(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、金属製のハウジングに静電気が蓄積されることがなく、不時着火が発生することのないガス発生器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、
金属製のハウジング内にガス発生剤と点火器組立体を含む点火手段が収容されたガス発生器であって、
前記点火器組立体が、点火薬を含む着火部と着火部から伸びた導電ピンとを有する点火器本体が、樹脂を介して金属製の筒状固定部材に固定されており、さらに前記導電ピンに接続するコネクタを嵌合するためのコネクタ接続部を有するものであり、
前記金属製の筒状固定部材が、その少なくとも一部が前記ハウジングに対して電気的に導通できる状態で、かつ前記コネクタ接続部の内表面に露出した状態のものであり、
前記金属製の筒状固定部材の露出部が接地端子となるものであり、
前記コネクタ接続部にコネクタを接続したとき、前記接地端子が前記コネクタのアース端子と接触され、前記コネクタが有する接地用リードワイヤがガス発生器外部のグラウンド回路と接地されるようになっている、ガス発生器を提供する。
【0009】
本発明のガス発生器は、金属製のモジュールケース内に取り付けたとき、ガス発生器ハウジングとモジュールケースとの間に樹脂材料が存在しているような場合であっても、金属製のハウジングに静電気が蓄積されることがなく、不時着火が発生することのないものである。
本発明のガス発生器は、コネクタを接続したとき、金属製のハウジングと接触した金属製の筒状固定部材とコネクタを介して、静電気を安全に放電して、その蓄積を防止するものである。
筒状固定部材は樹脂によって点火器本体を固定する部分であり、ガス発生器の金属製ハウジングの一部であってもよい。あるいは点火器カラーなど、ハウジングとは別の部材であってもよい。筒状固定部材がハウジングと別部材である場合、少なくと筒状固定部材の一部が金属製ハウジングと直接に又は間接に接触した状態(すなわち、電気的に導通できる状態)で取り付けられることができる。
【0010】
従来のガス発生器における点火器組立体は、点火器本体が樹脂を介して金属製カラーで保持されているものであり、金属製カラーはその一部が樹脂中に埋設された状態になっているものである(例えば、特開2003−161599号公報の
図1参照)。
本願発明のガス発生器における点火器組立体は、その固定部材として機能する筒状固定部材がコネクタ接続部の内表面に露出した状態になっており、接地端子として機能するものである。なおこのとき、筒状固定部材がコネクタ接続部の内表面に露出している程度は問わない。
【0011】
金属製の筒状固定部材として、
ハウジングと一体に成形されたもの(例えば、ハウジングの一部が変形されたもので、特開2010−163025号公報の
図1の13a、13b、13cで示される部分)、
ハウジングに固定された金属製のリテーナ(例えば、特開2008−62685号公報の
図1や
図3に示されている点火器カラー66)、
を使用することができる。筒状固定部材は、筒状部を備えていればその具体的な形状は問わない。
【0012】
本発明のガス発生器では、金属製の筒状固定部材のコネクタ接続部内への露出部が接地端子となり、上記した放電作用の発現に関与する。
コネクタをコネクタ接続部に接続したときに、コネクタに取り付けられた端子(導電ピンとは接続しないアース端子)が接地端子(金属製の筒状固定部材の露出部)と電気的に接続されると、この接地端子(固定部材)が金属製のハウジングと接続されているため、ガス発生器ハウジングに蓄積された電荷がこのコネクタのリードワイヤを介して外部のグラウンド回路に流れる。
このため、ガス発生器ハウジングがモジュールケースと電気的に絶縁されていても、あるいはモジュールケースが車体と電気的に絶縁されていても、リードワイヤを介してハウジングとグラウンド回路とが結ばれており、確実に接地されている。
【0013】
請求項4の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材と接触された状態で、かつ前記コネクタ接続部の内表面に露出した状態で配置されている環状導電部材からなるものであり、
前記環状導電部材が、前記点火器本体を固定する樹脂に接した状態で配置されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0014】
コネクタの形状によって、アース端子を固定部材に直接当接させることが困難な場合があるが、このような導電部材を用いることでコネクタ形状に対応した接地端子を提供することができる。
【0015】
