の閾値を超えるまでは回転側アタッチメント12の固定状態を維持し、所定の閾値を超えると、回転側アタッチメント12を回転させるための部材である。係合部17は、回転側アタッチメント12の回転軸方向及び回転半径方向への移動を制限する組付ボルト16と、回転側アタッチメント12の第一係合面125及び球欠状凹部122と、固定側アタッチメント13の第二係合面133及び第一孔部132と、第一孔部132に挿入されたバネ14によって弾性的に付勢され、常時、回転側アタッチメント12を押圧する鋼球15とで構成されている。
【0044】
バネ14は、第一係合面125と第二係合面133との対峙方向に付勢するよう、回転側アタッチメント12の球欠状凹部122と固定側アタッチメント13の第一孔部132との間に収縮した状態で介在し、バネ14の球欠状凹部122側に載置された鋼球15を介して回転側アタッチメント12の第一係合面125または球欠状凹部122を固定側アタッチメント13から遠ざかる方向に常時押圧している。
【0045】
回転側アタッチメント12は、鋼球15が、バネ14による押圧下で、球欠状凹部122によって被嵌されることで、回転軸方向には、剛球15を介したバネ14による付勢力と組付ボルト16の頭部161からの抗力とが釣り合い、且つ、回転側アタッチメント12の回転方向には、外力に対して球欠状凹部122に被嵌されている剛球15からの抗力が釣り合うため、所定の閾値を超える外力が加わらない限り、球欠状凹部122の位置に安定的に留まる。一方、回転側アタッチメント12は、鋼球15が、バネ14による押圧下で、第一係合面125と接触する位置にある場合、回転軸方向には、剛球15を介したバネ14による付勢力と組付ボルト16の頭部161からの抗力とが釣り合い、且つ、回転側アタッチメント12の回転方向には、鋼球15と第一係合面125とが僅か一点のみでの接触となり、外力に対する抗力が第一係合面125と第二係合面133との間の摩擦力のみになるため、容易に回転できる。
【0046】
これにより、回転側アタッチメント12は、所定の閾値を超える外力が回転方向に加わらない限り、回転側アタッチメント12の回転が妨げられる。言い換えると、回転側アタッチメント12は、外力が所定の閾値を超えるまでは回転せず、所定の閾値を超える外力が回転方向に加わることで回転し、鋼球15が球欠状凹部122によって被嵌される次の安定位置においても、所定の閾値を超える外力が加わっていれば、回転が維持される。この第一実施例においては、回転側アタッチメント12は、90°回転する毎に安定位置があるので、そのいずれかの安定位置において、所定の閾値を超える外力が加わっていなければ、その安定位置で固定される。
【0047】
この閾値は、この回転側アタッチメント12を回転させるのに要する外力の最小値と定義付けられるものであり(他の実施例においても同様である。)、回転側アタッチメント12に対して、例えば、瞬時に大きな力が加わるのか、或いは、緩やかに加わるのかという外力のかかり方や、鋼球15と球欠状凹部122との係合具合によって変わり得るため、固定値を必ずしも意味するものではない。
【0048】
また、この閾値は、大きすぎると、サイドミラーMIに衝撃が加わっても回転側アタッチメント12が回転せずに、サイドミラーMIが破損したり、運転者のハンドル操作を誤らせることになり、一方、小さすぎると、サイドミラーMIが安定して固定されなくなる。したがって、閾値は、小さな外力では回転せず、ある程度大きな外力に対しては回転可能な値をとる必要がある。このようなことから、係合部17は、回転側アタッチメント12に加わる外力が分力としてバネ14の延伸方向へ向かうよう係合具合が工夫されている。
【0049】
この第一実施例においては、球欠状凹部122が、鋼球15の全部ではなく一部が被嵌される程度に球欠状に凹んでいることで、外力が所定の閾値を超えるまでは、球欠状凹部122の球冠状の凹みが抵抗となるため、回転側アタッチメント12は一定の位置で固定される。一方、外力が所定の閾値を超えた場合、鋼球15は、球欠状凹部122の球冠状の凹みから脱し、回転側アタッチメント12は外力方向に回転する。鋼球15が球欠状凹部122の球冠状の凹みから脱する際、鋼球15の球体と球欠状凹部122の球欠状の凹みとの係合具合によって回転側アタッチメント12に加わる外力の延伸方向を元とする分力が発生する。この分力が、鋼球15に働き、バネ14を収縮させながら、鋼球15を第一孔部132内に押し込む。
