【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電気かみそりは、本体ケース1の外面にトリマーユニット3と、往復スライドしてトリマーユニット3の姿勢を切換え操作するスライドノブ33とが設けてある。トリマーユニット3は揺動軸28を介してスライドノブ33と連結されて、その切刃部がスライドノブ33の外面に突出する作動姿勢と、全体が本体ケース1の外面に沿って格納される待機姿勢との間で起伏揺動できるようスライドノブ33で支持されている。スライドノブ33およびトリマーユニット3と本体ケース1の対向面に、トリマーユニット3の姿勢を作動姿勢に切換える姿勢切換構造を設ける。
図1に示すように、姿勢切換構造は、トリマーユニット3に設けた受動片70と、受動片70のスライド軌跡に臨んで本体ケース1に設けた切換えカム体62を含む。スライドノブ33がスライド操作される状態において、スライド移動する受動片70を切換えカム体62で受止めることにより、受動片70を揺動軸28の回りに回動操作して、トリマーユニット3を待機姿勢から作動姿勢に切換えることを特徴とする。
【0009】
トリマーユニット3と本体ケース1の対向面のそれぞれに、トリマー側ストッパー79と本体側ストッパー78とを設ける。トリマーユニット3が待機姿勢から作動姿勢に切換わるのに連動して、トリマー側ストッパー79と本体側ストッパー78とが互いに接当して、トリマーユニット3を作動姿勢に保持固定する。
【0010】
受動片70の外周面に連続してトリマー側ストッパー79を設け、切換えカム体62の外周面に連続して本体側ストッパー78を設ける。
【0011】
トリマーユニット3の本体ケース1との対向面に、本体ケース1へ向かって突出する受動片70を設ける。受動片70の突端寄りに切換えカム体62のカム面72で受止められる受動部73を設ける。
【0012】
本体ケース1のトリマーユニット3との対向面に、切換えカム体62をトリマーユニット3へ向かって突設する。切換えカム体62のカム面72を、切換えカム体62の下面に設けられる第1カム面74と、第1カム面74に連続して傾斜する第2カム面75とで構成する。
【0013】
図5に示すように、トリマーユニット3は固定刃21および可動刃22と、これら両者を支持するトリマーベース23を備えている。トリマーベース23の左右方向の一側端に受動片70を設ける。
【0014】
トリマーベース23の左右方向の両側端に、トリマーベース23の構造強度を増強する補強リブ27を設ける。左右いずれか一方の補強リブ27に受動片70を設ける。
【0015】
本体ケース1のトリマーユニット3との対向面に、切換えカム体62をトリマーユニット3へ向かって突設する。受動片70は、スライドノブ33に形成したスライド溝44を介して本体ケース1の側へ突出している。スライドノブ33がスライド操作される状態において、切換えカム体62でスライド溝44をスライド案内する。
【0016】
スライドノブ33はノブ本体35と、ノブ本体35の背面に固定される背面カバー36とで構成し、背面カバー36にスライド溝44を形成する。
【0017】
トリマーユニット3と本体ケース1との間に、トリマーユニット3を作動姿勢から待機姿勢に復帰操作する姿勢復帰構造を設ける。
【0018】
姿勢復帰構造は、トリマーユニット3に設けた復帰受動片71と、復帰受動片71のスライド軌跡に臨んで本体ケース1に設けた復帰カム体61を含む。スライドノブ33がスライド操作される状態において、スライド移動する復帰受動片71を復帰カム体61で受止めることにより、復帰受動片71を揺動軸28の回りに回動操作して、トリマーユニット3を作動姿勢から待機姿勢に切換える(
図14(b)参照)。
【0019】
別の姿勢復帰構造は、
図18に示すように受動片70と本体ケース1との間に配置した復帰ばね92で構成する。
【0020】
スライドノブ33は、本体ケース1の内部に設けたモーター4への通電をオン・オフするスイッチノブを兼ねている。スライドノブ33は、オフ位置と、オフ位置より上側のオン位置と、オン位置より上側のトリマー位置とにスライド移動できる。スライドノブ33がオフ位置に位置している状態において、トリマーユニット3は復帰ばね92のばね力で待機姿勢に位置保持されている。
