【実施例1】
【0023】
図5は、本発明による光計測装置の基本的な実施形態を示す模式図である。
【0024】
光源501から出射されたレーザー光はコリメートレンズ502によって平行光に変換され、光学軸方向を調整可能なλ/2板503によって偏光を回転させられた後、偏光ビームスプリッタ504によって信号光と参照光に2分岐される。信号光は光学軸方向が水平方向に対して約22.5に設定されたλ/4板505を透過して偏光状態をs偏光から円偏光に変換された後、開口数が0.4以上の対物レンズ506によって測定対象508に集光して照射される。ここで、対物レンズ506は対物レンズアクチュエータ507によって走査され、これにより対物レンズ506による信号光の集光位置(測定位置)の走査が繰り返しなされる。測定対象から反射又は散乱された信号光に含まれる対物レンズの焦点位置からの反射光成分は対物レンズ506によって平行光に変換され、λ/4板505によって偏光状態を円偏光からp偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ504へ入射する。一方、参照光はλ/4板509を透過し、偏光状態をp偏光から円偏光に変換され、ミラー510に入射し反射された後、λ/4板509によって偏光状態を円偏光からs偏光へ変換されて偏光ビームスプリッタ504へ入射する。信号光と参照光は偏光ビームスプリッタ504によって合波され、合成光が生成される。合成光はハーフビームスプリッタ512、λ/2板513、λ/4板514、集光レンズ515,516、ウォラストンプリズム517,518から成る干渉光学系511へ導かれる。干渉光学系511へ入射した合成光は、ハーフビームスプリッタ512によって透過光と反射光に2分岐される。透過光は光学軸が水平方向に対して約22.5度に設定されたλ/2板513を透過した後、集光レンズ515によって集光され、ウォラストンプリズム517によって偏光分離されることにより互いに位相関係が180度異なる第一の干渉光と第二の干渉光が生成される。第一の干渉光と第二の干渉光は電流差動型の光検出器519によって検出され、それらの強度の差に比例した差動出力信号521が出力される。一方、反射光は光学軸が水平方向に対して約45度に設定されたλ/4板514を透過した後、集光レンズ516によって集光され、ウォラストンプリズム518によって偏光分離されることにより互いに位相関係が約180度異なる第三の干渉光と第四の干渉光が生成される。ここで、第三の干渉光は第一の干渉光に対して位相が約90度異なる。第三の干渉光と第四の干渉光は電流差動型の光検出器520によって検出され、それらの強度の差に比例した差動出力信号522が出力される。このようにして生成された差動出力信号521,522(以下、I(z),Q(z)と称する)は信号処理部523に入力され、演算処理を施される。画像化信号524を元に形成された測定対象の断層画像が画像表示部525に表示される。
【0025】
次に、干渉光学系511の動作原理について数式を用いて説明する。干渉光学系511へ入射する時点での合成光のジョーンズベクトルを
【0026】
【数1】
【0027】
と表す。ここで、E
sigは測定対象から反射された信号光の複素電場振幅を、E
refは参照光の複素振幅を表わしている。E
sigは信号光が集光される光軸方向の位置z、測定対象の表面からカウントしてj番目の反射面の光軸方向位置z
j、j番目の反射面からの反射光の複素電場振幅A
jを用いて以下のように表わすことができる。
【0028】
【数2】
【0029】
W(z-z
i)r
2はデフォーカス収差を表わしており、WはW=2π*NA
2*z/(λ*d
2)で与えられる。rは光軸中心からの距離、dはレンズ開口の半径、kはレーザー光の波数である。
ハーフビームスプリッタ512を透過し、さらにλ/2板513を透過した後の合成光のジョーンズベクトルは次のようになる。
【0030】
【数3】
【0031】
ウォランストンプリズム517によって(数3)で示される合成光はp偏光成分とs偏光成分に偏光分離された後、電流差動型の光検出器519によって差動検出されるので、I(z)は以下の様に表される。
【0032】
【数4】
