特許第6227359号(P6227359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6227359受電装置、通信制御方法、コンピュータプログラム及び給電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227359
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】受電装置、通信制御方法、コンピュータプログラム及び給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20171030BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20171030BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H02J50/80
   H02J50/10
   H02J7/00 301D
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-206198(P2013-206198)
(22)【出願日】2013年10月1日
(65)【公開番号】特開2015-70777(P2015-70777A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 怜志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長沼 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】根上 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小林 好祥
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−205388(JP,A)
【文献】 特表2009−504117(JP,A)
【文献】 特開2012−85380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つ定電流定電圧方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置であって、
前記給電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段と、
前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段と、
を備えることを特徴とする受電装置。
【請求項2】
前記通信制御手段は、前記バッテリの状態としての前記バッテリの電圧値又は温度に応じて、前記無線通信の頻度を変更することを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
【請求項3】
前記通信制御手段は、前記バッテリが定電流充電されているときに前記バッテリの電圧値が規定電圧に達した場合、定電流充電から定電圧充電に移行するとして、前記無線通信の頻度を、前記バッテリの電圧値が前記規定電圧に達する前よりも高くすることを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
【請求項4】
前記通信制御手段は、前記バッテリが定電流充電されているときに前記バッテリの電圧値が規定電圧に達した後、定電流充電から定電圧充電に移行するとして、前記無線通信の頻度を徐々に高くすることを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
【請求項5】
前記通信制御手段は、前記バッテリが定電流充電されているときに前記バッテリの温度が規定温度に達した場合、定電流充電から定電圧充電に移行するとして、前記無線通信の頻度を、前記バッテリの温度が前記規定温度に達する前よりも高くすることを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
【請求項6】
前記通信制御手段は、前記バッテリが定電流充電されているときに前記バッテリの温度が規定温度に達した後、定電流充電から定電圧充電に移行するとして、前記無線通信の頻度を徐々に高くすることを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
【請求項7】
給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つ定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置における通信制御方法であって、
前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記バッテリの状態に応じて、前記給電装置との間で実施される無線通信の頻度を変更する通信制御工程を備える
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つ定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続され、前記給電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段を備える受電装置に搭載されたコンピュータを、
前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段として機能させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を給電可能な給電装置であって、
前記受電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段と、
前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記通信手段を介して取得される前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段と、
を備えることを特徴とする給電装置。
【請求項10】
