(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227434
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】眼科用装置を成形するための鋳造カップ組立品
(51)【国際特許分類】
B29C 33/30 20060101AFI20171030BHJP
A61F 2/16 20060101ALI20171030BHJP
B23B 1/00 20060101ALI20171030BHJP
B29L 11/00 20060101ALN20171030BHJP
【FI】
B29C33/30
A61F2/16
B23B1/00 Z
B29L11:00
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-21964(P2014-21964)
(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公開番号】特開2014-193600(P2014-193600A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2016年7月8日
(31)【優先権主張番号】13/763,345
(32)【優先日】2013年2月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント・エイチ・バレ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エフ・アンセル
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エル・バークミラー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・バーキル
(72)【発明者】
【氏名】マーク・マコーネル
【審査官】
長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第02230730(GB,A)
【文献】
特表2003−524539(JP,A)
【文献】
特開平11−038368(JP,A)
【文献】
実開平06−029814(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/30
A61F 2/16
B23B 1/00
B29L 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用装置を成形するための鋳造カップ組立品であって、
前方湾曲成形型であって、
平らな上面により包囲され、かつこれと隣接する周辺部を有する、前記前方湾曲成形型の表側上にある凹状成形型面と、
前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記周辺部の上に延びる第1のリングであって、前記平らな上面が前記第1のリング内にある、第1のリングと、を含む、前方湾曲成形型と、
底部湾曲成形型であって、
底面によって包囲される周辺部を有する、前記底部湾曲成形型の底部側上の凸状成形型面と、
前記凸状成形型面の周囲を囲み、かつ前記底面から前記周辺部を超えて延びる第2のリングと、を含む、底部湾曲成形型と、を含み、
前記第1のリングが第1の半径を有し、前記第2のリングが第2の半径を有し、前記第1及び第2の半径が異なり、かつ前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型上に配置される時、前記第1のリングの第1のエッジが前記第2のリングの第2のエッジに接触するように、噛み合うよう構成される、組立品。
【請求項2】
前記凹状成形型面及び凸状成形型面が、異なる曲率を有し、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型上に配置される時、ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の接触点によって画定されて、前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の容積を確立する、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、かつ前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第2のリングが、第1のギャップにより前記平らな上面から間隔を置いて存在する終端を有する、請求項2に記載の組立品。
【請求項4】
前記凸状成形型面の前記周辺部を包囲する前記底面が、平面的領域を含み、前記平面的領域が、前記周辺部と前記第2のリングとの間にある、請求項2に記載の組立品。
【請求項5】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングが、第2のギャップにより前記平面的領域から間隔を置いて存在する終端を有する、請求項4に記載の組立品。
