(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したコネクタは、接続操作性が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、互いに分離された複数のコンタクトを備えるコネクタであって、接続操作性の向上を図ることのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のコネクタとして、
接続対象物の主面に固定されるコネクタであって、被ガイド部を有する相手側対象物と接続方向において接続するコネクタにおいて、
前記コネクタは、複数のコンタクトと、ガイド部材とを備えており、
前記複数のコンタクトの夫々は、前記コネクタが前記主面に固定された際に前記主面と平行となる所定方向において2つの端部を有すると共に前記主面に半田付けされる第1半田付け部と、前記第1半田付け部の前記端部の一方から延びると共に前記相手側対象物と接触する接点を有する第1主部と、前記第1半田付け部の前記端部の他方から延びる第1副部とを有しており、
前記複数のコンタクトは、互いに分離された状態で前記所定方向と直交するピッチ方向に並べられており、
前記ガイド部材は、前記所定方向において2つの端部を有すると共に前記主面に半田付けされる第2半田付け部と、前記第2半田付け部の前記端部の一方から延びると共にガイド部を有する第2主部と、前記第2半田付け部の前記端部の他方から延びる第2副部とを有しており、
前記ガイド部材は、前記コンタクトと分離された状態で設けられており、
前記ガイド部は、前記接続方向と直交する方向において前記相手側対象物を位置決めし且つ前記接続方向に沿ってガイドするものであり、
前記コンタクトと前記ガイド部材とは、一枚の金属板を打ち抜きプレスして得られるものであり、
前記第1副部と前記第2副部とは、前記ピッチ方向と直交する面内において同一の断面形状を有している
コネクタを提供する。
【0007】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記第1副部は、前記主面から離れるように前記第1半田付け部から延びており、
前記第2副部は、前記主面から離れるように前記第2半田付け部から延びている
コネクタを提供する。
【0008】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記接続方向は、前記所定方向と同一である
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第3のコネクタであって、
前記第2主部は、前記第2半田付け部から延びるガイド支持部を更に有しており、
前記ガイド部は、前記コネクタが前記主面に固定された際に前記主面と平行となる所定平面内において前記ガイド支持部から張り出しており、
前記コネクタが前記主面に固定された状態において前記ガイド部と前記主面との間には間隙が形成されており、
前記コネクタが前記相手側対象物と接続する際に、前記被ガイド部は、前記間隙に受容される
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記ガイド支持部は、前記所定方向において前記第2半田付け部から離れて位置する付加的半田付け部を更に有している
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第1乃至第5のいずれかのコネクタであって、
前記ガイド部材は、少なくとも2つあり、
前記ガイド部材の夫々は、前記コネクタが前記主面に固定された状態において、前記主面と直交する直交方向におけるサイズが前記コンタクトのサイズ以上である
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第1乃至第6のいずれかのコネクタであって、
前記コネクタは、前記主面に固定される前の状態において前記第1副部及び前記第2副部を互いに連結している仮連結部を更に備えており、
前記コンタクト及び前記ガイド部材が前記主面に半田付けされた後に前記仮連結部が前記コネクタから少なくとも部分的に切り離され、前記コンタクトが互いに分離されると共に前記ガイド部材が前記コンタクトから分離される
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第7のコネクタであって、
前記コネクタは、前記主面に固定される前の状態において、前記第1副部から夫々延びる複数の第1延長部と、前記第2副部から延びる第2延長部とを更に備えており、