【0050】
なお、第一実施例において、回転側アタッチメント12に球欠状凹部122が、固定側アタッチメント13に第一孔部132が設けられている場合について記載しているが、回転側アタッチメント12に第一孔部132が、固定側アタッチメント13に球欠状凹部122が設けられていてもよい。
(第二実施例)
【0051】
本発明を適用した第二実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21の正面図を
図6に、分解図を
図7に、回転側アタッチメントを示す図を
図8Aに、固定側アタッチメントを示す図を
図8Bに、
図6におけるB−B'断面図であって、外力が所定の閾値を超えていない場合の断面図を
図9Aに、外力が所定の閾値を超えた場合の断面図を
図9Bに示す。
【0052】
第一実施例では、係合部17は、バネ14によって押圧された鋼球15と、球欠状凹部122とが係合することで、回転側アタッチメント12を固定側アタッチメント13に係止させていたが、第二実施例では、後述する正四角錐形状の正角錐体凸部222(特許請求の範囲における「係合部」の一例に対応する。)と、後述する正角錐体凹部232(特許請求の範囲における「係合部」の一例に対応する。)とが係合することで回転側アタッチメント22を固定側アタッチメント23に係止させる。言い換えると、第一実施例では、鋼球15と球欠状凹部122が係合することで、回転側アタッチメント12の回転が係止し、或いは、始動したが、第二実施例では、正角錐体凸部222と正角錐体凹部232が全体として係合することで、第一実施例と同様、回転側アタッチメント22の回転が係止し、或いは、始動するよう構成されている。
【0053】
具体的には、第二実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21は、
図6乃至
図9に示すように、固定側アタッチメント23と対峙するよう係合し、回転側アタッチメント22の回転軸を中心として回転対称性を有するよう配される正四角錐形状の正角錐体凸部222、及び、回転軸に沿って第二孔部223が設けられた回転側アタッチメント22と、正角錐体凸部222と係合する正角錐体凹部232、及び、第二孔部223に挿入されたバネ24の一端を押さえるようバネ係止部25が設けられた固定側アタッチメント23とを備えている。以下、第一実施例と共通する部材の説明は簡略化または省略し、第一実施例と構成が異なる係合部26に重きを置いて説明する。
(正角錐体凸部222)
【0054】
正角錐体凸部222は、
図6乃至
図9に示すように、固定側アタッチメント23の正角錐体凹部232と係合させて、回転側アタッチメント22の回転を係止させ、或いは、始動させるための、回転側アタッチメント22の回転軸を中心として回転対称性を有するよう回転側アタッチメント22に凸起として設けられた正四角錐形状の係合面を有する部材である。なお、第二実施例では、正角錐体凸部222の形状を、正四角錐形状としているが、正四角錐形状に限られず、正角錐体であればよい。
(第二孔部223)
【0055】
第二孔部223は、回転側アタッチメント22の回転軸廻りに、ステー取付面224側からバネ係止部25が挿入されるよう形成された、B−B'断面視T型の貫通孔である。ステー取付面224側の孔は、直径が、バネ係止部25の頭部251が収まるような円柱形状に、正角錐体凸部222側は、直径が、バネ係止部25の円筒部252及びネジ部253よりやや大きな径を有する円柱形状に形成されている。なお、第二孔部223は、前記形状に限られず、回転側アタッチメント22の回転を妨げることなく、バネ係止部25を固定側アタッチメント23に固定することができる形状であればよい。
(正角錐体凹部232)
【0056】
正角錐体凹部232は、
図6乃至
図9に示すように、回転側アタッチメント22の正角錐体凸部222と係合させて、回転側アタッチメント22の回転を係止させ、或いは、始動させるための、回転側アタッチメント22の正角錐体凸部222が被嵌されるよう固定側アタッチメント23に凹みとして設けられた正四角錐形状の係合面を有する部材である。なお、本実施形態では、正角錐体凹部232の形状を、正四角錐形状としているが、正四角錐形状に限られず、正角錐体凸部222の形状と整合する正角錐体であればよい。また、第二実施例における被嵌とは、正角錐体凸部222と正角錐体凹部232とが噛み合っている状態を意味している。
