特許第6227542号(P6227542)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227542
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】ユニバーサル血管内グラフト
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/07 20130101AFI20171030BHJP
【FI】
   A61F2/07
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-541364(P2014-541364)
(86)(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公表番号】特表2014-533180(P2014-533180A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】US2012064612
(87)【国際公開番号】WO2013071222
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】61/559,021
(32)【優先日】2011年11月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/559,016
(32)【優先日】2011年11月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506074417
【氏名又は名称】ボルトン メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ホアン パロディ
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−501208(JP,A)
【文献】 特表2010−535580(JP,A)
【文献】 特表2005−521471(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0184228(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0010277(US,A1)
【文献】 特表2007−508067(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0270385(US,A1)
【文献】 米国特許第6645242(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0102018(US,A1)
【文献】 特表2001−514043(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0257731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/06−2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸(102)に沿って伸長するボディー部(101);
ここで、該ボディー部は、拡張性であり、かつ第1の末端(103)、第2の末端(104)および内部経路(107)を有し、
該ボディー部(101)は、第1の末端(103)で該経路と連絡する第1の開口部(108)および第2の末端(104)で該経路と連絡する第2の開口部(109)を含み、該第1の開口部(108)および第2の開口部(109)が、実質的に長手軸(102)と交差し;
該ボディー部(101)は、内部経路(107)と連絡するユニバーサル側方開窓(134)第1の末端(103)と第2の末端(104)の間にならびに
ユニバーサル側方開窓(134)から伸長する3つの独立したカニューレ挿入部(112a、112b、112c)
を含む、血管内グラフト。
【請求項2】
カニューレ挿入部が、へり(114)をさらに含む外部開口(113)、空洞(115)、管状部分(116)および内部開口(117)を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項3】
カニューレ挿入部が漏斗形である、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項4】
カニューレ挿入部が、約3cm〜約7cmの直径の外部開口(113)を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項5】
カニューレ挿入部が、約4cmの直径の外部開口(113)を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項6】
カニューレ挿入部が、カニューレ挿入を容易にするように広がった(flared)内部開口(117)を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項7】
カニューレ挿入部が、約6mm〜約8mmの直径の管状部分(116)を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項8】