定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を供給可能であり、且つ前記受電装置との間で無線通信を実行可能な給電装置における通信制御方法であって、
前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記無線通信を介して取得される前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御工程を備える
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項11】
定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を供給可能であり、且つ前記受電装置との間で無線通信を実行可能な給電装置に搭載されたコンピュータを、
前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記無線通信を介して取得される前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段として機能させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触電力伝送システムを構成する受電装置、通信制御方法、コンピュータプログラム及び給電装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置を構成要素とする、電源を有する送電側機器から受電側機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムでは、無線通信により送電側機器及び受電側機器間において情報のやりとりが行われることが多い。
【0003】
このため、電力伝送中における無線通信の通信途切れの影響の回避が図られている。例えば特許文献1には、第1無線通信機及び第3無線通信機を有する送電側機器と、該第1無線通信機と通信する第2無線通信機、及び該第3無線通信機と通信する第4無線通信機を有する受電側機器と、を備える非接触電力伝送システムが記載されている。
【0004】
或いは、送電側機器及び受電側機器間における通信頻度を低下する(即ち、通信間隔を長くする)ことにより、ある程度の通信途切れを許容可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−115939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
送電側機器及び受電側機器間の通信では、例えば受電側機器に電気的に接続されたバッテリの状態に係る情報がやりとりされる。このため、送電側機器及び受電側機器間における通信頻度が比較的高いほうが、電力制御を比較的高精度で行うことができる。
【0007】
しかしながら、通信頻度が比較的高くなると、通信途切れが発生した場合に非接触電力伝送システムの安定性が低下する可能性があるという技術的問題点がある。また、特許文献1に記載の技術では、少なくとも4台の無線通信機が必要であり、製造コストが増加したり、制御が煩雑化したりする可能性があるという技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、無線通信の通信途切れの影響を抑制しつつ、受電側機器に電気的に接続されたバッテリに係る電力制御の精度を向上させることができる受電装置、通信制御方法、コンピュータプログラム及び給電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の受電装置は、上記課題を解決するために、給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つ定電流定電圧方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置であって、前記給電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段と、前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段と、を備える。
【0010】
本発明の第1の通信制御方法は、上記課題を解決するために、給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つ定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置における通信制御方法であって、前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記バッテリの状態に応じて、前記給電装置との間で実施される無線通信の頻度を変更する通信制御工程を備える。
【0011】
本発明の第1のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つ定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続され、前記給電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段を備える受電装置に搭載されたコンピュータを、前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段として機能させる。
【0012】
本発明の給電装置は、上記課題を解決するために、定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を給電可能な給電装置であって、前記受電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段と、前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記通信手段を介して取得される前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段と、を備える。
【0013】
