(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[撮像装置の実施の形態の構成例]
図1は、本技術を適用した撮像装置の一実施の形態の構成例を示している。
図1の撮像装置は、映像を撮像し、デジタル信号からなる映像信号として出力する。
【0024】
撮像装置は、制御部11、タイミング発生回路12、垂直転送クロック用ドライバ13、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14、リセットゲートクロック用ドライバ15、撮像素子16、AFE(Analog Front End)17、信号処理回路18、およびドライバ電源部19を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなる、いわゆるマイクロコンピュータなどから構成され、各種のプログラムを実行することにより撮像装置の動作の全体を制御している。
【0025】
タイミング発生回路12は、制御部11に制御され、各種の処理に必要なタイミングを調整するためのクロック信号を発生し、垂直転送クロック用ドライバ13、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14、リセットゲートクロック用ドライバ15、撮像素子16、およびAFE17に供給する。
図1の撮像素子16は、いわゆるCCD(Charge Coupled Device)であり、CCDを構成するフォトダイオードからなるセンサ部51が受光することで光電変換により得られた画素信号からなる映像信号を画素単位で順次出力する。
【0026】
より詳細には、タイミング発生回路12は、垂直転送クロック発生部31、水平転送クロック/水平最終段転送クロック発生部32、リセットゲートクロック発生部33、およびOBクランプクロック発生部34を備えている。
【0027】
垂直転送クロック発生部31は、垂直転送クロック用ドライバ13に対して、フォトダイオードからなるセンサ部51−1−1乃至51−M−Nより読出ゲート53−1−1乃至53−M−Nを介して読み出された電荷を転送する垂直レジスタ52−1乃至52−Mに垂直転送クロックを発生して供給する。すなわち、垂直レジスタ52−1乃至52−Mは、それぞれ撮像素子16におけるセンサ部51−1−1乃至51−M−Nにより光電変換により画素信号として蓄積され、読出ゲート53−1−1乃至53−M−Nにより読み出された電荷を、列毎に順次垂直水平シフト制御部54に転送する。この際、垂直転送クロック用ドライバ13は、垂直レジスタ52−1乃至52−Mのそれぞれに対して、垂直転送クロック発生部31より供給されてくる垂直転送クロックに応じたHiレベルまたはLowレベルの垂直転送信号を発生する。垂直レジスタ52−1乃至52−Mは、この垂直転送クロック用ドライバ13からの垂直転送信号に対応して、読出ゲート53−1−1乃至53−M−Nを介して、センサ部51−1−1乃至51−M−Nより読み出された電荷を順次垂直水平シフト制御部54に転送する。垂直水平シフト制御部54は、垂直レジスタ52−1乃至52−Mより転送されてきた電荷を順次水平レジスタ55に転送する。
【0028】
尚、センサ部51−1−1乃至51−M−N、垂直レジスタ52−1乃至52−M、および読出ゲート53−1−1乃至53−M−Nについて、それぞれを特に区別する必要がない場合、単にセンサ部51、垂直レジスタ52、および読出ゲート53と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。また、
図1においては、N行M列にセンサ部51が配置され、M列の垂直レジスタ52が配置されている例が示されているが、センサ部51の数は、これ以外の行数および列数であってもよいものである。
【0029】
水平転送クロック/水平最終段転送クロック発生部32は、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14に対して水平転送クロックまたは水平最終段転送クロックを発生して供給する。水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14は、水平転送クロックに基づいて、水平レジスタ55を駆動させるためのHiレベルまたはLowレベルの水平転送信号を発生し、撮像部16の水平レジスタに供給する。尚、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14は、水平転送クロック用ドライバ、および水平最終段転送クロック用ドライバとして分割してそれぞれドライバを設けるようにしてもよい。水平レジスタ55は、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14からの水平転送信号に基づいて、垂直水平シフト制御部54より供給されてきた電荷を水平方向に転送して、順次電荷電圧変換部56に供給し、電荷を電圧に変換させることにより、画素信号を出力電圧VOUTとして出力させる。また、水平転送クロック/水平最終段転送クロック発生部32は、1行分の電荷転送が完了したことを示す水平最終段転送クロックを発生して、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14に供給する。水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14は、水平最終段クロックに基づいて、1行分の電荷の転送が完了したことを示すHiレベルまたはLowレベルの水平最終段転送信号を発生する。水平レジスタ55は、水平最終段転送信号に基づいて、水平方向に対して1行分の電荷を転送したことを認識し、垂直水平シフト制御部54より新たな行の電荷の転送を受け、その後、水平転送クロックに基づいて電荷を水平方向に転送する。