カニューレ挿入部が、約15mm〜約20mmの長さの管状部分(116)を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項9】
カニューレ挿入部が、カニューレ挿入部の寸法プロフィールを実質的に維持するための金属要素を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項10】
カニューレ挿入部が、ボディー部の長手軸に対して斜めの角度の長手軸を有する、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項11】
カニューレ挿入部が、網目状の構造を含む、請求項1記載の血管内グラフト。
【請求項12】
ボディー部(101)が、第1の末端(103)と第2の末端(104)の間にくびれ部を有する、請求項1〜11いずれか記載の血管内グラフト。
【請求項13】
ユニバーサル側方開窓(134)を通って3つの独立したカニューレ挿入部(112a、112b、112c)から伸長する3つの第2のエンドグラフト(126a、126b、126c)をさらに含む、請求項1〜12いずれか記載の血管内グラフト。
【請求項14】
3つの独立したカニューレ挿入部の2つが、ユニバーサル側方開窓(134)から第1の方向に伸長し、3つの独立したカニューレ挿入部の1つが、第1の方向と反対の方向に伸長する、請求項1〜13いずれか記載の血管内グラフト。
【請求項15】
管内グラフトを得る工程、ここで、該血管内グラフトは、
長手軸(102)に沿って伸長するボディー部(101)、ここで、該ボディー部は、拡張性であり、かつ第1の末端(103)、第2の末端(104)および内部経路(107)を有し;該ボディー部(101)は、第1の末端(103)で該経路と連絡する第1の開口部(108)および第2の末端(104)で該経路と連絡する第2の開口部(109)を含み、該第1の開口部(108)および第2の開口部(109)は、長手軸(102)と実質的に交差し;該ボディー部(101)は、内部経路(107)と連絡するユニバーサル側方開窓(134)第1の末端(103)と第2の末端(104)の間におよび
ユニバーサル側方開窓(134)から伸長する3つの独立したカニューレ挿入部(112a、112b、112c)
含む;ならびに
治療結果に影響を及ぼすように血管内グラフトを植え込む工程
を含む患者の血管を修復する方法において使用するための、請求項1〜14いずれか記載の血管内グラフト。
【請求項16】
植え込む工程が、
a) 大動脈内に血管内グラフトを設置すること、ここで該血管内グラフトは、前方放射線不透過性マークにより方向づけられ、かつ最適な高さで展開される;
b) 部分的に収縮するワイヤにより血管内グラフトを解放すること;
c) カニューレ挿入部内にカテーテル(122)を導入すること、ここで標的分枝動脈口(123)とかみ合い、分枝動脈(124)にカニューレ挿入される;
d) 分枝動脈内にガイドワイヤを導入し、カニューレ挿入部と分枝動脈の内側の最初の距離との間隔を測定すること;
e) 第2のエンドグラフトを設置して、分枝動脈とカニューレ挿入部を架橋すること;および
f) 第2のエンドグラフトをバルーン成形すること、ここでその後に最終的な動脈造影が行われる
を含む、請求項15記載の血管内グラフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2011年11月11日に出願された米国仮特許出願第61/559,016号および2011年11月11日に出願された米国仮特許出願第61/559,021号の優先権を主張する。米国仮特許出願第61/559,016および米国仮特許出願第61/559,021の開示は、その全体において、参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的に、損傷した血管または動脈瘤性血管の評価および修復のための血管内(endovascular)グラフト(「エンドグラフト」)に関する。より具体的に、本発明は、分枝を有する血管の修復のためのユニバーサル有窓エンドグラフトおよびユニバーサル枝分かれエンドグラフト、血管を修復するための方法、ならびに1つ以上の分枝の連結を作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
エンドグラフトは、典型的には、動脈瘤、切開、狭窄または傷害を治療するために動脈または静脈の内側に配置される、金属およびファブリックで構成される、人工的なグラフトである。エンドグラフトは、血管の病的部分を覆い、典型的には、エンドグラフトの末端は、非病的部分に配置される。典型的には、エンドグラフトの設置は、遠隔部位、通常は総大腿動脈からなされる。
【0004】
研究の第1の英語の刊行物(Annals of Vascular Surgery 1991; 5:491)には、動脈瘤を治療するためのエンドグラフトの臨床適用が記載されるので、エンドグラフトは世界中に広がっている。2010年には、大動脈瘤のために、全体でおよそ107,000のエンドグラフトが利用された。
【0005】
