特許第6227258号(P6227258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227258
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】記録計、記録方法および記録プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01D 9/32 20060101AFI20171030BHJP
   G01D 9/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G01D9/32 A
   G01D9/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2013-40457(P2013-40457)
(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公開番号】特開2014-169875(P2014-169875A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2015年8月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 巨樹
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 実用新案登録第2521875(JP,Y2)
【文献】 特開平03−274469(JP,A)
【文献】 特開2006−145227(JP,A)
【文献】 特開平04−147012(JP,A)
【文献】 特開平08−305990(JP,A)
【文献】 実公平04−052649(JP,Y2)
【文献】 特開平07−103792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 7/00 − 12
G01D 9/00 − 42
G01D 15/00 − 34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状または折り畳まれた状態の長尺状の記録紙を収容し、収容された長尺状の記録紙に外部装置により測定された物理量の変化を記録するための記録計であって、
外部装置に接続可能に構成され、外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データを取得するデータ取得部と、
不揮発性メモリを含み、データ取得部により取得された物理量データを記憶する記憶部と、
データ収集期間中にデータ取得部により取得された物理量データを含む波形ファイルを生成し、生成した波形ファイルをデータ収集期間後に読み出し可能に不揮発性メモリに記憶させる波形ファイル生成部と、
データ収集期間中に、記憶部に記憶された物理量データに基づいて所定期間前から現在までの物理量の変化を示す波形を記録紙に印字する印字装置と、
データ収集期間中に、記憶部に記憶された物理量データに基づいて所定期間前から現在までの物理量の変化を示す波形を表示する表示部と、
データ取得部による物理量データの取得のための取得チャンネルを印字のための複数の印字チャンネルに割り当てるとともに、複数の印字チャンネルについて印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件をそれぞれ指定するために使用者により操作される操作部と、
記憶部に記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、操作部により割り当てられた複数の印字チャンネルについてそれぞれ指定された印字条件で、物理量の変化を複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形としてデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字するように、印字装置を制御するとともに、現在までの任意の期間における物理量の変化を任意の倍率で表示するように、表示部を制御する制御部とを備え、
表示部は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を表示可能であり、
印字装置は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を印字可能である、記録計。
【請求項2】
データ取得部による収集動作の収集開始指令および収集停止指令を受け付ける第1の受付部をさらに備え、
データ収集期間は、第1の受付部による収集開始指令の受付時点から収集停止指令の受付時点までの期間である、請求項1記載の記録計。
【請求項3】
印字装置による印字動作の印字開始指令および印字停止指令を受け付ける第2の受付部をさらに備え、
制御部は、印字装置の印字動作中に第2の受付部が印字停止指令を受け付けた場合、収集動作を継続しつつ印字動作を停止するようにデータ取得部および印字装置を制御し、印字装置の印字動作の停止中に第2の受付部が印字開始指令を受け付けた場合、収集動作を継続しつつ印字動作を開始するようにデータ取得部および印字装置を制御する、請求項2記載の記録計。
【請求項4】
制御部は、印字装置による印字動作中に第1の受付部が収集停止指令を受け付けた場合、収集動作を停止するとともに印字動作を停止するようにデータ取得部および印字装置を制御し、データ取得部による収集動作の停止中に第2の受付部が印字開始指令を受け付けた場合、収集動作を開始するとともに印字動作を開始するようにデータ取得部および印字装置を制御する、請求項3記載の記録計。
【請求項5】
データ取得部は、第1の周期で物理量データを取得するように動作し、
印字装置は、物理量データを第1の周期よりも長い第2の周期でドットとして印字するように動作し、
制御部は、第2の周期を有する各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最大値および最小値を抽出し、各期間の経過時点で当該期間における物理量データの最大値および最小値に対応するドットを印字するように印字装置を制御する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録計。
【請求項6】
制御部は、各期間における最大値と最小値とを補間する少なくとも1つの補間値を決定し、各期間の経過時点で決定された補間値に対応するドットをさらに印字するように印字装置を制御する、請求項5記載の記録計。
【請求項7】
操作部は、印字装置により記録紙に印字される波形中の物理量の上限値を指定するために使用者により操作され、
制御部は、各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最大値が操作部により指定された上限値よりも大きい場合には、当該期間の経過時点で当該期間における物理量データの最大値に対応するドットに代えて操作部により指定された上限値に対応するドットを印字するように印字装置を制御する、請求項5または6記載の記録計。
【請求項8】
操作部は、印字装置により記録紙に印字される波形中の物理量の下限値を指定するために使用者により操作され、
制御部は、各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最小値が操作部により指定された下限値よりも小さい場合には、当該期間の経過時点で当該期間における物理量データの最小値に対応するドットに代えて操作部により指定された下限値に対応するドットを印字するように印字装置を制御する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の記録計。
【請求項9】
操作部は、第1および第2の動作モードのうちいずれかの実行を選択するために使用者により操作可能に構成され、
制御部は、
第1の動作モードにおいては、第2の周期を有する各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最大値および最小値を抽出し、各期間の経過時点で当該期間における物理量データの最大値および最小値に対応するドットを印字するように印字装置を制御し、
第2の動作モードにおいては、第2の周期を有する各期間の経過時点にデータ取得部により取得された物理量データに対応するドットを印字するように印字装置を制御する、請求項5〜8のいずれか一項に記載の記録計。
【請求項10】
ロール状または折り畳まれた状態の長尺状の記録紙を収容し、収容された長尺状の記録紙に外部装置により測定された物理量の変化を記録計に記録するための記録方法であって、
前記外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データを取得するステップと、
取得された物理量データを記憶するステップと、
データ収集期間中に取得された物理量データを含む波形ファイルを生成し、生成した波形ファイルを前記データ収集期間後に読み出し可能に前記記録計の不揮発性メモリに記憶するステップと、
物理量データの取得のための取得チャンネルを印字のための複数の印字チャンネルに割り当てる指定を受け付けるステップと、
前記複数の印字チャンネルについて前記記録計の印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件の指定を受け付けるステップと、
記憶された前記取得チャンネルの物理量データに基づいて、割り当てられた前記複数の印字チャンネルについてそれぞれ指定された前記印字条件で、前記データ収集期間中に、所定期間前から現在までの物理量の変化を前記複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形として前記印字装置により前記データ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字するステップと、
記憶された前記取得チャンネルの物理量データに基づいて、前記データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化を任意の倍率で前記記録計の表示部により表示するステップとを備え、
前記表示部は、前記不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を表示可能であり、
前記印字装置は、前記不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を印字可能である、記録方法。
【請求項11】
ロール状または折り畳まれた状態の長尺状の記録紙を収容し、収容された長尺状の記録紙に外部装置により測定された物理量の変化を記録する記録計の各処理を処理装置に実行させるための記録プログラムであって、
取得された物理量データを記憶する処理と、
データ収集期間中に取得された物理量データを含む波形ファイルを生成し、生成した波形ファイルを前記データ収集期間後に読み出し可能に前記記録計の不揮発性メモリに記憶する処理と、
物理量データの取得のための取得チャンネルを印字のための複数の印字チャンネルに割り当てる指定を受け付ける処理と、
前記複数の印字チャンネルについて前記記録計の印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件の指定を受け付ける処理と、
前記印字装置により前記データ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字する処理と、
記憶された前記取得チャンネルの物理量データに基づいて、前記データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化を任意の倍率で前記記録計の表示部により表示する処理とを、
前記処理装置に実行させ、
前記表示部は、前記不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を表示可能であり、
前記印字装置は、前記不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を印字可能である、記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量の変化を示す波形を記録する記録計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば金属製品の熱処理を行う場合に、時間の経過とともに変化する加熱炉内の温度を記録するために記録計が用いられる。また、時間の経過とともに変化する工場内での電圧低下を監視するために記録計が用いられる。このように、記録計を用いることにより、温度、電流、電圧または歪み等の物理量の変化を示す波形を所定のレンジで記録することが可能である。
