特許第6227339号(P6227339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227339コンバージョンレンズ装置およびコンバージョンレンズカメラシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227339
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】コンバージョンレンズ装置およびコンバージョンレンズカメラシステム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20060101AFI20171030BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20171030BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G03B17/14
   G03B17/56 Z
   H04N5/225 200
【請求項の数】8
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2013-188890(P2013-188890)
(22)【出願日】2013年9月11日
(65)【公開番号】特開2015-55750(P2015-55750A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセルホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(72)【発明者】
【氏名】長野 広信
(72)【発明者】
【氏名】加賀 愛樹子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 武博
(72)【発明者】
【氏名】井上 和彦
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−008283(JP,A)
【文献】 特開2008−113099(JP,A)
【文献】 特開2013−097381(JP,A)
【文献】 特開2004−191897(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0177304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/14
G03B 17/56
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを備える携帯機器に、当該カメラに面して装着されてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、
コンバージョンレンズをなす光学レンズを内蔵支持し、撮像対象物に面する窓部と携帯機器のカメラに面する窓部とが表面に形成された本体部と、
前記本体部を携帯機器のカメラに対向して固定する固定具とを備え、
前記本体部の前記カメラに面する窓部の周囲には、携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に向かって突出し、先端部が携帯機器のカメラの対物レンズ、保護カバー、もしくは携帯機器の筐体表面に当接可能な突出部が形成され、
前記突出部の周囲には、前記本体部から携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に向かって移動可能で、表面が携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に当接可能な当接体が配設され、
前記当接体は、前記当接体の表面に対する前記突出部の先端部の相対距離を調整可能とされることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記本体部の突出部が、前記携帯機器のカメラに面する窓部を中心として円筒状に形成されると共に、円筒状部分の外周部に雄ねじを形成されてなり、
前記当接体は、雌ねじを有して前記突出部に螺合し、突出部に対し螺動して位置調整可能とされることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記固定具は、前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラに押し付けるようにして本体部を携帯機器のカメラ前方に固定することを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項4】
前記請求項2に記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記当接体が、携帯機器筐体表面への当接面を有する略板状体に形成され、
前記本体部の表面には、前記当接体近傍部分の一部に、内側に向かう段差を設けて、
前記当接体外周部と前記本体部の表面との間に所定の空間を生じさせることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載のコンバージョンレンズ装置において、
後方から見た前記本体部の表面の外郭線が、前記当接体の外周部より外側に位置するように、前記本体部の表面が形成されていることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項6】
前記請求項5に記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記当接体の外周部が、周方向に複数の凹凸が配置される形状とされることを特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項7】
前記請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記当接体における少なくとも携帯機器のカメラのある面に対向する面の所定箇所に、変形、復元可能な弾性材を、携帯機器と接触可能に配設することを特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【請求項8】
カメラを備える携帯機器と、前記携帯機器のカメラに面して装着されるコンバージョンレンズ装置とからなるコンバージョンレンズカメラシステムにおいて、
前記コンバージョンレンズ装置は、
コンバージョンレンズをなす光学レンズを内蔵支持し、撮像対象物に面する窓部と携帯機器のカメラに面する窓部とが表面に形成された本体部と、
前記本体部を携帯機器のカメラに対向して固定する固定具とを備え、
前記本体部の前記カメラに面する窓部の周囲には、携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に向かって突出し、先端部が携帯機器のカメラの対物レンズ、保護カバー、もしくは携帯機器の筐体表面に当接可能な突出部が形成され、
前記突出部の周囲には、前記本体部から携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に向かって移動可能で、その表面にて携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に当接可能な当接体が配設され、
前記当接体は、前記当接体の表面に対する前記突出部の先端部の相対距離を調整可能とされることを
特徴とするコンバージョンレンズカメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの対物レンズ側に取り付けてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置およびコンバージョンレンズカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォン等の携帯機器には、カメラが搭載されていることが多い。こうした携帯機器の場合、機器の大きさの関係でカメラの搭載スペースが限られていることから、通常、カメラは必要最小限の大きさとされており、画角をいわゆる広角側や望遠側へ大きく変化させられる調整機構を併設することは難しかった。このため、携帯機器のカメラで調整可能な範囲を超える望遠撮影や広角撮影を行いたい場合には、コンバージョンレンズを用いる必要がある。
【0003】
ただし、携帯機器は、一般的なカメラのように、コンバージョンレンズを容易に取付けられる構造とはなっていないことから、コンバージョンレンズの取付けには補助的な機構が必要となる。こうした補助的な機構を併用して、コンバージョンレンズを携帯機器に着脱可能に取り付けられるようにしたものが、従来から種々提案されている。このような補助的な機構を含むコンバージョンレンズ装置の一例としては、登録実用新案第3107025号公報や特開2012−8283号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3107025号公報
【特許文献2】特開2012−8283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカメラ付き携帯機器用のコンバージョンレンズは前記各特許文献に示される構成となっており、レンズをカメラ前面に保持でき、特に、補助レンズにおけるカメラ側への当接部分は、弾性部材からなるリング部材又は滑り止めリングを介して携帯電話機の表面に当接するようになっており、安定した支持が期待できるものとなっている。
【0006】
ただし、カメラの最外面にある透明保護カバー又は対物レンズが、携帯電話機におけるレイアウトの関係上、その周囲の筐体面に対し凹状に奥まった状態に配置される場合、補助レンズは保護カバー又は対物レンズと接するとは限らない。仮に補助レンズが保護カバー又は対物レンズと接触せず、これらと補助レンズとの正確な位置関係が確保できない場合、焦点がずれて撮像に支障をきたすなど、撮像を正確に行えなくなるという課題を有していた。
【0007】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、携帯機器への装着位置関係を適切なものとして、使用者に携帯機器のカメラを用いて通常とは画角の異なる撮像を正確且つ容易に行わせることができ、使用者の意図に沿った適切な撮像画像が得られるようにする、コンバージョンレンズ装置およびコンバージョンレンズカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は、カメラを備える携帯機器に、当該カメラに面して装着されてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、
コンバージョンレンズをなす光学レンズを内蔵支持し、撮像対象物に面する窓部と携帯機器のカメラに面する窓部とが表面に形成された本体部と、
前記本体部を携帯機器のカメラに対向して固定する固定具とを備え、
前記本体部の前記カメラに面する窓部の周囲には、携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に向かって突出し、先端部が携帯機器のカメラの対物レンズ、保護カバー、もしくは携帯機器の筐体表面に当接可能な突出部が形成され、
前記突出部の周囲には、前記本体部から携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に向かって移動可能で、表面が携帯機器におけるカメラのある側の筐体表面に当接可能な当接体が配設され、
前記当接体は、前記当接体の表面に対する前記突出部の先端部の相対距離を調整可能とされるものである。
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記固定具が、前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラに押し付けるようにして本体部を携帯機器のカメラ前方に固定するものである。
た、コンバージョンレンズ装置は、カメラ付きの携帯機器に取り付けてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、コンバージョンレンズをなす一又は複数の光学レンズ、及び、撮像対象物と携帯機器のカメラ部とにそれぞれ面して前記光学レンズへの光路となる複数の窓部を形成されつつ光学レンズを内蔵支持する支持ケース、を少なくとも有する本体部と、前記本体部の携帯機器側で本体部に対し前記光学レンズの光軸と平行な向きに移動可能として配設され、携帯機器におけるカメラ部のある側の筐体表面に当接可能な当接体と、前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器のカメラ部以外の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラ部に押し付けるようにして本体部を携帯機器のカメラ部前方に固定する固定具とを備え、前記本体部の支持ケースのうち、携帯機器のカメラ部側に面する前記窓部の近傍部分は、窓部を中心として光学レンズの光軸と平行な向きに突出する略筒状の突出部とされ、当該突出部の先端は、カメラ部における最外部の対物レンズ又は透明保護カバー前面に前記窓部を位置させつつ、前記対物レンズ又は保護カバー、若しくは筐体表面に当接可能とされて配置され、前記当接体は、前記突出部周囲に配置され、本体部に対
する位置調整で、当接体に対する突出部の相対突出量を調整可能とされるものである。
【0009】
このように本発明の開示によれば、コンバージョン用の光学レンズを有して携帯機器のカメラ部前側に取付けられる本体部の携帯機器側に、突出部が光学レンズとの位置関係を固定として突出形成されると共に、本体部に対し位置調整可能として当接体が配設され、当接体の位置調整で当接体に対する突出部の相対突出量を調整可能とし、突出部の先端がカメラ部の対物レンズ又は保護カバー、若しくはこれらの周囲の携帯機器筐体表面に当接する状態で、突出部周囲の当接体を、筐体表面に当接するよう位置調整できることにより、携帯機器のカメラ部の保護カバー又は対物レンズが機器筐体面に対し凹んだ位置又は突出した位置となっていても、筐体面に接触する当接体と突出部との配置関係を調整して、突出部を保護カバー又は対物レンズに確実に当接させて、突出部に対し固定された位置にある光学レンズとカメラ部との位置関係を正しく設定でき、様々なカメラ部を有する携帯機器のいずれに対してもコンバージョンレンズとして適切な使用が可能となる。また、当接体が携帯機器筐体に当接することで、装置全体で携帯機器との接触面積を確保して、本体部の安定した支持が可能であり、携帯機器に対する本体部のがたつきを抑え、本体部を通じた携帯機器での撮像を正確に行える。この他、カメラ部全体が一様な平坦形状となる中、保護カバー又は対物レンズが突出部より小さい形状である場合には、突出部の先端が保護カバー又は対物レンズの周囲の筐体表面に当接することになるが、この場合でも当接体と突出部との配置関係調整により当接体を携帯機器筐体に当接させて、装置全体で携帯機器との接触面積を確保でき、当接部は携帯機器に対する本体部のがたつきを抑える機能を前記同様に発揮でき、本体部の安定に寄与することとなる。
