特許第6227264号(P6227264)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227264動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227264
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 99/00 20140101AFI20171030BHJP
【FI】
   H02K99/00
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-51714(P2013-51714)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-79151(P2014-79151A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-209590(P2012-209590)
(32)【優先日】2012年9月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509153342
【氏名又は名称】中川 淳釋
(74)【代理人】
【識別番号】100068308
【弁理士】
【氏名又は名称】後田 春紀
(72)【発明者】
【氏名】中川 淳釋
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−087149(JP,A)
【文献】 特開2005−058910(JP,A)
【文献】 特開2004−083719(JP,A)
【文献】 特開2001−352706(JP,A)
【文献】 特開2008−274094(JP,A)
【文献】 特開2003−258441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 99/00
H02K 5/00−5/26
H02K 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気石のうち、900℃以上で焼成した苦土電気石粉末34重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアルミニウム塗料50量%とを、前記苦土電気石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アルミニウム塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【請求項2】
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末30重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したモナズ石粉末15重量%および花崗斑岩粉末3重量%、カーボンブラックより成る炭素粉末7重量%とアルミニウム塗料45重量%とを、前記鉄電気石粉末、モナズ石粉末、花崗斑岩粉末および炭素粉末が、前記アルミニウム塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【請求項3】
電気石のうち、900℃以上で焼成した苦土電気石粉末36重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末7重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを、前記苦土電気石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【請求項4】
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末24重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末7重量%およびモナズ石粉末10重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアクリル樹脂系塗料55重量%とを、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【請求項5】
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末27重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末6重量%およびモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末8重量%とアクリル樹脂系塗料47重量%とを、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【請求項6】
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末15重量%および苦土電気石粉末18重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末13重量%およびモナズ石粉末5重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを、前記鉄電気石粉末、苦土電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【請求項7】
