(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド部分の前記細長い構造は、三角形の横断面を有する中心の細長い本体を備え、前記中心の細長い本体は、前記第1ガイド面と、第2ガイド面を画定することを特徴とする請求項1に記載の人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
前記ガイド部分は、それらの間の前記第1の細長いスロットを画定するために前記第1ガイド面に沿って延在する第1の細長い付属品と、それらの間の第2の細長いスロットを画定するために前記第2ガイド面に沿って延在する第2の細長い付属品とを備えることを特徴とする請求項2に記載の人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
前記切断ガイド接触機構は、支柱を備え、前記ブローチ接触機構は、ソケットを備え、前記ソケットは、前記支柱の一部を受け取るように形作られていることを特徴とする請求項1に記載の人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
前記係合部分の前記下側表面は、第1段を備え、前記第1段は、前記ブローチに対して、前記切断ガイドの前記支柱周りの回転を実質的に妨げることを特徴とする請求項1に記載の人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
前記係合部分は、作動可能なボタンを備え、外力が前記ボタンに加えられると、前記ソケットが前記支柱の一部を受け取ることができ、前記外力が解除されると、前記係合部分は、前記支柱が前記ソケット内に固定されるように前記支柱に係合することを特徴とする請求項4に記載の人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
前記細長い構造は、前記ブローチ接触機構により画定された軸に対して横断するように縦方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
さて、本発明に係る種々の実施例が添付の図面を参照して説明される。当然のことながら、これらの図面は、本発明の代表的な実施例のみを示すものであり、したがって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
本発明は、短縮された頸部および該頸部を強化する手段を含んでいる耐衝撃性の人工大腿骨股関節ステム(a prosthetic high impact femoral hip stem)を示している。加えて、本発明は、人工股関節ステムによる潜在的衝撃を減少させ、患者の生まれつきの可動域を維持する手段を示している。
【0011】
本明細書において、標準的な医学的方向を示す用語は、通常の日常的な意味を持って使用される。上位(superior)は、頭部の近くを意味する。下位(inferior)は、頭部から離れていることを意味する。前方(anterior)は、前部(the front)の近くを意味する。後方(posterior)は、後部(the back)の近くを意味する。中間(medial)は、本体の左右対称の平面である正中線(midline)の近くを意味する。側面(lateral)は、本体の正中線から離れていることを意味する。基端(または、近位、proximal)は、本体の幹部(the trunk of the body)の近くを意味している。末端(または、遠位、distal)は、該幹部から離れていることを意味する。さらに、標準的な股関節の解剖学的用語は、通常の日常的な意味を持って使用される。
【0012】
図1を参照すると、傷のない生まれつきの大腿骨110が前後方向から見た図とも言われる正面図に実線で示されている。大腿骨110は、骨幹102を含んでいる基端部100、頸部104および頭部106を有している。骨幹102は、中心縦軸112を有する。頸部104は、骨幹軸に対して傾斜した中心縦軸124を有する。頭部106は、おおよそ球形であり得る。頭部は、中心点114を有する。あるいは、回転中心114は、平均側面オフセット値、通称、従来オフセットまたは標準オフセットとして知られている側面オフセット距離(a lateral offset distance)130だけ骨幹軸112から離れて間隔をおいて配置されている。
【0013】
側面オフセット130は、全体として参照により本明細書に組み込まれている、1992年に刊行されたイギリスの「Journal of Bone and Joint Surgery」(JBJS BS)、74B巻、28−32頁におけるルビンらの研究に基づけば、約39.8mm〜54.2mmであり得る。あるいは、側面オフセット130は、1988年に刊行された「Clinical Orthopedics and Related Research」(CORR)、235号、148−165頁におけるノーブルらの研究に基づけば、36.2mm〜49.8mmであり得る。
【0014】
図1は、また、中心点118を持つ別のおおよそ球形の大腿骨頭部116を有する大腿骨110の解剖学的変異体を例示している。頸軸124上にあり得る中心118は、側面オフセット130より大きい第2の側面オフセット距離132だけ骨幹軸112から離れて間隔をおいて配置されている。この距離は、明確にするために、
図1において誇張されている。この変異体は、高度の側面オフセットを有すると言われている。中心118は、また、中心114より大きい、大腿骨110の確かな解剖学上のランドマークからの垂直オフセットを有し、したがって、頸軸124からずれていてもよい。この変異体における頸部104は、当然ながら、骨幹102から頭部116に到達するのに十分に長い。
【0015】
図1は、また、中心点122を持つさらに別のおおよそ球形の大腿骨頭部120を有する大腿骨110の別の解剖学的変異体を例示している。頸軸124上にあることが示されている中心122は、第2の側面オフセットよりも大きい第3の側面オフセット距離134だけ骨幹軸112から離れて間隔をおいて配置されている。この距離も、明確にするために、
図1において誇張されている。この変異体は、高度のオフセットを有すると言われている。さらに具体的には、該オフセットは、特に高度なオフセットと看做される。中心122は、また、中心118より大きい、大腿骨110の確かな解剖学上のランドマークからの垂直オフセットを有する。この変異体における頸部104は、当然ながら、骨幹102から頭部120に到達するのに十分に長い。
【0016】
ルビン(JBJS BR 1992)は、最高で62.8mmまでのオフセットを報告している。最高68.6mmまでのオフセットがルビンの47.0mmの平均値プラス7.2mmの3つの標準偏差値(three standard deviations)から予測され得る。ノーブル(CORR 1988)は、最高61.0mmまでのオフセットを報告している。最高63.4mmまでのオフセットがノーブルの43.0mmの平均値プラス6.8mmの3つの標準偏差値から予測され得る。
【0017】
図2を参照すると、大腿骨110の基端部100に植え込まれている従来の人工大腿骨全股関節(a prior art total hip femoral prosthesis)200が示される。モジュール式の人工大腿骨(modular femoral prosthesis)200は、ステム構成部品206、頸部構成部品208、および頭部構成部品210を含んでいる。頸部208と頭部210とステム206は、一緒に固定されている。ステム206は、大腿骨の骨幹102の用意された導管内に示されている。傾斜した切除面108を残し、頸部104、頭部106、および基端部100の一部分を取り除く大腿骨頸部の骨切り術が行われてきた。ステム206は、該ステムが骨幹102内に植え込まれると骨幹軸112と整列される中心縦軸214を有する。頸部208は、ステム軸214に対して傾斜している中心縦軸216を有する。頭部210は、球形であり、頸軸216上に存在する中心点212を有する。中心点212は、従来の側面オフセットである側面オフセット距離240だけステム軸214から離れて間隔をおいて配置されている。
