特許第6227201号(P6227201)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000002
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000003
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000004
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000005
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000006
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000007
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000008
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000009
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000010
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000011
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000012
  • 特許6227201-内視鏡対物光学系 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227201
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】内視鏡対物光学系
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   G02B13/04 D
【請求項の数】3
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-525422(P2017-525422)
(86)(22)【出願日】2016年10月18日
(86)【国際出願番号】JP2016080773
(87)【国際公開番号】WO2017090342
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2017年5月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-230522(P2015-230522)
(32)【優先日】2015年11月26日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123962
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(72)【発明者】
【氏名】小竿 明彦
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−325285(JP,A)
【文献】 特開2009−288682(JP,A)
【文献】 特開平02−069710(JP,A)
【文献】 特開2001−059937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子と組合せる内視鏡対物光学系であり、
物体側から順に、平凹負レンズと、吸収型フィルターと、明るさ絞りと、平凸正レンズと、を有し、以下の条件式(1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)、(4−2)を満足することを特徴とする内視鏡対物光学系。
0.5≦tg1/tl≦0.8 (1)
0.9<|fn/ft|<2.1 (2−1)
0.15≦tIRCF/tl (3−1)
1.2<|fp/ft|<1.7 (4−1)
0.85<|tp’/rp|<1.3 (4−2)
ここで、
tg1は、前記平凹負レンズの物体側面から前記平凸正レンズの像側面までの光軸に沿った長さ、
tlは、前記内視鏡対物光学系の全長、
fnは、前記平凹負レンズの焦点距離、
ftは、前記内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
tIRCFは、前記吸収型フィルターの光軸上の厚み
fpは、前記平凸正レンズの焦点距離、
tp’は、前記平凸正レンズの光軸上の厚み、
rpは、前記平凸正レンズの凸面の曲率半径、
である。
【請求項2】
前記吸収型フィルターは、赤外線吸収フィルターであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
【請求項3】
以下の条件式(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡対物光学系。
0.32≦tn/φn≦1.4 (2)
0.32≦tIRCF/φIRCF≦1.4 (3)
0.32≦tp/φp≦1.4 (4)
ここで、
tnは、前記平凹負レンズの外周部の厚み
φnは、前記平凹負レンズの外径、
tIRCFは、前記吸収型フィルターの光軸上の厚み
φIRCFは、前記吸収型フィルターの外径、
tpは、前記平凸正レンズの外周部の厚み
φpは、前記平凸正レンズの外径、
である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡対物光学系、特に医療用途の電子内視鏡、特にレーザー光を用いた処置やオートクレーブ滅菌に対応した内視鏡対物光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用の内視鏡は患者への負担を減らし低侵襲な診断、治療を実現するため、体内への挿入部の小型化が必要とされている。挿入部の小型化には先端光学系の全長、外径の小型化が不可欠である。しかしながら、光学系が小型化になるにしたがって、光学素子の加工性は悪化し、組立も難しくなる。このことから生産性が悪化してしまう。