【0010】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記本体部の突出部が、前記携帯機器のカメラに面する窓部を中心として円筒状に形成されると共に、円筒状部分の外周部に雄ねじを形成されてなり、
前記当接体は、雌ねじを有して前記突出部に螺合し、突出部に対し螺動して位置調整可能とされるものである。
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記本体部の突出部が、光学レンズの光軸を中心軸とする円筒状に形成されると共に、円筒外周部に雄ねじを形成されてなり、前記当接体は、雌ねじを有して前記突出部に螺合し、突出部に対し螺動して位置調整可能とされるものである。
【0011】
このように本発明の開示によれば、突出部の外周に雄ねじを形成し、当接体には雌ねじを形成して突出部と螺合させ、突出部に対し当接体を螺動させて位置調整可能とすることにより、当接体の突出部に対する光軸方向位置を微調整でき、突出部と当接体の位置関係を、適用する携帯機器に対応する正確なものとすることができると共に、当接体を突出部で支持して当接体の支持構造を簡略化でき、コスト低減が図れる。
【0012】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記当接体が、携帯機器筐体表面への当接面を有する略板状体に形成され、
前記本体部の表面には、前記当接体近傍部分の一部に、内側に向かう段差を設けて、
前記当接体外周部と前記本体部の表面との間に所定の空間を生じさせるものである。
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記当接体が、前記光学レンズの光軸と略直交する携帯機器筐体表面への当接面を有する略板状体で形成され、前記本体部の支持ケースにおける、当接体近傍部分の一部に段差を設けて、当接体の前方で当接体外周部と支持ケースとの間に所定の空間を生じさせるものである。
【0013】
このように本発明の開示によれば、本体部の当接体近傍部分に段差を設けて、当接体外周部とその前方の本体部との間に所定の空間が生じるようにして、当接体に指を接触させて指で当接体を操作するにあたって、本体部と指とが接触しにくくすることにより、当接体を指で直接操作して位置調整を行う場合に、当接体の操作が容易となり、操作性を向上させて、当接体の位置調整の精度を高められる。
【0014】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記本体部の支持ケースにおける、突出部の近傍部分が、周囲の他部分との間に段差を有する筒形状で、且つ後方から見て、当接体の外周部より小さく形成されるものである。
【0015】
このように本発明の開示によれば、本体部に当接体の外周より小さい筒形状部分を設けて、その周囲部分との間に段差を与え、当接体外周部とその前方の本体部との間を広く空けるようにして、当接体に指を接触させて指で当接体を操作するにあたって、本体部と指とが接触しにくくすることにより、当接体を指で直接操作して位置調整を行う場合に、当接体の操作が容易となり、操作性を向上させて、当接体の位置調整の精度を高められる。
【0016】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、後方から見た前記本体部の表面の外郭線が、前記当接体の外周部より外側に位置するように、前記本体部の表面が形成されているものである。
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記本体部における当接体及び突出部の各近傍部分を除く部位の形状が、後方から見た本体部の外郭線を、当接体の外周部より外側に位置させる形状として形成されるものである。
【0017】
このように本発明の開示によれば、本体部形状に伴い、当接体の近傍に空間が生じるようにする一方で、本体部の外郭線が当接体の外縁より外側に位置するようにしたことにより、当接体に指を接触させて指で当接体を直接操作する際の操作性(指と本体部との接触しにくさ)は変えずに、本体部の外郭線より内側の当接体が他のものと接触しにくくなり、非使用時の収納状態や持ち運び状態で当接体が嵩張らず、取扱い性に優れると共に、本体部を携帯機器に装着しての使用状態で、積極的な操作以外で誤って手指等が当接体に触れて当接体が動いてしまうことが起こりにくく、位置調整を経た当接体位置の精度を確保できる。
【0018】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記当接体の外周部が、周方向に複数の凹凸が配置される形状とされるものである。
【0019】
このように本発明の開示によれば、当接体の外周に複数の凹凸を形成し、いずれの凹凸もカメラ部側から見て本体部の筒形状部より外側に位置すると共に、本体部の外郭線より内側に位置することにより、当接体に指を接触させて指で当接体を直接操作する際に、当接体の凹凸に指をかけて当接体を動かすことができ、当接体から指が外れにくく、当接体を動かしやすいことに加え、操作の際の指と本体部との接触しにくさを確保して、当接体の操作性を向上させられる。
【0020】
また、本体部の外郭線より内側にある当接体が他のものと接触しにくいことで、非使用時の収納状態や持ち運び状態で当接体がかさばらず、取扱い性に優れると共に、本体部を携帯機器に装着しての使用状態で、積極的な操作以外で誤って手指等が当接体に触れて当接体が動いてしまうことが起こりにくく、位置調整を経た当接体位置の精度を確保できる。
【0021】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記当接体における少なくとも携帯機器のカメラのある面に対向する面の所定箇所に、変形、復元可能な弾性材を、携帯機器と接触可能に配設するものである。
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記当接体における少なくとも携帯機器のカメラ部のある面に対向する面の所定箇所に、携帯機器の筐体表面より軟質で且つ変形、復元可能な弾性材を、携帯機器と接触可能に配設するものである。
【0022】
このように本発明の開示によれば、当接体の機器筐体との接触部位に弾性材を配設して、弾性材を介して当接体と機器筐体とが接触するようにしておくことにより、当接体等の携帯機器との直接接触を防いで携帯機器の傷付き等損傷を防ぐと共に、当接体の弾性材が携帯機器の表面で弾性変形して表面になじみ、当接体と携帯機器間の隙間を生じさせず確実に密着状態とすることから、携帯機器への本体部の固定をずれなく安定したものとすることができ、撮像を適切に行える。
【0023】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記固定具が、前記本体部に一端部を連結され、他端部が携帯機器のカメラ部のある側とは反対側の面に接して、本体部と前記他端部との間に携帯機器を挟持する状態となって、本体部を携帯機器のカメラ部前方に保持する弾性部材とされてなるものである。
【0024】
このように本発明の開示によれば、本体部を携帯機器に固定する手段として弾性部材からなる固定具を設けて、固定具の弾性で固定具の他端部と本体部の間に携帯機器が略クリップ状に挟持される状態が得られるようにすることにより、簡略な構造ながら確実に本体部を携帯機器に固定状態とすることができ、取付操作も容易であり、また、固定具の弾性で携帯機器の機種ごとの厚さ寸法の違いを吸収しつつ、本体部を携帯機器に無理なく固定でき、使い勝手に優れる。
【0025】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記固定具の他端部に、固定具の他部分に対し位置調整可能とされる調整体が配設され、前記携帯機器のカメラ部のある側とは反対側の面に調整体を当接させるものである。
【0026】
このように本発明の開示によれば、固定具の携帯機器に接する他端部に位置調整可能な調整体を設け、固定具の調整体と本体部の間に携帯機器が挟持されるようにすることにより、調整体の位置調整で固定具他端部の携帯機器に対する接触の強さを調整でき、固定具の弾性と共に調整部の位置調整で、携帯機器の機種ごとの厚さ寸法の違いにより確実に対応でき、携帯機器の機種によらず、常に適切な保持力を得て本体部を携帯機器に確実に固定できる。
【0027】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記固定具の一端部と他端部との間の中間位置に、当接体の外周形状と複数箇所で一致する内周形状を有する環状部を配設するものである。
【0028】
このように本発明の開示によれば、固定具の中間位置に当接体の外周形状と内周形状が一部合う環状部を形成し、当接体操作の際など必要に応じて環状部と当接体外周とを係合可能とすることにより、本体部に対し当接体を動かす際に環状部を当接体外周に係合すれば、固定具を介して当接体に力を加えやすく、当接体を動かす操作が容易に行え、固着等が原因で指のみの操作では当接体を動かしにくいような場合に、固定具を一種の治具として補助的に用いて当接体の操作を無理なく行うことができ、操作性を向上させられる。加えて、環状部を当接体に係合させて操作補助に使用する時以外は通常の固定具として用いることができ、本体部とは別に持ち運んだり収納する必要もなく、紛失等も起こりにくく使い勝手の点でも優れる。
【0029】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記本体部の支持ケースが、前記光学レンズをレンズ光軸を中心として取り囲む筒状部を少なくとも有して、光学レンズを直接支持するバレル部と、当該バレル部の筒状部の外側に位置して、光学レンズに対し携帯機器側となる部位に光をレンズ光軸と平行に透過可能として配設される副支持部材と、前記バレル部及び副支持部材と係合一体化する主支持部材とを有し、前記副支持部材が、レンズ光軸とは異なる向きとなる外方に突出形成され、前記主支持部材の所定表面部位と所定間隔をなす突出片を有し、前記固定具の一端部が、副支持部材の突出片と主支持部材との間に挟持されて、本体部への取付一体化状態とされるものである。
【0030】
このように本発明の開示によれば、本体部をバレル部と副支持部材、主支持部材とで形成し、副支持部材の突出片と主支持部材との間に固定具の一端部を挟持して、固定具を本体部側に固定一体化状態とすることにより、固定具を用いて本体部を携帯機器に取り付ける際に、弾性変形する固定具の歪みが副支持部材に伝わったとしても、バレル部及びこれに支持される光学レンズに伝わりにくく、光学レンズの支持精度及び形状精度への悪影響を避けられ、弾性変形する固定具を使用してもコンバージョンレンズとしての光学的性能を確実に維持できる。
【0031】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記本体部の支持ケースが、前記光学レンズをレンズ光軸を中心として取り囲む筒状部を少なくとも有して、光学レンズを直接支持するバレル部と、当該バレル部の筒状部の外側に位置して、光学レンズに対し携帯機器側となる部位に光をレンズ光軸と平行に透過可能として配設される副支持部材と、前記バレル部及び副支持部材と係合一体化する主支持部材とを有し、前記突出部が、前記副支持部材の一部として、光学レンズの光軸と平行な向きに突出する円筒体として形成され、円筒外周部に雄ねじを形成されてなり、前記当接体は、雌ねじを有して前記突出部に螺合し、突出部に対し螺動して位置調整可能とされるものである。
【0032】
このように本発明の開示によれば、本体部の一部をなす副支持部材に携帯機器のカメラ部側への突出部を設け、この突出部の外周に設けた雄ねじ部に当接体の雌ねじを螺合させて、当接体を突出部上に位置調整可能に支持することにより、当接体を螺動させて突出部(及び携帯機器)に対し位置を調整する際に、当接体側から突出部に加わる歪みや衝撃などの力がバレル部及びこれに支持される光学レンズに伝わりにくく、光学レンズの支持精度及び形状精度への悪影響を避けられ、当接体の位置を調整してもコンバージョンレンズとしての光学的性能を確実に維持できる。
【0033】
また、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置は必要に応じて、前記当接体の厚みが、前記固定具が荷重を加わえられず当初形状を維持した状態における、固定具他端部と前記本体部の突出部との間に生じる隙間の大きさより大きくされるものである。
【0034】
このように本発明の開示によれば、当接体の厚さを、携帯機器に取付ける前の、荷重が加わえられず当初形状を維持した未変形状態の固定具他端部と本体部突出部との間の隙間より大きくし、固定具に力が加わえて変形させない限り、固定具他端部と本体部突出部との間の隙間を、突出部から取り外した当接体が通り抜けられないようにすることにより、携帯機器への取付け前に、当接体の操作を誤って突出部から当接体が外れてしまった場合でも、固定具他端部と本体部突出部との間の隙間を、この隙間より厚い当接体が抜け落ちてしまうことはなく、当接体の落下を未然に防いで紛失等の危険を排除できると共に、突出部から外れてもその近傍に留まる当接体を、突出部と係合した状態に容易に戻すことができ、当接体の位置調整の作業性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の正面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の背面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の右側面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の平面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の底面図である。
図7図2のA−A断面図である。
図8図2のB−B断面図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の正面視における携帯機器への取付状態説明図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の側面視における携帯機器への取付状態説明図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における突出部の携帯機器への当接状態説明図である。
図12】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における突出部の当接体からの相対突出量縮小状態説明図である。
