(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における電気自動車の充電課金システムの構成を示す構成図の一例である。
図1において、充電課金システム100は、充電サービス管理装置10(第1の管理装置)、充電サービスステーション(SS)20、車情報管理装置40(第2の管理装置)、及びコンテンツ作成装置50を備えている。充電サービス管理装置10、充電サービスステーション(SS)20、車情報管理装置40、及びコンテンツ作成装置50は、インターネット(ネットワークの一例)を介して互いに通信可能に配置される。そして、充電サービス管理装置10には、インターネット(ネットワークの一例)を介して、地域節電管理装置80及びクレジット会社の通信装置70が通信可能に接続される。
【0015】
充電サービスステーション20には、急速充電器22(充電器の一例)が配置される。また、電気自動車32のユーザ(顧客)は、地域内に1つ以上配置された充電サービスステーション20に電気自動車(EV)32で乗り付け(到来し)、急速充電器22から電気自動車32内のバッテリ38(電池)に充電を受けることになる。電気自動車32内には、各地域に配置された基地局60を介して車情報管理装置40と通信可能な車載器36が搭載されている。電気自動車32のユーザ(顧客)は、携帯端末34と認証カード37を所持している。
【0016】
地域節電管理装置80には、インターネット(ネットワークの一例)を介して複数の負荷装置82と、複数の発電所84に通信可能に接続される。地域節電管理装置80は、地域毎に配置される。例えば、北九州市、札幌市、金沢市等の市町村毎に配置される。但し、これに限るものではない。電力の需要と供給を賄う需給圏の単位で配置されればよい。
【0017】
複数の負荷装置82として、例えば、家庭用の住宅に設置されたエネルギー管理装置、マンション等の集合住宅に設置されたエネルギー管理装置、或いは、商用等のビルディングに設置されたエネルギー管理装置等を挙げることができる。各負荷装置82は、電力供給会社の設備から電力(交流100V、或いは200Vといった交流電力)の供給を受け、リアルタイムに、或いは、定期的に使用電力を地域節電管理装置80に送信する。例えば、30分毎に、使用電力(例えば、「kWh単位」の電力)を地域節電管理装置80に送信する。
【0018】
複数の発電所84として、例えば、該当地域に電力を供給する火力発電所、水力発電所、地熱発電所、風力発電所、或いは変電所等の発電設備が挙げられる。その他に、比較的小規模な発電装置を消費地近くに分散配置して電力の供給を行なう機械そのものや、その方式といった分散型発電装置等が挙げられる。分散型発電装置では、二次送電系統への系統連系を中心とした中小規模の発電施設から、太陽光や風力、燃料電池などの規模の小さい低出力の発電装置まで、各種の多様な電源が含まれる。各発電所84は、発電可能な電力量の情報を、リアルタイムに、或いは、定期的に地域節電管理装置80に送信する。例えば、30分毎に、発電量(例えば、「kWh単位」の電力)を地域節電管理装置80に送信する。
【0019】
上述したように、電気自動車32のバッテリ38への急速充電を従量課金するには課題があった。そこで、以下に説明するような種々な課金方式を検討した。以下、検討結果を説明する。
【0020】
図2は、実施の形態1の比較例として充電率と充電時間との関係の一例を示すグラフである。ここでは、充電時間に対して課金する方式について説明する。
図2では、縦軸に電気自動車32のバッテリ38の充電率、充電電流、及び充電電圧を示し、横軸に充電時間(経過時間)を示す。
図2に示すように、電気自動車32のバッテリ38への急速充電では、時間あたりに充電できる電力量が大きく異なる。これでは、公平性に欠け、適当ではない。
【0021】
また、充電回数で課金する方式について説明する。かかる方式では、各回の充電量がわからないので、従量課金を行うことは困難である。これでは、公平性に欠け、適当ではない。
【0022】
そこで、実施の形態1では、電気自動車32が計量したバッテリ38の蓄電残量(SOC)の変化を利用する。SOCの変化により従量料金に類似した課金を実施する。SOCの変化であれば、急速充電器22の変換損失を含まずに、充電された正味電力量に基づいた値で課金が可能である。SOC割合あたりの充電料金を設定する。例えば、250円/SOC10%(或いは、25円/SOC1%)とすると、SOCの変化が20%から80%になるように充電を行った場合、充電料金は1500円となる。
【0023】
さらに、実施の形態1では、地域毎に、電力の受給バランスにより電力価格を変動させる。これにより、経済性の観点から住民の行動を誘導する。
【0024】
図3は、実施の形態1における地域の電力需要と価格の関係の一例を示す図である。
