特許第6227340号(P6227340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227340活性層のイオン注入方法及び薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227340
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】活性層のイオン注入方法及び薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20171030BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20171030BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H01L29/78 627Z
   H01L29/78 627C
   H01L21/265 H
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-189213(P2013-189213)
(22)【出願日】2013年9月12日
(65)【公開番号】特開2014-72523(P2014-72523A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】201210371558.1
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 占▲潔▼
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−054424(JP,A)
【文献】 特開昭64−081316(JP,A)
【文献】 特開2007−013055(JP,A)
【文献】 特開2004−343034(JP,A)
【文献】 特開2009−109610(JP,A)
【文献】 特開2004−014622(JP,A)
【文献】 特開平08−250446(JP,A)
【文献】 特開平11−307780(JP,A)
【文献】 特開2010−212670(JP,A)
【文献】 特開2004−200651(JP,A)
【文献】 特開2010−177668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/265
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法であって、
活性層にフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストを介してTFTのチャンネル領域に対応する前記活性層の第1の領域にイオンを注入するステップと、を備えることを特徴とする薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【請求項2】
前記TFTのチャンネル領域に対応する前記活性層の第1の領域にイオンを注入するステップは、
前記活性層の上方に塗布された前記フォトレジストを露光・現像して、現像後に、フォトレジスト完全保留領域及びフォトレジスト半保留領域を形成し、前記フォトレジスト半保留領域を介して前記活性層の第1の領域にイオンを注入するステップを備え、
前記フォトレジスト完全保留領域は、TFTのソース・ドレイン電極の領域に対応し、且つ厚みが前記イオンが透過できないように設けられ、
前記フォトレジスト半保留領域は、前記TFTのチャンネル領域に対応し、且つ厚みが前記イオンが透過できるように設けられることを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【請求項3】
前記活性層の上方に塗布される前記フォトレジストを露光するステップは、
半透過型マスクによって前記フォトレジストを露光するステップを備え、
前記半透過型マスクは、半透明領域が前記フォトレジスト半保留領域に対応し、不透明領域が前記フォトレジスト完全保留領域に対応することを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【請求項4】
前記活性層の上方に塗布される前記フォトレジストを露光するステップは、
グレートーンマスクによって前記フォトレジストを露光するステップを備え、
前記グレートーンマスクは、半透明領域が前記フォトレジスト半保留領域に対応し、不透明領域が前記フォトレジスト完全保留領域に対応することを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【請求項5】
前記活性層の上方に塗布される前記フォトレジストを露光するステップは、
前記TFTのソース・ドレイン電極のパターンを形成する前記TFTのソース・ドレイン電極のマスクによって、前記フォトレジストを露光するステップを備え、
