【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示可能な表示装置17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板13aで前後に開口する窓口13bを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0017】
前記前枠13には、
図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された遊技領域24(後述)への打ち込み位置を変えられるようになっている。
【0018】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板部材であって、該遊技盤20の裏側に、前記表示装置17や後述する各種の可動演出装置M1,M2や発光演出装置44等が配設される設置部材22が配設されている(
図5参照)。設置部材22は、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さい形状に形成された略矩形状の背面板18と、該背面板18の外周縁部から前方に突出する画壁部19とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部19の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材22とがネジ止め固定される。そして、前記設置部材22において前記遊技盤20との間に画成される空間に、動作により演出を行う可動演出装置M1,M2や発光により演出を行う発光演出装置44等が設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、設置部材22の背面板18には、後述する枠状装飾体26の窓口26aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設されて、背面板16の裏面に配設した前記表示装置17の表示部17aが、前記開口部22aおよび窓口26aを介して遊技盤20の前側に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾したものであってもよい。
【0019】
前記遊技盤20の前面には、
図2に示す如く、略円形状に湾曲形成した案内レール23が配設されており、該案内レール23により画成される略円形の遊技領域24に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域24の最下部位置には、該遊技領域24に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口25が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0020】
実施例の前記遊技盤20には、
図2に示すように、前記案内レール23で囲まれた遊技領域24の略中央で開口する装着口に、前後に開口する窓口(開口部)26aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体26が取り付けられ、該枠状装飾体26の窓口26aを介して前記表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域24内に多数の遊技釘27が設けられると共に、前記枠状装飾体26の左側方に、遊技領域24を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材28が回転自在に支持されており、遊技領域24を流下するパチンコ球が遊技釘27や回転案内部材28に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
【0021】
前記遊技盤20における第1装着口(枠状装飾体26)の下方に開設された第2装着口に、遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口29aを有する始動入賞部29が取り付けられている。また、遊技盤20には、第2装着口の左方に開設された第3装着口に、遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口30aが設けられたサイド飾り30が取り付けられる。
【0022】
(枠状装飾体26について)
前記枠状装飾体26は、前記第1装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部35(
図5に一部図示)と、該枠状基部35に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域24と表示装置17の表示部17aを区切る庇状部36と、該庇状部36の後縁から外方に延出する薄板状の台板部37とを備える(
図2参照)。そして、前記枠状基部35を第1装着口に挿入すると共に台板部37を遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部37をネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体26が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体26の外側、具体的には庇状部36と案内レール23との間にパチンコ球が流下する遊技領域24が画成されるようになっている。なお、枠状装飾体26を遊技盤20に取り付けた状態で、庇状部36の後端縁から外方に延出する台板部37が遊技盤20の前面に沿って延在して、該台板部37の前側をパチンコ球が通り得るようになっている。
【0023】
前記枠状装飾体26の庇状部36は、枠状装飾体26(台板部37)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇状部36は、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域24に打ち出されたパチンコ球が庇状部36上で滞ることなく枠状装飾体26の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、前記打球発射装置により遊技領域24内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて枠状装飾体26の左側の領域か、或いは右側の領域の何れかを流下するよう構成される。
【0024】
前記枠状装飾体26には、該枠状装飾体26より左側に画成される遊技領域24に臨んで、該遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口33aを有する始動入賞装置33、該遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口32aを有する普通入賞部材32、該遊技領域24を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート31、該遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口34aを有する特別入賞装置34が夫々取り付けられている(
図2参照)。
【0025】
前記枠状装飾体26には、
図2に示す如く、窓口26aの下側(枠状装飾体26の内周下縁部)に、ステージ38が配設されると共に、窓口26aの左側に、前記遊技領域24に開口して該遊技領域24を流下するパチンコ球を枠状装飾体26の内側(ステージ38)に取り込む球導入部39が設けられ、該球導入部39がステージ38に連通するよう構成される。そして、球導入部39からステージ38に通出されたパチンコ球は、ステージ38上を左右に転動した後に、前記各入賞口29a,30aが設けられている遊技領域24に排出される。また、ステージ38の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁40が設けられ、ステージ38上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁40で防止している。
【0026】
ここで、実施例では、前記枠状装飾体26の枠状基部や庇状部36の前側に、各種の意匠が施された複数の装飾部品41が配設され、該装飾部品41および透明壁40によって前記表示装置17の表示部17aを前側に臨ませる窓口26aが画成されている。
【0027】
(始動入賞部29について)
前記遊技盤20に配設された前記始動入賞部29の第1始動入賞口29aは、遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、該第1始動入賞口29aは、前記遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成される。また始動入賞部29は、前記第1始動入賞口29aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサ(図示せず)を備えている。第1始動入賞検出センサは、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段160(
図33参照)に配線接続されており、該第1始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として制御手段が所定数の賞球を払い出す制御を行うようになっている。なお、
図33においては、制御手段160と後述する可動演出装置M1,M2に関連する部材との接続関係のみを示している。
【0028】
(始動入賞装置33について)
前記始動入賞装置33の第2始動入賞口33aは、開閉部材33bによって開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド(図示せず)の駆動に伴って開閉部材33bが第2始動入賞口33aを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、第2始動入賞口33aは、始動入賞ソレノイドを駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成される。なお、開閉部材33bを閉鎖位置から開放位置に変位して第2始動入賞口33aを開放する開放条件および開閉部材33bを開放位置から閉鎖位置に変位して第2始動入賞口33aを閉鎖する閉鎖条件としては、開閉部材33bが開放位置に変位している継続時間(第2始動入賞口33aの開放時間)が挙げられるが、その他の条件を設定してもよい。
【0029】
前記始動入賞装置33は、前記第2始動入賞口33aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサ(図示せず)を備えている。第2始動入賞検出センサは、前記制御手段160に配線接続されており、該第2始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として制御手段160が所定数の賞球を払い出す制御を行うようになっている。
【0030】
ここで、パチンコ機10では、第1および第2始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出に伴って各種情報(乱数等)が取得され、この取得した情報に基づいて制御手段160によって特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17の表示部17aにおいて図柄変動演出が実行され、該表示装置17の表示部17aでの図柄変動演出の結果、該表示部17aに所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な大当り遊技状態が付与され、大当り遊技状態の発生に伴って前記特別入賞装置34を所定の開放条件で開放する大当り遊技(当り遊技)が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
【0031】
(特別入賞装置34について)
前記特別入賞装置34の特別入賞口34aは、開閉体(開閉部材)34bによって開閉されるよう構成される。開閉体34bは、駆動手段としての特別入賞ソレノイド(図示せず)に連繋されて、該特別入賞ソレノイドを駆動することで、開閉体34bが特別入賞口34aへのパチンコ球の入賞を阻止する閉位置と該特別入賞口34aへのパチンコ球の入賞を許容する開位置との間を進退移動するよう構成される。また特別入賞装置34には、前記特別入賞口34aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ(図示せず)が配設されている。特別入賞検出センサは、前記制御手段160に配線接続されており、特別入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として制御手段160が所定数の賞球を払い出す制御を行うようになっている。なお、特別入賞装置34は、開閉体34bにより特別入賞口34aを常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、前記大当り遊技(当り遊技)の発生に伴って特別入賞口34aを開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。