前記第1延長部及び前記第2延長部は、前記コンタクトと同一の前記金属板から得られるものであり、
前記仮連結部は、前記複数の第1延長部を互いに連結すると共に前記第2延長部を前記第1延長部と連結しており、
前記第1半田付け部及び前記第2半田付け部が前記主面に半田付けされた後に、前記第1延長部及び前記第2延長部を前記仮連結部と共に前記第1副部及び前記第2副部から切り離して、前記コンタクトを互いに分離させると共に前記ガイド部材を前記コンタクトから分離させる
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第1乃至第8のいずれかのコネクタであって、
前記相手側対象物は、相手側接続対象物と、前記相手側接続対象物に固定される相手側コネクタとを備えており、
前記被ガイド部は、前記相手側コネクタに設けられている
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第1のコネクタ組立体として、
第9のコネクタと前記相手側コネクタとを備えるコネクタ組立体を提供する。
【0016】
また、本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記ガイド部は、前記ピッチ方向において端面を有しており、
前記相手側コネクタには、前記ガイド部の前記端面に対応した付加的被ガイド部が設けられている
コネクタ組立体を提供する。
【0017】
また、本発明は、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記相手側コネクタには、前記接続方向と直交する方向において、前記被ガイド部から離れて位置する補助被ガイド部が更に設けられており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとが接続する際に、前記ガイド部は、前記被ガイド部と前記補助被ガイド部との間に挿入される
コネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
相手側対象物への接続をガイドするガイド部材を更に設けたことから、接続操作性の向上を図ることができる。また、ガイド部材は、コンタクトと共通の金属板を打ち抜きプレスして得られるものであり、第1副部と第2副部とがピッチ方向と直交する面内において同一の断面形状を有していることから、コンタクト形成のプレス工程を利用してガイド部材を形成することができる。従って、ガイド部材を追加しても、極端なコスト増加を招くことはない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、本発明の実施の形態によるコネクタ200は、接続対象物100の主面110に固定されるものである。本実施の形態の接続対象物100は、半導体パッケージである。なお、本実施の形態において、接続対象物100に固定されたコネクタ200の数は、4である。但し、コネクタ200の個数については特に限定はない。
【0021】
図1及び
図3から理解されるように、コネクタ200は、相手側対象物400とX方向において接続することができる。即ち、本実施の形態において、コネクタ200と相手側対象物400との接続方向は、X方向である。
【0022】
図3に最もよく示されるように、本実施の形態の相手側対象物400は、相手側接続対象物420と、相手側接続対象物420の主面430に固定される相手側コネクタ500とを備えている。なお、本実施の形態において相手側接続対象物420に固定された相手側コネクタ500の数は、4である。但し、相手側コネクタ500の個数については特に限定はない。
【0023】
本実施の形態のコネクタ組立体10は、1つのコネクタ200と、1つの相手側コネクタ500とからなる(
図2参照)。即ち、本実施の形態においては、4つのコネクタ組立体10(
図2参照)を用いて、接続対象物100(
図1参照)と相手側接続対象物420(
図3参照)とを接続している。
【0024】
本実施の形態による相手側接続対象物420は、回路基板である。接続対象物100が半導体パッケージであることから理解されるように、本実施の形態においては、接続対象物100と相手側接続対象物420として、熱膨張係数の互いに異なるものが想定されている。
【0025】
相手側接続対象物420の主面430上には、コネクタ200(
図1参照)と相手側コネクタ500との接続の際に利用されるマーカー440が形成されている。コネクタ200と相手側コネクタ500との接続方法については、後で詳述する。
【0026】