【0021】
復帰ばね92は引っ張りコイルばねで構成されて、その両端が本体ケース1側の固定連結部93と、トリマーユニット3側の可動連結部94にそれぞれ掛止されている。スライドノブ33はオフ位置、オン位置、トリマー位置の各位置にあるときの、固定連結部93と可動連結部94との間の距離をL1、L2、L3とするとき、固定連結部93と可動連結部94を、不等式(L2<L1<L3)を満足する位置に設ける。
【0022】
復帰受動片71の外周面に連続してトリマー側規制部83を設け、復帰カム体61の外周面に連続して本体側規制部84を設ける。
図13に示すように、トリマーユニット3が待機姿勢に格納された状態において、トリマー側規制部83と本体側規制部84とが互いに接当して、トリマーユニット3を作動姿勢に保持固定する。
【0023】
トリマーユニット3は固定刃21および可動刃22と、これら両者を支持するトリマーベース23を備えている。
図5に示すように、トリマーベース23の左右方向の一側端に復帰受動片71を設ける。
【0024】
図5に示すように、トリマーベース23の左右方向の一側端に受動片70を設け、トリマーベース23の左右方向の他側端に復帰受動片71を設ける。
【0025】
トリマーユニット3と対向する本体ケース1のケース壁に駆動開口18を設ける。往復動力をトリマーユニット3へ出力する駆動アーム16を駆動開口18に臨ませる。スライドノブ33はノブ本体35と、ノブ本体35の背面に固定される背面カバー36とで構成する。トリマーユニット3を作動姿勢に切換えた状態において、駆動開口18を背面カバー36で覆う。
【0026】
切換えカム体62の下側にガイド溝63を設ける。
図14に示すように、トリマーユニット3から本体ケース1へ向かって突出した受動片70の左右側面を、前記ガイド溝63の溝側壁でスライド案内する。
【0027】
トリマーユニット3の揺動軸28を、トリマーユニット3を構成するトリマーベース23と一体に設ける。ノブ本体35の内面両側に設けられて揺動軸28を軸支する軸受溝40を、背面カバー36に向かって開口するU字溝状に形成する。
図13に示すように、揺動軸28を軸受溝40に嵌込み、ノブ本体35と背面カバー36を組付けた状態において、軸受溝40の溝開口を背面カバー36に設けた蓋部52で塞ぐようにする。
【0028】
蓋部52に、軸受溝40の内部に入込んで揺動軸28の周面を受け止める突起53を設ける。
【0029】
図7に示すように、背面カバー36に、スライドノブ33をオフ位置においてスライド不能にロック保持するロック構造の弾性ロック腕45と、スライドノブ33をオフ位置、オン位置、トリマー位置の各位置において位置保持する節度構造の弾性腕46とを設ける。背面カバー36に、弾性ロック腕45を弾性変形させてロック解除操作する解除ボタン48と、スイッチ端子50を装着するための端子装着部47とを設ける。
【0030】
ノブ本体35と背面カバー36とは、背面カバー36の周縁の複数個所に設けた固定部Mで一体化する。
図8に示すように、背面カバー36における弾性ロック腕45と弾性腕46の配置位置を、左右で対を為す固定部Mを含む締結領域Rで上下に区分する。
【0031】
弾性腕46を左右で対を為す固定部Mを含む締結領域Rの下方の一側に配置する。端子装着部47は、弾性腕46の側方に隣接し、かつ締結領域Rに近接する状態で背面カバー36に設ける。
【0032】
本体ケース1のケース壁に、端子装着部47を往復スライド可能に案内する端子ガイド溝59を形成する。
図11に示すように、端子ガイド溝59の内面内方に配置した回路基板7に、端子装着部47に固定したスイッチ端子50で接続状態が切換えられる固定端子51を設ける。
【0033】
端子装着部47と対向するノブ本体35の内面に、スイッチ端子50の弾性に抗して端子装着部47を受止める規制体85を設ける。
【0034】
本体ケース1のケース壁に、スライドノブ33を往復スライド自在に案内する複数のノブガイド溝57を形成する。ノブ本体35の内面にノブガイド溝57で案内されるスライド突起38を設ける。スライド突起38の突端にノブガイド溝57の溝内縁に係合して、スライドノブ33を本体ケース1と連結する連結爪39を形成する。
