特許第6227332号(P6227332)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227332
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】携帯情報端末用カバー
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20171030BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   H05K5/02 C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-179788(P2013-179788)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-50554(P2015-50554A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】谷 宣之
(72)【発明者】
【氏名】谷野 泰啓
(72)【発明者】
【氏名】井上 誠太郎
【審査官】 関口 明紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−044138(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174558(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3167989(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0297581(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C1/00−15/08
A45F3/00
3/02
3/04
3/12
G06F1/00
1/16−1/18
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレット型の携帯情報端末を収納するための携帯情報端末用カバーであって、
前記携帯情報端末を保持するとともに、前記携帯情報端末の背面側を被覆する背面被覆部と、
少なくとも第1の状態と第2の状態とに折り曲げ可能に構成された前面被覆部であって、前記携帯情報端末の前面側を被覆する第1の位置から、前記背面被覆部の背面側の第2の位置まで、前記背面被覆部の上端を中心として回動自在に設けられる前面被覆部と、
一端が前記背面被覆部に対し固定されるとともに、他端が前記背面被覆部に対し着脱自在に設けられるフラップ部と、を備え、
前記フラップ部は、その他端が前記背面被覆部から脱離した状態で、その上面側に第1の固定部を有する一方、その下面側に第2の固定部を有し、
前記背面被覆部は、
前記第1の状態に折り曲げた前面被覆部によって背面側から支持されて立設される第1の姿勢と、
前記第2の状態に折り曲げた前面被覆部によって背面側から支持されて立設される第2の姿勢であって、前記背面被覆部が前記第1の姿勢のときよりも水平に近い傾斜角で支持される第2の姿勢と、をとり得るものであり、
前記第1の姿勢は、前記第2の位置において前記前面被覆部が前記フラップ部の前記第1の固定部に固定されることで維持され、
前記第2の姿勢は、前記第2の位置において前記前面被覆部の一部が前記フラップ部の上方から下方に回り込んで前記フラップ部の前記第2の固定部に固定されることで維持される携帯情報端末用カバー。
【請求項2】
前記背面被覆部の背面側に凹部が形成され、
前記フラップ部は、その他端が前記背面被覆部の背面側に着接することで、その略全体が前記凹部内に収納されるように構成される、請求項1に記載の携帯情報端末用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレット型の携帯情報端末を収納するための携帯情報端末用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)と呼ばれる携帯情報端末が広く普及している。通信機能やカメラ機能等、多様な機能を備えた携帯情報端末は、前面に設けられる液晶画面に使用者が直接触れることで、直観的な操作を可能としている。その外形は薄板状のため携帯性に優れており、ビジネスのみならず、教育、娯楽など、様々なシーンで活用されている。また、携帯情報端末を被覆して衝撃から保護するカバーも広く普及している(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