図4及び
図12に示されるように、1つの相手側コネクタ500は、複数の相手側コンタクト510と、それらをまとめて保持する保持部材520とを備えている。本実施の形態の保持部材520は、相手側接続対象物420(
図3参照)である回路基板の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する樹脂からなる。保持部材520により、相手側コンタクト510は、Y方向(ピッチ方向)に並べられている。
【0027】
図2及び
図12から理解されるように、保持部材520には、2組の被ガイド部522と補助被ガイド部526とが形成されている。被ガイド部522と補助被ガイド部526は、いずれも保持部材520のY方向の端部に位置している。
図12に示されるように、本実施の形態の被ガイド部522と補助被ガイド部526は、夫々、XY平面内に延びる細長い板状の形状を有している。被ガイド部522と補助被ガイド部526とは、Z方向(直交方向)において、互いに離れて位置している。換言すると、被ガイド部522と補助被ガイド部526の間には、スペース527が形成されている。被ガイド部522と補助被ガイド部526とは、+X側において連結されている。
図12及び
図15から理解されるように、相手側コンタクト510とスペース527との間には隔壁が設けられている。この隔壁のスペース527側の面は、後述するように付加的被ガイド部524として機能する。被ガイド部522の−X側の角には面取り部528が形成されている。
【0028】
図13、
図14及び
図16に示されるように、相手側コンタクト510は、相手側接点512と、バネ部514と、受部516と、被固定部518とを有している。バネ部514は、相手側接点512を弾性支持しており、それによって相手側接点512は主としてZ方向に移動することができる。受部516は、Z方向において相手側接点512と対向している。本実施の形態の受部516は、相手側コンタクト510の一部として形成されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、受部516は相手側コンタクト510と別体に形成することとしてもよい。例えば、受部516を保持部材520の一部で構成することとしてもよい。被固定部518は、相手側接続対象物420の主面430(
図3参照)に半田付けされる。
【0029】
図12及び
図13から理解されるように、本実施の形態の相手側コンタクト510は、保持部材520に対して圧入されている。但し、本発明はこれに限定されるわけではなく、インサート成型のような他の手段により、相手側コンタクト510を保持部材520に保持させることとしてもよい。
【0030】
図2に示されるように、1つのコネクタ200は、複数のコンタクト210と、ガイド部材250とを備えている。
【0031】
複数のコンタクト210は、Y方向に並べられており、2つのガイド部材250は、Y方向においてコンタクト210の外側に位置している。即ち、コンタクト210は、Y方向において、2つのガイド部材250の間に位置している。
図1及び
図7に示されるように、複数のコンタクト210は、互いに分離された状態で接続対象物100の主面110に半田付けされるものであり、各ガイド部材250は、コンタクト210から分離された状態で接続対象物100の主面110に半田付けされるものである。即ち、コンタクト210及びガイド部材250の夫々は、他のコンタクト210やガイド部材250とは一体化されずバラバラの状態で接続対象物100の主面110に半田付けされている。このことから理解されるように、コンタクト210及びガイド部材250の移動を規制するのは、接続対象物100の主面110に対して半田付けされた部位のみである。従って、本実施の形態において、コンタクト210同士の間隔やコンタクト210とガイド部材250との間隔は、接続対象物100の熱膨張や熱収縮に応じて変化することができる。なお、接続対象物100の主面110に対するコンタクト210及びガイド部材250の半田付けに関しては、後述する。
【0032】
図4、
図7及び
図14に示されるように、各コンタクト210は、第1半田付け部220と、第1主部230と、第1副部240とを有している。第1半田付け部220は、接続対象物100の主面110上に設けられたパッド112に半田付けされる部位である。第1半田付け部220は、コネクタ200が接続対象物100の主面110に固定された際に主面110と平行となるX方向(所定方向)において、2つの端部222,224を有している。この記載から理解されるように、本実施の形態における所定方向は、接続方向と同一方向である。第1主部230は、第1半田付け部220の一方の端部222から延びている。