【0018】
図2は、また、ステム206、別の頸部構成部品222、および別の頭部構成部品224を含んでいる別の従来の人工大腿骨全股関節220を例示している。頸部222は、ステム軸214に対して傾斜している中心縦軸230を有する。頭部224は、球形であり、頸軸230上に存在する中心点226を有している。中心226は、側面オフセット240より大きい側面オフセット距離242だけステム軸214から離れて間隔をおいて配置されている。側面オフセット242は、側面オフセット240と比較して高度のオフセットと称され得る。中心226は、また、中心212より大きい、大腿骨110の確かな解剖学上のランドマークからの垂直オフセットを有し得る。頸軸230に沿ってベースから端部まで測定された頸部222は、約38mmの長さがある。
【0019】
高度のオフセットの頸部222は、従来の頸部208より長いことが理解され得る。したがって、頸部222は、使用中、頸部208よりも強いストレス(stresses)を感じ得る。つまずき、すべり、落下、またはその他のトラウマ(other trauma)による強いサービスストレス(high service stresses)および/または偶発的な過重負担、特に、体内で何年にもわたるストレスや負担が原因で、頸部222は、曲がったり、ひびが入ったり、または折れるかもしれない。頸部222は、示されている領域228で、またはその近くで衰えることが予想されている。頸部222の衰えは、付随する社会復帰や重大な合併症の恐れを伴う、少なくとも損傷している頸部を置換する矯正手術を必要とする。
【0020】
図3を参照すると、大腿骨110の基端部100に植え込まれている従来の人工大腿骨全股関節302が示される。モジュール式の人工大腿骨302は、ステム構成部品304、頸部構成部品306、および頭部構成部品308を含んでいる。頸部306と頭部308とステム304は、一緒に固定されている。ステム304は、大腿骨骨幹102の用意された導管内に示されている。大腿骨骨幹102は、上述されるように用意されている。ステム304は、該ステムが骨幹102内に植え込まれると、骨幹軸112と整列する中心縦軸310を有する。頸部306は、ステム軸310に対して傾斜する中心縦軸314を有する。頭部308は、球形であり、中心点312を有する。中心312は、側面オフセット距離340だけステム軸310から離れて間隔をおいて配置されている。
【0021】
図3は、また、長いステム構成部品322、水平頸部構成部品324、および別の頭部構成部品326を含んでいる別の従来の人工大腿骨全股関節320を例示している。ステム322は、ステム軸310と整列している。頸部324は、ステム軸310に対して直角をなす、またはそれに近い角度をなす中心縦軸328を有する。頭部326は、頭部308と同じ位置に存在する。したがって、頭部326は、頭部308と同じ側面オフセットおよび垂直オフセットを有する。
【0022】
頸部324は、頸部306より短いかもしれないが、ステム322と頸部324は、ステム304と頸部306よりも大きく大腿骨110から基端側に突出していることが理解され得る。したがって、ステム322と頸部324は、側面骨盤のような解剖学的構造物を取り囲んで作用することによる外転(abduction)を妨げ得る。
【0023】
図4を参照すると、大腿骨110の基端部100に植え込まれている従来の人工大腿骨全股関節402が示される。モジュール式の人工大腿骨402は、ステム構成部品403、頸部構成部品404、および頭部構成部品406を含んでいる。頸部404と、頭部406とステム403は、一緒に固定されている。ステム403は、大腿骨骨幹102の用意された導管内に示されている。大腿骨骨幹102は、上述されるように用意される。ステム403は、ステムが骨幹102内に植え込まれると、骨幹軸112と整列する中心縦軸410を有する。ステム403は、ステム挿入器具(不図示)用の配置スロット(a placement slot)408、大腿骨内に用意された導管内にステムを駆動するために使用される工具を有する。頸部404は、ステム軸410に対して傾斜し得る中心縦軸414を有する。頭部406は、球体であり、中心点412を有する。中心412は、側面オフセット距離440だけステム軸410から離れて間隔をおいて配置されている。
【0024】
図4は、また、別のステム構成部品424、別の頸部構成部品426、および別の頭部構成部品428を有する別の従来の人工大腿骨全股関節422を例示している。ステム424は、ステム軸410と整列している。頸部426は、ステム軸410に対して傾斜し得る中心縦軸432を有している。頭部428は、球体であり、中心点430を有する。中心430は、側面オフセット距離440だけステム軸410から離れて間隔をおいて配置されている。中心430は、中心412より軸410に平行な方向で大腿骨110のランドマークから離れている。人工股関節422は、人工股関節402に比べて高度の垂直オフセットを有すると言われる。
【0025】
図5Aを参照すると、従来のモジュール式人工大腿骨全股関節500は、ステム構成部品502、頸部構成部品506、および頭部構成部品508を含んでいる。頸部506と頭部508トステム502は、一緒に固定されている。ステム502は、ステムが骨幹102内に植え込まれると、骨幹軸112と整列する中心縦軸512を有する。ステム502は、また、人工股関節500が組み立てられると、頸部506の末端部を受け入れるポケット(a pocket)504を有する。頸部506は、ステム軸512に対して傾斜し得る中心縦軸516を有する。回転の末端中心510が頸部506の末端部で頸軸516上に画定され得る。回転の末端中心510は、頸部506がステム502に固定されると、ポケット504内に存在する。頭部508は、球体であり、中心点514を有する。中心514は、頭部508が頸部506に固定されると、頸部506の基端部で頸軸516と重なり、したがって、中心514は、また、頸部の回転の基端中心と言われ得る。中心514は、中間−側面距離518および頸軸516に沿う距離520だけ末端中心510から離れて間隔をおいて配置されている。中間−側面距離518は、約20mm〜50mmである。距離520は、約20mm〜30mmである。
【0026】
図5Bを参照すると、従来の高度オフセットのモジュール式人工大腿骨全股関節は、長いモジュール式頸部構成部品550を有するステム502と頭部508を含んでいる。頸部550は、ステム軸512に対して傾斜し得る中心縦軸552を有する。この配列における頭部508の中心は、点554にある。中心554は、中間−側面距離522および頸軸552に沿う距離524だけ末端中心510から離れて間隔をおいて配置されている。距離524は、距離520より大きい。中間−側面距離522は、増分526だけ中間−側面距離518より大きい。増分526は、約10mm〜20mmである。したがって、中間−側面距離522は、約30mm〜70mmである。距離524は、約30mm〜40mmである。不都合なことに、側面オフセットの増大は、頸部222に関して述べたように、長いモジュール式頸部550にかなり大きなストレスと緊張(stress and strain)をかける。
【0027】
図6Aおよび6Bを参照すると、従来の頸部切除面(a traditional neck resection level)を有する標準的な従来の短い楔式の人工股関節ステム(a standard prior art short wedge-style prosthetic hip stem)が例示されている。