【0033】
ここでρ=(x,y)は光束断面の座標ベクトル、Dは検出領域を表し、∫
Ddρは光束内全域での積分演算を意味する。簡単のため検出器の変換効率は1とした。
【0034】
一方、ハーフビームスプリッタ512で反射され、さらにλ/4板514を透過した後の合成光のジョーンズベクトルは次のようになる。
【0035】
【数5】
【0036】
ウォランストンプリズム518によって、(数5)で示される合成光はp偏光成分とs偏光成分に偏光分離された後、電流差動型の光検出器520によって差動検出されるので、Q(z)は以下の様に表される。
【0037】
【数6】
【0038】
さらに、(数4),(数6)に(数2)を代入して積分を実行すると以下の式が得られる。
【0039】
【数7】
【0040】
【数8】
【0041】
ここで、z
refはミラー510の光軸方向位置、k
eff=π*NA
2/λである。
【0042】
(数7),(数8)で表わされるI(z),Q(z)は信号処理部523に入力され、
図6に示された手順によりそれぞれから特定部位からの反射光成分を減算された後、2乗和の演算を施される。以下では表面反射光成分を減算する場合の、当該信号処理方法について説明する。I(z),Q(z)に含まれる表面反射信号成分I
0,Q
0は、(数7)(数8)内のj=0に対応する項であるから、以下の式で与えられる。
【0043】
【数9】
【0044】
【数10】
【0045】
(数9),(数10)で与えられる表面反射信号成分を、検出信号を用いて表わすために以下の関係式を利用する。
【0046】
【数11】
【0047】
【数12】
【0048】
【数13】
【0049】
【数14】
【0050】
ここで、(数11)〜(数14)においてj>0に対して
【0051】
【数39】
【0052】
であることを利用して近似を適用している。(数13),(数14)を(数9),(数10)へ代入すると
【0053】
【数15】
【0054】
【数16】
【0055】
となる。このように、本発明においては検出信号に含まれる表面反射光成分を表面位置での差動出力信号値I(z
0),Q(z
0)及び既知のパラメータk
effから近似的に求めることが可能である。信号処理部523では(数15),(数16)で与えられる表面反射光成分を検出信号から減算した後、2乗和の演算を施すことにより、画像化信号sig(z)を得る。
【0056】
【数17】
【0057】
図7は本実施例の光計測装置を用いて、
図2に示したzスキャン軸に沿って画像化信号sig(z)を取得した場合の例である。
図3や
図4に示した波形とは異なり、第1界面に対応したピークをはっきりと識別することができる。さらに、界面が存在しない位置にピークが生じたり、ピーク位置がシフトするという問題も発生しない。
【0058】
すなわち、本実施例においては複数の干渉光を生成して検出し、それぞれの差動出力信号から表面反射光成分を減算することにより、光の干渉の効果を考慮して表面反射信号の影響を抑制することができる。これにより、測定対象表面近傍の構造を従来のOCT装置よりも鮮明に可視化することができる。
【0059】
次に本発明の光計測装置の空間分解能について述べる。ここで、光軸方向の空間分解能は対物レンズを光軸方向に走査した際に得られる単一反射面に対応する画像化信号のピークの半値全幅として定義する。単一の反射面のみが存在する場合の(数17)に対応する信号は以下の式により表わされる。
【0060】
【数18】
【0061】
上記の式より、単一反射面からの信号の半値全幅、すなわち光軸方向の空間分解能は近似的に以下の様に表わされる。
【0062】
【数19】
【0063】
ここで、λはレーザー光の波長、NAは対物レンズ506の開口数である。一般的にOCT装置で利用される光の波長はヘモグロビンにも水にも吸収されにくい600nmから1300nm程度である。例えば対物レンズの開口数を0.4以上とすると、波長600nm〜1300nmでの光軸方向の空間分解能は約3.3um〜約7.2umとなり、従来のOCT装置と同等かそれ以上の高い光軸方向の分解能を達成できる。
【0064】