本発明の第2の通信制御方法は、上記課題を解決するために、定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を供給可能であり、且つ前記受電装置との間で無線通信を実行可能な給電装置における通信制御方法であって、前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記無線通信を介して取得される前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御工程を備える。
【0014】
本発明の第2のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、定電流定電圧充電方式で充電されるバッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を供給可能であり、且つ前記受電装置との間で無線通信を実行可能な給電装置に搭載されたコンピュータを、前記バッテリが定電圧充電されるときの前記無線通信の頻度が、前記バッテリが定電流充電されるときの前記無線通信の頻度より高くなるように、前記無線通信を介して取得される前記バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段として機能させる。
【0015】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例に係る非接触電力伝送システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施例に係るバッテリ充電方法の概念図である。
図3】実施例に係る充電制御処理を示すフローチャートである。
図4】実施例の第1変形例に係る充電制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の受電装置等に係る実施形態を説明する。
【0018】
(受電装置)
実施形態に係る受電装置は、給電装置から非接触で電力を受電可能に構成されている。受電装置はバッテリに電気的に接続されており、受電した電力により該バッテリを充電可能である。ここで、バッテリは、例えば電気自動車等の車両に搭載されたバッテリである。
【0019】
受電装置は、給電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段を備えており、該受電装置によりバッテリが充電される際には、該通信手段を介して、例えばバッテリの充電状態、要求電圧値、要求電流値等の情報が送受信される。
【0020】
受電装置は、更に、バッテリの状態に応じて、無線通信の頻度を変更する通信制御手段を備える。例えばバッテリの充電方法として、所謂定電流定電圧充電方式が用いられる場合、通信制御手段は、定電流充電が実施されるバッテリの電圧が規定電圧に達するまでの期間は電流値を細かく調整する必要がないので、通信頻度を比較的低くする。他方、通信制御手段は、定電圧充電が実施されるバッテリの電圧が規定電圧となった後は、通信頻度を比較的高くする。
【0021】
このように構成すれば、定電流充電が実施される期間では、例えば通信途切れによる影響を受けにくくすることができると共に、定電圧充電が実施される期間では、電流値の制御精度を向上させることができる。
【0022】
実施形態に係る受電装置の一態様では、通信制御手段は、バッテリの電圧値又は温度に応じて、無線通信の頻度を変更する。
【0023】
この態様によれば、所謂定電流定電圧充電方式によりバッテリが充電される場合に、バッテリの電圧が規定電圧に達したことを比較的容易に検知することができ、実用上非常に有利である。
【0024】
実施形態に係る受電装置の他の態様では、通信制御手段は、バッテリの電圧値が規定電圧に達した場合、無線通信の頻度を、バッテリの電圧値が規定電圧に達する前よりも高くする。
【0025】
この態様によれば、電力の制御精度を比較的容易にして向上させることができ、実用上非常に有利である。
【0026】
或いは、実施形態に係る受電装置の他の態様では、通信制御手段は、バッテリの電圧値が規定電圧に達した後、無線通信の頻度を徐々に高くする。
【0027】
この態様によれば、電力の制御精度を比較的容易にして向上させることができ、実用上非常に有利である。
【0028】
或いは、実施形態に係る受電装置の他の態様では、通信制御手段は、バッテリの温度が規定温度に達した場合、無線通信の頻度を、バッテリの温度が規定温度に達する前よりも高くする。
【0029】
この態様によれば、電力の制御精度を比較的容易にして向上させることができ、実用上非常に有利である。
【0030】
或いは、実施形態に係る受電装置の他の態様では、通信制御手段は、バッテリの温度が規定温度に達した後、無線通信の頻度を徐々に高くする。
【0031】
この態様によれば、電力の制御精度を比較的容易にして向上させることができ、実用上非常に有利である。
【0032】
(第1の通信制御方法)
実施形態に係る第1の通信制御方法は、電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つバッテリと電気的に接続された受電装置における通信制御方法である。当該通信制御方法は、バッテリの状態に応じて、給電装置との間で実施される無線通信の頻度を変更する通信制御工程を備える。
【0033】
実施形態に係る第1の通信制御方法によれば、上述した実施形態に係る受電装置と同様に、無線通信の通信途切れの影響を抑制しつつ、受電装置に電気的に接続されたバッテリに係る電力制御の精度を向上させることができる。
【0034】
(第1のコンピュータプログラム)
実施形態に係る第1のコンピュータプログラムは、給電装置から非接触で電力を受電可能であり、且つバッテリと電気的に接続され、給電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段を備える受電装置に搭載されたコンピュータを、バッテリの状態に応じて、前記無線通信の頻度を変更する通信制御手段として機能させる。
【0035】