【0030】
リセットゲートクロック発生部33は、電荷電圧変換部56に対して、電荷を電圧に変換するに際して、一旦蓄積されている電荷をリセットさせるタイミングを示すリセットゲートクロック信号を発生して、リセットゲートクロック用ドライバ15に供給する。リセットゲートクロック用ドライバ15は、リセットゲートクロック信号に基づいて、リセットゲートを駆動させるためのHiレベルまたはLowレベルのリセットゲート信号を発生し、電荷電圧変換部56に供給する。電荷電圧変換部56は、このリセットゲート信号に基づいて、自らに蓄積されている電荷を開放してリセットする。
【0031】
ここで、OB(Optical Black)クランプクロック発生部34を説明するに当たり、先に、AFE17の構成について説明する。AFE(Analog Front End)15は、撮像素子16より画素単位で供給されてくる画素信号にOB(Optical Black)クランプすることで黒を正確に再現できるようにすると共に、リセットノイズ、およびアンプノイズを除去し、デジタル信号に変換して出力する。より詳細には、AFE17は、OBクランプ部71、CDS72、およびADC73を備えている。
【0032】
OB(Optical Black)クランプクロック発生部34は、OBクランプ信号を転送するAFE17のOBクランプ部71に対して、転送のタイミングを示すOBクランプクロック信号を発生して供給する。OBクランプ部71は、OBクランプクロック信号に基づいて、撮像素子16より供給されてくる画素信号のうち、遮光領域の画素信号を黒レベルとしてクランプして、CDS72に出力する。
【0033】
CDS(correlated double sampling:相関2重サンプリング)72は、相関2重サンプリング法によりOBクランプ部71より供給されてくる画素信号のアンプノイズおよびリセットノイズを除去してADC73に出力する。
【0034】
ADC(Analog Digital Converter)73は、CDS72より供給されてくるノイズ除去されたアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換して信号処理回路18に出力する。
【0035】
信号処理回路18は、AFE17からのデジタル化された画素信号を出力すると共に、AFE17からの画素信号に基づいて、制御部11、およびタイミング発生回路12に対して処理状態を伝えて、適切なクロック信号を発生させる。
【0036】
ドライバ電源部19は、制御部11の制御の下、垂直転送クロック用ドライバ13の駆動に必要とされる電力を供給する。
【0037】
なお、
図1の撮像装置においては、AFE、タイミング発生回路、およびドライバをそれぞれ個別のブロックとして構成した場合の例について記載しているが、同一チップの集積回路構成としても良い。同様に、信号処理回路、および制御部に関しても同一チップの集積回路構成として良く、また、これに前述のAFE、タイミング発生回路、ドライバ等の別ブロック全体あるいは一部を同一チップ内の集積回路構成としても良い。
【0038】
次に、
図1の撮像装置の動作について説明する。
【0039】
フォトダイオードからなるセンサ部51は、所定期間において受光した光を電荷に変換する光電変換により電荷を蓄積する。所定期間が経過した後、読出ゲート53が解放されることにより、蓄積された電荷が垂直レジスタ52に読み出される。タイミング発生回路12における垂直転送クロック発生部31が、垂直転送するタイミングを示す垂直転送クロック信号を発生して、垂直転送クロック用ドライバ13に供給する。垂直転送クロック用ドライバ13は、垂直転送クロック信号に基づいて、垂直レジスタ52を駆動させて、順次、センサ部51より読み出された電荷を行単位で垂直水平シフト制御部54に転送する。
【0040】
垂直水平シフト制御部54は、垂直レジスタ52−1乃至52−Mより行単位で転送されてくる電荷を水平レジスタ55に転送する。
【0041】
水平レジスタ55は、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14より供給されてくる水平転送信号に基づいて、順次水平方向に電荷を転送し、電荷電圧変換部56に供給する。また、水平レジスタ55は、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14より供給されてくる水平最終段転送信号に基づいて、行単位での電荷の転送が完了したことを認識し、新たな行の電荷を垂直水平シフト制御部54より取得する。
【0042】
電荷電圧変換部56は、転送されてくる各画素に蓄積された電荷を電圧に変換し、これを電圧信号からなる画素信号としてAFE17に供給する。この際、電荷電圧変換部56は、リセットゲートクロック用ドライバ15より供給されてくるリセットゲート信号に基づいて、リセットゲートを開放して、蓄積された電荷を開放してリセットする。