【0003】
また、再使用が可能な内視鏡においては、内視鏡の洗浄消毒が重要となる。洗浄消毒方法として、例えばオートクレーブ滅菌は、簡易で、なおかつ効果的な滅菌方法である。このため、再使用する内視鏡は、オートクレーブ滅菌に対応していることが望ましい。
【0004】
一方で、オートクレーブ滅菌では、機器を高温・高圧の水蒸気雰囲気下に置き、付着した細菌類を死滅させる。内視鏡の光学素子に関しては、その保持枠と硝材との熱膨張率が異なる。このことから、機器をオートクレーブ滅菌する場合、オートクレーブ時の温度変化により、硝材が大きな応力を受け破損することがある。そのため、光学素子は、オートクレーブに耐えられる耐久性を有することが望ましい。
【0005】
さらに、内視鏡を、尿路結石治療などレーザー光による治療に用いる場合がある。この場合、結石に照射するNd−YAGレーザー(ネオジウム・ヤグレーザー、波長1064nm)等の破砕光が撮像素子に入射すると、内視鏡画像がハレーションしてしまう。
【0006】
また、破砕用レーザー光の照射位置を確認するために、標的用のレーザー光として可視光領域の波長、例えば赤外領域に近い波長のレーザー光を照射する場合がある。この場合、標的用のレーザー光が撮像素子に入射すると、内視鏡画像がハレーションしてしまう。
【0007】
このような内視鏡画像のハレーションを防ぐには、光学系に十分な光学的濃度を有するカットフィルターを設けることが有効である。このため、ハレーションの原因となる所定の波長域のレーザー光をカットするフィルターを光路中に挿入する。
【0008】
ここで、カットフィルターは、反射型カットフィルターと、吸収型カットフィルターとに大別される。反射型カットフィルターは、所定の波長域の光を反射し、透過させない。反射型カットフィルターを用いる場合、反射された光が、さらに光学的に望ましくないハレーションの原因となってしまう。
【0009】
これに対して、吸収型カットフィルターは、所定帯域の光をフィルターにより吸収する。このため、吸収型カットフィルターは、不要な反射光を生じない。したがって、ハレーションを防止するために、光学系に十分な光学的濃度を有する吸収型カットフィルターを光路内に配置することが望ましい。
【0010】
以上のようなことから、内視鏡対物光学系は、オートクレーブ時の力学的な耐久性を有し、レーザー光によるハレーションを防ぐための十分な厚みの吸収型カットフィルターを有し、コンパクトで生産性の良好な構成を実現することが望ましい。
【0011】
内視鏡対物光学系における光学素子の小型化や所定波長域の光をカットするフィルターを配置している構成として、例えば特許文献1、2、3に開示された構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−262193号公報
【特許文献2】特開2009−294494号公報
【特許文献3】特開2009−288682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1は、小型内視鏡のための対物レンズを開示している。特許文献1は、小型で、かつ生産性の良好な光学系に関する技術に関するものである。この技術は、レンズ群ごとのパワー配分、素子の外径や曲率を規定している。
【0014】
しかしながら、特許文献1は、内視鏡の挿入部の小型化において重要な全長の短小化については考慮されていない。また、再使用が可能な内視鏡対物光学系においては、内視鏡の洗浄・消毒が必要である。このため、最も物体側の第1レンズの物体側面は、洗浄の容易な平面であることが望ましい。特許文献1の構成において、第1レンズの物体側面を平面にする場合、カバーガラスが必要である。従って、全長が長大化してしまう。
【0015】
さらに、光学系の加工・生産性は、パワー配分や外径、曲率というパラメータに加えて、光学素子の厚みと外径の関係、レンズ群の長さと全長の関係も重要な要素となる。特許文献1は、光学素子の厚みや群の長さについても考慮していないため、小型で生産性の高い光学系を実現する技術としては不十分である。
【0016】
特許文献2は、正の2群構成において、加工性を良好に保ちつつ、小型で赤外線吸収フィルターの挿入が可能な光学系を開示している。
【0017】
レーザー光によるハレーションを防ぐためには、赤外線吸収フィルターは十分な光学濃度を有することが望ましい。吸収フィルターにおいて十分な光学濃度を得るとき、赤外線吸収型フィルターの厚さが大きくなる。このため、赤外線吸収型フィルターの十分な厚さを維持しつつ、光学系全系の小型化を実現する場合、小型化が進むにつれてレンズ全長に占める赤外線吸収フィルターの厚みが大きくなる。
【0018】
特許文献2は、十分な厚みを有する赤外線吸収フィルターを光路内に挿入する場合、光線高が高くなり光学系の外径の大型化を招いてしまう。このため、特許文献2は、光学系の小型化を実現する技術としては十分ではない。
【0019】
特許文献3は、加工・組立の容易な小型の内視鏡対物光学系を開示している。特許文献3では、個々の光学部品の厚さが薄いため、加工性が悪くなってしまう。さらに、小型な光学系の場合、光学素子のサイズと比較した枠の内径やレンズ外径の寸法公差は大きくなる。そのため、厚さの薄い光学素子を用いると、傾き(チルト)偏心が大きく発生し、調整が必要になる場合がある。このため、小型の光学系において、光学素子は薄くないほうが好ましい。この点からも、特許文献3の構成は、組立性の良好な小型の光学系を実現するために十分ではない。
【0020】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザー光によるハレーションを防止し、光学系の全長が短く、かつレンズの加工・組立が容易であり、オートクレーブ時の温度変化に耐性を有する内視鏡対物光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、固体撮像素子と組合せる内視鏡対物光学系であって、物体側から順に、平凹負レンズと、吸収型フィルターと、明るさ絞りと、平凸正レンズと、を有し、以下の条件式(1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)、(4−2)を満足することを特徴とする内視鏡対物光学系である。