【発明の効果】
【0035】
本発明においては、トリマーユニット3とスライドノブ33を揺動軸28を介して連結し、トリマーユニット3を作動姿勢と待機姿勢とに起伏揺動できるようスライドノブ33で支持した。また、トリマーユニット3に設けた受動片70と、受動片70のスライド軌跡に臨んで本体ケース1に設けた切換えカム体62などで姿勢切換構造を構成して、スライドノブ33をスライド操作する状態において、スライド移動する受動片70を切換えカム体62で受止めて、受動片70を揺動軸28の回りに回動操作することにより、トリマーユニット3を待機姿勢から作動姿勢に切換えるようにした。
【0036】
上記のように、トリマーユニット3に設けた受動片70を、本体ケース1に設けた切換えカム体62で直接的に受止めて、トリマーユニット3を待機姿勢から作動姿勢に切換えるようにすると、リンクやレバーなどの中間伝動構造を使用する必要もなくトリマーユニットの姿勢を確実に切換えることができる。従ってトリマーユニットの姿勢切換構造を著しく単純化し、簡素化してコストを削減し、その分だけ低コストの電気かみそりを提供することができる。また、スライド移動する受動片70を切換えカム体62で直接的に受止めて、トリマーユニット3の姿勢を切換えるので、スライドノブ33のスライド動作を伝動するための中間伝動構造や連結構造を省略することができる。従って、電気かみそりに落下衝撃などが作用するような場合でも、落下衝撃を受けて連結部分が分離する余地がなく、トリマーユニット3を常に円滑に起伏揺動できる、信頼性に優れた電気かみそりを提供することができる。
【0037】
トリマーユニット3と本体ケース1の対向面に、トリマー側ストッパー79と本体側ストッパー78とを設け、トリマーユニット3が作動姿勢に切換わった状態において、前記両ストッパー78・79を互いに接当させると、作動姿勢に切換えられたトリマーユニット3の姿勢を、安定した状態で保持固定することができる。従って、ユーザーがスライドノブ33をトリマー位置からオン位置側へスライド操作しない限りは、トリマーユニット3を作動姿勢に固定保持して、きわ剃りを安定した状態で行なうことが出来る。外力を受けたトリマーユニット3が待機姿勢の側へ復帰回動することもない。
【0038】
受動片70の外周面に連続してトリマー側ストッパー79を設け、切換えカム体62の外周面に連続して本体側ストッパー78を設けると、各ストッパー78・79を受動片70および切換えカム体62の周辺に集約することができる。従って、各ストッパー78・79をトリマーユニット3の他の部分に独立した構造として設ける場合に比べて、トリマーユニット3の構造を簡素化できる。各ストッパー78・79と受動片70および切換えカム体62の位置関係をより近づけることができるので、受動片70の回動に伴う両ストッパー78・79の姿勢の切換わり動作を安定化できる利点もある。
【0039】
受動片70を本体ケース1へ向かって突出し、その突端寄りに切換えカム体62のカム面72で受止められる受動部73を設けると、トリマーユニット3が作動姿勢へ回動するときの、受動部73に作用するモーメントアームを大きくすることができる。従って、トリマーユニット3を軽快に回動変位させて、待機姿勢から作動姿勢に的確に切換えることができる。また、受動部73を切換えカム体62のカム面72で受止めて、常に下向きの操作力が作用する状態で受動片70を回動させるので、トリマーユニット3が揺動軸28の周りに回動するとき、揺動軸28がずれ動くのを防止して、トリマーユニット3を安定した状態で回動変位できる。
【0040】
切換えカム体62のカム面72を第1カム面74と、傾斜する第2カム面75とで構成すると、
図17に示すように受動片70の近傍に逃げ凹部90を設ける必要もなく、トリマーユニット3を円滑に回動させることができる。これは、切換えカム体62の下隅に傾斜する第2カム面75に設けることで、回動途中の受動片70が切換えカム体62の下隅に接当緩衝するのを回避できるからである。また、受動片70の近傍に逃げ凹部90を設ける必要がないので、凹部90を設けることで受動片70および周辺の構造が複雑になることもなく、その分だけ受動片70および同片70の周辺構造を簡素化できる。