図6Aに示されるように、短い楔式人工股関節ステム800は、従来の多孔質コーティング面(a traditional porous coating level)802および該多孔質コーティング面の基端側境界806から頭部接続機構(a head connection feature)808の中心点807までの距離により画定されるような従来の有効頸部長さ804を含んでいる。短い楔式人工股関節ステム800は、短縮されたステム部分810を含んでいる。短縮されたステム部分810は、エルボ機構(an elbow feature)812を含んでいる。それは、また、転子免荷遷移(a trochanteric relief transition)といわれている。多孔質コーティング面の末端側境界805は、転子免荷遷移812の下に示されている。
図6Bを参照すると、従来の頸部切除面814を有する近位大腿骨内に挿入されている標準的な短い楔式人工股関節ステム800が示されている。頸部切除面は、多孔質コーティングの基端側境界806と一致する。
【0028】
種々の市販の入手可能な人工全股関節の種類が説明されてきたが、以下の説明は、短縮された頸部および高度の頸部切除を可能にする基端側コーティングを含む人工全股関節の実施例に関する。別の実施例は、頸部を強化する手段を含んでいる。さらに、以下の説明は、潜在的な衝突が減少し、患者が通常の可動域を維持することが可能となるような小突起領域を用意する方法を提供する。
【0029】
図7を参照すると、近位大腿骨内に植え込まれている、短縮された頸部および基端側コーティングを有する人工大腿骨股関節ステム(a prosthetic femoral hip stem)600の実施例が示されている。大腿骨股関節ステム600は、従来の側面オフセット601、標準的なステム長さおよび標準的な基端側本体の設計を含んでいる、
図1−6において説明されたステムと同様の特徴を含み得る。ステム構成部品602は、骨髄内導管内に延在するように示されている。大腿骨股関節ステムは、モジュール式の大腿骨頭部を受け止めるように形成されている頭部接続機構606を含んでいる。頭部接続機構606は、中心点605を含み得る。さらに、大腿骨股関節ステム600は、従来のステムで用いられるより高度な頸部切除のために設計され、短縮された人工頸部604を可能にする。頸部604は、この実施例では中間に置かれる。ステム602、頸部604および頭部接続機構606の部分は、それぞれの部分の要求に応じて異なる材料から作られ得る。
【0030】
大腿骨股関節ステム600は、また、ステム602の基端側にある横断面に沿って延在し、ステム602と頸部604の側面部分に交差し得る上面620を含み得る。言い換えれば、上面620は、ステム602の上方部分と頸部604のベース部分を一体化させる。上面は、滑らかであり、平坦であり得る。あるいは、上面は、粗面処理のような表面性状要素(surface texture elements)を含んでもよいし、また、起伏があってもよい。
【0031】
短縮された頸部604は、1つの材料からなる基板で作られ、別の材料からなる外側コーティング608を含み得る。コーティング608は、多孔質であり、頸部604を取り囲んで骨内部成長を高める。短縮された頸部604は、高水準の多孔質コーティング608を可能とし得る。この場合、基端側コーティング608の基端側境界610の少なくとも一部は、上面620に平行な平面に沿ってステム602の基端側部分から延在し得る。短縮された頸部の骨内部成長は、短縮された頸部との負荷分担を促進し、耐衝撃性の適用を可能とする。それで、基端側コーティング608の基端側境界610は、頸部604のベース部分を横切って斜めに末端方向に延在し得る。基端側境界610の傾斜部分は、頭部接続機構606の中心点605から第1の距離612の位置に配置され得る。
【0032】
短縮された頸部604の側面範囲(the lateral extent)は、ステムの切除面、またはステムの多孔質コーティング面と頭部接続機構606の中心、または存在する場合の実際の頭部の中心との間の側面距離として画定され得る。より詳細には、側面範囲は、頸軸と切除面または多孔質コーティング面との交点と頭部接続機構606または頭部の中心との間の側面距離として画定され得る。短縮された頸部604の側面範囲は、上述した、例えば、
図1に関連して述べられた、一定の割合の全側面オフセット距離であり得る。側面範囲は。側面オフセットの約50%であり得る。あるいは、それは、40%、30%または20%の全中間オフセットのように小さなオフセットであってもよい。例えば、全側面オフセットが45mmである場合、側面範囲は、全側面オフセットの30%、または15mmであるとして画定され得る。頸軸に沿って測定されると、より小さな側面範囲が短縮された頸部に関連することが理解される。
【0033】
比較として、股関節ステム600に類似しているが、長い頸部と従来の多孔質コーティング面を有する大腿骨股関節ステムが
図8に示されている。従来の多孔質コーティングは、頭部接続機構606の中心点605からの第2の距離614に配置される基端側境界を有する。この場合、第2の距離614は、
図6に示される第1の距離612より大きい。
【0034】
図7に示されるように、頸部604を短くし、基端側コーティング608を含むことにより、基端側コーティングが頭部に近い骨内部成長を高め、したがって、生まれつきの骨と分担する負荷の量の増大化による頸部606に加えられるストレスを減少させるので、支えられていない頸部長さの量は縮小し、モーメントアーム長さ(moment arm length)は減少し得る。
図7および9〜11に記載される耐衝撃性の股関節ステムは、生まれつきの股関節に匹敵する可動域を提供する(≧36mmのような)大きな直径の頭部用に最適化されている。大きな直径の人工頭部を取り囲む人工頸部の形状を設計することにより、人工頸部の長さが短縮され、一方、寛骨臼の衝突が起こる面における人工頭部の直径と頸部の直径との間の所望の比率が維持され得る。
【0035】
大腿骨股関節ステム600の別の実施例は、頸部を強化する手段を含み得る。
図9、10A−10Bを参照すると、大腿骨股関節ステム600の基端側部分が示されている。ステム600は、以前の設計に比べて、上面620上に置かれる追加材料を含み、頸部を強化する手段として役立つ曲線的な上面622を作り出し得る。頸部を強化する手段を作り出すべく上面に追加される材料は、頸部とステムの部分を製造するために使用される材料と同じであるか、または異なる材料であり得る材料を含み得る。
図10Aおよび10Bは、曲線的な上面622の断面A−Aを提供する。ここで、追加材料は、上面620上に存在する。あるいは、追加材料は、多角形、矩形またはその他の不規則な形状をした、基端側に高められた断面を作り出し得る。
【0036】
曲線的上面622は、対象とする大腿骨頭部の中心位置および側面頸部とステム上面との交点との間に一定の距離を維持するのに役立つ。植え込み全体の大きさが変動する(ステム直径およびオフセット)時、この「有効頸部長さ」624は、略一定のままである。追加材料620は、したがって、頸部604と追加材料620との交点と頭部構成部品606の中心点との間の長さとして画定される一定の有効頸部長さ624を提供する。多孔質コーティング608は、また、曲線的上面622を越えて延在し得る。
【0037】
図9−10Bに例示されるような本明細書における設計は、22mmより大きい、好ましくは32mmより大きい、さらに好ましくは、36mmより大きい人工大腿骨頭部に適している。大きい人工頭部は、小さい頭部が提供するより比較的大きい可動域を提供し得る。増大化された可動域は、該可動域の価値によって経験され、または、大きな頭部の全股関節形成術システムの設計全体におけるその他の選択に影響を与え得る。例えば、大きな頭部システムにおける可動域の実際の増大化を提供する代わりに、頸部の直径または幅がその強さを改善するために増大し、高度の頸部切除が用いられ、および/または薄い寛骨臼構成部品が提供され得る。高度の頸部切除は、設計が高度な多孔質面、短縮された頸部および/または平均化された頸部を組み込むことを可能とする。これらの選択が結果的にその可動域が小さな頭部システムの可動域に匹敵する大きな頭部システムをもたらす一方で、これらの選択は、また、その強さおよび荷重伝達特性が、需要の高い患者に適しているシステムをもたらす。
