特許第6227246号(P6227246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227246
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】双極アブレーションの監視と追跡
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20171030BHJP
   A61B 5/0402 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   A61B18/14
   A61B5/04 310M
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-273212(P2012-273212)
(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公開番号】特開2013-128770(P2013-128770A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2015年11月24日
(31)【優先権主張番号】13/326,456
(32)【優先日】2011年12月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−183687(JP,A)
【文献】 特開2005−199072(JP,A)
【文献】 特開2002−119489(JP,A)
【文献】 特表2002−513617(JP,A)
【文献】 特開平07−178113(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0312096(US,A1)
【文献】 特開平11−239581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 5/0402
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブの遠位部分に配置された第1及び第2のアブレーション電極と、前記第1及び第2のアブレーション電極の間に配置された感知電極とを有する前記プローブと、
前記第1及び第2のアブレーション電極に接続されたアブレーションエネルギー発生器と、
前記感知電極に接続されており、かつ前記プローブが対象者の心臓の標的組織に接触しているときに前記感知電極を介して心臓電気活動を検出するように作動するコンソールであって、前記標的組織、及び、アブレーション経路に沿って形成され、心臓電気活動の電気振幅の低下に基づき形成の進行が追跡される損傷部を含む前記心臓の一部のマップを表示するように動作可能な図形表示装置を含む、コンソールと、
前記第1及び第2のアブレーション電極が双極電極として作動する双極操作モードで機能するように、前記第1及び第2のアブレーション電極を構成するための構成回路と、を含む、医療用装置。
【請求項2】
前記コンソールは、前記心臓電気活動としての近接場活動を検出するように作動する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コンソールは、電界と磁界との間に90°の位相シフトを有する前記近接場活動を検出するように作動する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記構成回路は、前記第1及び第2のアブレーション電極のうち少なくとも一方が単極電極として作動する単極操作モードで機能するように、前記第1及び第2のアブレーション電極を構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コンソールが、前記双極操作モードと前記単極操作モードのそれぞれに伴う前記アブレーション経路の第1部分及び第2部分を示すため前記マップにタグ付けをするように動作可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記感知電極が、前記第1及び第2のアブレーション電極の間に配置された少なくとも2つの感知電極を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵襲性の医療デバイスに関する。より具体的には、本発明は、そのようなデバイスを使用する、組織のアブレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギーを用いた身体組織のアブレーションが当該技術分野で知られている。このアブレーションは、典型的には、標的組織を破壊するために十分な電力で電極に、交流例えば高周波エネルギーを印加することによって実行される。通常、電極はカテーテルの遠位先端部に装着され、この遠位先端部が患者に挿入される。遠位先端部は、当該技術分野で知られる種々様々な方法で、例えば患者の体外にあるコイルによってその遠位先端部に発生した磁場を測定することで追跡され得る。カテーテルは、単極又は双極のアブレーション電極を備えて提供され得る。