下記特許文献1には、カバーを変形させ、そのカバーによって携帯情報端末を所定の傾斜角をもって立設させることが開示されている。立設された携帯情報端末の前面側には、携帯時に液晶画面を被覆するカバーの正面板部が配置されており、この正面板部の上面には複数の凹部が形成されている。使用者は、携帯情報端末を保持する背面板部の下端を、この複数の凹部のいずれか1つに対し選択的に固定することにより、携帯情報端末の傾斜角を変更することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−11978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたカバーでは、立設された携帯情報端末の前面側にカバーの正面板部が配置され、しかも、正面板部の上面には凹部が複数形成されている。このため、携帯情報端末の前面側に居る使用者からこれらが視認され、意匠性を損なうという課題があった。
【0006】
また、立設させる携帯情報端末の傾斜角を、より大きな範囲で変更可能とするためには、正面板部の凹部も広い範囲に形成する必要がある。したがって、この場合は正面板部を大型化する必要があり、意匠性がさらに損なわれるという課題があった。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、意匠性を損なうことなく、立設させる携帯情報端末の傾斜角をより大きな範囲で変更することが可能な携帯情報端末用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯情報端末用カバーは、タブレット型の携帯情報端末を収納するための携帯情報端末用カバーであって、前記携帯情報端末を保持するとともに、前記携帯情報端末の背面側を被覆する背面被覆部と、少なくとも第1の状態と第2の状態とに折り曲げ可能に構成された前面被覆部であって、前記携帯情報端末の前面側を被覆する第1の位置から、前記背面被覆部の背面側の第2の位置まで、前記背面被覆部の上端を中心として回動自在に設けられる前面被覆部と、一端が前記背面被覆部に対し固定されるとともに、他端が前記背面被覆部に対し着脱自在に設けられるフラップ部と、を備え、前記フラップ部は、その他端が前記背面被覆部から脱離した状態で、その上面側に第1の固定部を有する一方、その下面側に第2の固定部を有し、前記背面被覆部は、前記第1の状態に折り曲げた前面被覆部によって背面側から支持されて立設される第1の姿勢と、前記第2の状態に折り曲げた前面被覆部によって背面側から支持される第2の姿勢であって、前記背面被覆部が前記第1の姿勢のときよりも水平に近い傾斜角で支持される第2の姿勢と、をとり得るものであり、前記第1の姿勢は、前記第2の位置において前記前面被覆部が前記フラップ部の前記第1の固定部に固定されることで維持され、前記第2の姿勢は、前記第2の位置において前記前面被覆部の一部が前記フラップ部の上方から下方に回り込んで前記フラップ部の前記第2の固定部に固定されることで維持される。
【0009】
本発明によれば、第1の姿勢及び第2の姿勢のいずれの場合にも、背面被覆部を支持して立設させる前面被覆部は、背面被覆部の背面側である第2の位置において固定される。したがって、携帯情報端末の使用時、その前面側に居る使用者からは、固定部分は携帯情報端末によって覆われて視認できないため、意匠性が損なわれることを防止することができる。
【0010】
さらに、第2の姿勢では、前面被覆部の一部がフラップ部の上方から下方に回り込むため、前面被覆部は、フラップ部の上方に残る他部によって背面被覆部を背面側から支持することになる。すなわち、第1の姿勢に比べて背面被覆部を背面側から支持する部分が小さくなるため、第1の姿勢に比べて水平に近い傾斜角となるよう背面被覆部を支持することとなる。このように背面被覆部が第1の姿勢及び第2の姿勢を取りうるため、背面被覆部によって保持されて立設される携帯情報端末も、その傾斜角をより大きな範囲で変更することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る携帯情報端末用カバーでは、前記背面被覆部の背面側に凹部が形成され、前記フラップ部は、その他端が前記背面被覆部の背面側に着接することで、その略全体が前記凹部内に収納されるように構成されることも好ましい。