0.5≦tg1/tl≦0.8 (1)
0.9<|fn/ft|<2.1 (2−1)
0.15≦tIRCF/tl (3−1)
1.2<|fp/ft|<1.7 (4−1)
0.85<|tp’/rp|<1.3 (4−2)
ここで、
tg1は、平凹負レンズの物体側面から平凸正レンズの像側面までの光軸に沿った長さ、
tlは、内視鏡対物光学系の全長、
fnは、平凹負レンズの焦点距離、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
tIRCFは、吸収型フィルターの光軸上の厚み
fpは、前記平凸正レンズの焦点距離、
tp’は、前記平凸正レンズの光軸上の厚み、
rpは、前記平凸正レンズの凸面の曲率半径、
である。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、レーザー光によるハレーションを防止し、光学系の全長が短く、かつレンズの加工・組立が容易であり、オートクレーブ時の温度変化に耐性を有する内視鏡対物光学系を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図である。
図2】(a)は実施例1に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図3】(a)は実施例2に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図4】(a)は実施例3に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図5】(a)は実施例4に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図6】(a)は実施例5に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図7】(a)は実施例6に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図8】(a)は実施例7に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図9】(a)は実施例8に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図10】(a)は実施例9に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図11】(a)は実施例10に係る内視鏡対物光学系の断面構成を示す図、(b)、(c)、(d)、(e)は球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)及び倍率色収差(CC)をそれぞれ示す収差図である。
図12】光学素子の傾きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、実施形態に係る内視鏡対物光学系を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により、この発明が限定されるものではない。
【0025】
図1は、実施形態に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面を示す図である。
【0026】
本実施形態は、固体撮像素子と組合せる内視鏡対物光学系であって、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、吸収型フィルター(平行平板)F1と、明るさ絞りSと、物体側に平面を向けた平凸正レンズL2と、を有し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
0.5≦tg1/tl≦0.8 (1)
ここで、
tg1は、平凹負レンズL1の物体側面から平凸正レンズL2の像側面までの光軸AXに沿った長さ、
tlは、内視鏡対物光学系の全長、即ち、平凹負レンズL1の物体側面から像面までの光軸AXに沿った長さ、
である。
【0027】
パラメータtg1は、パワーを有するレンズのほぼ全てを含む部分の長さに対応する。条件式(1)は、パラメータtg1がレンズ全長に占める割合について規定している。
【0028】
条件式(1)の下限値を下回らないことで、内視鏡対物光学系のバックフォーカスが短くなり全長の短縮化が図れる。また、個々の光学素子の厚さが大きくなり、部品の加工や把持、組立が容易になる。
【0029】
また、光学素子の厚さが厚いことは、オートクレーブ時に保持枠から加わる熱応力に対する光学素子の耐久性向上にも寄与する。
【0030】
また、光学素子、例えば吸収型フィルター(平行平板)F1の厚さが厚いことは、所定の波長域のレーザー光を十分な吸収によりカットできる。これにより、例えば、標的用のレーザー光による内視鏡画像のハレーションを防止できる。
【0031】
さらに、上述したように、内視鏡を、尿路結石治療などのレーザー光による治療に用いる場合、結石にNd−YAGの破砕用レーザー光を照射する。このようなレーザー光も撮像素子に入射すると、内視鏡画像がハレーションしてしまう。
【0032】
このため、吸収型フィルターF1の少なくとも一方の面に、Nd−YAGレーザー光を反射する反射膜をコーティングすることが望ましい。
【0033】
条件式(1)の上限値を上回ると、ピント調整に必要なバックフォーカス長を確保することができない。
【0034】
条件式(1)に代えて、以下の条件式(1’)を満足することが好ましい。
0.5≦tg1/tl≦0.65 (1’)
【0035】
本実施形態の内視鏡対物光学系では、吸収型フィルターは、赤外線吸収フィルターであることが望ましい。
【0036】