図13】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における突出部の当接体からの相対突出量増大状態説明図である。
図14】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における肌側筒状部先端凸部の肌接触時の肌食い込み状態説明図である。
図15】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置に対する比較例としての肌側筒状部先端に凸部がない場合の肌食い込み状態説明図である。
図16】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の肌への当接直前状態説明図である。
図17】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の肌への当接状態説明図である。
図18】本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の肌当接時における肌側筒状部先端の周方向凹凸形状による肌変形緩和状態説明図である。
図19】本発明の第1の実施形態に係る他のコンバージョンレンズ装置の肌当接時における肌側筒状部先端の周方向凹凸形状による肌変形緩和状態説明図である。
図20】本発明の第1の実施形態に係る他のコンバージョンレンズ装置における当接体の携帯機器への当接状態説明図である。
図21】本発明の第2の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の右側面図である。
図22】本発明の第2の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における要部の背面図である。
図23図22のC−C断面図である。
図24】本発明の第2の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における当接体周囲への固定具環状部係合状態説明図である。
図25】本発明の第3の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の携帯機器への固定状態説明図である。
図26】本発明の第3の実施形態に係る他のコンバージョンレンズ装置の携帯機器への固定状態説明図である。
図27】本発明の第4の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置における携帯機器の厚さの違いに対応した固定具の調整体調整状態説明図である。
図28】本発明の第4の実施形態に係る他のコンバージョンレンズ装置における固定具の調整体調整状態説明図である。
図29】本発明の第5の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置の携帯機器への固定状態概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置を前記図1ないし図18に基づいて説明する。本実施形態においては、携帯機器としてのスマートフォンに対しコンバージョンレンズ装置を取り付けて用い、人の肌を撮像対象物として近接撮像を行う例について説明する。
【0037】
前記各図において本実施形態に係るコンバージョンレンズ装置1は、コンバージョンレンズをなす複数の光学レンズ11a、11b及びこの光学レンズを内蔵支持する支持ケース12を少なくとも有する本体部10と、この本体部10の携帯機器90側で本体部10に対し移動可能として配設される当接体17と、本体部10に一部を連結され、他の一部が携帯機器90に接して、本体部10を携帯機器90のカメラ部前方に保持する固定具18とを備える構成である。
【0038】
なお、本明細書中における前後の定義は、携帯機器に対しコンバージョンレンズ装置1の本体部10を配置する側で、且つ撮像対象物の存在する側が「前」であり、その逆、すなわちコンバージョンレンズ装置1の本体部10に対し携帯機器のある側が「後」である。
【0039】
前記携帯機器90は、タッチパネル式の表示部を有して、表示部が入力デバイスを兼ね、アプリケーションプログラムを実行可能とされると共に、携帯電話網及び/又はデータ通信網と接続して通信する機能を有する、いわゆるスマートフォンである。具体的には、携帯機器90は、表示部の裏側における筐体91の所定箇所に開口部を設け、開口部にカメラ部92を組み込んだ構成である。
【0040】
カメラ部92の最外部には十分な強度の透明材製の保護カバー93が配設され、光を透過させつつカメラ部92の機構部分、具体的には、レンズやCMOSセンサなど撮像に必要な部品をコンパクトに一体化した汎用のカメラモジュール、を保護できる仕組みである。なお、カメラ部92としては、一般的なスマートフォンのようにカメラモジュールを組み込んで構成されるものに限られず、レンズ系とセンサ系を独立した部品として組み込み、最外部には堅牢な対物レンズが直接露出する構成としたものでもかまわない。
【0041】
前記本体部10は、コンバージョンレンズをなす二枚の光学レンズ11a、11bと、撮像対象物と携帯機器90のカメラ部92とにそれぞれ面してこれら光学レンズ11a、11bへの光路となる二つの窓部12a、12bを形成されつつ、光学レンズ11a、11bを内蔵支持する支持ケース12とを備える構成である。
【0042】
また、支持ケース12は、光学レンズ11a、11bをレンズ光軸を中心として取り囲む筒状部13aを有して、光学レンズ11a、11bを直接支持するバレル部13と、このバレル部13の筒状部13aの外側に係合して、光学レンズ11a、11bに対し携帯機器側となる部位に光をレンズ光軸と平行に透過可能として配設される副支持部材14と、撮像対象物に面する窓部12aを中心として光学レンズ11a、11bの光軸と平行な略筒状に形成される肌側筒状部15と、バレル部13及び副支持部材14と係合一体化すると共に、肌側筒状部15をレンズ光軸方向に所定範囲移動可能に支持する主支持部材16とを備える構成である。
【0043】
副支持部材14は、支持ケース12のうち、携帯機器90のカメラ部92に面する窓部12bを含み、携帯機器90寄りの部位に配設されるものである。副支持部材14における窓部12bの近傍部分は、窓部12bを中心として光学レンズ11a、11bの光軸と平行な向きに突出する略筒状の突出部14aとされる。詳細には、突出部14aは、光学レンズ11a、11bの光軸を中心軸とする円筒状に形成されると共に、円筒外周部に雄ねじを形成される構成である。この突出部14aの周囲に、当接体17が配設される。一方、突出部14aの先端はカメラ部92の前記保護カバー93に当接可能な大きさとされて、保護カバー93前面に配置される。
【0044】
この突出部14a先端には、環状の溝が穿設されており、この溝には、弾性変形可能で保護カバー93より軟らかい軟質材製の環状体14cが埋め込まれて配設される(図7参照)。携帯機器90にコンバージョンレンズ装置1が保持される状態で、突出部14aは携帯機器90の保護カバー93に当接することとなるが、当接の際はまず初めに環状体14cが保護カバー93表面に接し、この環状体14cが弾性変形することで突出部14aの先端他部分も保護カバー93に接する仕組みである。軟質材製の環状体14cが保護カバー93と接することで、突出部14aは保護カバー93からずれにくく、安定した接触状態を維持できる。なお、携帯機器90側との接触の安定を十分維持可能であれば、突出部14a先端のうち、環状体14cのみが保護カバー93に接触し、突出部14aの先端他部分は通常の状態では保護カバー93に接触しない構成としてもかまわない。この場合は、突出部14a先端の接触に伴って保護カバー93が傷付くのを確実に防止できる。
【0045】
また、副支持部材14は、レンズ光軸とは異なる向きとなる外方に突出形成され、主支持部材16の携帯機器90寄りとなる所定表面部位と所定間隔をなす突出片14bを有しており、この突出片14bと主支持部材16との間に前記固定具18の一端部が挟持されて、本体部10への取付一体化状態とされることとなる。
【0046】
支持ケース12内の光学レンズ11a、11bをバレル部13で支持し、このバレル部13の筒状部13aに係合する副支持部材14に、当接体17や固定具18からの力が加わるようにしていることで、当接体17や固定具18を動かしたり変形させたりしても、バレル部13やこれに支持される光学レンズ11a、11bに、直接力が加わることはなく、これらに歪みを生じさせず、撮像への影響を回避できる。
【0047】
前記主支持部材16は、支持ケース12のうち、バレル部13、副支持部材14、及び肌側筒状部15を除く大部分を占めるものであり、照明用のLEDやその制御回路、電源としての電池を内蔵する。また、主支持部材16は、バレル部13を光学レンズ11a、11bと共に内蔵する状態で取り付けられ、さらにバレル部13の後方(携帯機器90側)に副支持部材14を取り付けられることに加え、撮像対象物に面する側において、肌側筒状部15を一部内蔵する状態で取り付けられることで、支持ケース12として組み立てられることとなる。
【0048】
前記肌側筒状部15は、支持ケース12のうち窓部12aの近傍部分をなすものであり、窓部12aを中心として光学レンズ11a、11bの光軸と平行な略筒状体とされる構成である。詳細には、肌側筒状部15は、光学レンズ11a、11bの光軸を中心軸とする略円筒状に形成される内筒部15aと、この内筒部15aの先端外周部に取り付けられる、より径の大きい円筒状の外筒部15bとの組合せ構造とされる構成である。この肌側筒状部15は、外筒部15bの一部を外部に露出させつつ、主支持部材16の内部でレンズ光軸方向に所定範囲移動可能に支持され、また、内筒部15aに接したばね16bにより、外方に押される向きに付勢されており、常に露出する外筒部15bの先端が撮像対象物となる肌に接触可能とされる。
【0049】
肌側筒状部15の内筒部15aは、主支持部材16に内蔵されたスイッチ16cと接触しており、肌側筒状部15の移動は、スイッチ16cの開閉状態を切替え、これに基づいて、照明用LED16d、16eを発光させる制御が、スイッチ16c同様内蔵された制御回路16fで行われる仕組みである。
【0050】
撮像の際は、携帯機器90及びこれに固定したコンバージョンレンズ装置1を、撮像対象の肌に近付け、肌側筒状部15の外筒部15b先端を肌に付け、肌と光学レンズ11a、11bとの適切な位置関係を確定させた状態で肌の撮像を行うこととなる。外筒部15bの先端が肌に触れると、外筒部15bが肌から相対的に押される状態になることで、肌側筒状部15全体が移動し、スイッチ16cを作動させることとなる。
【0051】
主支持部材16の内側において、照明用のLED16d、16eは、肌側筒状部15の外筒部15b先端を接触させた状態の肌に光を照射可能で、且つ、撮像の際の肌からの光が肌側筒状部15内を経て後方の光学レンズ11a、11bに至る光路上に重ならない配置として配設される。具体的には、主支持部材16内側における肌側筒状部15の側方の、制御回路16fと同じ基板上に配設され、肌側筒状部15の内筒部15aに切り欠き形成された開口を通じて肌側に向け光を照射するものとなっている。
【0052】
照明用のLED16d、16eは、肌のキメ(肌理)を撮像するための照明用としての、発光色が暖色系の白色であるLED16dと、肌のシミを撮像するための照明用としての、発光色が白色であるLED16eの二種類があり、それぞれを一又は複数個配設されて用いられる。LED16d、16eからの光は、肌に直接照射しても、鏡面で反射して肌に照射するようにしてもよく、LED16d、16eの配置箇所に応じて光の照射の経路も適宜選定できる。
【0053】
肌側筒状部15の外筒部15b先端が肌に接し、肌側筒状部15が移動してスイッチ16cを作動させると、LEDも作動状態に移行する。具体的には、LEDは、外筒部15b先端が肌に接して、スイッチがON状態となっている間、制御回路により、二種類のLEDのうちLED16dのみ発光する期間と、LED16eのみ発光する期間を交互に切り替える状態を繰り返すこととなる。撮像が終了し、肌側筒状部15の外筒部15b先端が肌から離れ、肌側筒状部15もスイッチ16cから離れてスイッチ16cをOFF状態に移行させると、LEDの発光も完全に停止される。
【0054】
この他、肌側筒状部内の明るさを検知するセンサを設け、外筒部を肌に適切に当てて、肌側筒状部内に外光がほとんど入らなくなり、肌側筒状部内が暗くなった状態を、センサを用いて識別することで、外筒部を肌に付けた状態を制御部で把握し、LEDを発光させるようにすることもできる。
【0055】
こうしてセンサを用いたり、前記肌側筒状部15の移動でスイッチ16cを作動させる仕組みを用いて、LEDを発光させるようにすることで、本体部10の支持ケース12表面に、使用者がLED発光を指示操作するためのスイッチを露出状態で設けずに済むこととなり、支持ケース12を簡略でデザイン性に優れたものとすることができる。
【0056】
肌側筒状部15における外筒部15bの先端は、所定の肉厚を有する円筒端面部であるが、この端面部のうち外縁部分、すなわち円筒外周面寄り部分は、円筒軸方向に突出する凸部15cとなっており、さらにこの凸部15cは、円筒軸方向への突出高さを、円筒周方向において連続的且つ周期的に異ならせて、周方向に波状の凹凸、すなわち、複数の凹部分15dと凸部分15eが生じた形状となっている。
【0057】
このため、外筒部15bの先端を肌に付ける場合、端面部外縁の凸部15cが最初に肌に接して肌を押す状態(図14参照)となることで、外筒部先端の肌接触部位に囲まれる肌の領域を広くでき、仮に凸部15cが無い場合に、平面状の端面部内縁が最初に肌に接して(図15参照)、この肌接触部位に囲まれる肌の領域が狭いために、肌が外筒部15b内へ食い込みやすくなるのと比較して、肌の外筒部15b内への食い込み量(相対的な盛り上がり量)を抑え、外筒部15bの範囲に位置して実際に撮像される肌の曲率を小さくすることができる。また、凸部15cは、円筒周方向において突出高さの異なる凹凸形状をなすことから、肌への接触状態で、突出高さの低い凹部分15dで肌への圧力を逃がして、接触圧を分散することができ、接触に伴う肌の変形を外筒部15bの範囲全体としては緩和して、肌の曲率を小さくできる。こうして、肌をできるだけ起伏が少なく平坦に近い状態で撮像するようにして、肌の撮像画像を、肌表面の状態を判別しやすい適切なものとすることができる。なお、肌側筒状部15を付勢するばね16bの付勢力も、強すぎると、スイッチ16cを作動させるまで肌側筒状部15を肌に押し付けた段階で、ばねの反力により肌側筒状部15を肌に過度に押し付ける状態となり、肌の外筒部15b内への食い込み量が大きくなって、撮像される肌の曲率も増大してしまうことから、適度な付勢力に抑えたものとされる。
【0058】