【0012】
この好ましい態様では、フラップ部を携帯情報端末の立設に使用しながらも、携帯時等はフラップ部を背面被覆部の凹部内に収納することで、背面被覆部からの突出を抑制することができる。これにより、携帯情報端末用カバーを携帯時にフラップ部が邪魔になることを軽減することができる。また、フラップ部が目立ち難くなるため、フラップ部により意匠性が損なわれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る携帯情報端末用のカバーを閉じた状態を表す斜視図である。
図2図1のカバーを開いた状態を表す正面図である。
図3図1のカバーを開いた状態を表す背面図である。
図4図1のカバーを開いた状態を表す斜視図である。
図5図4のA−A断面における断面図である。
図6図1のカバーを開いて背面被覆部を第1の姿勢にした状態を表す斜視図である。
図7図1のカバーを開いて背面被覆部を第1の姿勢にした状態を表す側面図である。
図8図1のカバーを開いて背面被覆部を第2の姿勢にした状態を表す斜視図である。
図9図1のカバーを開いて背面被覆部を第2の姿勢にした状態を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0015】
まず、図1乃至3を参照して、実施形態に係る携帯情報端末用カバー1(以下、「カバー1」とする。)の概要を説明する。図1(A)及び(B)は、カバー1の下方及び上方からの斜視図を表している。図1(A)及び図1(B)に表すように、カバー1は、前面被覆部2と、背面被覆部4と、上面被覆部3と、を有している。これら被覆部2、3、4は、いずれも、硬質の素材で形成された板状部材である。なお、硬質の素材とは、必ずしも可撓性を有しないという意味ではなく、例えば、人が大きな力を加えた場合に曲げが生じる程度の可撓性を有するものであってもよい。
【0016】
前面被覆部2は、第1被覆部21及び第2被覆部22から成り、第1被覆部21は第2被覆部22よりも上下方向寸法が大きい。第1被覆部21及び第2被覆部22は、それらと比べて薄肉に形成されたヒンジ23によって連結されている。第1被覆部21及び第2被覆部22は、このヒンジ23において、互いに対して回動させることができるとともに、後述する第1の状態(図7参照)と第2の状態(図9参照)とに折り曲げることができる。図1に表すようにヒンジ23が開いた状態では、第1被覆部21及び第2被覆部22は全体として一枚の板状を呈する。一枚の板状となった第1被覆部21及び第2被覆部22は、それぞれタブレット型の携帯情報端末8(図6参照)の前面側の下部及び上部を全面的に被覆し、衝撃等から保護する。
【0017】
背面被覆部4は、携帯情報端末8の背面に当接してその背面全域を被覆する。また、背面被覆部4は、その前面側に設けられた保持部5によって携帯情報端末8を保持する。保持部5は、携帯情報端末8の下面、右側面及び左側面のそれぞれの少なくとも一部を覆う下面被覆部5a、右側面被覆部5b(図1(A)参照)及び左側面被覆部5c(図1(B)参照)を有している。また、保持部5は、携帯情報端末8の前面外縁を略コ字状に被覆する板状の外縁被覆部5d(図2参照)を有している。外縁被覆部5dは、背面被覆部4の前面に間隙を存して対向するように、背面被覆部4の周縁の一部から立ち上がった下面被覆部5a、右側面被覆部5b及び左側面被覆部5cに支持されている。これにより、保持部5は、外縁被覆部5dと背面被覆部4との間に携帯情報端末8をその内部に収納保持できるような有底のポケットを構成している。なお、右側面被覆部5bに開設した複数の孔5b1は、保持する携帯情報端末8のスイッチ類や記録用メモリの挿入口を露出させるものであり、外縁被覆部5dに開設した孔5d1は、携帯情報端末8からのイヤホンやマイクなどを挿通させるためのものである。また、背面被覆部4に開設した孔4cは、携帯情報端末8の背面側に設けられるカメラレンズを露出させるためのものである。
【0018】