【0003】
Kratoskaによる米国特許公開第20080275440号は、アブレーション治療結果に関するフィードバックを提供する方法を目的としている。組織アブレーションの結果に関するフィードバックを取得するための方法が提供されるこの方法は、1本以上の針をカテーテルから標的組織内に配置する工程と、1本以上の針のうち少なくとも1本を通じてエネルギーを送達し、標的組織の少なくとも一部をアブレーションして損傷部を形成する工程と、エネルギー送達を停止した後で1本以上の針のうち少なくとも1本を介して組織の特性を測定する工程とを含む。測定される組織特性は、温度又はインピーダンスであり得る。また、測定される組織特性は、アブレーション治療によって形成された損傷部の体積を決定するのに使用することもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態により、心臓電気活動異常の治療方法が提供され、これは、プローブの遠位部分に配置された第1及び第2アブレーション電極と、その第1と第2アブレーション電極との間に配置された感知電極とを有するプローブを提供する工程と、このプローブを対象者の心臓の標的組織に接触させる工程と、第1及び第2アブレーション電極を通じてエネルギーを印加してこの標的組織をアブレーション経路に沿ってアブレーションする工程とによって実施される。本方法は更に、エネルギーの印加中に、心臓電気活動を検出するための感知電極を用いて心臓電気活動を監視する工程と、その心臓電気活動が感知電極によってもはや検出可能でないという観測を行う工程と、この観測に対応してエネルギー印加を終了させる工程と、によって実施される。
【0005】
本方法の別の一態様において、心臓電気活動は近接場活動である。
【0006】
本方法の更に別の一態様において、心臓電気活動の電界と磁界との間に90°の位相シフトが存在する。
【0007】
本方法の更に別の一態様において、エネルギーの印加には、第1及び第2アブレーション電極が双極電極として作動する双極操作モードと、第1及び第2アブレーション電極のうち少なくとも一方が単極電極として作動する単極操作モードとを交互に切り替えることが含まれる。
【0008】
本方法の更に別の一態様には、標的組織とアブレーション経路に沿ったエネルギー印加の進行とを含む、心臓の一部のマップを図形的に表示することによる、印加エネルギーの監視が含まれる。
【0009】
本方法の別の一態様において、エネルギーの印加には更に、第1及び第2アブレーション電極が双極電極として作動する双極操作モードと、第1及び第2アブレーション電極のうち少なくとも一方が単極電極として作動する単極操作モードとを交互に切り替えることが含まれ、ここにおいて、心臓電気活動の監視には、この双極操作モードと単極操作モードのそれぞれに伴うアブレーション経路の第1部分及び第2部分を示すためマップにタグ付けをすることが含まれる。
【0010】
本方法の一態様において、このプローブは、第1及び第2アブレーション電極の間に配置された少なくとも2つの感知電極を有する。
【0011】
更に、本発明の他の実施形態により、上述の方法を実施するための装置が更に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明をより理解するために、実施例を用いて「発明を実施するための形態」を参照するが、これは以下の図面と併せて読むべきであり、類似の要素には類似の参照番号が与えられる。
図1】開示される本発明の実施形態に従って構築され、動作する、アブレーション処置を実行するためのシステムの絵図。
図2】開示される本発明の実施形態に従ってアブレーションを受けている心臓の後方−前方投影における電気解剖学的マップ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、本発明の種々の原理を完全に理解させるために、多くの具体的な詳細を記載する。しかしながら、全てのこれらの詳細は、必ずしも、本発明の実施のために常に必要とされるものではないことを、当業者は理解するであろう。この場合、一般概念を不必要に不明確にすることのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及び処理に関するコンピュータープログラム命令は詳しく示されていない。
【0014】
本発明の態様は、典型的には、コンピューター可読媒体などの永久記憶装置内に維持される、ソフトウェアプログラミングコードの形態で具体化することができる。クライアント/サーバー環境において、このようなソフトウェアプログラミングコードは、クライアント又はサーバーに記憶される。ソフトウェアプログラミングコードは、ディスケット、ハードドライブ、電子媒体、又はCD−ROMなどの、データ処理システムと共に使用するための様々な既知の非一時的媒体のうちの、いずれかの上に具体化することができる。コードはこのような媒体上で配布でき、又は1つのコンピューターシステムのメモリー或は記憶装置からある種のネットワークを介して、別のコンピューターシステムのユーザーが使用するために、該別のシステム上の記憶装置に配布され得る。