前記当接体17は、本体部10の携帯機器側で本体部10に対し光学レンズ11a、11bの光軸と平行な向きに移動可能として配設され、携帯機器90におけるカメラ部92のある側の筐体91表面に当接可能なものである。より具体的には、当接体17は、光学レンズ11a、11bの光軸と直交する、携帯機器筐体91表面への当接面を有する略板状体で形成され、略板状体中心部に雌ねじを有して本体部10の突出部14aに螺合し、突出部14aに対し螺動して位置調整可能とされる構成である。そして、この当接体17の、本体部10の突出部14aに対する位置調整で、当接体17に対する突出部14aの相対突出量を調整することができる。
【0059】
この当接体17における携帯機器90側の表面には、環状の溝が穿設されており、この溝には、弾性変形可能で携帯機器筐体91より軟らかい軟質材製の環状体17aが埋め込まれて配設される(図7参照)。携帯機器90にコンバージョンレンズ装置1が保持される状態で、当接体17はカメラ部92のある側の携帯機器筐体91表面に当接することとなるが、当接の際はまず初めに環状体17aが筐体91表面に接し、この環状体17aが弾性変形することで当接体17の表面他部分も筐体91表面に接する仕組みである。軟質材製の環状体17aが筐体91表面と接することで、当接体17は筐体91表面からずれにくく、安定した接触状態を維持できる。なお、携帯機器90側との接触の安定を十分維持可能であれば、当接体17表面のうち、環状体17aのみが筐体91表面に接触し、当接体17の他部分は通常の状態では筐体91表面に接触しない構成としてもかまわない。この場合は、当接体17の接触に伴って筐体91表面が傷付くのを確実に防止できる。
【0060】
この他、当接体17表面の一部に環状体17aを埋込配設するのに代えて、当接体17の全体を、携帯機器筐体91より軟質で弾性変形可能な材質で形成するようにしてもよく、当接体17を携帯機器筐体91に当接させた場合に、当接体17が携帯機器筐体91からずれにくく、接触の安定性を高められると共に、当接に伴って携帯機器筐体91が傷付くのを防止できる。
【0061】
なお、この当接体17の前方となる、支持ケース12の主支持部材16における副支持部材14の周囲部分は、副支持部材14に対し段差d1のある形状として、副支持部材14より携帯機器側から離れた前方に位置する形状とされており、当接体17と主支持部材16との間は、当接体17と副支持部材14との間よりも大きく空いた状態となっている。当接体17を突出部14aに対し位置調整する際は、当接体17の外周部を指で操作することから、当接体17の外周部とその前方の支持ケース12の主支持部材16との間を大きく空けて、空間70が生じた状態としていることで、操作の際に当接体17以外に指がかかりにくく、当接体17の操作性に優れることとなる。
【0062】
前記固定具18は、本体部10に一部を連結され、他の一部が携帯機器のカメラ部のある側とは反対側の面に接して、本体部と共に携帯機器を挟持する状態となることで、本体部を携帯機器のカメラ部前方に保持するものである。
【0063】
詳細には、固定具18は、ばね性を有する細長い部材で形成され、全体的に湾曲して両端部同士が近付いた形状とされており、一端部を副支持部材14の突出片14bと主支持部材16との間に挟持されることで本体部10に一体に固定される一方、他端部は自由端とされる構成である。
【0064】
固定具18の他端部には、この他端部の携帯機器90表面に対する滑りを抑えると共に、接触時の衝撃を吸収したり、接触に伴う携帯機器90表面の傷付きを防止するクッション部18aが取り付けられる構成である。
【0065】
コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に固定する場合には、固定具18を弾性変形させてその他端部を本体部10側から離してから、固定具18の一端部を取り付けた本体部10と固定具18他端部との間に携帯機器90を位置させ、本体部10と固定具18他端部とが、より正確には本体部10の突出部14a及びその周囲の当接体17と、固定具18他端部のクッション部18aとが、クリップ状に携帯機器90を挟持するようにすることで、本装置を携帯機器90に着脱可能に固定できる仕組みである。
【0066】
こうして、固定具18の弾性で本体部10と固定具18の他端部との間に携帯機器90がクリップ状に挟持される状態が得られるようにすることで、固定具18は簡略な構造ながら確実に本体部10を携帯機器90に固定状態とすることができ、取付操作も容易であり、また、固定具18の弾性で携帯機器の機種ごとの厚さ寸法の違いを吸収しつつ、本体部10を携帯機器に無理なく固定でき、使い勝手に優れる。
【0067】
固定具18は、携帯機器90を挟持せず、荷重が加わえられず当初形状を維持した状態では、固定具他端部を本体部10の突出部14aに当接させているか、突出部14a先端近傍に位置させており、固定具18他端部と突出部14aとの間に隙間が生じる場合もあるが、この隙間は一般的な携帯機器の厚さより十分小さく、携帯機器を挟持する際の挟持力は問題なく発生させられる。また、この固定具18他端部と突出部14aとの間の隙間は、当接体17の厚さよりも小さいことから、当接体17が突出部14aから外れた場合でも、当接体17は隙間を通過することはできずに、固定具18他端部に引っ掛かって止まり、人為的に固定具18を変形させて隙間を大きく広げない限り当接体17が突出部14aから離れて落下することはなく、当接体17を突出部14aに対し過度に移動させて当接体17の落下を招くような事態を確実に防止できる。
【0068】
前記携帯機器90は、コンバージョンレンズ装置1の併用を前提とする肌撮像用のアプリケーションプログラムの実行により、コンバージョンレンズ装置1を固定された状態で、使用者による操作を受けて、肌の撮像を実行する機能を有する。
【0069】
具体的には、携帯機器90は、まず初めに、前記撮像用のプログラムの起動、実行の操作入力を使用者から受けて、プログラムを実行させる。このプログラムの実行状態で、使用者のコンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に取付け、固定する作業がなされることとなる。この時、必要に応じて、携帯機器90は撮像用プログラムに基づき、表示部においてコンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に取付ける手順を案内表示するようにしてもよい。そして、使用者は、説明書等から既に把握している使用方法に沿って、あるいは、携帯機器90の表示部に表示された案内表示に従って、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に取付け、固定した後、この固定したコンバージョンレンズ装置1を携帯機器90と共に肌に近付け、肌に肌側筒状部15の外筒部15bの先端を接触させる。
【0070】
この肌側筒状部15の外筒部15b先端を肌に接触させたことに伴い、コンバージョンレンズ装置1における制御回路16fが、照明用LED16d、16eの発光制御を実行し、肌のキメ撮像用の照明となるLED16dのみ発光する期間と、肌のシミ撮像用の照明となるLED16eのみ発光する期間を交互に切り替える状態を繰り返すようになっている。
【0071】
一方、携帯機器90は、前記撮像用のプログラムに基づき、表示部における表示領域の一部に、使用者の撮像指示操作用のスイッチとなる画像、例えば、ボタン状の撮像指示用スイッチの画像、の表示を行い、この表示に対する使用者からの操作入力を待つ状態となる。そして、使用者は、肌に肌側筒状部15の外筒部15bの先端を接触させた後、あらかじめ定められた手順に従い、携帯機器90に対し撮像指示の操作入力を行うこととなる。
【0072】
携帯機器90は、撮像指示の操作入力を受けると、これに対応する処理として、撮像用のプログラムに基づいて、コンバージョンレンズ装置1を介してカメラ部92による撮像を実行し、継続的に撮像画像情報を取得して、撮像画像に含まれる肌からの反射光を解析し、光の波長を検出する。携帯機器90では、撮像画像情報から光の波長を検出することにより、その時点でコンバージョンレンズ装置1におけるどちらのLEDが発光しているかを識別できる。そして、携帯機器90は、LED16dが発光している場合には、その発光期間の間に肌のキメの撮像画像を取得し、また、LED16eが発光している場合には、その発光期間の間に肌のシミの撮像画像を取得する処理をそれぞれ実行して、撮像用プログラムに基づく撮像を完了する。
【0073】
携帯機器90の表示部における表示は、携帯機器90の状況が使用者の操作入力で変わるごとに、その状況に対応した内容を表示するようになされる。このうち、使用者の携帯機器90やコンバージョンレンズ装置1の取り扱いに係る案内表示を行う場合の表示内容は、テキストや静止画、動画などで、状況に応じた操作の内容を解説して使用者が適切に操作できるよう案内するものとなる。例えば、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に固定した後の案内表示として、携帯機器90に固定されたコンバージョンレンズ装置1の肌側筒状部15先端を接触させる対象となる肌の具体的位置を、肌側筒状部15先端を接触させる対象位置の周囲所定範囲の肌部分、できれば目や鼻等の特徴部分を含む領域、を背景とした画像中に、丸囲みや矢印等の図形を用いて模式的に示すようにしてもよく、使用者にわかりやすく好ましい。
【0074】
次に、本実施形態に係るコンバージョンレンズ装置と携帯機器を用いた肌の撮像について説明する。前提として、あらかじめ携帯機器90に撮像用のプログラムが格納され、使用者の操作で携帯機器90上で起動、実行可能な状態となっているものとする。また、コンバージョンレンズ装置1が、十分な残容量の電池を内蔵して撮像に使用可能な状態にあるものとする。そして、前記撮像用プログラムは、携帯機器90にコンバージョンレンズ装置1を固定した状態であっても、使用者が問題なく携帯機器90上で入力操作を行えるインターフェースを提供可能であるものとする。
【0075】
まず、使用者は、携帯機器90を操作して、撮像用のプログラムを起動させ実行状態とした上で、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に取付固定する。詳細には、使用者は、コンバージョンレンズ装置1の固定具18を変形させて、本体部10の突出部14a及び当接体17と、固定具18他端部との間隔を広げ、携帯機器90の厚さを上回る状態としてから、携帯機器90を本体部10の突出部14a及び当接体17と、固定具18他端部とで挟持するようにして、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に固定する。
【0076】
この固定を経ても、本体部10の突出部14aが携帯機器90の保護カバー93に当接し、且つ、当接体17が携帯機器90の筐体91表面に当接する状態が得られていない場合は、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90から一旦外すか、本体部10及び当接体17に対し携帯機器90を固定具18他端部側に押してずらし、突出部14aに対し当接体17を螺動させて位置調整できる状態としてから、携帯機器90の保護カバー93と筐体91表面との位置関係に対応するように、当接体17を指で操作して突出部14aに対し螺動させ、当接体17に対する突出部14aの相対突出量を調整し、最終的に突出部14a先端を携帯機器90の保護カバー93に当接させ、当接体17も携帯機器90の筐体91表面に当接させる。
【0077】
当接体17に対し突出部14aの相対突出量を調整できることから、携帯機器のカメラ部92、詳細には保護カバー93の位置が、携帯機器筐体91表面に対し凹状に奥まった位置となっていたり、逆に保護カバー93位置が筐体91表面より突出した位置となっている場合でも、当接体17に対し突出部14aが突出する状態や、当接体17に対し突出部14aが奥まった位置にある状態にそれぞれ調整して対応させることができる。こうして、突出部14aを保護カバー93に当接させてカメラ部92と光学レンズ11a、11bの位置関係を適切にする状態と、当接体17を携帯機器筐体91表面に当接させて、本体部10を携帯機器90に対しずれなく安定保持する状態の両方を達成できる。
【0078】
なお、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90に取付けた状態が適切な位置からずれている場合は、その状況を携帯機器90のカメラ部92で撮像した場合、撮像画像の状態、例えば撮像画像中における突出部14aの画像部分の占める大きさやその位置など、にも、ずれの影響が表れることとなる。このため、コンバージョンレンズ装置1の取付け前から、携帯機器90で実行させている撮像用プログラムに基づいて、取付け、固定作業の最中もカメラ部92に継続的に撮像を行わせるようにし、携帯機器90で取付中の撮像画像に基づいた画像処理及び適切な状態との比較対照を実行し、適切でない状態を識別して、携帯機器90から使用者へ警告、案内するようにしてもよい。
【0079】
続いて、肌の撮像過程について説明する。使用者は、コンバージョンレンズ装置1を固定した携帯機器90を撮像対象物である肌に近付け、本体部10における肌側筒状部15の外筒部15b先端を肌に当接させる。外筒部15bの先端を肌に押し当てるのに伴い、外筒部15bが肌から相対的に押される状態になり、肌側筒状部15全体が後方に移動し、スイッチ16cを作動させる。
【0080】
肌側筒状部15の移動で作動したスイッチ16cでは、開閉状態が切り替わってONとなり、これに基づいて、制御回路16fが照明用LED16d、16eを発光させる制御を実行し、肌のキメ撮像用の照明となるLED16dのみ発光する期間と、肌のシミ撮像用の照明となるLED16eのみ発光する期間を交互に切り替える状態を繰り返していく。
【0081】
一方、撮像用のプログラムを実行している携帯機器90では、入力デバイスを兼ねる表示部に撮像指示用のスイッチ画像が表示されている。使用者が肌側筒状部15の外筒部15b先端を肌に当接させた後、携帯機器90に対し撮像指示の操作入力を行うと、携帯機器90では、カメラ部92による撮像を実行し、継続的に撮像画像を取得して、撮像画像に含まれる肌からの反射光を解析して、得られた光の波長からいずれのLEDが発光しているかを識別する状態となる。
【0082】
そして、携帯機器90は、まず発光色が暖色系白色であるLED16dの光の波長を検出して、このLED16dが発光状態にあることを識別すると、このLED16dの発光期間において、適切なタイミングで撮像画像を取得し、肌のキメの撮像画像として記録保存する。さらに、携帯機器90では、発光色が白色であるLED16eの光の波長を検出して、このLED16eが発光状態にあることを識別すると、このLED16eの発光期間において、適切なタイミングで撮像画像を取得し、肌のシミの撮像画像として記録保存する。なお、携帯機器90で、LED16dの発光状態識別、肌のキメの撮像画像の取得の後に、LED16eの発光状態識別、肌のシミの撮像画像の取得、を行うようにしているが、これに限られるものではなく、逆に、発光色が白色であるLED16eの発光状態識別、肌のシミの撮像画像の取得を先に行い、その後、発光色が暖色系白色であるLED16dの発光状態識別、肌のキメの撮像画像の取得、を行うようにしてもかまわない。