例えば、標的用のレーザー光として、可視である赤外域のレーザー光を用いることがある。これにより、赤外域のレーザー光をカットすることで、内視鏡画像のハレーションを低減できる。
【0037】
また、本実施形態の内視鏡対物光学系は、以下の条件式(2)、(3)、(4)を満足することが望ましい。
0.32≦tn/φn≦1.4 (2)
0.32≦tIRCF/φIRCF≦1.4 (3)
0.32≦tp/φp≦1.4 (4)
ここで、
tnは、平凹負レンズL1の総肉厚、
φnは、平凹負レンズL1の外径、
tIRCFは、吸収型フィルター(平行平板)F1の肉厚、
φIRCFは、吸収型フィルター(平行平板)F1の外径、
tpは、平凸正レンズL2の総肉厚、
φpは、平凸正レンズL2の外径、
である。
なお、「総肉厚」とは、光学素子の外周部の肉厚をいう。「肉厚」とは、光学素子の光軸上の肉厚をいう。
【0038】
条件式(2)、(3)、(4)は、それぞれ平凹負レンズL1、吸収型フィルター(平行平板)F1、平凸正レンズL2の外径と厚さの関係を規定している。
【0039】
条件式(2)、(3)、(4)の下限値を下回ると、光学系の加工・組立性が悪化し、かつオートクレーブに対する耐性も低下してしまう。
【0040】
また、条件式(2)、(3)、(4)の下限値を下回ると、平凹負レンズL1、吸収型フィルター(平行平板)F1、平凸正レンズL2が傾き偏心を有し、非点収差、コマ収差が発生してしまう。
【0041】
条件式(2)、(3)、(4)の上限値を上回ると、光学系全長の長大化を招いてしまう。
【0042】
また、小型な光学系においては、製造誤差によって光学素子と枠との間に素子の外径の4%程度のクリアランスが生じる。光学性能上、クリアランスによるレンズ枠内での光学素子の傾き(チルト)は10°以下に抑えることが望ましい。
【0043】
図12は、外径φを有する平行平板形状の光学素子Lの鏡枠FRに対する傾きを示す図である。光学素子Lの傾きの角度αを10°以下に抑えるには、(光学素子Lの総肉厚)/(光学素子Lの外径φ)の値は、0.32より大きいことが必要である。
【0044】
(光学素子Lの肉厚)/(光学素子Lの外径φ)の値、即ち条件式(2)、(3)、(4)の下限値を0.32より大きくすることで、光学素子Lの角度調整が不要になり、組立性が向上する。さらに、光学素子Lの外径に対して肉厚を厚くするとオートクレーブ時に生じる外周部からの応力に対する耐久性も向上する。
【0045】
条件式(2)、(3)、(4)に代えて、以下の条件式(2’)、(3’)、(4’)を満足することが好ましい。
0.33≦tn/φn≦1.34 (2’)
0.33≦tIRCF/φIRCF≦1.34 (3’)
0.33≦tp/φp≦1.34 (4’)
【0046】
また、本実施形態の内視鏡対物光学系は、以下の条件式(2−1)、(3−1)、(4−1)、(4−2)を満足することが望ましい。
0.9<|fn/ft|<2.1 (2−1)
0.15≦tIRCF/tl (3−1)
1.2<|fp/ft|<1.7 (4−1)
0.85<|tp’/rp|<1.3 (4−2)
ここで、
fnは、平凹負レンズL1の焦点距離、
ftは、内視鏡対物光学系全系の焦点距離、
tIRCFは、吸収型フィルター(平行平板)F1の肉厚、
tlは、内視鏡対物光学系の全長、
fpは、平凸正レンズL1の焦点距離、
tp’は、平凸正レンズL1の肉厚、
rpは、平凸正レンズL1の凸面の曲率半径、
である。
【0047】
条件式(2−1)は、平凹負レンズL1と内視鏡対物光学系全体のパワー配分を規定している。
【0048】
条件式(2−1)の上限値を上回ると、平凹負レンズL1の物体側の第1面への入射光線高が高くなりフレアが生じてしまう。
【0049】
条件式(2−1)の下限値を下回ると、平凹負レンズL1の凹面の曲率が強くなり、レンズの加工性が悪化してしまう。
【0050】
条件式(3−1)は、吸収型フィルター(平行平板)F1の厚みと全長の関係を規定している。上述した構成の内視鏡対物光学系において、条件式(3−1)の下限値を下回らないことで、吸収型フィルターの十分な厚さを確保できる。このため、ハレーションの原因となる波長域の光を吸収によりカットし、ハレーションを防ぐことができる。
【0051】
条件式(4−1)は、平凸正レンズL2と内視鏡対物光学系全体のパワー配分を規定している。
【0052】
条件式(4−1)の下限値を下回ると、ピント調整に必要なバックフォーカス長を確保することができない。
【0053】
条件式(4−1)の上限値を上回ると、平凸正レンズL2のパワーが不足し、光学系全長が長くなってしまう。
【0054】
条件式(4−2)は、平凸正レンズL2の厚さと曲率半径の関係を規定している。条件式(4−2)の下限値を下回る、または上限値を上回ると、レンズの心取り加工性が悪化してしまう。
【0055】
(実施例1)
実施例1に係る内視鏡対物光学系について説明する。図2(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0056】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0057】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0058】
図2(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。諸収差図は、656.27nm(C線)、587.56nm(d線)、540.07nm(e線)、486.13nm(F線)及び435.83nm(g線)の各波長について示されている。また、各図中、FNOはFナンバーを、”ω”は半画角を示す。以下、収差図に関しては、同様である。
【0059】
(実施例2)
実施例2に係る内視鏡対物光学系について説明する。図3(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0060】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、凸平正レンズL3と、平行平板CGと、から構成される。