前記TFTのソース・ドレイン電極のマスクは、露光領域が前記フォトレジスト半保留領域に対応し、パターン領域が前記フォトレジスト完全保留領域に対応することを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【請求項6】
イオンが前記TFTのソース・ドレイン電極領域に対応する前記活性層の第2の領域に注入される時、
前記ソース・ドレイン電極領域に対応する前記活性層の第2の領域にイオンを逆方向で高濃度ドープするステップを備えることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【請求項7】
イオン注入が完了した後、
前記フォトレジストを剥離するステップを備えることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイの製造分野に関し、特に、活性層のイオン注入方法及び薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低温ポリシリコン技術(Low Temperature Poly‐silicon、LTPS)で製造される表示パネルは、ディスプレイスクリーンの消費電力を低下することができるとともに、LTPSTFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)の表示パネルは、解像度が高く、反応速度が速く、輝度が高くて、開口率が高い等のメリットを有するため、LTPSTFT表示パネルは、ますます広く応用されている。
【0003】
LTPSTFTアレイ基板を製造する過程で、TFTの特性を向上するように、活性層にイオンを注入することは、不可欠な重要のステップである。図1は、現在広く応用されているLTPSTFT表示パネルの断面概略図である。従来技術に係るLTPSTFTアレイ基板の製造工程では、まず、ガラス基板P11上に、1層のバッファ層P12を堆積し、そして、バッファ層P12の全面にアモルファスシリコンa‐Siを堆積し、脱水素工程及び低温結晶化工程によってポリシリコン層を形成する。結晶化が完了した後、活性層のマスクによって、活性層のパターンの露光、現像、エッチング、剥離等の工程を行って活性層P13を形成し、形成された活性層P13にイオンを注入する。
【0004】
従来技術では、図2に示すように、活性層P13にイオンを注入する場合、イオン注入のボンバードメントによって活性層P13の表面を傷付けることを避けるように、一般的に、活性層P13の表面に堆積されたゲート絶縁層P14によってその表面を保護し、注入されたイオンがゲート絶縁層P14を介して活性層P13に入り、最終的に、イオン注入の効果が図れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然し、注入する過程で、ゲート絶縁層は、薄膜構造がドーピングイオンに傷つけられるだけでなく、イオンが残留することによって特性が悪化してしまう。さらに、LTPSの後続の高温工程では、ゲート絶縁層におけるイオンが拡散することによって、ゲート絶縁層の特性がさらに影響される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、活性層のイオン注入方法及び薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法を提供する。
本発明は、以下の技術案によって実現される。
【0007】
本発明の一局面は、
活性層にフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストを介して前記活性層にイオンを注入するステップと、を備える活性層のイオン注入方法を提供する。
【0008】
本発明の他の局面は、
活性層にフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストを介して薄膜トランジスタTFTのチャンネル領域に対応する活性層の第1の領域にイオンを注入するステップと、を備える薄膜トランジスタの活性層のイオン注入方法を提供する。
【0009】
以下、本発明の実施例の技術案をさらに明確にするように、実施例の図面を簡単に説明する。下記の図面は、当然ながら、本発明の実施例の一部のみに関するものであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来技術に係るLTPSTFT表示パネルの断面概略図である。
図2】従来技術においてゲート絶縁層によって活性層にイオンを注入する概略図である。
図3A】本発明の実施例に係るLTPS活性層のイオン注入方法のフローチャートである。
図3B】本発明の実施例に係る活性層にフォトレジストを塗布する概略図である。