上面被覆部3は、携帯情報端末8の上面を被覆するとともに、前面被覆部2の上端2aと背面被覆部4の上端4aとを連結している。この連結により、上面被覆部3は、背面被覆部4の上端4aを中心として回動自在となり、前面被覆部2は、その上端2aを中心として回動自在となる。このため、前面被覆部2は、携帯情報端末8の前面側を被覆する位置(第1の位置)から、背面被覆部4の背面側の位置(第2の位置)まで、背面被覆部4の上端4aを中心として回動自在となる。この第1の位置では、図1に示すように、前面被覆部2の内面周縁を外縁被覆部5dに重ねるようにして、携帯情報端末8の前面側を前面被覆部2で覆うことができる。また、第2の位置では、携帯情報端末8の前面側を外部に開放する。この第2の位置は、一つの位置を意味するのではなく、前面被覆部2が背面被覆部4の背面側に位置すれば足りる。したがって、前面被覆部2の外面を背面被覆部4の背面に広く重ねるような位置はもちろん、図6〜8に示すような前面被覆部2の位置も第2の位置に含まれる。
【0019】
次に、図3乃至図5を参照して、カバー1のフラップ部7について説明する。
【0020】
図3に表すように、フラップ部7は、背面被覆部4の背面側に設けられている。フラップ部7は、一端7aから他端7bまで延びる帯状を呈している。フラップ部7の一端7aは、背面被覆部4の下端4b近傍の中央部に固定される一方、フラップ部7の他端7bは、内蔵された磁石75の磁力により背面被覆部4に着脱自在とされている。また、フラップ部7の他端7bにはタブ74が突設されている。
【0021】
図4及び図5に表すように、フラップ部7の他端7bを背面被覆部4から脱離させた状態で、フラップ部7は、その上面側に上側片71を、その下面側に下側片72を有している。上側片71及び下側片72は、いずれも弾性を有する素材で板状に形成され、それぞれフラップ部7に片持ち支持されるようにフラップ部7に固定される。これにより、上側片71及び下側片72は、固定されていない他の一部をフラップ部7から捲り上げることができるように構成されている。
【0022】
背面被覆部4の背面側には、フラップ部7の略全体を収納するための凹部4dが形成されている。凹部4dは、フラップ部7の外形に対応する形状を呈している。また、凹部4d内の上端近傍には、フラップ部7の磁石75に対応する位置に磁石76が内蔵されている。凹部4d内にフラップ部7を収納した際、磁石75、76の磁力で引き合うことによって、自由状態ではフラップ部7が凹部4dから離脱しないように保持される。ただし、この収納状態では、タブ74が凹部4dから外部にはみ出す。このため、使用者はタブ74を掴んで、磁力に抗してフラップ部7を回動させることで、他端7bを背面被覆部4から容易に脱離させることができる。
【0023】
次に、図6乃至図9を参照して、カバー1のスタンド機能を説明する。
図6及び7は、背面被覆部4を第1の姿勢にした状態を示し、図8及び9は、背面被覆部4を第2の姿勢にした状態を示す。
【0024】
図6に表すように、携帯情報端末8は、その前面に液晶画面81とスピーカ84とを有し、その上面に電源ボタン82と音量操作ボタン83とを有している。携帯情報端末8をカバー1に保持した状態では、外縁被覆部5dが液晶画面81及び前面上部のスピーカ84を被覆しない位置で、携帯情報端末8の前面外縁のうち左右両側部と下部を被覆する。電源ボタン82及び音量操作ボタン83は、カバー1を閉じた状態では上面被覆部3によって被覆されるが、カバー1を開いた状態では外部に露出する。
【0025】
(第1の姿勢:図6及び7に示す状態)
カバー1は、携帯情報端末8を、比較的垂直に近い傾斜角θ1で机D上に傾斜させて立設させることができる。
第1の姿勢にするには、まずフラップ部7の他端7bを背面被覆部4から脱離させ、フラップ部7を机D上に沿って配置する。
次に、前面被覆部2を背面被覆部4の背面側の位置(第2の位置)に配置するとともに、前面被覆部2をヒンジ23において背面被覆部4側に凸となる状態(第1の状態)に折り曲げ、前面被覆部2の下端2bをフラップ部7上に配置する。
次に、上側片71の背面被覆部4側の端部を上方に捲り上げ、この捲り上げた上側片71とフラップ部7との間に前面被覆部2の下端2bを挟み込む。上側片71は、その弾性によりフラップ部7側に復元しようとするため、前面被覆部2の下端2bは上側片71から力を受け、フラップ部7に押さえつけられるようにして固定される。
このように固定した状態で、前面被覆部2のヒンジ23を背面被覆部4の背面に当接させる。これにより、背面被覆部4は、その下端4bが机Dによって支持され、その背面がヒンジ23を介して前面被覆部2の第1被覆部21によって支持される。さらに、背面被覆部4は、その上端4aが上面被覆部3を介して前面被覆部2の第2被覆部22によって支持される。