【0032】
(球通過ゲート31について)
前記球通過ゲート31は、該ゲート31を通過するパチンコ球を検出する球通過検出センサ(図示せず)が設けられている。この球通過検出センサは、前記制御手段160に配線接続されており、該球通過検出センサから制御手段160への球検出信号の入力に伴って各種情報(乱数等)が取得され、この取得した情報に基づいて制御手段160によって普図当り抽選が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置33の始動入賞ソレノイドが駆動制御されて開閉部材33bが開閉動作するようになっている。
【0033】
(普通入賞口30aについて)
前記サイド飾り30には、
図2に示す如く、複数の普通入賞口30aが設けられている。これに対し、前記普通入賞部材32には、1つの普通入賞口32aが設けられている。普通入賞口30a,32aは、前記遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。パチンコ機10は、普通入賞口30a,32aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ(図示せず)を備えている。普通入賞検出センサは、前記制御手段160に配線接続されており、普通入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として制御手段160が所定数の賞球を払い出す制御を行うようになっている。
【0034】
(裏装飾板42について)
前記設置部材22の前部(遊技盤20との間)には、
図5に示す如く、前記枠状装飾体26の窓口26aに対応する開口部42aが形成された裏装飾板42が配設されている。この裏装飾板42には、開口部42aの周りに複数の裏装飾部品43が配設されており、該裏装飾部品43が透明な遊技盤20を透して前側か視認し得るよう構成される。また裏装飾板42には、発光基板の前面に複数のLED等の発光体を実装した装飾用発光演出装置44が配設され、該装飾用発光演出装置44の発光体を発光することで前記裏装飾部品43を裏側から照明して発光演出し得るよう構成されている。なお、裏装飾板42には、前記各種入賞口29a,30a,32a,33a,34aに入賞したパチンコ球を機外に排出する複数の球通路が設けられている。
【0035】
(可動演出装置M1,M2について)
前記遊技盤20の裏側に設置部材22を取り付けた状態で、該設置部材22の背面板18と遊技盤20との間に、複数(実施例では2つ)の可動演出装置M1,M2が配設されている。実施例では、設置部材22の前部に配設された前記裏装飾板42と背面板18との間に画成された空間Sに2つの可動演出装置M1,M2が配置されて、該裏装飾板42を挟んで各可動演出装置M1,M2が遊技盤20の裏側に位置するようになっている(
図5参照)。実施例では、背面板18における開口部22aを挟む右側部分に第1可動演出装置M1が配設されると共に左側部分に第2可動演出装置M2が配設され、これら第1可動演出装置M1および第2可動演出装置M2は、遊技盤20の盤面に沿う方向で左右に離間している。
【0036】
(第1可動演出装置M1について)
図9に示すように、前記第1可動演出装置M1は、前記設置部材22に取り付けられる第1装置本体(装置本体)45と、該第1装置本体45に支持されて前記第2可動演出装置M2から離間する第1位置と近接する第2位置との間を移動可能な第1可動体46と、該第1可動体46を動作させる第1駆動機構47と、第1可動体46に移動自在に配設された第1可動部材48と、該第1可動部材48を動作させる第1進退機構49とを備えている。また第1可動演出装置M1は、第1可動体46に回動自在に支持された第1装飾部50と、該第1装飾部50を動作させる回転機構51とを備えている。
【0037】
(第1装置本体45について)
前記第1装置本体45は、
図12,
図13に示す如く、前記設置部材22の背面板18にネジ止め固定される第1ベース部材52と、該第1ベース部材52の前面に配設されて各種部品が取り付けられる複数の取付基材53,54,55と、第1ベース部材52の前面に配設される第1レール部材56とを備える。第1ベース部材52は、金属板からなる上下方向に長尺な板状部材であって、該第1ベース部材52によって第1装置本体45の剛性を高めるよう構成される。この第1ベース部材52に配設される第1レール部材56は、該第1ベース部材52の左右方向の略中央より左側(窓口26a側)に偏った位置において上下方向に延在するように配設されており、該第1レール部材56に沿って後述する第1移動部材60が上下方向に直線的に移動自在に支持される。第1ベース部材52に配設される第1主取付基材53は、左右に離間する側壁部53a,53aの上端間を上壁部53bで連結した下向きのコ字状に形成された部材であって、該第1主取付基材53を第1ベース部材52の前面に配設した状態で、両側壁部53a,53aの間に、前記第1レール部材56が位置するよう構成される。
【0038】
前記第1主取付基材53には、
図9に示す如く、上部右端に第1軸取付基材54が配設されており、第1主取付基材53と第1軸取付基材54との間に配設された前第2軸(第2軸)57に、後述する第1作動部材79が回動自在に支持されるようになっている。実施例では前後に分割された一対の軸部材57a,57aから前第2軸57が構成されているが、該前第2軸57は1つの部材で構成したものであってもよい。また第1主取付基材53には、
図12,
図14に示す如く、上部左端に、前記前第2軸57を中心とする弧状に形成された第1規制孔(規制部)58が上下方向に所定長さで延在しており、該第1規制孔58に、第1作動部材79に設けた後述する第1被規制部80が移動自在に支持されるよう構成される。そして、第1規制孔58内を移動する第1被規制部80が該第1規制孔58を画成する上端の壁および下端の壁に当接することで、第1作動部材79の回動範囲が規制されるようになっている。また第1主取付基材53には、右側の側壁部53aの前面に、前記第1駆動機構47を構成する第1移動用モータ69(後述)が取り付けられる第1モータ取付基材55が配設されている。なお、第1モータ取付基材55には、第1緩衝部材59が配設されており、前記第1可動体46が第2位置から第1位置に移動した際に、該第1可動体46が第1緩衝部材59に当接することで、第1可動体46に加わる衝撃を緩和し得るよう構成してある。
【0039】
(第1移動部材60について)
前記第1レール部材56に、第1移動部材(移動部材)60が移動自在に支持されて、該第1移動部材60が、第1駆動機構47によって下方の待機位置(
図7)と上方の移動位置(
図9,
図10)との間を直線的に往復移動されるようになっている。この第1移動部材60は、
図12,
図13に示す如く、一側面(窓口26aから離間する側の面であって実施例では右側面)に上下方向に延在する第1ラック(ラック)61aが設けられた第1ラック部材61と、該第1ラック部材61の裏面に配設された金属板からなる第1補強部材62と、該第1補強部材62の裏面に配設された第1スライド部材63とを備え、該第1スライド部材63が前記第1レール部材56に摺動自在に支持されるよう構成される。また、第1ラック部材61(第1移動部材60)の下端部(移動方向の一端部)には、前記第1可動体46を回動自在に支持する第1支持部材64が配設されている。第1支持部材64は、
図14,
図15に示す如く、前軸支持部材65と後軸支持部材66とを前後の関係で組付けることで構成され、各軸支持部材65,66に設けられて前後方向に整列する軸支孔65a,66aに、前記第1可動体46の後述する回転基部46aに設けた第1基軸72が回動自在に挿通支持されている。なお、第1支持部材64の外周壁には、第1可動体46の回転基部46aが挿通される開口部が周方向に所定角度範囲で設けられており、第1可動体46の第1基軸72を中心した所定範囲(第1位置と第2位置との間を移動する際の回動範囲)の回動を許容するよう構成されている。また第1支持部材64は、第1可動体46の第1位置において下側を向く外周壁が弧状に形成されており、第1可動体46が第2位置から第1位置に移動する際に、該第1支持部材64によって後述する第1配線102をスムーズに可橈し得るようにしてある(
図6参照)。
【0040】
前記第1ラック部材61(第1移動部材60)には、前記第1支持部材64の配設位置より上側に、前後方向に貫通する第1ガイド孔67aが形成された第1ガイド部材67が配設されている。この第1ガイド孔67aは、前記第1可動体46の第1基軸72を中心とする弧状に形成されて左右方向に所定長さで延在しており、該第1ガイド孔67aに第1可動体46の後述する前第1軸74が移動自在に支持(連繋)されている(
図10参照)。そして、第1移動部材60の移動に伴って前第1軸74が第1ガイド孔67a内を移動することで、第1可動体46が前記第1基軸72を中心として回動変位し得るようになっている。
【0041】
前記第1軸取付基材54に一端が係止された付勢手段としての第1引張りコイルバネ68の他端が、前記第1ラック部材61に係止されており、前記第1移動部材60は、第1引張りコイルバネ68によって常には移動位置に向けて付勢されている。
【0042】
(第1駆動機構47について)
前記第1装置本体45に、前記第1移動部材60を動作する前記第1駆動機構(駆動機構)47が配設されている。この第1駆動機構47は、
図12,
図13に示す如く、前記第1モータ取付基材55に配設された駆動手段としての第1移動用モータ(駆動モータ)69と、該第1移動用モータ69の出力軸に配設された駆動歯車69aと、該駆動歯車69aに噛合する第1ピニオン(ピニオン)70とを備え、該第1ピニオン70が第1移動部材60に設けた前記第1ラック61aに噛合している。すなわち、第1移動用モータ69を正転方向および逆転方向に回転駆動することで、第1ピニオン70と第1ラック61aとの噛合作用下に、第1移動部材60が待機位置(
図7参照)と移動位置(
図9,
図10参照)との間を往復移動するよう構成される。なお、実施例では第1モータ取付基材55と第1主取付基材53の右側の側壁部53aとの間に駆動歯車69aおよび第1ピニオン70が位置して、第1移動部材60の右側に位置する第1ピニオン70が第1ラック61aに噛合している。また、第1移動用モータ69は前記制御手段160に配線接続されており(
図33参照)、後述する検出手段71,81,98の検出状態に応じて制御手段160によって第1移動用モータ69が駆動制御されるようになっている。実施例では、第1移動用モータ69の回転方向について、第1移動部材60を待機位置から移動位置に向けて移動する際の回転方向を正転方向と指称し、移動位置から待機位置に向けて移動する際の回転方向を逆転方向と指称する場合がある。
【0043】
(前第1検出手段71について)
前記第1ラック部材61(第1移動部材60)の下端には、下方に延出する検出片61bが設けられており、該検出片61bは、前記第1ベース部材52(第1装置本体45)に設けた前第1検出手段71によって検出可能に構成されている。前第1検出手段71は、前記制御手段160に配線接続されており(
図33参照)、該前第1検出手段71の検出状態に応じて制御手段160が前記第1移動用モータ69を駆動制御し得るよう構成される。前記検出片61bは、第1移動部材60の待機位置(第1可動体46の第1位置)において前第1検出手段71で検出されて、該前第1検出手段71の検出信号の入力に基づいて第1移動用モータ69を制御手段160が停止制御することで、第1移動部材60を待機位置(第1可動体46を第1位置)に停止保持し得るよう構成される。
【0044】
(第1可動体46について)
前記第1可動体(可動体)46は、
図14,
図15に示す如く、略矩形板状に形成された部材であって、該第1可動体46の長手方向の一端部に、外方に延出する回転基部46aが設けられている。この回転基部46aには、前後方向に貫通する通孔が形成された軸受筒部46bが設けられると共に、該軸受筒部46bの通孔に第1基軸72が挿通されている。そして、第1基軸72における軸受筒部46bから前後に突出する軸端部が、前記第1支持部材64を構成する前後の軸支持部材65,66の軸支孔65a,66aに挿通されて回動自在に支持されている。すなわち、第1可動体46は、第1移動部材60に対して長手方向の一端部が前後方向に延在する第1基軸72を介して回動自在に支持されて、前記遊技盤20の盤面に沿って回動支点部(第1基軸72)から離間する端部側(自由端側)が左右方向に揺動可能となっている。前記軸受筒部46bに、一端が前軸支持部材65に係止されると共に、他端が回転基部46aに係止された付勢手段としての第1ねじりコイルバネ73が巻かれており、該第1ねじりコイルバネ73によって第1可動体46は、常には第1位置に向けて回転するように付勢されている。なお、実施例では前後に分割された一対の軸部材72a,72aから第1基軸72が構成されているが、該第1基軸72は1つの部材で構成したものであってもよい。