【請求項6】
前記第1のギャップが6.5マイクロメートル未満である、請求項3に記載の組立品。
【請求項7】
前記第2のギャップが6.5マイクロメートル未満である、請求項5に記載の組立品。
【請求項8】
前記第1のリングの前記第1のエッジが複数のうねを含み、前記第2のリングの前記第2のエッジが、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置される時、前記うねの少なくとも1つに噛み合う、少なくとも1つの突起部を含む、請求項1に記載の組立品。
【請求項9】
前記第2のリングの前記第2のエッジが複数のうねを含み、前記第1のリングの前記第1のエッジが、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置される時、前記うねの少なくとも1つに噛み合う、少なくとも1つの突起部を含む、請求項1に記載の組立品。
【請求項10】
前記第1のエッジと第2のエッジが平行である、請求項1に記載の組立品。
【請求項11】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置される時、前記第1のリングの前記第1のエッジと前記第2のリングの前記第2のエッジが、締まりばめを形成する、請求項1に記載の組立品。
【請求項12】
前記前方湾曲成形型が、前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記周辺部の上に延びる第2の連続リングを更に含み、前記第2の連続リングが前記第1のリング内にある、請求項1に記載の組立品。
【請求項13】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、かつ前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングの前記第1の半径と前記第2のリングの前記第2の半径が、30マイクロメートル以下の偏心を有する、請求項2に記載の組立品。
【請求項14】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングの前記第1の半径と前記第2のリングの前記第2の半径が、15マイクロメートル以下の偏心を有する、請求項2に記載の組立品。
【請求項15】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングの前記第1の半径と前記第2のリングの前記第2の半径が、5マイクロメートル以下の偏心を有する、請求項2に記載の組立品。
【請求項16】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型が、5度以下の範囲内で平行である、請求項2に記載の組立品。
【請求項17】
前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型が、1度以下の範囲内で平行である、請求項2に記載の組立品。
【請求項18】
眼科用装置を成形するための鋳造カップ組立品であって、
前方湾曲成形型であって、
平らな上面により包囲され、かつこれと隣接する周辺部を有する、前記前方湾曲成形型の表側上にある凹状成形型面と、
前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記周辺部の上に延びる第1のリングであって、前記平らな上面が前記第1のリング内にある、第1のリングと、を含む、前方湾曲成形型と、
底部湾曲成形型であって、
底面によって包囲される周辺部を有する、前記底部湾曲成形型の底部側上の凸状成形型面であって、前記底面が、凸状成形型面と隣接し、前記底部と前記第2のリングとの間にある非平坦面を含む、凸状成形型面と、
前記凸状成形型面の周囲を囲み、前記底面から前記周辺部を超えて延びる第2のリングと、を含む、底部湾曲成形型と、を含み、
前記第1のリングが第1の半径を有し、前記第2のリングが第2の半径を有し、前記第1及び第2の半径が異なり、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型上に配置される時、前記第1のリングの第1のエッジが前記第2のリングの第2のエッジに接触するように、噛み合うよう構成される、組立品。
【請求項19】
鋳造カップ組立品を形成するための方法であって、
前方湾曲成形型を旋盤で精密旋盤加工する工程であって、前記前方湾曲成形型が、平らな上面によって包囲され、かつこれと隣接する曲面を有する、前記前方湾曲成形型の表側上にある凹状成形型面を含む、工程と、