(バネ24)
【0057】
図7乃至
図9に示すように、バネ24は、正角錐体凹部232と正角錐体凸部222との対峙方向に付勢するよう、回転側アタッチメント22の第二孔部223に挿入され、第二孔部223の底部2231と固定側アタッチメント23に取り付けられたバネ係止部25の頭部251との間に収縮した状態で介在し、固定側アタッチメント23と回転側アタッチメント22とが互いに近づく方向に常時押圧されるよう、第二孔部223の底部2231とバネ係止部25の頭部251とを常時押圧している。
なお、第二実施例においては、特許請求の範囲における「発条部」は、回転部と固定部とが互いに押圧されるよう弾性的に付勢する部材である。
(バネ係止部25)
【0058】
バネ係止部25は、挿入されるバネ24の付勢力によって、回転側アタッチメント22と固定側アタッチメント23とが互いに常時押圧されるよう、回転側アタッチメント22と固定側アタッチメント23とを係合させる部材であり、後述するストッパー部としての役割を担う。
【0059】
バネ係止部25は、例えば、
図7に示すように、固定側アタッチメント23に螺合するネジ部253と、伸縮自在にバネ24を通す円筒部252と、バネ24の一端によって、ネジ側の面が付勢される頭部251とからなる。円筒部252の長さは、バネ24の付勢力や第二孔部223の寸法に合わせて適宜調整できる。材質はステンレス等、適宜選択できる。
(ストッパー部)
【0060】
ストッパー部は、回転側アタッチメント22が固定側アタッチメント23から外れ、抜け落ちるのを防止するための部材である。ストッパー部は、回転側アタッチメント22の挿通孔223をステー取付面224側から正角錐体凸部222側に貫通し、固定側アタッチメント23のバネ係止部締結部233と螺合することで、固定側アタッチメント23に固定されたバネ係止部25と、第二孔部223の底部2231とが担う。第一実施例におけるストッパー部は、回転側アタッチメント12が固定側アタッチメント13から離れる方向への移動を抑制する一方、第二実施例におけるストッパー部は、回転側アタッチメント12が固定側アタッチメント13から離れる方向への移動を、バネ係止部25の頭部251と、第二孔部223底部2231と、バネ24とによって制限している。
(係合部26)
【0061】
係合部26は、第二実施例において、回転側アタッチメント22に加わる外力が、所定の閾値を超えるまでは回転側アタッチメント22の固定状態を維持し、所定の閾値を超える場合には、回転側アタッチメント22を回転させるための部材である。係合部26は、固定側アタッチメント23の正角錐体凹部232と、第二孔部223に挿入されたバネ24によって弾性的に付勢され、常時、固定側アタッチメント23を押圧する、回転側アタッチメント22の正角錐体凸部222とで構成されている。
【0062】
バネ24による押圧下で、正角錐体凸部側辺2222と正角錐体凹部第一側辺2322とが接触する位置にある場合、正角錐体凸部222が正角錐体凹部232によって被嵌される。これによって、回転側アタッチメント22は、回転軸方向には、バネ24による付勢力と正角錐体凹部232からの抗力とが釣り合い、且つ、回転側アタッチメント22の回転方向には、外力に対して正角錐体凹部232からの抗力が釣り合うため、所定の閾値を超える外力が加わらない限り、正角錐体凹部232の位置に安定的に留まる。一方、回転側アタッチメント22は、正角錐体凸部222の正角錐体凸部側辺2222が、バネ24による押圧下で、正角錐体凹部第二側辺2323と接触する位置にある場合、回転軸方向には、バネ24による付勢力と正角錐体凹部232からの抗力とが釣り合い、且つ、回転側アタッチメント22の回転方向には、正角錐体凸部222と正角錐体凹部232との接触面が、正角錐体凸部222の正角錐体凸部側辺2222と正角錐体凹部第二側辺2323とが交差する点のみとなり、外力に対する抗力となる摩擦力を生ずる面積が極めて小さくなるため、容易に回転できる。
【0063】