【0045】
前記第1可動体46には、
図19に示す如く、前記第1基軸72の配設位置(第1可動体46の回動支点部)から自由端側に離れた位置に、後方に突出する前第1軸74が設けられ、該前第1軸74が前記第1ガイド部材67の第1ガイド孔67aに移動自在に挿通されている。すなわち、第1可動体46が第1基軸72を中心として揺動する際には、前第1軸74が第1ガイド孔67aに沿って移動するよう構成される。実施例では、前第1軸74に鍔付きスリーブ75が外嵌されており、前第1軸74は鍔付きスリーブ75のスリーブ部を介して第1ガイド孔67aに対して摺動自在となっている。なお、前第1軸74には、鍔付きスリーブ75より後側に、第1ガイド孔67aより大径のリング体76が外嵌されており、該リング体76と鍔付きスリーブ75の鍔部とによって第1ガイド部材67を前後から挟むことで、前第1軸74(鍔付きスリーブ75)の第1ガイド孔67aからの抜け止めが図られている。また、第1可動体46の裏面には、前記前第1軸74を挟んで第1基軸72とは反対側(自由端側)に離れた位置に前第3軸(第3軸)77が後方に向けて突設されている。実施例では、
図19に示す如く、第1可動体46の裏面に配設された軸形成部材78に、前第3軸77が突設されているが、第1可動体46に一体に前第3軸77を設けてもよい。
【0046】
(第1作動部材79について)
前記第1主取付基材53と第1軸取付基材54との間に配設された前記前第2軸57に、第1作動部材(作動部材)79の長手方向の一端部が回動自在に軸支(連繋)されている。この第1作動部材79は、
図14,
図15に示す如く、長尺な板状部材であって、該第1作動部材79の長手方向の他端部は、前記第1可動体46に設けた前記前第3軸77に回動自在に支持(連繋)されている(
図10参照)。第1作動部材79は透明に構成されて、前記第1可動体46の第2位置において前記窓口26aから前側に露出した際に前記表示部17aの表示を隠すことがないよう構成される。第1可動体46の第1位置(第1移動部材60の待機位置)において、前記前第1軸74は第1ガイド孔67aの右端部側(
図7で左端部側)に位置すると共に、該前第1軸74および前第3軸77は、前記第1基軸72を通る鉛直線より右側上方に位置して、第1可動体46は、長手方向が上下方向に延在する直立姿勢となるよう構成される(
図6参照)。そして、第1移動部材60が待機位置から移動位置に向けて移動することで、第1可動体46は第1移動部材60と共に上方移動しつつ、第1作動部材79が前第2軸57を中心として回動することで、該第1可動体46は前第1軸74および前第3軸77に対して回動して姿勢変化するよう構成される。すなわち、
図9,
図10に示す如く、第1可動体46の第2位置(第1移動部材60の移動位置)において、前記前第1軸74は第1ガイド孔67aの左端部側に位置すると共に、該前第1軸74および前第3軸77は、第1基軸72を通る鉛直線より左側上方に位置して、第1可動体46は、長手方向が斜めに延在する傾斜姿勢となるよう構成される。実施例では、第2位置において第1可動体46は回動支点部から自由端に向けて左斜め上向きの傾斜姿勢となるよう構成されることから、第1可動体46の第2位置での姿勢について左上向き傾斜姿勢と指称する場合もある。
【0047】
また、前記第1可動体46は、第1位置において前記枠状装飾体26における窓口26aより右側方において長手方向を上下方向に延在した直立姿勢に保持されると共に、該第1位置の第1可動体46の前側に前記裏装飾板42に配設された不透明な裏装飾部品43や装飾用発光演出装置44の不透明な発光基板が位置して、該第1可動体46は裏装飾部品43や装飾用発光演出装置44で前側が覆われて前側から視認できないようになっている。そして、第1可動体46が第1位置から第2位置に移動することで、
図3,
図4に示す如く、該第1可動体46は前記窓口26aの略中央部に位置して前側に露出するようになっている。また、前記第1移動部材60に下端部が回動自在に支持されると共に、該支持部から離間する部位が前記第1作動部材79で回動自在に支持された第1可動体46は、第1位置と第2位置との間を、前記空間Sにおける裏装飾板42側に偏倚した第1の移動領域を遊技盤20の盤面に沿って移動するよう構成される。
【0048】
前記第1作動部材79は、
図7に示す如く、前記前第2軸57および前第3軸77を結ぶ線分Lに対して当該第1作動部材79の回転軸線方向(実施例では前後方向)と交差する方向に屈曲するように形成されている。実施例では、前記第1可動体46の第1位置において、前記線分Lから左側(
図7では右側)に逃げるように第1作動部材79が屈曲形成されて、該屈曲部から前第2軸57との支持部(連繋部)までの第1板部79aの長さは、該屈曲部から前第3軸77との支持部(連繋部)までの第2板部79bの長さより短かく設定される。そして、第1可動体46の第1位置において、第1作動部材79の第2板部79bが、略鉛直な姿勢となるよう構成される。また、第1板部79aおよび第2板部79bは、
図11,
図14,
図15に示す如く、第1作動部材79の回転軸線方向(前後方向)に屈曲するように形成されて、当該第1作動部材79の前後方向の剛性を高め、該第1作動部材79で支える第1可動体46の前後方向の変位を抑制し得るようにしてある。第1作動部材79の前後方向の屈曲形状を具体的に説明すると、前記第1板部79aが当該第1板部79aの長手方向の中間において前側から後側に向けて屈曲されると共に、第2板部79bが当該第2板部79bの長手方向の中間より前第3軸77に対する支持部側に偏倚した位置で後側から前側に向けて屈曲されている。すなわち、第1作動部材79は、長手方向の2箇所で前後方向に屈曲されている。
【0049】
前記第1作動部材79には、前記第1板部79aにおける第2板部79bとの連設部側の端部に、前記第1主取付基材53(第1装置本体45)に設けた第1規制孔58に移動自在に挿通される第1被規制部(被規制部)80が設けられている。この第1被規制部80は、第1板部79aに設けられた軸部材80aと、該軸部材80aに外嵌された摺動部材80bとから構成され、該摺動部材80bが第1規制孔58内を摺動するよう構成される。そして、第1被規制部80(摺動部材80b)が第1規制孔58を画成する下端の壁に当接して第1作動部材79の回動が規制されることで、第1可動体46が第1位置に保持され、第1被規制部80(摺動部材80b)が第1規制孔58を画成する上端の壁に当接して第1作動部材79の回動が規制されることで、第1可動体46が第2位置に保持されるようになっている。
【0050】
(前第2検出手段81について)
前記第1作動部材79の第1板部79aには、
図9,
図10に示す如く、外方(上方)に延出する検出片79cが設けられており、該検出片79cは、前記第1主取付基材53(第1装置本体45)に配設した前第2検出手段81によって検出可能に構成されている。前第2検出手段81は、前記制御手段160に配線接続されており(
図33参照)、該前第2検出手段81の検出状態に応じて制御手段160が前記第1移動用モータ69を駆動制御し得るよう構成される。前記検出片79cは、第1可動体46の第2位置(第1移動部材60の移動位置)において前第2検出手段81で検出されて、該前第2検出手段81の検出信号の入力に基づいて第1移動用モータ69を制御手段160が停止制御することで、第1可動体46を第2位置(第1移動部材60を移動位置)に停止保持し得るよう構成される。
【0051】
(第1装飾部50について)
前記第1可動体46には、前記前第3軸77が設けられる位置より自由端側に偏倚した位置で、後述する第2可動体104と第2位置において前後に重なる交差部に、光透過性の第1装飾部(装飾部)50が配設されている(
図30,
図31,
図32参照)。この第1装飾部50は、第1可動体46の前側に位置して該第1可動体46に対して前後方向に延在する回転軸回りに回動自在に支持されている。すなわち、
図16,
図17に示す如く、第1可動体46には前後方向に貫通する貫通孔46cが形成されており、前方に突出する筒部82aが形成された回転用作動歯車82が、該筒部82aを貫通孔46cに後側から挿通した状態で第1可動体46に回動自在に支持される。また、第1装飾部50の裏面に、後方に突出する複数の係合爪50aが周方向に離間して突設されており、該係合爪50aを貫通孔46cに挿通された回転用作動歯車82の筒部82aに前側から挿通して該作動歯車82に係合することで、該第1装飾部50と回転用作動歯車82とが一体で第1可動体46に対して回動自在に支持されるようになっている。
【0052】
前記第1装飾部50は、
図16,
図17に示す如く、実施例では星型多角形である星型六角形形状に形成され、中心位置に中央明輝部50bが設けられると共に、各三角突部に外周明輝部50cが夫々設けられている。実施例では、中央明輝部50bの裏面に光を拡散するレンズカットが施されると共に、外周明輝部50cは着色されている。前記回転用作動歯車82には、筒部82aの内径寸法で前後方向に貫通する導光孔82bが形成されており、後述する第2可動体104に配設された発光体139aからの光を該導光孔82bを通して第1装飾部50における中央明輝部50bに照射させ得るよう構成されている(
図32参照)。また、前記第1可動体46は、光透過性に構成されており、第2可動体104に配設された発光体139bからの光が第1可動体46を透過し、該光が第1装飾部50における各外周明輝部50cに照射され得るようになっている。すなわち、実施例では、第1可動体46に配設された第1装飾部50を、第2可動体104に配設された発光体139a,139bで明輝して発光演出を行い得るよう構成されている。
【0053】
(回転機構51について)
前記第1可動体46の裏面に、前記第1装飾部50を回転駆動する回転機構51が配設されている。回転機構51は、
図16,
図17に示す如く、第1可動体46の裏面に配設された駆動手段としての回転用モータ83と、該回転用モータ83の出力軸に連結された駆動歯車83aの回転力を前記回転用作動歯車82に伝達する複数の歯車からなる歯車列84とから構成され、回転用モータ83を所定方向に回転駆動することで、歯車列84および回転用作動歯車82を介して第1装飾部50が回転するよう構成される。なお、回転用モータ83は、前記制御手段160に配線接続されており(
図33参照)、該制御手段160によって回転用モータ83が駆動制御されるようになっている。
【0054】
(第1可動部材48について)
前記第1可動体46に、該第1可動体46の長手方向に移動自在に第1可動部材48が配設されている。第1可動部材48は、相互に近接離間移動する一対の第1意匠部材85,86から構成されており、該第1意匠部材85,86が第1可動体46の前側において長手方向に隣り合って配設される。各第1意匠部材85,86は、
図18,
図19に示す如く、第1基体87と、該第1基体87の前側に配設された第1意匠体88と、第1基体87と第1意匠体88との間に配設された第1発光基板89,90とを備える。第1意匠体88は、略矩形状に形成された主意匠部88aと、該主意匠部88aの外縁に設けられて他方の第1意匠部材85,86から離間する方向に延出する副意匠部88bとを備える。第1意匠体88は光透過性の部材で形成されると共に、該部材の表面に非光透過性のメッキ等を施すことで、各意匠部88a,88bに異なる意匠が表わされている。前記第1基体87と第1意匠体88との間に配設される第1発光基板89,90は、該第1意匠体88の主意匠部88aに対応する主第1発光基板89と、副意匠部88bに対応する副第1発光基板90とからなり、両第1発光基板89,90の前面に実装した複数のLED等の発光体89a,90aを発光することで、対応する意匠部88a,88bを明輝し得るよう構成される。実施例では、2つの第1意匠部材85,86を区別する場合は、第1可動体46の自由端側に配設される第1意匠部材85について自由端側第1意匠部材86と指称し、第1可動体46の回動支点部側に配設される第1意匠部材86について支点側第1意匠部材86と指称する場合がある。
【0055】
前記一対の第1意匠部材85,86は、主意匠部88a,88aにおける副意匠部88b,88bが延出していない端部同士が対向するように配置されており、両第1意匠部材85,86が近接した非作動位置では、
図3,
図6,
図19に示す如く、前記第1可動体46の前側に配設された前記第1装飾部50を両主意匠部88a,88aで前側から覆い、両第1意匠部材85,86が離間した作動位置では、
図4,
図9,