請求項5の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材と接触され、かつ前記コネクタ接続部の内表面に露出した状態で配置されている環状導電部材からなるものであり、
前記環状導電部材が、環状壁の内周面において軸方向に形成された溝部を有しており、
前記環状導電部材が、前記点火器本体を固定する樹脂が前記溝部内にも入り込んだ状態で固定され、前記環状壁の内周面の一部がコネクタ接続部側に露出している、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0016】
環状導電部材の溝部内にも樹脂が入り込んだ状態となっているため、環状導電部材の筒状固定部材への固定強度が高められる。
溝部は、1つでもよいし、2以上が形成されていてもよいが、複数の溝部が均等間隔で形成されていることが好ましい。
【0017】
請求項6の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材と接触され、かつ前記コネクタ接続部の内表面に露出した状態で配置されている略環状導電部材からなるものであり、
前記略環状導電部材が、環状壁の一部が切断された形状のものであり、前記コネクタ接続部を構成する樹脂が前記切断部分にも入り込んだ状態で固定され、前記環状壁の内周面の一部がコネクタ接続部側に露出している、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0018】
環状導電部材の切断部内にも樹脂が入り込んだ状態となっているため、固定強度が高められる。環状導電部材の一部が切断されており、全体として弾性を有している。そのため筒状固定部材に対して弾性力によって取り付けられていてもよく、さらにその状態で、樹脂で筒状固定部材に対して固定されていてもよい。
【0019】
請求項7の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材と接触され、かつ前記コネクタ接続部の内表面に露出した状態で配置されている環状導電部材からなるものであり、
前記環状導電部材が、環状壁の外周面において軸方向に形成された溝部を有しており、
前記環状導電部材が、前記点火器本体を固定する樹脂が前記溝部内にも入り込んだ状態で固定され、前記環状壁の内周面の全部がコネクタ接続部側に露出されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0020】
環状導電部材の溝部内にも樹脂が入り込んだ状態となっているため、固定強度が高められる。
溝部は、1つでもよいし、2以上が形成されていてもよいが、複数の溝部が均等間隔で形成されていることが好ましい。また請求項5のように、環状導電部材の内周面に溝があってもよい。
【0021】
請求項8の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材である金属製の点火器カラーに当接した略環状導電部材であり、
前記点火器カラーが環状のものであり、
前記点火器カラーの内側に前記略環状導電部材が嵌め込まれており、
前記点火器カラーと前記ハウジングが接触しており、
前記略環状導電部材の一部がコネクタ接続部側に露出されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0022】
金属製の点火器カラーと環状導電部材を組み合わせることで、様々な金属製のハウジングの形状に対応した固定や、様々な形状のコネクタとの接続が容易になる。
環状導電部材は、溝を有するもの、切断部を有するものでもよい。
【0023】
請求項9の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材である金属製の点火器カラーに当接した環状導電部材であり、
前記点火器カラーが環状で、孔の周囲に1つまたは複数の突起を有しているものであり、
前記点火器カラーと前記環状導電部材が、前記点火器カラーの突起に対して前記環状導電部材の内周面が当接されるようにして組み合わされており、
前記点火器カラーと前記ハウジングが接触しており、
前記点火器カラーの突起がコネクタ接続部側に露出されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0024】
金属製の点火器カラーと環状導電部材を組み合わせることで、様々な金属製のハウジングの形状に対応した固定や、様々な形状のコネクタとの接続が容易になる。
【0025】
請求項10の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材である金属製の点火器カラーと環状導電部材の組み合わせからなるものであり、