これにより、回転側アタッチメント22は、外力が所定の閾値を超えるまでは回転せず、所定の閾値を超える外力が加わることで回転し、正角錐体凸部222が正角錐体凹部232によって被嵌される次の安定位置においても、所定の閾値を超える外力が加わっていれば、回転が維持される。この第二実施例においては、回転側アタッチメント22は、正角錐体の正角錐体凸部側面2221の数と同数の安定位置があるので、そのいずれかの安定位置において、外力が所定の閾値を超えるまでは、その安定位置で固定される。閾値については第一実施例と同じであるため省略する。
【0064】
この第二実施例においては、外力が所定の閾値を超えるまでは、正角錐体凹部232が正角錐体凸部222を被嵌し、正角錐体凸部側面2221と正角錐体凹部側面2321との接触が抵抗となるため、回転側アタッチメント22は一定の位置で固定される。一方、外力が所定の閾値を超えた場合、正角錐体凸部222は、正角錐体凹部232によって被嵌されている状態から脱し、回転側アタッチメント22は外力方向に回転する。正角錐体凸部222が被嵌されている状態から脱する際、正角錐体凸部222と正角錐体凹部232との係合具合によって回転側アタッチメント22に加わる外力を元とするバネ24の延伸方向の分力が発生する。この分力が、回転側アタッチメント22に働き、バネ24を収縮させながら、正角錐体凸部側面2221と正角錐体凹部側面2321とを非接触状態にする。
【0065】
なお、第二実施例において、正角錐体凸部222は、回転側アタッチメント22に設けられている場合について記載しているが、固定側アタッチメント23に設けられていてもよく、この場合、正角錐体凹部232は、回転側アタッチメント22に設けられる。また、第二実施例において、第二孔部223は、回転側アタッチメント22に設けられている場合について記載しているが、固定側アタッチメント23に設けられていてもよく、この場合、バネ係止部25は、回転側アタッチメント22に設けられる。
(第二実施例の変形例)
【0066】
本発明を適用した、第二実施例の変形例1及び第二実施例の変形例2は、第二実施例と略同様の構成であるが、回転側アタッチメント22を固定側アタッチメント23に係止させるための構成が異なっている。以下では、
図10に基づいて、本発明を適用した第二実施例の変形例1に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21aを、
図11に基づいて、本発明を適用した第二実施例の変形例2に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21bを説明する。
(第二実施例の変形例1)
【0067】
図10に示すように、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21aの回転側アタッチメント22a(第二実施例における「回転側アタッチメント22」に対応する。)は、回転軸を中心として回転対称性を有するよう、円周方向に山部225aと谷部226aとが交互に配される第一凹凸部222a(第二実施例における「正角錐体凸部222」に対応する。)を備えている。
【0068】
また、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21aの固定側アタッチメント23a(第二実施例における「固定側アタッチメント23」に対応する。)は、回転軸を中心として回転対称性を有するよう、円周方向に山部235aと谷部236aとが交互に配される第二凹凸部232a(第二実施例における「正角錐体凹部232」に対応する。)を備えている。
【0069】
ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21aは、第一凹凸部222aの山部225a(谷部226a)と第二凹凸部232aの谷部236a(山部235a)とを係合させることで、回転側アタッチメント22aを固定側アタッチメント23aに係止させる。なお、
図10において、第一凹凸部222aと第二凹凸部232aの山部及び谷部はそれぞれ8つであるが、これに限定されず、第一凹凸部222aと第二凹凸部232aが係合できればよい。
(第二実施例の変形例2)
【0070】
図11に示すように、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21bの回転側アタッチメント22b(第二実施例における「回転側アタッチメント22」に対応する。)は、回転軸を中心として回転対称性を有するよう、円周方向に2つの山部225bと1つの谷部226bとが交互に配される第一凹凸部222b(第二実施例における「正角錐体凸部222」に対応する。)を0°、120°、240°の位置に備えている。