図31に示す如く、両主意匠部88a,88aが第1装飾部50の前側から移動して該第1装飾部50を前側に露出するよう構成される。なお、第1意匠部材85,86の非作動位置では、不透明な前記主第1発光基板89,89が第1装飾部50の前側に位置して、該第1装飾部50は前側から視認できないよう第1意匠部材85,86(第1可動部材48)で隠されるようになっている。また、実施例の第1可動部材48では、自由端側第1意匠部材85は、非作動位置において第1可動体46の自由端部(端部)から外方へ突出するように配置されており、該自由端側第1意匠部材85が作動位置に移動することで第1可動体46の自由端部から外方への突出量が大きくなるよう構成されている(
図4,
図9,
図31参照)。
【0056】
(第1可動部材48の組付け構造について)
前記第1可動体46に、
図18,
図19に示す如く、前後方向に貫通して該第1可動体46の長手方向に所定長さで延在する自由端側長孔46dが複数箇所(実施例では3箇所)に形成されると共に、前後方向に貫通して該第1可動体46の長手方向に所定長さで延在する支点側長孔46eが複数箇所(実施例では2箇所)に形成されている。前記自由端側第1意匠部材85の第1基体87には、第1可動体46に形成した前記各自由端側長孔46dに対応する位置の夫々に、該自由端側長孔46dに摺動自在に挿通支持される摺動部材91が配設されており、該自由端側第1意匠部材85は、第1可動体46に対して複数の自由端側長孔46dに沿って長手方向に移動し得るように支持される。また、前記支点側第1意匠部材86の第1基体87には、第1可動体46に形成した前記各支点側長孔46eに対応する位置の夫々に、該支点側長孔46eに摺動自在に挿通支持される摺動部材91が配設されており、該支点側第1意匠部材86は、第1可動体46に対して複数の支点側長孔46eに沿って長手方向に移動し得るように支持される。
【0057】
前記自由端側第1意匠部材85の第1基体87には、支点側第1意匠部材86の第1基体87との対向端から第1可動体46の回動支点部側に延出する自由端側延出部92が設けられ、該自由端側延出部92における一側縁に移動用ラック92aが該自由端側延出部92の延在方向に所定長さで形成されている。また、支点側第1意匠部材86の第1基体87には、前記自由端側延出部92における移動用ラック92aが形成される一側縁と対向する側縁に、自由端側延出部92の延在方向に所定長さで移動用ラック93が形成されている。そして、両移動用ラック92a,93が、第1可動体46に回動自在に支持された後述する進退用作動歯車97に対して回転中心を挟む両側で噛合し、該進退用作動歯車97の回転によって両第1意匠部材85,86が相互に逆方向に移動するよう構成される。また、支点側第1意匠部材86の第1基体87には、該第1基体87における第1可動体46の回動支点部側の端部から延出する支点側延出部94が形成されており、該支点側延出部94の一側縁に、後述する進退用駆動歯車96に噛合する駆動用ラック94aが形成されている。なお、
図8に示す如く、自由端側第1意匠部材85の自由端側延出部92における移動用ラック92aが形成される領域に近接する位置に前記摺動部材91が配設されると共に、支点側第1意匠部材86における移動用ラック93が形成される領域に近接する位置および支点側延出部94における駆動用ラック94aが形成される領域に近接する位置に前記摺動部材91が夫々配設されており、該摺動部材91,91が対応する長孔46d,46eに沿って案内されることで、両第1意匠部材85,86が移動する際に両移動用ラック92a,93と進退用作動歯車97との噛合状態および駆動用ラック94aと進退用駆動歯車96との噛合状態を適正に保持するようにしてある。
【0058】
前記自由端側延出部92は、前記第1可動体46における貫通孔46cの形成位置から外れた位置を該第1可動体46の長手方向に沿って延在して、両第1意匠部材85,86が相互に離間した際に、両第1意匠部材85,86の間に臨む自由端側延出部92によって前記第2可動体104の発光体139aからの光が第1装飾部50の中央明輝部50bに照射されるのを阻害しないよう構成してある。また、自由端側延出部92は透明に形成されており、両第1意匠部材85,86が相互に離間した際に、両第1意匠部材85,86の間に臨む自由端側延出部92によって第2可動体104の発光体139bからの光が第1装飾部50の外周明輝部50cに照射されるのを阻害しないよう構成されている。
【0059】
(第1進退機構49について)
前記第1可動体46に、前記第1可動部材48を動作させる前記第1進退機構(進退機構)49が配設されている。第1進退機構49は、
図8,
図18,
図19に示す如く、第1可動体46の前面に後向きに配設された駆動手段としての第1進退用モータ95と、該第1進退用モータ95の出力軸に配設された駆動歯車95aと、第1可動体46に回動自在に支持されて該駆動歯車95aに噛合する進退用駆動歯車96と、第1可動体46に回動自在に支持されて前記支点側第1意匠部材86の第1基体87および自由端側第1意匠部材85の第1基板87に設けた移動用ラック92a,93の夫々に噛合する進退用作動歯車97とを備え、進退用駆動歯車96が前記支点側延出部94に形成した前記駆動用ラック94aに噛合している。実施例の進退用駆動歯車96は、第1可動体46を挟んで前後に位置する歯車を軸部材で連結して構成されたものであって、第1可動体46の後側に位置する歯車が駆動歯車95aに噛合すると共に、第1可動体46の前側に位置する歯車が駆動用ラック94aに噛合している。すなわち、第1進退用モータ95を正転方向および逆転方向に回転駆動することで、進退用駆動歯車96と駆動用ラック94aとの噛合作用下に、支点側第1意匠部材86が非作動位置と作動位置との間を往復移動する。また、支点側第1意匠部材86の移動用ラック93と、自由端側第1意匠部材85の移動用ラック92aとが進退用作動歯車97に噛合する構成によって、支点側第1意匠部材86が非作動位置と作動位置との間を往復移動するのに連動して自由端側第1意匠部材85も非作動位置と作動位置との間を往復移動するよう構成される。実施例では、第1進退用モータ95の回転方向について、両意匠部材85,86を非作動位置から作動位置に向けて移動する際の回転方向を正転方向と指称し、作動位置から非作動位置に向けて移動する際の回転方向を逆転方向と指称する場合がある。
【0060】
(前第3検出手段98について)
前記支点側第1意匠部材86の前記支点側延出部94(第1可動部材48)に、前記第1可動体46の回動支点部側に向けて延出する検出片94bが設けられており、該検出片94bは、第1可動体46に設けた前第3検出手段98によって検出可能に構成されている。前第3検出手段98は、前記制御手段に配線接続されており(
図33参照)、該前第3検出手段98の検出状態に応じて制御手段160が前記第1進退用モータ95を駆動制御し得るよう構成される。前記検出片94bは、支点側第1意匠部材86(第1可動部材48)の作動位置において前第3検出手段98で検出されて、該前第3検出手段98の検出信号の入力に基づいて第1進退用モータ95を制御手段160が停止制御することで、両第1意匠部材85,86(第1可動部材48)を相互に離間した作動位置に停止保持し得るよう構成される。また制御手段160は、第1進退用モータ95を逆転方向に回転駆動して両第1意匠部材85,86を作動位置から非作動位置に向けて移動することで、前記前第3検出手段98が検出状態から非検出状態に切り替わることに基づいて第1進退用モータ95を該制御手段160が停止制御することで、両第1意匠部材85,86(第1可動部材48)を非作動位置に停止保持し得るよう構成されている。
【0061】
(配線処理構造について)
前記第1可動体46には、第1位置において窓口26a側(第2位置を向く側)の下端部に、板面を上下方向に延在した立てた姿勢で可動側第1中継基板99が配設されており(
図7参照)、該可動側第1中継基板99には、第1可動体46に配設された前記第1発光基板89,90が配線を介して接続されている。また、前記第1ベース部材52の下端部に、
図9に示す如く、固定側第1中継基板100が取り付けられる第1基板取付部材101が配設されている。第1基板取付部材101は、上下方向に延在する後壁101aの下端縁から前方に延出するように底壁101bが設けられており、該底壁101bにおける第1可動体46の第1位置において前記可動側第1中継基板99の下方に臨む位置に、板面を左右方向に延在した寝かせた姿勢で前記固定側第1中継基板100が配設されている。そして、前記可動側第1中継基板99に一端が接続されて該可動側第1中継基板99の下端から下方に延出する第1配線102の他端が、固定側第1中継基板100の右端部側に接続されている。この第1配線102としては、フラットケーブル(フレキシブルフラットケーブル)が採用されており、該第1配線102は、幅方向を前後向きとした姿勢で両第1中継基板99,100の間を引き回されている。
【0062】
前記可動側第1中継基板99は、
図9に示す如く、前記第1可動体46の第2位置において第1配線102が延出する端部が右斜め下方を向いており、該端部から延出する第1配線102は、両第1中継基板99,100の接続部間の途中の部位が前記第1支持部材64の下方に臨む状態となるよう構成される。そして、第1可動体46が第2位置から第1位置に移動する際に、第1支持部材64が第1配線102を下側に押さえつつ該第1配線102を可橈して、第1可動体46の第1位置では第1支持部材64と第1基板取付部材101の底壁101bとの間に第1配線102を保持するようになっている(
図6参照)。
【0063】
(第2可動演出装置M2について)
前記第1可動演出装置M1と対をなす前記第2可動演出装置M2は、第1可動演出装置M1が備える回転機構51に対応する機構を備えていない点で異なるが、その他の基本的な構成は第1可動演出装置M1と同じであると共に、各部材の配置関係が、遊技盤20の左右方向の中央を通る縦中央線を挟んで第1可動演出装置M1とは略対称になっている。そこで、第2可動演出装置M2に関しては、第1可動演出装置M1と構成が異なる部分について詳細に説明して共通部分については簡略して説明するものとする。
【0064】
前記第2可動演出装置M2は、
図22に示す如く、前記設置部材22に取り付けられる第2装置本体(装置本体)103と、該第2装置本体103に支持されて前記第1可動演出装置M1から離間する第1位置と近接する第2位置との間を移動可能な第2可動体104と、該第2可動体104を動作させる第2駆動機構105と、第2可動体104に移動自在に配設された第2可動部材106と、該第2可動部材106を動作させる第2進退機構107とを備えている。
【0065】
(第2装置本体103について)
前記第2装置本体103は、
図25,
図26に示す如く、前記第1装置本体45と同様に、前記設置部材22の背面板18にネジ止め固定される金属板からなる第2ベース部材108と、該第2ベース部材108の前面に配設されて各種部品が取り付けられる複数の取付基材109,110,111と、第2ベース部材108の前面に配設される第2レール部材112とを備える。第2ベース部材108に配設される第2レール部材112は、該第2ベース部材108の左右方向の略中央より右側(窓口26a側)に偏った位置において上下方向に延在するように配設されている。
【0066】
前記第2ベース部材108の前面には、前記第1主取付基材53と同様に一対の側壁部109a,109aの上端を上壁部109bで連設した下向きコ字状の第2主取付基材109が配設されている。第2主取付基材109には、
図22に示す如く、上部左端に、該第2主取付基材109との間に後第2軸113を支持する第2軸取付基材110が配設されて、該後第2軸113に後述する第2作動部材134の一端部が回動自在に支持される。また第2主取付基材109には、
図25,
図26に示す如く、上部右端に、前記後第2軸113を中心とする弧状に形成された第2規制孔(規制部)115が上下方向に所定長さで延在しており、該第2規制孔115によって第2作動部材134の回動範囲が規制されるようになっている。また、第2主取付基材109の左側の側壁部109aの前面に第2モータ取付基材111が配設され、該第2モータ取付基材111に前記第2駆動機構105を構成する第2移動用モータ116(後述)が取り付けられる。なお、第2モータ取付基材111に配設された第2緩衝部材117に、前記第2可動体104が第2位置から第1位置に移動した際に当接することで、該第2可動体104に加わる衝撃を緩和し得るよう構成してある。
【0067】
(第2移動部材118について)
前記第2レール部材112に移動自在に支持される第2移動部材(移動部材)118は、第2駆動機構105によって下方の待機位置(
図20)と上方の移動位置(
図22,
図23)との間を直線的に往復移動される。第2移動部材118は、前記第1移動部材60と同様に、
図25,
図26に示す如く、一側面(左側面)に上下方向に延在する第2ラック(ラック)119aが設けられた第2ラック部材119の後側に第2補強部材120および第2スライド部材121を配設して構成され、該第2スライド部材121が第2レール部材112に摺動自在に支持されている。また、第2ラック部材119(第2移動部材118)の下端部(移動方向の一端部)に、前記第2可動体104の後述する回転基部104aに設けた第2基軸129を回動自在に支持する前後の軸支持部材123,124からなる第2支持部材122が配設されている。