図16に示されるように、第1主部230は、相手側コネクタ500の相手側接点512と接触する接点232を有している。即ち、接点232は、相手側対象物400(
図3参照)の一部と接触するものである。
図4及び
図7から理解されるように、接点232は、細長い板状の形状を有している。接点232は、X方向とY方向とで規定されるXY平面内に延びている。即ち、接点232は、接続対象物100の主面110と平行に延びている。第1副部240は、第1半田付け部220の他方の端部224から延びている。詳しくは、第1副部240は、主面110から離れるように第1半田付け部220から延びている。X方向において、第1副部240のサイズは、第1主部230のサイズの1/2より小さい。即ち、第1副部240は、第1主部230よりも短い。
【0033】
本実施の形態において、ガイド部材250の夫々は、コネクタ200が主面110に固定された状態において、主面110と直交するZ方向(直交方向)において、コンタクト210のサイズと同じサイズを有している。即ち、本実施の形態において、ガイド部材250の高さは、コンタクト210の高さと同じである。
【0034】
図4及び
図7から理解されるように、各ガイド部材250は、第2半田付け部260と、第2主部270と、第2副部290とを有している。第2半田付け部260は、接続対象物100の主面110上に設けられたパッド112に半田付けされる部位である。第2半田付け部260は、X方向において2つの端部262,264を有している。第2主部270は、第2半田付け部260の一方の端部262から延びている。第2副部290は、第2半田付け部260の他方の端部264から延びている。詳しくは、第2副部290は、主面110から離れるように第2半田付け部260から延びている。
図4及び
図7から理解されるように、X方向において、第2副部290のサイズは、第2主部270のサイズの1/2より小さい。即ち、第2副部290は、第2主部270よりも短い。
【0035】
第2主部270は、ガイド支持部272と、ガイド部280とを有している。ガイド支持部272は、第2半田付け部260の端部262から延びている。ガイド支持部272は、付加的半田付け部274と、付加的ガイド部276とを有している。付加的半田付け部274は、X方向において第2半田付け部260から離れて位置している。付加的半田付け部274は、ガイド支持部272の先端に設けられており、接続対象物100の主面110上に設けられたパッド112に半田付けされる部位である。付加的ガイド部276は、付加的半田付け部274近傍に位置し且つY方向の内側に面する縁にて構成されている。
図4及び
図5から理解されるように、ガイド部280は、X方向と直交する方向(Y方向やZ方向)において相手側コネクタ500を位置決めし且つX方向に沿ってガイドするものである。
図4及び
図7に示されるように、ガイド部280は、コネクタ200が接続対象物100の主面110に固定された際に主面110と平行となるXY平面(所定平面)内においてガイド支持部272から張り出している。
図7及び
図15から理解されるように、コネクタ200が主面110に固定された状態においてガイド部280と主面110との間には間隙284が形成されている。
図4及び
図7に示されるように、本実施の形態のガイド部280は、XY平面と平行に延びている。ガイド部280は、Y方向において端面282を有している。端面282は、相手側コネクタ500の付加的被ガイド部524(
図12参照)と対応している。
【0036】
図4及び
図7から理解されるように、本実施の形態のコンタクト210とガイド部材250とは、一枚の金属板を打ち抜きプレスして得られるものであり、第1副部240と第2副部290とは、ピッチ方向と直交する面内において同一の断面形状を有している。
【0037】
図1並びに
図8乃至
図11から理解されるように、本実施の形態においては、コンタクト210及びガイド部材250を接続対象物100の主面110上にまとめて半田付けするために、絶縁体からなる仮連結部600を用いている。
【0038】
詳しくは、
図8に示されるように、コンタクト210及びガイド部材250からなるコネクタ200は、一枚の金属板をプレスした状態において、複数の第1延長部242及び2つの第2延長部292を更に備えている。このことから理解されるように、コンタクト210、ガイド部材250、第1延長部242及び第2延長部292は、同一部材からなる。第1延長部242及び第2延長部292は、コネクタ200が接続対象物100の主面110(