【0015】
システムの説明
ここで図面を参照し、図1を最初に参照すると、この図1は、開示される本発明の実施形態に従って構築され、動作する、生体すなわち患者の心臓12に対してアブレーション処置を実行するためのシステム10の絵図である。このシステムは、患者の血管系を通して、心臓12の心室又は血管構造内に、オペレーター16によって経皮的に挿入される、カテーテル14を含む。典型的には医師である、オペレーター16は、カテーテル遠位先端部18を心臓のアブレーション目標部位と接触させる。次いで、その開示が本明細書に参考により組み込まれる、米国特許番号第6,226,542号及び同第6,301,496号、並びに同一出願人による米国特許第6,892,091号に開示されている方法に従って、電気的活性マップが準備され得る。システム10の要素を具現化する1つの市販の製品は、Biosense Webster,Inc.(3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765)より入手可能な、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。
【0016】
例えば電気的活性化マップの評価によって異常であると判定された区域は、熱エネルギーの適用によって、例えば、心筋に高周波エネルギーを印加する、遠位先端部18の1つ又は2つ以上の電極に、カテーテル内のワイヤーを通して高周波電流を通過させることによって、アブレーションすることができる。このエネルギーは、組織内に吸収され、その組織が永久にその電気興奮性を失う時点(典型的には、約50℃)まで、その組織を加熱する。うまくゆけば、この手順により心臓組織において非伝導性損傷部が生じ、これは不整脈の原因となる異常な電気経路を破壊する。本発明の原理は、種々の心腔に対して、洞律動のマッピングに対して、及び多種多様な心不整脈を治療する場合に、適用することができる。
【0017】
単極アブレーションはアブレーション電極の位置を中心として比較的深い損傷部を形成する一方、双極アブレーションは、1対の双極電極の間に延在する、より浅く細長い損傷部を形成する傾向にある。この双極損傷部は、その性質と位置のため、損傷部の評価と追跡に困難が生じ得る。
【0018】
カテーテル14は通常、ハンドル20を備え、このハンドルを適切に制御することによって、オペレーター16が、アブレーションのために、所望に応じてカテーテルの遠位端を操縦、位置決定、配向させることが可能になっている。オペレーター16を支援するために、カテーテル14の遠位部は、コンソール24に位置した位置決めプロセッサ22に信号を提供する、ポジションセンサー(図示せず)を収容する。
【0019】
アブレーションエネルギー及び電気信号を、遠位先端部18に又は遠位先端部18の付近に配置される、1つ又は2つ以上のアブレーション電極32を通じて、コンソール24に至るケーブル34を介し、心臓12へ/心臓12から、搬送することができる。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24から、ケーブル34及び電極32を通して、心臓12へと伝達することができる。感知電極33は、同様にコンソール24に接続され、アブレーション電極32の間に配置されて、ケーブル34への結線を有する。アブレーション中、アブレーション電極32は通常、双極構成で使用される。しかしながら、アブレーション中に必要に応じて、双極モードと単極モードとの間で作動モードを変化させるための構成回路を使用することにより、これらの一方又は両方を単極電極として作動させることができる。
【0020】
ワイヤー結線35は、コンソール24を、身体表面電極30、及び位置決定サブシステムの他の構成要素と連係させる。電極32及び身体表面の電極30は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,536,218号(Govariら)に教示されるように、アブレーション部位での、組織のインピーダンス計測を測定するために使用することができる。温度センサー37は、典型的には熱電対又はサーミスタであり、各電極32上に、又は各電極32の付近に搭載される。
【0021】
コンソール24は、典型的には、1つ又は2つ以上のアブレーション電力発生装置25を収容する。カテーテル14は、任意の既知のアブレーション技術を使用して、例えば、高周波エネルギー、超音波エネルギー、及びレーザー生成光エネルギーを使用して、心臓にアブレーションエネルギーを伝導するように構成することができる。このような方法は、同一出願人による米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号に開示されており、これらは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0022】