【0068】
前記第2ラック部材119(第2移動部材118)に配設された前記第2支持部材122には、前記第2基軸129の支持位置より上側に第2ガイド部材125が設けられている。第2ガイド部材125には、前記第2可動体104の後述する後第1軸131が移動自在に支持される第2ガイド孔125aが、第2可動体104の第2基軸129を中心とする弧状に形成されて左右方向に所定長さで延在している。そして、第2移動部材118の移動に伴って後第1軸131が第2ガイド孔125a内を移動することで、第2可動体104が前記第2基軸129を中心として回動変位し得るようになっている。なお、実施例では、第2支持部材122に第2ガイド部材125を一体に設けたが、該第2ガイド部材125を第1可動演出装置M1と同様に別体で構成したものであってもよい。
【0069】
前記第2モータ取付基材111の上端部には、前記第2ラック部材119の前側に臨む延出片111aが設けられており、該延出片111aに一端が係止された付勢手段としての第2引張りコイルバネ126の他端が、第2ラック部材119に係止されており、前記第2移動部材118は、第2引張りコイルバネ126によって常には移動位置に向けて付勢されている。また、第2ラック部材119の前面には、第2引張りコイルバネ126が上下方向に延在する領域に対応して後側に凹む凹溝119bが上下方向に延在するように形成されており、第2引張りコイルバネ126の後部側が凹溝119bに臨んだ状態で該コイルバネ126が伸縮するよう構成される。すなわち、第2移動部材118が移動する際に第2引張りコイルバネ126が左右方向に変位するのを防止して、該コイルバネ126が他部材と干渉することで第2移動部材118の移動が阻害されるのを防ぐようにしている。
【0070】
(第2駆動機構105について)
前記第2装置本体103に配設される第2駆動機構(駆動機構)105は、
図25,
図26に示す如く、前記第2モータ取付基材111に配設された駆動手段としての第2移動用モータ(駆動モータ)116と、該第2移動用モータ116の出力軸に配設された駆動歯車116aと、該駆動歯車116aに噛合する第2ピニオン(ピニオン)127とを備え、該第2ピニオン127が第2移動部材118に設けた前記第2ラック119aに噛合している。すなわち、第2移動用モータ116を正転方向および逆転方向に回転駆動することで、第2ピニオン127と第2ラック119aとの噛合作用下に、第2移動部材118が待機位置(
図20参照)と移動位置(
図22,
図23参照)との間を往復移動するよう構成される。また、第2移動用モータ116は前記制御手段160に配線接続されており(
図33参照)、後述する検出手段128,136,153の検出状態に応じて制御手段160によって第2移動用モータ116が駆動制御されるようになっている。実施例では、第2移動用モータ116の回転方向について、第2移動部材118を待機位置から移動位置に向けて移動する際の回転方向を正転方向と指称し、移動位置から待機位置に向けて移動する際の回転方向を逆転方向と指称する場合がある。
【0071】
(後第1検出手段128について)
前記第2装置本体103に設けられて前記制御手段160に配線接続される後第1検出手段(第1検出手段)128は(
図22参照)、前記第2ガイド部材125(第2移動部材118)の下端に設けた検出片125bを、第2移動部材118の待機位置(第2可動体104の第1位置)において検出するよう構成される。そして、後第1検出手段128の検出信号の入力に基づいて第2移動用モータ116を制御手段160が停止制御することで、第2移動部材118を待機位置(第2可動体104を第1位置)に停止保持し得るよう構成される。
【0072】
(第2可動体104について)
前記第2可動体(可動体)104の長手方向の一端部に設けられた回転基部104aに軸受筒部104bが設けられ、該軸受筒部104bに挿通支持された第2基軸129が、前記第2支持部材122(軸支持部材123,124の軸支孔123a,124a)に回動自在に支持されている。すなわち、第2可動体104は、第2移動部材118に対して長手方向の一端部が前後方向に延在する第2基軸129を介して回動自在に支持されて、遊技盤20の盤面に沿って回動支点部から離間する端部側(自由端側)が左右方向に揺動可能となっている。また、第2可動体104は、第2支持部材122の後軸支持部材124に設けた軸受筒部に巻かれた第2ねじりコイルバネ130によって常には第1位置に向けて回転するように付勢されている。
【0073】
前記第2可動体104には、前記第2基軸129の配設位置(第2可動体104の回動支点部)から自由端側に離れた位置に、後方に突出する後第1軸131が設けられ、該第1軸131に外嵌した鍔付きスリーブ132を介して後第1軸131が前記第2ガイド部材125の第2ガイド孔125a内で摺動自在に移動し得るよう構成される。また、第2可動体104の裏面には、
図28に示す如く、前記後第1軸131を挟んで第2基軸129とは反対側(自由端側)に離れた位置に後第3軸133が後方に向けて突設されている。なお、後第1軸131には、鍔付きスリーブ132より後側に、第2ガイド孔125aより大径のリング体132aが外嵌されており、該リング体132aと鍔付きスリーブ132の鍔部とによって後第1軸131の第2ガイド孔125aからの抜け止めが図られている。
【0074】
(第2作動部材134について)
前記第2装置本体103に配設された前記後第2軸113に、第2作動部材(作動部材)134の長手方向の一端部が回動自在に軸支(連繋)されている。この第2作動部材134は、
図25,
図26に示す如く、長尺な板状部材であって、該第2作動部材134の長手方向の他端部は、前記第2可動体104に設けた前記後第3軸133に回動自在に支持(連繋)されている(
図23参照)。第2作動部材134は透明に構成されて、前記第2可動体104の第2位置において前記窓口26aから前側に露出した際に前記表示部17aの表示を隠すことがないよう構成される。第2可動体104の第1位置(第2移動部材118の待機位置)において、前記後第1軸131は第2ガイド孔125aの左端部側(
図20では右端部側)に位置すると共に、該後第1軸131および後第3軸133は、第2基軸129を通る鉛直線より左側上方に位置して、第2可動体104は、長手方向が上下方向に延在する直立姿勢となるよう構成される。そして、第2移動部材118が待機位置から移動位置に向けて移動することで、
図23に示す如く、第2可動体104は第2移動部材118と共に上方移動しつつ、第2作動部材134が後第2軸113を中心として回動することで、該第2可動体104は後第1軸131および後第3軸133に対して回動して姿勢変化するよう構成される。すなわち、
図23に示す如く、第2可動体104の第2位置(第2移動部材118の移動位置)において、前記後第1軸131は第2ガイド孔125aの右端部側に位置すると共に、該後第1軸131および後第3軸133は、第2基軸129を通る鉛直線より右側上方に位置して、第2可動体104は、長手方向が斜めに延在する傾斜姿勢となるよう構成される。実施例では、第2位置において第2可動体104は回動支点部から自由端に向けて右斜め上向きの傾斜姿勢となるよう構成されることから、第2可動体104の第2位置での姿勢について右上向き傾斜姿勢と指称する場合もある。
【0075】
また、前記第2可動体104は、第1位置において前記枠状装飾体26における窓口26aより左側方において長手方向を上下方向に延在した直立姿勢に保持されると共に、該第1位置の第2可動体104の前側に前記裏装飾板42に配設された不透明な裏装飾部品43や装飾用発光演出装置44の不透明な発光基板が位置して、該第2可動体104は裏装飾部品43や装飾用発光演出装置44で前側が覆われて前側から視認できないようになっている。そして、第2可動体104が第1位置から第2位置に移動することで、
図3,
図4に示す如く、該第2可動体104は前記窓口26aの略中央部に位置して前側に露出するようになっている。また、前記第2移動部材118に下端部が回動自在に支持されると共に、該支持部から離間する部位が前記第2作動部材134で回動自在に支持された第2可動体104は、第1位置と第2位置との間を、前記空間Sにおける背面板18側に偏倚した前記第1の移動領域の後側の第2の移動領域を遊技盤20の盤面に沿って移動するよう構成される。すなわち、前記第1可動体46と第2可動体104とは、前後方向に離間する第1の移動領域と第2の移動領域とを移動することで第2位置において相互に干渉することなく前後に重なるよう構成される(
図30参照)。また、第1可動体46は、前述したように第2位置において左上向き傾斜姿勢となるのに対し、第2可動体104は第2位置において右上向き傾斜姿勢となることで、
図3,
図4に示す如く、両可動体46,104は窓口26aの中央部において前後に重なった状態でX状に交差する形態となるよう構成される。
【0076】
前記第2作動部材134は、
図20に示す如く、前記後第2軸113および後第3軸133を結ぶ線分L2に対して当該第2作動部材134の回転軸線方向と交差する方向に屈曲するように形成されている。実施例では、前記第2可動体104の第1位置において、前記線分L2から右側(
図20では左側)に逃げるように第2作動部材134が屈曲形成されて、該屈曲部から後第2軸113の支持部(連繋部)までの第1板部134aの長さは、該屈曲部から後第3軸133との支持部(連繋部)までの第2板部134bの長さより短かく設定される。そして、第2可動体104の第1位置において、第2作動部材134の第2板部134bが、略鉛直な姿勢となるよう構成される。また、第1板部134aおよび第2板部134bは、
図24,
図25,
図26に示す如く、第2作動部材134の回転軸線方向(前後方向)に屈曲するように形成されて、当該第2作動部材134の前後方向の剛性を高め、該第2作動部材134で支える第2可動体104の前後方向の変位を抑制し得るようにしてある。第2作動部材134の前後方向の屈曲形状を具体的に説明すると、前記第1板部134aが当該第1板部134aの長手方向の中間において前側から後側に向けて屈曲されると共に、第2板部134bが当該第2板部134bの長手方向の中間より後第3軸133に対する支持部側に偏倚した位置で後側から前側に向けて屈曲されている。すなわち、第2作動部材134は、前記第1作動部材79と同様に長手方向の2箇所で前後方向に屈曲されている。
【0077】
前記第2作動部材134には、前記第1板部134aにおける第2板部134bとの連設部側の端部に、該第1板部134aに設けられた軸部材135aと、該軸部材135aに外嵌された摺動部材135bとからなる第2被規制部(被規制部)135が設けられ、該第2被規制部135の摺動部材135bが前記第2主取付基材109(第2装置本体103)に設けた第2規制孔115に摺動自在に挿通されている。そして、第2被規制部135(摺動部材135b)が第2規制孔115を画成する下端の壁に当接して第2作動部材134の回動が規制されることで、第2可動体104が第1位置に保持され、第2被規制部135(摺動部材135b)が第2規制孔115を画成する上端の壁に当接して第2作動部材134の回動が規制されることで、第2可動体104が第2位置に保持されるよう構成される。
【0078】
(後第2検出手段136について)
前記第2装置本体103に設けられて前記制御手段160に配線接続される後第2検出手段(第2検出手段)136(
図22参照)は、前記第2作動部材134に設けられた検出片134cを、第2移動部材118の移動位置(第2可動体104の第2位置)において検出するよう構成される。そして、後第2検出手段136の検出信号の入力に基づいて前記第2移動用モータ116を制御手段160が停止制御することで、第2移動部材118を移動位置(第2可動体104を第2位置)に停止保持し得るよう構成される。
【0079】
(発光演出装置137について)
前記第2可動体104には、前記後第3軸133が設けられる位置より自由端側に偏倚した位置で、前記第1可動体46と第2位置において前後に重なる交差部に発光演出装置137が配設されている。この発光演出装置137は、
図27,
図28に示す如く、光透過性で第2可動体104の前面にネジ止め固定される第2装飾部(装飾部,発光部)138と、第2可動体104の裏面に配設された発光基板139と、該発光基板139の前面に実装したLED等の複数の発光体139a,139bとから構成される。第2装飾部138は、実施例では前記第1装飾部50と同じ星型多角形である星型六角形形状に形成され、中心位置に中央明輝部138aが設けられると共に、各三角突部に外周明輝部138bが夫々設けられている。第2可動体104には、第2装飾部138の中央明輝部138aと対応する位置に前後方向に貫通する中央貫通孔104cが形成されると共に、第2装飾部138の各外周明輝部138bと対応する位置の夫々に前後方向に貫通する外周貫通孔104dが形成されている。発光基板139に実装される発光体139a,139bは、中央貫通孔104cと対応する位置に配置された中央発光体139aと、各外周貫通孔104dと対応する位置の夫々に配置された外周発光体139bとからなり、各発光体139a,139bからの光は、対応する貫通孔104c,104dを通って第2装飾部138の対応する明輝部138a,138bに照射されて該明輝部138a,138bを明輝させ得るよう構成してある。