【0003】
特許文献1の記録計においては、互いに異なる複数のレンジが記憶されている。複数のレンジには優先順位が設定されており、優先的に設定されたレンジで物理量の測定値が記録される。ここで、物理量の測定値が現在のレンジ外になる等のイベントが生じた場合には、自動的にレンジが変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−25608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の記録計においては、イベント発生によりレンジを切り換えることにより、常に実際の測定値に最適なレンジで測定値を表示することができると記載されている。したがって、常に物理量の全体的な変化がレンジ内で記録される。しかしながら、物理量の微小な変化を記録することができない。
【0006】
本発明の目的は、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化を記録可能な記録計、記録方法および記録プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る記録計は、ロール状または折り畳まれた状態の長尺状の記録紙を収容し、収容された長尺状の記録紙に外部装置により測定された物理量の変化を記録するための記録計であって、外部装置に接続可能に構成され、外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データを取得するデータ取得部と、不揮発性メモリを含み、データ取得部により取得された物理量データを記憶する記憶部と、データ収集期間中データ取得部により取得された物理量データを含む波形ファイルを生成し、生成した波形ファイルをデータ収集期間後に読み出し可能に不揮発性メモリに記憶させる波形ファイル生成部と、データ収集期間中に、記憶部に記憶された物理量データに基づいて所定期間前から現在までの物理量の変化を示す波形を記録紙に印字する印字装置と、データ収集期間中に、記憶部に記憶された物理量データに基づいて所定期間前から現在までの物理量の変化を示す波形を表示する表示部と、データ取得部による物理量データの取得のための取得チャンネルを印字のための複数の印字チャンネルに割り当てるとともに、複数の印字チャンネルについて印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件をそれぞれ指定するために使用者により操作される操作部と、記憶部に記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、操作部により割り当てられた複数の印字チャンネルについてそれぞれ指定された印字条件で、物理量の変化を複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形としてデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字するように、印字装置を制御するとともに、現在までの任意の期間における物理量の変化を任意の倍率で表示するように、表示部を制御する制御部とを備え、表示部は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を表示可能であり、印字装置は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を印字可能であるものである。
【0008】
この記録計においては、外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データが取得される。取得された物理量データが記憶される。データ収集期間中取得された物理量データを含む波形ファイルが生成され、データ収集期間後に読み出し可能に不揮発性メモリに記憶される。物理量データの取得のための取得チャンネルが、使用者の操作に基づいて印字のための複数の印字チャンネルに割り当てられる。また、複数の印字チャンネルについて印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件が、使用者の操作に基づいて指定される。
【0009】
記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、割り当てられた複数の印字チャンネルについて、データ収集期間中に、所定期間前から現在までの物理量の変化が複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形として印字装置によりデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字される。ここで、複数の印字チャンネルに対応する波形は、それぞれ指定された印字条件で印字される。また、記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化が任意の倍率で表示部により表示される。
【0010】
この構成によれば、使用者は、同一の取得チャンネルを互いに異なる複数の印字チャンネルに割り当てることができる。また、複数の印字チャンネルの各々について印字条件を指定することができる。この場合、記録紙には、複数の印字条件で複数の波形が印字される。したがって、複数の印字条件の各々を適切に指定することにより、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化を記録紙に記録することができる。
【0011】
また、使用者は、任意の期間における物理量の大きさに応じて表示部による表示の倍率を適切に変更することができる。これにより、使用者は、物理量の表示中に物理量の全体的な変化および物理量の微小な変化を観察することができる。
(2)記録計は、データ取得部による収集動作の収集開始指令および収集停止指令を受け付ける第1の受付部をさらに備え、データ収集期間は、第1の受付部による収集開始指令の受付時点から収集停止指令の受付時点までの期間であってもよい。
(3)記録計は、印字装置による印字動作の印字開始指令および印字停止指令を受け付ける第2の受付部をさらに備え、制御部は、印字装置の印字動作中に第2の受付部が印字停止指令を受け付けた場合、収集動作を継続しつつ印字動作を停止するようにデータ取得部および印字装置を制御し、印字装置の印字動作の停止中に第2の受付部が印字開始指令を受け付けた場合、収集動作を継続しつつ印字動作を開始するようにデータ取得部および印字装置を制御してもよい。
(4)制御部は、印字装置による印字動作中に第1の受付部が収集停止指令を受け付けた場合、収集動作を停止するとともに印字動作を停止するようにデータ取得部および印字装置を制御し、データ取得部による収集動作の停止中に第2の受付部が印字開始指令を受け付けた場合、収集動作を開始するとともに印字動作を開始するようにデータ取得部および印字装置を制御してもよい。
【0012】
)データ取得部は、第1の周期で物理量データを取得するように動作し、印字装置は、物理量データを第1の周期よりも長い第2の周期でドットとして印字するように動作し、制御部は、第2の周期を有する各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最大値および最小値を抽出し、各期間の経過時点で当該期間における物理量データの最大値および最小値に対応するドットを印字するように印字装置を制御してもよい。
【0013】
この場合、第2の周期は第1の周期よりも長いので、一のドットが印字されるまでに物理量データが複数回取得される。したがって、第2の周期を有する各期間の経過時点で、各期間内において取得された物理量データの最大値および最小値に対応するドットが記録紙に印字される。これにより、使用者は、記録紙に印字された物理量データの最大値および最小値に対応するドットを見ることにより、各期間内での物理量の変化の有無を認識することができる。
【0014】
)制御部は、各期間における最大値と最小値とを補間する少なくとも1つの補間値を決定し、各期間の経過時点で決定された補間値に対応するドットをさらに印字するように印字装置を制御してもよい。
【0015】
この場合、記録紙には、各期間の経過時点で最大値および最小値ならびに少なくとも1つの補間値に対応するドットが印字される。したがって、記録紙に印字される補間値に対応するドットにより各期間における波形が強調される。これにより、使用者は、記録紙に印字された物理量データの最大値および最小値ならびに少なくとも1つの補間値に対応するドットを見ることにより、各期間内での物理量の変化の有無を容易に認識することができる。
【0016】
)操作部は、印字装置により記録紙に印字される波形中の物理量の上限値を指定するために使用者により操作され、制御部は、各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最大値が操作部により指定された上限値よりも大きい場合には、当該期間の経過時点で当該期間における物理量データの最大値に対応するドットに代えて操作部により指定された上限値に対応するドットを印字するように印字装置を制御してもよい。
【0017】
この構成によれば、各期間内において取得される物理量データの最大値が上限値よりも大きい場合には、当該期間の経過時点で操作部により指定された上限値に対応するドットが記録紙に印字される。この場合、使用者は、上限値が含まれる最小の範囲に印字条件を設定することにより、上限値以下の物理量の微小な変化を記録することができるとともに、各期間内での物理量の変化の有無を認識することができる。
【0018】
)操作部は、印字装置により記録紙に印字される波形中の物理量の下限値を指定するために使用者により操作され、制御部は、各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最小値が操作部により指定された下限値よりも小さい場合には、当該期間の経過時点で当該期間における物理量データの最小値に対応するドットに代えて操作部により指定された下限値に対応するドットを印字するように印字装置を制御してもよい。
【0019】
この構成によれば、各期間内において取得される物理量データの最小値が下限値よりも小さい場合には、当該期間の経過時点で操作部により指定された下限値に対応するドットが記録紙に印字される。この場合、使用者は、下限値が含まれる最小の範囲に印字条件を設定することにより、下限値以上の物理量の微小な変化を記録することができるとともに、各期間内での物理量の変化の有無を認識することができる。
【0022】
)操作部は、第1および第2の動作モードのうちいずれかの実行を選択するために使用者により操作可能に構成され、制御部は、第1の動作モードにおいては、第2の周期を有する各期間内においてデータ取得部により取得される物理量データの最大値および最小値を抽出し、各期間の経過時点で当該期間における物理量データの最大値および最小値に対応するドットを印字するように印字装置を制御し、第2の動作モードにおいては、第2の周期を有する各期間の経過時点にデータ取得部により取得された物理量データに対応するドットを印字するように印字装置を制御してもよい。
【0023】
この場合、使用者は操作することにより、第1または第2の動作モードを選択することができる。第1の動作モードにおいては、第2の周期を有する各期間の経過時点で、各期間内において取得された物理量データの最大値および最小値に対応するドットが記録紙に印字される。したがって、使用者は、記録紙に印字された物理量データの最大値および最小値に対応するドットを見ることにより、各期間内における物理量の変化の有無を認識することができる。
【0024】
一方、第2の動作モードにおいては、第2の周期を有する各期間の経過時点に取得された物理量データに対応するドットが記録紙に印字される。したがって、使用者は、各期間の経過時点での物理量の値を正確に認識することができる。
【0033】