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末32重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末14重量%および石英斑岩粉末2重量%、黒鉛から製造された炭素粉末7重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、石英斑岩粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源としてモーターを使用している、製造工場等での製造機器、ビルや商店等の設備における動力関連機器(エレベーター、エスカレーター、冷暖房機器や冷凍機器等)、または一般家庭における冷暖房機器や冷蔵庫等の電気機器全般のモーターケース外側面に塗布することにより、モーターの駆動電流の減少、電流の減少の相乗効果による前記モーターの発生熱の低下および振動の静音化などエネルギー損失の減少を図ると共に、省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う原子力発電所の稼働停止による電力不足のため、省電力あるいは節電が国家的急務となっているが、現在その有効な手段や方法は実用化されていない。そして、省電力・節電を目的とする電気機器に関して、過去の特許文献を遡及検索したところ、下記の特許文献に記載された発明が公知である。
【0003】
省電力・節電を目的とする電気機器に関する過去の特許文献として、屋外に設けた発電部と、屋内に設けた充電部と電力変換部および電力変換部の出力と商用電源のどちらか一方を電気製品に供給すると共に、充電部の電圧値に満たないときは、電気製品に商用電源のみ供給するよう切換える電力切換部とを具備した省電力ユニット(特許文献1)、電気製品のコンセントを接続する電源タップと、人体から放出する熱赤外線を感知し、前記電源タップへの電源供給を遮断・接続する省電ユニットを備えた省電ユニット付電源タップ(特許文献2)、赤外線センサーと、赤外線センサーから検知信号を受信する情報端末と複数の電気製品を備えると共に、前記情報端末は電気製品毎に優先順位情報を管理しており、該情報端末が人のいないことを示す検知信号を受信したとき、優先順位に従い順次電気製品の電源を自動OFFにする節電システム(特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−292539号公報
【特許文献2】特開平11−191925号公報
【特許文献3】特開2010−15355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1・2記載の発明は、一般家庭におけるような小電力の省電を目的とするものであり、製造工場等で使用する大電力の省電を図ることができないという課題があり、また前記特許文献3記載の発明は、赤外線センサー、情報端末等の装置が必要であり、コスト高になると共に、前記赤外線センサーが設置されていないところでは使用することができないという課題があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、電気石粉末、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物粉末および炭素粉末を塗料に混合して塗布材を製造し、該塗布材をモーターケース外側面に塗布することにより、モーターの駆動電流の減少、電流の減少の相乗効果による前記モーターの発生熱の低下および振動の静音化などエネルギー損失の減少を図ると共に、省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した苦土電気石粉末34重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアルミニウム塗料50量%とを、前記苦土電気石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アルミニウム塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
また、請求項2において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末30重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したモナズ石粉末15重量%および花崗斑岩粉末3重量%、カーボンブラックより成る炭素粉末7重量%とアルミニウム塗料45重量%とを、前記鉄電気石粉末、モナズ石粉末、花崗斑岩粉末および炭素粉末が、前記アルミニウム塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
更に、請求項3において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した苦土電気石粉末36重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末7重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを、前記苦土電気石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
更にまた、請求項4において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末24重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末7重量%およびモナズ石粉末10重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアクリル樹脂系塗料55重量%とを、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
そして更に、請求項5において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末27重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末6重量%およびモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末8重量%とアクリル樹脂系塗料47重量%とを、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