【0038】
図11Aおよび11Bを参照すると、耐衝撃性大腿骨股関節ステムの別の実施例が、
図7に記載される短縮された頸部長さ604を、頸部を強化する手段としての
図8および9に記載される曲線的な上面622と組み合わせている。これらの特徴を組み合わせることにより、頸部は、所定のステム直径または大きさに使用可能である最大大腿骨オフセットが増大化され得るように、十分に強化され得る。特に、このことは、小さな骨髄導管の解剖額的構造(small intramedullary canal anatomy)および大きな側面オフセットを有する患者にとって有利である。この大腿骨の形態は、「シャンパン・フルート」形態といわれている。
図11Aを参照すると、標準的なステム設計の高度オフセットの提供に匹敵する側面オフセットを有する高度オフセット642と増大化された側面オフセットを有する高度オフセットプラス640の2つの異なったあり得るオフセットが例示されている。
【0039】
図11Bに示される表は、ステム部分602の直径と側面オフセットの間の形状的関係の実施例を示す。表の最も左側の欄は、種々の末端側のステムの直径を列挙している。最も右側の2つの欄は、2つの設計に対する側面オフセットの値を示している。最も右側の欄は、その他の増加が予想されるけれども、側面オフセットにおいて5mmの増加が示されている。例えば、高度オフセットプラスの設計は、患者集団に対する平均側面オフセットを超える1または2つの標準的偏差より大きい側面オフセットを組み込み得る。平均を超える3またはそれ以上の偏差より大きい側面オフセットも予想される。
【0040】
図12А−12Bを参照すると、短縮されたステムを有する耐衝撃性の大腿骨股関節ステムの別の実施形態が例示されている。大腿骨股関節ステム850は、
図6Aおよび6Bに記載される股関節ステムと類似しているが、該ステム850は、基端側多孔質コーティング852、高度頸部切除面854、およびしたがって、短い「有効頸部長さ」を含み得る。大腿骨股関節ステム850は、転子免荷遷移(a trochanteric relief transition)858を有する短縮されたステム856、および連続的なフレア(flare)と緩やかな湾曲を有する中間湾曲部860を含み得る。大腿骨股関節ステム850は、また、本明細書に先に記載された実施形態と類似の頭部接続機構862を含み得る。
【0041】
短縮されたステム856は、長さで6cmに満たないか、または長くてもよい。基端側多孔質コーティング852は、基端側境界851および末端側境界853を含み得る。基端側多孔質コーティング852の基端側境界851は、
図6Aおよび6Bに例示される多孔質コーティングの基端側境界806よりも頭部接続機構862の近くにあることを例示している。また、基端側多孔質コーティング852の末端側境界853は、転子免荷遷移858にまたは転子免荷遷移858の基端側に配置されている。基端側多孔質コーティング852の末端側境界をこの配置に置くことにより、植え込み体は、コーティングが湾曲部858の周辺に延在していないので、修正手術の間に容易に取り除かれ得る。
【0042】
さらに、大腿骨股関節ステム850が
図12Bに示されるように近位大腿骨に挿入されると、頸部切除面854は、
図6Bに示される頸部切除面814より高い。頸部切除面を基端側に移し、したがって、多孔質コーティングを基端側に移すことにより、股関節ステムへの後の修正は、従来の多孔質コーティング面を有する従来の股関節ステムに比べると容易になり得る。また、先に述べた実施形態に類似して、高い頸部切除面は、生まれつきの大腿骨、特に、小突起領域の優れた保持を可能とし、ステムが一層多くの負荷を生まれつきの大腿骨と分担することを可能にし、構造物の全体の強度を増大させる。骨の一体化は、人工頭部の近くで達成され得る。多孔質コーティングが基端側で中間フレアの上まで高いので、大きな圧縮ストレスが骨の界面で起き得る。このことは、優れた骨内部成長を促進するのに役立つ。このことは、さらに、頸部の支えられていない長さを減少させ得る。総体的に、このことは、大腿骨のステムの仕官を実質的に防止し、大腿骨内のステムの移動を減少させ、優れた植え込み安定性を提供する。
【0043】
大腿骨股関節ステム850は、また、先の実施形態で説明されたように、頸部を強化する手段を含み得る。
【0044】
本明細書で説明されているステム構成部品はいずれも、生体適合性材料から作られ得る。生体適合性材料の例は、限定されるものではないが、ステンレス鋼、チタンおよびその合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、およびその他のクロム合金のような金属;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリアリールエーテルケトン(PAEK)のようなポリマー;アルミナやジルコニアのようなセラミックス;および炭素繊維強化エポキシ樹脂のような複合材料を含み得る。ステム構成部品の部分は、それぞれの部分の要求にしたがって異なる材料から作られ得る。ステム構成部品は、ある材料からなる末端部分と別の材料からなる基端部分とで作られ得る。ステム構成部品は、ある材料の基板と別の材料のコーティングとで作られ得る。材料は、中実(すなわち、非多孔質)または多孔質であってもよい。ステム構成部品の表面は、ミクロレベルまたは巨視的レベルで滑らかであってもよいしざらざらしていてもよい。ステム構成部品は、鋳造、鍛造、機械加工、またはこれらの方法の組み合わせにより作られ得る。鋳造は、熱的手段、化学的手段、電気的手段、またはこれらに匹敵する手段が適用される。例えば、コーティングは、焼結、スパッタ(spattered)、蒸着(vapor deposited)、イオン注入、電気メッキなどをされ得る。
【0045】
本明細書で説明されている頸部構成部品はいずれも、上でステム構成部品に対して説明したように作られ得る。頸部構成部品は、強度を強めるかまたはやむをえない強度の減少を最小限に抑える材料、表面処理、および製造方法で作られることが好ましい。
【0046】
図13A−13Eは、高い最終切除面を有する耐衝撃性股関節ステムを準備し、挿入する方法のステップを示している。骨切りは、頭部を取り除くことにより遂行され、
図13Aに染めされるような頭部−頸部接合部に、またはその近くに、用意された切除面を作り出し得る。次に、骨髄内(IM)導管が
図13に示されるような箱型のみ(a box chisel)またはその他の類似する手術器具を用いて開けられる。
【0047】
図13Cに示されるように、一端IM導管が開けられると、外科医は、次に、
図13Dおよび13Eに示されるように、末端側IM導管をリーマ(a reamer)で仕上げ、基端側IM導管および基端側骨幹端をブローチ(a broach)で広げ得る。次に、頸部切除が、平坦な小突起用リーマまたは鋸のための切除ガイドとして、ブローチを用い完了し得る。
【0048】
図14Aおよび14Bは、従来の切除面と
図11A−11Eで説明される技術にしたがう最終切除面との間の対比を提供する。最終切除面(
図14B)は、大腿骨頸部上に従来の切除技術よりも高く存在し、結果として、生まれつきの骨と分担する大きな負荷をもたらす。
【0049】
図7および9−11において説明されている耐衝撃性ステムの設計は、全股関節形成の間、近位大腿骨の小突起領域の優れた骨保護、および改善された負荷分担のために、
図13A−13Eにおいて説明される手術方法を使用し得る。しかしながら、骨保護の潜在的増大化は、衝撃により患者の可動領域を制限する。
【0050】