図1参照)に固定される前の状態において、コンタクト210の第1副部240及びガイド部材250の第2副部290から夫々延びている。第1延長部242及び第2延長部292は、キャリア300に繋がっている。第1延長部242とコンタクト210の第1副部240との境界部分には夫々ノッチ244が形成されている。更に、第1延長部242とキャリア300との境界部分には夫々ノッチ310が形成されている。同様に、第2延長部292とガイド部材250の第2副部290との境界部分には夫々ノッチ294が形成されている。更に、第2延長部292とキャリア300との境界部分には夫々ノッチ320が形成されている。
【0039】
図9に示されるように、仮連結部600をインサート成型法により形成する。これにより、第1延長部242及び第2延長部292は仮連結部600内に埋め込まれて連結される。このようにして、仮連結部600は、第1延長部242を介して、第1副部240を相互に連結している。次いで、ノッチ310及びノッチ320(
図8参照)を利用して、キャリア300を切り離すと、
図10に示される状態となる。
【0040】
図10に示されるように、仮連結部600は、コネクタ200が接続対象物100の主面110(
図1参照)に固定される前の状態においてコンタクト210及びガイド部材250を連結している。この仮連結部600のため、バラバラのコンタクト210及びガイド部材250からなるコネクタ200の取り扱いが容易となる。また、仮連結部600は、比較的大きな平面602を有している。従って、平面602を吸着してコネクタ200を搬送することが可能となる。
【0041】
図11に示されるように、仮連結部600により連結されたコネクタ200を接続対象物100の主面110の所定位置に搭載する。その状態において、
図10及び
図11から理解されるように、コンタクト210及びガイド部材250を主面110上に半田付けした後、ノッチ244,294を利用して第1延長部242及び第2延長部292を仮連結部600と共にコンタクト210及びガイド部材250から切り離す。これにより、
図1に示されるように、コンタクト210及びガイド部材250を互いに分離させる。このようにして、バラバラのコンタクト210及びガイド部材250からなるコネクタ200を接続対象物100の主面110上にまとめて固定することができる。
【0042】
上述したコネクタ200(
図1参照)と相手側コネクタ500(
図3参照)との接続は、
図3に示される矢印1及び矢印2に従って行われる。まず、
図1及び
図3から理解されるように、Z方向において接続対象物100の主面110と相手側接続対象物420主面430とを対向させ(即ち、接続対象物100の裏面120を+Z側に向けると共に相手側接続対象物420主面430を+Z側に向け)、矢印1のように両者をZ方向において近づける。この際、接続対象物100の+X側の2つの角と相手側接続対象物420の主面430上に形成された2つのマーカー440とで粗い位置決めを行う(
図3参照)。次いで、矢印2のように、接続対象物100を+X方向に移動させて、
図14乃至
図17に示されるように、コネクタ200と相手側コネクタ500の接続を行う。この際、コネクタ200の+X方向への移動、即ち、接続対象物100の+X方向への移動はガイド部280と被ガイド部522等(
図12参照)とにより適切になされる。
【0043】
詳しくは、コネクタ200と相手側コネクタ500とが接続する際、面取り部528(
図12参照)が付加的ガイド部276(
図7参照)に接触し、被ガイド部522をY方向において適切な位置にガイドする。次いで、ガイド部280の端面282と付加的被ガイド部524とでコネクタ200と相手側コネクタ500のY方向における相対位置を調整しつつ、ガイド部280の−Z側に形成された間隙284に被ガイド部522を受容させる。これによって、コネクタ200に対する相手側対象物400の相手側コネクタ500の接続がガイドされる。この際、ガイド部280は被ガイド部522と補助被ガイド部526との間のスペース527に挿入されている。
【0044】
その結果、
図16に示されるように、コネクタ200と相手側コネクタ500とが接続された状態において、接点232は、相手側接点512と受部516とにより挟まれ、コンタクト210が相手側コンタクト510と接続される。特に、
図3、
図14及び