図3(a)の例では、例えば、当該地域の電力需要が低い時には、電力価格(電気料金)を下げる。逆に、当該地域の電力需要が高い時には、電力価格(電気料金)を挙げる。
図3(b)に示すように、当該地域の電力需要が低い時期の低い(安い)料金を、当該地域の電力需要が高い時期の高い料金を設定する。例えば、かかる料金の変化は、1日のうちで時間帯によって変動させる。かかる概念を電気自動車の充電料金にも適用する。そのために、地域節電管理装置80に各負荷装置82からの使用電力の情報と、各発電所84からの供給電力の情報とを利用する。
【0025】
まず、地域節電管理装置80は、リアルタイム或いは1日の時間を細分化した定期的な間隔で各負荷装置82から使用電力の情報を、各発電所84からの供給電力の情報を入力する。そして、地域節電管理装置80は、例えば、供給可能な電力に対する使用電力の割合に応じて、所定の時間毎に電力料金(電気料金)を設定する。例えば、電力1kWhあたりの料金(円)を設定する。そして、かかる設定料金を情報入力日の翌日分の料金として、時間毎の料金を定義した料金テーブル(1)(第1の料金テーブル)を作成する。言い換えれば、料金テーブル(1)は、料金テーブル(1)に定義される各料金が適用される日の前日におけるエネルギー使用実績を用いて作成される。さらに、料金テーブル(1)は、発電所84(発電装置)から供給可能なエネルギー量に応じて可変する。このように、料金テーブル(1)は、電気自動車32とは異なる複数の負荷装置82によるエネルギー使用実績を用いて作成される。同時に、料金テーブル(1)は、発電所84(発電装置)から供給可能なエネルギー量を用いて作成される。
【0026】
図4は、実施の形態1における料金テーブル(1)の一例を示す図である。
図4では、時間に応じて料金が変化する料金テーブル(1)の一例を示す。例えば、料金は30分毎に設定される。
図4において、縦軸に電力あたりの料金(円/kWh)を示し、横軸に1日の時間帯を示す。
図4の例では、「オフピーク」にあたる例えば深夜から明け方までは点線で示す基準料金(ベーシック)と同様、割安な低料金に設定される。「ミドル」にあたる例えば、午前中の時間帯は点線で示す基準料金(ベーシック)よりも割安な低料金に設定される。午前中の時間帯は、前半と後半で需要が異なると想定して料金を変更しても好適である。「ピーク」にあたる例えば日中の午後の時間帯は、需要の高さに応じてレベル1〜3の例えば3段階で料金が可変する。そして、「ミドル」にあたる例えば夕方から夜半までは例えば午前中と同様、基準料金(ベーシック)よりも割安な低料金に設定される。「オフピーク」にあたる例えば深夜は基準料金(ベーシック)と同様、割安な低料金に設定される。例えば、夕方以降の各料金については、日によって需給状況に大幅な変化が生じることが少ないと想定されるので、料金テーブル(1)は、需給状況が変化し易いピーク時を過ぎた頃合いの時間に作成されると好適である。
【0027】
図5は、実施の形態1における充電サービス管理装置の内部構成の一例を示す構成図である。
図5において、充電サービス管理装置10内には、磁気ディスク装置等の記憶装置110,114,115、照合部111、充電可否判定部113、出力部117、料金テーブル作成部112、料金テーブル出力部116、蓄電残量(SOC)差入力部118、料金計算部119、料金集計部210、及びメモリ211が配置される。照合部111、充電可否判定部113、出力部117、料金テーブル作成部112、料金テーブル出力部116、蓄電残量(SOC)差入力部118、料金計算部119、及び料金集計部210といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。充電サービス管理装置10内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ211に記憶される。
【0028】
図6は、実施の形態1における充電課金方法の要部通信フローを示すタイムチャート図である。
図6では、地域節電管理装置80、充電サービス管理装置10、充電サービスステーション(SS)20、ユーザサイド30、車情報管理装置40、及びコンテンツ作成装置50の間での通信状況の一例を示す。
【0029】
地域節電管理装置80は、作成した料金テーブル(1)を料金テーブル(1)に定義される各料金が適用される前日に充電サービス管理装置10にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信する。例えば、前日の夕方頃に送信すると好適である。充電サービス管理装置10は、かかる前日に料金テーブル(1)を受信し、記憶装置110に格納する。地域節電管理装置80は、毎日、翌日に適用される時間毎の料金を定義した料金テーブル(1)を作成し、作成した日のうちに充電サービス管理装置10に送信する。よって、料金テーブル(1)の各料金は、需給状況に応じて、日々可変する。よって、記憶装置110(記憶部)には、外部から入力された、可変する料金テーブル(1)(第1の料金テーブル)が記憶される。