先の設計は、低い大腿骨頸部切断を利用し、頸部平面の組み込みを含んでいる植え込み頸部の形状を変更し、小さなサイズの頭部を用いるとき、寛骨臼構成部品の衝撃に対し安心感を与える。大きなサイズの頭部を用いるとき、例えば、斜面切断、浮き彫り、丸み付け、エッジ・ブレーク(edge break)、または潜在的衝撃の領域のその他の変更を用いることにより、このような同じ形状の変更が周囲の骨においてなされ得る。周囲の骨においてなされる斜面切断またはその他の切断は、衝撃が寛骨臼構成部品に対して起きる場合、安心感を与える。衝撃の軽減が植え込みではなく骨において取り組まれるので、このことは、薄い植え込み首部の形状が用いられることを可能にし得る。骨の部分を取り除き、面取りされた平坦な面を示すことを含んでいる、このような趣旨での骨の形状を変更するためにどのような方法も用いられ得る。ある基端側の骨は、骨の「棚」のような、高い衝撃の適用において分担する負荷に対して保持され、挿入された股関節ステムの頸部分からの負荷を移動させるのに役立ち得る。別の骨表面形状は、曲線的表面、L字形切り欠き、あるいは、起伏のある表面切除形状を含み得る。
【0051】
図15Aおよび15Bは、先に説明された耐衝撃性股関節ステムと連結して用いられ得る面取りされた骨の断面の実施例を示している。
図15Aおよび15Bに示される面取りされた骨の表面は、典型的な可動域を可能とする一方、小突起骨の高い面を維持している。
図15Cおよび15Dは、面取りされた骨の別の実施例を示している。この場合、切除面は、小突起骨の高い面を維持する一方、角張っており、これも典型的な可動域を可能としている。
【0052】
図16A−25Bは、面取りされた表面を作り出し、衝撃を減少させ、強化された頸部を有する股関節ステムを可能とする器具および方法を例示している。
図16A−16Fは、前方の小突起室をさらに用意し、可動域を増大させ、人口構成部品および/または宿主骨(host bone)の可能性のある衝撃を妨げる追加ステップを例示している。
図16Aは、
図13A−13Eにしたがって用意された近位大腿骨を示している。大腿骨頭部部分は、取り除かれ、IM導管に近づくことを可能にする馬蹄形の空洞650を示している。空洞の深さおよび幅は、患者の解剖学的構造にしたがって変わりやすい。あるいは、空洞は、矩形状であってもよいし、または不規則な形状をしていてもよい、
図16Bにおいて、近位大腿骨は、さらに、斜めになったまたは面取りされた前方縁部652を空洞650にガイドすることにより用意された。
図16Cは、第1の非傾斜公報縁部654および傾斜前方縁部652を含み得る空洞650の上面図を提供している。あるいは、前方縁部と公報縁部は両方とも傾斜していてもよい。この場合、後方であって下方の骨株(bone stock)は、
図16Dに示されるように、最大限のストレス転移(maximal stress transfer)に対して保護され得る。前方縁部が傾斜していると、可動域は、
図16Eおよび16Fに示されるように、改善され得る。
図16E−16Fを参照すると、空洞650を通って大腿骨内に挿入された近位大腿骨ステムの上面図が示されている。図では、頭部接続構成部品606が寛骨臼カップ666により受け取られているモジュール式頭部665に接続されている。植え込まれた股関節ステムは、先の実施例において説明されている股関節ステム600であり得る。
図16Eは、中立の、非回転位置にある、股関節ステム600と接続されているモジュール式頭部665を例示している。
図16Fは、空洞450の前方傾斜縁部452が寛骨臼カップ666と接触状態になるように回転している、股関節ステム600と接続されているモジュール式頭部665を例示している。寛骨臼カップ666の前方縁部に接触する前に近位大腿骨がさらに回転することを可能にすることにより、傾斜縁部652が衝突の可能性を減少させていることが理解され得る。
【0053】
図17A−17Cを参照すると、傾斜前方縁部652は、時には、小突起プレーナーまたは小突起リーマともいわれる、ブローチ674と係合する支柱672上の平坦なリーマ670を用いることにより用意され得る。
図17Aは、ブローチ674を示している。該ブローチは、傾斜前方縁部652の所望の角度に直交する傾斜した基端側穴676を含んでいる。ブローチ674が近位大腿骨に嵌め込まれるとともに、支柱672が穴676内に挿入され、リーマ670を穴に整列させる。運動矢印677により指示されるように、リーマ670が回転し、前進すると、リーマは、基端側前方縁部を斜めに裁断し、斜面652を形成する。リーマ670は、該リーマが回転している間、干渉されることなく基端側前方縁部またはブローチの方部を受け取る大きさに形作られている中心空洞を含み得る。
【0054】
ブローチは、ただ1つの穴のみを含み得る。この場合、別個の左右のブローチが設けられている。ブローチは、また、単一のブローチが左右の大腿骨に適している2つの穴を含み得る。
【0055】
図18A−20Bを参照すると、患者の正常な可動域を保持するとともに、高い切除面を有する人工股関節のための大腿骨股関節ステムを準備するのに用いられ得る方法および器具の別の実施例が示されている。
図18Aおよび18Bを参照すると、面取りリーマが示されている。面取りリーマ900は、カップ状に形成されている切断面904に接続されている細長いハンドル部分902を含んでいる。カップ状に形成されている切断面は、また、骨切断面とも言われる。カップ状に形成されている切断面904は、円錐形であってもよく、または、さまざまな湾曲の度合いを含み得る。細長いハンドル部分902は、肩部906においてカップ状に形成されている切断面904に接続されている。肩部906は、細長いハンドル902より大きな直径を有し得る。カップ状に形成されている切断部分904は、肩部906に対して末端側に配置され、外側に向かって朝顔状に開いていてもよい。カップ状に形成されている切断部分904は、内面903および該内面903と背中合わせの外面905を含み得る。カップ状に形成されている切断部分904は、内面903と外面905との交点において、先の尖った縁部分908を含み得る。カップ状に形成されている切断部分904は、複数の窓ともいわれる開口部910を含み得る。該開口部は、骨の切除を手助けする先の尖った縁部911を含み得る。窓縁部911は、あるいは、扁平であってもよいし、丸みを帯びていてもよい。カップ状に形成されている切断部分904の頂点において、面取りリーマ900は、ブローチに接続される支柱部分を受け取るように形作られている雌型機構912を含み得る。雌型機構912は、カップ状に形成されている切断部分904の内面903から肩部906内に延在するソケットまたは穴を含み得る。あるいは、嵌め合い機構912は、ブローチの溝またはソケットにより受け取られるように形作られた相補的雄型機構であってもよい。
【0056】
図19Aを参照すると、近位大腿骨の頭部が頭部−頸部連結部において切除された後、近位大腿骨に挿入されている、支柱920を有するブローチが示されている。ブローチは、該ブローチが切除面と面一になり、支柱が切除面にほぼ直角を成して延在するように該支柱が方向付けられるまで大腿骨の空洞内に挿入されている。挿入されているブローチと嵌め合いになっている、
図18Aおよび18Bにおいて説明される面取りリーマ900が
図19Bに示されている。面取りリーマ900がブローチの支柱920に係合すると、先の尖った縁部分908は、切除面と面一になり得る。器具900は、次に、作動し、回転し、面取りリーマに力を加え、骨組織を取り去ることにより、小突起区域をリーマで仕上げる。
【0057】
図20Aを参照すると、ブローチ920が依然として近位大腿骨内に植え込まれている、面取りリーマ900を用いてリーマで仕上げられた後の近位大腿骨が示されている。リーマで仕上げた後、ブローチは、取り除かれ、先に説明されたような人工大腿骨股関節が
図20Bに例示されるように、挿入され得る。
【0058】
小突起リーマ(a calcar reamer)の別の実施例は、近位大腿骨内に挿入されたブローチの基端側部分を受け取るように形作られている中心開口部を含み得る。リーマが回転すると、面取り切断刃が鋸のような役割で作動し、ブローチの一方の側または両側に相補的な面取り骨表面を作り出すように、小突起リーマは、少なくとも1つの面取り切断面を含み得るけれども、小突起リーマの構造および使用方法は、