【0071】
また、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21bの固定側アタッチメント23b(第二実施例における「固定側アタッチメント23」に対応する。)は、回転軸を中心として回転対称性を有するよう、円周方向に山部235bと谷部236bとが交互に配される第二凹凸部232b(第二実施例における「正角錐体凹部232」に対応する。)を備えている。
【0072】
さらにまた、回転側アタッチメント22bと固定側アタッチメント23bは、互いにインロー構造となっており、回転側アタッチメント22bはインロー構造の凸部227bを、固定側アタッチメント23bはインロー構造の凹部237bを有している。
【0073】
ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21bは、第一凹凸部222bの山部225b(谷部226b)と第二凹凸部232bの谷部236b(山部235b)、及び、回転側アタッチメント22bの凸部227bと固定側アタッチメント23bの凹部237bを係合することで、回転側アタッチメント22bを固定側アタッチメント23bに係止させる。なお、第一凹凸部222bと第二凹凸部232bの山部及び谷部、また、第一凹凸部222bの数は
図11に示される数に限定されず、第一凹凸部222bと第二凹凸部232bが係合できればよい。また、回転側アタッチメント22bが凹部を、固定側アタッチメント23bが凸部を有していてもよい。
(第三実施例)
【0074】
本発明を適用した第三実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具31の正面図を
図12に、分解図を
図13に、
図12におけるC−C'断面図を
図14に示す。
【0075】
第一実施例では、第一係合面125及び第二係合面133が回転側アタッチメント12の回転軸に垂直に形成され、バネ14が回転側アタッチメント12の回転軸に沿う方向に伸縮するよう配置されていたが、第三実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具31では、第一係合面322及び第二係合面332が回転側アタッチメント32の回転軸を中心とした円筒状曲面として形成され、バネ34が回転側アタッチメント32の回転半径方向に伸縮するよう配置されている。
【0076】
また、第一実施例では、固定側アタッチメント13は、その一部である第二取付部131を介して自動二輪車に固定されていたが、第三実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具31では、固定側アタッチメント33は、固定側アタッチメント33とは別体の部材である組付ボルト36(特許請求の範囲における「第二取付部」の一例に対応する。)によって、回転側アタッチメント32と共に自動二輪車に固定されている。
【0077】
さらに、第一実施例では、回転側アタッチメント12に設けられた第一取付部121を介して、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11とサイドミラーMIとが接続されていたが、第三実施例では、第一取付部371を介してサイドミラーMIと接続されたアダプタ37(特許請求の範囲における「第一取付部」の一例に対応する。)が、回転側アタッチメント32に設けられた第一筒状部321と螺合することにより、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具31とサイドミラーMIとが接続されている。
【0078】
以下、第一実施例と共通する部材の説明は簡略化または省略し、第一実施例と構成が異なる係合部26に重きを置いて説明する。
(回転側アタッチメント32)
【0079】
図12乃至