そして更にまた、請求項6において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末15重量%および苦土電気石粉末18重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末13重量%およびモナズ石粉末5重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを、前記鉄電気石粉末、苦土電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、モナズ石粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
そして更にまた、請求項7において、
電気石のうち、900℃以上で焼成した鉄電気石粉末32重量%、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物のうち、900℃以上で焼成したラジウム鉱石粉末14重量%および石英斑岩粉末2重量%、黒鉛から製造された炭素粉末7重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末、石英斑岩粉末および炭素粉末が、前記アクリル樹脂系塗料に均一に分散するように混合して製造することを特徴とする動力源としてモーターを使用する電気機器におけるエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面塗布材の製造方法。が提供され、
本発明は、前記各請求項記載のいずれかの製造方法を採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0008】
本発明製造方法によって製造された塗布材を、動力源としてモーターを使用する製造工場等での製造機器、ビルや商店等の設備における動力関連機器(冷暖房機器、冷凍機器など)、または一般家庭における冷暖房機器や冷蔵庫等の電気機器のモーターケース外側面に塗布することにより、前記塗布されて固化した後に形成された塗膜中の前記天然放射性鉱物から放射される放射線によって、低いエネルギーから高いエネルギーへ電子を移す励起作用により、前記天然放射性鉱物から飛び出した電子が塗膜中の電気石のプラス極に取り込まれ、それにより該電気石から励起された電子が、塗膜中の炭素の持つ導電性によって、前記電子の移動性を高めて放出されて、該放出された電子が電磁波となって前記モーターケース外側面から内部へ透過して、前記放射線と電磁波がモーターに組込まれている心臓部であるマグネット、分巻界磁巻線コイル、直巻界磁巻線コイル等の磁気生成部の自由電子に作用して、電子の活動を活性化させることにより、前記モーターのマグネットまたは巻線コイルの電界を強め磁力が増し、その結果前記電気機器のモーターの回転に要求される駆動電流が減少し、且つ該駆動電流の減少の相乗効果によりモーターの発生熱の低下・振動静音化など、エネルギー損失が低減し、これにより省電力を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明製造方法によって製造された塗布材を、U形磁石、棒磁石および電磁石に塗布することにより、該U形磁石、棒磁石および電磁石のいずれも磁界力が強くなったことを確認した測定結果の図である。
図2】本発明製造方法によって製造された塗布材を、換気扇のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の換気扇の動作開始、動作停止および電圧・電流の測定をしたときの測定状態および測定結果を示す図である。
図3】本発明製造方法によって製造された塗布材を、扇風機のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の該扇風機の動作開始電圧・電流の測定をしたときの測定状態および測定結果を示す図である。
図4】本発明製造方法によって製造された塗布材を、丸ノコのモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の該丸ノコの動作開始電圧・電流の測定をしたときの測定状態および測定結果を示す図である。
図5】本発明製造方法によって製造された塗布材を、コンプレッサーのモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の電流の効率測定をしたときの測定状態および測定結果を示す図である。
図6】本発明製造方法によって製造された塗布材を、切断機のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の電流の効率測定をしたときの測定状態および測定結果を示す図である。
図7】本発明製造方法によって製造された塗布材を、精密機械製造工場における動力機器であるコンプレッサー1台、切断機1台および室外機5台のモーターケース外側面に塗布し、3日間連続操業した時の塗布前と塗布後の最大消費電流を測定して比較した比較図である。
【実施例】
【0010】
本発明は、動力源としてモーターを使用している、製造工場等での製造機器、ビルや商店等の設備における動力関連機器(エレベーター、エスカレーター、冷暖房機器や冷凍機器等)、または一般家庭における冷暖房機器、冷蔵庫、換気扇等の電気機器全般のエネルギー損失の減少および省電力を可能とするモーターケース外側面に塗布する塗布材の製造方法であって、電気石粉末、低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物粉末および炭素粉末を、塗料に混合して製造し、モーターの外筐に塗布可能な塗布材としたものである。
【0011】
