(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227512
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】まつ毛長さ計測器具
(51)【国際特許分類】
G01B 3/04 20060101AFI20171030BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
G01B3/04
A61B5/10 300P
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-216611(P2014-216611)
(22)【出願日】2014年10月23日
(65)【公開番号】特開2016-85076(P2016-85076A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2016年6月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年9月17日、オルト株式会社が、自社の顧客に対し、通信販売のノベルティとして、富田喜代および岡田啓介が発明したまつ毛長さ計測器具を配布した。
(73)【特許権者】
【識別番号】597040784
【氏名又は名称】オルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205084
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100100402
【弁理士】
【氏名又は名称】名越 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】富田 貴代
(72)【発明者】
【氏名】岡田 啓介
【審査官】
眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開実用新案第20−2012−0001389(KR,U)
【文献】
特開2013−189724(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3189467(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00−3/56
A61B 5/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつ毛の長さを計測するためのまつ毛長さ計測器具であって,
前記まつ毛長さ計測器具は,
把持部と,まつ毛の長さを計測するための計測部とを有しており,
前記まつ毛長さ計測器具の使用状態において,前記把持部の上方に前記計測部が位置しており,
前記計測部は,
前記把持部とは反対側の外縁部に,まぶたの形状に沿って前記把持部側に湾曲する湾曲部が形成されるとともに,前記湾曲部から所定の長さだけ離隔した位置を基点とした目盛り線を付している,
ことを特徴とするまつ毛長さ計測器具。
【請求項2】
前記計測部は,前記まつ毛長さ計測器具の利用者が,その使用状態において,前記計測部を透過して目盛り線を視認可能な部材により形成しており,
前記湾曲部以外の前記計測部および/または前記把持部の,外縁部分付近の一部または全部を着色している,
ことを特徴とする請求項1に記載のまつ毛長さ計測器具。
【請求項3】
前記計測部の目盛り線の端付近には目盛りの数値を付しており,
前記数値は,
前記目盛り線の一端付近において通常状態で付しており,他の一端付近において左右反転状態で付している,
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のまつ毛長さ計測器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,まつ毛の長さを測るためのまつ毛長さ計測器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,美容分野では,まつ毛に注目が集まっており,長いまつ毛が好まれるようになっている。そのため,まつ毛の長さを長く見せるため,従来から利用されているマスカラのほか,付けまつ毛,まつ毛エクステンションが用いられるようになっている。さらに,まつ毛を長く成長させるための健康サプリメントも販売されている。
【0003】