本実施例では干渉光学系511で位相が互いに90度ずつ異なる4つの干渉光を生成して検出しているが、干渉光が3つ以上であれば干渉光がいくつであっても本実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、位相が互いに60度ずつ異なる3つの干渉光を生成して検出することにより、(数17)に示されるのと同様の信号を得ることができる。
【0065】
ここまでは簡単のため信号光はデフォーカス収差のみを有し、参照光は無収差であるとして本発明の機能を説明した。これらの条件が満たされていない場合であっても、基準サンプルの測定を行い検出信号の振る舞いを学習することにより、同様の効果を提供することができる。以下ではその方法について説明する。
【0066】
デフォーカス以外の収差が存在する条件下であっても、I(z
0),Q(z
0)は複数の反射面からの反射光成分の重ね合わせとして、以下の様に表わすことができる。
【0067】
【数20】
【0068】
【数21】
【0069】
ここで、B
jはj番目の反射光の強度を表わす定数であり、φ
jはj番目の反射光と参照光の位相差である。h
I,h
Qは単一反射面からの応答を表わす点像分布関数であり、デフォーカス収差以外の収差が存在しない場合には
【0070】
【数22】
【0071】
【数23】
【0072】
となる。デフォーカス以外の収差が存在する場合には点像分布関数h
I,h
Qは(数22),(数23)の様な単純な式では表わすことができなくなる。そこで本発明では、基準サンプルを測定することにより、収差が存在する場合の点像分布関数h
I,h
Qの振る舞いを学習することとする。基準サンプルとしてはミラーの反射面やカバーガラスの表面などが考えられる。具体的には、あらゆる位相差φに対して対物レンズのz方向の走査より得られる検出信号波形を信号処理部に記録することにより、点像分布関数を学習する。位相差φの調整は例えばピエゾ素子を用いてミラー510の位置を移動させ、参照光の光路長を変化させることにより可能である。このようにして得られた点像分布関数h
I,h
Qを用いると、表面反射光成分は表面反射位置z
0における差動出力信号値I(z
0),Q(z
0)を用いて以下の様に表わすことができる。
【0073】
【数24】
【0074】
【数25】
【0075】
上記の表面反射信号成分をI(z),Q(z)から減算することにより、収差が存在する場合でも光の干渉の効果を考慮して表面反射信号の影響を抑制し、測定対象表面近傍の構造を従来のOCT装置よりも鮮明に可視化することができる。
【0076】
本発明では電流差動型の光検出器を用いて、差動出力信号I(z),Q(z)の各々から表面反射信号成分を減算したが、必ずしも差動出力信号から減算する必要はない。たとえば、(差動検出型でない)通常の光検出器を用いて4つの検出信号を取得し、4つの検出信号の各々から表面反射信号を減算しても同様の効果を得ることが出来る。
【実施例2】
【0077】
図8は、本発明による光計測装置の別の実施形態を示す模式図である。なお、
図5に示した部品と同じものには同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施例は第一の実施例に対して外乱による信号光と参照光の間の位相差変動を抑制する機構を付与したものである。光源501からのレーザー光とは異なる波長をもつ低コヒーレンス光源801から出射された低コヒーレンス光はレンズ802を透過した後、光源501からのレーザー光は透過させ光源801からの低コヒーレンス光は反射させるダイクロイックミラー803によって反射され、光源501より出射されるレーザー光と同軸に重ね合わされる。その後当該低コヒーレンス光は、光学軸方向を調整可能なλ/2板503によって偏光を回転させられた後、偏光ビームスプリッタ504によって第二の信号光と第二の参照光に2分岐される。第二の信号光は光学軸方向が水平方向に対して約22.5に設定されたλ/4板505を透過して偏光状態をs偏光から円偏光に変換された後、開口数が0.4以上の対物レンズ506を透過して測定対象508に照射される。このとき、対物レンズ506を透過した直後の第二の信号光は、ほぼコリメート光となるようにレンズ802は調整されている。