第1のリングが前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記曲面の上に延びるように、前記前方湾曲成形型を精密旋盤加工する前記工程の間に、前記前方湾曲成形型内で前記第1のリングを精密旋盤加工する工程であって、前記平らな上面が前記第1のリング内にあり、前記前方湾曲成形型を旋盤加工する前記工程と前記第1のリングを旋盤加工する前記工程が、前記前方湾曲成形型を前記旋盤から取り外すことなく実行される、工程と、
底部湾曲成形型の底部側上の凸状成形型面を含む前記底部湾曲成形型を精密旋盤加工する工程であって、前記凸状成形型面が、底面によって包囲される底部を有する、工程と、
第2のリングが前記凸状成形型面の周囲を囲み、かつ前記底面から前記底部を超えて延びるように、前記底部湾曲成形型を精密旋盤加工する前記工程の間に、前記底部湾曲成形型内で前記第2のリングを精密旋盤加工する工程であって、前記非平坦面が前記第2のリング内にあり、前記底部湾曲成形型を旋盤加工する前記工程と前記第2のリングを旋盤加工する前記工程が、前記底部湾曲成形型を前記旋盤から取り外すことなく実行される、工程と、を含む方法。
【請求項20】
前記前方湾曲成形型を精密旋盤加工する前記工程と、前記第1のリングを精密旋盤加工する前記工程が、ダイヤモンドポイント旋削によって実行される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一実施形態において、コンタクトレンズなどの眼科用装置を成形するための鋳造カップ組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズ、外科用レンズ、眼内レンズ等を含める多くの眼科用装置は、鋳造カップ組立品内で重合反応を実行することによって製造されることが多い。鋳造カップ組立品は、目に載置される装置の一部を成形する底部湾曲成形型と、目から離れて面している装置の一部を成形する前方湾曲成形型とを含む。1つ以上の重合可能なモノマー及び他の構成成分を含有する反応混合物が、前面湾曲成形型内に配置される。その後、底部湾曲成形型が前方湾曲成形型に押し付けられ、反応混合物が、2つの成形型の間で画定される容積の形状を取るために押し込まれる。適切に配置された後に、反応混合物は重合条件(例えば、光重合又は他の好適な技術)にかけられる。得られたポリマーが鋳造カップ組立品から取り外され、重合後処理(例えば、濯ぎ、水和等)にかけられ、完成した眼科用装置を提供する。この重合後処理中に、レンズの慎重な検査で、相当数のレンズが欠陥を含むことを確認することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
欠陥としては、レンズ内の穴、エッジにおける引裂、眼科用装置の周辺の過剰なポリマーのリングの存在、及び他の類似した欠陥などの多様な製造エラーが挙げられる。したがって、これら欠陥の発生を低減する、眼科装置を提供するための改善された方法が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で開示されるものは、対応の凹状及び凸状の成形型面の周囲を囲むリングを含む、精密に製造された前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型を備える鋳造カップ組立品である。鋳造カップが組立てられる時、リングを高精度で整列させ、凹状及び凸状成形型面の偏心及び傾きを防止し、これが今度はエッジ欠陥を低減する。
【0005】
鋳造カップ組立品のいくつかの開示された実施形態の実行において実現され得る利点は、鋳造カップ組立品の凹状及び凸状の成形型面の偏心及び傾きを最小化することによるエッジ欠陥の低減である。
【0006】
1つの例示的な実施形態において、鋳造カップ組立品が開示される。鋳造カップ組立品は、リングによって周囲を囲まれた凹状成形型面を備える前方湾曲成形型を含む。組立品は、凸状成形型表面を備える底部湾曲成形型と、第2のリングとを更に含む。前方湾曲成形型が底部湾曲成形型に噛み合わされる時、対応のリングのエッジが噛み合い、成形型面の偏心及び傾きを最小化する。
【0007】
別の例示的な実施形態において、鋳造カップ組立品が開示される。鋳造カップ組立品は、リングによって周囲を囲まれた凹状成形型面を備える前方湾曲成形型を含む。組立品は、凸状成形型面を備えた底部湾曲成形型と、第2のリングとを更に含む。底部湾曲型は、凸状成形型面と連続している非平坦表面を有する。非平坦表面は、凸状成形型面の底部と第2のリングとの間にある。前方湾曲成形型が底部湾曲成形型に噛み合う時、対応のリングのエッジが噛み合う。
【0008】
別の例示的な実施形態では、鋳造カップ組立品を成形する方法が開示される。方法は、鋳造カップ組立品を精密旋盤加工する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付図面を参照して開示される。
【
図1A】それぞれ組立て前の状態と組立てられた状態で示した先行技術の鋳造カップ組立品の選択部分の側面図である。
【
図1B】それぞれ組立て前の状態と組立てられた状態で示した先行技術の鋳造カップ組立品の選択部分の側面図である。