図4A】本発明の実施例に係るHTMマスクによってフォトレジストを一部露光する概略図である。
図4B】本発明の実施例に係るTFTのソース・ドレイン電極のマスクによってフォトレジストを一部露光する概略図である。
図4C】本発明の実施例に係るLTPSTFTアレイ基板の製造過程にフォトレジストを一部露光した後のイオン注入の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例の目的、技術案及び利点をさらに明確にするように、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明確で完全に説明する。下記の実施例は、当然ながら、本発明の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0012】
ここで使われる技術用語または科学技術用語は、特別に定義されていない場合、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本願の明細書及び特許請求の範囲に記載の「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量または重要性を示すものではなく、異なる組成部分を区分するものにすぎない。同じように、「1つ」、「1」などの類似する用語は数量を限定するものではなく、少なくとも1つがあることを示すものである。「備える」または「含む」等の用語は、「備える」または「含む」の前に記載された素子または部材が、「備える」または「含む」の後に挙げられる素子または部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の素子または部材を排除することではない。「接続」または「つながる」等の類似する用語は、物理的または機械的な接続に限定されるのではなく、直接的または間接的な接続にもかかわらず、電気的な接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係を指すだけであり、説明された対象の絶対的な位置が変化した後、該相対的な位置関係も対応に変化する可能性がある。
【0013】
本発明の実施例に係るLTPS活性層のイオン注入方法は、塗布されたフォトレジストを活性層の保護層としてイオンを注入するのであり、活性層にイオンを注入するとき、活性層が破壊されないように確保され、後続の工程を行う場合、ゲート絶縁層の薄膜構造も破壊されないように確保され、TFTの特性が確保される。
【0014】
本発明の実施例1は、LTPS活性層のイオン注入方法を提供する。図3Aは、本発明の実施例1に係るLTPS活性層のイオン注入方法のフローチャートである。該方法は、以下のステップを備える。
【0015】
ステップS301では、基板11にバッファ層12を形成する。
例えば、ガラスの基板における有害物質が多結晶薄膜層の性能に影響することを防止するように、化学気相成長(例えばPECVD)法によって、基板11上にバッファ層12を堆積する。さらに、バッファ層12を堆積する前に、基板11をプレクリーニングして、基板11の清潔度を向上する必要がある。
【0016】
ステップS302では、バッファ層12にポリシリコン層を形成する。
例えば、バッファ層12上に、1層のアモルファスシリコン層a‐Siを堆積し、そして、脱水素工程及び低温結晶化処理を行って、ポリシリコン層を得る。
【0017】
ステップS303では、パターニング工程によって活性層13を形成する。
例えば、結晶化が完了してポリシリコン層を得た後、活性層のマスクによって、ポリシリコン層に対して露光、現像、エッチング及び剥離等の工程をして、活性層13を形成する。
【0018】
ステップS304では、活性層13にフォトレジスト15を塗布する。
例えば、本発明の実施例では、活性層13にイオン注入するとき、活性層13及びゲート絶縁層14をダメージしないように、活性層13の上方にフォトレジスト15を塗布する。フォトレジスト15が感光性を有し、かつ異なる厚みのフォトレジスト15はイオン注入に対する透過率が異なる(例えば、フォトレジストの厚みが2μm以上である場合、イオンが透過できなくなる)ため、実際の要求によって、活性層の一部に便利にイオンを注入するように、活性層に異なる厚みのフォトレジスト15を塗布する。
図3Bは、活性層13の上方にフォトレジスト15を塗布した後の概略図である。
【0019】
ステップS305では、塗布されたフォトレジスト15を介して活性層にイオン注入する。
例えば、フォトレジストの厚みが異なると、イオン注入に対する透過率が異なるため、フォトレジスト15においてイオンを注入する必要がある領域によって、異なる厚みのフォトレジスト15を活性層上に塗布すればよい。当然ながら、同じ厚みのフォトレジスト15を塗布した後、フォトレジスト15を一部露光し、一部露光した後、フォトレジスト15の露光された部分はイオンが透過できる厚みを有し、残りの露光されない部分は、イオンが透過できない厚みを有しているので、イオンボンバードメントによって下の活性層を破壊することが避けられる。