多くの場合において、治療を受けている血管の損傷した部分または欠陥を有する部分は、分枝を含み得る。例えば、腹大動脈の場合、種々の他の身体器官につながる腹腔動脈、腸間膜動脈および腎動脈などの少なくとも3つの分枝血管がある。したがって、血管の損傷した部分がこれらの分枝血管の1つ以上を含む場合、エンドグラフトが分枝血管を通る血流を遮断または妨害しないことを確実にするために、いくらかの調節をしなければならない
【0006】
分枝血管への血流を維持する試みとしては、エンドグラフトの側壁に、1つ以上の開窓または穴を提供することが挙げられる。他の試みとしては、血管の分枝血管部分がワイヤなどにより広げられるエンドグラフトを提供することが挙げられる。一般的に、この治療は、分枝血管と、大動脈の両面上にほぼ直角で伸長し得る開窓を連結する(aligning)ことを含む。
【0007】
多くの場合において、脈管構造は対称ではない。また、対称な脈管構造であっても、以前に設置した分枝血管エンドグラフトに生理学的な力がかかり、開窓の位置のシフトが起こり、分枝からずれる。他の例では、病的脈管構造は、分枝血管自体に広がり得る。
【0008】
血管をエンドグラフトで治療する場合、しばしば、分枝血管への血流を妨げないように、第1のエンドグラフトから側方の分枝血管へと伸長する第2のエンドグラフトを展開することが有益である。分枝血管エンドグラフトは、開窓を通って第1のエンドグラフトへの連結を形成し、プロテーゼを完成し得る。さらに、いくつかの動脈瘤は、胸大動脈および腹大動脈の両方において、分枝血管に伸長する。これらの血管中にプロテーゼ分枝を有するプロテーゼを展開することは、これらの動脈瘤の拡大および/または破裂を防ぐことを補助し得る。
【0009】
大動脈中でのエンドグラフトの使用の制限は、短いかまたは角がある着地ゾーン(landing zone)に関する。内臓の分枝または上大動脈分枝が動脈瘤から分離する場合、エンドグラフトは、短い近位くびれ部(着地ゾーン)において使用されるものと同様の開窓または分枝を有する必要がある。開窓または分枝が必要な場合、患者の大動脈画像において示される距離および角度を考慮に入れた注文生産デバイスが構築される。注文生産デバイスは、現在までに良好な結果を有するものが作製されているが、かかるデバイスは高価であり、製造に比較的長い時間を要する。さらに、該デバイスの注文品の性質は、他の理由のためにも植え込みの手順に複雑さを加え、首尾一貫しない設計である。さらに、分枝口に分枝をカニューレ挿入するために必要な装置を厳密かつ正確に誘導することは、しばしば困難である。したがって、エンドグラフトが、エンドグラフトの腔を開窓および分枝動脈口に連結する構造を有し、それにより余分な切開または不必要な動脈アプローチなしで分枝動脈のカニューレ挿入および手順の継続が容易になることが有益である。よって、これらの問題に取り組む必要がある。
【発明の概要】
【0010】
発明の簡単な概要
手順を容易にし、かつ「既製の」デバイスを提供するために、以下の発明が開発された。以下に記載されるユニバーサルエンドグラフトは、同様の状態を有する患者の全てまたはほとんどに使用することができた。
【0011】
ここで本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトを参照すると、本発明のある局面は、動脈または血管内に配置されたエンドグラフトと、他の動脈および血管の分枝との連結を容易にする開口または開窓を有するエンドグラフトに関する。一態様において、開窓は、エンドグラフトの壁中に配置される。別の態様において、エンドグラフトは、前記開窓につながれたカニューレ挿入部をさらに含み得る。一般的に、カニューレ挿入部は、外部開口、空洞、管状部分および内部開口を含む。外部開口はさらに、内部へりおよび外部へりを含み得る。一態様において、カニューレ挿入部の内部開口は、ユニバーサル有窓エンドグラフトの腔からカニューレ挿入部中およびカニューレ挿入部を通ってカニューレ挿入を容易にするように広がり得る。このユニバーサル有窓エンドグラフトの腔から分枝動脈への直接的な連結により、大腿アクセス以外の余分な切開または動脈アプローチの必要なく、分枝動脈の有効な治療が容易になる。
【0012】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの外部開口が、動脈または静脈の分枝形態のほとんどを収容する寸法を有する場合、該デバイスは、ユニバーサル有窓エンドグラフトと呼ばれる。例えば、一態様において、カニューレ挿入部の外部開口は、大動脈弓の解剖学的な変形、ならびに腹大動脈中の内臓動脈の領域を収容するほどに十分に広いものであり得る。
【0013】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの一態様において、開口部(opening)または開窓は、血管の分枝の伸長の部位の変形の全てをカバーし得る。カニューレ挿入部の管状部分は、分枝血管の近位腔の間に挿入されたエンドグラフトを通って、分枝血管の近位腔に連結され得る。さらに、カニューレ挿入部の内部開口は、カニューレ挿入を容易にするための広がった(flared)末端を有し得る。