【
図2A】前方湾曲成形型と底部湾曲成形型との間の偏心を示す鋳造カップ組立品の平面図である。
【
図2C】偏心をエッジ欠陥に相関させるグラフである。
【
図2D】前方湾曲成形型と底部湾曲成形型との間の傾きを示す断面図である。
【
図3A】それぞれ組立前の状態と組立てられた状態で示した鋳造カップ組立品の選択部分の側面図である。
【
図3B】それぞれ組立前の状態と組立てられた状態で示した鋳造カップ組立品の選択部分の側面図である。
【
図4A】それぞれ前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型の平面図である。
【
図4B】それぞれ前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型の平面図である。
【
図4C】底部湾曲成形型及び前方湾曲成形型の整列を示す、鋳造カップ組立品の平面図である。
【
図5A】それぞれが底部湾曲成形型及び前方湾曲成形型上に位置する2つの噛み合ったリングの側面図である。
【
図5B】それぞれが底部湾曲成形型及び前方湾曲成形型上に位置する2つの噛み合ったリングの側面図である。
【
図6】第1及び第2の連続リングを示す、前方湾曲成形型の選択部分の側面図である。
【
図7】底部湾曲成形型が非平坦面を含む時の、前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型の選択部分の側面図である。
【0010】
対応する参照符合は、複数の図面を通じて対応する部材を示す。本明細書に提示された例は、本発明の一部の実施形態を説明しているが、いかなる形においても、本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
眼科用装置におけるエッジ欠陥の発生に影響を与えるいくつかの因子として、その中で装置が硬化される底部湾曲成形型及び前方湾曲成形型の相対的偏心及び/又は傾きが挙げられる。
図1A及び1Bに参照されるように、先行技術の鋳造カップ組立品100を示す。鋳造カップ組立品100は、容積106を画定するよう噛み合う前方湾曲成形型102と底部湾曲成形型104とを含む。眼科用装置は、この容積106内で硬化される。実際には、これら成形型部分は、正確に中心に合わせられず及び/又は傾けられることが多い。
【0012】
図2Aは、凹状成形型200(点206のまわりで中心合わせされた)内に配置された凸状成形型204(点202のまわりで中心合わせされた)の偏心を示す概略平面図である。
図2Aにおいて、中心点は、偏心208によりオフセットされ、成形型の片側の距離210を成形型の他方側の距離212よりも小さく生じさせる。反応混合物が硬化後に、非水和であるが完全に硬化したレンズは、エポキシ混合物中で浸漬され、エポキシが硬化し、レンズを定位置にロックする。エポキシ及びロックされたレンズは、その後、半分にスライスされ、研磨され、顕微鏡下で欠陥について分析される。2つの成形型が中心に合わせられなかった状況においては、エッジ欠陥(チップ、引裂、リング等)はより一般的であった。
図2Bは、成形型部分が正確に中心合わせされていないことを示す断面図を提供する。
図2Bにおける偏心のために、容積106は、適切に密閉されない。距離212を参照されたい。この不適切な密閉は、得られたレンズが型から取り出される時、エッジ欠陥に移行する。
【0013】
図2Cは、特定の偏心実験の結果を示すグラフである。
図2Cのグラフは、偏心(マイクロメートルの単位で)をエッジ欠陥に相関させる。第1の例では、高いエッジ欠陥を有するレンズを、第1の側(214)と第2の側(216)との間の距離に関して測定した。
図2Cの実施形態では、約10マイクロメートルのギャップが存在し、偏心を示している。第2の例では、低いエッジ欠陥を有するレンズを、同様な様式(第1の側218、第2の側220)で測定し、約5マイクロメートルの偏心を示している。いずれの特定の理論にも束縛されようとするものではないが、出願者は、凹状及び凸状成形型面の間の低い偏心は、成形型面の間の容積が適切に密閉されるレンズのものに相当する低減されたエッジ欠陥をもたらすと信じる。出願者は、密閉の欠陥は、成形型部分の偏心及び/又は傾きによって引き起こされることを示唆する。
【0014】
図2Dは、凹状成形型204内に配置された凸状成形型200の傾きを示す概略的平面図を提供する。距離212の形成によって示すように、容積106は適切に密閉されていない。かかる不適切な密閉に関連するエッジ欠陥は、依然として問題である。
【0015】
図3A及び3Bは、底部湾曲成形型304が前方湾曲成形型302上に配置される前(
図3A)及び配置後(
図3B)に示した鋳造カップ組立品300の一部分の側面図である。
【0016】