まつ毛を長く成長させるための健康サプリメントを用いた場合,まつ毛の長さを伸ばすことができる場合がある。しかしまつ毛はもともと極端に長くなるものではなく,ミリ単位での成長であることから,鏡でまつ毛を見ただけではその効果を実感することが容易ではない。そのため,まつ毛の長さが伸びたことを客観的に把握するためのまつ毛長さ計測器具が求められている。
【0004】
また,付けまつ毛やまつ毛エクステンションを用いる場合,もともと生えているまつ毛の長さ,太さによって,利用できる付けまつ毛やまつ毛エクステンションに制限がある。そのためこの観点からも,まつ毛の長さを客観的に把握するためのまつ毛長さ計測器具が求められている。
【0005】
そこで特許文献1に示すように,まつ毛の長さを計測する器具が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−45230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の器具の場合,その器具の湾曲部の端部を基点(目盛りが0の位置)として目盛りが設定されている。そのため,正確に測定するためには,まつ毛の根元に湾曲部をあてなければならない。まつ毛の長さはもともと長いものではないため,1ミリメートルの誤差でも大きい誤差と評価されるから,目盛りの基点をどこにするかは非常に重要な問題である。
【0008】
しかし,
図3(C)に示すように,まつ毛の根本付近はカールもしており,まつ毛の根元を,器具の湾曲部で押さえつけて計測を行うことは容易ではない。そのため,器具の湾曲部を目盛りの基準,すなわち湾曲分の端部を0としている特許文献1の場合には,まつ毛の長さを正確に計測することが容易ではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題に鑑み,従来よりも正確にまつ毛の長さを計測することができるまつ毛長さ計測器具を発明した。
【0010】
第1の発明は,まつ毛の長さを計測するためのまつ毛長さ計測器具であって,前記まつ毛長さ計測器具は,把持部と,まつ毛の長さを計測するための計測部とを有しており,
前記まつ毛長さ計測器具の使用状態において,前記把持部の上方に前記計測部が位置しており,前記計測部は,
前記把持部とは反対側の外縁部に,まぶたの形状に沿って前記把持部側に湾曲する湾曲部が形成されるとともに,前記湾曲部から所定の長さだけ離隔した位置を基点とした目盛り線を付している,まつ毛長さ計測器具である。
【0011】
本発明のように構成することで,まつ毛の根元よりも上側から計測部の面で押さえつけることとなるので,まつ毛を根元からしっかり押さえることができ,従来のまつ毛の長さを計測する計測器具よりも正確に,まつ毛の長さを計測することができる。
【0013】
従来のまつ毛の長さの計測器具は,横方向に把持する構造となっている。しかし,横方向に把持する計測器具の場合,まつ毛の生えたまぶたに計測器具を,右または左のいずれかの方向から押し当てることとなる。その場合,目盛りが付された面に,均一に力が働かず,把持部のある側に強い力がかかり,把持部とは反対側にかかる力は弱くなってしまう。そのため,まつ毛の生えたまぶたに均一に押し当てることができず,いずれかの側が浮いてしまいやすい。そのため,正確にまつ毛の長さを計測することが容易ではなかった。
【0014】
しかし本発明のように,縦方向に把持し,まつ毛の生えたまぶたに押圧する計測部の湾曲部を把持部とは反対側に設ける構造とすることで,まつ毛長さ計測器具をまぶたに押圧する際に左右均一に力を働かせることができる。そのため,上述のように,いずれかの側が浮いてしまうということがなく,容易に,従来よりも正確にまつ毛の長さを計測することが可能となる。
【0015】
上述の発明において,前記計測部は,前記まつ毛長さ計測器具の利用者が,その使用状態において,前記計測部を透過して目盛り線を視認可能な部材により形成しており,前記湾曲部以外の前記計測部および/または前記把持部の,外縁部分付近の一部または全部を着色している,まつ毛長さ計測器具のように構成することができる。
【0016】
一人でまつ毛の長さを計測する場合,目盛り線を鏡に映してそれを読み取ることとなる。その場合,目盛り線を視認するためには,計測部を透過して目盛りを視認可能としておくことがよい。しかしそのような部材を用いた場合,まつ毛長さ計測器具を机などに載置していると,まつ毛長さ計測器具とそれを載置している机などとの色が同化しやすくなり,まつ毛長さ計測器具を発見しにくくなる。そこで,少なくとも計測部の湾曲部以外の一部分を着色することで,計測部の外縁を明確に認識可能とさせると,まつ毛長さ計測器具の取り扱いの利便性を向上させることができる。