(10)第2の発明に係る記録方法は、ロール状または折り畳まれた状態の長尺状の記録紙を収容し、収容された長尺状の記録紙に外部装置により測定された物理量の変化を記録計に記録するための記録方法であって、外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データを取得するステップと、取得された物理量データを記憶するステップと、データ収集期間中に取得された物理量データを含む波形ファイルを生成し、生成した波形ファイルをデータ収集期間後に読み出し可能に記録計の不揮発性メモリに記憶するステップと、物理量データの取得のための取得チャンネルを印字のための複数の印字チャンネルに割り当てる指定を受け付けるステップと、複数の印字チャンネルについて記録計の印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件の指定を受け付けるステップと、記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、割り当てられた複数の印字チャンネルについてそれぞれ指定された印字条件で、データ収集期間中に、所定期間前から現在までの物理量の変化を複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形として印字装置によりデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字するステップと、記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化を任意の倍率で記録計の表示部により表示するステップとを備え、表示部は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を表示可能であり、印字装置は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を印字可能であるものである。
【0034】
この記録方法においては、外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データが取得される。取得された物理量データが記憶される。データ収集期間中に取得された物理量データを含む波形ファイルが生成され、データ収集期間後に読み出し可能に不揮発性メモリに記憶される。物理量データの取得のための取得チャンネルが、使用者の操作に基づいて印字のための複数の印字チャンネルに割り当てられる。また、複数の印字チャンネルについて印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件が、使用者の操作に基づいて指定される。
【0035】
記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、割り当てられた複数の印字チャンネルについて、データ収集期間中に、所定期間前から現在までの物理量の変化が複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形として印字装置によりデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字される。ここで、複数の印字チャンネルに対応する波形は、それぞれ指定された印字条件で印字される。また、記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化が任意の倍率で表示部により表示される。
【0036】
この構成によれば、使用者は、同一の取得チャンネルを互いに異なる複数の印字チャンネルに割り当てることができる。また、複数の印字チャンネルの各々について印字条件を指定することができる。この場合、記録紙には、複数の印字条件で複数の波形が印字される。したがって、複数の印字条件の各々を適切に指定することにより、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化を記録紙に記録することができる。
【0037】
また、使用者は、任意の期間における物理量の大きさに応じて表示部による表示の倍率を適切に変更することができる。これにより、使用者は、物理量の表示中に物理量の全体的な変化および物理量の微小な変化を観察することができる。
【0040】
(11)第3の発明に係る記録プログラムは、ロール状または折り畳まれた状態の長尺状の記録紙を収容し、収容された長尺状の記録紙に外部装置により測定された物理量の変化を記録する記録計の各処理を処理装置に実行させるための記録プログラムであって、取得された物理量データを記憶する処理と、データ収集期間中に取得された物理量データを含む波形ファイルを生成し、生成した波形ファイルをデータ収集期間後に読み出し可能に記録計の不揮発性メモリに記憶する処理と、物理量データの取得のための取得チャンネルを印字のための複数の印字チャンネルに割り当てる指定を受け付ける処理と、複数の印字チャンネルについて記録計の印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件の指定を受け付ける処理と、印字装置によりデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字する処理と、記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化を任意の倍率で記録計の表示部により表示する処理とを、処理装置に実行させ、表示部は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を表示可能であり、印字装置は、不揮発性メモリから読み出された波形ファイルに含まれる物理量データに基づいて物理量の変化を示す波形を印字可能であるものである。
【0041】
この記録プログラムによれば、外部装置により測定された物理量の値を示す物理量データが取得される。取得された物理量データが記憶される。データ収集期間中に取得された物理量データを含む波形ファイルが生成され、データ収集期間後に読み出し可能に不揮発性メモリに記憶される。物理量データの取得のための取得チャンネルが、使用者の操作に基づいて印字のための複数の印字チャンネルに割り当てられる。また、複数の印字チャンネルについて印字装置が記録紙に物理量を印字するための印字条件が、使用者の操作に基づいて指定される。
【0042】
記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、割り当てられた複数の印字チャンネルについて、データ収集期間中に、所定期間前から現在までの物理量の変化が複数の印字チャンネルにそれぞれ対応する波形として印字装置によりデータ収集期間中にリアルタイムに記録紙に印字される。ここで、複数の印字チャンネルに対応する波形は、それぞれ指定された印字条件で印字される。また、記憶された取得チャンネルの物理量データに基づいて、データ収集期間中に、現在までの任意の期間における物理量の変化が任意の倍率で表示部により表示される。
【0043】
この構成によれば、使用者は、同一の取得チャンネルを互いに異なる複数の印字チャンネルに割り当てることができる。また、複数の印字チャンネルの各々について印字条件を指定することができる。この場合、記録紙には、複数の印字条件で複数の波形が印字される。したがって、複数の印字条件の各々を適切に指定することにより、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化を記録紙に記録することができる。
【0044】
また、使用者は、任意の期間における物理量の大きさに応じて表示部による表示の倍率を適切に変更することができる。これにより、使用者は、物理量の表示中に物理量の全体的な変化および物理量の微小な変化を観察することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の一実施の形態に係る記録計のブロック図である。
図2図1の記録計の外観斜視図である。
図3】扉部が開かれた状態を示す記録計の外観斜視図である。
図4図1の記録計により物理量の変化を示す波形が印字されたチャート紙の一例を示す図である。
図5】打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。
図6】打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。
図7】打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。
図8】打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。
図9】打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。
図10】打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。
図11】同一の温度/電圧チャンネルを複数の打点チャンネルに割り当てた場合の物理量の印字例を示す図である。
図12】同一の温度/電圧チャンネルを複数の打点チャンネルに割り当てた場合にRAMに記憶される印字条件を示す図である。
図13】通常打点モードを説明するための図である。
図14】通常打点モードにおけるドットが印字されたチャート紙の一例を示す図である。
図15】エンベロープ打点モードを説明するための図である。
図16】エンベロープ打点モードを説明するための図である。
図17】エンベロープ打点モードにおけるドットが印字されたチャート紙の一例を示す図である。
図18】範囲外打点方式を説明するための図である。
図19】範囲外打点方式を説明するための図である。
図20】CPUによる印字装置の動作の制御を示すフローチャートである。
図21】CPUによる印字装置の動作の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[1]記録計の基本構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る記録計のブロック図である。図1に示すように、記録計1は、扉部100、本体部200、1または複数(本例では1つ)の入力/出力ユニット300、および1または複数(本例では1つ)の収集ユニット400を備える。
【0050】
扉部100は、表示部110、タッチパネル120、開閉検出部130、チャート紙調整スイッチ140、収集記録スイッチ150、記録状態表示ランプ160、電源スイッチ170およびUSB(ユニバーサルシリアルバス)インターフェース180を含む。
【0051】
本体部200は、制御装置200A、印字装置200B,複数の接続端子SLaおよび複数の接続端子SLbを含む。制御装置200Aは、CPU(中央演算処理装置)210、ROM(リードオンリメモリ)220、RAM(ランダムアクセスメモリ)230、内部メモリ240およびFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)280を含む。制御装置200Aは、USBインターフェース291、RS485インターフェース292、イーサネット(登録商標)インターフェース293および電源端子294をさらに含む。印字装置200Bは、マイクロコンピュータPM、印字部250、チャート紙送り部260、後述する図2のチャート紙収容部270および図示しない電源回路を含む。
【0052】
扉部100、制御装置200Aおよび印字装置200Bは、後述する図3のフレキシブル配線回路基板190および後述する図2のリジッド配線回路基板200Cを介して互いに接続される。本体部200の複数の接続端子SLa,SLbは図2のリジッド配線回路基板200Cに設けられる。
【0053】
入力/出力ユニット300は、入力回路310、出力回路320、入出力端子部330および接続端子TAaを含む。入力/出力ユニット300の接続端子TAaは、本体部200の複数の接続端子SLaに接続可能および取り外し可能に構成される。入力回路310の入力端子および出力回路320の出力端子は入出力端子部330に接続されている。また、入力回路310の出力端子および出力回路320の入力端子は接続端子TAaに接続されている。
【0054】
図1の例では、1つの入力/出力ユニット300の接続端子TAaが本体部200の1つの接続端子SLaに接続されている。この状態で、入出力端子部330が、配線(図示せず)を通して記録計1の外部機器(例えば、パーソナルコンピュータまたはプログラマブルコントローラ等)に接続される。