前方湾曲成形型302は、眼科用装置の前面部分を成形する凹状成形型面306を含む。凹状成形面306の周辺部310は、底部湾曲成形型304の凸状成形型面316を受容するようサイズ設定されている。前方湾曲成形型302は、周辺部310と隣接する平らな上面312を更に含む。第1のリング314は、凹状成形型面306に周囲を囲まれ、かつ平らな上面312の表側から周囲310の上に延びる。一実施形態では、リングは連続リングである。リングは、前方湾曲成形型302のナイフエッジに対して精密に製造される。第1のリング314は、以下に更に詳細に記載されるインターロック式機能の第1の半部分を提供する。このインターロック式機能は、凹状成形型面306と凸状成形型面316との偏心及び傾きを最小化することに役立つ。
【0017】
底部湾曲成形型304は、目に接触する眼科用レンズの部分を成形する凸状成形型面316を含む。凸状成形型面316の周辺部320は、組立品300が周辺部320と隣接する、近接の平面的領域330で形成される時、外側周辺部310にちょうど配置されるようサイズ設定されている。凹状成形型面306と凸状成形型面316の曲率は、底部湾曲成形型304が前方湾曲成形型302上に配置される時、容積328を画定するストッパ326が作り出されるように、異なる。容積328の形状は、得られる眼科用レンズの特定の物理的パラメータを決定する。底部湾曲成形型304は、一実施形態では、連続リングである第2のリング324を含む。第2のリングは、底部湾曲成形型の光学面の軸に対して精密に製造される。第2のリング324は、凸状成形型面316に周囲を囲まれ、かつ底面322から周辺部320を超えて延びる。第2のリング324は、インターロック式機能の第2の半部分を提供する。
【0018】
眼科用装置の製造で使用されるいくつかの機械装置は、成形型部分を自動的に所定の位置に置くよう試行する。これら機械装置は、やや複雑である。インターロック式機能は、この複雑性を機械装置から成形型部分に移す。得られる成形型部分は、次には、低い頻度の欠陥で、かつコスト的に有効な方法で眼科用装置を組立てるのに使用される。インターロック式機能によってもたらされる自己調心型及び自己ロック型機能のために、1つの眼科用装置から次のものまで少しの変化しか無いように、ストッパ326が信頼のおける均一な様式で確立される。
【0019】
図4A及び4Bを参照されるように、2つのリングの半径が示される。
図4Aは、第1のリング314の第1の半径400を示す、前方湾曲成形型302の表部を図示する。
図4Bは、
図4Bにおいては連続的である第2のリング324の第2の半径を示す、底部湾曲成形型304を図示する。図示していないが、別の実施形態では、リングの一方又は双方が空間によって離間された複数のセグメントに分けられている。
図1A及び
図4Bで図示される実施形態では、第1のリング314の第1の半径400は、第2のリング324の第2の半径402よりも小さく、そのため鋳造カップ組立品300が組立てられる時、第1のリング314を第2のリング324の内側にあるようする。
図4Cを参照されたい。
図4Cに示すように、鋳造カップ組立品300が組立てられる時、平面的領域330及び平らな上面312は垂直に積み重ねられる。図示しないが、別の実施形態では、第1の半径400は、第2の半径402よりも大きく、これにより、鋳造カップ組立品300が組立てられる時、第2のリング324は第1のリング314の内側にある。いずれかの実施形態において、この半径における差は、2つのリングがそれらのエッジに沿って互いに接触し、インターロック式機能を確立することを可能にする。
図5A及び5Bを参照されたい。このインターロック式機能は、凹状成形型面306と凸状成形型面316との間の偏心を最小限にとどめ、これによって、得られる眼科用装置のエッジ欠陥を低減する。
【0020】
図5Aは、第1のリング314が第2のリング324内にある例示的な実施形態を図示する。第1のリング314は、第2のリング324の第2のエッジ502に噛み合うよう構成される第1のエッジ504を有する。
図5Aの例示的な実施形態では、各リングの終端(例えば、第2のリング324の終端512)は、他のリングの支持物(例えば、平らな上面312)に接触せず、ストッパとしては機能しない。
図5Aでは、第2のリング324の終端512は、ギャップ506によって、前方湾曲成形型302の平らな上面312から間隔を置いて存在する。同様に、第1のリング314の終端514は、ギャップ516によって、底部湾曲成形型304の平面的領域330から間隔を置いて存在する。第1のエッジ504と第2のエッジ502の噛み合いが、これら2つのエッジ間の締まりばめ518を形成し、そうして凹状成形型面306と凸状成形型面316との偏心を防止する。一実施形態では、第1のリング314と第2のリング324は、第1のエッジ504と第2のエッジ502が平行であるように円筒形状を有する。これが、いずれかのリングがストッパとして機能することを防止し、ストッパ326がナイフエッジで適切に確立されることを保証する。
【0021】