前記点火器カラーが、大径の第1基板と、第1基板上に形成された小径の第2基板、第1基板と第2基板を貫通した中心孔、前記第2基板の前記中心孔の周囲に環状に配置された1つまたは複数の突起を有しているものであり、
前記点火器カラーと前記環状導電部材が、前記第2基板上の突起に対して前記環状導電部材の内周面が当接され、かつ前記環状導電部材、小径の第2基板及び大径の第1基板から形成された環状溝内にシール部材が配置された状態で組み合わされており、
前記点火器カラーと前記ハウジングが接触し、前記シール部材が前記金属製のハウジングの内周面をシールしており、
前記点火器カラーの突起がコネクタ接続部側に露出されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0026】
金属製の点火器カラーと環状導電部材を組み合わせることで、様々な金属製の形状に対応した固定や、様々な形状のコネクタとの接続が容易になる。
また点火器組立体によりシール部材を嵌め込むための環状溝が形成されるため、シール部材の取り付けや固定が容易になる。
【0027】
請求項11の発明は、課題の解決手段として、
前記接地端子が、前記金属製の筒状固定部材である金属製の点火器カラーに当接した環状導電部材であり、
前記環状導電部材が、環状平面と、環状平面と一体となった板状部材を有しているものであり、
前記板状部材が、環状平面から垂直方向に延ばされたと第1接続部と、第1接続部の端部から折曲部を介して環状平面方向に延ばされた第2接続部を有しているものであり、
前記金属製のハウジングと前記点火器カラーが接触し、前記点火器カラーと前記環状導電部材が接触しており、
前記環状導電部材の板状部材の第2接続部がコネクタ接続部側に露出されている、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器を提供する。
【0028】
金属製の点火器カラーと環状導電部材を組み合わせることで、様々な金属製のハウジングの形状に対応した固定や、様々な形状のコネクタとの接続が容易になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のガス発生器は、金属製のハウジングが外部のグラウンド回路と接続されており、ハウジングに蓄積された電荷がグラウンド回路に流れるようになっている。そのため静電気などによってハウジングに電荷が蓄積されることがなく、電荷の放電による誤作動が防止される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(1)
図1、
図2のガス発生器
図1(a)は、本発明のガス発生器の実施形態を示す断面図であり、
図1(b)は(a)のガス発生器にコネクタを接続した状態を示している。
図2は、
図1で使用する環状導電部材の斜視図であり、
図1の状態からひっくり返した状態を示している。
このガス発生器1は、例えば運転席用あるいは助手席用のエアバッグ装置に使用することができる。
【0032】
金属製のハウジング10は、ディフューザシェル11とクロージャシェル12が、それぞれのフランジ部において溶接一体化されたものである。金属製のハウジング10(ディフューザシェル11とクロージャシェル12)はステンレス製又は鉄製である。
ディフューザシェル11は、周壁面に複数のガス排出口50を有している。
ハウジング10の内部には筒状フィルタ51が配置され、その内側には図示していないガス発生剤が充填され、点火器組立体20が配置されている。
クロージャシェル12は、底面12cの中央部からハウジング10の内側に伸びた筒状部12aと、その筒状部12aから半径方向に伸びた環状部12bを有している。
図1では、筒状部12aと環状部12bを含むクロージャシェル12が金属製の固定部材としても機能する。
【0033】
点火器組立体20は、着火部16と導電ピン18からなる点火器本体14を、筒状部12a及び環状部12b、さらに環状導電部材30と共に樹脂15で一体化することで形成されている。
着火部16は、一部が樹脂15で包囲されており、導電ピン18は環状部12bの孔17に通されており、一部が樹脂15で包囲され、残部はコネクタ接続部40内に位置している。
【0034】
図2に示すように、環状導電部材30は、
環状壁32と一端開口部側から半径方向内側に突き出された環状面34を有している。環状導電部材30の孔35は、孔17の径よりも大きくなるように設定されている。
環状壁内周面32aと環状面34には、軸X方向に沿って伸びる溝36が形成されている。なお、環状面34は溝36に相当部分が欠落している。
環状導電部材30は、クロージャシェル12と同じステンレス製や鉄製でもよいし、銅やアルミニウムのような異なる金属からなるものでもよい。
【0035】
環状導電部材30は、環状面34の裏面が環状部12bに当接され、