【0030】
充電サービス管理装置10内では、料金テーブル作成部112が、料金テーブル(1)を用いて、料金テーブル(1)に定義される各料金を電気自動車に搭載されるバッテリ38の蓄電残量(SOC)割合あたりの料金に変換した各料金が定義された料金テーブル(2)(第2の料金テーブル)を作成する。料金テーブル作成部112は、料金テーブル(1)を受信した日に、対応する料金テーブル(2)を作成する。料金テーブル(2)に定義された各料金は、作成した日の翌日の料金として適用される。よって、料金テーブル(2)は、料金テーブル(2)に定義される各料金が適用される日の前日に作成される。
【0031】
図7は、実施の形態1における料金テーブル(2)の一例を示す図である。
図7では、時間に応じて料金が変化する料金テーブル(2)の一例を示す。例えば、料金は30分毎に設定される。
図7において、縦軸にSOC割合あたりの料金(円/SOC%)を示し、横軸に、1日の時間帯を示す。料金テーブル(2)の各料金T
2は、料金テーブル(1)の各料金T
1を用いて、例えば、以下の式(1)で定義される。
(1) T
2=k・T
1
【0032】
式(1)では、係数kを用いて料金テーブル(1)の各料金T
1を料金テーブル(2)の各料金T
2に変換している。これにより、料金テーブル(2)の各料金T
2についても、電力の需給状況に応じて日々可変する値にできる。よって、電気自動車に供給される電力について、各地域や時間帯によって異なる需要状況に応じて弾力的に運用できる。よって、需要者(顧客)に需要状況に応じた公平な料金でサービスを提供できる。
図7の例では、
図4の例と同様、「オフピーク」にあたる例えば深夜から明け方までは点線で示す基準料金(ベーシック)と同様、割安な低料金に設定される。「ミドル」にあたる例えば、午前中の時間帯は点線で示す基準料金(ベーシック)よりも割安な低料金に設定される。午前中の時間帯は、前半と後半で需要が異なると想定して料金を変更しても好適である。「ピーク」にあたる例えば日中の午後の時間帯は、需要の高さに応じてレベル1〜3の例えば3段階で料金が可変する。そして、「ミドル」にあたる例えば夕方から夜半までは例えば午前中と同様、基準料金(ベーシック)よりも割安な低料金に設定される。「オフピーク」にあたる例えば深夜は基準料金(ベーシック)と同様、割安な低料金に設定される。
【0033】
ここで、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に、SOC1%あたりの電力量が異なる。そこで、実施の形態1では、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に、料金テーブル(2)を作成する。このように、料金テーブル作成部112は、複数の料金テーブル(2)を作成する。作成された複数の料金テーブル(2)は、記憶装置114に一時的に格納される。そして、料金テーブル出力部116(出力部)は、作成された複数の料金テーブル(2)の情報を記憶装置114から読み出し、作成した日のうちに車情報管理装置40にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信(出力)する。
【0034】
図8は、実施の形態1における車情報管理装置の内部構成の一例を示す構成図である。
図8において、車情報管理装置40内には、料金テーブル入出力部140、メモリ141、識別情報(ID)入力部142、磁気ディスク装置等の記憶装置143、照合部144、入出力部145、SOC差計算部146、及び照合部147が配置される。料金テーブル入出力部140、識別情報(ID)入力部142、照合部144、入出力部145、SOC差計算部146、及び照合部147といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。車情報管理装置40内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ141に記憶される。
【0035】
車情報管理装置40内では、料金テーブル入出力部140が、充電サービス管理装置10から、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に作成された、複数の料金テーブル(2)を受信(入力)し、複数の料金テーブル(2)の情報を受信した日のうちにコンテンツ作成装置50にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信(出力)する。