ストッパ326が適切に確立されかつ容積328が画定される時、インターロック式機能は、偏心及び傾きの双方を最小限にとどめる。平行な第1のエッジ504と第2のエッジ502は、締まりばめ518を形成することにより、偏心を最小化する。ギャップ506は、傾きを最小化する。成形型部分の1つが傾き始めるならば、ギャップ506(成形型部分の片側又は他方側上の)は、平らな上面312に接触し、底に達するであろう。したがって、傾きはギャップ506を超えることはできない。成形型部分を精密に製造することによって、ギャップ506の大きさが制御されることができ、次に、これが許容される傾きの量を制御する。一実施形態では、ギャップ506は、6.5マイクロメートル未満である。
【0022】
同様に、ストッパ326が適切に確立されかつ容積328が画定される時、インターロック式機能はまた、容積328の外に押し出される過剰な反応混合物の使用を最小限にとどめることも可能にする。容積328は明確に決まっているために、反応混合物のより制御された容積が使用され得る。いかなる過剰な反応混合物も過剰なモノマーの薄膜を形成し、これはその後の重合後処理の間に除去される。これとは対照的に、多くの先行技術は、除去するために広範囲な重合後処理を必要とするかなり多くの過剰なモノマーを有する。
【0023】
図5Bは、第2の例示的な実施形態を図示し、ここでは第1のエッジ504と第2のエッジ502が、第1及び第2の溝との整合をもたらすよう改善されている。
図5Bの実施形態では、第1のリング314は第1の溝508を有し、第2のリング324は第2の溝520を有する。第1の溝508上の突起部は、第2の溝520上の突起部に対して移動し、ラチェットに類似したロック機構を提供する。かかるインターロック式機能は、位置をロックすることの有限数を提供する。
図5Bでは、第1の溝508と第2の溝520は、双方が複数のトラックを含む。他の実施形態では、第1の溝508又は第2の溝520は、対向するリング上の対応する溝に噛み合う単一の突起を有する。溝は、例えば、対応の成形型を形成する旋盤上の送り速度を増加することにより形成されてもよい。これは、小さいピッチが形成されることを可能にする。
【0024】
凹状成形型面306及び凸状成形型面316に周囲を囲まれるインターロック式機能を提供することにより、これら面の間の偏心が最小化され得る。したがって、かかる偏心に関連するエッジ欠陥は低減される。一実施形態では、偏心は約30マイクロメートル未満である。別の実施形態では、偏心は約15マイクロメートル未満である。さらに別の実施形態では、偏心は、約5マイクロメートル未満である。加えて、インターロック式機能はまた、前方湾曲成形型302と底部湾曲成形型304を平行の向きで維持することによって傾きも防止し、これが更に欠陥を低減する。一実施形態では、2つの成形型は、約10度の範囲内で平行である。別の実施形態では、2つの成形型は、約5度の範囲内で平行である。別の実施形態では、2つの成形型は、約3度の範囲内で平行である。更に別の実施形態では、2つの成形型は、約1度の範囲内で平行である。
【0025】
図6は、周辺部610を備える凹状成形型面606を含む前方湾曲成形型602のセクションの側面図である。平らな上面612はまた、平らな上面612から周囲610の上に延びる、凹状成形型面606の周囲を囲む第1のリング614を有するものとして示される。前方湾曲成形型602は、凹状成形型面606内に配置された反応混合物を封じ込めるためのバリアとして機能する第2の連続リング600を更に備える。底部湾曲成形型が前方湾曲成形型302に噛み合う時、反応混合物の容積は制限され、過剰の流体は第2の連続リング600に対して押される。第2の連続リング600の存在は、反応混合物の流れを制限することによって、得られる眼科用レンズにおけるリング欠陥の形成を制御するのに役立つ。一実施形態では、第2の連続リング600は、第2の連続リング600が底部湾曲成形型に付着するのを可能にするために改善された、対応する底部湾曲成形型の表面に接触する。この表面は、型から取り出す際に第2の連続リング600を底部湾曲成形型に付着させるよう改善されてもよい(例えば、リング類、粗面処理、表面エネルギー修正等)。
【0026】
図7は、別の例示的な組立品の側面図である。
図7の底部湾曲成形型704は、凸状成形型面716の周辺部720と、そこから第2のリング724が伸びる底面722との間に配置された非平坦面700を含む。非平坦面700は、第1のリング714が配置されるための空間705を提供する垂直スペーサ703によって、底面722に結合する。非平坦面700は、重合化材料の付着を容易にする大きな表面積を提供する。非平坦面700は、平らな上面712の上に垂直に積み重なり、これが重合化材料の放出を容易にする。反応混合物が硬化され、前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型が分離される時、過剰のポリマーのリングは、非平坦面700に付着しやすく、硬化眼科用レンズから分離されやすい。過剰ポリマーの非平坦面700への付着による過剰ポリマーのリングの除去は、エッジ欠陥の発生を更に最小にとどめることに役立つ。