【0043】
AFE17のOBクランプ部71は、OBクランプクロック発生部34より供給されてくるOBクランプクロック信号に基づいて、遮光されているOB(Optical Black)領域に設けられている画素に対応する画素信号に基づいて、黒レベルをクランプし、画素信号をCDS72に供給する。CDS72は、画素信号を相関2重サンプリングによりアンプノイズおよびリセットノイズを除去し、ADC73に供給する。ADC73は、ノイズ除去されたアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換し、デジタルの画素信号を出力する。
【0044】
以上の処理により、撮像素子16により撮像された画像を構成する各画素の画素信号がデジタル信号の画素信号として出力される。尚、
図1の構成においては、AFE17において、CDS72の前段にOBクランプ部71が設けられている例が示されているが、OBクランプ部71は、CDS72の後段、またはADC73の後段に設けるようにしてもよいものである。
【0045】
[クロック信号制御処理]
次に、
図2のフローチャートを参照して、
図1の撮像装置におけるクロック信号制御処理について説明する。
【0046】
ステップS11において、制御部11は、画素信号を出力すべき有効信号期間に対して、所定の時間Δtだけ前のタイミングとなったか否かを判定し、そのタイミングになったものとみなされるまで、同様の処理を繰り返す。そして、ステップS11において、有効信号期間に対して、所定の時間Δtだけ前のタイミングになったものとみなされた場合、処理は、ステップS12に進む。すなわち、
図3で示されるように、有効信号期間の開始時刻である時刻t1またはt3よりも時間Δtだけ直前の時刻t0またはt12となった場合、処理は、ステップS12に進む。
【0047】
尚、
図3においては、上から画素信号の有効信号期間または無効信号期間を示す波形V、垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、リセットゲートクロック信号Cr、OBクランプクロック信号Cob、ドライバ電源電流Drを示す波形、およびOBクランプレベルBLの波形がそれぞれ示されている。また、波形Vについては、Hiレベルの期間が有効信号期間であり、Lowレベルの期間が無効信号期間であることを示している。また、ドライバ電源電流Drを示す波形については、定常電流値がIdrvで示されたレベルであり、0で示されるレベルがオフの状態、すなわち、電力供給がなされていない状態を示している。
【0048】
ステップS12において、制御部11は、タイミング発生回路12に対してクロック信号を発生するように指示する。タイミング発生回路12は、垂直転送クロック発生部31、水平転送クロック/水平最終段転送クロック発生部32、およびリセットゲートクロック発生部33を制御して、垂直転送クロック信号、水平転送クロック信号、水平最終段転送クロック信号、およびリセットゲートクロック信号を発生させる。
【0049】
ステップS13において、制御部11は、ドライバ電源部19を制御して、垂直転送クロック用ドライバ13に対して電源電力を供給させる。
【0050】
この結果、
図3で示されるように、時刻t0より垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、およびリセットゲートクロック信号Crが発生される。また、時刻t0のとき、垂直転送クロック用ドライバ13、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14、リセットゲートクロック用ドライバ15に供給されるドライバ電源電流Drは、徐々に電流値が上昇を開始し、有効信号期間となる時刻t1において定常状態の電流値Idrvに遷移する。また、ここでいう時間Δtは、このドライバ電源部19が垂直転送クロック用ドライバ13、水平転送クロック/水平最終段転送クロック用ドライバ14、リセットゲートクロック用ドライバ15に対して電力供給を開始して、ドライバ電源電流Drが定常状態の電流値Idrvとなるまでの時間である。
【0051】
ステップS14において、制御部11は、有効信号期間となったか否かを判定し、有効信号期間になっているとみなされるまで、同様の処理を繰り返す。例えば、
図3で示されるように、時刻t0またはt12以降であって、時刻t1またはt3になったか否かが判定されることになる。そして、ステップS14において、有効信号期間、すなわち、時刻t0またはt12以降であって、時刻t1またはt3になったとみなされた場合、処理は、ステップS15に進む。
【0052】
ステップS15において、制御部11は、タイミング発生回路12に対してOBクランプクロックを発生させるように指示する。この指示に応じて、タイミング発生回路12は、OBクランプクロック発生部34を制御して、OBクランプクロック信号を発生させる。この処理により、
図3で示されるように、時刻t1またはt3からOBクランプクロック信号Cobが発生される。
【0053】