図14に示すように、回転側アタッチメント32は、内側にアダプタ37を螺合する雌ネジ面を有する第一筒状部321と、内径が組付ボルト36の頭部361を収容できる大きさとなっている第二筒状部322と、中心に組付ボルト36の円筒部362が挿通される円筒状貫通孔である挿通孔3231を有する第三筒状部323と、固定側アタッチメント33と係合する第四筒状部324とが、回転軸方向に重合した、内径が4段階に変化する円筒形状をなしており、第四筒状部324の内径面である第一係合面3241には、剛球35の球面の一部を覆う球欠状凹部3242が、例えば回転側アタッチメント32の回転軸を中心に等間隔に4箇所形成されている。
【0080】
また、回転側アタッチメント32は、組付ボルト36によって、第四筒状部324に嵌合された固定側アタッチメント33を介して、自動二輪車に回動可能に固定される。
(アダプタ37)
【0081】
アダプタ37はサイドミラーMIと回転側アタッチメント32とを接続するための部材である。
【0082】
アダプタ37は例えば円柱形状の鋼鉄から形成される。アダプタ37の中心部にはサイドミラーMIのステーのネジ部と螺合するネジ穴である第一取付部371が設けられ、アダプタ37の外径面にあたるアダプタ側面372は、回転側アタッチメント32の第一筒状部321の内径面に設けられた雌ネジ面と螺合する雄ネジ状に形成されている。
(固定側アタッチメント33)
【0083】
固定側アタッチメント33は、例えば円柱形状の鋼鉄から形成され、
図12乃至
図14に示すように、その中心部に組付ボルト36のネジ部363と螺合する雌ネジ状の貫通孔である組付ボルト締結部331を備え、その外径は回転側アタッチメント32の第四筒状部324の内径に嵌合する大きさとなっている。また、固定側アタッチメント33の外径面にあたる第二係合面332には、バネ34が挿入される第一孔部333が、例えば固定側アタッチメント33の中心軸を中心に等間隔の放射状に4箇所形成されている。
【0084】
固定側アタッチメント33は、自動二輪車と回転側アタッチメント32とに挟まれた状態で、組付ボルト36によって自動二輪車に固定される。
(組付ボルト36)
【0085】
組付ボルト36は、固定側アタッチメント33を自動二輪車に固定すると共に、回転側アタッチメント32を固定側アタッチメント33に対して回動可能に固定する部材である。
【0086】
組付ボルト36は、
図13及び
図14に示すように、回転側アタッチメント32の第三筒状部323及び固定側アタッチメント33を貫通する長さを有している。組付完了状態において、組付ボルト36の頭部361は回転側アタッチメント32の第二筒状部322と第三筒状部323との段差面を押圧し、円筒部362は回転側アタッチメント32の第三筒状部323の挿通孔3231に挿通されて回転側アタッチメント32を回動可能に支持し、ネジ部363は固定側アタッチメント33の組付ボルト締結部331及び自動二輪車に予め形成されているネジ穴に螺合される。
(バネ34による付勢力)
【0087】
第一実施例においては、バネ14による付勢力は、剛球35を介して回転側アタッチメント32に作用し、これに対して、組付ボルト16の頭部161からの抗力が釣り合うことによって、回転側アタッチメント12の位置が維持されていたが、第三実施例においては、バネ34による付勢力は、回転側アタッチメント32の回転軸方向には作用せず、回転側アタッチメント32の回転軸を中心に等間隔に回転半径外向きに作用するため、付勢力同士が釣り合い、回転側アタッチメント32の位置が維持されている。
なお、第三実施例においては、特許請求の範囲における「発条部」は、回転部と固定部とが互いに離反するよう弾性的に付勢する部材である。
【0088】
なお、第三実施例において、回転側アタッチメント32に球欠状凹部3242が、固定側アタッチメント33に第一孔部333が設けられている場合について記載しているが、回転側アタッチメント32に第一孔部333が、固定側アタッチメント33に球欠状凹部3242が設けられていてもよい。また、球欠状凹部3242及び第一孔部333の数は4個に限定されず、回転対称性を有するように設けられていればよい。さらにまた、第三実施例におけるアダプタ37のように、第一取付部が回転側アタッチメントと別体である構成、及び、組付ボルト36が第二取付部のはたらきを兼ねるなど、第二取付部が固定側アタッチメントと別体である構成は、第一実施例及び第二実施例に適用してもよい。
(ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具の組立方法)
【0089】