【0083】
肌側筒状部15における外筒部15bの先端を肌に押し付けて撮像を行う中、外筒部15bの先端における端面外縁部分を凸部15cとしていることで、凸部15cと接触する肌部位に囲まれる肌の領域が広く、肌の外筒部15b内への食い込み量を抑えられ、外筒部15bの範囲に位置して実際に撮像される肌の曲率を小さくできる。加えて、凸部15cは、その突出高さを円筒周方向において連続的且つ周期的に異ならせて、周方向に波状の凹凸形状を付与したものとなっていることから、肌に接触する凸部15cのうち、突出高さの低い凹部分15dで肌への圧力を逃がして、接触圧を分散することができ、接触に伴う肌の変形を外筒部15bの範囲全体として緩和できる。これにより、撮像の際に外筒部15bの先端を肌に押し付けても、肌の盛り上がりを抑え、肌をできるだけ起伏が少なく平坦に近い状態で撮像可能であり、得られた肌の撮像画像を、肌表面状態の判別性に優れたものとすることができ、肌の状態を正確に判断して美容等に活用できることとなる。
【0084】
また、突出部14aや当接体17がそれぞれ携帯機器90の所定部位に当接し、コンバージョンレンズ装置1が携帯機器90に安定的に固定されていることで、この撮像の際に本体部10を押し付けて当接させている肌から、本体部10に相対的に力が加わっても、携帯機器90に対する本体部10のがたつきは確実に抑えられることとなり、本体部10を介した肌の撮像を正確に実行できる。
【0085】
携帯機器90で、肌のキメの撮像画像と、肌のシミの撮像画像がそれぞれ適切に取得され保存されたら、携帯機器90は、シャッター音やその他の音声出力、振動等で、使用者に対し撮像が問題なく終了したことを報知する。これを受けた使用者が、携帯機器90を動かして肌側筒状部15の外筒部15b先端を肌から離すと、外筒部15bが肌から相対的に押される状態が解除されて、肌側筒状部15全体が前方に戻り、肌側筒状部15はスイッチ16cから離れてスイッチ16cをOFF状態に移行させる。スイッチ16cがOFFとなることで、制御回路16fは、LED16d、16eの発光を完全に停止させる。
【0086】
この後、携帯機器90において、必要に応じて、撮像用のプログラムの機能によりキメやシミの撮像画像が外部のサーバーに送信される処理等を経て、撮像用のプログラムを終了しても問題ない状況に至ったら、使用者は携帯機器90を操作して撮像用のプログラムを終了させる。さらに、使用者は、コンバージョンレンズ装置の固定具18を変形させて、本体部10の突出部14a及び当接体17と、固定具18他端部との間隔を広げ、携帯機器90を無理なく動かせる状態としてから、携帯機器90とコンバージョンレンズ装置1とを引き離し、コンバージョンレンズ装置1を携帯機器90から完全に取り外せば、撮像に係る作業は終了となる。
【0087】
このように、本実施形態に係るコンバージョンレンズ装置は、コンバージョン用の光学レンズ11a、11bを有して携帯機器90のカメラ部92前側に取付けられる本体部10の携帯機器側に、突出部14aが光学レンズ11a、11bとの位置関係を固定として突出形成されると共に、本体部10に対し位置調整可能として当接体17が配設され、当接体17の位置調整で当接体17に対する突出部14aの相対突出量を調整可能とし、突出部14a周囲の当接体17を、突出部14aの先端がカメラ部92の保護カバー93に当接する状態で、携帯機器筐体91表面に当接するよう位置調整できることから、携帯機器90のカメラ部92の保護カバー93が携帯機器筐体91面に対し凹んだ位置又は突出した位置となっていても、筐体91面に接触する当接体17と突出部14aとの配置関係を調整して、突出部14aを保護カバー93に確実に当接させて、突出部14aに対し固定された位置にある光学レンズ11a、11bとカメラ部92との位置関係を正しく設定でき、様々なカメラ部を有する携帯機器のいずれに対してもコンバージョンレンズとして適切な使用が可能となる。
【0088】
また、当接体17が携帯機器筐体91に当接することで、装置全体で携帯機器90との接触面積を確保して、本体部10の安定した支持が可能であり、携帯機器90に対する本体部10のがたつきを抑え、本体部10を通じた携帯機器90での撮像を正確に行える。
【0089】
なお、前記実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、カメラ付きの携帯機器90をスマートフォンとしているが、これに限られるものではなく、携帯機器としてはカメラ付きの携帯電話などの公知の装置でもよい。さらに、携帯機器としては、前記スマートフォン等の、携帯電話網及び/又はデータ通信網と接続して通信する機能を有する携帯通信端末に限らず、カメラや表示機能を備えた携帯型の装置、例えば、携帯型ゲーム機、タブレット型端末、PDA(携帯情報端末)等を用いてもかまわない。
【0090】
また、前記実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、本体部10の支持ケース12は、複数の部材の組み合わせで形成する構成としているが、これに限らず、支持ケースをなす複数の部材、例えば、主支持部材と副支持部材を、一体成形した一部材として用いるようにしてもかまわない。
【0091】
また、前記実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、当接体17は、突出部14aに螺合する中心部分から外周部までほぼ一様な平板状に形成されて、携帯機器筐体91表面に当接可能とされる構成であるが、これに限らず、図20に示すように、当接体17を、突出部14aへの取付状態で、突出部14a近傍の中心部分がその周囲の他部分に対し相対的に前側に位置して、当接体中心部分と他部分との間に段差がある形状として形成する構成とすることもできる。この場合、携帯機器90が、そのカメラ部92を周囲の筐体91表面から凸状に突出させて、カメラ部92の厚さを周囲部分より厚くした形状であっても、当接体17の外周寄り部分がカメラ部92の影響を受けることなく確実に周囲の筐体91表面に当接することができ、前記実施形態同様に本体部10の支持を安定化できる。
【0092】
これと合わせて、突出部14aを十分な長さとして形成していることで、携帯機器のカメラ部92、詳細には保護カバーや対物レンズの位置が、携帯機器筐体91表面に揃う位置となっていたり、さらに筐体91表面に対し凹状に奥まった位置となっている場合でも、当接体17の当接面に突出部14a先端位置が一致する状態や、当接体17に対し突出部14aが相対的に突出する状態に、当接体17をそれぞれ調整して対応させることができる。
【0093】
また、前記実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、本体部10の支持ケース12における撮像対象物に面する側の、肌側筒状部15における外筒部15bの先端形状については、端面部外縁に凸部15cを設け、且つ凸部15cを円筒周方向に波状の凹凸が生じた形状とする構成としているが、これに限られるものではなく、端面部外縁の凸部が突出高さを円筒周方向で一様にされる構成とすることもできる。この場合、前記実施形態同様、外筒部15bの先端を肌に付ける際に、前記同様、凸部が最初に肌に接して肌を押す状態となることで、外筒部先端の肌接触部位に囲まれる肌の領域を広くできる(図14参照)ことに加え、凸部が一様に肌に接することで、外筒部先端と肌との間に隙間が生じず、この隙間からの外光の影響を無くして、外筒部15bの範囲に位置する肌に影等を生じさせず明瞭に撮像できる。この他、外筒部15bの端面部外縁のみでなく、端面部の全体にわたって、円筒周方向に波状の凹凸が生じた形状に形成する構成とすることもでき、前記凸部15cのある場合と同様、周方向において凹凸形状をなすことから、肌への接触状態で、凹部分15fにより肌への圧力を逃がして、接触圧を分散でき、接触に伴う肌の変形を外筒部15bの範囲全体としては緩和して、肌の曲率を小さくすることができる(図19参照)。
【0094】
また、前記実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、撮像の際に肌側筒状部15の外筒部15b先端を撮像対象物である肌に接触させると、肌から相対的に押される状態となった肌側筒状部15全体が移動し、スイッチ16cの接点開閉状態が切り替わることで、制御回路16fが照明用LED16d、16eを発光させる制御を行う仕組みとなっており、撮像時に照明用LED16d、16eを発光させるに際して、使用者の事前の発光に係る操作を必要としない構成としているが、これに限らず、肌側筒状部15先端を使用者が指で押す操作に基づいて、制御回路16fが照明用LED16d、16eを発光させる構成とすることもできる。すなわち、肌側筒状部15が操作部としても用いられ、使用者が肌側筒状部15を押すと、肌側筒状部15が移動して、その内筒部15aと接触するスイッチ16cの接点開閉状態を変化させ、これを受けて、制御回路16fでの照明用LED16d、16eの所定の発光制御が実行されるようにすることもできる。
【0095】
この場合、例えば、指で肌側筒状部を一回押して操作すると、スイッチの接点開閉状態が一時的に変わり、これを検知した制御回路により、LED16d、16eが作動状態に移行し、所定時間(例えば5分)作動状態が継続された後、元の非作動状態に戻ることとなる。作動状態では、前記実施形態同様、二種類のLED16d、16eのうち一方のみ発光する期間と、他方のみ発光する期間を交互に切り替えていく。所定時間が経過する前に再び指で肌側筒状部15を押す操作がなされると、制御回路16fにより、作動状態のLED16d、16eは直ちに発光を停止して、非作動状態に戻る。なお、指で肌側筒状部15を押す操作としては、単純な押し操作ではなく、所定時間(例えば、約0.5秒以上)押し続ける、いわゆる長押し操作を必要とするように設定すれば、非作動状態で、使用者が意識して操作する時以外で肌側筒状部15に何かが接触した際に、誤ってLEDが発光する作動状態となるのを防止できる。また、作動状態のLEDの発光を停止させる操作について、前記作動状態への移行の場合より長い所定時間(例えば、約1秒以上)押し続ける長押し操作を必要とするように設定すれば、肌側筒状部15が肌に接していて、誤ってスイッチの状態変化が起こる可能性も高い撮像中の状況で、作動状態を変化させる操作条件をより厳しくすることで、撮像中に誤ってLEDが発光停止となることを確実に防止できることとなる。
【0096】
このような照明用LED16d、16eの発光に係り、使用者が肌側筒状部15先端を指で押して操作する際においては、肌側筒状部15を押す指の腹が肌側筒状部15の内側にはまり込み、肌側筒状部15に対し位置ずれが生じにくい状態で操作を行えることとなり、肌側筒状部15を押す動作によるスイッチ16cの操作を誤りなく確実に実行させられる。
【0097】
また、肌側筒状部15先端の端面部のうち円筒外周面寄り部分は、突出する凸部15cとなっているため、肌側筒状部15の先端を指で押して操作する際、凸部15c表面にも指が接触できる分、指の肌側筒状部15先端との接触面積を大きくすることができ、指で肌側筒状部15を押す際に指に相対的に加わる反力を分散させ、指に力が集中するのに伴う痛みを抑えられる。さらに、凸部15cは、円筒軸方向への突出高さを、円筒周方向において連続的且つ周期的に異ならせて、周方向に波状の凹凸が生じた形状となっているため、肌側筒状部15の先端を指で押して操作する際、凸部15cの周方向の凹凸各部に接触する指は肌側筒状部15から極めてずれにくい状態にあり、指で肌側筒状部15を押す操作を無理なく適切に行える。
【0098】
肌側筒状部15は、前記実施形態同様、ばね16bで外方へ向けて付勢された状態で支持されているが、指で肌側筒状部15を押してスイッチ16cを操作した後、肌に肌側筒状部15を接触させて撮像を行う中、正しい撮像状態ではばね16bの変形はほとんど生じず、肌側筒状部15は支持ケース12の他部分に対して移動しない仕組みである。この際、肌に肌側筒状部15を強く押し付けたとしても、その分、肌側筒状部15が付勢力に抗して移動することから、肌側筒状部15の肌への食い込みを抑えて肌の痛みを緩和でき、また、肌への肌側筒状部15の押し付けが過剰であることを使用者が認識でき、使用者は肌に肌側筒状部15を適切な力で接触させる状態を維持しやすい。なお、この場合の肌側筒状部15を付勢するばね16bの付勢力は、前記実施形態のように肌側筒状部15を肌に押し付けることで肌側筒状部15を相対移動させ、スイッチ16cを作動させる例と比較して、撮像結果への直接的な影響がないことから、指で押した際に確実な操作感を得るために、ばねの付勢力をより強く設定することもできる。
【0099】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置を前記図21ないし図24に基づいて説明する。
【0100】
前記各図において本実施形態に係るコンバージョンレンズ装置2は、前記第1の実施形態同様、本体部20と、当接体27と、固定具28とを備える構成とされる一方、異なる点として、本体部20の支持ケース22のうち撮像対象物に面する側の肌側筒状部25が後方に延長され、その内周側にバレル部23が係合すると共に、外周側に副支持部材24が係合する構造とされ、また、当接体27が外周部を複数の凹凸が配置される形状とされ、さらに、固定部28の中間部分に当接体27と係合可能な環状部28dが設けられる構成を有するものである。
なお、コンバージョンレンズ装置2を適用する携帯機器90の構成や内部処理については、前記第1の実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0101】
前記本体部20は、前記第1の実施形態同様、二枚の光学レンズ21a、21bと、支持ケース22とを備える構成である。このうち、支持ケース22は、前記第1の実施形態同様、バレル部23と、副支持部材24と、肌側筒状部25と、主支持部材26とを備える構成とされる一方、異なる点として、支持ケース22をなす肌側筒状部25の内周側にバレル部23が係合し、また、肌側筒状部25の外周側には副支持部材24が係合する構成を有するものである。
【0102】
詳細には、肌側筒状部25が、支持ケース22の撮像対象物に面する窓部22aから携帯機器90のカメラ部92に面する窓部22bまでほぼ達する長さの略筒状体として形成され、主支持部材26内で固定配設される構成とされることに加え、バレル部23が、光学レンズ21a、21bを取り囲む筒状部のみからなる簡略な形状とされて、肌側筒状部25の窓部22b側の端部における内周部分に係合して配設される。また、副支持部材24が、肌側筒状部25の窓部22b側の端部における外周部分に係合して、バレル部23との位置関係を固定とされて配設される。