図15から理解されるように、本実施の形態においてはガイド部280と被ガイド部522の働きにより、コンタクト210と相手側コンタクト510との接続部分を直接確認することなく、コンタクト210と相手側コンタクト510を適切に接続することができる。
【0045】
加えて、上述したように、第1副部240と第2副部290とがY方向と直交するXZ平面内において同一の断面形状を有していることから、コンタクト210形成のプレス工程を利用してガイド部材250を形成することができる。このように、本実施の形態においては、極端なコスト増加を招くことなく、ガイド部材250を追加することができ、接続操作性の向上を図ることができる。
【0046】
また、上述したように、第1副部240及び第2副部290が接続対象物100の主面110から離れるように第1半田付け部220及び第2半田付け部260から夫々延びていることから、半田が第1副部240及び第2副部290と接続対象物100の主面110との間に移動してきてしまうといった問題が生じない。更に付随して、第1副部240と第1延長部242との境界部分や第2副部290と第2延長部292との境界部分も主面110から離れて位置することとなるので、接続対象物100を傷つけることを避けつつ、仮連結部600を容易に切り離すことができる。
【0047】
更に、第1延長部242や第2延長部292を第1主部230や第2主部270側ではなく第1副部240や第2副部290側に形成したことから、仮連結部600の切離しの際に第1主部230や第2主部270が変形して接点232やガイド部280の位置が所望とする位置からずれてしまうことを避けることができる。従って、仮連結部600の切離しによってコネクタ200と相手側コネクタ500との接続に不具合がでることを避けることができる。
【0048】
特に、本実施の形態による第1副部240及び第2副部290は、第1主部230及び第2主部270よりも短いことから、仮連結部600の切離しの際に第1副部240や第2副部290が変形してしまうことも抑制されている。
【0049】
更に、上述したように、本実施の形態のガイド部材250は、夫々、Z方向においてコンタクト210のサイズと同じサイズを有している。従って、
図1に示されるようにコネクタ200が接続対象物100に固定された状態において、接続対象物100を引っくり返して例えば作業台に搭載したとしても、コンタクト210のみが作業台に直接接触して損傷してしまうことを避けることができる。同様の理由から、Z方向において、ガイド部材250がコンタクト210のサイズより大きなサイズを有していてもよい。即ち、ガイド部材250がZ方向においてコンタクト210のサイズ以上のサイズを有していれば、コンタクトのみが作業台に直接接触して損傷してしまうことを避けることができる。
【0050】
なお、上述した実施の形態においては、仮連結部600(
図10参照)の全体がコネクタ200から切り離されていたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、コンタクト210同士を分離すると共にガイド部材250をコンタクト210から分離できるのであれば、仮連結部600を部分的に残してもよい。
【0051】
具体的には、
図18及び
図19に示されるように、変形例による仮連結部600Aは、複数の小部610Aと、小部610Aを連結する大部620Aとを有している。小部610Aには、コンタクト210Aの第1副部240Aとガイド部材250Aの第2副部290Aが夫々保持されている。小部610Aと大部620Aとの境界部分には夫々ノッチ630Aが形成されている。
【0052】
このような構造の場合、コンタクト210A及びガイド部材250Aが接続対象物100の主面110(
図1参照)に半田付けされた後にノッチ630Aを利用して大部620Aを小部610Aから切り離し、小部610Aに夫々保持されたコンタクト210A同士を互いに分離させると共にガイド部材250Aをコンタクト210Aから分離させることができる。
【0053】
上述した実施の形態においては、接続方向と所定方向とが同じ方向(X方向)であったが、両者は異なっていてもよい。例えば、接続方向と所定方向とが直交していてもよい。
【0054】
また、上述した実施の形態において、被ガイド部522は、相手側コネクタ500に設けられていたが、相手側対象物400の一部として設けられているのであれば、相手側コネクタ500以外に設けられていてもよい。例えば、被ガイド部は、相手側接続対象物420に設けられていてもよいし、相手側対象物400に属する他の部材を用意し、その部材に設けることとしてもよい。
【0055】