【0036】
図9は、実施の形態1におけるコンテンツ作成装置の内部構成の一例を示す構成図である。
図9において、コンテンツ作成装置50内には、料金テーブルコンテンツ作成部151、磁気ディスク装置等の記憶装置152,154、充電結果コンテンツ作成部153、出力部155、及びメモリ156が配置される。料金テーブルコンテンツ作成部151、充電結果コンテンツ作成部153、及び出力部155といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。コンテンツ作成装置50内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ156に記憶される。
【0037】
コンテンツ作成装置50内では、料金テーブルコンテンツ作成部151が、車情報管理装置40から、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に作成された、複数の料金テーブル(2)を受信(入力)し、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に料金テーブル(2)の内容を示す料金テーブルコンテンツを作成する。作成された、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎の料金テーブルコンテンツは、記憶装置152に格納される。そして、出力部155は、作成されたかかる複数の料金テーブルコンテンツの情報を記憶装置152から読み出し、作成した日のうちに電気自動車のユーザ(顧客)の携帯端末34にインターネット(ネットワークの一例)を介して配信(出力)する。なお、ユーザ(顧客)の携帯端末34には、携帯端末34が位置する場所に配置された基地局60から無線通信により配信されればよい。なお、
図1の例では、車載器36と通信する基地局と、携帯端末34と通信する基地局とが同じ基地局60で示されているが、異なってもよい。携帯端末34と通信する基地局は、携帯端末34がインターネットと接続可能になる装置であればよい。
【0038】
図1の例では、1つの地域に、1つの充電サービスステーション(SS)20が示されているが、複数の充電サービスステーション(SS)20が配置されてもよく、充電サービスステーション(SS)20毎に、料金が異なってもよい。かかる場合には、充電サービス管理装置10は、充電サービスステーション(SS)20毎に、複数の料金テーブル(2)を作成すればよい。そして、車情報管理装置40、コンテンツ作成装置50を介して、携帯端末34に、充電サービスステーション(SS)20の場所等を付した料金テーブルコンテンツが配信されればよい。或いは、複数の地域で、
図1と同様のシステムが構成され、同様の料金テーブルコンテンツが作成されてもよい。そして、表示する充電料金の地域は、ユーザが任意に選択すればよい。
【0039】
よって、ユーザ(顧客)は、前日のうちに、翌日の充電料金を知ることができる。これにより、従来の定額課金方式では得られなかった、各地域や時間帯によって異なる需要状況に応じて弾力的に変化する、従量制に近い充電料金を得ることができる。よって、定額課金方式に比べて公平な充電料金を知ることができる。これにより、ユーザ(顧客)は、翌日、電気自動車に搭載されるバッテリを充電するかどうかを判断できる。また、ユーザ(顧客)は、電気自動車とは異なる複数の負荷装置82によるエネルギー使用実績や発電所84からの供給可能な電力量による、地域の需給状況に応じて可変に設定された電気自動車の充電料金を知ることができる。そして、かかる情報は、通常、毎日、配信される。よって、ユーザ(顧客)は、いつ充電するのが得であるか、その判断指標を得ることができる。さらに、ユーザ(顧客)は、安い日に電気自動車に搭載されるバッテリを充電しておいて、かかるバッテリを地域の分散型発電装置として、発電所84の1つとして提供することも可能となる。或いは、かかるバッテリの電力をユーザ(顧客)の家庭用電力として使用することも可能となる。
【0040】
ここで、電力の受給状況は、天候等により刻々と変化し得る。また、突発的な事故等によっても変化する。そこで、実施の形態1では、さらに、複数の料金テーブル(2)の各料金が適用される当日についても、各時間帯の料金を可変に変更可能に構成する。
【0041】