環状壁外周面32bが筒状部12aに当接されている。
環状壁内周面32aと環状面34の一部がコネクタ接続部40内に露出されており(露出面30a)、残部は樹脂15に埋設されている。
溝36内には樹脂15が入り込んでいるため、環状導電部材30の筒状部12a及び環状部12b(クロージャシェル12)に対する固定強度が高められている。
コネクタ接続部40の内周面40aは、樹脂15と
環状壁の露出面30aにより形成されるものであることから、
環状壁内周面32aとコネクタ接続部40の内周面(樹脂15の露出面)40aは面一にする。
なお、
環状壁外周面32b又はとコネクタ接続部40の内周面(樹脂15の露出面)40aにおいて半径方向の突起を形成して、接続するコネクタ60の外周面に前記突起に対応する凹部を形成することで、コネクタ60をコネクタ接続部40に嵌め込んだときに互いに嵌合されるようにした脱落防止機能や回転防止機能、あるいはコネクタの位置あわせ機能を付与することもできる。
【0036】
図1(a)の点火器組立体20は、所定の金型内にクロージャシェル12、点火器本体14、環状導電部材30を配置した状態で、樹脂を射出成形することで製造することができる。
【0037】
図1のガス発生器1は、筒状部12a及び環状部12b(クロージャシェル12)と環状導電部材30が接触しているため(すなわち電気的に導通できるように接触しているため)、環状導電部材30の露出面30aが接地端子となってコネクタ接続部40に
環状壁内周面32aが露出している。このとき溝36には樹脂が入り込んでおり、溝36以外の部分がコネクタ接続部40に露出している。
なお、
図1のガス発生器1において、筒状部12a及び環状部12bを環状導電部材30と同形状になるように加工すれば、環状導電部材30は不要となる。ただし、その場合加工コストが増えることから、
図1のように環状導電部材30を使用することで、部品点数は増えるものの、トータルコストを下げることができるという利点がある。
図1(a)に示すように、ガス発生器1と接続するコネクタ60は、導電ピン18の差し込み孔の端面において導電端子61を有しており、導電端子61はリードワイヤ62に接続されている。
さらにコネクタ60は、環状導電部材30の露出面(接地端子)30aと接触する位置にアース端子63を有しており、アース端子63はリードワイヤ62とは別の接地用リードワイヤを介して、グラウンド回路と接地されるようになっている。
このため、本発明のガス発生器1を金属製のモジュールケース内に取り付けたとき、ガス発生器ハウジング10とモジュールケースとの間に樹脂材料(電気絶縁材料)が存在しているような場合であっても、金属製のハウジング10に静電気が蓄積されることがなく、それが原因で誤作動による不時着火が発生することがない。
【0038】
次に、
図3により
図2に示す環状導電性部材30とは異なる実施形態を説明する。
環状導電部材130は、
環状壁132及び環状面134の一部が切断されている。この切断された部分(切断部138)が存在することで、導電部材130に弾性力が生じている。なお、環状導電部材130は、さらに
図2に示す環状導電部材30のような溝36が、切断部138以外の部分に形成されたものでもよい。
図3の環状導電部材130は、クロージャシェル12に取り付ける前の状態では、その外径が筒状部12aの内径よりも大きくなっている。
環状導電部材130を筒状部12a内に嵌め込むときは、
環状壁132の外周面132b側を軽く押さえ(外力を加え)、切断面138aと切断面138bを近づけるように押し縮めて外径を小さくして嵌め込む。
その後、外力を開放すると弾性力によって外径が拡張し、筒状部12a内にぴったりと嵌め込まれる。
【0039】
環状導電性部材130を含む点火器組立体は、所定の金型内にクロージャシェル12、点火器本体14、環状導電部材130を配置した状態で、樹脂を射出成形することで製造することができる。
環状導電部材130を使用した点火器組立体は、切断部138内にも樹脂15が入り込んでいるため、環状導電部材130の筒状部12a及び環状部12b(クロージャシェル12)に対する固定強度が高められている。
環状導電部材130を使用した点火器組立体は、環状面134の裏面が環状部12bに当接され、
環状壁外周面132bが筒状部12aに当接されている。
環状壁内周面132aと環状面134の一部がコネクタ接続部40内に露出されており、残部は樹脂15に埋設されている。
【0040】
環状導電性部材130を含む点火器組立体を有するガス発生器は、筒状部12a及び環状部12b(クロージャシェル12)と環状導電部材130が接触されているため、環状導電部材130の露出面が接地端子となる。
【0041】
次に、
図4により