【0055】
デジタル信号が、配線(図示せず)および入出力端子部330を通して外部機器から入力回路310に与えられる。この場合、入力回路310は、デジタル信号に所定の処理を施し、処理後の信号を接続端子TAaを通して本体部200に与える。また、出力回路320は、接続端子TAaを通して本体部200から与えられるデジタル信号に所定の処理を施し、処理後の信号を入出力端子部330を通して外部機器に与える。
【0056】
収集ユニット400は、マイクロコンピュータ410、入力回路420、A/D(アナログデジタル)変換器430、入力端子部440および接続端子TAbを含む。収集ユニット400の接続端子TAbは、本体部200の複数の接続端子SLbに接続可能および取り外し可能に構成される。入力回路420の入力端子は入力端子部440に接続されている。また、入力回路420の出力端子はA/D変換器430を介してマイクロコンピュータ410に接続されている。さらに、マイクロコンピュータ410は接続端子TAbに接続されている。
【0057】
図1の例では、1つの収集ユニット400の接続端子TAbが本体部200の1つの接続端子SLbに接続されている。この状態で、入力端子部440に配線(図示せず)が接続される。
【0058】
物理量に対応するアナログ信号が、配線(図示せず)および入力端子部440を通して記録計1の外部から入力回路420に与えられる。入力回路420は、アナログ信号に所定の処理を施し、処理後の信号をA/D変換器430に与える。A/D変換器430は、入力回路420から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号をマイクロコンピュータ410に与える。マイクロコンピュータ410は、与えられたデジタル信号を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより物理量の値を示す物理量データを生成し、生成された物理量データを接続端子TAbを通して本体部200に与える。
【0059】
本体部200の制御装置200Aにおいて、ROM220にはシステムプログラムが記憶される。RAM230は、種々のデータの処理のために用いられる。内部メモリ240として、NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性メモリが用いられる。
【0060】
内部メモリ240は、主として物理量データを記憶するために用いられる。また、内部メモリ240には、記録プログラムが記憶される。CPU210は、内部メモリ240に記憶された記録プログラムを実行することによりRAM230を用いて印字装置200Bを制御するとともに、扉部100を制御する。
【0061】
FPGA280は、CPU210、ROM220、RAM230、内部メモリ240、USBインターフェース291、RS485インターフェース292、イーサネットインターフェース293および電源端子294と、複数の接続端子SLa,SLbとの間を接続する。
【0062】
使用者は、扉部100のタッチパネル120または収集記録スイッチ150を操作することにより、CPU210に物理量データの収集開始を指令することができる。この場合、CPU210は、収集開始指令を受けると、収集ユニット400から与えられる物理量データを順次内部メモリ240に記憶する。また、CPU210は、収集開始指令を受けた時点を内部メモリ240に記憶した後、収集開始指令を受けた時点以降の物理量データの記憶動作をカウントする。
【0063】
また、使用者は、扉部100のタッチパネル120または収集記録スイッチ150を操作することにより、CPU210に物理量データの収集停止を指令することができる。CPU210は、収集停止指令を受けると、内部メモリ240への物理量データの記憶動作を停止する。また、CPU210は、後述する波形ファイルを生成し、生成された波形ファイルを内部メモリ240に記憶する。
【0064】
CPU210が収集開始指令を受けてから収集停止指令を受けるまでの期間をデータ収集期間と呼ぶ。波形ファイルは、データ収集期間中に内部メモリ240に記憶される複数の物理量データ、CPU210が収集開始指令を受けた時点、およびデータ収集期間における物理量データの記憶動作のカウント数を含む。
【0065】
本実施の形態においては、上記のように物理量データを収集して波形ファイルを生成し、生成された波形ファイルを内部メモリ240に記憶する動作を物理量収集動作と呼ぶ。
【0066】
物理量収集動作中、CPU210は、内部メモリ240に記憶される物理量データに基づいて表示部110に物理量の変化を示す波形をリアルタイムに表示させる。
【0067】
ここで、リアルタイムに表示するとは、物理量データが生成される時点とその物理量データにより示される波形の部分が表示部110に表示される時点とのずれが、所定期間内にあることをいう。この場合、所定期間は例えば物理量データのサンプリング周期であってもよいし、後述するドットの印字周期であってもよい。また、物理量データが生成された後、その物理量データが示す物理量が表示部110に表示されるまでの処理時間であってもよい。
【0068】
使用者は、扉部100のタッチパネル120または収集記録スイッチ150を操作することにより、チャート紙への物理量の変化を示す波形の記録開始およびその記録停止をCPU210に指令することができる。
【0069】
CPU210は、記録開始指令を受けると、内部メモリ240に記憶される物理量データに基づいて印字装置200Bを制御する。具体的には、CPU210は、物理量データのサンプリング周期よりも長い所定周期で、内部メモリ240に記憶される物理量データをチャート紙上における印字すべき位置(印字位置)に換算し、印字位置についての情報を含む制御信号を印字装置200BのマイクロコンピュータPMに与える。
【0070】
本体部200の印字装置200Bにおいて、印字部250は、例えばインクカートリッジ(本例では、インクリボンカートリッジ)に充填されたインクを用いてドットを印字する打点(ドットインパクト)方式のプリンタである。印字装置200BのマイクロコンピュータPMは、制御装置200AのCPU210から与えられる制御信号に基づいて印字部250を制御する。この場合、印字部250は、物理量に対応するチャート紙の位置にドットを印字する。また、印字部250は、ドットの印字(打点)を行うごとに、印字を行ったことを示すドット印字信号をマイクロコンピュータPMを通して制御装置200AのCPU210に与える。
【0071】
チャート紙送り部260は、後述する図3のプラテンローラPRならびに図示しないチャート紙送りカバー、モータおよびギアを含み、帯状のチャート紙の一部を保持可能に構成される。チャート紙の幅は例えば180mmまたは100mmであり、チャート紙の長さは例えば16mであるが、これらに限定されない。印字装置200BのマイクロコンピュータPMは、制御装置200AのCPU210から与えられる制御信号に基づいてチャート紙送り部260を制御する。この場合、チャート紙送り部260においては、制御装置200AのCPU210から与えられる制御信号に基づいて、プラテンローラPRが一方向に回転する。
【0072】
それにより、チャート紙送り部260により保持されるチャート紙が印字部250に対して一方向に送られる。チャート紙送り部260は、チャート紙を一定量(例えば、0.1mm)一方向に送るごとにチャート紙送り信号をマイクロコンピュータPMを通しての制御装置200AのCPU210に与える。
【0073】
チャート紙送り部260がチャート紙を送るとともに印字部250がチャート紙に所定周期でドットを印字する。それにより、チャート紙上には、予め定められた間隔で物理量を示すドットが長手方向に順次印字される。このようにして、物理量収集動作中に、チャート紙に物理量の変化を示す波形が印字される。その後、CPU210は記録停止指令を受けると、波形の印字動作を停止する。本実施の形態においては、物理量収集動作中にチャート紙に物理量の変化を示す波形をリアルタイムに印字する動作をチャート紙記録動作と呼ぶ。
【0074】
ここで、リアルタイムに印字するとは、物理量データが生成される時点とその物理量データにより示される波形の部分がチャート紙に印字される時点とのずれが、所定期間内にあることをいう。この場合、所定期間は例えば後述するドットの印字周期であってもよい。
【0075】
本体部200は、後述する図3の前面開口200oを有する。扉部100は、本体部200の前面開口200oを開閉可能に設けられる。
【0076】
扉部100の表示部110は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。特に、表示部110は、可視光の透過率が約30%以上の透過型の液晶ディスプレイパネルまたは透過型の有機ELパネルにより構成されてもよい。タッチパネル120は、表示部110に重なるように設けられる。表示部110が透過型の液晶ディスプレイパネルまたは透過型の有機ELパネルにより構成される場合には、タッチパネル120も透過型のパネルにより構成される。
【0077】
開閉検出部130は、扉部100が開状態および閉状態のいずれであるかを検出し、検出結果を本体部200のCPU210に与える。開閉検出部130として、例えば透過型または反射型の光学式検出器が用いられるが、それらに限定されない。扉部100の開閉状態を検出することが可能であれば、光学式検出器に代えて磁気検出器または超音波検出器等が用いられてもよい。あるいは、開閉検出部130として、機械式スイッチが設けられてもよい。
【0078】
チャート紙調整スイッチ140は、図示しない強制送りボタンおよび図示しない印字切替ボタンを含む。使用者は、扉部100が開かれた状態で、強制送りボタンを操作することにより、記録計1の動作状態によらずチャート紙送り部260により保持されるチャート紙を印字部250に対して所望の長さ分一方向に送ることができる。また、使用者は、戻しボタンを操作することにより、チャート紙送り部260より保持されるチャート紙を印字部250に対して逆方向に戻すことができる。これにより、使用者は、扉部100を開くことにより、記録計1の前方から印字装置200Bを視認しつつ印字部250に対するチャート紙の位置調整を行うことができる。
【0079】
また、使用者は、物理量収集動作中に印字切替ボタンを操作することにより、チャート紙への波形の記録開始または記録停止をCPU210に指令することができる。例えば、物理量収集動作中かつチャート紙記録動作中に印字切替ボタンが操作されると、CPU210は物理量収集動作を継続しつつチャート紙記録動作のみを停止する。一方、物理量収集動作中かつチャート紙記録停止中に印字切替ボタンが操作されると、CPU210は物理量収集動作を継続しつつチャート紙記録動作を開始する。
【0080】
収集記録スイッチ150は、図示しない収集スイッチおよび記録スイッチを含む。使用者は、収集スイッチを操作することにより、上記のように物理量データの収集開始または収集停止をCPU210に指令することができる。また、使用者は、記録スイッチを操作することにより、上記のようにチャート紙への波形の記録開始または記録停止をCPU210に指令することができる。
【0081】
上記のように、チャート紙記録動作は物理量収集動作中に行われる。したがって、本実施の形態においては、CPU210は、チャート紙記録動作中に物理量データの収集停止指令を受けると、物理量収集動作を停止するとともにチャート紙記録動作を停止する。また、CPU210は、物理量収集動作の停止中にチャート紙への波形の記録開始指令を受けると、物理量収集動作を開始するとともにチャート紙記録動作を開始する。
【0082】
記録状態表示ランプ160は、例えば発光ダイオードからなる。記録状態表示ランプ160は、例えば扉部100が開かれている状態でかつチャート紙記録動作が行われている間のみ点灯する。使用者は、記録状態表示ランプ160を見ることにより、チャート紙記録動作が行われているか否かを容易に認識することができる。
【0083】