【0061】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。凸平正レンズL3は、フィールドレンズである。凸平正レンズL3と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0062】
図3(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0063】
(実施例3)
実施例3に係る内視鏡対物光学系について説明する。図4(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0064】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、凸平正レンズL3と、平行平板CGと、から構成される。
【0065】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。凸平正レンズL3は、フィールドレンズである。凸平正レンズL3と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0066】
図4(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0067】
(実施例4)
実施例4に係る内視鏡対物光学系について説明する。図5(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0068】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0069】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0070】
図5(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0071】
(実施例5)
実施例5に係る内視鏡対物光学系について説明する。図6(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0072】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0073】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0074】
図6(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0075】
(実施例6)
実施例6に係る内視鏡対物光学系について説明する。図7(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0076】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0077】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0078】
図7(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0079】
(実施例7)
実施例7に係る内視鏡対物光学系について説明する。図8(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0080】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0081】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0082】
図8(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0083】
(実施例8)
実施例8に係る内視鏡対物光学系について説明する。図9(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0084】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0085】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0086】
図9(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0087】
(実施例9)
実施例9に係る内視鏡対物光学系について説明する。図10(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0088】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、平行平板F2と、平行平板CGと、から構成される。
【0089】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。平行平板F2と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0090】
図10(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0091】
(実施例10)
実施例10に係る内視鏡対物光学系について説明する。図11(a)は、本実施例に係る内視鏡対物光学系のレンズ断面図である。
【0092】
本実施例では、物体側から順に、平凹負レンズL1と、フレア絞りFSと、平行平板F1と、明るさ絞りSと、平凸正レンズL2と、凸平正レンズL3と、平行平板CGと、から構成される。
【0093】
平行平板F1は、赤外線吸収フィルターである。凸平正レンズL3は、フィールドレンズである。凸平正レンズL3と平行平板CGとは接合されている。d9は接着層である。
【0094】
図11(b)、(c)、(d)、(e)は、本実施例の球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。
【0095】