【0020】
イオン注入が完了した後、フォトレジスト15を剥離することが好ましい。イオン注入するとき、フォトレジスト15は、ダメージされて活性層の特性が影響されても、剥離された後、活性層の特性に影響しないようになる。塗布されたフォトレジスト材料は、感光性を有するだけでなく、半導体デバイスの特性に影響しないなら、剥離しなくてもよい。
【0021】
本発明の実施例1に係る活性層のイオン注入方法は、活性層の上方にフォトレジストを塗布してイオン注入することによって、活性層がイオン注入によってダメージされないようになり、アレイ基板におけるゲート絶縁層によってイオン注入することが避けられ、アレイ基板の特性が向上される。
【0022】
本発明の実施例2は、実施例1に係る活性層のイオン注入方法によって、TFT活性層にイオンを注入する方法を提供する。
【0023】
例えば、低温ポリシリコンTFTアレイ基板を製造する過程に、TFTの特性を向上するように、活性層の、TFTのチャンネル領域に対応する部分のみにイオンを注入する必要があるため、本発明の実施例では、活性層の、薄膜トランジスタTFTのチャンネル領域に対応する第1の領域にイオンを注入すればよい。以下、活性層の、薄膜トランジスタTFTのチャンネル領域に対応する第1の領域にイオンを注入する方法を詳しく説明する。
【0024】
本発明の実施例に係るTFT活性層のイオン注入方法によって、低温ポリシリコンTFTのアレイ基板の製造工程を行う。活性層のパターンを形成する前の工程は、従来の製造工程を用いてもよい。即ち、まず、ガラス基板に1層のバッファ層を堆積し、そして、バッファ層に1層のアモルファスシリコンを堆積し、脱水素工程及びLTPS低温結晶化等の工程によってポリシリコン層を得る。結晶化した後、活性層のパターンのマスクによって活性層のパターンの露光、現像、エッチング、剥離等の工程をして、活性層パターンを形成する。本発明の実施例は、後続の従来技術と異なる製造工程のみを詳しく説明する。
【0025】
本発明の実施例では、活性層においてTFTのチャンネル領域に対応する第1の領域にイオンを注入し、活性層及びゲート絶縁層をダメージしないように、実施例1の方法によって、活性層の上方にフォトレジスト15を塗布する。フォトレジスト15の厚みが異なると、対応するイオンの透過率が異なるため、チャンネル領域に対応する第1の領域内のみにイオンを注入するように、該第1の領域に対応する部分にイオンが透過できる厚みがあるフォトレジスト15を塗布し、他の領域にイオンが透過できない厚みがあるフォトレジスト15を塗布する。
【0026】
本発明の実施例では、フォトレジスト15を塗布する時、同一層を異なる厚みに塗布することは、工程が複雑で、且つ制御しがたいため、まず、イオンが透過できない厚みに塗布し、そして、露光、現像処理によって、フォトレジスト15を一部露光して、フォトレジスト完全保留領域及びフォトレジスト半保留領域を形成することが好ましい。その中では、フォトレジスト完全保留領域は、薄膜トランジスタTFT的ソース・ドレイン電極の領域に対応し、且つ厚みがイオン注入が透過できない厚みであり、フォトレジスト半保留領域は、TFTのチャンネル領域に対応し、且つ厚みがイオン注入が透過できる厚みである。
【0027】
本発明の実施例では、フォトレジスト15の一部露光を実現するように、以下の形態によってフォトレジストを露光してもよい。
【0028】
本発明の実施例では、露光量が異なると、フォトレジスト15が異なるように露光されるため、露光量を調整することによって、フォトレジスト15の、TFTのチャンネル領域に対応する部分を露光するように制御し、フォトレジストの半保留領域を形成することが好ましい。
【0029】
本発明の実施例では、半透過型マスク(HTM)によってフォトレジスト15を露光することが好ましい。HTMマスクは、光を透過する強度が領域によって異なるため、フォトレジストを選択的に露光、現像する。図4Aは、HTMマスク41によってフォトレジスト15を露光処理する過程を示す。HTMマスク41は、不透明領域411及び半透明領域412を備える。図に示されるのが露光後のフォトレジストであり、フォトレジスト半保留領域151がHTMマスク41の半透明領域412に対応し、フォトレジスト完全保留領域152がHTMマスク41の不透明領域411に対応する。フォトレジスト半保留領域151は、活性層13の、TFTのチャンネル領域に対応する第1の領域131に対応し、フォトレジスト完全保留領域152は、活性層13の、TFTソース・ドレイン電極に対応する第2の領域132に対応する。
【0030】