実施形態に係る第1のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するRAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(DVD Read Only Memory)等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、受電装置に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した実施形態に係る受電装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した実施形態に係る受電装置と同様に、無線通信の通信途切れの影響を抑制しつつ、受電装置に電気的に接続されたバッテリに係る電力制御の精度を向上させることができる。
【0036】
(給電装置)
実施形態に係る給電装置は、バッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を給電可能に構成されている。給電装置は、受電装置との間で無線通信を実施可能な通信手段と、該通信手段を介して取得されるバッテリの状態に応じて、無線通信の頻度を変更する通信制御手段と、を備える。
【0037】
実施形態に係る給電装置によれば、上述した実施形態に係る受電装置と同様に、無線通信の通信途切れの影響を抑制しつつ、受電装置に電気的に接続されたバッテリに係る電力制御の精度を向上させることができる。尚、実施形態に係る給電装置においても、上述した実施形態に係る受電装置の各種態様と同様の各種態様を採ることができる。
【0038】
(第2の通信制御方法)
実施形態に係る第2の通信制御方法は、バッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を供給可能であり、且つ該受電装置との間で無線通信を実行可能な給電装置における通信制御方法であって、無線通信を介して取得されるバッテリの状態に応じて、無線通信の頻度を変更する通信制御工程を備える。
【0039】
実施形態に係る第2の通信制御方法によれば、上述した実施形態に係る給電装置と同様に、無線通信の通信途切れの影響を抑制しつつ、受電装置に電気的に接続されたバッテリに係る電力制御の精度を向上させることができる。
【0040】
(第2のコンピュータプログラム)
実施形態に係る第2のコンピュータプログラムは、バッテリと電気的に接続された受電装置に対して、非接触で電力を供給可能であり、且つ該受電装置との間で無線通信を実行可能な給電装置に搭載されたコンピュータを、無線通信を介して取得されるバッテリの状態に応じて、無線通信の頻度を変更する通信制御手段として機能させる。
【0041】
実施形態に係る第2のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するRAM、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、給電装置に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した実施形態に係る給電装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した実施形態に係る給電装置と同様に、無線通信の通信途切れの影響を抑制しつつ、受電装置に電気的に接続されたバッテリに係る電力制御の精度を向上させることができる。
【実施例】
【0042】
本発明の非接触電力伝送システムに係る実施例を図面に基づいて説明する。
【0043】
(非接触電力伝送システムの構成)
図1において、非接触電力伝送システム1は、電源部10に電気的に接続された地上側設備100と、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載され、該車両の車両バッテリ20に電気的に接続された車両側設備200と、を備えて構成されている。尚、図1では、電源部10は地上側設備100とは別個の部材として描かれているが、電源部10が地上側設備100の一構成要素であってよい。
【0044】
地上側設備100は、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなるホストマイコン部110と、通信モジュール部120と、アンテナ部121と、電力送信部130と、送電コイル140と、を備えて構成されている。
【0045】
ここで、電力送信部130及び送電コイル140を含む送電に係る電気回路については、公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。
【0046】
尚、図1では、地上側設備100を示す破線の外側に、アンテナ部121及び送電コイル140が描かれているが、アンテナ部121及び送電コイル140が、地上側設備100の筺体の外側に配置される実際の装置を想定してのことである。後述する車両側設備についても同様。
【0047】
車両側設備200は、ホストマイコン部210と、通信モジュール220と、アンテナ部221と、電力受信部230と、受電コイル240とを備えて構成されている。電力受信部230は、受電部本体231及び電圧・電流監視部232を備えて構成されている。
【0048】
ここで、電力受信部230及び受電コイル240を含む受電に係る電気回路については、公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。尚、電圧・電流監視部232は、例えば公知の電圧計及び電流計を用いて構成すればよい。
【0049】
(バッテリの充電方法)
次に、上述の如く構成された非接触電力伝送システム1における車両バッテリ20の充電方法について、図2を参照して説明する。図2は、実施例に係るバッテリ充電方法の概念図である。
【0050】
図2(a)下段に示すように、車両バッテリ20の電圧が、例えば該車両バッテリ20の製造者等により予め設定された規定電圧に達するまでは、一定の電流値を保って、車両バッテリ20に電力が供給される定電流充電が行われる。他方、車両バッテリ20の電圧が規定電圧に達した後は、一定の電圧値を保って、車両バッテリ20に電力が供給される定電圧充電が行われる。つまり、本実施例では、所謂定電圧定電流充電方式により、車両バッテリ20の充電が行われる。
【0051】
ここで、定電圧充電期間における、非接触電力伝送システム1の動作について、図2(b)を参照して説明を加える。図2(b)は、図2(a)において円Cで囲われた部分を拡大して示したものである。