以下に、上記各実施例の数値データを示す。記号は、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、neは各レンズのe線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数、FnoはFナンバー、ωは半画角、IHは像高である。また、ERは有効直径、FSはフレア絞り、Sは明るさ絞りである。T650は650nmにおける吸収型フィルターの内部透過率である。
【0096】
数値実施例1
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.200 1.77066 71.79 0.80
2 0.300 0.100
3 (FS) ∞ 0.030 0.30
4 ∞ 0.450 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.17
6 ∞ 0.410 1.88815 40.76 0.55
7 -0.427 0.474
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.334
視野角 (°) 90.6
Fno 4.186
T650 (%) 12.28
tl (mm) 2.29
【0097】
数値実施例2
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.200 1.77066 71.79 0.80
2 0.300 0.090
3 (FS) ∞ 0.030 0.30
4 ∞ 0.450 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.16
6 ∞ 0.390 1.88815 40.76 0.55
7 -0.459 0.520
8 0.951 0.340 1.51825 64.14 0.65
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.65
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.65
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.310
視野角 (°) 96.9
Fno 4.079
T650 (%) 12.28
tl (mm) 2.35
【0098】
数値実施例3
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.210 1.77066 71.79 0.80
2 0.408 0.050
3 (FS) ∞ 0.030 0.32
4 ∞ 0.360 1.52300 65.13 0.80
5 (S) ∞ 0.010 0.13
6 ∞ 0.350 1.88815 40.76 0.60
7 -0.374 0.300
8 2.963 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.336
視野角 (°) 87.5
Fno 4.182
T650 (%) 18.67
tl (mm) 1.93
【0099】
数値実施例4
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.300 1.77066 71.79 0.80
2 0.540 0.050
3 (FS) ∞ 0.030 0.36
4 ∞ 0.450 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.17
6 ∞ 0.500 1.88815 40.76 0.55
7 -0.390 0.271
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.337
視野角 (°) 87.7
Fno 3.082
T650 (%) 12.28
tl (mm) 2.23
【0100】
数値実施例5
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.300 1.77066 71.79 0.80
2 0.492 0.070
3 (FS) ∞ 0.030 0.40
4 ∞ 0.570 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.14
6 ∞ 0.500 1.88815 40.76 0.55
7 -0.424 0.346
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.335
視野角 (°) 87.7
Fno 4.214
T650 (%) 7.02
tl (mm) 2.45
【0101】
数値実施例6
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.200 1.77066 71.79 0.80
2 0.476 0.070
3 (FS) ∞ 0.030 0.42
4 ∞ 0.670 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.15
6 ∞ 0.390 1.88815 40.76 0.55
7 -0.428 0.361
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.334
視野角 (°) 87.2
Fno 4.213
T650 (%) 4.40
tl (mm) 2.35
【0102】
数値実施例7
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.200 1.77066 71.79 0.60
2 0.270 0.090
3 (FS) ∞ 0.030 0.28
4 ∞ 0.450 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.18
6 ∞ 0.390 1.88815 40.76 0.55
7 -0.425 0.554
