【実施例】
【0042】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1514kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を40℃に維持しながら、560kg/hrの塩素ガスを窒素ガスで50体積%に希釈して導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0043】
反応槽から反応物スラリー2074kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム682kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が34.5質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.5質量%であり、塩素酸イオン濃度が0.41質量%である低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液1390 kg/hrとを得た。このときの収率は95.9%であった。なお、収率は、導入した塩素ガスを基準に、得られた次亜塩素酸ナトリウムのモル数から算出した値である(以下同様)。
【0044】
得られた低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した希薄次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.8質量%、塩素酸イオン濃度が0.16質量%であった。
【0045】
[実施例2]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1512kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を35℃に維持しながら、560kg/hrの塩素ガスを窒素ガスで50体積%に希釈して導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0046】
反応槽から反応物スラリー2072kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム680kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が35.4質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.2質量%であり、塩素酸イオン濃度が0.29質量%である低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液1390kg/hrとを得た。このときの収率は97.3%であった。
【0047】
得られた低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した希薄次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.6質量%、塩素酸イオン濃度が0.11質量%であった。
【0048】
[実施例3]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1513kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を30℃に維持しながら、556kg/hrの塩素ガスを窒素ガスで95体積%に希釈して導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0049】
反応槽から反応物スラリー2069kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム642kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が33.3質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.4質量%であり、塩素酸イオン濃度が0.84質量%である低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液1427kg/hrとを得た。このときの収率は93.1%であった。
【0050】
得られた低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した希薄次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.8質量%、塩素酸イオン濃度が0.34質量%であった。
【0051】
[実施例4]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1503kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を30℃に維持しながら、556kg/hrの塩素ガスを窒素ガスで80体積%に希釈して導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0052】
反応槽から反応物スラリー2059kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム672kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が34.5質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.1質量%であり、塩素酸イオン濃度が0.41質量%である低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液1387kg/hrとを得た。このときの収率は95.6%であった。
【0053】
得られた低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.6質量%、塩素酸イオン濃度が0.16質量%であった。
【0054】
[実施例5]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1505kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を30℃に維持しながら、552kg/hrの塩素ガスを窒素ガスで67体積%に希釈して導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0055】
反応槽から反応物スラリー2057kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム649kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が34.2質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.2質量%であり、塩素酸イオン濃度が0.37質量%である低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液1408kg/hrとを得た。このときの収率は96.8%であった。
【0056】
得られた低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.7質量%、塩素酸イオン濃度が0.15質量%であった。
【0057】
[実施例6]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1484kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を30℃に維持しながら、556kg/hrの塩素ガスを窒素ガスで50体積%に希釈して導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0058】
反応槽から反応物スラリー2040kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム630kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が36.2質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.2質量%であり、塩素酸イオン濃度が0.17質量%である低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液1410kg/hrとを得た。このときの収率は98.7%であった。
【0059】
得られた低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.6質量%、塩素酸イオン濃度が0.06質量%であった。
【0060】
[比較例1]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1520kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を40℃に維持しながら、塩素ガスを560kg/hrで導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0061】
反応槽からは反応物スラリー2080kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム624kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が28.9質量%であり、塩化ナトリウム濃度が6.3質量%であり、塩素酸イオン濃度が2.04質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液1456kg/hrとを得た。このときの収率は81.5%であった。
【0062】
得られた次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した希薄次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が3.0質量%、塩素酸イオン濃度が0.96質量%であった。
【0063】
[比較例2]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1516kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を35℃に維持しながら、塩素ガスを560kg/hrで導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0064】
反応槽から反応物スラリー2076kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム621kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が30.9質量%であり、塩化ナトリウム濃度が5.4質量%であり、塩素酸イオン濃度が1.84質量%である次亜塩素酸ナトリウム水溶液1455kg/hrとを得た。このときの収率は85.1%であった。
【0065】
得られた次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が2.4質量%、塩素酸イオン濃度が0.81質量%であった。
【0066】
[比較例3]
撹拌器、コイル冷却器及び外部循環型冷却器を備えた反応槽に、攪拌を行いながら原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1471kg/hrで供給し、この水酸化ナトリウム水溶液を30℃に維持しながら、塩素ガスを552kg/hrで導入し、滞留時間が約100分となるように塩素化反応を行った。
【0067】
反応槽から反応物スラリー2023kg/hrを抜き出し、遠心分離器で固液分離することにより、析出した塩化ナトリウム654kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が32.1質量%であり、塩化ナトリウム濃度が4.4質量%であり、塩素酸イオン濃度が1.63質量%である次亜塩素酸ナトリウム水溶液1369kg/hrとを得た。このときの収率は88.7%であった。
【0068】
得られた次亜塩素酸ナトリウム水溶液を純水で希釈して有効塩素濃度13質量%に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム濃度が1.9質量%、塩素酸イオン濃度が0.69質量%であった。
【0069】
比較例1〜3において、次亜塩素酸ナトリウムの収率が低下し、塩化ナトリウム濃度および塩素酸ナトリウム濃度が増大した理由は、塩素ガスの吹込口付近で局所的な過塩素化が起こり、次亜塩素酸ナトリウムが分解されたからであると考えられる。
上述した実施例および比較例の結果を下記表1に示す。
【0070】
【表1】