図17A−20Cに示されるリーマに類似している。これらの器具は、種々の切断刃の形状を含み、異なる形状をした骨切除を作り出す。あるいは、切除は、自由になされ、股関節ステムを取り囲んでいる骨部分を取り除き、潜在的な抵触を減少させ得る。
【0059】
図21A−21Bは、ブローチ674の傾斜した縁部678によりガイドされる鋸を用いることによる傾斜前方縁部652を用意する別の配列を例示している。この実施例において、ブローチの基端側前方角部は、傾斜前方縁部652のための所望の切除面を確定する傾斜部分678を持っている。ブローチ676が近位大腿骨内に嵌め込まれるとともに、鋸が傾斜部分678に整列され、それに沿って移動する。作動鋸が前進すると、該鋸は、基端側前方縁部を斜めに裁断し、斜面652を形成する。
【0060】
ブローチは、1つまたは2つの傾斜部分678を含み得る。
【0061】
図22−27は、全股関節形成中に近位大腿骨を用意するのに用いられ、衝撃の可能性を最小限に抑え、患者の生まれつきの可動域を維持する器具および方法の別の実施例を例示している。
図22Aおよび22Bは、大腿骨内に挿入されているモジュール式頭部に接続されている人工大腿骨股関節ステムを例示している。股関節ステムは、本明細書で先に説明されている耐衝撃性股関節ステム600であり得る。
図22Aおよび22Bを参照すると、股関節ステム600が大腿骨内に挿入された後、面切除切断(chamfer resection cuts)は、全く実行されなかった。接続されるモジュール式頭部部分は、寛骨臼構成部品と結合するものと理解され得る。
図22Bにおいて、面切除切断がなければ、骨−寛骨臼カップの境界における関節の後方衝突681が存在し、したがって、患者の可動域を制限することが理解され得る。
【0062】
図23−27は、近位大腿骨内に挿入されているブローチ674の基端側部分に嵌め込まれているかまたは取り付けられており、生まれつきの大腿骨の前方および後方部分に対する人工頭部の衝突を減少させる生まれつきの大腿骨の面取り縁部を作り出すのに用いられる面切断ガイド(a chamfer cutting guide)700を例示している。
【0063】
図23Aを参照すると、近位大腿骨内に挿入されているブローチ674が示されている。ブローチ674は、この出願において先に説明されているプロセスに類似するまたは一致する方法を用いて、近位大腿骨内に挿入されている。
図23Bは、ブローチ674の基端側部分に取り付けられている面切断ガイド700を例示している。
【0064】
図24は、係合部分ともいわれる第1部分710およびガイド部分ともいわれる第2部分750を含んでいる面切断ガイド700の斜視図を提供している。係合部分710は、面切断ガイド700をブローチ674またはその他の骨の機構に固定するように作用し、基端側表面712および該基端側表面の反対側にある末端側ブローチ接触部分714を含み得る。基端側表面712は、曲線的な縁部716とガイド部分の境界718との間に延在し得る。
【0065】
図25に例示されるように、末端側ブローチ接触部分714は、階段状の構造を有し、第1段720、該第1段720から末端方向にずれている第2段722、および第2段722から末端方向にずれている第3段724を含み得る。段数および方向は、変動可能である。末端ブローチ接触部分714は、また、挿入されているブローチを取り囲む骨部分と連動するように形作られている種々の代わりの構造を含み得る。特に、骨接触部分は、
図16Aおよび16Bに説明される空洞650の内側部分の骨と連動し得る。別の構成は、患者の骨の表面形状に合致する、平坦な、傾斜した、あるいは起伏のある表面を含み得る。
【0066】
末端ブローチ接触部分714の第1段720の表面は、少なくとも1つの開口部726を含み得る。この場合は、2つの比較的小さくて、ほぼ円形の開口部である。
【0067】
第1段472および第2段724は、凹形状の曲線的角部730において第1段部720と交差する第1の垂直面728により接続されている。角部は、鋭角であってもよいし、傾斜していてもよいし、弓形に曲げられていてもよいし、あるいは、緩みを入れられていてもよい。第2段724は、
図25に最もよく示されるように、少なくとも1つの大きな開口部732を含み得る。大きな開口部732は、ブローチの基端側部分を受け取るように形成されている。開口部732は、係合部分710を貫通して延在し、基端側表面712に交差する。
【0068】
面切断ガイド700がブローチ674に取り付けられると、開口部732の中心軸は、大腿骨頸部の軸に整列し得る。面切断ガイド700は、ボタン765またはレバーを押すことにより作動し得るバネ荷重機構を介してブローチ674に係合し得る。ボタン765が押圧されると、面切断ガイド700の大きな開口部732は、ブローチの基端側部分を越えて摺動することができる状態になり得る。ボタン765の外力が解除されると、バネ力により大きな開口部732の側部がブローチの支柱に対してしっかりと押され、したがって、大きな開口部732の側部に対して支柱を押し付け得る。このことは、切断ガイド700を所定の位置にしっかりと固定し得る。係合部分710は、使用中面切断ガイド700を固定する補足的な開口部または接続機構を含み得る。補足的な接続機構の実施例としては、突起部分、先細状モース(morse-taper)、またはその他の雌雄接続機構が含まれ得る。
【0069】
第2段722および第3段724は、第2の垂直面734により接続され得る。第3段726は、第2の垂直面734および第2の垂直面734と背中合わせの第3の垂直面736に交差する。第3の垂直面734は、第2の曲線的角部738に接続し得る。この場合、角部738は、ガイド部分750の末端側表面752に交差する。
【0070】
面切断ガイド700の底面側から見た斜視図が
図25に示されている。ガイド部分750は、実質的に細長く、一般的に矩形形状をなしている。ガイド部分750は、ほぼ矩形状の末端側表面752を含み得る。末端側表面752は、係合部分710と平坦な端部715との間に延在する。ガイド部分750の横断面が
図26に例示されている。ガイド部分750の横断面は、通常三角形であり、正三角形である中心本体754および上方に位置し、三角形状の本体754の縁部に平行な内側縁部766、768を有する2つの付属品756、758を含んでいる。付属品756、758と三角形状の本体754の縁部との間の空間は、切断ガイドとして作動する溝またはスロット(slots)760、762を作り出し、従来の外科用鋸またはその他の外科用切断器具のための所定の切断経路を定めている。2つの切断ガイド760、762は、近位大腿骨の前後両側に、結果として生じる所望の骨切除を作り出す前方スロットおよび後方スロットとして作動し得る。2つのスロット760、762は、
図27Aに例示されるように、中心本体754の(z軸の)長さに沿って延在する基端側主要溝部764において交差する。
【0071】
付属品756、758は、大きな外科的柔軟性を可能とする補助的切断ガイドとして働く外側表面770、772を有し得る。平坦な外側表面770、772は、別の骨切除を作り出す間、動力付鋸が存在することが可能である補助的ガイド境界を作り出す。
【0072】
図27A−27Bを参照すると、切断ガイド700を用いて実行された前方および後方切除後における面切断ガイド700が取り付けられている近位大腿骨が示されている。切除後の結果としての形状は、大腿骨の前方/後方表面上に平坦な表面787、789を作り出している。このことは、実際に、頸部の前方/後方両側に平坦な表面を含み、カップやライナーによる衝突を避けている従来の股関節ステムの設計に類似している。
【0073】