図2に示す環状導電性部材30、
図3に示す環状導電性部材130とは異なる実施形態を説明する。
環状導電部材230は、
環状壁232と、一端開口部側から半径方向内側に突き出された環状面234を有している。環状導電部材230の孔235は、孔15の径よりも大きくなるように設定されている。
環状壁外周面232bには、軸X方向に沿って伸びる4つの溝236が等間隔で形成されている。溝236は1つでもよいが、複数が等間隔で形成されていることが好ましい。なお、溝236は環状面234の外面にも形成されている。
【0042】
環状導電性部材230を含む点火器組立体は、所定の金型内にクロージャシェル12、点火器本体14、環状導電部材230を配置した状態で、樹脂を射出成形することで製造することができる。
環状導電部材230を使用した点火器組立体は、4つの溝236内に樹脂15が入り込んでいるため、環状導電部材230の筒状部12a及び環状部12b(クロージャシェル12)に対する固定強度が高められている。
環状導電部材230を使用した点火器組立体は、環状面234の裏面が環状部12bに当接され、
環状壁外周面232bが筒状部12aに当接されている。
環状壁内周面232aと環状面134の全部がコネクタ接続部40内に露出されている。
【0043】
図4で示す環状導電性部材230を含む点火器組立体を有するガス発生器は、筒状部12a及び環状部12b(クロージャシェル12)と環状導電部材230が接触されているため、環状導電部材230の
環状壁内周面232aと環状面134の全部が接地端子となる。
【0044】
(2)
図5のガス発生器
図5に示すガス発生器300は、側面衝突保護用エアバッグ装置に使用されるガス発生器である。
【0045】
ハウジング301は、一端側が閉塞されており、他端開口部側から
図6(d)に示す点火器組立体が取り付けられている。
図6(d)に示すとおり、ハウジング301の他端開口部周縁が縮径加工乃至かしめ加工されることで(加工部301a)、点火器組立体が固定されている。
【0046】
点火器組立体は、金属製のハウジング301に対して、点火器本体14、略環状導電部材310、点火器カラー330が樹脂15で固定されたものである。なお、
図5のガス発生器および
図6の点火器組立体においては、点火器カラー330が筒状固定部材に相当する。
点火器本体14は、
図1に示すものと同じであり、着火部16と導電ピン18を有するものである。
【0047】
略環状導電部材310は、
図6(a)に示すように、内周面312aと外周面312bを有する
環状壁312の一部が切断された(切断部318)形状のものである。切断部318は、2つの切断面318a、318bを有している。
切断部318が存在することで、略環状導電部材310には弾性力が生じている。
なお、
図6(a)に示す略環状導電部材310に代えて、切断部のない環状のものを使用することもできる。
【0048】
点火器カラー330は、
図6(b)に示すように、内周面332aと外周面332bを有する
環状壁332と、一端開口部側から半径方向内側に突き出された環状面334を有している。
点火器カラーの孔335は、導電ピン18を通すことができる大きさである。
点火器カラー330の内径(環状壁332の内径)は、環状導電部材310の内径よりも少し小さくなるように設定されている。
【0049】
環状導電部材310と点火器カラー330は、
図6(c)に示すように、点火器カラー330内に環状導電部材310が嵌め込まれて組み合わされている。
環状導電部材310を点火器カラー330内に嵌め込むときは、外力を加えて環状導電部材310を内側に押し縮めた状態(2つの切断面318a、318bが近づくように押し縮めた状態)で嵌め込んだ後、外力を取り去ることで、環状導電部材310を点火器カラー330内に固定することができる。
【0050】
図6(d)の含む点火器組立体は、所定の金型内に、点火器本体14と、環状導電部材310及び点火器カラー330を組み合わせたもの(
図6(c))を配置した状態で、樹脂を射出成形することで製造することができる。
図6(d)に示すとおり、環状導電性部材の内周面312aの大部分がコネクタ接続部40内に露出されている。
Oリング340は、ハウジング301内に点火器組立体を取り付ける際に配置するシール部材である。
【0051】
図5で示すガス発生器300は、ハウジング301、点火器カラー330、環状導電部材310が接触されており(すなわち電気的に導通できるように接触されており)、環状導電部材310の内周面312aが接地端子となる。
【0052】
次に、
図5のガス発生器300において、
図6(a)〜(d)に示すものに代えて
図7(d)に示す点火器組立体を使用した実施形態を説明する。