グレートーンマスク(GTMマスク)は、グレーチング効果によって、マスクを領域によって光を透過する強度が異なるようにして、フォトレジストを選択的に露光、現像することが好ましい。GTMマスクも半透明領域及び不透明領域を有するため、本発明の実施例では、グレートーンマスクによって、前記フォトレジスト15を露光処理し、グレートーンマスクは、半透明領域がフォトレジスト半保留領域に対応し、不透明領域がフォトレジスト完全保留領域に対応すればよい。
【0031】
本発明の実施例において、上述したHTMマスク又はGTMマスクによってフォトレジスト15を一部露光する方法は、一回の露光現像で、厚みが異なるフォトレジストを形成することができ、製造工程が簡単化される。
【0032】
本発明の実施例では、図4Bに示すように、フォトレジストを露光するとき、TFTのソース・ドレイン電極のパターンを形成するTFTのソース・ドレイン電極のマスク42によって、前記フォトレジスト15を露光することがさらに好ましい。このTFTのソース・ドレイン電極のマスク42はパターン領域421及び露光領域422を備える。TFTのソース・ドレイン電極のマスク42がチャンネル領域の露光領域422においてパターンを有していないため、この露光領域422が前記フォトレジストの半保留領域151(それとともに、活性層の第1の領域131に対応する)に対応する。露光量を制御することによって、チャンネル領域に対応するフォトレジスト15が一部露光され、最終的にフォトレジスト半保留領域151が形成される。それと同じように、前記TFTのソース・ドレイン電極が対応する活性層の第2の領域132に、イオン注入をする必要がないため、TFTのソース・ドレイン電極のマスク42のパターン領域421は、フォトレジスト完全保留領域152に対応する。
【0033】
本発明の実施例では、直接にTFTのソース・ドレイン電極のマスクでフォトレジストを露光することによって、アレイ基板を製造する時、マスクの数を増やすことがなくなり、製造工程が簡単化される。
【0034】
上述したフォトレジストを一部露光した後、図4Cに示すように、イオン注入をするとき、イオンがフォトレジスト半保留領域のみを透過して、活性層においてTFTのチャンネル領域に対応する第1の領域に入るが、フォトレジスト完全保留領域の厚みがイオンが透過できない厚みであるため、フォトレジスト完全保留領域を介して注入されるイオンは活性層の第2の領域に到達できない。
【0035】
TFTの活性層にイオンを注入する過程に、TFTのチャンネル領域に対応する活性層の第1の領域131のみにイオン注入すればよく、ソース・ドレイン電極に対応する活性層の第2の領域132にイオン注入をする必要がない。しかし、イオン注入の過程に、製造工程の精度が低いため、ソース・ドレイン電極領域に対応する活性層の第2の領域132に一部のイオンが注入される可能性があるため、本発明の実施例では、TFTの特性を向上するように、ソース・ドレイン電極領域に対応する活性層の第2の領域132にイオンを逆方向で高濃度にドープしてもよい。
【0036】
上述したイオン注入が完了した後、フォトレジスト15を剥離してもよい。これによって、フォトレジスト15がイオンにダメージされ活性層の特性が影響されたとしても、剥離された後、活性層の特性が影響されないようになる。イオン注入が完了したため、後続のアレイ基板を製造する過程に、ゲート絶縁層を堆積した後、ゲート金属層を直接に堆積してもよい。後続のアレイ基板の製造工程は、従来のLTPS工程を用いてもよく、最終的に図1に示すLTPSTFT構造を形成する。
【0037】
本発明の実施例に係る低温ポリシリコンTFTアレイ基板の製造方法は、塗布されたフォトレジストを活性層の保護層として、活性層の、TFTのチャンネル領域に対応する第1の領域にイオンを注入する。イオン注入が完了した後、フォトレジストを剥離してからゲート絶縁層を堆積してもよい。これによって、活性層にイオンを注入するとき、活性層及びゲート絶縁層の薄膜構造が破壊されなくなる。さらに、TFTソース・ドレイン電極のマスクによってフォトレジストを一部露光することで、マスクを追加せずにフォトレジストを露光し、製造工程がさらに簡単化される。
【0038】
以上は、本発明の例示的な実施例だけであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づく。
【符号の説明】
【0039】
P11 ガラス基板
P12 バッファ層
P13 活性層
P14 ゲート絶縁層
11 基板
12 バッファ層
13 活性層
14 ゲート絶縁層
15 フォトレジスト
41 HTMマスク
42 マスク
131 第1の領域
132 第2の領域
151 フォトレジスト半保留領域
152 フォトレジスト完全保留領域
411 不透明領域
412 半透明領域
421 パターン領域
422 露光領域
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C