【0017】
上述の発明において,前記計測部の目盛り線の端付近には目盛りの数値を付しており,前記数値は,前記目盛り線の一端付近において通常状態で付しており,他の一端付近において左右反転状態で付している,まつ毛長さ計測器具のように構成することができる。
【0018】
まつ毛の長さを計測する場合,鏡に映すことで一人でも行えるし,別の人に目盛りを読み取ってもらっても良い。そのため,いずれの用途にも耐えるよう,目盛りの数値は,通常状態と左右反転状態の2通りで付しているとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のまつ毛長さ計測器具によって,従来よりも正確にまつ毛の長さを計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のまつ毛長さ計測器具の六面図である。
【
図2】本発明のまつ毛長さ計測器具の透明部分を示す参考図である。
【
図3】まつ毛長さ計測器具の利用者の顔およびまつ毛付近の図を示す。
【
図4】従来の計測器具を用いてまつ毛の長さを計測するときの計測状態を模式的に示す図である。
【
図5】本発明のまつ毛長さ計測器具を用いてまつ毛の長さを計測するときの計測状態を模式的に示す図である。
【
図6】通常通り表示した目盛りの数値と,左右反転した目盛りの数値とを表示したまつ毛長さ計測器具の正面図である。
【
図7】本発明のまつ毛長さ計測器具の使用状態を示す図である。
【
図8】本発明のまつ毛長さ計測器具の別の実施態様の六面図である。
【
図9】本発明のまつ毛長さ計測器具を用いて上まつげの長さを計測する場合の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のまつ毛長さ計測器具1(以下,「計測器具1」という)を
図1に示す。
図1(A)は計測器具1の正面図であり,
図1(B)は計測器具1の背面図であり,
図1(C)は計測器具1の平面図であり,
図1(D)は計測器具1の底面図であり,
図1(E)は計測器具1の右側面図である。なお,計測器具1の左側面図は
図1(E)と同一なので省略する。
【0022】
計測器具1は,計測器具1を把持する把持部2と,まつ毛の長さを計測するための目盛り線5が付された計測部3とから構成される。把持部2は,計測器具1の利用者が把持可能なように,略長方形の形状をしている。また,本発明の計測器具1は,計測器具1を縦方向に使用できるように,使用状態において,把持部2の短辺が水平方向,長辺が垂直方向となるように形成される。
【0023】
把持部2の一方の短辺には,計測部3が接しており,把持部2と計測部3とは一体的に形成されていることが好ましい。
【0024】
計測部3は,把持部2の反対側に,まぶたの形状に沿った(略円形または略楕円形の中心点方向への)湾曲部4が形成されている。また計測部3のまぶたと接する湾曲部4以外の外縁部分の形状は,
図1では略楕円形状の場合を示しているが,その形状には限定がなく,略矩形などであってもよい。
【0025】
計測部3は,計測器具1の利用者が,計測部3を透過して,鏡に映った目盛り線5を視認することができる部材,たとえば透明な部材で形成されている。この部材としては,たとえばプラスチックなどがあるが,それに限定されるものではない。把持部2と計測部3とを一体的に形成した場合には,把持部2と計測部3がともに透明な部材によって構成される。これを模式的に示すのが
図2である。
図2のうち,斜線を付した部分が透明部分である。
【0026】
計測部3にはまつ毛の長さを計測するための目盛り線5が付されている。目盛り線5は印刷されていてもよいし,シールなどで貼付されていてもよいし,あるいは計測部3に刻まれていてもよい。目盛り線5の基点61は,計測部3における湾曲部4から所定の長さだけ離隔した位置とする。たとえば,湾曲部4から,まぶたの厚さである概略1ミリメートル程度離隔した位置を目盛り線5の基点61とすることが好ましい。
【0027】
図3に計測器具1の利用者の顔およびまつ毛付近の図を示す。
図3(A)が利用者の顔の図,
図3(B)が
図3(A)のB付近のまつ毛の生え方の拡大図,
図3(C)が
図3(A)のB付近のまつ毛の生え方の拡大断面図である。
【0028】
まつ毛の長さを正確に計測するためには,まつ毛を根元からしっかり押さえる必要がある。しかし
図3(C)から明らかなように,まつ毛の根元部分はまぶたの影響もあり,カールしている。
【0029】