以下、接続方向と所定方向とが異なる場合であって被ガイド部が相手側コネクタ以外に形成された例について、本発明の第2の実施の形態として図面を用いて説明する。
【0056】
図20及び
図21を参照すると、本実施の形態によるコネクタ200Bは、接続対象物100Bの主面110Bに固定されるものである。本実施の形態の接続対象物100Bは、半導体パッケージである。なお、本実施の形態においては、1つのコネクタ200Bのみが接続対象物100に固定された例について説明するが、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0057】
図20及び
図23から理解されるように、コネクタ200Bは、相手側対象物400BとZ方向において接続することができる。即ち、本実施の形態において、コネクタ200Bと相手側対象物400Bとの接続方向は、Z方向である。
【0058】
図20、
図22及び
図23から理解されるように、本実施の形態の相手側対象物400Bは、回路基板のみからなるものであり、相手側コネクタを備えていない。
図22に示されるように、相手側対象物400Bの主面410B上には、複数の相手側接点450Bが形成されている。相手側接点450Bは、Y方向(ピッチ方向)に一列に並べられている。加えて、相手側対象物400Bには、2つの被ガイド部522Bが設けられている。被ガイド部522Bは、相手側対象物400Bの縁に形成されており、Y方向の内側に向かって凹んでいる。
【0059】
図20及び
図21に示されるように、本実施の形態のコネクタ200Bは、複数のコンタクト210Bと、2つのガイド部材250Bとを備えている。
【0060】
図20に示されるように、複数のコンタクト210Bは、Y方向に並べられており、2つのガイド部材250Bは、Y方向においてコンタクト210Bの外側に位置している。即ち、コンタクト210Bは、Y方向において、2つのガイド部材250Bの間に位置している。
図20及び
図21に示されるように、複数のコンタクト210Bは、互いに分離された状態で接続対象物100Bの主面110Bに半田付けされるものであり、各ガイド部材250Bは、コンタクト210Bから分離された状態で接続対象物100Bの主面110Bに半田付けされるものである。即ち、コンタクト210B及びガイド部材250Bの夫々は、他のコンタクト210Bやガイド部材250Bとは一体化されずバラバラの状態で接続対象物100Bの主面110Bに半田付けされている。
【0061】
図21に示されるように、各コンタクト210Bは、第1半田付け部220Bと、第1主部230Bと、第1副部240Bとを有している。第1半田付け部220Bは、主面110B上に設けられたパッド112Bに半田付けされる部位である。第1半田付け部220Bは、コネクタ200Bが接続対象物100Bの主面110Bに固定された際に主面110Bと平行となるX方向(所定方向)において、2つの端部222B,224Bを有している。この記載から理解されるように、本実施の形態における所定方向(X方向)は、接続方向(Z方向)と直交している。第1主部230Bは、第1半田付け部220Bの一方の端部222Bから延びている。第1主部230Bは、相手側対象物400Bと接触する接点232Bと、接点232Bを弾性支持するバネ部234Bとを有している。接点232Bは、バネ部234Bの弾性を利用して、主としてZ方向に移動することができる。第1副部240Bは、第1半田付け部220Bの他方の端部224Bから延びている。詳しくは、第1副部240Bは、主面110Bから離れるように第1半田付け部220Bから延びている。
【0062】
図20及び
図21から理解されるように、各ガイド部材250Bは、第2半田付け部260Bと、第2主部270Bと、第2副部290Bとを有している。第2半田付け部260Bは、主面110B上に設けられたパッド112Bに半田付けされる部位である。第2半田付け部260Bは、X方向において2つの端部262B,264Bを有している。第2主部270Bは、第2半田付け部260Bの一方の端部262BからZ方向に沿って(具体的には−Z側に)延びている。本実施の形態の第2主部270Bは、それ自体がガイド部として機能する。第2副部290Bは、第2半田付け部260Bの他方の端部264Bから延びている。詳しくは、第2副部290Bは、主面110Bから離れるように第2半田付け部260Bから延びている。
【0063】
図21から理解されるように、本実施の形態のコンタクト210Bとガイド部材250Bとは、一枚の金属板を打ち抜きプレスして得られるものであり、第1副部240Bと第2副部290Bとは、ピッチ方向と直交する面内において同一の断面形状を有している。