本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石は、ホウ素を主要構成元素とする結晶鉱物で、具体的に次に挙げる化学組成のものが存在している。すなわち、鉄電気石(schorl)、苦土電気石(dravite)、リチア電気石(elbaite)、オーレン電気石(olenite)、鉄灰電気石(feruvite)、灰電気石(uvite)、フォイト電気石(foitite)、苦土フォイト電気石(magnesiofoitite)等である。
【0012】
前記のような化学組成を有する電気石は、その含まれている金属元素の種類によって色が異なり、FeやMnを含む鉄電気石は黒色、Liを含むリチア電気石は紅色、Mgを含む苦土電気石は黄色、褐色等を示し、結晶を加熱または変形させると帯電する焦電性の電気的性質を備えた結晶鉱物であることが知られている。
【0013】
本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石は、前記各電気石のうち、いずれか一種、または複数種を使用してもよいが、好ましくは、鉄電気石、苦土電気石のいずれか一種、またはその両者を使用することが推奨される。
【0014】
前記電気石は、どんなに小さく砕き、粉体にしても、常にその結晶状態は一定の形を保ち、その両端にプラス極(陽極)とマイナス極(陰極)の電極が存在し、プラス極は周辺の大気や液体に存在する電子を引き付けて結晶内に取り入れ、この電子をマイナス極へ搬送して、永久的に該マイナス極から電子を放出するという電気特性を有している。
【0015】
そして、前記電気石は、塗料に混合して分散性を維持すると共に、表面積を大とするために、微細粒の粉末状に粋砕したものを使用する。その粒径は、特に限定する必要はないが、好ましくは、100μm以下、特に好ましくは、50μm以下とすることが推奨される。また、前記電気石は、特に限定する必要はないが、好ましくは、750〜950℃で焼成したものを本発明製造方法によって製造される塗布材の素材とすることが推奨される。前記電気石を焼成するのは、天然の電気石に含まれる有機物や可燃元素等の不純物を除去し、電気石の化学特性の安定化を図るためである。
【0016】
また、本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である天然放射性鉱物は、低線量の放射線を放射する市販の天然放射能鉱物であれば、本発明塗布材の製造方法の素材として採用できる。そして、前記天然放射性鉱物としては、特に限定する必要はないが、好ましくは、広く使用されて安全性に問題のないラジウム鉱石、モナズ石、花崗斑岩、石英斑岩、花崗岩、長石、チタン石のいずれか一種、またはこれらを複数種を用いることが推奨されるが、特に好ましくはラジウム鉱石、モナズ石、花崗斑岩、石英斑岩のいずれか一種、またはその複数種を使用することが推奨される。
【0017】
なお、前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である天然放射性鉱物からは、原子炉運転における核分裂によって生成される放射性ヨウ素や、原子炉運転における核分裂生成物であるキセノンのベータ崩壊で生じるセシウムが中性子を捕獲して生成する放射性セシウムは発生しないので、健康上全く問題はない。
【0018】
前記低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物は、塗料に混合して分散性を維持すると共に、放射面積を大とするために、微細粒の粉末状に粋砕したものを使用する。その粒径は、特に限定する必要はないが、好ましくは、100μm以下、特に好ましくは、50μm以下とすることが推奨される。また、前記天然放射性鉱物は、500〜950℃程度で焼成することが好ましい。前記焼成温度で天然放射性鉱物を焼成することにより、該各鉱物の有機物や可燃元素等の不純物が除去され化学特性が安定化するので、優れた放射特性が得られる。
【0019】
前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として、特に好ましい素材であるラジウム鉱石は、地中で天然の放射線を放出している天然放射性鉱物で、常時α線、β線、γ線を放射している。前記ラジウム鉱石は、例えば、秋田県の玉川温泉や台湾の北投温泉の下流で産出される「北投石」、オーストリアのバドガシュタイン鉱山で産出される「バドガシュタイン鉱石」や、中国陽江で産出される「深成岩」等の名称で知られている。
【0020】
そして、前記ラジウム鉱石は、様々な理学的、生理的な有効作用を有しているが、中でもγ線のもつ超短波長は、α線を遮断する紙、β線を遮断するアルミニウム等の厚い金属板をも透過し、α線、β線に比べて物質透過性が強大で、β線の100倍、α線の100万倍の透過力を有している。前記γ線は超短波長の電磁波で、人体の深部治療法に強力な効果を有することが広く認められており、人体細胞に大きな活力を与え、病菌を殺し難病を治すと共に、健康増進に役立つといわれており、例えば、秋田県の玉川温泉における岩盤浴療法に広く利用されている。
【0021】
本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として採用できるラジウム鉱石は、前記電磁波としてのγ線の透過力を利用するものである。そして、前記ラジウム鉱石から放射される放射線量は、産出される場所によって異なるが、本発明においては、他の素材と混合するため、特に限定する必要はないが、0.3μsV/h以上はあった方が好ましい。
【0022】
また、前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として、好ましい素材であるモナズ石(モナザイト)は、希土類(レアアース)元素であるセリウム、ランタン、ネオジムを主成分とする燐酸塩鉱物で、微量成分としてトリウムを含み、微量の放射線を放射する天然放射性鉱物である。前記モナズ石から溶媒抽出された主成分のセリウムは、レンズの研磨材、磁石や合金の材料等として使用され、またランタンは、光学レンズ、コンデンサー等の電子部品等に使用され、更にネオジムは、特にネオジム磁石として小型モーターに使用され、携帯電話、パソコン、自動車等、産業上広く利用されている。