【0080】
(第2可動部材106について)
前記第2可動体104に、該第2可動体104の長手方向に移動自在に第2可動部材(可動部材)106が配設されている。第2可動部材106は、
図27,
図28に示す如く、相互に近接離間移動する一対の第2意匠部材140,141から構成されており、該第2意匠部材140,141が第2可動体104の前側において長手方向に隣り合って配設される。各第2意匠部材140,141は、
図27,
図28に示す如く、第2基体142と、該第2基体142の前側に配設された第2意匠体143と、第2基体142と第2意匠体143との間に配設された第2発光基板144,145とを備える。第2意匠体143は、前記第1意匠体88と同様に主意匠部143aと副意匠部143bとを備え、各意匠部143a,143bに施される意匠が異なると共に、第1意匠体88の意匠とも異なるようにしてある。第2発光基板144,145は、主意匠部143aに対応する主第2発光基板144と、副意匠部143bに対応する副第2発光基板145とからなり、両第2発光基板144,145の前面に実装した複数のLED等の発光体144a,145aを発光することで、対応する意匠部143a,143bを明輝し得るよう構成される。実施例では、2つの第2意匠部材140,141を区別する場合は、第2可動体104の自由端側に配設される第2意匠部材140について自由端側第2意匠部材140と指称し、第2可動体104の回動支点部側に配設される第2意匠部材141について支点端側第2意匠部材141と指称する場合がある。
【0081】
前記一対の第2意匠部材140,141は、主意匠部143a,143aにおける副意匠部143b,143bが延出していない端部同士が対向するように配置されており、両第2意匠部材140,141が近接した非作動位置では、
図6に示す如く、前記第2可動体104の前側に配設された前記第2装飾部138を両主意匠部143a,143aで前側から覆い、両第2意匠部材140,141が離間した作動位置では両主意匠部143a,143aが第2装飾部138の前側から移動して該第2装飾部138を前側に露出するよう構成される(
図4,
図29参照)。なお、第2意匠部材140,141の非作動位置では、不透明な前記第2発光基板144,144が第2装飾部138の前側に位置して、該第2装飾部138は前側から視認できないよう第2意匠部材140,141(第2可動部材106)で隠されるようになっている。また、実施例の第2可動部材106では、自由端側第2意匠部材140は、非作動位置において第2可動体104の自由端部(端部)から外方へ突出するように配置されており、該自由端側第2意匠部材140が作動位置に移動することで第2可動体104の自由端部から外方への突出量が大きくなるよう構成されている(
図4,
図22参照)。
【0082】
(第2可動部材106の組付け構造について)
前記第2可動体104に対する第2可動部材106の組付け構造は、前記1可動体46に対する第1可動部材48の組付け構造と同じである。すなわち、自由端側第2意匠部材140は、第2可動体104に形成された複数の自由端側長孔104eに対して摺動部材146を介して該第2可動体104の長手方向に摺動自在に支持される。また、枢支端側第2意匠部材141は、第2可動体104に形成された複数の支点側長孔104fに対して摺動部材146を介して該第2可動体104の長手方向に摺動自在に支持される。
【0083】
図21,
図27,
図28に示す如く、前記自由端側第2意匠部材140の第2基体142に設けられた自由端側延出部147に移動用ラック147aが形成されると共に、枢支端側第2意匠部材141の第2基体142における移動用ラック147aと対向する側縁に、移動用ラック148が形成されている。そして、両移動用ラック147a,148が、第2可動体104に回動自在に支持された後述する進退用作動歯車152に対して回転中心を挟む両側で噛合し、該進退用作動歯車152の回転によって両第2意匠部材140,141が相互に逆方向に移動するよう構成される。また、支点側第2意匠部材141の第2基体142に形成された支点側延出部149に、後述する進退用駆動歯車151に噛合する駆動用ラック149aが形成されている。
【0084】
前記自由端側延出部147は、透明に形成されると共に、前記第2可動体104における中央貫通孔104cの形成位置から外れた位置を該第2可動体104の長手方向に沿って延在するように配置される。すなわち、両第2意匠部材140,141が相互に離間した際に、両第2意匠部材140,141の間に臨む自由端側延出部147によって前記発光基板139に実装した発光体139a,139bからの光が第2装飾部138の中央明輝部138aおよび外周明輝部138bに照射されるのを阻害しないよう構成してある。
【0085】
(第2進退機構107について)
前記第2可動体104に、前記第2可動部材106を動作させる前記第2進退機構(進退機構)107が配設されている。第2進退機構107は、
図27,
図28に示す如く、第2可動体104の前面に後向きに配設された駆動手段としての第2進退用モータ150と、該第2進退用モータ150の出力軸に配設された駆動歯車150aと、第2可動体104に回動自在に支持されて該駆動歯車150aに噛合する進退用駆動歯車151と、第2可動体104に回動自在に支持されて前記支点側第2意匠部材141の第2基体142および自由端側第2意匠部材140の第2基板142に設けた移動用ラック147a,148の夫々に噛合する進退用作動歯車152とを備え、進退用駆動歯車151が前記支点側延出部149に形成した前記駆動用ラック149aに噛合している。すなわち、第2進退用モータ150を正転方向および逆転方向に回転駆動することで、第1進退機構49と同様に、進退用駆動歯車151と駆動用ラック149aとの噛合作用および両第2意匠部材140,141の移動用ラック147a,148が進退用作動歯車152に噛合する構成によって、自由端側第2意匠部材140と支点側第2意匠部材141とが相互に逆方向に移動して非作動位置と作動位置との間を往復するよう構成される。実施例では、第2進退用モータ150の回転方向について、両意匠部材140,141を非作動位置から作動位置に向けて移動する際の回転方向を正転方向と指称し、作動位置から非作動位置に向けて移動する際の回転方向を逆転方向と指称する場合がある。
【0086】
(後第3検出手段153について)
前記第2可動体104に設けられて前記制御手段160に配線接続される後第3検出手段(第3検出手段)153(
図27参照)は、前記支点側第2意匠部材141に設けられた検出片149bを、該支点側第2意匠部材141(第2可動部材106)の作動位置において検出するよう構成される。そして、後第3検出手段153の検出信号の入力に基づいて第2進退用モータ150を制御手段160が停止制御することで、両第2意匠部材140,141(第2可動部材106)を相互に離間した作動位置に停止保持し得るよう構成される。
【0087】
(配線処理構造について)
前記第2可動体104には、第1位置において窓口26a側から離間する側(第2位置から離間する側)の下端部に、板面を上下方向に延在した立てた姿勢で可動側第2中継基板154が配設されており(
図20参照)、該可動側第2中継基板154には、第2可動体104に配設された前記第2発光基板144,145および発光演出装置137の発光基板139が配線を介して接続されている。また、前記第2モータ取付基材111に、板面を上下方向に延在した立てた姿勢で固定側第2中継基板155が配設されており(
図22参照)、前記可動側第2中継基板154に一端が接続されて該可動側第2中継基板154の下端から下方に延出するフラットケーブル(フレキシブルフラットケーブル)からなる第2配線156は、他端側が上側に引き回されて固定側第2中継基板155の下端部側に接続されている。この第2配線156は、幅方向を前後向きとした姿勢で両第2中継基板154,155の間を引き回されている。
【0088】
前記第2主取付基材109には、前記第2モータ取付基材111の下側に延在する部位に、固定側第2中継基板155から下方に引き回される第2配線156の引き回し領域において左方に凹むと共に右側が開口する収容凹部109cが上下方向に所定長さで形成されている。そして、第2可動体104が第2位置から第1位置に移動する際に、第2可動体104(可動側第2中継基板154)の下方移動に伴って押し下げられる第2配線156が収容凹部109cに収容されるようになっている(
図6参照)。なお、第2モータ取付基材111には、第2可動体104の第2位置において可動側第2中継基板154と固定側第2中継基板155との間に臨む第2配線156の左側に対向する規制壁111bが設けられており、該第2可動体104が第1位置と第2位置との間を移動する際に第2配線156が左方に大きく可橈するのを該規制壁111bで規制し得るよう構成してある。
【0089】
(制御手段160について)
実施例のパチンコ機10の制御手段160は、
図33に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する主制御基板161と、該主制御基板161からの制御信号に基づいて遊技演出を全体的に制御する演出制御基板162と、該演出制御基板162からの制御信号に基づいて各種制御対象(モータやソレノイド等)を制御する駆動制御基板163とを備えている。主制御基板161には、前記第1始動入賞検出センサ、第2始動入賞検出センサ、特別入賞検出センサ、普通入賞検出センサ、球通過検出センサ等の各種検出センサが接続され、該各種検出センサからの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた変動パターン情報等の各種の指示情報(制御コマンド)が演出制御基板162に出力されるようになっている。また、演出制御基板162に、前記各種検出手段71,81,98,128,136,153が駆動制御基板163を介して接続されると共に、該駆動制御基板163に前記各モータ69,83,95,116,150が接続されている。演出制御基板162には、前記可動演出装置M1,M2における可動体46,104および可動部材48,106の具体的な動きを特定する各種の動作パターンが記憶されており、該演出制御基板162は、主制御基板162からの指示情報に基づいて前記可動体46,104および可動部材48,106の動作パターンを選択し、各種検出手段71,81,98,128,136,153からの信号を確認しつつ制御信号を駆動制御基板163に出力するよう構成されている。そして、駆動制御基板163が、制御信号に基づいて各モータ96,83,95,116,150を駆動制御するようになっている。なお、演出制御基板162は、前記表示装置17やパチンコ機10に配設されている図示しないランプ装置やスピーカ等の各種演出装置も制御するよう構成されている。
【0090】
(可動体46,104および可動部材48,106の動作制御について)
次に、前記制御手段160(具体的には演出制御基板162および駆動制御基板163)で実行される可動体46,104および可動部材48,106の動作制御について説明する。なお、両可動演出装置M1,M2の動作制御は同じであるので、第1可動演出装置M1の場合で説明することとする。
【0091】
前記第1可動演出装置M1において、前記前第3検出手段98が検出片94bを検出していない非検出状態(OFF状態)で、かつ前記前第1検出手段71が検出片61bを検出している検出状態(ON状態)である場合、前記制御手段160は、前記第1進退用モータ95の駆動を禁止するよう設定されている。そして、前第3検出手段98が検出片94bを検出していない非検出状態(OFF状態)で、前記前第2検出手段81が検出片79cを検出していない非検出状態(OFF状態)から検出した検出状態(ON状態)に切り替わった場合に、制御手段160は、第1進退用モータ95の駆動の禁止を解除するよう設定されている。すなわち、前記第1可動体46の第1位置において非作動位置に位置する第1可動部材48が作動位置に移動するのを阻止して、該第1可動部材48が他の部材に接触して破損等するのを防止するようになっている。また、第1可動体46が第2位置に移動することで第1可動部材48が移動する領域に他の部材が存在しない状態においては、該第1可動部材48の動作を許容するよう構成される。
【0092】