【0027】
成形型は、例えば、ダイヤモンドポイント旋削などの精密旋盤技術により形成され得る。一実施形態では、インターロック式機能のリングは、凸状及び凹状成形型面の光学面の形成と、同一のツーリング工程におけるダイヤモンドポイント旋削によって、形成される(すなわち、成形型は、プロセス中に旋盤から取り外されない)。このことは、対応の成形型面の軸及び直交平面に対するロック機能の同心性を確実なものとする。一実施形態では、成形型部分の光学面、並びにインターロック式機能を形成する付随するリングは、双方共に単一のパスで精密に製造される。例えば、ラスを備えた単一のパスは、光学面及びインターロック式機能の双方を形成することができる。
【0028】
本発明を特定の実施形態に照らして説明したが、当業者であれば、本開示の範囲を逸脱することなく、特定の状況に適合するように様々な変更を行うことが可能であり、発明の要素を均等物に置き換えることが可能であることは理解されるであろう。したがって、特許請求の範囲は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、付属の請求項の範囲及び趣旨に包含されるすべての実施形態を含むものである。
【0029】
〔実施の態様〕
(1) 眼科用装置を成形するための鋳造カップ組立品であって、
前方湾曲成形型であって、
平らな上面により包囲され、かつこれと隣接する周辺部を有する、前記前方湾曲成形型の表側上にある凹状成形型面と、
前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記周辺部の上に延びる第1のリングであって、前記平らな上面が前記第1のリング内にある、第1のリングと、を含む、前方湾曲成形型と、
底部湾曲成形型であって、
底面によって包囲される周辺部を有する、前記底部湾曲成形型の底部側上の凸状成形型面と、
前記凸状成形型面の周囲を囲み、かつ前記底面から前記周辺部を超えて延びる第2のリングと、を含む、底部湾曲成形型と、を含み、
前記第1のリングが第1の半径を有し、前記第2のリングが第2の半径を有し、前記第1及び第2の半径が異なり、かつ前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型上に配置される時、前記第1のリングの第1のエッジが前記第2のリングの第2のエッジに接触するように、噛み合うよう構成される、組立品。
(2) 前記凹状成形型面及び凸状成形型面が、異なる曲率を有し、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型上に配置される時、ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の接触点によって画定されて、前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の容積を確立する、実施態様1に記載の組立品。
(3) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、かつ前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第2のリングが、第1のギャップにより前記平らな上面から間隔を置いて存在する終端を有する、実施態様2に記載の組立品。
(4) 前記凸状成形型面の前記周辺部を包囲する前記底面が、平面的領域を含み、前記平面的領域が、前記周辺部と前記第2のリングとの間にある、実施態様2に記載の組立品。
(5) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングが、第2のギャップにより前記平面的領域から間隔を置いて存在する終端を有する、実施態様4に記載の組立品。
【0030】
(6) 前記第1のギャップが6.5マイクロメートル未満である、実施態様3に記載の組立品。
(7) 前記第2のギャップが6.5マイクロメートル未満である、実施態様5に記載の組立品。
(8) 前記第1のリングの前記第1のエッジが複数のうねを含み、前記第2のリングの前記第2のエッジが、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置される時、前記うねの少なくとも1つに噛み合う、少なくとも1つの突起部を含む、実施態様1に記載の組立品。
(9) 前記第2のリングの前記第2のエッジが複数のうねを含み、前記第1のリングの前記第1のエッジが、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置される時、前記うねの少なくとも1つに噛み合う、少なくとも1つの突起部を含む、実施態様1に記載の組立品。
(10) 前記第1のエッジと第2のエッジが平行である、実施態様1に記載の組立品。
【0031】
