特許第6227384号(P6227384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227384
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】車両用メンバーの組立構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20171030BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   B62D25/08 E
   B62D25/20 C
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-240237(P2013-240237)
(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-54689(P2015-54689A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年11月8日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0109071
(32)【優先日】2013年9月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】安承源
(72)【発明者】
【氏名】姜勝鉱
(72)【発明者】
【氏名】崔成優
【審査官】 北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−171032(JP,A)
【文献】 特開平6−1263(JP,A)
【文献】 実開平5−28787(JP,U)
【文献】 特開平4−154488(JP,A)
【文献】 特開2003−34268(JP,A)
【文献】 特開2010−247599(JP,A)
【文献】 特開平9−309461(JP,A)
【文献】 特開2012−214211(JP,A)
【文献】 特開2010−83455(JP,A)
【文献】 米国特許第6572180(US,B2)
【文献】 特開2003−276453(JP,A)
【文献】 特開2004−314932(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0049069(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08、25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドインナーメンバーとサイドアウターメンバーから構成されるフロントサイドメンバーとフロントフェンダエプロンメンバーを相互連結する車両用メンバーの組立構造において、
前記フロントフェンダエプロンメンバーをフェンダエプロンインナーパネルと共に前記サイドアウターメンバーに組立し、
前記サイドアウターメンバーはサイドアウターフロントメンバーとサイドアウターリアメンバーから形成され、前記フロントフェンダエプロンメンバーは下端部後側を通して前記フロントサイドメンバーのサイドアウターリアメンバーに接合され、下端部前側に延長端を一体に形成し前記延長端が前記フロントサイドメンバーのサイドアウターフロントメンバーとサイドアウターリアメンバーの間を通して挿入されてサイドインナーメンバーに接合されることを特徴とする車両用メンバーの組立構造。
【請求項2】
前記延長端は、
前記サイドインナーメンバーの内側3面に対応する先端が少なくとも1面に対して接合されることを特徴とする請求項1に記載の車両用メンバーの組立構造。
【請求項3】
前記接合は、
スポット溶接またはレーザー溶接によって行われることを特徴とする請求項1に記載の車両用メンバーの組立構造。
【請求項4】
前記フロントフェンダエプロンメンバーは前側隔壁部と後側隔壁部を含み、前記前側隔壁部の下端部に前記延長端が一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用メンバーの組立構造。
【請求項5】
前記延長端は、
外側端部に沿って前方に向かって折り曲げられた溶接フランジを形成し、前記溶接フランジを通して前記サイドインナーメンバーの内面に溶接されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用メンバーの組立構造。
【請求項6】
前記フェンダエプロンインナーパネルは、
外面が前記フロントフェンダエプロンメンバーに接合され、下部両側にエンジンマウンティング部を形成しながら前記フロントサイドメンバーのサイドインナーメンバーの上面にそれぞれ溶接されることを特徴とする請求項1に記載の車両用メンバーの組立構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用メンバーの組立構造に係り、より詳しくは、車両のスモールオーバーラップ衝突時に発生する衝撃荷重をフロントサイドメンバーに伝達および分散させて乗客座席の過多な変形を防止すると同時に、乗車者を保護する車両用メンバーの組立構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に自動車は他の自動車や固定体とのスモールオーバーラップ(または側方)衝突時、その衝突荷重を吸収、伝達および分散させて乗客室の変形を最少化すると同時に、乗車者の安全を図ることができるようにフロントサイドメンバーとフロントフェンダエプロンメンバーを連結する構造をなしている。
【0003】
従来の技術ではフロントサイドメンバーのサイドアウターメンバーにフロントフェンダエプロンメンバーがフランジの形態に接合されていて、車両のスモールオーバーラップ衝突時にサイドアウターメンバーとフロントフェンダエプロンメンバー間の接合された断面が簡単に分離されて衝突剛性または衝突荷重の伝達および分散にぜい弱な構造からなっている。
【0004】
最近はフロントフェンダエプロンメンバーの断面を下部まで延長してサイドアウターメンバーに連結することによって、衝突剛性または衝突荷重の伝達および分散に効果があることと期待しているが、フロントフェンダエプロンメンバーがサイドアウターメンバーの断面にプラグ溶接で接合されていて、衝突時にサイドアウターメンバーとフロントフェンダエプロンメンバーが簡単に分離される短所がある。
【0005】
前記のような問題点によって車両のスモールオーバーラップ衝突時、衝突荷重がフロントサイドメンバーに伝達されず、カウルサイドメンバーとフロントピラーが全ての衝突荷重を吸収するようになることによって、衝突荷重による乗客座席の過多変形を誘発し、これによって乗車者の傷害が増加する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公告10−0471494号公報
【特許文献2】特開2001−018836号公報(2001年1月23日公開)