測定対象から反射又は散乱された第二の信号光は対物レンズ506を再び透過し、λ/4板506によって偏光状態を円偏光からp偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ504へ入射する。一方、第二の参照光はλ/4板509を透過し、偏光状態をp偏光から円偏光に変換され、レンズ804を透過してピエゾ素子815に取り付けられたミラー510に入射する。このとき、対物レンズ506を透過した直後の第二の参照光は、ほぼコリメート光となるようにレンズ802は調整されている。また、ミラー510の光軸方向位置は、第二の信号光に含まれる測定対象の表面から反射した反射光の光路長と、第二の参照光の光路長がほぼ等しくなるように、可動ステージ805によって調整されている。ミラー510によって反射された第二の参照光は、λ/4板509によって偏光状態を円偏光からs偏光へ変換されて偏光ビームスプリッタ504へ入射する。第二の信号光と第二の参照光は偏光ビームスプリッタ504によって合波され、第二の合成光が生成される。第二の合成光は光源501からのレーザー光は透過させ光源801からの低コヒーレンス光は反射するダイクロイックミラー806によって反射された後、コリメートレンズ807によってコリメート光に変換され、光学軸が水平方向に対して約45度に設定されたλ/4板808により偏光を45度回転され、集光レンズ809によって集光されつつ、ウォラストンプリズム810によって偏光分離されることにより、互いに位相関係が180度異なる2つの干渉光が生成される。これらの干渉光は電流差動型の光検出器811によって検出され、それらの強度の差に比例した差動出力信号812が出力される。差動出力信号812は位相制御部813へ入力され、位相制御部813は信号812に基づいてピエゾ素子815を駆動する。光源501から出射されたレーザー光の光路は第一の実施例と全く同様であり、信号光の集光位置の走査が対物レンズアクチュエータではなく可動サンプルステージ816によって測定対象位置を走査することによりなされる点でのみ異なる。
【0078】
前述のように、第二の参照光の光路長は第二の信号光に含まれる測定対象の表面から反射された反射光の光路長とほぼ等しくなるように調整されているため、第二の信号光に含まれる測定対象表面からの反射光成分だけが選択的に第二の参照光と干渉することを考慮すると、差動出力信号812は近似的に以下のように表わされる。
【0079】
【数26】
【0080】
ここで、E
sig2,E
ref2はそれぞれ偏光ビームスプリッタ504で合波された時点での第二の信号光と第二の参照光の複素電場振幅、k’は低コヒーレンス光の波数。位相制御部813は(数26)で与えられる差動出力信号812の値が常にほぼ0に等しくなるように(z
0-z
ref=0となるように)ピエゾ素子815を制御する。第二の信号光と第二の参照光が分岐されてから合波されるまでの光路は、光源501から出射されたレーザー光から生成される信号光と参照光(以下、第一の信号光と第一の参照光と称する)が分岐されてから合波されるまでの光路と全く同一であるため、上記の制御により外乱によって測定対象の位置が変動した場合でも、第一の信号光と第一の参照光の間の光路長差はほぼ一定に保たれる。これにより、集光位置を光軸方向に走査している間に(数13)の値が変動することがほぼなくなるため、
図6に示した手順による表面反射光の減算を精度よく実施することができ、より鮮明な像を得ることが可能となる。
【実施例3】
【0081】
図9は本発明に関わる光計測装置における、信号処理方法の別の実施形態を示した図である。本実施例は複数個の反射光成分を減算する点において第一の実施例と異なる。信号処理方法以外の構成は
図5に示す第一の実施例と同様であるためその説明を省略する。以下、本実施例の光計測装置を用いて
図10に示すような、4つの界面を有する構造を測定する場合について、
図9に従って説明する。
【0082】