地域節電管理装置80は、既に前日送信済の料金テーブル(1)に定義される各料金について、かかる各料金が適用される当日のエネルギー使用実績或いは/及び供給可能な電力量に基づいて料金テーブル(1)に定義される各料金のうちの一部に料金について金額を訂正したスポット料金情報(1)(円/kWh)を作成する。作成されたスポット料金情報(1)(円/kWh)は、直ちに、充電サービス管理装置10にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信される。例えば、変更される時間帯の数時間前までに送信されると好適である。朝方までに作成できれば、例えば、多くのユーザ(顧客)が活動を開始する8時頃までに送信されるとよい。
【0042】
充電サービス管理装置10内では、料金テーブル作成部112が、料金テーブル(1)に定義される各料金が適用される当日のエネルギー使用実績に基づいて、料金テーブル(1)に定義される各料金のうちの一部に料金についてのスポット料金情報(1)を受信(入力)し、記憶装置110に格納する。そして、スポット料金情報(1)を記憶装置110から読み出し、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に、SOC割合あたりの料金に変換し、変換された料金を既に作成済の各料金テーブル(2)に定義される各料金のうち対応する料金に上書きする。これにより、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎に作成された、複数の料金テーブル(2)は、定義された各料金が適用される当日に更新される。
【0043】
そして、料金テーブル出力部116は、更新された複数の料金テーブル(2)の情報を記憶装置114から読み出し、当日中であって、できるだけ速やかに車情報管理装置40にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信(出力)する。例えば、変更される時間帯の数時間前までに送信されると好適である。朝方までに更新できれば、例えば、多くのユーザ(顧客)が活動を開始する8時頃までに送信されるとよい。
【0044】
そして、車情報管理装置40では、料金テーブル入出力部140が、更新された複数の料金テーブル(2)を受信(入力)し、複数の料金テーブル(2)の情報を受信した時刻からできるだけ速やかにコンテンツ作成装置50にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信(出力)する。
【0045】
コンテンツ作成装置50内では、料金テーブルコンテンツ作成部151が、車情報管理装置40から、更新された、複数の料金テーブル(2)を受信(入力)し、配信済の料金テーブルコンテンツの内容を更新する。更新された、電気自動車の車種毎、或いは電気自動車に搭載されるバッテリの蓄電サイズ毎の料金テーブルコンテンツは、記憶装置152に格納される。そして、出力部155は、更新されたかかる複数の料金テーブルコンテンツの情報を記憶装置152から読み出し、更新した時刻からできるだけ速やかに電気自動車のユーザ(顧客)の携帯端末34にインターネット(ネットワークの一例)を介して配信(出力)する。なお、ユーザ(顧客)の携帯端末34には、携帯端末34が位置する場所に応じた基地局60から無線通信により配信されればよい。
【0046】
よって、ユーザ(顧客)は、当日に、更新された充電料金を知ることができる。これにより、従来の定額課金方式では得られなかった、各地域や時間帯によって異なる需要状況の変化によって変更された、従量制に近い充電料金を得ることができる。よって、ユーザ(顧客)は、既に判断した後に、最新の情報に基づいて、電気自動車に搭載されるバッテリを充電するかどうかを再度、判断できる。
【0047】
以上のようにして、可変する電気自動車の充電料金を知ったユーザは、自己の判断で充電サービスを受けるかどうかを決める。充電サービスを受ける場合には、以下のように構成される。
【0048】
充電サービスを受ける場合、ユーザ(顧客)は、認証カード37を携帯して、電気自動車で充電サービスステーション(SS)20に行く。そして、ユーザ(顧客)は、充電サービスステーション(SS)20内で充電する急速充電器22に認証カード37の内容を読み込ませる。例えば、認証カード37を読み取り機に翳す、或いはタッチする。
【0049】
図10は、実施の形態1における急速充電器の内部構成の一例を示す構成図である。
図10において、急速充電器22内には、認証情報入力部120、出力部122、充電判定部124、充電制御部126、充電電源部128、SOC情報入力部130、SOC差計算部132、SOC差出力部134、及びメモリ136が配置される。認証情報入力部120、出力部122、充電判定部124、充電制御部126、充電電源部128、SOC情報入力部130、SOC差計算部132、及びSOC差出力部134といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。充電サービス管理装置10内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ136に記憶される。