ここでは、主として、第一実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11の組立方法について、
図15に示すフローチャートに基づいて説明し、他の実施例に係る、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21、31の組立方法については、第一実施例と異なる点について言及する。
【0090】
まず、ステップST101において、固定側アタッチメント13の4カ所の第一孔部132に、バネ14、鋼球15を順に入れる。第三実施例では同様に組み立て、第二実施例においては、回転側アタッチメント22の第二孔部223に、バネ24を入れる。
【0091】
次に、ステップST102において、固定側アタッチメント13の第二係合面133と、回転側アタッチメント12の第一係合面125とが係合するよう回転側アタッチメント12を固定側アタッチメント13に被せる。第二実施例及び第三実施例においても、同様に組み立てる。
【0092】
最後に、ステップST103において、組付ボルト16を、回転側アタッチメント12の挿通孔123のステー取付面124側から第一係合面125側に貫通し、固定側アタッチメント13の組付ボルト締結部134と螺合させ、締め付けて固定する。第二実施例においては、バネ係止部25を、回転側アタッチメント22の第二孔部223のステー取付面224側から正角錐体凸部222方向に、バネ係止部25の頭部251と、第二孔部223の底部2231とで、バネ24を挟むように貫通し、バネ係止部25のネジ部253と固定側アタッチメント23のバネ係止部締結部233とを螺合させて固定する。第三実施例においては、組付ボルト36の頭部361が、第二筒状部322に収まるよう、組付ボルト36を回転側アタッチメント32のステー取付面325側から第四筒状部324に貫通させ、組付ボルト36を第四筒状部324に収まる固定側アタッチメント33の組付ボルト締結部331と螺合させ、アダプタ37を第一筒状部321と螺合させる。
(ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具の自動二輪車への取付方法)
【0093】
続いて、第一実施例に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11の自動二輪車への取付方法について、
図16に示すフローチャートに基づいて説明する。他の実施例に係る、ねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具21、31の自動二輪車への取付方法については、第一実施例と同じであるため省略する。
【0094】
まず、ステップST201において、自動二輪車に、ステーの雄ネジを介して取り付けられているサイドミラーMIのステーを回転させ、サイドミラーMIをステーごと取り外す。
【0095】
次に、ステップST202において、取り外したサイドミラーMIのステーの雄ネジを第一取付部121に取り付ける。
【0096】
最後に、ステップST203において、第二取付部131を自動二輪車のサイドミラーMIが取り付けられていたネジ穴に取り付ける。取り外したサイドミラーMIの代わりに新品のサイドミラーMIを取り付けてもよい。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11、21、31は、サイドミラーが所定の閾値を超える外力を受けるまでは回転しない複数の安定位置を有し、サイドミラーが所定の閾値を超える外力を受けた際には、回転部とサイドミラーが一体となって回転し、サイドミラーに過剰な外力がかからないよう、力を受け流す構成となっている。したがって、サイドミラーが不意に衝撃を受けたとしても、サイドミラーが力を受け流すように回転するため、サイドミラーの破損を防ぐことができる。また、回転したサイドミラーは、使用者自らの力で、元の安定位置に戻すことができるため、工具を用意したり、専門店に持ち込んで修理してもらったり等の手間が省けると共に、狭い場所を通る際には、予め、サイドミラーを回転させて通行幅を狭めることで、サイドミラーが障害物に接触することを防ぐこともできる。さらにまた、本実施形態に係るねじ込み式ステー付きサイドミラーの接続具11、21、31は、既存のサイドミラーに適用可能に構成され、新たにサイドミラーを用意する必要がないため、環境に優しく、低コストにできる。