始めに対物レンズをz方向に走査して差動出力信号521,522(以下、I(z),Q(z)と称する)を取得し、それらの2乗和信号を画像表示部525に表示させる。そこでユーザーは、表示された測定結果に基づき、測定結果に悪影響を及ぼしていると考えられる強い反射の生じている部位を選択する。そのような部位の例としては、カバーガラス上に設置されたサンプルを測定する場合にはカバーガラスの表面や裏面、何らかの溶液に満たされた容器内に設置されたサンプルの場合には容器の表面と裏面、及び溶液の液面などが考えられる。
図11は
図10の構造物を測定した際に得られるI(z),Q(z)の2乗和信号である。0umと15umの位置にある界面からの強い反射の影響で、5umと10um位置の界面の存在が識別困難であることが分かる。以下では0um位置の界面(表面)と15um位置の界面(第3界面)からの反射光成分を減算する場合について説明する。
【0083】
信号処理部523はユーザーが選択した減算対象の界面位置ζ
jとその位置での検出信号値I(ζ
j),Q(ζ
j)を取得し、以下の式で表わされる減算対象界面からの反射光成分を算出する。
【0084】
【数27】
【0085】
【数28】
【0086】
これら減算対象界面からの反射光成分をI(z),Q(z)から減算した後、2乗和の演算を施すことにより、画像化信号sig(z)を得る。
【0087】
【数29】
【0088】
図12はI(z),Q(z)それぞれから表面と第3界面からの反射光成分を減算した後に2乗和を施して得られる画像化信号sig(z)である。
図11に示した結果とは異なり、第1界面と第2界面の存在をはっきりと識別することが可能である。
【0089】
このように本実施例においては、強い反射光が生じる部位が複数個存在する場合でも、当該複数個の界面から反射光成分を減算することにより、光の干渉の効果を考慮してこれらの影響を抑制し、測定対象の強い反射が生じる部位近傍の構造を従来のOCT装置よりも鮮明に可視化することができる。
【実施例4】
【0090】
図13は本発明に関わる光計測装置における、信号処理方法の別の実施形態を示した図である。本実施例は第一の実施例に対して、減算する表面反射光成分を最適化するプロセスを含んでいるという点で異なる。信号処理方法以外の構成は
図5と同様であるためその説明を省略する。以下、本実施例の光計測装置を用いて、
図2に示す構造を測定する場合について、
図13に従って説明する。
【0091】
始めに対物レンズをz方向に走査して差動出力信号521,522(以下、I(z),Q(z)と称する)を取得し、これらの2乗和の信号波形から推定反射位置ζ
j、及び各反射位置における検出信号値I(ζ
j),Q(ζ
j)を取得する。ここで、推定反射位置とは、反射が生じていると推定される位置を意味しており、実際に反射が生じている位置とは必ずしも一致しない。当該推定反射位置の取得は、例えば表面反射位置よりも奥に存在するある閾値以上の値を持つ極大点を抽出することによりなされる。
【0092】
次に信号処理部523は、上記のζ
i,I(ζ
i),Q(ζ
i)を用いて、以下の式で表わされるI(z),Q(z)に対する0次フィッティング関数を計算する。
【0093】
【数30】
【0094】
【数31】
【0095】
ここで、
【0096】
【数32】
【0097】
である。一般的には0次フィッティング関数とI(z),Q(z)は一致しないため、信号処理部523は0次フィッティング関数におけるα
(0)j、ζ
(0)jを、以下の目的関数が最小となるように最適化する。
【0098】
【数33】
【0099】
(数33)が最小となるときのα
(0)j、ζ
(0)jを、α
j、ζ
jとすると、最適化されたフィッティング関数は
【0100】
【数34】
【0101】
【数35】
【0102】
と表わされる。表面反射光成分は(数34),(数35)におけるj=0の項であり、以下の式で表わされる。
【0103】
【数36】
【0104】
【数37】
【0105】
信号処理部523では(数36)(数37)で与えられる表面反射光成分を検出信号から減算した後、2乗和の演算を施すことにより、画像化信号sig(z)を得る。
【0106】
【数38】
【0107】
本実施例においては、減算する表面反射光成分を最適化することにより、第一の実施例よりも高精度に表面反射光の影響を抑制することができるため、測定対象表面近傍の構造をより鮮明に可視化することができる。