図7(d)に示す点火器組立体は、金属製のハウジング301に対して、点火器本体14、環状導電部材410、点火器カラー430が樹脂15で固定されたものである。
点火器本体14は、
図1に示すものと同じであり、着火部16と導電ピン18を有するものである。
【0053】
環状導電部材410は、
図7(a)に示すように、内周面412aと外周面412bを有する環状壁312からなるものである。
【0054】
点火器カラー430は、
図7(b)に示すように、基板433上に4つの突起434が均等間隔で同一円周上になるように配置されている。突起434は基板433と一体に形成されている。
4つの突起434は、それぞれの内側面434bを通る接触円(内側接触円)が形成され、それぞれの外側面434cを通る接触円(外側接触円)が形成されるような曲面を有しているものである。
図7では、4つの突起434は板状の突起であるが、円柱状(環状)の1つの突起等の他形状の突起にすることもできる。
外側接触円の径は、環状導電部材310の内径と同一であり、内側接触円の内径は、孔435よりも大きくなるように調整されている。また環状導電部材410をはめ込みやすくするため、突起434の外側面434cはテーパー(基板433側ほど外側接触円の径が大きくなる)を形成してもよい。
点火器カラーの孔435は、導電ピン18を通すことができる大きさである。
【0055】
環状導電部材410と点火器カラー430は、
図7(c)に示すように、環状導電部材の内周面412aが点火器カラー430の4つの突起の外側面434cに当接されるようにして組み合わされている。
環状導電部材の外周面412bと点火器カラーの基板外周面432は面一になっている。
【0056】
図7(d)の点火器組立体は、所定の金型内に、点火器本体14と、環状導電部材410及び点火器カラー430を組み合わせたもの(
図7(c))を配置した状態で、樹脂15を射出成形することで製造することができる。
図7(d)に示すとおり、4つの突起434は、先端面434aが樹脂15に埋設された状態であり、内側面434bがコネクタ接続部40内に露出されている。
Oリング340は、ハウジング301内に点火器組立体を取り付ける際に配置したシール部材である。
【0057】
図5で示すガス発生器300において、
図7(d)に示すような点火器組立体を使用したときには、ハウジング301と点火器カラー430が接触しており(すなわち電気的に導通できるように接触しており)、点火器カラーの突起内側面434bが接地端子となる。
なお本実施例では、環状導電部材410もハウジング301に当接していてもよい。また環状導電部材410は、かしめ加工される部分(加工部301a)と直接当接しており、高い強度が要求される。よって
図7では、強度の高い材質を鍛造などの簡便な加工方法によって、環状導電部材410を形成することができる利点がある。
図7(d)に示すような点火器組立体では、環状導電部材410は、点火器カラー430と組み合わせることで、前記組み合わせによりハウジング301との接触面積を増加させるように作用するものであるが、点火器カラー430に十分な強度があり、ハウジング301に接する限りは、機能上は環状導電部材410を省略することもできる。つまり本実施例は、点火器カラー430が筒状固定部材となり、その一部である突起434が接地端子となる場合を示す。
【0058】
次に、
図5のガス発生器300において、
図6(a)〜(d)に示すものに代えて
図8(c)に示す点火器組立体を使用した実施形態を説明する。
図8(c)に示す点火器組立体は、金属製のハウジング301に対して、点火器本体14、環状導電部材510、点火器カラー530が樹脂15で固定されたものである。
点火器本体14は、
図1に示すものと同じであり、着火部16と導電ピン18を有するものである。
【0059】
環状導電部材510は、
図8(a)に示すように、内周面512aと外周面512bを有する環状壁512からなるものである。
【0060】
点火器カラー530は、
図8(a)に示すように、第1基板532上に、第1基板532よりも外径の小さな第2基板533を有している。
第2基板533上には、4つの突起534が均等間隔で同一円周上になるように、また第2基板533と一体に配置されている。
4つの突起534は、それぞれの内側面534bを通る接触円(内側接触円)が形成され、それぞれの外側面534cを通る接触円(外側接触円)が形成されるような曲面を有しているものである。また
図7で説明したようなテーパーを外側面534cに形成してもよい。
外側接触円の径は、環状導電部材510の内径と同一であり、内側接触円の内径は、孔535よりも大きくなるように調整されている。
点火器カラーの孔535は、第1基板532と第2基板533を貫通して形成されているもので、導電ピン18を通すことができる大きさのものである。