電源スイッチ170は、記録計1への電力の供給をオンおよびオフするためのスイッチである。制御装置200Aの図示しない電源回路は、電源スイッチ170の接点が開状態である場合に記録計1への電力の供給をオンし、電源スイッチ170の接点が閉状態である場合に記録計1への電力の供給をオフする。それにより、記録計1への電力の供給がオンしている状態で、フレキシブル配線回路基板190が破損することにより扉部100と本体部200との間に断線が発生しても、記録計1への電力の供給が継続される。したがって、フレキシブル配線回路基板190の破損時に、物理量収集動作およびチャート紙記録動作が停止することが防止される。
【0084】
USBインターフェース180には、USBフラッシュメモリが接続される。CPU210は、USBインターフェース180にUSBフラッシュメモリが接続されると、内部メモリ240内に記憶されている波形ファイルを接続されたUSBフラッシュメモリに記憶する。それにより、使用者は、故障等により後述する図2の表示画面10に画像が表示されない場合でも、USBフラッシュメモリを用いて内部メモリ240に記憶された波形ファイルを容易に取り出すことができる。
【0085】
USBインターフェース291には、扉部100に設けられるUSBインターフェース180と同様に、例えばUSBフラッシュメモリが接続される。CPU210は、USBインターフェース291にUSBフラッシュメモリが接続されると、内部メモリ240内に記憶されている波形ファイルを接続されたUSBフラッシュメモリに記憶する。それにより、使用者は、扉部100と本体部200との間で断線が発生した場合でも、USBフラッシュメモリを用いて図1の内部メモリ240に記憶された波形ファイルを容易に取り出すことができる。
【0086】
RS485インターフェース292およびイーサネットインターフェース293には、配線(図示せず)を通して記録計1の外部機器(例えば、パーソナルコンピュータまたはプログラマブルコントローラ等)が接続される。例えば外部機器からRS485インターフェース292を通して記録計1に物理量データが与えられる。また、例えば外部機器からイーサネットインターフェース293を通して記録計1に物理量データが与えられる。これらの場合、CPU210は、RS485インターフェース292およびイーサネットインターフェース293を通して外部機器から与えられる物理量データを内部メモリ240に記憶することも可能である。電源端子294には、電源コード(図示せず)が接続される。
【0087】
[2]記録計の構造
図2は、図1の記録計1の外観斜視図である。図2に示すように、本体部200は、図1の制御装置200Aおよび印字装置200Bに加えて、本体ケーシングCAおよびリジッド配線回路基板200Cを含む。本体ケーシングCAは、上面部s1、底面部s2、一方の側面部s3、他方の側面部s4および背面部s5を有し、前面は開口している。上面部s1、底面部s2、一方の側面部s3および他方の側面部s4の前端部外表面にはフランジ200fが形成されている。本体ケーシングCAは、制御装置200A、印字装置200Bおよびリジッド配線回路基板200Cを収容する。
【0088】
リジッド配線回路基板200Cは、本体ケーシングCA内の空間を分割するように、本体ケーシングCAの前後方向における略中央部に配置される。
【0089】
本体ケーシングCA内のリジッド配線回路基板200Cよりも前方の空間に印字装置200Bが設けられる。印字装置200Bのチャート紙収容部270は、印字部250による印字前および印字後のチャート紙を収容可能に構成される。
【0090】
本体ケーシングCA内のリジッド配線回路基板200Cよりも前方の空間においては、上部に印字部250が配置され、下部にチャート紙収容部270が配置される。印字部250とチャート紙収容部270との間にチャート紙送り部260が配置される。
【0091】
本体ケーシングCAの前面開口に扉部100が開閉可能に取り付けられている。扉部100は、表示画面10を有する。表示画面10は、図1の表示部110およびタッチパネル120により構成される。
【0092】
本体ケーシングCA内のリジッド配線回路基板200Cよりも後方の空間内の上部に制御装置200Aが配置される。本体ケーシングCAの背面部s5には、図示しない後部開口が形成されている。図1の入力/出力ユニット300が、背面部s5の後部開口を通して本体部200に差し込まれる。それにより、入力/出力ユニット300の図1の接続端子TAaが、本体部200の複数の接続端子SLaのいずれかに接続される。図2に太い点線の矢印aで示すように、使用者は、入力/出力ユニット300を記録計1の後方に引っ張ることにより、入力/出力ユニット300を本体部200から取り外すことができる。
【0093】
同様に、図1の収集ユニット400が、背面部s5の図示しない後部開口を通して本体部200に差し込まれる。それにより、収集ユニット400の図1の接続端子TAbが、本体部200の複数の接続端子SLbのいずれかに接続される。図2に太い点線の矢印bで示すように、使用者は、収集ユニット400を記録計1の後方に引っ張ることにより、収集ユニット400を本体部200から取り外すことができる。
【0094】
図3は、扉部100が開かれた状態を示す記録計1の外観斜視図である。図3に示すように、チャート紙収容部270は、扉部100が開かれた状態で本体ケーシングCA内から取り出し可能に構成されている。本体ケーシングCAには、上面部s1、底面部s2および側面部s3,s4の前端部により前面開口200oが形成されている。
【0095】
使用者は、扉部100を開いた後、本体ケーシングCAの前面開口200oを通してチャート紙収容部270を取り出す。このとき、チャート紙送り部260の構成要素のうちプラテンローラPRおよび図示しないチャート紙送りカバーもチャート紙収容部270とともに取り出される。
【0096】
その後、使用者は、チャート紙収容部270に収容されている印字後のチャート紙を取り出し、チャート紙収容部270に印字前のチャート紙を装填する。さらに、使用者は、印字前のチャート紙が収容されたチャート紙収容部270をプラテンローラPRおよび図示しないチャート紙送りカバーとともに前面開口200oを通して本体ケーシングCA内に装填する。このように、使用者は、扉部100を開くことにより、印字装置200Bに対してチャート紙の交換作業を行うことができる。
【0097】
一方、扉部100が閉じられている状態では、使用者は、印字装置200Bに装填されたチャート紙の交換作業を行うことができない。また、使用者は、印字装置200Bに装填されているチャート紙に触れることもできない。
【0098】
扉部100の一端部の中央部からケーシングCAの内部に向かって帯状のフレキシブル配線回路基板190が延びている。フレキシブル配線回路基板190の端部は、ケーシングCAの内部で図2のリジッド配線回路基板200Cに接続される。
【0099】
フレキシブル配線回路基板190は、高いフレキシブル性を有する絶縁性基板および複数の配線(図示せず)を含む。複数の配線は絶縁性基板上に形成される。フレキシブル配線回路基板190の複数の配線により、扉部100と本体部200とが電気的に接続される。
【0100】
扉部100の開閉動作によりフレキシブル配線回路基板190が変形する場合には、複数の配線が絶縁性基板とともにフレキシブルに変形する。したがって、扉部100と本体部200との間の断線の発生が防止される。
【0101】
[3]内部メモリに記憶される内容
上記のように、物理量収集動作により波形ファイルが図1の内部メモリ240に記憶される。それにより、使用者は、物理量収集動作中または物理量収集動作の停止時に、図1のタッチパネル120を操作することにより、過去に生成された波形ファイルに基づく波形を表示画面10に表示させることができる。この場合、使用者は、例えば物理量収集動作中に、その物理量収集動作よりも過去に生成された波形ファイルに基づく波形と現在生成される物理量データに基づく波形とを表示画面10に交互に切り替えて表示させることができる。
【0102】
また、使用者は、物理量収集動作中または物理量収集動作の停止時に、図1のタッチパネル120を操作することにより、過去に生成された波形ファイルに基づく波形をチャート紙に印字することができる。内部メモリ240に記憶可能な物理量データの量は、チャート紙収容部270に収容されるチャート紙の全体に物理量の波形を印字するために用いられる物理量データの量よりも十分に大きい。本実施の形態では、内部メモリ240に記憶可能な物理量データの量は、16mの長さを有するチャート紙の全体に物理量の波形を印字するために用いられる物理量データの量の10倍よりも大きい。それにより、内部メモリ240の空き領域が大きい場合には、チャート紙またはインクカートリッジの交換作業によりチャート紙に物理量の波形を印字することができない場合でも、それらの交換作業中に生成される物理量データが内部メモリ240に記憶される。
【0103】
さらに、内部メモリ240には、上記の波形ファイルに加えて以下に示す種々の情報が記憶される。
【0104】
使用者は、図1のタッチパネル120を操作することによりデジタル信号のサンプリング条件を設定することができる。この場合、設定されたサンプリング条件が内部メモリ240に記憶される。サンプリング条件として例えば収集ユニット400によるデジタル信号のサンプリング周期が設定される。
【0105】
また、使用者は、図1のタッチパネル120を操作することにより印字装置200Bによる波形の印字条件を設定することができる。この場合、設定された印字条件が内部メモリ240に記憶される。波形の印字条件として例えばチャート紙送り部260によるチャート紙の送り速度、および印字部250によるドットの印字(打点)周期等が設定される。
【0106】
本実施の形態においては、チャート紙記録動作が行われるごとに、そのチャート紙記録動作の開始時点および停止時点が、それぞれ印字履歴情報として内部メモリ240に記憶される。また、扉部100(図2)が開かれるごとに、その時点、すなわち扉部100が開状態から閉状態に切り替わる時点が開閉履歴情報として内部メモリ240に記憶される。
【0107】
さらに、本実施の形態においては、予め定められたインクカートリッジ目標値および予め定められたチャート紙長さが内部メモリ240に記憶される。インクカートリッジ目標値は、例えば印字部250において一のインクカートリッジでドットの印字が可能な回数を表す。チャート紙長さは、チャート紙送り部260に保持されるチャート紙の長さを表す。
【0108】
[4]チャート紙への一記録例
チャート紙に記録される内容について、記録計1の動作とともに説明する。図4は、図1の記録計1により物理量の変化を示す波形が印字されたチャート紙の一例を示す図である。図4のチャート紙Cにおいては、縦軸が時間を表し、横軸が物理量(本例では電圧)の大きさを表す。太い矢印で示すように、本例の縦軸においてはチャート紙Cの下方から上方に向かって時間が進行する。
【0109】
まず、使用者が、物理量データの収集開始およびチャート紙Cへの波形の記録開始をCPU210に指令する。この場合、図4の矩形点線部pt1に示すように、内部メモリ240に記憶された印字履歴情報に基づいてチャート紙記録動作の開始時点「2012/11/19 19:00:00」がチャート紙Cに印字される。また、内部メモリ240に記憶された印字条件に基づいてチャート紙Cの送り速度「90mm/h」が印字される。さらに、物理量に対応するドットが予め設定された印字条件で印字される。
【0110】
その後、使用者が、図1の印字部250に用いられるインクカートリッジを交換するために扉部100を開いた後、物理量データの収集動作をCPU210に指令する。それにより、物理量収集動作およびチャート紙記録動作を停止する。この場合、図4の矩形点線部pt2に示すように、内部メモリ240に記憶された開閉履歴情報に基づいて扉部100が開かれたことを示す文字列「トビラオープン」がチャート紙Cに印字される。また、扉部100が開かれた時点「2012/11/19 19:19」が印字される。
【0111】
使用者が、インクカートリッジを交換して扉部100を閉じた後、物理量データの収集開始およびチャート紙Cへの波形の記録開始をCPU210に再度指令する。この場合、図4の矩形点線部pt3に示すように、内部メモリ240に記憶された印字履歴情報に基づいてチャート紙記録動作の再開時点「2012/11/19 19:29:34」がチャート紙Cに印字される。また、内部メモリ240に記憶された印字条件に基づいてチャート紙Cの送り速度「90mm/h」が印字される。さらに、物理量に対応するドットの印字が再開される。
【0112】