位置決定プロセッサ22は、カテーテル14の位置、及び方位座標を測定する、システム10の位置決定サブシステムの要素である。
【0023】
一実施形態では、この位置決定サブシステムは、磁場生成コイル28を使用して、カテーテル14近傍の既定の作業体積内に磁場を生成し、カテーテルでのこれらの磁場を感知することによって、カテーテル14の位置及び配向を測定する、磁気位置追跡の配置構成を含む。
【0024】
上述のように、カテーテル14はコンソール24に接続され、これによりオペレーター16がカテーテル14の機能を観察及び調節できるようになっている。コンソール24は、好ましくは適切な信号処理回路を有するコンピューターであるプロセッサを含む。プロセッサは、モニター29を駆動するように接続されている。信号処理回路は、典型的には、カテーテル14内の遠位に配置される、上述のセンサー及び複数個の場所感知電極(図示せず)によって生成される信号を含めた、カテーテル14からの信号を、受信し、増幅し、フィルタリングし、デジタル化する。デジタル化された信号は、コンソール24及び位置決定サブシステムによって受信され、カテーテル14の位置及び配向を計算し、電極からの電気信号を解析するために使用される。
【0025】
単純化のため図には示されていないが、通常、システム10には他の要素も含まれる。例えば、システム10は、1つ以上の体表面電極からの信号を受信し、ECG同期信号をコンソール24に供給するように接続された、心電図(ECG)モニターを含んでもよい。また、上述のように、システム10は、通常、対象の身体の外面に取り付けられた、外部から貼付された基準パッチ、又は心臓12に対して固定位置に維持された、心臓12の中に挿入され内部に配置されたカテーテルのどちらかの上に基準ポジションセンサーを含む。カテーテル14に液体を通して循環させるための、従来のポンプ及びラインが、アブレーション部位を冷却するために提供される。
【0026】
カテーテル14は通常、図1に示すように1対以上のアブレーション電極32を含み、このアブレーション電極32の各対の間に配置された1本以上の感知電極33を備えている。通常は、図に示すように、アブレーション電極32は組織にRF電力を効果的に送達するために大きな面積を有し、感知電極33はこれより小さいものであり得る。図1に示すリング電極において、アブレーション電極32は感知電極33よりも幅が広くなっている。
【0027】
図示されている実施形態には2本のリング電極が横に並んでいるが、単一の感知電極を使用することも可能であり、また単一の分割リングを使用して1対の感知電極として機能を果たすこともできる。感知電極33は心臓の局所的な電気活動を感知し、コンソール24内の好適な検出回路及び監視回路(図示なし)の助力により、電気振幅の低下を検出することで損傷部形成の進行を追跡する。この目的のためには、1対の感知電極が望ましい。1対の電極により近接場電気信号(電界と磁界との間に90°の位相シフトを有する)の双極測定が可能になり、これにより、伝達されるエネルギーがなく、局所的電気活動をより正確に示すことができる。アブレーション完了は、局所的電気活動の消失によって示される。アブレーション電極32を動的に再構築して、生成の必要がある損傷部の局所的要件に従って、双極モードと単極モードで選択的に動作させるようにすることが可能である。
【0028】
アブレーションの監視
双極アブレーションは所望により、経路に沿って進む際に図形的に追跡することができ、これによりオペレーターは線又は環が完全にアブレーションされた時点を容易に判定することができる。ここで図2を参照する。この図は、本発明の一実施形態に従ってアブレーションを受けている心臓の後方−前方投影における電気解剖学的マップ37の予想実施例である。上述のCARTO 3システムは、このようなマップを生成することができる。この例において、神経叢を含む領域が円39で囲まれている。これらの領域は、アブレーションによって確立される損傷部41の位置及び配向の選択のガイドとなり、これにより、例えばコンプレックス細分化心房電位図と関連する不整脈など、不整脈の治療を行うことができる。そのような不整脈の箇所特定及び治療の技法は、同時継続出願の第12/275380号に全般的に教示されており、これは参考として本明細書に組み込まれる。もちろん、その他数多くの不整脈及び異常伝導経路を、本発明の原理により治療することができる。
【0029】