【0014】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの別の態様において、開窓および対応するカニューレ挿入部は、主要ユニバーサル有窓エンドグラフトの一部として構築され、該カニューレ挿入部は、独立するか、またはカニューレ挿入部とエンドグラフトの間の部分を共有する。
【0015】
カテーテルおよび他の装置は、カニューレ挿入部および開窓の空洞に到達するカニューレ挿入部の管状部分に導入され得る。分枝血管の口に、カニューレ挿入され、カニューレ挿入部の管状部分と分枝血管の胴部の間、例えば血管の最初の約1.5〜2cmに、管状エンドグラフトとの連結が確立される。
【0016】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの別の局面において、カニューレ挿入部が複数の分枝を収容する場合、一態様において、カニューレ挿入部の管状部分中に構築される異なるチャンバーから異なる血管分枝への手法が実行され得る。別の態様において、独立したカニューレ挿入部が構築され得、それぞれのカニューレ挿入部は、異なる血管分枝に接触するために同じユニバーサル開窓を使用する。
【0017】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの別の局面において、カニューレ挿入部の壁は、エンドグラフトの一部であり得るか、開窓の縁に取り付けられた網目状のカニューレ挿入部を構成し得るか、または開窓の縁に取り付けられた展性のカニューレ挿入部を形成し得、後者の場合、非常に扁平な(low profile)バルーンがカニューレ挿入部の内側に配置され、カニューレ挿入部は、バルーン上で圧縮され、潰される。
【0018】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの別の局面において、誘導要素、例えばガイドワイヤまたはファブリックスレッドが、カニューレ挿入部の内側にカテーテルを誘導するために使用される。ワイヤおよびスレッドは、開窓の外側に取り付けられ得、開窓を通過し得、先導シースの弁の開口を通って外へ出得る。
【0019】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの別の局面において、ユニバーサル有窓エンドグラフトが使用され得る大動脈の部分または腸管動脈としては、大動脈弓、腹大動脈の内臓部分、および腸管動脈瘤の場合は腸管分岐が挙げられる。
【0020】
本発明の別の態様は、長手軸に沿って伸長するボディー部を有するユニバーサル有窓エンドグラフトに関し、該ボディー部は拡張性であり、第1の末端、第2の末端、第1の壁、第2の壁、および拡張した場合にそれらの間にある内部通路または腔を有する。該ボディー部は、第1の末端および第2の末端で該通路に連絡した開口部を含み得、該開口部は、長手軸と実質的に交差する。該ボディー部は、第1の末端および第2の末端で、腔と連絡した1つ以上の側方開窓を含み得る。該ボディー部は、末端の間にくびれ部を有し得、さらに、その中に含まれるカニューレ挿入部を有する。
【0021】
一態様において、カニューレ挿入部を含むボディー部は、網目状の構造を有する。
【0022】
別の態様において、該ボディー部は、分枝動脈、例えば上部腸間膜動脈を受けるための扇形部(scallop)を含み得る。例えば、扇形部は、ユニバーサル有窓エンドグラフトを使用して腎動脈と連結させる場合に、上部腸間膜動脈が覆われることを防ぐために使用され得る。
【0023】
本発明の別の態様は、患者の血管を修復するための方法に関する。該方法において、ユニバーサル有窓エンドグラフトは、本明細書に記載されるようにして得られ、治療結果に影響を及ぼすように植え込まれる。
【0024】
ここで本発明のユニバーサル枝分かれエンドグラフトを参照すると、本発明の一態様において、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトデバイスは、該ボディー部から伸長する大きな分枝を有する、1つの主要な腔および4つの分枝腔を有する管状ボディー部を含む。大きな分枝は、主要な腔と液体で連絡し得る。該4つの分枝腔は、管状ボディー部の円周の周囲に配置され得、それぞれが管状エンドグラフトに連結されるように構成される。
【0025】
ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの第一の態様の一局面において、それぞれの分枝腔は、標的の分枝動脈に連結されるために構成された管状伸長部を含み得る。
【0026】
ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様の別の局面において、該大きな分枝は、遠位大動脈または腸管動脈と連結されるように構成され得る。
【0027】
ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様の別の局面において、それぞれの腔は、ステント様フレームを含む。
【0028】
ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様の別の局面において、管状ボディー部は、少なくとも約6cmの長さである。
【0029】
本発明の別の態様は、ユニバーサル枝分かれデバイスを使用するための方法に関する。該方法において、ユニバーサル枝分かれデバイスは、得られ、胸-腹動脈瘤を治療するために患者内に植え込まれ得る。