【0103】
副支持部材24は、支持ケース22のうち、携帯機器90のカメラ部92に面する窓部22bを含み、携帯機器90寄りの部位に配設され、副支持部材24における窓部22bの近傍部分は、窓部22bを中心として光学レンズ21a、21bの光軸と平行な向きに突出する略筒状の突出部24aとされる。
【0104】
突出部24aは、前記第1の実施形態同様、光学レンズ21a、21bの光軸を中心軸とする円筒状に形成されると共に、円筒外周部に雄ねじを形成される構成である。そして、突出部24aの先端はカメラ部92の前記保護カバー93に当接可能な大きさとされて、保護カバー93前面に配置される。この突出部24aの周囲に、当接体27が配設される。
【0105】
また、副支持部材24は、前記第1の実施形態同様、レンズ光軸とは異なる向きとなる外方に突出形成され、主支持部材26の携帯機器90寄りとなる所定表面部位と所定間隔をなす突出片24bを有しており、この突出片24bと主支持部材26との間に前記固定具28の一端部が挟持されて、本体部20への取付一体化状態とされることとなる。
【0106】
支持ケース22内の光学レンズ21a、21bをバレル部23で支持し、このバレル部23外周に係合する肌側筒状部25のさらに外側に位置する副支持部材24に、当接体27や固定具28からの力が加わるようにしていることで、前記第1の実施形態の場合と同様、当接体27や固定具28を動かしたり変形させたりしても、バレル部23やこれに支持される光学レンズ21a、21bに、直接力が加わらず、これらに歪みを生じさせることはない。
【0107】
前記肌側筒状部25は、前記第1の実施形態同様、支持ケース22のうち窓部22aの近傍部分をなすものであり、光学レンズ21a、21bの光軸と平行な略筒状体として形成される構成とされる一方、異なる点として、携帯機器90のカメラ部92に面する窓部22bまで延長配設される単体の円筒状体とされ、主支持部材26内で固定配設されて移動しない構成を有するものである。
【0108】
この肌側筒状部25をなす円筒状体は、光学レンズ21a、21bの光軸を中心軸として形成され、撮像対象物に面する窓部22a側の先端を外部に露出させ、この先端を撮像対象物となる肌に接触可能とされる。
【0109】
前記主支持部材26は、前記第1の実施形態同様、支持ケース22のうち、バレル部23、副支持部材24、及び肌側筒状部25を除く大部分を占めるものであり、照明用のLEDやその制御回路、電源としての電池を内蔵する。そして、主支持部材26は、光学レンズ21a、21bを支えるバレル部23を肌側筒状部25内に収めた状態で取り付けられ、さらに肌側筒状部25の後部(携帯機器90側)に副支持部材24を取り付けられることで、支持ケース22として組み立てられることとなる。
【0110】
主支持部材26には、スイッチ26cが使用者により操作可能として設けられており、使用者がスイッチ26cを操作するごとに、主支持部材26に内蔵されて照明用LED26d、26eの発光を制御する制御回路26fが、LED26d、26eを切り替えつつ発光させる作動状態と一切発光させない非作動状態とを切り替える仕組みである。
【0111】
撮像の際は、携帯機器90及びこれに固定したコンバージョンレンズ装置2を、撮像対象の肌に近付け、肌側筒状部25先端を肌に付け、肌と光学レンズ21a、21bとの適切な位置関係を確定させた状態で肌の撮像を行うこととなる。肌側筒状部25の先端が肌に触れたら、使用者がスイッチ26cを操作して、LED26d、26eを作動状態に移行させることとなる。
【0112】
主支持部材26の内側において、照明用のLED26d、26eは、肌側筒状部25先端を接触させた状態の肌に光を照射可能となるように、主支持部材26内側における肌側筒状部25の側方に配設される。これらLED26d、26eは、肌側筒状部25に切り欠き形成された開口を通じて、肌側筒状部25を挟んで対向する位置に設けられる鏡体26gに向け光を照射し、鏡体26gで反射した光を肌側筒状部25の先端側に向かわせる仕組みである。
【0113】
照明用のLED26d、26eは、前記第1の実施形態同様、肌のキメ(肌理)を撮像するための照明用としての、発光色が暖色系の白色であるLED26dと、肌のシミを撮像するための照明用としての、発光色が白色であるLED26eの二種類があり、それぞれを一又は複数個配設されて用いられる。
【0114】
肌側筒状部25の先端が肌に接した際に、使用者が指でスイッチ26cを一回操作すると、制御回路26fにより、LEDが作動状態に移行し、所定時間(例えば5分)作動状態を継続した後、元の非作動状態に戻ってLEDの発光を完全に停止させるように制御される。作動状態では、二種類のLEDのうちLED26dのみ発光する期間と、LED26eのみ発光する期間を交互に切り替える状態を繰り返すこととなる。所定時間が経過する前に使用者が再びスイッチ26cを操作すると、制御回路26fにより、作動状態のLEDは直ちに発光を停止して、非作動状態に戻る。
【0115】
前記当接体27は、前記第1の実施形態同様、光学レンズ21a、21bの光軸と直交する面、すなわち、携帯機器90におけるカメラ部92のある側の筐体91表面への当接面、を有する略板状体で形成され、略板状体中心部に雌ねじを有して本体部20の突出部24aに螺合し、突出部24aに対し螺動して、本体部20に対し光学レンズ21a、21bの光軸と平行な向きに移動可能な構成とされる一方、異なる点として、当接体27の外周部が、周方向に複数の凹凸が配置される略花弁形状とされる構成を有するものである。この突出体27は、前記第1の実施形態同様、当接体27の突出部24aに対する位置調整で、当接体27に対する突出部24aの相対突出量を調整することができる。
【0116】
当接体27における携帯機器筐体91表面への当接面には、弾性変形可能で携帯機器筐体91より軟らかい軟質材27a、例えば、ゴム、エラストマー、フェルト、ゲルシートなど、が携帯機器筐体91と接触可能に取り付けられる一方、当接体27のこの軟質材21以外の部分は携帯機器筐体91と接しない形状とされる。これにより、当接体27を携帯機器筐体91に当接させた場合に、当接体27が携帯機器筐体91からずれにくくなるなど、接触の安定性を高められると共に、当接に伴って携帯機器筐体91が傷付くのを確実に防止できる。この当接体27の当接面における軟質材は、シート状のものを当接体表面への貼付けにより取り付ける以外に、当接体27の当接面側に穿設した複数の穴、又は貫通孔に、それぞれ軟質材の小片を外れないように埋め込み、又は通して、携帯機器筐体91と接触可能に配設するようにしてもよい。
【0117】
なお、この当接体27前方の、支持ケース22の副支持部材24における突出部24aの前側近傍部分は、周囲の他部分、すなわち主支持部材26との間に段差d2を有する筒形状で、且つ後方、すなわち携帯機器90のカメラ部92側から見て、当接体27の凹凸のある外周部より小さく形成される。また、支持ケース22の主支持部材26における当接体27前方に位置する部分は、副支持部材24の前記筒形状部分に対し段差d2の分、携帯機器側から離れた前方に位置する形状とされており、当接体27と主支持部材26との間は、当接体27と副支持部材24との間よりも大きく空いた状態となっている。
【0118】
当接体27を突出部24aに対し位置調整する際は、当接体27の外周部を指で操作することから、当接体27の外周部とその前方の支持ケース22の主支持部材26との間を大きく空け、且つ副支持部材24の筒形状部分をより内周側に位置させて、空間71が生じた状態としていることで、操作の際に当接体27以外の副支持部材24や主支持部材26に指がかかりにくく、当接体27の操作性に優れることとなる。加えて、当接体27の外周部に凹凸を設けていることで、当接体27に指を接触させて指で当接体27を直接操作する際に、当接体27の凹凸に指をかけて当接体27を動かすことができ、当接体27から指が外れにくく、当接体27を動かしやすい。
【0119】
一方、当接体27前方の、支持ケース22における当接体27及び突出部24aの各近傍部分を除く、より前方にある主支持部材26の形状は、その後方から見た主支持部材26の外郭線、すなわち、携帯機器90のカメラ部92側から見た主支持部材26の外郭線を、当接体27の外周部より外側に位置させる形状として形成される構成である。これにより、支持ケース22の外郭線より内側の当接体27が、他の物体と接触しにくく、非使用時の収納状態や持ち運び状態で当接体27が嵩張らず、取扱い性に優れると共に、本体部20を携帯機器90に固定しての使用状態で、積極的な操作以外で誤って手指等が当接体27に触れて当接体27が動いてしまうことも起こりにくく、位置調整を経た当接体27位置の精度を確保できる。
【0120】
前記固定具28は、前記第1の実施形態同様、ばね性を有する細長い部材で形成され、全体的に湾曲して両端部同士が近付いた形状とされており、一端部を副支持部材24の突出片24bと主支持部材26との間に挟持されることで本体部20に一体に固定される構成とされる一方、異なる点として、固定具28の他端部に、この固定具28の他端近傍の他部分に対し位置調整可能とされる調整体28cを備えて、この調整体28cを携帯機器90のカメラ部92のある側とは反対側の面に当接可能とすると共に、固定具28の一端部と他端部との間の中間位置には、当接体27の外周形状と複数箇所で一致する内周形状を有する環状部28dを設ける構成を有するものである。
【0121】
前記調整体28cは、固定具28の他部分とは別体の弾性材製とされて、固定具28の他端近傍の所定箇所に回転可能に配設され、この回転の中心位置に対し突出寸法のそれぞれ異なる突出部分を複数有する構成である。調整体28cを固定具の他部分に対し回転させて、携帯機器90のカメラ部92のある側とは反対側の面に当接する突出部分を選択的に替えることで、本体部20と固定具28他端部との間に携帯機器90を挟持する際の挟持力を、突出部分の突出量の差に基づく複数段階に調整できる仕組みである。
【0122】
挟持力を強めたい場合は、突出量の大きい突出部分が携帯機器90に当接するようにし、逆に弱めたい場合は、突出量の小さい突出部分が携帯機器90に当接するようにする。例えば、携帯機器が比較的薄いもので、固定具による挟持力を得にくい場合には、突出量の大きい突出部分が携帯機器90に当接するように調整体28cを回転調整して、本体部20の保持に十分な挟持力を得られるようにする。また、携帯機器が比較的厚いもので、固定具による挟持力が強めに生じやすい場合には、突出量の小さい突出部分が携帯機器90に当接するように調整体28cを回転調整して、携帯機器に過剰な力が加わらないようにする。
【0123】
この調整体28cも、弾性材製であることから、固定具28他端部の携帯機器90表面に対する滑りを抑えると共に、接触時の衝撃を吸収したり、接触に伴う携帯機器90表面の傷付きを防止することができる。
【0124】
コンバージョンレンズ装置2を携帯機器90に固定する場合には、固定具28を弾性変形させてその他端部の調整体28cを本体部10側から離してから、固定具28の一端部を取り付けた本体部20と他端部の調整体28cとの間に携帯機器90を位置させ、本体部20と固定具28他端部とが、より正確には本体部20の突出部24a及びその周囲の当接体27と、固定具28他端部の調整体28cとが、クリップ状に携帯機器90を挟持するようにすることで、本装置を携帯機器90に着脱可能に固定できる仕組みである。そして、必要に応じて、調整体28cを回転調整して、携帯機器90を挟持する力が適切なものとなるようにし、固定を確実で且つ無理のない安全な状態にすることとなる。
【0125】
固定具28の中間位置の環状部28dは、その内周形状が、当接体27外周の凹凸形状と複数箇所で合うように形成されており、環状部28d内周と当接体27外周とを係合させると、当接体27と環状部28dを突出部24aに対し一体に螺動させることができる。そして、螺動の中心に対し当接体27外周部より外側に位置する、環状部28dをはじめとする固定具28を操作すれば、当接体27を直接操作する場合より、強い力で当接体27を螺動させることができる。
【0126】
このため、突出部24aへの固着等が原因で指のみの操作では当接体27を動かしにくいような場合に、固定具28を一旦本体部20側から取り外し、環状部28dを当接体27外周に係合させ、固定具28を握るなどして当接体27への操作を固定具28を用いて行うようにすれば、固定具28を介して当接体27に強い力を加えやすく、当接体27を容易に動かすことができる。こうして、固定具28を一種の治具として補助的に用いて当接体27の可動性を確保できる一方、当接体27の操作補助に使用する時以外は通常の固定具として用いることができるため、一般的な治具のように本体部20とは別に持ち運んだり収納する必要もなく、紛失等も起こりにくく使い勝手の点でも優れることとなる。
【0127】
次に、本実施形態に係るコンバージョンレンズ装置と携帯機器を用いた肌の撮像について説明する。前記第1の実施形態同様、使用者は、まず、携帯機器90を操作して、撮像用のプログラムを起動させ実行状態とした上で、コンバージョンレンズ装置2を携帯機器90に取付固定する。この取付固定の際、固定具28他端部の調整体28cを回転調整して、携帯機器90の厚さに対応した適切な固定状態が得られるようにする。
【0128】
この固定を経ても、本体部20の突出部24aが携帯機器90の保護カバー93に当接し、且つ、当接体27が携帯機器90の筐体91表面に当接する状態が正しく得られていない場合、位置調整可能な状態とした当接体27を指で操作して突出部24aに対し螺動させ、携帯機器90の保護カバー93と筐体91表面との位置関係に対応するように、当接体27に対する突出部24aの相対突出量を調整し、最終的に突出部24a先端を携帯機器90の保護カバー93に当接させ、当接体27も携帯機器90の筐体91表面に当接させる。
【0129】
なお、この携帯機器90へのコンバージョンレンズ装置2への取付固定に先立って、当接体27の突出部24aへの固着等が原因で、指のみの操作では当接体27を動かしにくくなっていることが確認された場合には、固定具28を一旦本体部20側から取り外し、環状部28dを当接体27外周に係合させ、固定具28を握って固定具28ごと当接体27を螺動させる操作を行い、固定具28を介して当接体27に強い力を加えつつ、当接体27をあらかじめ十分に動かしておき、後の作業では当接体27を指のみの操作で容易に動かすことができる状態としておくのが望ましい。
【0130】
続いて、肌の撮像過程について説明する。使用者は、コンバージョンレンズ装置2を固定した携帯機器90を撮像対象物である肌に近付け、本体部20における肌側筒状部25の先端を肌に当接させる。肌側筒状部25の先端を肌に押し当てたら、使用者は引き続きスイッチ26cを操作する。
【0131】