【0052】
図2(b)において、時刻t1〜時刻t2の期間は、送電コイル140から受電コイル240に電力が伝送されることに起因して、車両バッテリ20の電圧値が上昇する。時刻t2〜時刻t3の期間は、送電コイル140から受電コイル240への電力伝送が停止されることに起因して、車両バッテリ20の電圧値が自然に低下する。時刻t3〜時刻t4の期間は、送電コイル140から受電コイル240に再び電力が伝送されることに起因して、車両バッテリ20の電圧値が上昇する。
【0053】
(地上側設備及び車両側設備間の通信)
次に、地上側設備100と車両側設備200との間で行われる無線通信の通信間隔(即ち、通信頻度)について、図2(a)上段を参照して説明する。
【0054】
定電流充電期間は、車両バッテリ20へ供給される電流値を細かく調整する必要が無く、車両バッテリ20の電圧値も、一定の勾配で上昇するので、変動の予測がしやすい。従って、通信間隔を比較的長く(例えば1秒等)設定しても、非接触電力伝送システム1の安定性に影響がでる可能性は低いと考察される。加えて、通信途切れも、例えば数分程度であれば許容可能であると考察される。
【0055】
他方、定電圧充電期間は、車両バッテリ20の電圧値が規定電圧となるように、比較的頻繁に電流値を調整する必要がある。従って、通信間隔は、定電流充電時に比べて短くする必要がある。言い換えれば、定電圧充電期間では、定電流充電期間に比べ、通信頻度を高くする必要がある。特に、電流値の調整が必要な場合に通信が行われる必要がある。
【0056】
上記のような観点から、図2(a)上段に示すように、定電流充電期間では、例えば1秒等の比較的長い通信間隔に固定して地上側設備100及び車両側設備200間において通信が行われる。他方、定電圧充電期間では、例えば10ミリ秒等の比較的短い通信間隔に固定して、或いは、図2(a)上段に示すように、時間と共に通信間隔を徐々に短くして、或いは、電流値の調整が必要な都度、地上側設備100及び車両側設備200間において通信が行われる。
【0057】
尚、地上側設備100及び車両側設備200の少なくとも一方において異常が検知された場合には、上述の通信間隔とは関係なく直ちに通信が行われる。また、地上側設備100及び車両側設備200間における無線通信によりやりとりされる情報は、例えば車両バッテリ20の充電状態、要求電圧値、要求電流値等である。
【0058】
ここで、上述の如く通信間隔(又は通信頻度)を変更することに起因する効果について説明する。
【0059】
非接触電力伝送システム1では、車両側設備200(即ち、受電側)に係る情報(例えば、車両バッテリ20の状態や電力指令値等)が、無線通信により地上側設備100(即ち、送電側)に送信されることにより、車両側設備200に送電される電力が制御されている。
【0060】
このため、地上側設備100及び車両側設備200間における通信頻度が比較的高いほうが(即ち、通信間隔が比較的短いほうが)、電力制御精度を向上させることができる。他方で、通信頻度が比較的高くなると、通信途切れが発生した場合に、非接触電力伝送システム1の安定性が低下する可能性がある。
【0061】
しかるに本実施例では、定電流充電期間では通信間隔が比較的長く設定され、定電圧充電期間では通信間隔が比較的短く設定される。言い換えれば、定電流充電期間では通信頻度が比較的低く抑えられ、定電圧充電期間では通信頻度が比較的高くなるように設定される。
【0062】
この結果、定電流充電期間に、例えば通信途切れの発生に起因する意図しない充電停止等を好適に回避して、非接触電力伝送システム1の安定性を確保することができる。加えて、定電圧充電期間では、地上側設備100及び車両側設備間の通信頻度を高めて、電力制御精度を向上させることができ、車両バッテリ20の充電を安全に行うことができる。
【0063】
(充電制御処理)
次に、非接触電力伝送システム1の車両側設備200において実施される充電制御処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
図3において、定電流充電期間に、車両側設備200のホストマイコン部210は、電圧・電流監視部232を介して電圧値を取得する(ステップS101)。次に、ホストマイコン部210は、取得された電圧値を示す信号を、通信モジュール部220及びアンテナ部221を介して、地上側設備100に送信する(ステップS102)。
【0065】
続いて、ホストマイコン部210は、取得された電圧値が、車両バッテリ20に係る規定電圧に達したか否かを判定する(ステップS103)。取得された電圧値が規定電圧未満であると判定された場合(ステップS103:No)、ホストマイコン部210は待機状態となり(ステップS104)、予め設定された待機時間(例えば1秒等)だけ経過した後に、ステップS101の処理を実施する。
【0066】
他方、取得された電圧値が規定電圧に達したと判定された場合(ステップS103:Yes)、ホストマイコン部210は、定電流充電から定電圧充電へ移行する旨を示す信号を、通信モジュール部220及びアンテナ部221を介して、地上側設備100に送信する(ステップS105)。
【0067】
上記ステップS105の処理と並行して又は相前後して、ホストマイコン部210は、通信間隔が定電流充電期間に比べて短くなるように、該通信間隔(即ち、待機時間)を変更する(ステップS106)。
【0068】
次に、ホストマイコン部210は、電圧・電流監視部232を介して電圧値を取得する(ステップS107)。続いて、ホストマイコン部210は、取得された電圧値に応じて電流要求値を算出する(ステップS108)。
【0069】
次に、ホストマイコン部210は、電流要求値が規定電流値以下になったか否かを判定する(ステップS109)。ここで、「規定電流値」は、車両バッテリ20の充電を終了するか否かを決定する値であり、予め固定値として、又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定されている。尚、規定電流値の設定方法には公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。
【0070】