【0041】
固定刃21および可動刃22と、これら両者を支持するトリマーベース23などでトリマーユニット3を構成し、トリマーベース23の左右方向の一側端に受動片70を設けると、固定刃21および可動刃22をトリマーベース23に組付ける際に、受動片70が組付けの邪魔になるのを解消できる。従って、トリマーユニット3の組立に関する一連の作業を、より少ない手間で的確に行うことができる。
【0042】
トリマーベース23の両側端のそれぞれに補強リブ27を設け、左右いずれか一方の補強リブ27に受動片70を設けると、受動片70をトリマーベース23に独立した構造として形成する場合に比べて、補強リブ27の分だけ受動片70の突出寸法を小さくして強度を向上できる。また、トリマーユニット3が待機姿勢になっているとき、受動片70が
格納部34の前開口から視認されるのを防止できる。
【0043】
本体ケース1のトリマーユニット3との対向面に切換えカム体62を突設し、スライドノブ33がスライド操作されるとき、切換えカム体62でスライド溝44をスライド案内すると、トリマーユニット3と切換えカム体62の左右方向の位置関係を適正化できる。従って、姿勢切換え時のトリマーユニット3の回動を円滑に行える。
【0044】
ノブ本体35と背面カバー36とでスライドノブ33を構成すると、スライドノブ33をスライド操作した状態において、本体ケース1の前面を背面カバー36で覆い隠すことができる。従って、トリマーユニット3を使用する際に、本体ケース1に設けた駆動構造や姿勢切換え構造などが視認されるのを防いで、電気かみそりの外観上の体裁を向上することができる。また、背面カバー36を利用してスライド溝44を形成するので、スライドノブ33のスライド動作を安定化できる。
【0045】
トリマーユニット3と本体ケース1との間に姿勢復帰構造を設けると、スライドノブ33をスライド操作することにより、トリマーユニット3を作動姿勢から待機姿勢に強制的に復帰操作することができる。従って、ユーザーは、単にスライドノブ33をオン位置側へスライド操作するだけで、トリマーユニット3を待機姿勢に復帰回動させて、次回のきわ剃り作業に備えることができる。
【0046】
トリマーユニット3に設けた復帰受動片71と、本体ケース1に設けた復帰カム体61とで姿勢復帰構造を構成すると、スライドノブ33がトリマー位置からオン位置側へスライド操作されるとき、復帰受動片71を復帰カム体61で直接的に受止めて、トリマーユニット3を作動姿勢から待機姿勢に切換えることができる。従って、リンクやレバーなどの中間伝動構造を使用する必要もなくトリマーユニット3の姿勢を姿勢復帰構造で確実に切換えることができ、さらに、中間伝動構造を省略する分だけ、姿勢切換構造を著しく単純化し簡素化してコストを削減できる。
【0047】
受動片70と本体ケース1との間に配置した復帰ばね92で構成した姿勢復帰構造によれば、作動姿勢に切換わったトリマーユニット3に対して復帰ばね92のばね力を作用させて、トリマーユニット3を待機姿勢の側へ向かって復帰付勢することができる。従って、スライドノブ33がトリマー位置からオン位置側へスライド操作されるのに連動して、トリマーユニット3を自動的に復帰回動させながら待機姿勢に戻すことができる。復帰ばね92は、受動片70と本体ケース1とに連結してあればよいので、復帰受動片71や復帰カム体61などのカム構造を設けて、トリマーユニット3を待機姿勢へ復帰操作する場合に比べて姿勢復帰構造を簡素化でき、動作の信頼性を高めることができる。
【0048】
スイッチノブを兼ねるスライドノブ33がオフ位置と、オン位置と、トリマー位置とにスライド移動するノブ構造において、オフ位置におけるトリマーユニット3を復帰ばね92のばね力で待機姿勢に位置保持できるようにすると、不使用状態におけるトリマーユニット3が、落下衝撃などの外力を受けて作動姿勢に切換わるのを確実に防止できる。また、いたずら等によってトリマーユニット3を作動姿勢に切換える試みが行われたとしても、トリマーユニット3を復帰ばね92のばね力で待機姿勢に戻すことができる。
【0049】