【0023】
そして、前記モナズ石は、循環式風呂の浄水装置、化粧水、下着やサポーター(繊維に織り込む)、ブレスレット、ネックレスに広く利用され、また自動車の排ガス減量効果を高める触媒としても使用されており、安全上問題はない。前記モナズ石から放射される放射線量は、産出される場所によって異なるが、本発明においては、他の素材と混合するため、特に限定する必要はないが、0.3μsV/h以上はあった方が好ましい。
【0024】
更に、前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として、好ましい素材である花崗斑岩は、多くの種類がある。そして、本発明においては、特に限定する必要はないが、好ましくは、岩手県遠野市に埋蔵されている花崗斑岩を使用することが推奨される。前記岩手県遠野市に埋蔵されている花崗斑岩は、別名「角閃石」ともいわれている。
【0025】
前記花崗斑岩(角閃石)の効果については、既に多くの特許公報に開示されていると共に、その他の文献、並びにインターネットのウエブサイトに掲載されており、遠赤外線放射率が高く、また静置していてもマイナスイオンを放出することが広く知られている。
【0026】
そして、前記花崗斑岩の生産者である岩手県遠野市所在の株式会社古代石器が、岩手県工業技術センターに該花崗斑岩の定量分析を依頼したころ、前記花崗斑岩は、シリカ60重量%、酸化アルミニウム17重量%、酸化第二鉄6.7重量%、酸化チタン0.7重量%、酸化カルシウム6.2重量%、酸化マグネシウム2.7重量%、酸化ナトリウム3.3重量%、酸化カリウム1.6重量%等を含んでいるという分析結果が得られた
【0027】
そして、多数のインターネットのウエブサイトにおいて、前記花崗斑岩が低線量の放射線を放射する旨記載されているので、この事実を確認するため、前記株式会社古代石器が、茨城県つくば市所在の財団法人放射線計測協会へ、花崗斑岩(角閃石)のγ線量当量率の測定を依頼したところ、γ線量当量率が0.07μSv/hという測定結果が得られた。なお、この測定数値は、バックグラウンド(花崗斑岩のないγ線量当量率が0.06μSv/h)を含んでおり、従って、前記γ線量当量率が0.07μSv/hの数値は、生体に全く悪い影響を及ぼすような数値ではなく、生体にとって安全な極めて低線量の放射線を放射していることが確認することができた。
【0028】
本発明者は、前記花崗斑岩が極めて低線量の放射線を放射しているという測定結果から、該花崗斑岩が低線量の放射線を放射するのは、特開2004−121685号公報の記載、並びに多数のインターネットのウエブサイトの記載から、前記花崗斑岩には1.6重量%の酸化カリウムが含有されており、その0.01%の割合でカリウム40が存在するので、該カリウム40から低線量の放射線が放射されていると判断した。
【0029】
なお、前記特開2004−121685号に開示された鉱物は、石英斑岩である旨記載されているが、前記花崗斑岩の中で、特に斑晶の少ないものが石英斑岩と云われているので、両者は同一性状を有する鉱物であると判断できる。従って、前記石英斑岩も、本発明製造方法における素材として採用できる。
【0030】
前記特開2004−121685号公報中に、カリウム40は取扱いに危険性がある物質ではなく、低線量の放射線を放射するもので、法規制のない安全な物質である旨記載されていることからも、本発明で採用する花崗斑岩は、低線量の放射線を放射するカリウム40を含有するものの、極めて安全な天然放射性鉱物であるということができる。
【0031】
前記天然放射性鉱物からは、人体に害のない低線量の放射線が放射されているが、本発明においては前記天然放射性鉱物から放射されるγ線を利用するものである。そして、前記γ線はX線と共に、「電磁放射線」といわれている。前記「電磁放射線」は、ラジオ、テレビ、携帯電話の電波、赤外線、可視光線や紫外線等と同じく電磁波である。
【0032】
また、前記天然放射性鉱物から放射されるγ線は、ウラン等の他の放射性物質と同様、物質中を通過するとき、電子に電磁気力を及ぼし、原子から電子を剥ぎ取る「電離作用」を有する「電離放射線」である。前記「電離作用」によって、電子が原子から引き剥がされると、原子の化学反応性が変わったり、分子の化学結合が変わったりする現象が発生する。
【0033】
更に、前記天然放射性鉱物から放射されるγ線は、ウラン等の他の放射性物質と同様に、物質中を通過するとき、該物質に前記「電離作用」に加えて「励起(Excitation)作用」を及ぼす。すなわち、原子の近くを通過するγ線の電磁気力によって、低いエネルギー準位の電子が高いエネルギー準位に引き上げられる現象を「励起」という。軌道電子が余分なエネルギーをもった「興奮状態」の電子は「ラジカル」と呼ばれ、活発な化学反応性を示す。そして、前記励起状態の原子(ラジカル)の寿命は短いが、通常のイオン状態の原子よりも周囲の分子と活発に反応するのである。本発明は天然放射性鉱物のγ線による前記「励起作用」を利用するものである。
【0034】
なお、本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石は、太陽の光線に当てること、すなわち、太陽光からの放射線を受けることにより、励起されてその効果を増大させることができる。しかしながら、本発明製造方法によって製造された塗布材が使用される工場内や室内等、太陽光が照射されない場所においては、前記低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物の励起作用が、前記太陽光の役割を果たし、電気石の効果を充分発揮させることができる。
【0035】