目盛り線5の基点61が計測部3における湾曲部4であるとすると,湾曲部4をまつ毛の根元にあてて計測をしなければならない。しかし,湾曲部4をまつ毛の根元にあてることは容易ではないし,また,計測部3の外縁部には力がかかりにくいため,まつ毛の根元部分をしっかり押さえることができない。そのため,まつ毛の長さを正確に計測することができない。目盛り線5の基点61が計測部3における湾曲部4である場合の計測器具1を用いて計測するときの,計測状態を
図4に示す。
図4(A)が計測状態の正面図であり,
図4(B)が計測状態の断面図である。
【0030】
また,
図5に,本発明の計測器具1を用いてまつ毛の長さを計測するときの計測状態を模式的に示す。
図5(A)が計測状態の正面図であり,
図5(B)が計測状態の断面図である。本発明の計測器具1のように,目盛り線5の基点61を計測部3における湾曲部4から所定間隔だけ離隔した位置とすると,まつ毛の根元をその上側の位置から計測部3の面で押さえることができる。そのため,まつ毛を根元から押さえつけて計測することができる。
【0031】
計測部3における目盛り線5は所定間隔,たとえば1ミリメートル,0.5ミリメートル単位ごとに付されており,湾曲部4の形状に平行に付されている。さらに,所定の基準単位(たとえば5ミリメートル単位)ごとに,それ以外の目盛り線5とは異なる強調表示を行うと良い。
図1では,5ミリメートルごとの目盛り線5を,ほかの目盛り線5よりも太く表示している。
【0032】
目盛り線5の左および/または右の一端には,目盛り線5に対応する数値6が付されている。この数値は,すべての目盛り線5ではなく,所定の基準単位ごとに付されていても良い。また,目盛り線5の左と右の両端に目盛りの数値6を付す場合,一端の数値は通常通り付し,他端の数値は左右反転させて付してもよい。これを模式的に示すのが
図6である。
【0033】
つぎに本発明の計測器具1の使用態様を説明する。
図7に計測器具1を用いて下まつ毛の長さを計測する場合の使用態様を模式的に示す。本発明の計測器具1の利用者は,計測器具1の把持部2を縦方向に把持し,長さを計測したいまつ毛が生えているまぶたに,計測器具1を押圧する。この際に,計測部3に表示される目盛り線5の基点61をまつ毛の根元に合わせる。そうすると,まつ毛は根元から計測部3の面によってしっかりと押さえつけられてまっすぐになる。そして,計測器具1をまつ毛が生えたまぶたに押圧したまま,鏡に自らの顔を写すことで,鏡に映った計測器具1の目盛り線5を読み取ることができる。また,他の人がいる場合には,反対側から計測器具1の目盛り線5を読み取ってもらう。
【0034】
鏡に映して目盛り線5を読み取る場合には,目盛りの数値6が自らの顔側に位置するように計測器具1を把持すればよい。また左右が反転した目盛りの数値6が付されている場合には,左右反転した目盛りの数値6が鏡側に位置するように計測器具1を把持すれば良い。さらに,左右の両端に目盛りの数値6が,通常と左右反転の双方が付されている場合には,その方向を気にすることなく把持できる。
【0035】
なお,
図1の計測器具1は,把持部2の外縁部および計測部3の外縁部(湾曲部4以外の外縁部)に着色を施している場合を示している。これは,把持部2および計測部3分の双方が透明で,目盛り線5のみが付されている計測器具1であると,たとえば机の上に計測器具1を載置している場合,その外形がすぐには把握できず,計測器具1の取り扱いに煩わしさが生じるからである。
【0036】
一方,目盛り線5の部分を除き,把持部2の外縁部,計測部3の外縁部(湾曲部4以外の外縁部)に着色を施さないように構成することもできる。この場合の一例を
図8の六面図に示す。
図8(A)は正面図であり,
図8(B)は背面図であり,
図8(C)は平面図であり,
図8(D)は底面図であり,
図8(E)は右側面図である。なお,計測器具1の左側面図は
図1(E)と同一なので省略する。
【0037】
なお,本発明の計測器具1の上述の説明では,下まつ毛の長さを計測する場合を図示したが,上まつ毛の長さを計測する場合でも同様に用いることができる。この場合の計測器具1の使用態様を
図9に示す。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のまつ毛長さ計測器具1を用いることによって,従来よりも正確にまつ毛の長さを計測することができる。
【符号の説明】
【0039】
1:まつ毛長さ計測器具
2:把持部
3:計測部
4:湾曲部
5:目盛り線
6:目盛りの数値
61:目盛りの基点