このように、背面被覆部4は、上端4a、下端4b及びその間の計3点において支持されることで、携帯情報端末8を保持した状態で机D上に立設される。前面被覆部2の第1被覆部21及び第2被覆部22で背面被覆部4を支持することで、背面被覆部4の机Dに対する傾斜角θ1は例えば70度前後と、後述する第2の姿勢の場合に比べて垂直に近いものとなる。
【0026】
(第2の姿勢:図8及び9に示す状態)
また、カバー1は、携帯情報端末8を、比較的水平に近い傾斜角θ2で机D上に傾斜させて立設させることができる。
第2の姿勢にするには、まずフラップ部7の他端7bを背面被覆部4から脱離させ、フラップ部7を机D上に沿って配置する。
次に、前面被覆部2を背面被覆部4の背面側の位置(第2の位置)に配置するとともに、前面被覆部2をヒンジ23において背面被覆部4とは反対側に凸となる状態(第2の状態)に折り曲げる。そして、前面被覆部2の第1被覆部21を、フラップ部7の他端7b側から一端7a側に向けてフラップ部7の下方に潜り込ませることで、前面被覆部2をフラップ部7の上方から下方に回り込むように配置する。
次に、下側片72の端部を下方に捲ることで、フラップ部7と下側片72との間に隙間を形成し、当該隙間に前面被覆部2の下端2bを挟み込む。これにより、前面被覆部2の下端2bがフラップ部7の下方において固定される。
前面被覆部2の下端2bを固定することで、前面被覆部2の第2被覆部22が机D上で略垂直に立設した状態となる。これにより、背面被覆部4は、その下端4bが机Dによって支持されるとともに、その上端4aが上面被覆部3を介して前面被覆部2の第2被覆部22によって支持される。
このように、背面被覆部4は、上端4a及び下端4bの計2点において支持されることで、携帯情報端末8を保持した状態で机D上に立設される。前面被覆部2の一部である第2被覆部22によって背面被覆部4を支持することで、背面被覆部4の机Dに対する傾斜角θ2は例えば30度前後と、第1の姿勢の場合に水平に近いものとなる。
【0027】
以上説明したカバー1の作用効果について説明する。
カバー1の背面被覆部4は、机Dに対する傾斜角が異なる第1の姿勢及び第2の姿勢をとることができる。いずれの場合にも、背面被覆部4を支持して立設させる前面被覆部2は、背面被覆部4の背面側に固定される。したがって、その固定のために携帯情報端末8の前面側の作業スペースが奪われてしまうことがない。また、携帯情報端末8の前面側に居る使用者からは、固定部分は携帯情報端末8によって覆われて視認されないため、意匠性が損なわれることを防止することができる。
【0028】
さらに、第2の姿勢では、背面被覆部4は、前面被覆部2の一部がフラップ部7の上方から下方に回り込んで下側片72に固定されることで、前面被覆部2の第2被覆部22により背面側から支持されて立設される。このため、第2の姿勢では、第1の姿勢に比べて背面被覆部4を背面側から支持する部分が小さい。したがって、第2の姿勢では、第1の姿勢に比べて水平方向に傾斜した状態で背面被覆部を支持することとなる。すなわち、背面被覆部4が第1の姿勢及び第2の姿勢を取りうるため、背面被覆部4によって保持されて立設される携帯情報端末8も、その傾斜角をより大きな範囲で変更することが可能となる。
【0029】
また、携帯時等にはフラップ部7を背面被覆部4の凹部4d内に収納することができるので、カバー1を携帯する際にフラップ部7が邪魔になったり、フラップ部7を設けることによって意匠性が悪化したりすることを抑制することが可能となる。
【0030】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0031】
例えば、フラップ部7に設けられる上側片71や下側片72は、それぞれフラップ部7の上面側と下面側に複数設けてもよい。これにより、使用者は前面被覆部2の下端2bを固定する上側片71又は下側片72を、複数設けられたうちの一に対して選択的に固定することにより、背面被覆部4並びに携帯情報端末8の傾斜角を細かく調整することが可能となる。なお、上側片71又は下側片72を複数設ける際には、例えば、フラップ部7の長手方向に沿って複数の上側片71又は複数の下側片72を設ければよい。
【符号の説明】
【0032】
1:携帯情報端末用カバー、2:前面被覆部、4:背面被覆部、4a:上端、4b:下端、5:保持部、7:フラップ部、71:上側片(第1の固定部)、72:下側片(第2の固定部)、8:携帯情報端末、θ1、θ2:傾斜角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9