前記前第2検出手段81が検出片79cを検出している検出状態(ON状態)で、かつ前記前第3検出手段98が検出片94bを検出している検出状態(ON状態)である場合、前記制御手段160は、前記第1移動用モータ69の駆動を禁止するよう設定されている。そして、前記前第2検出手段81が検出片79cを検出している検出状態(ON状態)で、前第3検出手段98が検出片94bを検出している検出状態(ON状態)から検出しない非検出状態(OFF状態)に切り替わった場合に、制御手段160は、第1移動用モータ69の駆動の禁止を解除するよう設定されている。すなわち、第1可動部材48が作動位置に位置する状態のままで第1可動体46が第2位置から第1位置に移動するのを阻止して、該第1可動部材48が他の部材に接触して破損等するのを防止するようになっている。また、第1可動部材48が非作動位置に移動することで該第1可動部材48が他部材と接触するおそれのなくなった状態においては、第1可動体46の動作を許容するよう構成されている。
【0093】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0094】
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた遊技領域24内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域24の異なる経路をパチンコ球が流下する。遊技領域24を流下するパチンコ球が第1始動入賞口29aまたは第2始動入賞口33aに入賞すると、前記制御手段160の制御に基づいて前記表示装置17での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、表示装置17に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、表示装置17に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤20に設けられた特別入賞装置34が開放されると共に、前記制御手段160の制御に基づいて表示装置17において大当り演出が行われる。
【0095】
前記パチンコ機10では、前記表示装置17で行われる図柄変動演出や大当り演出に応じて、前記可動演出装置M1,M2の可動体46,104や可動部材48,106が動作されると共に、該可動体46,104や可動部材48,106に配設された発光体89a,90a,139a,139b,144a,145aが発光されたり点滅される発光演出によって遊技の興趣が向上される。
【0096】
(第1可動演出装置M1の動作演出について)
前記第1可動演出装置M1の第1可動体46が第1位置に位置する状態において、
図6に示す如く、該第1可動体46は直立姿勢に保持されて、左右方向の幅寸法は小さくなっている。また、前記第1可動部材48を構成する一対の第1意匠部材85,86は相互に近接した非作動位置に位置して、自由端側第1意匠部材85の第1可動体46の自由端からの突出寸法は小さくなっている。すなわち、前記窓口26aの右側方において第1可動体46および第1可動部材48を収容するのに必要となる上下方向の寸法および左右方向の寸法を小さく抑えることができる。そして、第1可動体46が第1位置に位置する状態では、
図2に示す如く、該第1可動体46および第1可動部材48は前記窓口26aから前側に露出しないようになっている。すなわち、窓口26aを小さくすることなく該窓口26aの右側方に、第1可動演出装置M1を視認し得ない状態で収容する空間を確保するのが容易となる。言い替えれば、窓口26aを大きくして前記表示装置17の表示領域を広くすることができ、該表示装置17の大型化に対応し得る。
【0097】
前記制御手段160からの制御信号によって前記第1移動用モータ69が正転方向に回転駆動され、前記第1ピニオン70と第1ラック61aとの噛合作用下に待機位置に位置する前記第1移動部材60が移動位置に向けて移動すると、前記第1作動部材79が前第2軸57を中心として左方向(窓口26aの中央側)に傾動するのに伴って前第1軸74が第1ガイド部材67の第1ガイド孔67aを右端から左端に向けて移動することで、該第1可動体46は第1移動部材79に対して前記第1基軸72を中心として左方向に傾動する。すなわち、第1可動体46は、上方に移動しつつ前第1軸74および前第3軸77に対して回動することで直立姿勢から自由端側が左側に傾斜すように姿勢変化する(
図29参照)。そして、前記第1作動部材79に設けた検出片79cが前記前第2検出手段81で検出され、該前第2検出手段81からの検出信号に基づいて前記制御手段160が第1移動用モータ69を停止制御することで、第1可動体46は第2位置(第1移動部材60は移動位置)に保持される。第1可動体46の第2位置では、
図3に示す如く、該第1可動体46は前記窓口26aの略中央部において自由端部が左斜め上方を向く左上向き傾斜姿勢となり、インパクトのある演出を行い得る。
【0098】
前記前第2検出手段81の検出状態において、前記制御手段160からの制御信号によって前記第1進退用モータ95が正転方向に回転駆動され、前記進退用駆動歯車96と支点側第1意匠部材86の駆動用ラック94aとの噛合作用下に非作動位置に位置する支点側第1意匠部材86が作動位置に向けて移動すると、該支点側第1意匠部材86の前記移動用ラック93と進退用作動歯車97との噛合作用下に該進退用作動歯車97が回転する。これにより、該進退用作動歯車97に移動用ラック92aが噛合している自由端側第1意匠部材85が非作動位置から作動位置へ向けて移動する。すなわち、一対の第1意匠部材85,86が相互に離間移動することで、両第1意匠部材85,86の対向端部の間が広がり、
図9,
図31に示す如く、前記第1装飾部50が前側に露出する。そして、支点側第1意匠部材86に設けた検出片94bが前記前第3検出手段98で検出されると、該前第3検出手段98の検出信号の入力に基づいて前記制御手段160が第1進退用モータ95を停止制御することで、一対の第1意匠部材85,86は作動位置に停止保持される。
【0099】
前記第1可動体46の前側に配設されている前記自由端側第1意匠部材85が非作動位置から作動位置に移動することで、該自由端側第1意匠部材85の第1可動体46の端部からの突出寸法が大きく変化する。すなわち、一対の意匠部材85,86が相互に離間移動することで、
図4に示す如く、前記窓口26aの中央部に移動してきた第1可動体46の見た目の寸法が大きくなることで、遊技者によりインパクトを与えて遊技の興趣を向上することができる。また、両第1意匠部材85,86の離間移動によって露出した前記第1装飾部50を、前記回転機構51によって回転することで、より興趣の高い演出を行うことができる。
【0100】
前記前第3検出手段98の検出状態において、前記制御手段160からの制御信号によって前記第1進退用モータ95が逆転方向に回転駆動されると、前記進退用駆動歯車96と駆動用ラック94aとの噛合作用および移動用ラック92a,93と進退用作動歯車97との噛合作用下に、一対の第1意匠部材85,86が相互に近接移動することで、両第1意匠部材85,86の対向端部の間が狭くなる。そして、検出状態となっていた前第3検出手段98が非検出状態に切り替わったことに基づいて前記制御手段160が第1進退用モータ95を停止制御することで、一対の第1意匠部材85,86は、
図29に示す非作動位置に停止保持され、前記第1装飾部50は前側が第1意匠部材85,86で覆われて見えなくなる。
【0101】
次に、前記制御手段160からの制御信号によって前記第1移動用モータ69が逆転方向に回転駆動され、前記第1ピニオン70と第1ラック61aとの噛合作用下に移動位置に位置する前記第1移動部材60が待機位置に向けて移動すると、前記第1作動部材79が前第2軸57を中心として右方向(窓口26aの端縁側)に傾動するのに伴って前第1軸74が第1ガイド部材67の第1ガイド孔67aを左端から右端に向けて移動することで、該第1可動体46は第1移動部材79に対して前記第1基軸72を中心として右方向に傾動する。すなわち、第1可動体46は、下方に移動しつつ前第1軸74および前第3軸77に対して回動することで左上向き傾斜姿勢から自由端側が右側に傾動するように姿勢変化する。そして、前記第1移動部材60に設けた検出片61bが前記前第1検出手段71で検出され、該前第1検出手段71からの検出信号に基づいて前記制御手段160が第1移動用モータ69を停止制御することで、第1可動体46は第1位置(第1移動部材60は待機位置)において直立姿勢で保持される。
【0102】
(第2可動演出装置M2の動作演出について)
前記第2可動演出装置M2の動作演出については、前記第2可動体104の動作方向が前記第1可動体46の動作方向と左右対称の点で異なり、その他は第1可動演出装置M1の動作演出と同じであるので、同一部分については簡単に説明して異なる部分について詳細に説明するものとする。すなわち、第2可動体104が第1位置に位置する状態において、前記第2駆動機構105の第2移動用モータ116を正転方向に回転駆動すると、前記第2ピニオン127と第2ラック119aとの噛合作用下に待機位置に位置する前記第2移動部材118が移動位置に向けて上方移動するのに伴って、第2可動体104が後第1軸131および後第3軸133に対して回動することで直立姿勢から自由端側が右側に傾斜すように姿勢変化する(
図29参照)。そして、前記第2作動部材134に設けた検出片134cが前記後第2検出手段136で検出されることに基づいて前記制御手段160が第2移動用モータ116を停止制御することで、第2可動体104は第2位置(第2移動部材118は移動位置)に保持される。第2可動体104の第2位置では、
図3に示す如く、該第2可動体104は前記窓口26aの略中央部において自由端部が右斜め上方を向く右上向き傾斜姿勢となり、インパクトのある演出を行い得る。
【0103】
前記後第2検出手段136の検出状態において、前記制御手段160からの制御信号によって前記第2進退機構107の第2進退用モータ150が正転方向に回転駆動されると、前記進退用駆動歯車151と駆動用ラック149aとの噛合作用および移動用ラック147a,148と進退用作動歯車152との噛合作用下に、一対の第2意匠部材140,141が相互に離間移動することで前記第2装飾部138が前側に露出する。そして、支点側第2意匠部材141に設けた検出片149bが前記後第3検出手段153で検出されることに基づいて前記制御手段160が第2進退用モータ116を停止制御することで、一対の第2意匠部材140,141は、
図22に示す作動位置に停止保持される。
【0104】
前記第2可動体104の前側に配設されている前記自由端側第2意匠部材140が非作動位置から作動位置に移動することで、該自由端側第2意匠部材140の第2可動体104の端部からの突出寸法が大きく変化するので、第1可動演出装置M2においても窓口26aの中央部に出現した第2可動体104の見た目の寸法が大きくなることで、遊技者によりインパクトを与えて遊技の興趣を向上することができる(
図4参照)。また、両第2意匠部材140,141の離間移動によって露出した前記第2装飾部138を、前記発光体139a,139bから照射される光によって明輝することで、より興趣の高い演出を行うことができる。すなわち、第2意匠部材140,141の動作によって第2装飾部138を隠したり露出する演出と、露出した第2装飾部138を発光体139a,139bの光によって明輝する演出とによって、より興趣を高めることができる。
【0105】
前記第2進退機構107の第2進退用モータ150を逆転方向に回転駆動することで、一対の第2意匠部材140,141が相互に近接して前記第2装飾部138を覆い隠した作動位置に至ると、後第3検出手段153が非検出状態に切り替わったことに基づいて第2進退用モータ150が停止制御されて、一対の第2意匠部材140,141は、
図29に示す非作動位置に停止保持される。そして、前記第2駆動機構105の第2移動用モータ116が逆転方向に回転駆動されると、前記第2移動部材118の下方移動に伴って第2可動体104は下方に移動しつつ後第1軸131および後第3軸133に対して回動することで右上向き傾斜姿勢から直立姿勢に向けて変化する。そして、前記後第1検出手段128が検出片149bを検出したことに基づいて第2移動用モータ116が停止制御されて、第2可動体104は第1位置(第2移動部材118は待機位置)において直立姿勢で保持される。
【0106】
実施例のパチンコ機10では、両可動演出装置M1,M2において、各可動体46,104を上下方向に移動しつつ2つの軸74,77,131,133に対して回動させて姿勢を変化するよう構成したので、固定配置した軸に対して傾動するだけの単純な動作でなく、複雑でインパクトのある動作を可動体46,104に行わせることができ、遊技の興趣を向上し得る。また、各可動演出装置M1,M2では、各移動部材60,118をラック61a,119aとピニオン70,127とを用いて上下方向に直線的に移動するだけで、対応する各可動体46,104に複雑な動作を行わせ得るので、駆動機構47,105を簡略化してコストを低廉に抑えることができる。更に、移動部材60,118を引張りコイルバネ68,126で常に上方(移動位置)に向けて付勢しているので、大型で重量のある可動体46,104および可動部材48,106を持ち上げる際に移動用モータ69,116に加わる負荷を軽減して耐久性を向上することができる。