スライドノブ33がオフ位置、オン位置、トリマー位置の各位置にあるときの、固定連結部93と可動連結部94との間の距離をL1、L2、L3とするとき、固定連結部93と可動連結部94が、不等式(L2<L1<L3)を満足する位置に設けてあると、両連結部93・94の距離の違いに応じて復帰ばね92のばね力を大小に違わせることができる。詳しくは、スライドノブ33がオン位置にあるときのばね力を基準にして、スライドノブ33がオフ位置にあるときのばね力が先の基準のばね力より大きく、さらにスライドノブ33がトリマー位置にあるときのばね力が最も大きくなるように設定できる。従って、トリマーユニット3が作動姿勢に切換わった状態と、トリマーユニット3が待機姿勢に切換わった状態において、トリマーユニット3の姿勢を確実に保持固定して、トリマーユニット3の姿勢が不用意に切換わるのをより確実に防止できる。
【0050】
姿勢復帰構造を備えた電気かみそりにおいて、復帰受動片71と復帰カム体61にトリマー側規制部83と本体側規制部84を設けると、トリマーユニット3が待機姿勢に格納された状態において、トリマー側規制部83と本体側規制部84とが互いに接当して、トリマーユニット3を待機姿勢に保持固定することができる。従って、ユーザーがスライドノブ33をオン位置からトリマー位置側へスライド操作しない限りは、トリマーユニット3を待機姿勢に固定保持して、トリマーユニット3の姿勢が不用意に作動姿勢に切換わるのを防止できる。トリマー側規制部83と本体側規制部84とが、機械的に互いに接当して、トリマーユニット3を待機姿勢に固定保持するので、トリマーユニット3がいたずらされ、あるいは落下衝撃がトリマーユニット3に作用するような場合であっても、トリマーユニット3を安定した状態で確実に待機姿勢に固定保持できる。
【0051】
トリマーベース23の左右方向の一側端に復帰受動片71を設けると、固定刃21および可動刃22をトリマーベース23に組付ける際に、復帰受動片71が組付けの邪魔になるのを解消できる。従って、トリマーユニット3の組立に関する一連の作業を、より少ない手間で的確に行うことができる。
【0052】
トリマーベース23の一側端に受動片70を設け、トリマーベース23の他側端に復帰受動片71を設けて、受動片70と復帰受動片71を分離配置すると、両受動片70・71を一個所に集約する場合に比べて、各受動片70・71およびその周辺構造を単純化できる。また、両受動片70・71の形成位置がトリマーベース23の両側端に位置するので、固定刃21や可動刃22などのトリマー構成部品をトリマーベース23に組付ける際に、受動片70や復帰受動片71が組付けの邪魔になることもなく、トリマーユニット3の一連の組立作業をより少ない手間で的確に行うことができる。
【0053】
トリマーユニット3を作動姿勢に切換えた状態において、本体ケース1のケース壁に開口した駆動開口18を背面カバー36で覆うようにすると、きわ剃り時に切断された毛屑が駆動開口18から本体ケース1の内部に入込むのをよく防止して、毛屑の進入に伴う衛生状態の悪化や、進入した毛屑が可動部分に付着して作動不良に陥るのを良く防止できる。また、駆動開口18を介して本体ケース1の内部が視認されるのを防止して、使用状態における外観上の体裁を向上することができる。
【0054】
切換えカム体62の下側にガイド溝63を設け、本体ケース1へ向かって突出した受動片70の左右側面を、前記ガイド溝63の溝側壁でスライド案内すると、スライドノブ33が上下スライドするとき、受動片70のスライド軌跡が左右に変動するのをガイド溝63で規制できる。従って、受動片70を切換えカム体62のカム面72に適正に正対させて、トリマーユニット3の姿勢切換えをさらに的確に行うことができる。また、切換えカム体62の下側に形成したガイド溝63で受動片70をスライド案内するので、ガイドリブなどのガイド構造を別途設ける場合に比べて、構造を簡素化できる。
【0055】
ノブ本体35の内面両側にU字溝状の軸受溝40を形成し、トリマーユニット3の揺動軸28を軸受溝40に嵌込み、ノブ本体35と背面カバー36を組付けた状態において、軸受溝40の溝開口を背面カバー36の蓋部52で塞ぐと、揺動軸28が軸受溝40から脱落するのを蓋部52で確実に防止できる。また、ノブ本体35の軸受溝40にトリマーユニット3の揺動軸28を嵌込んだのち、背面カバー36をノブ本体35に組付けることで軸受溝40の溝開口を蓋部52で塞ぐことができるので、一連の組立作業をより少ない手間で簡便に行うことができる。