【0050】
認証情報入力部120(読み取り機)は、ユーザ(顧客)が所持する認証カード37から認証情報を読み取る(入力する)。そして、出力部122は、読み取られた認証情報を直ちに、インターネット(ネットワークの一例)を介して充電サービス管理装置10に送信(出力)する。その際、認証情報と共に、当該充電サービスステーション(SS)20を識別可能な情報(SS情報)も合わせて送信する。例えば、SS名称等の情報を挙げることができる。
【0051】
照合部111は、ユーザ(顧客)の認証情報を受信(入力)し、記憶装置115に予め格納されていた顧客情報データベースを参照して、認証情報と顧客情報を照合する。そして、充電可否判定部113は、照合結果に基づいて、かかる認証情報のユーザ(顧客)について充電可否を判定する。判定結果(充電可否情報)は、直ちに、インターネット(ネットワークの一例)を介して急速充電器22に送信(出力)される。
【0052】
急速充電器22内では、充電判定部124が充電可否情報を受信し、充電可否情報に沿ってかかる認証情報のユーザ(顧客)について充電可否を判定する。充電可否の結果は、図示しない表示部に表示され、ユーザに目視可能とされる。充電可能な場合、例えば、充電ケーブルを電気自動車32に接続するようにとの案内が表示される。
【0053】
図11は、実施の形態1における電気自動車の内部構成の一部を示す構成図である。
図11では、実施の形態1における電気自動車32の充電に関する構成について、その一例を示している。電気自動車32内には、SOC計算部31、バッテリ制御部33、インターフェース(I/F)回路35、車載器36、バッテリ38、及びコネクタ39が配置される。SOC計算部31の機能はプログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。
【0054】
コネクタ39は、電気自動車32の外装面から接続可能な位置に配置される。ガソリン車であれば、給油口に該当する。コネクタ39には、充電用の主線と、制御信号を出力するための制御線とが接続されている。制御線は、主線或いは/及び外部からの影響を受けないようにシールド線で保護されていると好適である。
【0055】
ユーザ(顧客)は、急速充電器22から延びる充電ケーブルをコネクタ39に接続する。バッテリ制御部33は、バッテリ38の充電電力を示す情報をSOC計算部31に出力する。SOC計算部31は、現在のバッテリ38のSOC割合を計算する。計算された現在のSOC割合の情報(SOC情報)は、I/F回路35で急速充電器22と通信可能な信号に変換され、制御線を通じて急速充電器22に出力される。
【0056】
急速充電器22内では、SOC情報入力部130が、SOC情報を受信(入力)し、電気自動車32に搭載されたバッテリ38における充電開始時のSOC割合の情報を取得する。そして、充電制御部126の制御の基、充電電源部128は、当該充電サービスステーション(SS)20に供給されている交流電力を電気自動車32に充電可能な直流電力へと変換しながら、電気自動車32に搭載されたバッテリ38に急速充電を開始する。充電電源部128は、SOC割合が100%になった場合には、充電を終了する。或いは、SOC割合が100%未満の任意のSOC割合であってもユーザ(顧客)の判断で充電を終了できる。
【0057】
一方、充電ケーブルがコネクタ39に接続されると、車載器36からは、基地局60を介して、車情報管理装置40に当該車載器36のID情報と充電開始時のSOC割合の情報とが出力される。車載器36と基地局60との間は無線で、基地局60と車情報管理装置40との間はインターネット(ネットワークの一例)を介して出力される。
【0058】
充電が開始されると、充電中、SOC計算部31は、常時、バッテリ38のSOC割合を計算する。計算された現在のSOC割合の情報(SOC情報)は、I/F回路35で急速充電器22と通信可能な信号に変換され、制御線を通じて急速充電器22に出力される。よって、急速充電器22では、充電によって刻々と変化するSOC割合を把握できる。
【0059】
同様に、充電中、常時、計算されている現在のSOC割合の情報(SOC情報)は、さらに、車情報管理装置40に出力される。よって、車情報管理装置40でも充電によって刻々と変化するSOC割合を把握できる。
【0060】
充電が終了すると、SOC差計算部132は、電気自動車32に搭載されるバッテリ38への充電開始時のSOC割合と充電終了時のSOC割合との差を計算する。SOC差出力部134は、計算されたSOC割合差の情報(SOC差データ)を、直ちに、インターネット(ネットワークの一例)を介して充電サービス管理装置10に送信(出力)する。
【0061】