(11) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置される時、前記第1のリングの前記第1のエッジと前記第2のリングの前記第2のエッジが、締まりばめを形成する、実施態様1に記載の組立品。
(12) 前記前方湾曲成形型が、前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記周辺部の上に延びる第2の連続リングを更に含み、前記第2の連続リングが前記第1のリング内にある、実施態様1に記載の組立品。
(13) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、かつ前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングの前記第1の半径と前記第2のリングの前記第2の半径が、30マイクロメートル以下の偏心を有する、実施態様2に記載の組立品。
(14) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングの前記第1の半径と前記第2のリングの前記第2の半径が、15マイクロメートル以下の偏心を有する、実施態様2に記載の組立品。
(15) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記第1のリングの前記第1の半径と前記第2のリングの前記第2の半径が、5マイクロメートル以下の偏心を有する、実施態様2に記載の組立品。
【0032】
(16) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型が、5度以下の範囲内で平行である、実施態様2に記載の組立品。
(17) 前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型の上に配置され、前記ストッパが前記凹状成形型面と凸状成形型面との間の前記容積を確立した時、前記前方湾曲成形型及び底部湾曲成形型が、1度以下の範囲内で平行である、実施態様2に記載の組立品。
(18) 眼科用装置を成形するための鋳造カップ組立品であって、
前方湾曲成形型であって、
平らな上面により包囲され、かつこれと隣接する周辺部を有する、前記前方湾曲成形型の表側上にある凹状成形型面と、
前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記周辺部の上に延びる第1のリングであって、前記平らな上面が前記第1のリング内にある、第1のリングと、を含む、前方湾曲成形型と、
底部湾曲成形型であって、
底面によって包囲される周辺部を有する、前記底部湾曲成形型の底部側上の凸状成形型面であって、前記底面が、凸状成形型面と隣接し、前記底部と前記第2のリングとの間にある非平坦面(textured surface)を含む、凸状成形型面と、
前記凸状成形型面の周囲を囲み、前記底面から前記周辺部を超えて延びる第2のリングと、を含む、底部湾曲成形型と、を含み、
前記第1のリングが第1の半径を有し、前記第2のリングが第2の半径を有し、前記第1及び第2の半径が異なり、前記底部湾曲成形型が前記前方湾曲成形型上に配置される時、前記第1のリングの第1のエッジが前記第2のリングの第2のエッジに接触するように、噛み合うよう構成される、組立品。
(19) 鋳造カップ組立品を形成するための方法であって、
前方湾曲成形型を旋盤で精密旋盤加工する工程であって、前記前方湾曲成形型が、平らな上面によって包囲され、かつこれと隣接する曲面を有する、前記前方湾曲成形型の表側上にある凹状成形型面を含む、工程と、
第1のリングが前記凹状成形型面の周囲を囲み、かつ前記平らな上面から前記曲面の上に延びるように、前記前方湾曲成形型を精密旋盤加工する前記工程の間に、前記前方湾曲成形型内で前記第1のリングを精密旋盤加工する工程であって、前記平らな上面が前記第1のリング内にあり、前記前方湾曲成形型を旋盤加工する前記工程と前記第1のリングを旋盤加工する前記工程が、前記前方湾曲成形型を前記旋盤から取り外すことなく実行される、工程と、
底部湾曲成形型の底部側上の凸状成形型面を含む前記底部湾曲成形型を精密旋盤加工する工程であって、前記凸状成形型面が、底面によって包囲される底部を有する、工程と、
第2のリングが前記凸状成形型面の周囲を囲み、かつ前記底面から前記底部を超えて延びるように、前記底部湾曲成形型を精密旋盤加工する前記工程の間に、前記底部湾曲成形型内で前記第2のリングを精密旋盤加工する工程であって、前記非平坦面が前記第2のリング内にあり、前記底部湾曲成形型を旋盤加工する前記工程と前記第2のリングを旋盤加工する前記工程が、前記底部湾曲成形型を前記旋盤から取り外すことなく実行される、工程と、を含む方法。
(20) 前記前方湾曲成形型を精密旋盤加工する前記工程と、前記第1のリングを精密旋盤加工する前記工程が、ダイヤモンドポイント旋削によって実行される、実施態様19に記載の方法。