チャート紙Cには、チャート紙記録動作の開始時点から一定期間経過するごとに経過時点が印字される。図4の例では、矩形点線部pt4に示すように、チャート紙記録動作の再開時点から30分経過することにより、その経過時点「2012/11/19 19:59:34」がチャート紙Cに印字される。また、矩形点線部pt5に示すように、矩形点線部pt4の時点から30分経過することにより、その経過時点「2012/11/19 20:29:34」がチャート紙Cに印字される。さらに、矩形点線部pt6に示すように、矩形点線部pt5の時点から30分経過することにより、その経過時点「2012/11/19 20:59:34」がチャート紙Cに印字される。
【0113】
図4の矩形点線部pt7に示すように、チャート紙記録動作の開始から一定期間経過することにより、チャート紙Cの横軸に示される物理量のスケールが予め設定された印字条件に基づいてチャート紙Cに印字される。
【0114】
[5]打点チャンネル
(1)打点チャンネルの割り当て
本体部200は、複数の入力チャンネルを有する。入力チャンネルは、温度/電圧チャンネル、パルスチャンネル、演算チャンネルおよびModbus(モドバス)チャンネルを含む。温度/電圧チャンネルには、温度または電圧の値を示す信号が入力される。パルスチャンネルには、パルス信号が入力される。演算チャンネルには、他の1または複数の入力チャンネルに入力された信号の演算結果等が入力される。Modbusチャンネルには、Modbusプロトコルに従うModbus機器からの信号が入力される。
【0115】
本体部200に接続される複数の収集ユニット400の各々は、複数種類の物理量に対応する複数種類の物理量データを本体部200の複数の入力チャンネルにそれぞれ与えることができる。CPU210は、複数の入力チャンネルから選択した入力チャンネルを印字のための一または複数の出力チャンネルに割り当てる。また、CPU210は、複数の入力チャンネルから選択した入力チャンネルを表示のための一または複数の出力チャンネルに割り当てる。
【0116】
以下、選択された入力チャンネルが割り当てられる印字のための出力チャンネルを打点チャンネルと呼ぶ。CPU210は、割り当てた各打点チャンネルに対応する物理量の変化を示す波形を印字装置200Bによりチャート紙Cに印字する。
【0117】
本例においては、80個の温度/電圧チャンネル、8個のパルスチャンネル、8個の演算チャンネルおよび16個のModbusチャンネルから選択された最大48個の入力チャンネルを打点チャンネルに割り当てることができる。入力チャンネルは、例えば使用者によるタッチパネル120の操作に基づいて打点チャンネルに割り当てられてもよいし、自動的に打点チャンネルに割り当てられてもよい。
【0118】
図5図10は、打点チャンネルへの割り当ての手順の一例を示す図である。使用者は、図1のタッチパネル120に所定の操作を行うことにより、表示画面10に図5の打点チャンネル選択画面SC1を表示させることができる。図5に示すように、打点チャンネル選択画面SC1には、複数(本例では48個)のチャンネル番号選択ボタン11が表示される。複数のチャンネル番号選択ボタン11は、複数の打点チャンネルにそれぞれ対応する。
【0119】
使用者は、複数のチャンネル番号選択ボタン11のいずれかを操作することにより、操作したチャンネル番号選択ボタン11に対応する打点チャンネルを選択することができる。打点チャンネルが選択された場合、表示画面10に図6の入力チャンネル選択画面SC3が表示される。図6に示すように、入力チャンネル選択画面SC3には、戻るボタン13、温度/電圧チャンネル選択ボタン14、パルスチャンネル選択ボタン15、演算チャンネル選択ボタン16およびModbusチャンネル選択ボタン17が表示される。
【0120】
使用者は、温度/電圧チャンネル選択ボタン14を操作することにより、表示画面10に図7の温度/電圧チャンネル選択画面SC4を表示させることができる。使用者は、パルスチャンネル選択ボタン15を操作することにより、表示画面10に図8のパルスチャンネル選択画面SC5を表示させることができる。
【0121】
使用者は、演算チャンネル選択ボタン16を操作することにより、表示画面10に図9の演算チャンネル選択画面SC6を表示させることができる。使用者は、Modbusチャンネル選択ボタン17を操作することにより、表示画面10に図10のModbusチャンネル選択画面SC7を表示させることができる。使用者は、戻るボタン13を操作することにより、表示画面10に図5の打点チャンネル選択画面SC1を表示させることができる。
【0122】
図7に示すように、温度/電圧チャンネル選択画面SC4には、複数(本例では80個)のチャンネル番号選択ボタン14aおよび戻るボタン14bが表示される。複数のチャンネル番号選択ボタン14aは、複数の温度/電圧チャンネルにそれぞれ対応する。
【0123】
使用者は、複数のチャンネル番号選択ボタン14aのいずれかを操作することにより、チャンネル番号選択ボタン14aに対応する温度/電圧チャンネルを入力チャンネルとして選択することができる。これにより、選択された入力チャンネルが、図5において選択された打点チャンネルに割り当てられる。また、使用者は、戻るボタン14bを操作することにより、表示画面10に図6の入力チャンネル選択画面SC3を表示させることができる。
【0124】
図8に示すように、パルスチャンネル選択画面SC5には、複数(本例では8個)のチャンネル番号選択ボタン15aおよび戻るボタン15bが表示される。複数のチャンネル番号選択ボタン15aは、複数のパルスチャンネルにそれぞれ対応する。
【0125】
使用者は、複数のチャンネル番号選択ボタン15aのいずれかを操作することにより、チャンネル番号選択ボタン15aに対応するパルスチャンネルを入力チャンネルとして選択することができる。これにより、選択された入力チャンネルが、図5において選択された打点チャンネルに割り当てられる。また、使用者は、戻るボタン15bを操作することにより、表示画面10に図6の入力チャンネル選択画面SC3を表示させることができる。
【0126】
図9に示すように、演算チャンネル選択画面SC6には、複数(本例では8個)のチャンネル番号選択ボタン16aおよび戻るボタン16bが表示される。複数のチャンネル番号選択ボタン16aは、複数の演算チャンネルにそれぞれ対応する。
【0127】
使用者は、複数のチャンネル番号選択ボタン16aのいずれかを操作することにより、チャンネル番号選択ボタン16aに対応する演算チャンネルを入力チャンネルとして選択することができる。これにより、選択された入力チャンネルが、図5において選択された打点チャンネルに割り当てられる。また、使用者は、戻るボタン16bを操作することにより、表示画面10に図6の入力チャンネル選択画面SC3を表示させることができる。
【0128】
図10に示すように、Modbusチャンネル選択画面SC7には、複数(本例では16個)のチャンネル番号選択ボタン17aおよび戻るボタン17bが表示される。複数のチャンネル番号選択ボタン17aは、複数のModbusチャンネルにそれぞれ対応する。
【0129】
使用者は、複数のチャンネル番号選択ボタン17aのいずれかを操作することにより、チャンネル番号選択ボタン17aに対応するModbusチャンネルを入力チャンネルとして選択することができる。これにより、選択された入力チャンネルが、図5において選択された打点チャンネルに割り当てられる。また、使用者は、戻るボタン17bを操作することにより、表示画面10に図6の入力チャンネル選択画面SC3を表示させることができる。
【0130】
(2)物理量の印字例
図5図10の手順を繰り返すことにより、使用者は、複数の入力チャンネルから選択した任意の入力チャンネルを打点チャンネルに割り当てることができる。また、同一の入力チャンネルを2個以上の打点チャンネルに割り当てることもできる。
【0131】
以下、同一の温度/電圧チャンネルを複数の打点チャンネルに割り当てた場合の温度の印字例について説明する。図11は、同一の温度/電圧チャンネルを複数の打点チャンネルに割り当てた場合の温度の印字例を示す図である。図12は、同一の温度/電圧チャンネルを複数の打点チャンネルに割り当てた場合にRAM230に記憶される印字条件を示す図である。
【0132】
図11の例においては、測定対象物に所定の熱処理が行われる。具体的には、測定対象物は、第1の期間P1において第1の温度T1に加熱され、第2の期間P2において第2の温度T2に加熱され、第3の期間P3において温度T3に加熱される。第1の温度T1は例えば100℃であり、第2の温度T2は例えば1200℃であり、第3の温度T3は例えば500℃である。
【0133】
上記の熱処理が行われる過程の測定対象物の温度がK熱電対により測定される。K熱電対は、図1の収集ユニット400の入力端子部440に接続される。K熱電対により測定された温度の値を示す信号が収集ユニット400を介して本体部200の温度/電圧チャンネルに入力される。
【0134】
ここで、使用者は、図5図7の手順を繰り返すことにより、4つの打点チャンネルに温度/電圧チャンネルを割り当てる。以下、4つの打点チャンネルをそれぞれ第1の打点チャンネルPCH1、第2の打点チャンネルPCH2、第3の打点チャンネルPCH3および第4の打点チャンネルPCH4と呼ぶ。
【0135】
次に、使用者は、第1〜第4の打点チャンネルPCH1〜PCH4の各々について印字条件231を設定する。図12に示すように、設定された印字条件231はRAM230に記憶される。
【0136】
以下、第1の打点チャンネルPCH1についての印字条件を第1の印字条件2311と呼び、第2の打点チャンネルPCH2についての印字条件を第2の印字条件2312と呼ぶ。また、第3の打点チャンネルPCH3についての印字条件を第3の印字条件2313と呼び、第4の打点チャンネルPCH4についての印字条件を第4の印字条件2314と呼ぶ。
【0137】
第1の印字条件2311は、第1の印字基準値pr1、第1の印字スケールps1および第1の印字色彩pc1を含む。第2の印字条件2312は、第2の印字基準値pr2、第2の印字スケールps2および第2の印字色彩pc2を含む。第3の印字条件2313は、第3の印字基準値pr3、第3の印字スケールps3および第3の印字色彩pc3を含む。第4の印字条件2314は、第4の印字基準値pr4、第4の印字スケールps4および第4の印字色彩pc4を含む。
【0138】
第1〜第4の印字基準値pr1〜pr4は、それぞれ第1〜第4の打点チャンネルPCH1〜PCH4に対応する波形pwがチャート紙C上において印字される位置(オフセット値)である。第1〜第4の印字スケールps1〜ps4は、それぞれ第1〜第4の打点チャンネルPCH1〜PCH4に対応する波形pwの縮尺(本例では単位目盛り当たりの温度値[度/div])である。第1〜第4の印字基準値pr1〜pr4の各々を適切に指定し、かつ第1〜第4の印字スケールps1〜ps4の各々を適切に指定することにより、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化を確実かつ適切にチャート紙Cに記録することができる。
【0139】
第1〜第4の印字色彩pc1〜pc4は、それぞれ第1〜第4の打点チャンネルPCH1〜PCH4に対応する波形pwの色彩である。図1のROM220には、波形pwの印字色彩として、予め黒色、赤色、青色、緑色、黄色、橙色、紫色および白色等の複数種類の色彩が記憶されている。使用者は、例えばタッチパネル120を操作することにより、ROM220に記憶された色彩から第1〜第4の印字色彩pc1〜pc4を選択することができる。第1〜第4の印字色彩pc1〜pc4の各々を適切に指定することにより、使用者はチャート紙Cに印字される複数の波形pwの各々を容易に識別することができる。
【0140】
本例においては、第1の印字基準値pr1は第1の温度T1に設定され、第1の印字スケールps1は1度/divに設定され、第1の印字色彩pc1は黒色に設定される。第2の印字基準値pr2は第2の温度T2に設定され、第2の印字スケールps2は1度/divに設定され、第2の印字色彩pc2は赤色に設定される。
【0141】
第3の印字基準値pr3は第3の温度T3に設定され、第3の印字スケールps3は1度/divに設定され、第3の印字色彩pc3は青色に設定される。第4の印字基準値pr4は0℃に設定され、第4の印字スケールps4は500度/divに設定され、第4の印字色彩pc4は緑色に設定される。