図28を参照すると、線図が前方および/または後方面切断を有する大腿骨を用意する方法を例示している。該方法は、この方法が股関節への外科的接近を確立する方法のような別の方法の後で発生し得ることが理解されるけれども、ステップ800で開始する。ステップ810において、最初の頸部切除が頭部−頸部連結部で、またはその近くで、あるいは、大腿骨頸部の骨頭下領域(a subcapital region)において大腿骨頭部を取り除くことによりなされる。次に、ステップ820において、骨髄内導管が開けられる。次に、ステップ830において、基端側骨幹端ブローチで広げられる。ステップ830において、次第に大きくなるブローチが連続して用いられ得る。ブローチは、切除面と面一になるように近位大腿骨内に位置決めされ得る。ステップ840を参照すると、1以上の面切断が頸部切除を取り囲む1以上の位置(前方、後方、中間)においてなされる。現時点では、方法は、この方法が人工股関節ステムを植え込む方法のような別の方法の前に発生し得ることが理解されるけれども、ステップ850で終了する。
【0074】
選択的ステップ822において、最終の頸部切除が近位大腿骨の最終位置における最終ブローチに関連してなされる。ステップ822は、ステップ830の後で発生する。
【0075】
選択的ステップ832を参照すると、末端側骨髄内導管または骨幹は、ステップ822および/または830の前または後にリーマで仕上げられる。次第に大きくなるリーマがステップ832において連続して用いられる。
【0076】
ステップ842、844および846は、平坦な面切断を作り出すために用いられる種々の可能性のある技術および器具を説明している。ステップ842を参照すると、平坦な面切断は、
図21A−21Bにおいて記載されるシステムに類似するブローチのガイド面に関連してなされる。ステップ844を参照すると、平坦な面切断は、
図24−27Bにおいて記載される切断ガイドのような切断ガイドのガイド面に関連して代替的になされる。ステップ846を参照すると、平坦な面切断は、また、
図17A−17Cに記載される小突起リーマのような小突起リーマを用いて、または鋸を用いてなされる。ステップ848を参照すると、湾曲面切断が
図18A−19Bに例示される器具に関し記載されているもののような湾曲した切断ガイド面を用いるブローチに関連してなされる。
【0077】
耐衝撃性大腿骨股関節ステムは、稼働中の動的負荷に耐えるように、ステムの能力を改善する短縮された頸部の長さや幅広い頸部直径のような頸部を強化する適用を組み込む。ステムは、また、大腿骨頸部の小突起領域へのストレスを転移させるように、ステムの能力を改善する高い平均化された切除面や多孔質コーティング面のようなストレスを転移させる適用を組み込む。ステムは、ステム軸に沿って見た場合に、ステムの突出領域を増加させることでストレス転移に役立つ顕著な中間フレアを特徴とする。ステムは、多くのストレスを小突起領域に転移させるので、大腿骨の残りの部分のストレス分布は、生まれつきの大腿部の分布に近い。したがって、多くの骨の材料を長期間にわたって保持することができる。
【0078】
本発明の種々の形態が以下のように表現される。
【0079】
1.ブローチであって、近位大腿骨内に挿入され、穴を形成するように形作られ、切断ガイド接触面および切断ガイド接続機構を備えるブローチ、および
ブローチに接続される切断ガイドであって、係合部分およびガイド部分を備え、前記係合部分は、ブローチ接触面およびブローチ接続機構を備え、前記ブローチ接触面は、前記切断ガイド接触面に接触し、前記ブローチ接続機構は、前記切断ガイド接続機構に相補的であり、前記ブローチ接続機構は、前記切断ガイド接続機構に接続し、前記ブローチ接続機構は、前記ブローチ接触面上に存在し、前記ガイド部分は、前記係合部分から延在し、前記ガイド部分は、第1ガイド面を備え、前記第1ガイド面は、第1切除面を画定する切断ガイド、
を備えていることを特徴とする人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0080】
2.前記第1切除面は、前記切断ガイド接触面に対して角度をなしていることを特徴とする上記1.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0081】
3.前記ガイド部分は、少なくとも1つの付属品を備え、前記少なくとも1つの付属品は、前記第1ガイド面を備え、前記少なくとも1つの付属品は、第2ガイド面を備え、前記第2ガイド面は、第2切除面を画定し、前記第2切除面は、前記切断ガイド接触面および前記第1ガイド面に対して角度をなしていることを特徴とする上記1.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0082】
4.前記切断ガイド接続機構は、支柱を備え、前記ブローチ接続機構は、ソケットを備え、前記ソケットは、前記支柱の一部を受け取るように形作られていることを特徴とする上記1.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0083】
5.前記ブローチ接触面は、前記ブローチ接続機構を取り囲み、前記ブローチ接触面は、第1段を備え、前記第1段は、前記支柱の一部がソケット内に含まれ、前記ブローチ接触面が前記切断ガイド接触面に接触すると、前記切断ガイドの前記支柱周りの回転を実質的に妨げることを特徴とする上記4.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0084】
6.前記係合部分は、作動可能なボタンを備え、外力が前記ボタンに加えられると、前記ソケットが前記支柱の一部を受け取ることができ、前記外力が解除されると、前記係合部分は、前記支柱が前記ソケット内に固定されるように前記支柱に係合することを特徴とする上記4.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0085】
7.前記システムは、人工装具を備え、該人工装具の一部は、前記穴内に嵌め込むように形成されることを特徴とする上記1.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0086】
8.ブローチであって、近位大腿骨内に挿入され、穴を形成するように形作られ、切断器具接触面および切断器具接続機構を備えるブローチ、および
前記ブローチに接続される切断器具であって、係合部分および骨切断面を備え、前記骨切断面は、前記係合部分から延在し、前記係合部分は、ブローチ接触面およびブローチ接続機構を備え、前記ブローチ接続機構は、前記切断器具接続機構に相補的であり、前記ブローチ接続機構は、前記切断器具接続機構に接続し、前記ブローチ接触面は、前記切断器具接触面に接触する切断器具、
を備え、
前記切断器具は、回転可能であり、前記器具が回転するとき、前記骨切断面が骨部分に係合し、これを取り除くことを特徴とする人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0087】
9.前記切断器具接触面は平坦であることを特徴とする上記8.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0088】
10.前記切断器具接続機構は、基端側ソケットを備え、前記ブローチ接続機構は、支柱を備え、前記支柱が前記基端側ソケット内に受け取られるように形作られることを特徴とする上記8.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0089】
11.前記骨切断面は、平坦であり、前記支柱が前記基端側ソケット内に受け取られると、前記骨切断面は、前記切断器具接触面と整列することを特徴とする上記10.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0090】
12.前記骨切断面は、曲線的であることを特徴とする上記8.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0091】
13.前記切断器具は、ハンドルを備え、前記ハンドルは、前記係合部分に接続されていることを特徴とする上記8.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0092】