【特許文献3】特許第3329198号明細書(1998年2月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、フロントフェンダエプロンメンバーに一体に形成された延長端をフロントサイドメンバーのサイドインナーメンバーに接合して結合剛性を増大させることによって、車両のスモールオーバーラップ衝突時に発生する衝突荷重を信頼性のあるようにフロントサイドメンバーに分散して伝達できるようにする車両用メンバーの組立構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つまたは多数の実施形態では、サイドインナーメンバーとサイドアウターメンバーから構成されるフロントサイドメンバーとフロントフェンダエプロンメンバーを相互連結する車両用メンバーの組立構造において、前記フロントフェンダエプロンメンバーをフェンダエプロンインナーパネルと共に前記サイドアウターメンバーに組立し、前記サイドアウターメンバーはサイドアウターフロントメンバーとサイドアウターリアメンバーから形成され、前記フロントフェンダエプロンメンバーは下端部後側を通して前記フロントサイドメンバーのサイドアウターリアメンバーに接合され、下端部前側に延長端を一体に形成し前記延長端が前記フロントサイドメンバーのサイドアウターフロントメンバーとサイドアウターリアメンバーの間を通して挿入されてサイドインナーメンバーに接合される車両用メンバーの組立構造を提供することができる。
【0009】
また、前記延長端は前記サイドインナーメンバーの内側3面に対応する先端が少なくとも1面に対して接合され得る。
【0010】
また、前記接合はスポット溶接またはレーザー溶接によって行うことができる。
【0011】
前記フロントフェンダエプロンメンバーは前側隔壁部と後側隔壁部を含み、前記前側隔壁部の下端部に前記延長端を一体に形成することができる。
【0012】
また、前記延長端は外側端部に沿って前方に向かって折り曲げられた溶接フランジを形成し、前記溶接フランジを通して前記サイドインナーメンバーの内面に溶接することができる。
【0013】
また、前記フェンダエプロンインナーパネルは外面が前記フロントフェンダエプロンメンバーに接合され、下部両側にエンジンマウンティング部を形成しながら前記フロントサイドメンバーのサイドインナーメンバーの上面にそれぞれ溶接することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造によれば、フロントフェンダエプロンメンバーに一体に形成された延長端をフロントサイドメンバーのサイドインナーメンバーに挿入された状態で溶接接合することによって、結合剛性を増大させる構造的特徴を有する。
【0015】
これにより、車両のスモールオーバーラップ衝突時に発生する衝撃荷重が前記フロントフェンダエプロンメンバーを通じてフロントサイドメンバーに安定的に分散して伝達される。
【0016】
これによって、従来の乗客座席の過多な変形を防止し、乗車者を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造の全体斜視図である。
図2】本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造で、サイドアウターフロントメンバーが除去された状態の外側斜視図である。
図3】本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造の断面図である。
図4】本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造の組立過程を示す組立工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
但し、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたところに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0020】
また、本発明の実施形態を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略した。
【0021】
図1は本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造の全体斜視図であり、図2は本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造で、サイドアウターフロントメンバーが除去された状態の外側斜視図であり、図3は本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造の断面図であり、図4は本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造の組立過程を示す組立工程図である。
【0022】
図1から図4に示す通り、本発明の実施形態による車両用メンバーの組立構造1はサイドインナーメンバー11とサイドアウターメンバー13で構成されるフロントサイドメンバー10とフロントフェンダエプロンメンバー20を相互連結する組立構造に関するものである。
【0023】
つまり、車両のスモールオーバーラップ衝突時に発生する衝突荷重をフロントサイドメンバー10に伝達および分散させて乗客座席の過多な変形を防止すると同時に、乗車者を保護することができる構造的特徴を有する。
【0024】
このような車両用メンバーの組立構造1は前記フロントフェンダエプロンメンバー20をフェンダエプロンインナーパネル30と共に前記サイドアウターメンバー13に組み立てる。
【0025】
ここで、前記サイドアウターメンバー13はサイドアウターフロントメンバー13aとサイドアウターリアメンバー13bに形成される。
【0026】
この時、前記フェンダエプロンインナーパネル30は外面が前記フロントフェンダエプロンメンバー20に接合され、下部両側にエンジンマウンティング部31を形成しながら前記フロントサイドメンバー10のサイドインナーメンバー11の上面にそれぞれ溶接される。
【0027】
前記フロントフェンダエプロンメンバー20は下端部後側を通して前記フロントサイドメンバー10のサイドアウターリアメンバー13bに接合され、下端部前側に延長端25を一体に形成し前記延長端25が前記フロントサイドメンバー10のサイドアウターフロントメンバー13aとサイドアウターリアメンバー13bの間を通して挿入されてサイドインナーメンバー11に接合される。
【0028】
つまり、前記フロントフェンダエプロンメンバー20は前側隔壁部21と後側隔壁部23を含み、前記前側隔壁部21の下端部に前記延長端25が一体に形成される。
【0029】
ここで、前記延長端25は前記サイドインナーメンバー11の内側3面に対応する先端が少なくとも1面に対して接合され、このような接合はスポット溶接またはレーザー溶接によって行うことができる。
【0030】
したがって、前記延長端25は外側端部に沿って前方に向かって折り曲げられた溶接フランジ27を形成し、前記溶接フランジ27を通じて前記サイドインナーメンバー11の内面に溶接され得る。
【0031】
以上に本発明の一つの実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0032】
1 車両用メンバーの組立構造
10 フロントサイドメンバー
11 サイドインナーメンバー
13 サイドアウターメンバー
13a サイドアウターフロントメンバー
13b サイドアウターリアメンバー
20 フロントフェンダエプロンメンバー
21 前側隔壁部
23 後側隔壁部
25 延長端
27 溶接フランジ
30 フェンダエプロンインナーパネル
31 エンジンマウンティング部
図1
図2
図3
図4