使用者がスイッチ26cを操作すると、これに基づいて、制御回路26fは照明用のLED26d、26eを作動状態とし、発光制御を実行して、肌のキメ撮像用の照明となるLED26dのみ発光する期間と、肌のシミ撮像用の照明となるLED26eのみ発光する期間を交互に切り替える状態を繰り返していく。
【0132】
一方、撮像用のプログラムを実行している携帯機器90では、前記第1の実施形態同様、入力デバイスを兼ねる表示部に撮像指示用のスイッチ画像が表示されている。使用者が肌側筒状部25の先端を肌に当接させ、且つ照明に係るスイッチ26cを操作した後、携帯機器90に対し撮像指示の操作入力を行うと、携帯機器90では、カメラ部92による撮像を実行し、継続的に撮像画像を取得して、撮像画像に含まれる肌からの反射光を解析して、得られた光の波長からいずれのLEDが発光しているかを識別する状態となる。
【0133】
そして、携帯機器90は、前記第1の実施形態同様、発光色が暖色系白色であるLED26dの光の波長を検出して、このLED26dが発光状態にあることを識別すると、このLED26dの発光期間において、適切なタイミングで撮像画像を取得し、肌のキメの撮像画像として記録保存する。さらに、携帯機器90では、発光色が白色であるLED26eの光の波長を検出して、このLED26eが発光状態にあることを識別すると、このLED26eの発光期間において、適切なタイミングで撮像画像を取得し、肌のシミの撮像画像として記録保存する。
【0134】
携帯機器90で、肌のキメの撮像画像と、肌のシミの撮像画像がそれぞれ適切に取得され保存されたら、携帯機器90は、シャッター音やその他の音声出力、振動等で、使用者に対し撮像が問題なく終了したことを報知する。これを受けた使用者は、携帯機器90を動かして肌側筒状部15の先端を肌から離す。あらかじめ設定された所定時間経過後、制御回路26fは、LED26d、26eを非作動状態へ移行させ、LED26d、26eの発光を完全に停止させる。
【0135】
なお、使用者が携帯機器90を動かして肌側筒状部25の先端を肌から離す際に、スイッチ26cを操作することで、制御回路26fにより強制的にLED26d、26eを非作動状態へ移行させて、前記所定時間が経過する前に、LED26d、26eの発光を停止させることもできる。
【0136】
この後、前記第1の実施形態同様、携帯機器90において、必要に応じて、撮像用のプログラムの機能によりキメやシミの撮像画像が外部のサーバーに送信される処理等を経て、撮像用のプログラムを終了しても問題ない状況に至ったら、使用者は携帯機器90を操作して撮像用のプログラムを終了させる。さらに、使用者が、コンバージョンレンズ装置2を携帯機器90から完全に取り外せば、撮像に係る作業は終了となる。
【0137】
このように、本実施形態に係るコンバージョンレンズ装置は、本体部20をなす支持ケース22のうち副支持部材24に、当接体27の外周より小さい筒形状部分を設けて、その周囲部分の主支持部材26との間に段差を与え、当接体27外周部とその前方の本体部20における主支持部材26との間を広く空けるようにして、当接体27に指を接触させて指で当接体27を操作するにあたって、本体部20と指とを接触しにくくすることから、当接体27を指で直接操作して位置調整を行う場合に、当接体27の操作が容易となり、操作性を向上させて、当接体27の位置調整の精度を高められる。
【0138】
その一方、本体部20の外郭線が当接体27の外周部より外側に位置するようにしたことから、当接体27に指を接触させて指で当接体27を直接操作する際の操作性は変えずに、本体部20の外郭線より内側の当接体27が他のものと接触しにくくなり、非使用時の収納状態や持ち運び状態で当接体27が嵩張らず、取扱い性に優れる。
【0139】
なお、前記第1及び第2の各実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、照明用光源として、肌のキメを撮像するための照明用LED16d、26dと、肌のシミを撮像するための照明用LED16e、26eをそれぞれ設け、撮像の際、制御回路により、キメ撮像用LEDのみ発光する期間と、シミ撮像用LEDのみ発光する期間を交互に切り替える構成としているが、これに限られるものではなく、キメ撮像用LEDとシミ撮像用LEDのいずれか一方のみ設けて、キメとシミのいずれか一方のみの撮像に対応した単機能タイプとする構成とすることもでき、装置構造及び制御内容を簡略化してコストを抑えられる。
【0140】
(本発明の第3の実施形態)
前記第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、当接体17は、携帯機器90におけるカメラ部92のある側の筐体91表面への当接面を有する略板状体で形成され、略板状体中心部に雌ねじを有して本体部10の突出部14aに螺合し、当接体17が突出部14aに対し螺動して位置調整されることで、当接体17に対する突出部14aの相対突出量を調整可能な構成としているが、この他、第3の実施形態として、図25に示すように、略板状の当接体37は、中心部に穿設された孔で、本体部30の突出部34aに対し突出部34a突出方向に移動可能に係合する一方、当接体37の端部に本体部30の支持ケース32内に向け突出する突出軸部37dを配設し、本体部30の支持ケース32に別途設けた当接体用の位置調整機構39により、当接体37の突出軸部37dを前後に移動させることで、当接体37を突出部34aに対し位置調整する構成とすることもできる。
【0141】
この場合、前記位置調整機構39は、支持ケース32に回動可能に取り付けられる雄ねじ軸39aと、この雄ねじ軸39aに螺合して支持ケース32内に前後スライド移動可能に支持される雌ねじ部材39bからなる。雌ねじ部材39bには当接体37の突出軸部37d端部が係合一体化されており、雌ねじ部材39bの移動に合わせて当接体37も移動することとなる。そして、雄ねじ軸39a端部に形成された操作用のレバーを使用者が操作して雄ねじ軸39aを回転させると、この雄ねじ軸39aに螺合すると共に支持ケース32で前後スライド以外の動きを拘束される雌ねじ部材39bが、前後に移動することで、これと一体の当接体37を前後に移動させ、当接体37を突出部34aに対し位置調整できる仕組みである。
【0142】
前記第1の実施形態の場合と同様、当接体37を突出部34aに対し位置調整して、当接体37に対する突出部34aの相対突出量を調整できることから、携帯機器90のカメラ部92における保護カバー93又は対物レンズの位置が、携帯機器筐体91表面に対し凹状に奥まった位置となっていたり、逆に筐体91表面より突出した位置となっている場合でも、当接体37に対し突出部34aが突出する状態や、当接体37に対し突出部34aが奥まった位置にある状態にそれぞれ調整して対応させられ、突出部34aが保護カバー93又は対物レンズに当接すると共に、当接体37が携帯機器筐体91表面に当接する位置関係が確実に得られる。
【0143】
なお、当接体用の位置調整機構は、前記雄ねじ軸39aと雌ねじ部材39bによる機構に限られるものではなく、図26に示すように、位置調整機構として、支持ケース32に回動可能に取り付けられるピニオンギヤ39cを設け、当接体37の端部から本体部30の支持ケース32内に向け突出形成されるラック部37eとピニオンギヤ39cとが噛合するようにし、ピニオンギヤ39cと一体に形成された操作用のレバーを使用者が操作してピニオンギヤ39cを回転させ、これと噛合するラック部37eを当接体37ごと支持ケース32に対し前後に移動させることで、当接体37を突出部34aに対し位置調整する構成とすることもできる。
【0144】
(本発明の第4の実施形態)
前記第2の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置において、固定具28他端部の調整体28cは、複数の突出部分を有して固定具28の他部分に対し回転可能とされ、調整体28cを回転調整して携帯機器90のカメラ部92のある側とは反対側の面に当接する突出部分を選択的に替えて、本体部20と固定具28他端部との間に携帯機器90を挟持する際の挟持力を、突出部分の突出量の差に基づく複数段階に調整できる構成としているが、これに限らず、第4の実施形態として、図27に示すように、固定具48他端部の調整体48cが、携帯機器90に当接する略板状の当接部48dと、この当接部48dから突出して固定具48の他部分に設けられた孔部48eに挿入される突出体48fと、突出体48fの外面に突出体突出方向に所定間隔で並べて複数設けられる凸状の節度感発生部48gとを備える構成とし、調整体48cの当接部48dを固定具48の他部分に対し近付け又は遠ざけて、いずれかの節度感発生部48gを孔部48eの内周に弾性変形させつつ圧接させて、孔部48eに対する突出体48fの位置を保持させ、携帯機器90のカメラ部92のある側とは反対側の面に当接する調整体48cの当接部48d位置を選択的に変えられるようにすることもできる。
【0145】
この場合、本体部40と固定具48他端部との間に携帯機器90を挟持する状態では、孔部48eの内周に圧接する節度感発生部48gは特に変化せず、孔部48eに対する突出体48fの位置を保持して、当接部48dの位置を維持できる。使用者が調整体48cを固定具48の他部分に対し強制的に動かすと、突出体48fも動いて、孔部48eの内周に圧接する節度感発生部48gが入れ替わり、当接部48dの位置を変えることができる。当接部48dの位置は、節度感発生部48gの配置に対応する複数段階の変化を与えられ、本体部40と固定具48他端部との間に携帯機器90を挟持する際の挟持力を、この当接部48dの位置に基づく複数段階に調整できることとなる。
【0146】
節度感発生部48gが入れ替わって新たに孔部48eの内周に圧接し、突出体48fの位置を保持する状態となるごとに、節度感発生部48gの弾性変形を伴い、この弾性変形が節度感を発生させて、調整体48cを動かす使用者に、当接部48dの位置があらかじめ設定された複数のうちの一つに保持されたことを認識させることができる。使用者は当接部48dの位置を節度感を目安として適切に変化させられ、挟持力の調整も確実に行える。
【0147】
なお、本体部40と固定具48他端部との間に挟持する携帯機器90が、比較的厚いものである場合、本体部40と固定具48他端部との間隔が大きくなって、固定具48の変形も大きくなる分、固定具48他端部の向きが携帯機器90の筐体表面と平行な状態からずれたものとなり、調整体48cの当接部48dと固定具48の他部分との間隔を単純に一様にすると、携帯機器90を挟持する上で不都合が生じるが、図27に示すように、調整体48cの節度感発生部48gの、孔部48eにおける位置関係を各突出体48fごとに調整して、当接部48dを携帯機器90の筐体表面と平行な向きとすることができ、携帯機器90をその厚さによらず無理なく挟持する状態が得られることで、本体部40の安定した支持が確実に行える。
【0148】
この他、本体部と固定具他端部との間に携帯機器90を挟持する際の挟持力を調整するものの別の例として、図28に示すように、固定具48他端部の調整体48hが、携帯機器90に当接する略板状の当接部48iと、この当接部48iから突出して固定具48の他部分に設けられた雌ねじ穴48kに螺合する雄ねじ軸48jとを備え、当接部48iごと雄ねじ軸48kを雌ねじ穴48kに対し螺動させて、携帯機器90のカメラ部92のある側とは反対側の面に当接する調整体48hの当接部48i位置を連続的に変える構成とすることもできる。この場合、挟持力についても、当接部48iの位置変化に基づき無段階に調整できることとなる。
【0149】
(本発明の第5の実施形態)
前記第1の実施形態に係るコンバージョンレンズ装置においては、本体部10に対し移動可能とされて、本体部10の突出部14aとは別に、携帯機器筐体91表面に当接する当接体17が、光学レンズ11、12の光軸と略直交する当接面を有する略板状体とされて、突出部14a周囲に配置される構成としているが、これに限らず、第5の実施形態として、図29に示すように、携帯機器筐体91表面に当接させる当接体57が、本体部50の内部に配設される基部57aと、この基部57aから後方へ突出して本体部50外に露出する少なくとも三つ以上の略棒状の当接片57bとを備え、各当接片57bが突出部54a周囲に配置されて、当接片57b先端を携帯機器筐体91表面に当接可能とされる構成とすることもできる。
【0150】
この場合、当接体57の基部57aは、本体部50に対し突出部54a突出方向と平行に移動可能に支持される一方、基部57aの端部には本体部50の外部に突出する操作用ツマミ部57dが一体に配設される。この操作用ツマミ部57dを使用者が操作して、基部57aを前後に移動させることで、これと一体の各当接片57bを前後に移動させ、当接体57全体を突出部54aに対し位置調整できる仕組みである。そして、この当接体57の、本体部50の突出部54aに対する位置調整で、当接体57の各当接片57b先端に対する突出部54aの相対突出量を調整することができる。
【0151】
当接体57のうち、本体部50内部に位置する基部57aの外面には、凸状の節度感発生部(図示を省略)が、本体部50の突出部54a突出方向に所定間隔で複数並べて設けられ、操作用ツマミ部57dを操作して当接体57の基部57aを本体部50に対し前後に動かすと、いずれかの節度感発生部を本体部50の内周に弾性変形させつつ圧接させて、本体部50に対する基部57aの位置を保持させ、当接体57の携帯電話筐体91表面に当接する各当接片57b先端の突出部54aに対する位置を選択的に変えることができる。
【0152】
本体部50を携帯機器90前方に固定している状態では、本体部50の内周に圧接する節度感発生部は特に変化せず、本体部50に対する基部57aの位置を保持して、携帯機器筐体91表面に当接する当接体57の各当接片57b先端位置を維持できる。使用者が操作用ツマミ部57dを操作して当接体57を本体部50に対し強制的に動かすと、本体部50に対し基部57aも動いて、本体部50の内周に圧接する節度感発生部が入れ替わり、当接体57の位置を変えることができる。当接体50の位置は、節度感発生部の配置に対応する複数段階の変化を与えられ、これに伴って当接体57の各当接片57b先端に対する突出部54aの相対突出量を調整できることから、携帯機器90のカメラ部92における保護カバー93又は対物レンズの位置が、携帯機器筐体91表面に対し凹状に奥まった位置となっていたり、逆に筐体91表面より突出した位置となっている場合でも、当接体57の各当接片57b先端に対し突出部54aが突出する状態や、各当接片57b先端に対し突出部54aが奥まった位置にある状態にそれぞれ調整して対応させられ、突出部54aが保護カバー93又は対物レンズに当接すると共に、各当接片57b先端が携帯機器筐体91表面に当接する位置関係が確実に得られる。
【0153】
節度感発生部が入れ替わって新たに本体部50の内周に圧接し、当接体57の位置を保持する状態となるごとに、節度感発生部の弾性変形を伴い、この弾性変形が節度感を発生させて、操作用ツマミ部57dを操作する使用者に、当接体57の位置があらかじめ設定された複数のうちの一つに保持されたことを認識させることができる。使用者は当接体57の位置を節度感を目安として適切に変化させられ、突出部54aに対する位置調整も確実に行える。