【0061】
環状導電部材510と点火器カラー530は、
図7(b)に示すように、環状導電部材の内周面512aが点火器カラー530の4つの突起の外側面534cに当接されるようにして組み合わされている。
このとき、環状導電部材510の内周面512a側の環状壁512の一部は第2基板533上にあり、残部の環状壁512は第2基板533からはみ出した状態になっている。
さらに環状導電部材の外周面512bの外径と点火器カラーの第1下面532の外径は同一であるから、外周面512bと外周面532aは面一となっている。
このため、環状導電部材510、第2基板の外周面536及び第1基板532からなる環状溝540が形成される。第1基板532と第2基板532の外径の大小関係は、Oリングを配置できる環状溝540が形成できるような関係である。通常Oリングが嵌る断面凹径の溝を樹脂で形成する場合、複数に分かれた成形型を組み合わせることになるが、組み合わせ部分にわずかに隙間ができやすく、それが成形後の突起となって現れやすい。その突起が、Oリングが嵌る溝に形成されると、隙間が形成されたりOリングが損傷を受けたりなどしてシール性能が低下する可能性があるが、
図8の実施例ではそれを回避することが可能となる。
環状溝540には、
図8(c)に示すとおり、Oリング340が配置される。
【0062】
図7(c)の点火器組立体は、所定の金型内に、点火器本体14と、環状導電部材510及び点火器カラー530を組み合わせたもの(
図7(b))を配置した状態で、樹脂15を射出成形することで製造することができる。
図7(c)に示すとおり、4つの突起534は、先端面534aが樹脂15に埋設された状態であり、内側面534bの一部がコネクタ接続部40内に露出されている。
Oリング340は、ハウジング301内に点火器組立体を取り付ける際に配置する。
【0063】
図5で示すガス発生器300において、
図8(c)に示すような点火器組立体を使用したときには、ハウジング301と点火器カラー530が電気的に導通できる状態で接触されており、点火器カラーの突起内側面534bが接地端子となる。
【0064】
(3)
図9のガス発生器
図9のガス発生器は、点火器組立体600を除いた残部は、特開2002−193069号公報の
図1に示すガス発生器と同じものである。
【0065】
図10に示す点火器組立体600は、点火器本体14と点火器カラー630が樹脂15で一体化されたものに、さらに環状導電部材610が取り付けられたものである。
点火器本体14は、
図1に示すものと同じであり、着火部16と導電ピン18を有するものである。
【0066】
環状導電部材610は、環状平面612と、環状平面612と一体になった接地端子部613を有している。なお、
図10では、点火器カラー下面634を明確に示すため、環状平面612の一部を取り除いた状態で示している。
接地端子部613は、環状平面612に接続されている第1接続部613a、曲折部613b、コネクタ接続部40内に位置している第2接続部613cからなるものである。樹脂15は、点火器カラー下面634側に筒状のコネクタ収容部40を形成している。そして第1接続部613aはコネクタ接続部40(樹脂筒状壁)の外側に、第2接続部613cはコネクタ接続部40(樹脂筒状壁)の内側に、曲折部613bはコネクタ接続部40(樹脂筒状壁)の開口側端部に位置している。
接地端子部613は1つでもよいが、複数が均等間隔で配置されていることが好ましい。
【0067】
金属製の点火器カラー630は、外周面632、上面633、下面634を有するものである。
環状導電部材610は、点火器カラーの下面634上に環状導電部材の環状平面612が当接された状態で組み合わされている。
【0068】
図10に示す点火器組立体600は、所定の金型内に、点火器本体14及び点火器カラー630を組み合わせたものを配置した状態で、樹脂15を射出成形した後で、環状導電部材610を取り付けて製造することができる。
その他、所定の金型内に、点火器本体14及び点火器カラー630を組み合わせたものと環状導電部材610を配置した状態で、樹脂15を射出成形して製造することもできる。
【0069】
図10で示す点火器組立体600を
図9に示すガス発生器に取り付けたときには、
図11に示すように、クロージャシェル2と内筒4が接触され、内筒4と点火器カラー630が接触され、点火器カラー630と環状導電部材610の接地端子部613が電気的に導通できる状態で接触されるようになる。
このため、接地端子部613が接地端子となり、
図10に示すコネクタ接続部40に
図1(a)に示すようなコネクタ60を差し込んだとき、コネクタ60のアース端子63が接地端子部613と接触する。