さらに、時刻t1またはt3のタイミングにおいて、上述したように垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に供給される電力の電流値が定常状態の電流値Idrvとなる。このため、垂直転送クロック発生部31、水平転送クロック/水平最終段転送クロック発生部32、およびリセットゲートクロック発生部33からの垂直転送クロック信号、水平転送クロック信号/水平最終段転送クロック信号、およびリセットゲートクロック信号に基づいて、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15のそれぞれが、垂直レジスタ52−1乃至52−M、水平レジスタ55、および電荷電圧変換部56を制御するためのHiレベル、またはLowレベルの制御信号を発生することで、この制御信号に基づいて、順次読出ゲート53より読み出されているセンサ部51に蓄積された電荷を順次画素信号として転送させるようにすることができる状態となる。
【0054】
ステップS16において、制御部11は、有効信号期間が終了となるタイミングになったか否かを判定し、有効信号期間が終了であると判定されるまで、同様の処理を繰り返す。すなわち、ステップS16において、制御部11は、例えば、
図3における時刻t2またはt4となり、有効信号期間が終了したか否かを判定する。ステップS16において、例えば、
図3における時刻t2またはt4となり、有効信号期間が終了したものとみなされる場合、処理は、ステップS17に進む。
【0055】
ステップS17において、制御部11は、タイミング発生回路12に対してクロック信号の発生を停止するように指示する。タイミング発生回路12は、垂直転送クロック発生部31、水平転送クロック/水平最終段転送クロック発生部32、リセットゲートクロック発生部33、およびOBクランプクロック発生部34を制御して、垂直転送クロック信号、水平転送クロック信号、水平最終段転送クロック信号、リセットゲートクロック信号、およびOBクランプクロック信号の発生を停止させる。この結果、
図3で示されるように、時刻t2またはt4においては、垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、リセットゲートクロック信号Cr、およびOBクランプクロック信号Cobが停止する状態となる。
【0056】
ステップS18において、制御部11は、ドライバ電源部19を制御して、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に対して電源電力の供給を停止させ、処理は、ステップS11に戻る。すなわち、ドライバ電源部19が時刻t2において電力供給を停止することにより、
図3で示されるように、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に流れるドライバ電源電流Drは、定常状態の電流値Idrvから徐々に低下して、所定の時間が経過した後の時刻t11にゼロとなる。
【0057】
以上の処理により、
図3で示されるように、OBクランプレベルBLを一定に保つことが可能となる。
【0058】
すなわち、従来においては、
図4で示されるように、垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、リセットゲートクロック信号Cr、およびOBクランプクロック信号Cob、並びに、ドライバ電源電流Drはいずれも、無効信号期間である時刻t2乃至t3においても発生または供給され続けていた。この場合、信号や電力供給に変化がないため、OBクランプレベルBLについても同様に変化のない一定の状態が維持され続けていた。
【0059】
その後、省電力化を図り、バッテリで駆動可能な時間を延ばす為、
図5で示されるように、無効信号期間については、垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、リセットゲートクロック信号Cr、およびOBクランプクロック信号Cob、並びに、ドライバ電源電流Drのうち、OBクランプクロック信号Cob以外のクロック信号の発生を停止させるように改良されることで、改良後の従来の撮像装置においては省電力化が図られた。しかしながら、このとき、ドライバ電源電流Drについては、
図5の時刻t1乃至t21、時刻t21乃至t22、時刻t2乃至t23、時刻t23乃至t24、時刻t3乃至t25、および時刻t25乃至t26で示されるように、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に供給される電流値が定常状態に移行するまでの過渡期において、OBクランプレベルBLの波形で示されるような変動が生じることがあった。このような変動により、例えば、
図6の画像Pで示されるように、その上部の点線で囲まれた領域Zのように、一部の黒色領域が明るく表示されてしまうといった不安定な見栄えの悪い画像となることがあった。
【0060】
そこで、
図1の撮像装置においては、
図3で示されるように、ドライバ電源部19が垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に電力の供給を開始してから、電流値が定常状態となるまでの期間、すなわち、所定の時間Δtだけ有効信号期間となる直前に電力供給を開始するようにしている。これにより、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に供給される電力の電流値は、有効信号期間において確実に定常状態が維持されるようにすることが可能となる。