更に、本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である炭素は、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック等により製造されたものを使用することができ、その粒径は、前記各素材と同様、好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下とすることが推奨される。なお、粒径がnmサイズのカーボンナノチューブをも使用することもできる。
【0036】
そして、前記電気石から永久的に放出される電子と、本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である前記炭素の持つ導電性を結合させると共に、前記低線量の放射線を放射する天然放射性鉱物の励起作用の相乗効果により、電気石の持つ電子放出力を増大させることが可能となる。
【0037】
前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末の所定量を塗料と混合して、前記電気機器のモーターケース外側面に塗布可能な塗布材を製造するが、前記塗料はアクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、シリコン樹脂塗料、フッ素樹脂系塗料およびアルミニウム塗料のいずれも使用することができる。
【0038】
本発明者はテストの結果、前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末と混合する塗料として、特に、油性ワニスまたは合成樹脂ワニスに顔料としてアルミニウム粉末を分散させたアルミニウム塗料を使用することが優れていることを確認した。前記アルミニウム塗料を使用することにより、アルミニウム粉末に、前記電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末によって生成される放射線および電磁波が乱反射して、前記モーターのマグネット、分巻界磁巻線コイル、直巻界磁巻線コイルに照射され、その効果を高めることができるからである。
【0039】
なお、前記塗料として、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料またはアルミニウム塗料を、前記電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末と混合して、前記モーターケース外側面に塗布した後、その固化後、該固化した塗膜上に更に前記アルミニウム塗料を塗布することにより、前記した単に電気石粉末等にアルミニウム塗料を混合した場合よりも、前記放射線および電磁波のモーターケース外側面の被塗布面に対する反射率が高まり、更にその効果を高めることができる。
【0040】
前記本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末を、塗料中に均一に分散するように混合して塗布可能な塗布材を製造するが、前記各素材の混合比率は、特に限定する必要はないが、好ましくは、電気石粉末20〜40重量%、天然放射性鉱物粉末10〜20重量%、炭素粉末3〜10重量%、塗料40〜60重量%とすることが推奨され、そして特に好ましくは、電気石粉末24〜36重量%、天然放射性鉱物粉末12〜18重量%、炭素粉末4〜8重量%、塗料45〜55重量%とすることが推奨される。
【0041】
なお、前記天然放射性鉱物粉末をラジウム鉱石等の1種類でなく、例えばモナズ石等複数種を複合して使用する場合、その配合比率は、各素材が放射する放射線量によって、適宜配合比率を設定して配合する。充分な励起作用を得るためには、ある程度放射線量が高いことが望ましい。例えば、前記ラジウム鉱石が、0.3μSv/hの放射線量である場合、前記花崗斑岩は、0.07μSv/hの放射線量しかないので、ラジウム鉱石の混合比率を花崗斑岩より多くすることにより、高い放射線量の天然放射性鉱物の混合粉末が得られる。
【0042】
また、前記炭素粉末は、前記天然放射性鉱物粉末および電気石粉末に均一に混合され、前記天然放射性鉱物粉末の励起作用により、電気石粉末から放出される電子が塗料中に混合された導電性を有する炭素粉末を介して、それぞれ途切れることなく互いに接続して移動して、該電子の移動性を高めることができるようにすべく、前記炭素粉末が前記電気石粉末に接触できるよう塗料中に混合する必要がある。なお、カーボンブラック、金属粉や銀粉等を混合した導電性塗料も使用することができるが、本発明においては、好ましくは50μm以下の粉径をした黒鉛やカーボンブラック、あるいはカーボンナノチューブより成る炭素粉末を塗料に混合して、導電性を高めたものを使用することが推奨される。
【0043】
前記電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末と塗料とを、前記好ましい混合比率で、前記電気石粉末、天然放射性鉱物粉末および炭素粉末が塗料中に均一に分散するように混合して製造された塗布可能な塗布材は、製造工場等において動力源としてモーターを使用する製造機器、ビルや商店等において動力源としてモーターを使用する冷暖房機器、冷凍機器、または一般家庭において動力源としてモーターを使用する冷暖房機器や冷蔵庫等の電気機器のモーターケース外側面に塗布する。
【0044】
そして、本発明塗布材をモーターケース外側面に塗布することにより、前記塗布されて固化した後に形成された塗膜中の前記天然放射性鉱物から放射される放射線によって、低いエネルギーから高いエネルギーへ電子を移す励起作用により、前記天然放射性鉱物から飛び出した電子が塗膜中の電気石のプラス極に取り込まれ、それにより該電気石から励起された電子が、塗膜中の炭素の持つ導電性によって、前記電子の移動性を高めて放出されて、該放出された電子が電磁波となって前記モーターケース外側面から内部へ透過して、前記放射線と電磁波がモーターに組込まれている心臓部であるマグネット、分巻界磁巻線コイル、直巻界磁巻線コイル等の磁気生成部の自由電子に作用して、電子の活動を活性化させることにより、前記モーターのマグネットまたは巻線コイルの電界を強め磁力が増し、その結果前記電気機器のモーターの回転に要求される駆動電流が減少し、且つ該駆動電流の減少の相乗効果によりモーターの発生熱の低下・振動静音化など、エネルギー損失が低減し、これにより省電力を達成することができるのである。