充電サービス管理装置10内では、SOC差入力部118が、SOC差データを受信する。そして、料金計算部119は、SOC割合差を用いて、現在適用中の料金テーブル(2)の料金に基づいた充電料金を計算する。そして、出力部117は、計算された充電料金と、SOC差データと、顧客情報と、充電を行った充電サービスステーション(SS)20の情報と、を、直ちに、インターネット(ネットワークの一例)を介して車情報管理装置40に送信(出力)する。
【0062】
一方、車情報管理装置40内では、入出力部145は、充電開始時から常時、SOC情報を受信する。そして、SOC差計算部146は、電気自動車32に搭載されるバッテリ38への充電開始時のSOC割合と充電終了時のSOC割合との差を計算する。よって、急速充電器22とは別に、車情報管理装置40でもSOC割合差を計算し、取得する。また、ID入力部142が、電気自動車32の車載器36から送信された車載器IDを受信する。
【0063】
そして、充電終了後には、入出力部145が、充電サービス管理装置10から、計算された充電料金と、SOC差データと、顧客情報と、充電を行った充電サービスステーション(SS)20の情報と、を受信(入力)する。
【0064】
かかる充電終了後の充電サービス管理装置10からの受信を受けて、車情報管理装置40内では、照合部144が、車載器IDを基に、記憶装置143に予め格納されていた顧客情報データベースを参照して、顧客情報を取得する。そして、照合部144は、充電サービス管理装置10から受信した顧客情報と記憶装置143に予め格納されていた顧客情報とを照合する。さらに、照合部147は、充電サービス管理装置10から受信したSOC割合差とSOC差計算部146で計算されたSOC割合差とを照合する。
【0065】
そして、入出力部145が、充電サービス管理装置10から受信した、充電料金と、SOC差データと、顧客情報と、充電を行った充電サービスステーション(SS)20の情報と、を直ちにコンテンツ作成装置50にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信(出力)する。また、照合された顧客情報或いは/及び照合されたSOC割合差に不一致が生じた場合には、照合された顧客情報の結果或いは/及び照合されたSOC割合差の結果も合わせてコンテンツ作成装置50にインターネット(ネットワークの一例)を介して送信(出力)する。
【0066】
コンテンツ作成装置50内では、充電結果コンテンツ作成部153が、車情報管理装置40から、充電料金と、SOC差データと、顧客情報と、充電を行った充電サービスステーション(SS)20の情報と、を受信(入力)し、これらの各情報を含む充電結果コンテンツを作成する。照合された顧客情報の結果或いは/及び照合されたSOC割合差の結果を受信した場合には、かかる情報も含む充電結果コンテンツを作成する。充電結果コンテンツは、記憶装置154に格納される。そして、出力部155は、作成された充電結果コンテンツの情報を記憶装置154から読み出し、作成した日のうちに電気自動車のユーザ(顧客)の携帯端末34にインターネット(ネットワークの一例)を介して配信(出力)する。なお、ユーザ(顧客)の携帯端末34には、携帯端末34が位置する場所に配置されたアクセスポイント(基地局)60から無線通信により配信されればよい。
【0067】
ユーザ(顧客)は、携帯端末34から充電結果コンテンツの情報を見ることができる。これにより、充電料金等の各情報を把握できる。
【0068】
一方、充電サービス管理装置10内では、料金集計部210が同じユーザ(顧客)が充電した充電料金を1月分集計する。そして、1月ごとに集計料金がクレジット会社の通信装置70に送信(出力)される。そして、クレジット会社からユーザ(顧客)(ユーザサイド30)に対して、1月分の充電料金が請求される。また、クレジット会社は、ユーザ(顧客)毎に1月分の充電料金を充電サービスステーション(SS)20に立て替え払いする。そして、ユーザ(顧客)(ユーザサイド30)が、月毎に、クレジット会社に該当月分の充電料金を支払う。
【0069】
以上のように、実施の形態1における電気自動車の充電課金方法では、SOC割合を用いることで定額方式では困難であった従量制に近い公平な課金を実現できる。
【0070】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0071】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0072】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての情報処理装置、電気自動車の充電課金システム、及び電気自動車の充電課金方法は、本発明の範囲に包含される。