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.65
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.65
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.65
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.333
視野角 (°) 87.7
Fno 4.133
T650 (%) 12.28
tl (mm) 2.34
【0103】
数値実施例8
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.480 2.01169 28.27 0.60
2 0.44 0.050
3 (FS) ∞ 0.030 0.24
4 ∞ 0.450 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.20
6 ∞ 0.390 1.80922 39.59 0.55
7 -0.416 0.650
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.65
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.65
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.65
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.428
視野角 (°) 66.0
Fno 4.063
T650 (%) 12.28
tl (mm) 2.68
【0104】
数値実施例9
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.300 2.01169 28.27 0.80
2 0.718 0.050
3 (FS) ∞ 0.030 0.36
4 ∞ 0.430 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.12
6 ∞ 0.550 2.01169 28.27 0.50
7 -0.446 0.273
8 ∞ 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.342
視野角 (°) 87.5
Fno 4.349
T650 (%) 13.48
tl (mm) 2.26
【0105】
数値実施例10
単位 mm

面データ
面番号 r d ne νd ER
1 ∞ 0.200 1.77066 71.79 0.80
2 0.420 0.070
3 (FS) ∞ 0.030 0.42
4 ∞ 0.560 1.52300 65.13 0.50
5 (S) ∞ 0.010 0.15
6 ∞ 0.390 1.88815 40.76 0.55
7 -0.440 0.410
8 2.100 0.300 1.51825 64.14 0.62
9 ∞ 0.020 1.50688 64.00 0.62
10 ∞ 0.300 1.61350 50.49 0.62
像面 ∞

各種データ
焦点距離 (mm) 0.333
視野角 (°) 87.7
Fno 4.182
T650 (%) 7.35
tl (mm) 2.29
【0106】
各実施例の条件式対応値を以下に示す。

条件式 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1) tg1/tl 0.52 0.50 0.52 0.60 0.61
(2) tn/φn 0.38 0.36 0.33 0.44 0.46
(3) tIRCF/φIRCF 0.90 0.90 0.45 0.90 1.14
(4) tp/φp 0.56 0.54 0.33 0.70 0.72
(2-1) |fn/ft| 1.17 1.26 1.58 2.08 1.91
(3-1) tIRCF/tl 0.20 0.19 0.19 0.20 0.23
(4-1) |fp/ft| 1.44 1.67 1.25 1.30 1.43
(4-2) |tp'/rp| 0.96 0.85 0.94 1.28 1.18

条件式 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10
(1) tg1/tl 0.58 0.50 0.53 0.61 0.55
(2) tn/φn 0.53 0.53 0.52 0.95 0.53
(3) tIRCF/φIRCF 1.34 0.90 0.90 0.86 1.12
(4) tp/φp 0.71 0.71 0.71 1.10 0.71
(2-1) |fn/ft| 1.85 1.05 1.02 2.07 1.63
(3-1) tIRCF/tl 0.28 0.19 0.17 0.19 0.24
(4-1) |fp/ft| 1.44 1.44 1.20 1.29 1.49
(4-2) |tp'/rp| 0.91 0.92 0.94 1.23 0.89
【0107】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態のみに限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、これら実施形態の構成を適宜組合せて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上のように、本発明は、レーザー光によるハレーションを防止し、光学系の全長が短く、かつレンズの加工・組立が容易であり、オートクレーブ時の温度変化に耐性を有する内視鏡対物光学系に有用である。
【符号の説明】
【0109】
L1、L2 レンズ
F1、F2、CG 平行平板
FS フレア絞り
S 明るさ絞り
AX 光軸
I 像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12