アブレーションの進行中、このプロセスはマップ37で一連の連続したタグとして追跡及び表示され、ここにおいて格子模様を有する矩形43は双極アブレーションの間隔を表わし、この矩形43に対する向きが概ね垂直である矩形45は単極アブレーションの間隔を表わす。損傷部41は直線状に示されている。しかしながら、必ずしも直線状でなくともよい。そのような損傷部は、曲線状、又は断続的であってもよい。矩形43は、例えば色などの図形的技法によって、矩形45とは区別することができる。
【0030】
本発明は、上記に具体的に示し、説明したものに限定されないことを、当業者は理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、以後に記載する種々の特性の組み合わせ及び一部の組み合わせをともに含み、それに加えて前述の説明を読んで当業者が思いつくであろう、先行技術にはない変形及び改良をも含む。
【0031】
〔実施の態様〕
(1) プローブの遠位部分に配置された第1及び第2アブレーション電極と、前記第1及び第2のアブレーション電極の間に配置された感知電極とを有する前記プローブを提供する工程と、
前記プローブを対象者の心臓の標的組織に接触させる工程と、
前記第1及び第2のアブレーション電極を通じてエネルギーを印加して前記標的組織をアブレーション経路に沿ってアブレーションする工程と、
前記エネルギー印加工程の実施中に、心臓電気活動を検出するための前記感知電極を用いて前記心臓電気活動を監視する工程と、
前記心臓電気活動が前記感知電極によってもはや検出可能でないという観測を行う工程と、
前記観測に対応して前記エネルギー印加工程を終了させる工程と、を含む、心臓電気活動異常の治療方法。
(2) 前記心臓電気活動が近接場活動である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記心臓電気活動の電界と磁界との間に90°の位相シフトが存在する、実施態様2に記載の方法。
(4) エネルギーの印加には、前記第1及び第2のアブレーション電極が双極電極として作動する双極操作モードと、前記第1及び第2のアブレーション電極のうち少なくとも一方が単極電極として作動する単極操作モードとを交互に切り替えることが含まれる、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記標的組織と前記アブレーション経路に沿ったエネルギー印加の進行とを含む、前記心臓の一部のマップを図形的に表示することによって前記エネルギー印加工程を監視する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(6) エネルギーの印加には、前記第1及び第2のアブレーション電極が双極電極として作動する双極操作モードと、前記第1及び第2のアブレーション電極のうち少なくとも一方が単極電極として作動する単極操作モードと、を交互に切り替えることが更に含まれ、前記心臓電気活動の監視には、前記双極操作モードと前記単極操作モードのそれぞれに伴う前記アブレーション経路の第1の部分及び第2の部分を示すため前記マップにタグ付けをすることが含まれる、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記プローブが、前記第1及び第2のアブレーション電極の間に配置された少なくとも2つの感知電極を有する、実施態様1に記載の方法。
(8) プローブの遠位部分に配置された第1及び第2のアブレーション電極と、前記第1及び第2のアブレーション電極の間に配置された感知電極とを有する前記プローブと、
前記第1及び第2のアブレーション電極に接続されたアブレーションエネルギー発生器と、
前記感知電極に接続されており、かつ前記プローブが対象者の心臓の標的組織に接触しているときに前記感知電極を介して心臓電気活動を検出するように作動するモニターであって、前記標的組織とアブレーション経路に沿ったエネルギー印加の進行とを含む前記心臓の一部のマップを表示するように動作可能な図形表示装置を含む、モニターと、を含む、医療用装置。
(9) 前記心臓電気活動が近接場活動である、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記心臓電気活動の電界と磁界との間に90°の位相シフトが存在する、実施態様8に記載の装置。
【0032】
(11) 前記第1及び第2のアブレーション電極が双極電極として作動する双極操作モードと、前記第1及び第2のアブレーション電極のうち少なくとも一方が単極電極として作動する単極操作モードとで機能するように、前記第1及び第2のアブレーション電極を構成するための構成回路を更に含む、実施態様8に記載の装置。
(12) 前記モニターが、前記双極操作モードと前記単極操作モードのそれぞれに伴う前記アブレーション経路の第1部分及び第2部分を示すため前記マップにタグ付けをするように動作可能である、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記感知電極が、前記第1及び第2のアブレーション電極の間に配置された少なくとも2つの感知電極を含む、実施態様8に記載の装置。
図1
図2