【0142】
この設定によれば、図11に示すように、第1の打点チャンネルPCH1において、第1の温度T1付近における測定対象物の1度以下の微小な温度変化が黒色の波形pwとしてチャート紙Cに記録される。また、第2の打点チャンネルPCH2において、第2の温度T2付近における測定対象物の1度以下の微小な温度変化が赤色の波形pwとしてチャート紙Cに記録される。
【0143】
第3の打点チャンネルPCH3において、第3の温度T3付近における測定対象物の1度以下の微小な温度変化が青色の波形pwとしてチャート紙Cに記録される。また、第4の打点チャンネルPCH4において、第1〜第3の期間P1〜P3における測定対象物の全体的な温度変化が緑色の波形pwとしてチャート紙Cに記録される。
【0144】
また、表示画面10には、内部メモリ240に記憶された物理量データに基づいて、所定期間前から現在までの物理量の変化を示す波形が表示される。使用者は、例えばタッチパネル120を操作することにより、物理量データの収集開始の時点から現在までの任意の期間における物理量の変化を示す波形を表示画面10に表示させることができる。また、使用者は、例えばタッチパネル120を操作することにより、表示画面10に表示される任意の期間における物理量の大きさに応じて、表示画面10に表示される波形の倍率を適切に変更することができる。
【0145】
図11のチャート紙Cにおいては、第4、第1、第2および第3の打点チャンネルPCH4,PCH1,PCH2,PCH3に対応する波形pwが、この順で並ぶように記録されるが、これに限定されない。使用者は、例えばタッチパネル120を操作することにより、チャート紙Cにおける第1〜第4の打点チャンネルPCH1〜PCH4に対応する波形pwが並ぶ順序を任意に設定することができる。
【0146】
(3)効果
本実施の形態に係る記録計1においては、同一の入力チャンネルを互いに異なる複数の打点チャンネルに割り当てることができる。ここで、印字基準値pr1〜pr4、印字スケールps1〜ps4および印字色彩pc1〜pc4等の印字条件231を複数の打点チャンネルの各々について指定することができる。
【0147】
したがって、複数の印字条件231の各々を適切に指定することにより、物理量の全体的な変化を記録しつつ物理量の微小な変化をチャート紙Cに記録することができる。また、表示画面10に表示される任意の期間における物理量の大きさに応じて、表示画面10に表示される波形の倍率を適切に変更することができる。これにより、使用者は、物理量の表示中に物理量の全体的な変化および物理量の微小な変化を観察することができる。
【0148】
[6]物理量の単発的な急変の記録
(1)打点モード
CPU210は、波形ファイルに基づく波形を表示画面10に表示させるとともに、印字部250によりチャート紙Cに物理量の変化を示す波形を印字する。チャート紙Cへ波記録する場合において、使用者は、例えばタッチパネル120を操作することにより、打点モードを選択することができる。打点モードは、通常打点モードおよびエンベロープ打点モードを含む。
【0149】
図13は、通常打点モードを説明するための図である。図13(a)は、サンプリング周期および印字周期を示す。図13(b)は、図1のCPU210により取得される物理量データの変化を示す。図13(c)は、チャート紙Cに印字されるドットを示す。図13(b)の横軸は時間を示し、縦軸は物理量データを示す。図13(c)の横軸は時間を示し、縦軸は物理量を示す。
【0150】
使用者は、例えば図1の扉部100のタッチパネル120を操作することにより、サンプリング周期Tsおよび印字周期Tpを設定することができる。本実施の形態においては、サンプリング周期Tsは、10ms〜10minの範囲で設定される。また、印字周期Tpは、サンプリング周期TsのN倍に設定される。ここで、Nは2以上の整数である。この場合、印字周期Tp内にN個のサンプリング周期Tsが設けられ、サンプリング周期Tsの端数が存在しない。したがって、CPU210は、不要な待機時間が設けられることなく、印字周期Tp内において確実にN回物理量データを取得することができる。
【0151】
図13(a)の例においては、時点t0から時点t1までの時間、時点t1から時点t2までの時間、時点t2から時点t3までの時間、時点t3から時点t4までの時間、時点t4から時点t5までの時間、時点t5から時点t6までの時間および時点t6から時点t7間までの時間の各々が印字周期Tpである。時点t0は物理量データの収集およびチャート紙Cへの波形の記録の開始時点であり、各時点t1〜t7は、各印字周期Tpの経過時点である。
【0152】
図1のCPU210は、図13(b)に示すように、図1の収集ユニット400からサンプリング周期Tsで物理量データを取得する。CPU210は、取得された各印字周期Tpの経過時点における物理量データを抽出する。
【0153】
また、CPU210は、抽出された各印字周期Tpの経過時点における物理量データをチャート紙C上における印字位置に換算し、印字位置についての情報を含む制御信号を印字装置200Bに与える。印字部250は、制御信号に基づいて、図13(c)に示すように、各印字周期Tpの経過時点(時点t1〜t7にの各々)おける物理量データに対応するドットをチャート紙Cに印字する。
【0154】
図14は、通常打点モードにおけるドットが印字されたチャート紙Cの一例を示す図である。図14(a)は、表示画面10に表示される物理量の変化を示す。図14(b)は、通常打点モードにおいてチャート紙Cに印字されるドットを示す。
【0155】
図14(a)に示すように、物理量の変化を示す波形W1が表示画面10に表示される。ここで、図14(a)の時点t11、時点t12、時点t13および時点t14において物理量の単発的な急変が発生したことを仮定する。ここで、単発的な急変は、チャート紙Cに一のドットが印字されてから次のドットが印字されるまでの期間(印字周期Tp)よりも短い期間で増加した後に減少するかまたは減少した後に増加する変化をいう。この場合、時点t11,t12,t13,t14において、波形W1が急峻なパルス状に変化する。
【0156】
しかしながら、通常打点モードにおいては、印字周期Tpの経過時点以外の時点におけるドットは印字されない。したがって、通常打点モードにおいてチャート紙Cに記録された波形pwにおいては、図14(b)に示すように、時点t11〜t14で単発的な急変が現われていない。そのため、使用者は、チャート紙Cを見ても時点t11〜t14で物理量の単発的な急変が発生していたことを認識することができない。
【0157】
図15および図16は、エンベロープ打点モードを説明するための図である。図15(a)は、サンプリング周期および印字周期を示す。図15(b)は、図1のCPU210により取得される物理量データの変化を示す。図15(c)は、チャート紙Cに印字されるドットを示す。図15(b)の横軸は時間を示し、縦軸は物理量データを示す。図15(c)の横軸は時間を示し、縦軸は物理量を示す。図16(a)は図15(b)の時点t0,t1間の拡大図であり、図16(b)は図15(c)の時点t0,t1間の拡大図である。
【0158】
図13(a)と同様に、図15(a)の例においては、時点t0から時点t1までの時間、時点t1から時点t2までの時間、時点t2から時点t3までの時間、時点t3から時点t4までの時間、時点t4から時点t5までの時間、時点t5から時点t6までの時間および時点t6から時点t7間までの時間の各々が印字周期Tpである。時点t0は物理量データの収集およびチャート紙Cへの波形の記録の開始時点であり、各時点t1〜t7は、各印字周期Tpの経過時点である。
【0159】
図1のCPU210は、図15(b)に示すように、図1の収集ユニット400からサンプリング周期Tsで物理量データを取得する。ここで、CPU210は、図16(a)に示すように、各印字周期Tpの経過時点で、その印字周期Tp内に取得された物理量データの最大値Vmaxおよび最小値Vminを抽出する。
【0160】
また、CPU210は、最大値Vmaxから最小値Vminまでの範囲を複数の範囲に分割するための補間値を決定する。図16(a)の例では、理解を容易にするために、最大値Vmaxを黒い四角印で示し、最小値Vminを黒い三角印で示す。また、最大値Vmaxから最小値Vminまでの範囲を5等分するための4つの補間値IN1,IN2,IN3,IN4が決定される。
【0161】
CPU210は、抽出された最大値Vmaxおよび最小値Vminならびに決定された補間値IN1〜IN4をチャート紙C上における印字位置に換算し、印字位置についての情報を含む制御信号を図1の印字部250に与える。印字部250は、制御信号に基づいて、図15(c)および図16(b)に示すように、各印字周期Tpにおける最大値Vmax、最小値Vminおよび補間値IN1〜IN4に対応するドットを、各印字周期Tpの経過時点(時点t1〜t7の各々)の位置に印字する。
【0162】
図17は、エンベロープ打点モードにおける物理量の変化を示す波形pwが印字されたチャート紙Cの一例を示す図である。図17(a)は、表示画面10に表示される物理量の変化を示す。図17(b)は、エンベロープ打点モードにおいてチャート紙Cに印字される物理量の変化を示す。
【0163】
図17(a)に示すように、物理量の変化を示す波形W1が表示画面10に表示される。ここで、図14(a)と同様に、図17(a)の時点t11、時点t12、時点t13および時点t14において物理量の単発的な急変が発生したことを仮定する。この場合、時点t11,t12,t13,t14において、波形W1が急峻なパルス状に変化する。
【0164】
また、エンベロープ打点モードにおいては、各印字周期Tp内の物理量データの最大値Vmaxおよび最小値Vminが、その印字周期Tpの経過時点でチャート紙Cに印字される。これに加えて、エンベロープ打点モードにおいては、各印字周期Tp内の最大値Vmaxから最小値Vminまでの範囲を複数の範囲に分割するための補間値IN1〜IN4に対応するドットがチャート紙Cに印字される。これにより、チャート紙Cに印字される補間値IN1〜IN4に対応するドットにより各印字周期Tpにおける波形pwが強調される。
【0165】
したがって、エンベロープ打点モードにおいてチャート紙Cに記録された波形pwにおいては、図17)に示すように、時点t11〜t14の各々で物理量の単発的な急変として複数(本例では6個)のドットが現われている。これにより、使用者は、チャート紙Cを見て時点t11〜t14で物理量の単発的な急変が発生していたことを認識することができる。
【0166】
なお、図17)の例においては、時点t11〜t14以外の印字周期Tpの経過時点においても、複数(本例では6個)のドットがチャート紙Cに印字される。しかしながら、これらの時点においては、物理量の単発的な急変が発生していないので、ほぼ同一の位置に複数のドットが印字されることとなる。そのため、時点t11〜t14以外の印字周期Tpの経過時点においては、使用者には一のドットが印字されているように見える。
【0167】
(2)範囲外打点方式の設定
使用者は、例えば図1のタッチパネル120を操作することにより、チャート紙記録動作における打点範囲の上限値および下限値をそれぞれ設定することができる。また、使用者は、例えば図1のタッチパネル120を操作することにより、測定された物理量が打点範囲内にない場合における打点方式(以下、範囲外打点方式と呼ぶ)を選択することができる。範囲外打点方式は、上下限打点方式、上限打点方式、下限打点方式および非打点方式を含む。
【0168】
図18および図19は、範囲外打点方式を説明するための図である。図18および図19の例においては、打点範囲の上限値および下限値はそれぞれV1,V2に設定されている。また、図18および図19の例においては、本来測定されるべき物理量の変化を点線で示している。
【0169】
図18(a)は、範囲外打点方式として上下限打点方式が選択された場合におけるドットが印字されたチャート紙Cの一例を示す。図18(a)に示すように、上下限打点方式においては、測定された物理量が上限値V1よりも大きい場合、測定された物理量に対応するドットに代えて上限値V1に対応するドットが印字される。また、上下限打点方式においては、測定された物理量が下限値V2よりも小さい場合、測定された物理量に対応するドットに代えて下限値V2に対応するドットが印字される。