【0045】
本発明者は、本発明製造方法によって製造された塗布材を、モーターに組込まれているマグネット、分巻界磁巻線コイル、直巻界磁巻線コイルを覆っているモーターケース外側面に塗布した場合、前記マグネット、分巻界磁巻線コイル、直巻界磁巻線コイルの磁界力が強くなるという理論的根拠となるデータを得るため磁力解析テストを行った。
【0046】
すなわち、前記磁力解析テストは、U形磁石(永久磁石)、棒磁石(永久磁石)および電磁石(鉄芯にコイルを巻き1.5Vの直流電圧を加圧)の3種類の磁石に、電気石として苦土電気石粉末34重量%、天然放射性鉱物としてモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアルミニウム塗料50%とを混合して製造された塗布材を塗布し、これを充分乾燥させた後行った。前記塗布材の塗布場所は、U形磁石の場合は両先端縁、棒磁石の場合は一方側先端縁、電磁石の場合はコイルを巻いた外周部である。そして、測定方法は、直径2mmの鉄球を40g用意し、吸引した鉄球の重量を塗布前と塗布後に分けて各10回ずつ測定した。測定結果を図1に示す。前記磁場の強さを測定する方法として、ガウスメーターを使用するのが一般的であるが、該ガウスメーターを使用して測定する場合、平均測定値を求める同一個所での数回の測定個所の設定が難しく、測定値が一定せず正確な測定値が得られないので、本発明者は前記鉄球を使用した方が正確な測定値が得られると判断し、前記測定方法を用いて測定した。なお、前記苦土電気石粉末およびモナズ石粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0047】
図1の測定結果に示すように、U形磁石、棒磁石および電磁石のいずれも、塗布材を塗布すると磁界力が強くなったことを確認することができた。
【0048】
本発明者は、前記図1に示す測定結果を得て、電気石として鉄電気石粉末30重量%、天然放射性鉱物としてモナズ石粉末15重量%および花崗斑岩粉末3重量%、カーボンブラックより成る炭素粉末7重量%とアルミニウム塗料45重量%とを混合して製造した塗布材を、100V、23Wの換気扇のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の換気扇の動作開始、動作停止および電圧・電流の測定をした。その測定状態図および測定結果を図2に示す。なお、前記鉄電気石粉末、モナズ石粉末および花崗斑岩粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0049】
前記図2の測定結果から、前記モーターの磁気生成部の磁界力が強くなると、塗布前より少ない電流でモーターが駆動し、更に、塗布前の動作終止電流ではモーターが停止せず、終止電流も下がったことを確認した。また、前記測定結果から、塗布後の電流減少による動作電圧・動作終止電圧の変動で、供給電圧(標準100V)の電圧変動が予想される80Vでも稼働することが実証された。そして、塗布前と塗布後の電力量を比較すると、塗布材を塗布することにより、動作開始時で30%、動作終止時で50%の効率改善が認められた。
【0050】
すなわち、前記図2の測定結果から、モーターケース外側面に本発明製造方法によって製造された塗布材を塗布することにより、次の効能・効果が認められる。
(1)モーターの駆動電流が減少する。
(2)駆動電流の減少の相乗効果によりモーターの発生熱の低下・振動静音化など、エネルギー損失が低減する。
(3)製造工場で製品を製造中、動力機器の少ない電流で駆動する外、駆動開始時に発生する突入電流の平滑化が図られ、更に消費電流が減少する。
【0051】
更に、本発明者は、電気石として苦土電気石粉末36重量%、天然放射性鉱物としてモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末7重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを混合して製造した塗布材を、100V、125Wの扇風機のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の前記扇風機の動作開始電圧・電流の測定をした。その測定状態図および測定結果を図3に示す。なお、前記苦土電気石粉末およびモナズ石粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0052】
前記図3の測定結果から、前記モーターの磁気生成部の磁界力が強くなると、塗布前より少ない電流でモーターが駆動し、更に塗布前と塗布後の電力量を比較すると、塗布材を塗布することにより、8.2%の電力の使用量が低減するという効果が認められた。
【0053】
また更に、本発明者は、電気石として鉄電気石粉末24重量%、天然放射性鉱物としてラジウム鉱石粉末7重量%およびモナズ石粉末10重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアクリル樹脂系塗料55重量%とを混合して製造した塗布材を、マキタ製丸ノコ(型式5201N−A)のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の丸ノコの動作開始電圧・電流の測定をした。その測定状態図および測定結果を図4に示す。なお、前記鉄電気石粉末、モナズ石粉末およびラジウム鉱石粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0054】