【0061】
さらに、OBクランプクロック発生部34は、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15にドライバ電源部19より供給されてくる電源電流Drが定常状態となっている、有効信号期間にのみOBクランプクロック信号を発生している。これにより、有効信号期間以外の垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に供給されるドライバ電源電流Drが不安定な状態の期間においては、OBクランプクロック信号が発生せず、ドライバ電源電流Drが定常状態となった有効信号期間にのみOBクランプクロック信号が発生されるので、OBクランプレベルを安定した状態とすることが可能となる。
【0062】
尚、上述した所定の時間Δtについては、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15の基盤の負荷容量に応じて設定する必要があるものである。すなわち、比較的低負荷容量の基盤からなる垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15であれば、例えば、
図7の黒三角印のプロットからなる波形で示されるように、所定の時間Δtは、100μs程度の時間Δt1に設定することになる。一方、比較的高負荷容量の基盤からなる垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15であれば、例えば、
図7のバツ印のプロットからなる波形で示されるように、所定の時間Δtは、700μs程度の時間Δt2に設定することになる。ここで、
図7は、縦軸をドライバ電源電流の定常状態における電流値Idrvを基準とした比率とし、横軸をドライバ電源部19がオンにされたタイミングからの経過時間t(μs)とした波形である。すなわち、
図7においては、比較的低負荷容量の垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15は、100μs程度でドライバ電源電流Drが定常状態に達するのに対して、比較的高負荷容量の垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15は、定常状態に達するまでに700μs程度の時間が必要となることが示されている。
【0063】
また、以上の例においては、有効信号期間に入るタイミングより所定の時間Δtだけ前のタイミングで、垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、およびリセットゲートクロック信号Crを発生させ、ドライバ電源部19より垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に電力供給を開始させる例について説明してきた。しかしながら、
図3で示されるように、垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15の負荷容量は頻繁に変化するものではなく、また、有効信号期間および無効信号期間は、それぞれ時間Ta,Tb(T=Ta+Tb)と固定されるものである。
【0064】
したがって、一旦Δtが確定した後であれば、無効信号期間が開始されるタイミングから経過時刻を計測し、無効信号期間が終了するタイミングよりも所定の時間Δtだけ前のタイミングとなる時刻まで経過したタイミングで、垂直転送クロック信号Cv、水平転送クロック信号Ch、水平最終段転送クロック信号Chl、およびリセットゲートクロック信号Crを発生させ、ドライバ電源部19より電力供給を開始させるようにしてもよい。
【0065】
すなわち、いずれにおいても、ドライバ電源部19が垂直転送クロック用ドライバ13乃至リセットゲートクロック用ドライバ15に電力供給を開始したタイミングからドライバ電源電流Drが定常状態に至るまでの期間が、有効信号期間に含まれないようにしつつ、ドライバ電源電流Drが有効信号期間内の全域で定常状態を維持できるようにし、かつ、OBクランプクロック信号Cobを有効信号期間内だけ発生させるようにする。このようにすることで、省電力化を実現しつつ、OBクランプレベルBLは、全域において安定した状態を維持することが可能となる。
【0066】
以上においては、撮像素子16が、CCDである場合について説明してきたが、他の撮像素子でもよく、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であってもよい。すなわち、撮像素子16として、CCDに変えてCMOSを使用するような場合、ドライバに供給する電力が定常状態となるまでの間、出力ロードMOSのゲートへ入力するクロック信号や、カラムADC(Analog Digital Converter)の動作を停止させるようにすることで、同様の効果を奏することが可能となる。
【0067】
以上の如く、撮像装置全般に適用することができる技術であって、低消費電力化を実現させつつも、クランプレベルの変動を抑制させて、黒レベルが安定した見栄えの良い画像を撮像することが可能となる。
【0068】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0069】