【0064】
図20、
図24及び
図25から理解されるように、本実施の形態においては、コンタクト210B及びガイド部材250Bを接続対象物100Bの主面110B上にまとめて半田付けするために、絶縁体からなる仮連結部600Bを用いている。
【0065】
詳しくは、
図24から理解されるように、コンタクト210B及びガイド部材250Bからなるコネクタ200Bは、一枚の金属板をプレスした状態において、複数の第1延長部242B及び2つの第2延長部292Bを更に備えている。これらの第1延長部242B及び第2延長部292Bは、コンタクト210Bの第1副部240B及びガイド部材250Bの第2副部290Bから夫々延びており、キャリア300Bに繋がっている。
図25に示されるように、第1延長部242Bとコンタクト210Bの第1副部240Bとの境界部分には夫々ノッチ244Bが形成されている。更に、
図24に示されるように、第1延長部242Bとキャリア300Bとの境界部分には夫々ノッチ310Bが形成されている。同様に、
図25に示されるように、第2延長部292Bとガイド部材250Bの第2副部290Bとの境界部分には夫々ノッチ294Bが形成されている。更に、
図24に示されるように、第2延長部292Bとキャリア300Bとの境界部分には夫々ノッチ320Bが形成されている。
【0066】
更に、本実施の形態においても、
図24に示されるように、仮連結部600Bがインサート成型法により形成されている。これにより、第1延長部242B及び第2延長部292Bは仮連結部600B内に埋め込まれて連結される。このようにして、仮連結部600Bは、第1延長部242Bを介して、第1副部240Bを相互に連結している。
【0067】
次いで、ノッチ310B及びノッチ320Bを利用して、キャリア300Bを切り離した上で、
図25に示されるように、コネクタ200Bを接続対象物100Bの主面110Bに搭載し、半田付けする。
図25から理解されるように、仮連結部600Bがコンタクト210B及びガイド部材250Bを連結していることから、バラバラのコンタクト210B及びガイド部材250Bからなるコネクタ200Bの取り扱いが容易となる。本実施の形態においても、仮連結部600Bは、比較的大きな平面602Bを有しているので、平面602Bを吸着してコネクタ200Bを搬送することが可能となる。
【0068】
図20及び
図25から理解されるように、コンタクト210B及びガイド部材250Bが主面110Bに半田付けされた後に、ノッチ244B,294Bを利用して第1延長部242B及び第2延長部292Bを仮連結部600Bと共にコンタクト210B及びガイド部材250Bから切り離して、
図20に示されるように、コンタクト210B及びガイド部材250Bを互いに分離させる。このように、本実施の形態によれば、バラバラのコンタクト210B及びガイド部材250Bからなるコネクタ200Bを接続対象物100Bの主面110B上にまとめて固定することができる。
【0069】
図20及び
図23から理解されるように、コネクタ200Bと相手側対象物400Bとの接続は、Z方向に沿って行われる。具体的には、相手側対象物400Bの主面410Bと接続対象物
100Bの主面110Bとを対向させた状態で(即ち、接続対象物100Bの主面110Bを−Z側に向けると共に相手側対象物400Bの裏面415Bを−Z側に向け)、Z方向に沿って両者を近づける。この際、ガイド部270Bにより被ガイド部522Bのガイドがなされることから、XY平面内における相手側対象物400Bのコネクタ200Bに対する位置決めが適切になされる。そのため、コンタクト210Bと相手側接点450Bとの接続部分を直接確認することなく、コンタクト210Bと相手側接点450B(
図22参照)を適切に接続することができる。
【0070】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが本発明は、これに限定されるものではない。
【0071】
上述した実施の形態において、ガイド部材250,250A,250Bの数は2であったが、本発明はこれに限定されるものではない。ガイド部材250,250A,250Bは1つだけ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。但し、ガイド部材250,250A,250Bによりコンタクト210,210A,210Bの保護を図る場合、ガイド部材250,250A,250Bの数は2以上である必要がある。