前記図4の測定結果から、モーターの磁気生成部の磁界力が強くなると、塗布前より少ない電流でモーターが駆動し、更に塗布前と塗布後の電力量を比較すると、塗布材を塗布することにより、10.4%の電力の使用量が低減するという効果が認められた。
【0055】
そして更に、本発明者は、電気石として鉄電気石粉末27重量%、天然放射性鉱物としてラジウム鉱石粉末6重量%およびモナズ石粉末12重量%、黒鉛から製造された炭素粉末8重量%とアクリル樹脂系塗料47重量%とを混合して製造した塗布材を、コンプレッサー(OSP−11M6A)のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後のコンプレッサーの電流の効率を、それぞれ青線、白線および赤線について測定した。その測定状態図および測定結果を図5に示す。なお、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末およびモナズ石粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0056】
前記図5の測定結果から、前記モーターの磁気生成部の磁界力が強くなると、塗布前より少ない電流でモーターが駆動し、更に塗布前と塗布後の電流を比較すると、塗布材を塗布することにより、それぞれ青線18.2%、白線36.4%および赤線18.2%電流が低減するという効果が認められた。
【0057】
そしてまた、本発明者は、電気石として鉄電気石粉末15重量%、苦土電気石粉末18重量%、天然放射性鉱物としてラジウム鉱石粉末13重量%およびモナズ石粉末5重量%、黒鉛から製造された炭素粉末4重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを混合して製造した塗布材を、切断機のモーターケース外側面に塗布し、塗布前と塗布後の切断機の電流の効率を、それぞれ青線、白線および赤線について測定した。その測定状態図および測定結果を図6に示す。なお、前記鉄電気石粉末、苦土電気石粉末、ラジウム鉱石粉末およびモナズ石粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0058】
前記図6の測定結果から、前記モーターの磁気生成部の磁界力が強くなると、塗布前より少ない電流でモーターが駆動し、更に塗布前と塗布後の電流を比較すると、塗布材を塗布することにより、それぞれ青線10.0%、白線2.8%および赤線2.4%電流が低減するという効果が認められた。
【0059】
更にまた、本発明者は、電気石として鉄電気石粉末32重量%、天然放射性鉱物としてラジウム鉱石粉末14重量%および石英斑岩粉末2重量%、黒鉛から製造された炭素粉末7重量%とアクリル樹脂系塗料45重量%とを混合して製造した塗布材を、製造工場(兵庫県の精密機械製造工場)における動力機器であるコンプレッサー1台、切断機1台および室外機5台のモーターケース外側面に塗布し、3日間連続操業(注・夜間は保守用電源のみ使用し、操業休止)したときの塗布前と塗布後の最大消費電流の測定をして比較した。その測定結果を図7に示す。前記塗布前の測定値は、塗布日の平成23年8月8日(月)〜同8月10日(水)の1週間前である平成23年8月1日(月)〜同8月3日(水)の測定値である。なお、前記鉄電気石粉末、ラジウム鉱石粉末および石英斑岩粉末は、いずれも900℃以上で焼成したものを使用した。
【0060】
前記図7の測定結果から、最大消費電力値が40KWを超えた回数は、本発明塗布材の塗布前が4回であったが、塗布後は1度も40KWを超えることがなかった。また、最大消費電力値が39〜35KWになった回数は、塗布前が11回、塗布後は5回であった。前記最大消費電力値の測定結果から、本発明塗布材の塗布後においては、製造工場で製品を製造中、動力機器(モーター)が少ない電流で駆動する外、該動力機器の動作・停止が頻繁に行われる場合、駆動開始時に発生する突入電流の平滑化が図られ、更に消費電流が減少することが確認できた。
【0061】
なお、本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である電気石として、鉄電気石、苦土電気石、リチア電気石、オーレン電気石、鉄灰電気石、灰電気石、フォイト電気石、苦土フォイト電気石を例示し、実施例として、鉄電気石、苦土電気石を本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として使用し、その他の電気石については使用していないが、いずれも電気石としての物性を保有しているので、これらも本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として使用することができるものと推測する。
【0062】
更に、本発明製造方法によって製造される塗布材の素材である天然放射性鉱物として、ラジウム鉱石、モナズ石、花崗岩、花崗斑岩、石英斑岩、長石、チタン石を例示し、実施例として、ラジウム鉱石、モナズ石、花崗斑岩および石英斑岩を本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として使用し、その他の天然放射性鉱物については使用してテストしていないが、いずれも天然放射性鉱物としての物性を保有しているので、これらも本発明製造方法によって製造される塗布材の素材として使用することができるものと推測する。
【0063】
また更に、前記実施例におけるテストは、炭素粉末として、黒鉛から製造された炭素粉末、またはカーボンブラックより成る炭素粉末を使用してテストし、粒径がnmサイズのカーボンナノチューブを使用してのテストは行っていない。しかしながら、前記黒鉛から製造された炭素粉末、またはカーボンブラックより成る炭素粉末に代えて、前記粒径がnmサイズのカーボンナノチューブを使用すると、表面積が大きく、且つ電気石との接触面積も大となるので、前記図1図7に示すテスト結果よりも更に優れた結果が得られるものであると推測する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7