【0056】
蓋部52に突起53を設け、この突起53で揺動軸28の周面を受け止めるようにすると、揺動軸28が軸受溝40の内部で遊動するのを防止できるので、トリマーユニット3の姿勢切換えに伴う回動動作を、常に安定した状態で行うことができる。
【0057】
背面カバー36に、ロック構造の弾性ロック腕45と、節度構造の弾性腕46と、弾性ロック腕45用の解除ボタン48と、スイッチ端子50用の端子装着部47を設けると、これらの構造を別途設ける場合に比べて、ロック構造および節度構造とその周辺構造がいたずらに複雑化するのを避けて、スライドノブ33の内部構造を簡素化できる。また、弾性ロック腕45、弾性腕46、解除ボタン48と端子装着部47を背面カバー36と一体に設けるので、部品点数が増加するのを解消して組立に要する手間を著しく省くことができる。
【0058】
背面カバー36における弾性ロック腕45と弾性腕46の配置位置を、左右で対を為す固定部Mを含む締結領域Rで上下に区分すると、弾性ロック腕45と弾性腕46のいずれか一方が弾性変形するとき、他方が弾性変形の反力を受けてたわみ変形するのを、固定部Mを含む締結領域Rで遮断することができる。従って、弾性ロック腕45がロック姿勢に切換わり、あるいは解除ボタン48でロック解除操作される場合に、スライドノブ33を確実にロック保持し、あるいはロック解除できる。このとき、弾性ロック腕45が弾性変形するときの変形応力が弾性腕46に影響して、スライド操作を円滑に行えない可能性があったが、先の変形応力が弾性腕46に影響するのを、固定部Mを含む締結領域Rで遮断できる。また、弾性腕46がスライドノブ33の位置切換えに連動しながら弾性変形して、スライドノブ33を各切換え位置に位置保持することができる。
【0059】
締結領域Rの下方の一側に弾性腕46を配置し、端子装着部47を弾性腕46の側方に隣接し、かつ締結領域Rに近接する状態で背面カバー36に設けると、端子装着部47のスライド後の位置を弾性腕46で常に適正に位置決めできる。また、端子装着部47を締結領域Rに近接する状態で配置するので、端子装着部47を背面カバー36の締結領域Rで強固に支持できる。従って、スライドノブ33を上下にスライド操作してモーター4への通電状態を切換えるとき、端子装着部47に固定したスイッチ端子50によるスイッチの切換え動作を常に確実に行うことができる。
【0060】
本体ケース1のケース壁に端子ガイド溝59を設け、このガイド溝59で端子装着部47を往復スライド可能に案内すると、スライドノブ33を上下にスライド操作するとき、端子装着部47が左右方向へ揺れ動くのをガイド溝59で規制できる。従って、端子装着部47に固定したスイッチ端子50と、端子ガイド溝59の内面内方に配置した回路基板7上の固定端子51との接触状態を常に適正なものとして、スイッチの切換え動作をさらに確実なものとすることができる。
【0061】
端子装着部47と対向するノブ本体35の内面に規制体85を設けると、スライドノブ33を繰り返し上下スライドする際に、端子装着部47がスイッチ端子50の弾性力で押上げられて、端子装着部47が回路基板7から徐々に離れるのを規制体85で規制することができる。これにより、スイッチ端子50と固定端子51とが接触不良に陥るのを解消して、スイッチ端子50と固定端子51の接触状態を常に適正なものとすることができる。
【0062】
本体ケース1のケース壁に複数のノブガイド溝57を形成し、ノブ本体35の内面に先のノブガイド溝57で案内されるスライド突起38を設けると、スライドノブ33が左右にぐら付くのを確実に防止しながら、スライドノブ33を本体ケース1に沿って上下スライドできる。また、スライド突起38の突端に設けた連結爪39をノブガイド溝57の溝内縁に係合することにより、本体ケース1に連結したスライドノブ33が、本体ケース1から脱落するのを防止して、スライドノブ33をノブガイド溝57に沿って、確実に上下スライド操作することができる。