図8は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタ-フェイス1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0070】
入出力インタ-フェイス1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0071】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0072】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0073】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0074】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0075】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0076】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0077】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0078】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0079】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0080】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0081】
尚、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1) 撮像された映像信号を転送する有効信号期間から前記映像信号を転送しない無効信号期間への切り替え時に、前記映像信号のクランプレベルが変動しない所定のタイミングでクロック信号の発生を開始するクロック信号発生部を含む
撮像装置。
(2) 前記クロック信号発生部は、前記映像信号のクランプレベルが変動しないように、かつ、前記有効信号期間において、前記撮像素子により撮像された映像信号を転送し、前記無効信号期間において、前記映像信号を転送しないように、前記有効信号期間より所定時間だけ前のタイミング、または、前記無効信号期間より所定時間経過したタイミングより、前記クロック信号のうち、所定のクロック信号を発生する
(1)に記載の撮像装置。
(3) クロック信号発生部により発生されたクロック信号に応じて、前記撮像された映像信号を転送するドライバと、
前記ドライバに電力を供給するドライバ電源部とをさらに含み、
前記ドライバ電源部は、前記ドライバに電力の供給を開始したタイミングから前記ドライバを流れる電流値が所定の定常状態に達するまでの所定時間だけ前記有効信号期間より前のタイミング、または、前記ドライバ電源部が前記ドライバに電力の供給を開始したタイミングから前記ドライバを流れる電流値が所定の定常状態に達する、前記無効信号期間に入ってから所定時間経過したタイミングより、前記ドライバに電力の供給を開始し、
前記クロック信号発生部は、前記ドライバ電源部が前記ドライバに電力の供給を開始したタイミングから前記ドライバを流れる電流値が所定の定常状態に達するまでの所定時間だけ前記有効信号期間より前のタイミング、または、前記ドライバ電源部が前記ドライバに電力の供給を開始したタイミングから前記ドライバを流れる電流値が所定の定常状態に達する、前記無効信号期間に入ってから所定時間経過したタイミングより、前記所定のクロック信号を発生する
(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4) 前記所定のクロック信号は、垂直転送クロック信号、水平転送クロック信号、水平最終段転送クロック信号、およびリセットゲートクロック信号を含む
(2)または(3)に記載の撮像装置。
(5) 前記クロック信号発生部は、OB(Optical Black)クランプクロック信号を発生するOBクランプクロック信号発生部をさらに含み、
前記OBクランプクロック信号発生部は、前記有効信号期間内のみOBクランプクロック信号を発生する
(1)乃至(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6) 撮像された映像信号を転送する有効信号期間から前記映像信号を転送しない無効信号期間への切り替え時に、前記映像信号のクランプレベルが変動しない所定のタイミングでクロック信号の発生を開始するクロック信号発生処理をするステップを含む
撮像方法。
(7) 撮像された映像信号を転送する有効信号期間から前記映像信号を転送しない無効信号期間への切り替え時に、前記映像信号のクランプレベルが変動しない所定のタイミングでクロック信号の発生を開始するクロック信号発生ステップを含む
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(8) 撮像された映像信号を転送する有効信号期間から前記映像信号を転送しない無効信号期間への切り替え時に、前記映像信号のクランプレベルが変動しない所定のタイミングでクロック信号の発生を開始するクロック信号発生部を含む
電子機器。