【0170】
図18(b)は、範囲外打点方式として上限打点方式が選択された場合におけるドットが印字されたチャート紙Cの一例を示す。図18(b)に示すように、上限打点方式においては、測定された物理量が上限値V1よりも大きい場合、測定された物理量に対応するドットに代えて上限値V1に対応するドットが印字される。一方、上限打点方式においては、測定された物理量が下限値V2よりも小さい場合、測定された物理量に対応するドットは印字されない。
【0171】
図19(a)は、範囲外打点方式として下限打点方式が選択された場合におけるドットが印字されたチャート紙Cの一例を示す。図19(a)に示すように、下限打点方式においては、測定された物理量が上限値V1よりも大きい場合、測定された物理量に対応するドットは印字されない。一方、下限打点方式においては、測定された物理量が下限値V2よりも小さい場合、測定された物理量に対応するドットに代えて下限値V2に対応するドットが印字される。
【0172】
図19(b)は、範囲外打点方式として非打点方式が選択された場合における物理量のドットが印字されたチャート紙Cの一例を示す。図19(b)に示すように、非打点方式においては、測定された物理量が上限値V1よりも大きい場合、測定された物理量に対応するドットは印字されない。また、非打点方式においては、測定された物理量が下限値V2よりも小さい場合、測定された物理量に対応するドットは印字されない。
【0173】
打点モードとしてエンベロープ打点モードが選択されかつ範囲外打点方式として上下限打点方式または上限打点方式が選択された状態において、最大値Vmaxが上限値V1よりも大きい場合、上限値V1から最小値Vminまでの範囲を複数の範囲に分割するための補間値が決定される。
【0174】
打点モードとしてエンベロープ打点モードが選択されかつ範囲外打点方式として上下限打点方式または下限打点方式が選択された状態において、最小値Vminが下限値V2よりも小さい場合、最大値Vmaxから下限値V2までの範囲を複数の範囲に分割するための補間値が決定される。
【0175】
打点モードとしてエンベロープ打点モードが選択されかつ範囲外打点方式として上下限打点方式が選択された状態において、最大値Vmaxが上限値V1よりも大きくかつ最小値Vminが下限値V2よりも小さい場合、上限値V1から下限値V2までの範囲を複数の範囲に分割するための補間値が決定される。
【0176】
(3)印字装置の動作
図20および図21は、CPU210による印字装置200Bの動作の制御を示すフローチャートである。以下、図1図20および図21を参照しながら印字装置200Bの動作の制御を説明する。
【0177】
まず、CPU210は、使用者によりチャート紙記録動作の開始が指令されたか否かを判定する(ステップS1)。使用者は、例えばタッチパネル120を操作することによりチャート紙記録動作の開始および停止をCPU210に指令することができる。ステップS1において、チャート紙記録動作の開始が指令されていない場合、CPU210は、チャート紙記録動作の開始が指令されるまで待機する。
【0178】
ステップS1において、チャート紙記録動作の開始が指令された場合、CPU210は、使用者によりチャート紙記録動作の停止が指令されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0179】
ステップS2において、チャート紙記録動作の停止が指令されていない場合、CPU210は、印字周期Tpが経過したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、印字周期Tpが経過していない場合、CPU210は、ステップS2の処理に戻る。ステップS3において、印字周期Tpが経過した場合、CPU210は、打点モードとしてエンベロープ打点モードが選択されているか否かを判定する(ステップS4)。
【0180】
ステップS4において、エンベロープ打点モードが選択されていない場合、すなわち、打点モードとして通常打点モードが選択されている場合、CPU210は、印字周期Tpの経過時点における物理量データを抽出する(ステップS5)。また、CPU210は、抽出された物理量データをチャート紙C上における印字位置に換算し(ステップS6)、ステップS10の処理に進む。
【0181】
ステップS4において、エンベロープ打点モードが選択されている場合、CPU210は、印字周期Tp内の最大値Vmaxおよび最小値Vminを抽出する(ステップS7)。次に、CPU210は、抽出された最大値Vmaxから最小値Vminまでの範囲を複数の範囲に分割する補間値IN1〜IN4を決定する(ステップS8)。続いて、CPU210は、最大値Vmax、最小値Vminおよび補間値IN1〜IN4をチャート紙C上における印字位置に換算する(ステップS9)。その後、CPU210は、印字位置についての情報を含む制御信号を印字部250に与え(ステップS10)、ステップS2の処理に戻る。
【0182】
CPU210は、ステップS2において、チャート紙記録動作の停止が指令されるまで、ステップS2〜S10の処理を繰り返し行う。これにより、ステップS4において通常打点モードが選択されていた場合、印字部250は、各印字周期Tpの経過時点における物理量データに対応するドットをチャート紙Cに印字する。一方、ステップS4においてエンベロープ打点モードが選択されていた場合、印字部250は、各印字周期Tpの経過時点で最大値Vmax、最小値Vminおよび補間値IN1〜IN4に対応するドットをチャート紙Cに印字する。
【0183】
ステップS2において、チャート紙記録動作の停止が指令された場合、CPU210は、印字装置200Bの動作の制御を終了する。
【0184】
(4)効果
本実施の形態に係る記録計1においては、各印字周期Tpに物理量データが複数回取得される。ここで、エンベロープ打点モードにおいては、各印字周期Tpの経過時点で、各印字周期Tp内において取得された物理量データの最大値Vmaxおよび最小値Vminならびに複数の補間値IN1〜IN4に対応するドットがチャート紙Cに印字される。これにより、使用者は、チャート紙Cに印字された物理量データの最大値Vmaxおよび最小値Vminならびに補間値IN1〜IN4に対応するドットを見ることにより、各印字周期Tp内における物理量の変化の有無を認識することができる。
【0185】
一方、通常打点モードにおいては、印字周期Tpの経過時点に取得された物理量データに対応するドットがチャート紙Cに印字される。これにより、使用者は、各印字周期Tpの経過時点での物理量の値を正確に認識することができる。
【0186】
また、使用者は、上限値V1が含まれる最小の範囲に印字条件231を設定することができる。これにより、各印字周期Tp内において取得される物理量データの最大値Vmaxが上限値V1よりも大きい場合でも、上限値V1以下の物理量の微小な変化を記録することができるとともに、各印字周期Tp内での物理量の変化の有無を認識することができる。
【0187】
同様に、使用者は、下限値V2が含まれる最小の範囲に印字条件231を設定することができる。これにより、各印字周期Tp内において取得される物理量データの最小値Vminが下限値V2よりも小さい場合でも、下限値V2以上の物理量の微小な変化を記録することができるとともに、各印字周期Tp内での物理量の変化の有無を認識することができる。
【0188】
[7]他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、打点チャンネルまたは入力チャンネルは、チャンネル番号選択ボタン11,14a〜17aが操作されることにより選択されるが、これに限定されない。打点チャンネルまたは入力チャンネルは、複数のチャンネル番号が表示されたプルダウンメニューが操作されることにより選択されてもよい。
【0189】
(2)上記実施の形態において、4つの補間値が最大値Vmaxから最小値Vminまでの範囲を複数の範囲に分割するように決定されるが、これに限定されない。3つ以下の補間値が決定されてもよいし、5つ以上の補間値が決定されてもよい。また、最大値Vmaxから最小値Vminまでの範囲の分割は、等分割でなくてもよい。
【0190】
さらに、使用者が、物理量の単発的な急変が発生していたことを認識しやすい場合には、エンベロープ打点モードにおいて、補間値が決定されずに、最大値Vmaxおよび最小値Vminに対応するドットが各印字周期Tpの経過時点の位置に印字されてもよい。
【0191】
(3)上記実施の形態において、使用者による記録計1への種々の指定は、タッチパネル120を操作することにより行われるが、これに限定されない。記録計1がマウスもしくはトラックボール等のポインティングデバイスまたはキーボードを有する場合には、使用者による記録計1への種々の指定は、ポインティングデバイスまたはキーボードを操作することにより行われてもよい。
【0192】
[8]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0193】
上記実施の形態においては、チャート紙Cが記録紙の例であり、記録計1が記録計の例であり、CPU210がデータ取得部、制御部および処理装置の例であり、内部メモリ240が記憶部の例であり、波形pwが波形の例である。印字装置200Bが印字装置の例であり、表示部110が表示部の例であり、第1〜第4の打点チャンネルPCH1〜PCH4が印字チャンネルの例であり、印字条件231,2311〜2314が印字条件の例である。
【0194】
タッチパネル120が操作部およびタッチパネルの例であり、サンプリング周期Tsが第1の周期の例であり、印字周期Tpが第2の周期の例であり、最大値Vmaxが最大値の例であり、最小値Vminが最小値の例であり、補間値IN1〜IN4が補間値の例である。上限値V1が上限値の例であり、下限値V2が下限値の例であり、第1〜第4の印字スケールps1〜ps4が縮尺の例であり、第1〜第4の印字基準値pr1〜pr4が位置の例であり、第1〜第4の印字色彩pc1〜pc4が色彩の例である。
【0195】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明は、種々の記録計に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0197】
1 記録計
10 表示画面
11,14a〜17a チャンネル番号選択ボタン
13,14b〜17b 戻るボタン
14 温度/電圧チャンネル選択ボタン
15 パルスチャンネル選択ボタン
16 演算チャンネル選択ボタン
17 Modbusチャンネル選択ボタン
100 扉部
110 表示部
120 タッチパネル
130 開閉検出部
140 チャート紙調整スイッチ
150 収集記録スイッチ
160 記録状態表示ランプ
170 電源スイッチ
180,291 USBインターフェース
190 フレキシブル配線回路基板
200 本体部
200A 制御装置
200B 印字装置
200C リジッド配線回路基板
200f フランジ
200o 前面開口
210 CPU
220 ROM
230 RAM
231,2311〜2314 印字条件
240 内部メモリ
250 印字部
260 チャート紙送り部
270 チャート紙収容部
280 FPGA
292 RS485インターフェース
293 イーサネットインターフェース
294 電源端子
300 入力/出力ユニット
310,420 入力回路
320 出力回路
330 入出力端子部
400 収集ユニット
410,PM マイクロコンピュータ
430 A/D変換器
440 入力端子部
C チャート紙
CA 本体ケーシング
pc1〜pc4 印字色彩
pr1〜pr4 印字基準値
ps1〜ps4 印字スケール
pt1〜pt7 矩形点線部
pw,W1 波形
P1〜P3 期間
PCH1〜PCH4 打点チャンネル
PR プラテンローラ
s1 上面部
s2 底面部
s3,s4 側面部
s5 背面部
SC1 打点チャンネル選択画面
SC3 入力チャンネル選択画面
SC4 温度/電圧チャンネル選択画面
SC5 パルスチャンネル選択画面
SC6 演算チャンネル選択画面
SC7 Modbusチャンネル選択画面
SLa,SLb,TAa,TAb 接続端子
T1〜T3 温度
Tp 印字周期
Ts サンプリング周期
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