電流要求値が規定電流値より大きいと判定された場合(ステップS109:No)、ホストマイコン部210は、取得された電圧値及び電流要求値を示す信号を、通信モジュール部220及びアンテナ部221を介して、地上側設備100に送信する(ステップS110)。その後、ホストマイコン部210は待機状態となり(ステップS111)、予め設定された待機時間(例えば10ミリ秒等)だけ経過した後に、ステップS107の処理を実施する。
【0071】
電流要求値が規定電流値以下になったと判定された場合(ステップS109:Yes)、ホストマイコン部210は、充電終了指示を示す信号を、通信モジュール部220及びアンテナ部221を介して、地上側設備100に送信する(ステップS112)。
【0072】
尚、上述した実施例に限らず、例えばホストマイコン部200が、車両ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30が取得するバッテリ温度(図1参照)に基づいて、定電流充電から定電圧充電へ移行したり、電流要求値を算出したりしてもよい。バッテリ温度に基づいて車両バッテリ20の状態を推定する方法には、公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。
【0073】
ホストマイコン部200は、図1に示したように、車両ECU30を介してバッテリ温度を取得することに限らず、例えば温度センサ等を用いて直接バッテリ温度を取得してもよい。
【0074】
実施例に係る「地上側設備100」、「車両側設備200」、「通信モジュール部220」及び「ホストマイコン部220」は、夫々、本発明に係る「給電装置」、「受電装置」、「通信手段」及び「通信制御手段」の一例である。
【0075】
<第1変形例>
実施例に係る非接触電力伝送システム1の第1変形例について説明する。本変形例では、定電圧充電期間における充電制御処理の一部が異なる以外は、上述した実施例と同様である。
【0076】
(充電制御処理)
本変形例に係る充電制御処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0077】
図4において、上述したステップS105の処理により、定電流充電から定電圧充電へ移行した後、車両側設備200のホストマイコン部210は、電圧・電流監視部232を介して電圧値を取得する(ステップS107)。続いて、ホストマイコン部210は、取得された電圧値に応じて電流要求値を算出する(ステップS108)。
【0078】
次に、ホストマイコン部210は、今回算出された電流値と前回算出された電流値とを比較して、電流値が変更されたか否かを判定する(ステップS201)。電流値が変更されていないと判定された場合(ステップS201:No)、ホストマイコン部210は、ステップS107の処理を実施する。
【0079】
電流値が変更されたと判定された場合(ステップS201:Yes)、ホストマイコン部210は、電流要求値が規定電流値以下になったか否かを判定する(ステップS109)。電流要求値が規定電流値より大きいと判定された場合(ステップS109:No)、ホストマイコン部210は、取得された電圧値及び電流要求値を示す信号を、通信モジュール部220及びアンテナ部221を介して、地上側設備100に送信し(ステップS110)、ステップS107の処理を実施する。
【0080】
電流要求値が規定電流値以下になったと判定された場合(ステップS109:Yes)、ホストマイコン部210は、充電終了指示を示す信号を、通信モジュール部220及びアンテナ部221を介して、地上側設備100に送信する(ステップS112)。
【0081】
このように構成すれば、無用な通信を減らしつつ、定電圧充電期間における電力制御精度を向上させることができる。尚、定電圧充電期間において電流値は比較的頻繁に変動するので、定電圧充電期間における通信間隔は、定電流充電期間よりも短くなる。
【0082】
<第2変形例>
実施例に係る非接触電力伝送システム1の第2変形例について説明する。本変形例では、車両側設備200のホストマイコン部210に代えて、地上設備側100のホストマイコン部110が、定電流充電から定電圧充電への移行等を判定する。
【0083】
具体的には、地上側設備100のホストマイコン部110は、アンテナ部121及び通信モジュール部120を介して、車両側設備200の電圧・電流監視部232により測定された電圧値を取得する。
【0084】
次に、ホストマイコン部110は、取得された電圧値が規定電圧に達したか否かを判定する。取得された電圧値が規定電圧に達していないと判定された場合、ホストマイコン部110は、待機状態となり、例えば1秒等の待機時間だけ経過した後に、再び電圧値を取得する。
【0085】
他方、取得された電圧値が規定電圧に達したと判定された場合、ホストマイコン部110は、定電流充電から定電圧充電へ移行する旨を示す信号を、通信モジュール部120及びアンテナ部121を介して車両側設備200に送信する。この処理と並行して、ホストマイコン部110は、定電流充電期間における待機時間よりも短くなるように待機時間変更する。
【0086】
その後、ホストマイコン部110は、アンテナ部121及び通信モジュール部120を介して取得された電圧値に応じて、車両バッテリ20に供給される電流値を調整し、該電流値が規定電流値以下となったことを条件に充電制御処理を終了する。
【0087】
本変形例に係る「通信モジュール部120」及び「ホストマイコン部110」は、夫々、本発明に係る「通信手段」及び「通信制御手段」の他の例である。
【0088】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う受電装置、通信制御方法、コンピュータプログラム及び給電装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
1…非接触電力伝送システム、10…電源部、20…車両バッテリ、30…車両ECU、100…地上側設備、110、210…ホストマイコン部、120、220…通信モジュール部、121、221…アンテナ部、130…電力送信部、140…送電コイル、200…車両側設備、230…電力受信部、231…受電部本体、232…電圧・電流監視部、240…受電コイル
図1
図2
図3
図4