【0154】
なお、本実施形態におけるコンバージョンレンズ装置では、図29に示すように、本体部50を携帯機器90のカメラ部92前方に保持する固定具58として、本体部50に両端部を連結され、中間部分が携帯機器90のカメラ部92のある側とは反対側の面に接触状態とされ、締め付け力で本体部50を携帯機器90のカメラ部92に押し付けるようにする可撓材製のベルト状体を用いる構成である。
【0155】
このように、本体部を携帯機器90のカメラ部92前方に固定する固定具としては、前記第1ないし第4の各実施形態に係るコンバージョンレンズ装置で用いられる、弾性部材からなるもので、本体部に一端部を連結され、他端部が携帯機器のカメラ部のある側とは反対側の面に接し、本体部と他端部との間に携帯機器をクリップ状に挟持して、本体部を携帯機器90のカメラ部92前方に固定するような固定具、に限られるものではなく、本実施形態のベルト状体の固定具58の他にも、携帯機器を取り囲むケース(カバー、ジャケット、バンパー)状に形成され、カメラ部前面にあたる箇所に本体部を位置させるように本体部と連結されるものや、本体部に一部を連結され、他の一部を携帯機器のカメラ部のある面におけるカメラ部から離れた表面部位に、磁力や粘着力をもって固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラ部に押し付ける状態を得るもの、などを固定具として用いるようにしてもかまわない。
【0156】
なお、前記第1ないし第5の各実施形態に係るコンバージョンレンズ装置は、本体部の一部を肌に付けて行う肌撮影を対象とした装置構成としているが、これに限られるものではなく、コンバージョンレンズ装置の本体部に内蔵される光学レンズの構成や配置を変えて、携帯機器90によるその他の近接撮影や広角撮影、望遠撮影に対応したものとすることもできる。また、撮像対象物に光を照射する照明用光源についても、前記各実施形態では、肌撮影に対応する形で、肌のキメを撮像するための照明用LEDと、肌のシミを撮像するための照明用LEDをそれぞれ設ける構成としているが、これに限られるものではなく、別の撮像対象物や撮像の状況に対応した一又は複数の光源としたり、単純に撮像対象物側を明るく照らすのみの汎用的な光源を設け、これを使用者の操作で必要に応じて点灯させるようなものとしてもかまわない。
【0157】
この他、前記第1ないし第5の各実施形態に係るコンバージョンレンズ装置に関連して、本発明の開示するコンバージョンレンズ装置のさらなる態様について、以下に示す。
【0158】
(態様1)
カメラ付きの携帯機器に取り付けてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、
コンバージョンレンズをなす一又は複数の光学レンズ、及び、撮像対象物と携帯機器のカメラ部とにそれぞれ面して前記光学レンズへの光路となる複数の窓部を形成されつつ光学レンズを内蔵支持する支持ケース、を少なくとも有する本体部と、
前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器のカメラ部以外の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラ部前方に固定する固定具とを備え、
前記本体部の支持ケースにおける撮像対象物に面する側の前記窓部の近傍部分は、窓部を中心として前記光学レンズの光軸と平行な筒状部とされ、
当該筒状部は、所定の肉厚を有する筒端面部を先端として撮像対象物に接触可能とされ、
前記筒状部の先端をなす端面部のうち、筒外周寄り所定範囲部分に、筒軸方向に突出する凸部を設けることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【0159】
(態様2)
カメラ付きの携帯機器に取り付けてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、
コンバージョンレンズをなす一又は複数の光学レンズ、及び、撮像対象物と携帯機器のカメラ部とにそれぞれ面して前記光学レンズへの光路となる複数の窓部を形成されつつ光学レンズを内蔵支持する支持ケース、を少なくとも有する本体部と、
前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器のカメラ部以外の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラ部前方に固定する固定具とを備え、
前記本体部の支持ケースにおける撮像対象物に面する側の前記窓部の近傍部分は、窓部を中心として前記光学レンズの光軸と平行な筒状部とされ、
当該筒状部は、所定の肉厚を有する筒端面部を先端として撮像対象物に接触可能とされ、
前記筒状部の先端をなす筒端面部を、筒周方向に波状の凹凸が生じた形状に形成することを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【0160】
(態様3)
前記態様1に記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記筒状部における凸部が、筒軸方向への突出高さを、筒周方向において連続的且つ周期的に異ならせて、周方向に波状の凹凸が生じた形状として形成されることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【0161】
(態様4)
カメラ付きの携帯機器に取り付けてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、
コンバージョンレンズをなす一又は複数の光学レンズ、及び、撮像対象物と携帯機器のカメラ部とにそれぞれ面して前記光学レンズへの光路となる複数の窓部を形成されつつ光学レンズを内蔵支持する支持ケース、を少なくとも有する本体部と、
前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器のカメラ部以外の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラ部前方に固定する固定具と、
前記本体部の支持ケースに内蔵され、撮像対象物に撮像のための光を照射する照明用光源と、
前記本体部の支持ケースに内蔵され、前記照明用光源の光照射を制御する制御回路部とを備え、
前記本体部の支持ケースにおける撮像対象物に面する側の前記窓部の近傍部分は、窓部を中心として前記光学レンズの光軸と平行な筒状部とされ、
当該筒状部は、支持ケースの他部分に対し光学レンズの光軸と平行に所定範囲移動可能に支持されて、先端部を撮像対象物に接触可能とされ、
前記筒状部が先端側から押されて、支持ケースの他部分に対し所定距離移動すると、接点の開閉状態が変わる所定のスイッチが、支持ケースに内蔵され、
前記制御回路部が、使用者の前記筒状部を押す操作に基づいて前記スイッチの接点開閉状態が変わると、当該開閉状態変化から少なくとも所定時間、照明用光源に撮像対象物に対する光照射を実行させることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【0162】
(態様5)
前記態様1ないし3のいずれかに記載のコンバージョンレンズ装置において、
前記筒状部は、支持ケースの他部分に対し光学レンズの光軸と平行に所定範囲移動可能に支持され、
前記筒状部が先端側から押されて、支持ケースの他部分に対し所定距離移動すると、接点の開閉状態が変わる所定のスイッチが、支持ケースに内蔵され、
前記制御回路部が、使用者の前記筒状部を押す操作に基づいて前記スイッチの接点開閉状態が変わると、当該開閉状態変化から少なくとも所定時間、照明用光源に撮像対象物に対する光照射を実行させることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【0163】
(態様6)
カメラ付きの携帯機器に取り付けてカメラの画角を変化させるコンバージョンレンズ装置において、
コンバージョンレンズをなす一又は複数の光学レンズ、及び、撮像対象物と携帯機器のカメラ部とにそれぞれ面して前記光学レンズへの光路となる複数の窓部を形成されつつ光学レンズを内蔵支持する支持ケース、を少なくとも有する本体部と、
前記本体部に少なくとも一部を連結され、少なくとも他の一部が携帯機器のカメラ部以外の所定表面部位に接触又は固着状態とされ、本体部を携帯機器のカメラ部前方に固定する固定具と、
前記本体部の支持ケースに内蔵され、撮像対象物に撮像のための光を照射する照明用光源と、
前記本体部の支持ケースに内蔵され、前記照明用光源の光照射を制御する制御回路部とを備え、
前記本体部の支持ケースにおける撮像対象物に面する側の前記窓部の近傍部分は、窓部を中心として前記光学レンズの光軸と平行な筒状部とされ、
当該筒状部は、支持ケースの他部分に対し光学レンズの光軸と平行に所定範囲移動可能に支持されて、先端部を撮像対象物に接触可能とされ、
前記筒状部が、撮像対象物に接触して相対的に押される状態となり、支持ケースの他部分に対し移動すると、前記制御回路部が、筒状部の移動を検知して、照明用光源に撮像対象物に対する光照射を実行させることを
特徴とするコンバージョンレンズ装置。
【0164】
前記態様1によれば、筒状部の先端をなす端面部のうち外縁部分、すなわち、筒外周寄り所定範囲部分が、筒軸方向に突出する凸部となって、筒状部の先端を撮像対象物に付ける場合、端面部外縁の凸部が最初に撮像対象物に接して撮像対象物を押す状態となることで、筒状部先端の撮像対象物との接触部位に囲まれる撮像対象物の領域を広くでき、仮に凸部が無い場合に、平面状の端面部内縁が最初に撮像対象物に接して、この撮像対象物との接触部位に囲まれる撮像対象物の領域が狭いために、変形可能な撮像対象物が筒状部内へ食い込みやすくなるのと比較して、撮像対象物の筒状部内への食い込み量(相対的な盛り上がり量)を抑え、筒状部の範囲に位置して実際に撮像される撮像対象物の曲率を小さくすることができる。
【0165】
前記態様2によれば、筒状部の先端をなす筒端面部が、筒周方向に波状の凹凸が生じた形状に形成され、筒軸方向への突出高さを異ならせていることから、撮像対象物への接触状態で、突出高さの低い凹部分で撮像対象物への圧力を逃がして、接触圧を分散することができ、接触に伴う撮像対象物の変形を筒状部の範囲全体としては緩和して、撮像対象物の曲率を小さくでき、撮像対象物をできるだけ起伏が少なく平坦に近い状態で撮像するようにして、撮像対象物の撮像画像を、その表面の状態を判別しやすい適切なものとすることができる。
【0166】
前記態様3によれば、筒状部における凸部を、周方向に波状の凹凸が生じた形状として形成し、筒状部の先端を撮像対象物に付ける場合に、凸部が筒周方向においてそれぞれ突出高さを異ならせることから、撮像対象物への接触状態で、突出高さの低い凹部分で撮像対象物への圧力を逃がして、接触圧を分散することができ、接触に伴う撮像対象物の変形を筒状部の範囲全体としては緩和して、撮像対象物の曲率を小さくでき、撮像対象物をできるだけ起伏が少なく平坦に近い状態で撮像するようにして、撮像対象物の撮像画像を、その表面の状態を判別しやすい適切なものとすることができる。
【0167】
前記態様4、5によれば、照明用光源の撮像対象物に対する光照射実行に係るスイッチが、先端側から押される筒状部の移動に伴って接点の開閉状態を変えるものとされて、使用者が筒状部先端を押してスイッチを操作することにより、例えば使用者が指で操作する場合、筒状部を押す指の腹が筒状部の内側にはまり込む状態となるなど、筒状部に対し位置ずれが生じにくい状態で操作を行えることとなり、筒状部を押す動作によるスイッチ操作を確実に実行させられる。また、筒状部をスイッチの操作手段として用いることで、支持ケース表面に、使用者が光照射を指示操作するためのスイッチ等を、外部から操作可能な露出状態で別途設けずに済むこととなり、支持ケースを簡略でデザイン性に優れたものにできる。
【0168】
特に、前記態様5によれば、使用者が筒状部先端を押してスイッチを操作することに伴い、筒状部の先端をなす端面部のうち筒外周寄り部分を凸部としている場合には、例えば筒状部の先端を指で押す際、端面部の凸部表面にも指が接触できる分、指の筒状部先端との接触面積を大きくすることができ、指で筒状部を押す際に指に相対的に加わる反力を分散させ、指に力が集中するのに伴う痛みを抑えられる。また、筒状部の先端の端面部が、筒周方向に波状の凹凸が生じた形状とされる場合には、例えば筒状部の先端を指で押す際、周方向の凹凸各部に指を接触させて、指が筒状部からより一層ずれにくくなり、筒状部を押して行うスイッチ操作の操作性をさらに向上させられる。
【0169】
前記態様6によれば、移動可能に支持される筒状部が、先端部に接触した撮像対象物に相対的に押される状態となって、支持ケースの他部分に対し移動すると、この筒状部の移動を制御回路部がスイッチやセンサ等により検知し、照明用光源に光照射を実行させることにより、使用者は筒状部の先端を撮像対象物に接触させるようにするだけで、照明用光源を光照射状態とすることができ、使用者の手等による直接的なスイッチ操作が必要なく、スイッチの操作方法をあらかじめ習得したりせずに簡単に使用でき、使い勝手の点で優れたものとなる。また、支持ケース表面に、使用者が光照射を指示操作するためのスイッチ他を外部から操作可能な露出状態で設けずに済み、支持ケースを簡略でデザイン性に優れたものとすることができる。
【符号の説明】
【0170】
1、2 コンバージョンレンズ装置
10、20、30、40、50 本体部
11a、11b、21a、21b 光学レンズ
12、22 支持ケース
12a、12b 窓部
13、23 バレル部
13a 筒状部
14、24 副支持部材
14a、24a 突出部
14b、24b 突出片
14c、17a 環状体
15、25 肌側筒状部
15a 内筒部
15b 外筒部
15c 凸部
15d、15f 凹部分
15e 凸部分
16、26 主支持部材
16b ばね
16c、26c スイッチ
16d、16e LED
16f、26f 制御回路
17、27、37、47、57 当接体
18、28、38、48、58 固定具
18a クッション部
22a、22b 窓部
26d、26e LED
27a 軟質材
28c 調整体
28d 環状部
32 支持ケース
34a 突出部
39 位置調整機構
39a 雄ねじ軸
39b 雌ねじ部材
48c、48h 調整体
48d、48i 当接部
48e 孔部
48f 突出体
48g 節度感発生部
48j 雄ねじ軸
48k 雌ねじ穴
57a 基部
57b 当接片
57d 操作用ツマミ部
70、71 空間
90 携帯機器
91 筐体
92 カメラ部
93 保護カバー
d1、d2 段差
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