【0107】
また、前記各作動部材79,134の傾動範囲は、被規制部80,135が装置本体45,103に設けた規制孔58,115を画成する壁によって規制されているので、各可動体46,104が意図しない状態まで姿勢が変化するのを防止することができる。すなわち、可動体46,104が他の部品と接触して動作不良が発生するのを防止することができる。また、作動部材79,134は、当該作動部材79,134の回転軸線方向と交差する方向に屈曲して剛性が高められているので、前記第3軸77,133を介して支持している可動体46,104を適正に動作させることができる。更に、作動部材79,134を回転軸線方向にも屈曲しているので、該作動部材79,134で支持している可動体46,104の前後方向(回転軸線方向)の変位を抑制して、該可動体46,104が他の部品と接触干渉して動作不良が発生するのを抑えることができる。
【0108】
ここで、実施例の可動体46,104は、前記ねじりコイルバネ73,130によって常には第1位置に向けて移動する方向に回転するように付勢されているので、第1位置において可動体46,104は該ねじりコイルバネ73,130の付勢力によって直立姿勢に保持され、パチンコ機10に発生する振動等によって該可動体46,104が移動するのを抑制し得る。
【0109】
実施例のパチンコ機10では、各可動演出装置M1,M2において、前記第3検出手段98,153の非検出状態(OFF状態)で、かつ前記第1検出手段71,128が検出状態(ON状態)である場合には、前記進退用モータ95,150の駆動を禁止するよう構成しているので、各可動体46,104の第1位置において非作動位置に位置する可動部材48,106が作動位置に移動するのを阻止して、該可動部材48,106が他の部材に接触して破損等が発生するのを防ぐことができる。また、各可動演出装置M1,M2において、前記第2検出手段81,136の検出状態(ON状態)で、かつ前記第3検出手段98,153が検出状態(ON状態)である場合には、前記移動用モータ69,116の駆動を禁止するよう構成しているので、可動部材48,106が作動位置に位置している状態のままで可動体46,104が第2位置から第1位置に移動するのを阻止して、該可動部材48,106が他の部材に接触して破損等が発生するのを防ぐことができる。
【0110】
また、前記第3検出手段98,153が非検出状態(OFF状態)である場合には、移動用モータ69,116の駆動の禁止を解除すると共に、前記第2検出手段81,136が検出状態(ON状態)である場合には、進退用モータ95,150の駆動の禁止を解除するよう構成している。すなわち、可動体46,104および可動部材48,106を、検出手段71,81,98,128,136,153による検出状態に応じて移動するよう構成したので、適正な状態で可動体46,104および可動部材48,106を移動させることができ、可動部材48,106の他部品との接触干渉による動作不良の発生を防止することができる。
【0111】
前記第1可動演出装置M1では、
図6に示す如く、前記第1可動体46が第1位置に位置する状態では、該第1可動体46に配設されている前記可動側第1中継基板99と第1装置本体45に配設されている固定側第1中継基板100とに接続される第1配線102は、第1可動体46の前記第1支持部材64と第1装置本体45の底壁101bとの間に保持されている。前記第1駆動機構47によって第1位置から第2位置に移動する第1可動体46は、上方移動しつつ回転して姿勢が変化し、該第1可動体46の移動に伴って第1配線102が上方に引き上げられて、
図9に示すように、第2位置に至った第1可動体46の第1支持部材64の下方において略コ字状の形態となる。そして、第1可動体46が第2位置から第1位置に移動する際には、第1支持部材64が第1配線102を下側に押さえつつ該第1配線102を可橈して前記底壁101bとの間に保持する。すなわち、上下方向に移動しつつ回転変位する第1可動体46に接続される第1配線102が、該第1可動体46の移動時に意図しない方向(左方)へ移動して他の部品に接触するのを防止することができ、第1配線102が破損したり第1可動体46の円滑な移動が阻害されるのを防ぐことができる。
【0112】
前記第2可動演出装置M2では、
図6に示す如く、前記第2可動体104が第1位置に位置する状態では、該第2可動体104に配設されている前記可動側第2中継基板154と第2装置本体103に配設されている固定側第2中継基板155とに接続される第2配線156は、第2装置本体103に設けた収容凹部109cに収容されている。前記第2駆動機構105によって第1位置から第2位置に移動する第2可動体104は、上方移動しつつ回転して姿勢が変化し、該第2可動体104の移動に伴って第2配線156が上方に引き上げられて、
図22に示すように、第2位置に至った第2可動体104の左側方において前記規制壁111bとの間に略直線状に延在する形態となる。そして、第2可動体104が第2位置から第1位置に移動する際には、該第2可動体104の下方移動に伴って第2配線156が押し下げられつつ略U字状に可橈されて、該第2配線156は収容凹部109cに収容される。すなわち、上下方向に移動しつつ回転変位する第2可動体104に接続される第2配線156が、該第2可動体104の移動時に意図しない方向(右方)へ移動して他の部品に接触するのを防止することができ、第2配線156が破損したり第2可動体104の円滑な移動が阻害されるのを防ぐことができる。
【0113】
(両可動演出装置M1,M2による動作演出について)
実施例のパチンコ機10では、前記第1可動演出装置M1の第1可動体46および第2可動演出装置M2の第2可動体104は、
図3,
図29に示す如く、第2位置において前記枠状装飾体26における窓口26aの中央部において前後に重なってX状に交差するから、遊技者に、よりインパクトを与えることができ、興趣を向上し得る。また、各可動体46,104に配設された可動部材48,106を作動位置に移動することで、
図4,
図31に示す如く、可動体46,104の見た目の長さを長くすることができ、演出効果を極めて向上し得る。
【0114】
前記第2位置に移動した両可動体46,104において前後に重なる交差部に、前記第1装飾部50が配設されているので、
図31に示す如く、前記第1可動体46に配設されている第1意匠部材85,86を相互に離間移動して該第1装飾部50を露出すると共に該第1装飾部50を回転することで、一対の可動体46,104が交差する動作演出と、交差部において露出した第1装飾部50が回転する動作演出とが相俟って興趣を向上することができる。また、前記第2可動体104に配設されている第2意匠部材140,141を相互に離間移動すると、第1可動体46における第1装飾部50の後側に重なるように前記第2装飾部138が現われる(
図32参照)。そして、第2可動体104に配設されている前記発光体139a,139bを発光することで第2装飾部138が後側から照らされて明輝し、該第2装飾部138を透過した光が第1装飾部50に照射されることで、該第1装飾部50が明輝する発光演出が行われる。すなわち、前後に重なるように交差した前側に位置する第1可動体46の第1装飾部50を、後側に位置する第2可動体104の発光体139a,139bによって明輝する斬新な演出を行うことができ、興趣を向上し得る。また、回転する第1装飾部50に発光基板や発光体を配設する必要がないので、煩雑な配線処理は不要となる。更に、実施例では、第1装飾部50に配設されて該第1装飾部50を回転するための回転用作動歯車82に導光孔82bを形成してあるので、前記第2装飾部138における中央明輝部138aを透過した光は第1装飾部50の中央明輝部50bに直接照射されるので、該中央明輝部50bを強く光らせて演出効果を向上することができる。
【0115】
ここで、前記第1可動体46を支える前記第1作動部材79および前記第2可動体104を支える前記第2作動部材134は、何れも当該作動部材79,134の回転軸線方向および該回転軸線方向と交差する方向に夫々屈曲して剛性が高められているので、前後にずらした第1の移動領域および第2の移動領域を移動する第1可動体46および第2可動体104が前後方向に変位するのを抑えて、両可動体46,104が接触するのを防止することができる。すなわち、可動部材48,106が配設された大型の可動体46,104を安定して移動させることができる。また、両可動体46,104の前後方向の変位を抑制し得ることから、第1の移動領域と第2の移動領域とを両可動体46,104が相互に干渉しない範囲でより近づけることができ、パチンコ機自体の前後寸法の短縮化に寄与し得る。
【0116】
また、実施例のパチンコ機10は、両可動演出装置M1,M2の夫々が、可動体46,104の前側に移動自在な可動部材48,106を備えると共に、該可動部材48,106の移動によって隠れたり露出する装飾部50,138を備えているので、各可動体46,104を夫々単独で動作する演出や両可動体46,104を同期して動作する演出等、演出形態のバリエーションを増やすことができ、演出の興趣をより向上し得る。
【0117】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、可動体を上下方向に移動しつつ回転変位させるよう構成したが、可動体を左右方向または斜め方向に移動しつつ回転変位させる構成を採用し得る。すなわち、移動部材の移動方向は上下方向に限らず、任意の方向に設定できる。
(2) 実施例では、駆動機構によって移動部材を直接動作(移動)するよう構成したが、作動部材を駆動機構によって直接動作(移動)する構成を採用し得る。
(3) 実施例では、移動部材を直線的に移動する駆動機構としてラックとピニオンとを用いたが、ベルトとプーリまたはリンク機構等公知の各種機構を採用することができる。
(4) 実施例では、可動体に配設される可動部材を一対の意匠部材で構成したが、意匠部材は1つであってもよく、非作動位置に対して作動位置に移動した際の可動体からの突出量が大きくなるように配設されたものであればよい。
(5) 実施例では、第1可動体に配設した第1装飾部を回転駆動するよう構成したが、第2装飾部と同じように第1可動体に対して第1装飾部を固定配置したものであってもよい。
(6) 実施例では、第1可動体に配設した第1装飾部のみを回転駆動するよう構成したが、第2可動体を第1可動体と同じように構成して第2装飾部も回転駆動する構成を採用し得る。
【0118】
(7) 実施例では、第2可動体に配設される発光演出装置として、該第2可動体の前側に配設された第2装飾部と、発光体を備えて第2可動体の後側に配設された発光基板とから構成したが、発光演出装置は、発光体を備えた発光基板を第2装飾部に配設したものであってもよい。すなわち、第1可動体と第2可動体とが前後に重なった交差部に配設される発光部としての第2装飾部は、自身が発光体を備えて第1装飾部に光を照射するものであっても、後側から照射されて第2装飾部を透過した光が第1装飾部に照射されるものであってもよい。
(8) 実施例では、第1装飾部および第2装飾部の形状として星型多角形を挙げたが、該装飾部の形状は円形や四角形等の各種の形状を採用し得る。また、両装飾部の形状を異なるようにしてもよい。更に、各装飾部を複数づつ設ける構成を採用し得る。
(9) 実施例では、第1可動演出装置と第2可動演出装置とを左右方向で対向するように配置したが、上下方向に対向するように配置する構成や、斜め方向で対向するように配置する構成を採用することができる。
【0119】
(10) 実施例では、主制御基板、演出制御基板および駆動制御基板を分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における主制御基板、演出制御基板および駆動制御基板の機能を、単一の制御基板から構成された制御手段が備えるようにしてもよい。
(11) 実施例では、演出制御基板と駆動制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御基板および駆動制御基板の機能を、単一の制御基板が備えるように制御手段を構成することができる。
(12) 制御手段は、打球発射装置を制御する発射制御基板、賞球の払出しを行う払出し装置を制御する払出し制御基板等を備えていてもよい。
(13) ランプ装置やスピーカを制御する機能を演出制御基板が兼用する構成に代えて、ランプ装置の発光制御を行うランプ制御基板やスピーカの音出力制御を行う音制御基板を別に設けるようにしてもよい。
(14) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球やコインを用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。