14.前記骨切断面は、少なくとも1つの開口部を備え、前記少なくとも1つの開口部は、切断刃を備えていることを特徴とする上記8.に記載される人工大腿骨股関節を植え込むシステム。
【0093】
15.ステム、頸部、頸部を強化する手段、および外側コーティングを備える人工股関節であって、前記ステムは、縦軸および基端部分を備え、前記頸部は、ベースおよび頭部接続機構を備え、前記頭部接続機構は、中心点を備え、前記頸部を強化する手段は、前記ステムの上面におかれる追加材料を備え、前記外側コーティングは、基端側境界を備え、前記基端側境界は、前記頸部の一部を横切って延在する、人工股関節、および
骨に面切断を作り出す器具であって、前記器具は、本体を備え、前記本体は、係合部分を備え、前記係合部分は、接続機構を備え、前記器具は、切断ガイドを備え、前記切断ガイドは、前記本体に連結されている、器具、
を備えていることを特徴とする全股関節形成システム。
【0094】
16.前記接続機構は、骨内に挿入される固定装置に係合するように形作られていることを特徴とする上記15.に記載される全股関節形成システム。
【0095】
17.前記器具は、切断面を備えていることを特徴とする上記15.に記載される全股関節形成システム。
【0096】
18.前記器具は、回転力を適用することにより作動することを特徴とする上記17.に記載される全股関節形成システム。
【0097】
19.前記切断ガイドは、前記本体から側方に延在していることを特徴とする上記15.に記載される全股関節形成システム。
【0098】
20.前記切断ガイドは、第1の面を備え、前記第1の面は、経路に沿って切断器具をガイドするように形作られていることを特徴とする上記19.に記載される全股関節形成システム。
【0099】
21.前記人工股関節は、上面を備え、前記上面は、前記頸部の前記ベースおよび前記ステムの基端側部分に交差する横断面を横切って延在することを特徴とする上記15.に記載される全股関節形成システム。
【0100】
22.前記追加材料は、前記上面上におかれ、前記頸部を強化する前記手段は、曲線的部分を備えていることを特徴とする上記21.に記載される全股関節形成システム。
【0101】
23.中心縦軸および基端部を備えるステム、
前記ステムの基端側部分から延在する頸部であって、第1の長さ、ベースおよび頭部接続機構を備え、前記頭部接続機構は、中心点を備え、前記第1の長さは、ベーと中心点との間の距離を備える、頸部、
前記ステムの前記基端部と前記頸部の前記ベースとの間に延在する上面、および
基端側境界を備える外側コーティングであって、前記外側コーティングの少なくとも一部は、前記頸部に含まれる、外側コーティング、
を備えていることを特徴とする人工大腿骨股関節。
【0102】
24.前記上面は、前記ステムの基端部および前記頸部の前記ベースと交差する横断面に沿って延在することを特徴とする上記23.に記載される人工大腿骨股関節。
【0103】
25.外側コーティングは、多孔質であることを特徴とする上記23.に記載される人工大腿骨股関節。
【0104】
26.前記多孔質コーティングは、生物学的成長を促進することを特徴とする上記25.に記載される人工大腿骨股関節。
【0105】
27.前記外側コーティングの前記基端側境界の一部は、少なくとも部分的に上記頸部を横切って延在していることを特徴とする上記23.に記載される人工大腿骨股関節。
【0106】
28.前記外側コーティングの基端側境界と前記頸部の前記頭部接続機構との間の距離は、第2の長さを備えていることを特徴とする上記23.に記載される人工大腿骨股関節。
【0107】
29.前記第2の長さは、前記第1の長さ未満であることを特徴とする上記28.に記載される人工大腿骨股関節。
【0108】
30.中心縦軸および基端部を備えるステム、
前記ステムの基端部分から延在する頸部であって、ベース、頭部接続機構および第1の長さを備え、前記第1の長さは、前記ベースと前記頭部接続機構の中心点との間の長さを備える、頸部、
前記ステムの前記基端部および前記頸部の前記ベースに交差する横断面に沿って延在する上面、
その少なくとも一部が前記頸部に含まれる外側コーティング、および
頸部を強化する手段、
を備えていることを特徴とする全股関節形成のための人工大腿骨。
【0109】
31.前記外側コーティングは、多孔質であることを特徴とする上記30.に記載される人工股関節。
【0110】
32.前記多孔質外側コーティングは、生物学的成長を向上させる材料を備えていることを特徴とする上記31.に記載される人工股関節。
【0111】
33.前記頸部を強化する前記手段は、前記上面上の追加材料を備えていることを特徴とする上記30.に記載される人工股関節。
【0112】
34.前記頸部を強化する前記手段は、曲線的部分を備えていることを特徴とする上記30.に記載される人工股関節。
【0113】
35.前記頸部を強化する前記手段は、第1の部分において前記頸部の前記ベースに交差することを特徴とする上記30.に記載される人工股関節。
【0114】
36.中心縦軸および基端部を備えているステム、
第1の長さ、ベースおよび頭部接続機構を備える頸部であって、前記頭部接続機構は、中心点を備え、前記第1の長さは、前記ベースと前記中心点との間の距離である、頸部、
前記ステムの前記基端部と前記頸部のベースとの間に延在する上面、および
前記頸部を強化する手段、
を備えていることを特徴とする全股関節形成のための人工大腿骨股関節。
【0115】
37.前記上面は、前記ステムの基端部および前記頸部のベースに交差する横断面に沿って延在することを特徴とする上記36.に記載される人工股関節。
【0116】
38.前記頸部を強化する前記手段は、前記上面上に追加材料を備えていることを特徴とする上記36.に記載される人工股関節。
【0117】
39.前記頸部を強化する前記手段は、曲線的部分を備えていることを特徴とする上記38.に記載される人工股関節。
【0118】
40.前記頸部を強化する前記手段は、第1の部分において前記頸部の前記ベースに交差することを特徴とする上記38.に記載される人工股関節。
【0119】
41.前記第1の部分と前記頭部接続機構の前記中心点との間の距離は、第2の長さであることを特徴とする上記38.に記載される人工股関節。
【0120】
42.前記第2の長さは、前記第1の長さより小さいことを特徴とする上記39.に記載される人工股関節。
【0121】
43.生まれつきの大腿骨の頸部を横切って切断し、前記頸部の骨頭下部分に頸部切除面を形成するステップであって、前記頸部切除面は、外側皮質縁部により境界される、ステップ、
ブローチを大腿骨空洞内に挿入するステップであって、前記頸部切除面の前記外側皮質縁部は、前記ブローチを少なくとも部分的に取り囲んで延在する、ステップ、および
前記頸部切除面の前記外側皮質縁部を面取りするステップ、
を備えていることを特徴とする人工大腿骨股関節を受け取る生まれつきの大腿骨を用意する方法。
【0122】
44.前記ブローチは、平坦な切断器具接触面を備えていることを特徴とする上記43.に記載される方法。
【0123】
45.前記ブローチは、基端側ソケットを備え、前記頸部切除面の前記外側皮質縁部を面取りするステップは、前記頸部切除面の前記外側皮質縁部を切断器具で切断するステップを含み、前記切断器具は、支柱を備え、前記支柱は、前記基端側ソケット内に受け取られることを特徴とする上記43.に記載される方法。
【0124】
46.前記切断器具は、平坦な骨切断面を備え、前記支柱が前記基端側ソケット内に受け取られると前記骨切断面は、整列され、前記頸部切除面の前記外側皮質縁部を面取りすることを特徴とする上記45.に記載される方法。
【0125】
47.前記切断器具は、曲線的な骨切断面を備えていることを特徴とする上記43.に記載される方法。
【0126】
48.前記支柱が前記基端側ソケット内に受け取られると、前記切断器具は、前記支柱の周りに回転可能であり、前記器具が回転すると、前記平坦な骨切断面は、前記骨の一部を取り除くことを特徴とする上記45.に記載される方法。