【0030】
該方法の一局面において、胸大動脈まで切り詰められた大腿大動脈から誘導要素が供給される。大動脈に伸長する該ユニバーサル枝分かれエンドグラフトは、誘導要素を介して位置に設置され得、該ユニバーサル枝分かれエンドグラフトは、上部腸間膜動脈(SMA)、腹腔動脈および腎動脈にカニューレ挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
添付の図面を参照して、本発明の態様(1つまたは複数)をここで説明する。
図1図1A〜Cは、エンドグラフトの第1の末端に、分枝動脈が覆われることを防ぐための、2つの側方ユニバーサル開窓および1つの扇形部を有する(収縮および拡張された)ユニバーサル有窓エンドグラフトを示す。図1Cは、4つの分枝血管の位置を覆う側方開窓の外部からの図を示す。
図2図2は、カニューレ挿入部およびその構成要素の態様を示す。
図3図3A〜Bは、側方ユニバーサル開窓に連結された2つのカニューレ挿入部を有するユニバーサル有窓エンドグラフトを含む種々の態様を示す。図1Bは、拡張された状態および収縮された状態の網目状のカニューレ挿入部を示す。
図4図4は、上部腸間膜動脈のための扇形部および腎動脈被覆のためのカニューレ挿入部を描いたユニバーサル有窓エンドグラフトの頭部を示す。
図5図5は、腎動脈に架橋されるエンドグラフトを有するカニューレ挿入部を示す。
図6図6は、カニューレ挿入部、腎動脈、ならびに分枝動脈にカニューレ挿入されるカテーテルおよび誘導要素を示す。
図7図7は、腎動脈を被覆する2つの側方カニューレ挿入部および上部腸間膜動脈のための扇形部を有するユニバーサル有窓エンドグラフトの上方部分を示す。大動脈瘤も示される。
図8図8は、1つの外部開口、ならびに3つの分枝血管、上部腸間膜動脈(SMA)、腹腔動脈(CA)および右腎動脈を被覆する開窓を共有する3つの独立したカニューレ挿入部を有するユニバーサル有窓エンドグラフトを示す。
図9図9A〜Bは、カニューレ挿入部がどのようにユニバーサル有窓エンドグラフトに連結され得るかの態様を図示する。図8Aは、主要エンドグラフトと壁を共有するカニューレ挿入部を示す。図8Bは、特定の取り付け点、例えば開窓または外部開口の縁で壁とかみ合うカニューレ挿入部を示す。
図10図10A〜Bは、一続き(one piece)のカニューレ挿入部および主要ボディー部を示す。
図11図11A〜Bは、収縮された形態(図10A)および拡張された形態(図10B)の網目状のカニューレ挿入部を示す。
図12図12A〜Bは、収縮されたバルーン(図9A)および拡張されたバルーン(図9B)を含む展性のカニューレ挿入部を示す。
図13図13A〜Bは、ユニバーサル有窓エンドグラフトの外側とかみ合い、側方開窓を通ってカニューレ挿入部およびエンドグラフトの腔に入り、シースの弁の開口から出る誘導要素を示す。
図14図14は、大動脈弓に適用されたユニバーサル有窓エンドグラフトの態様を示す。
図15図15は、大動脈弓に適用されたユニバーサル有窓エンドグラフトの態様を示す。
図16図16A〜Bは、総腸管動脈瘤(common iliac artery aneurysm)へのユニバーサル有窓エンドグラフトの異なる適用を示す。
図17図17A〜Bは、無名動脈および左頸動脈の流れを保護する、大動脈弓についてのユニバーサル有窓エンドグラフトの異なる図を示す。
図18図18A〜Bは、隣接-腎(juxta-renal)大動脈についてのユニバーサル有窓エンドグラフトの異なる図を示す。
図19図19A〜Bは、腹腔動脈、上部腸間膜動脈および腎動脈のための円筒部を有する、隣接-腎大動脈についてのユニバーサル有窓エンドグラフトの異なる図を示す。
図20図20は、左腎動脈、腹腔動脈、上部腸間膜動脈および右腎動脈の分枝に4つのエンドグラフトが伸長する、本発明のユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様を示す。
図21図21A〜Cは、本発明のユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明の詳細な説明
本発明の適用可能性のさらなる範囲は、本明細書に示す詳細な説明から明らかになる。しかしながら、本発明の精神および範囲における種々の変更および改変は当業者に明白であるので、本明細書に示される詳細な説明および実施例は、本発明の態様を示しながら、例示のみの様式で提示されることが理解されるべきである。
【0033】
本発明は、一般的なカテーテル系の最小侵襲性外科的技術における、例えば胸大動脈または腹大動脈の検査および修復における使用のために、血管内グラフト(「エンドグラフト」)の形態をとる。
【0034】
ここで本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトを参照すると、図1は、本発明のユニバーサル有窓エンドグラフト100の例を示す。ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、一般的に、長手軸102に沿って伸長するボディー部101を有する管状の形状であり、該ボディー部は、拡張性であり、第1の末端103、第2の末端104、第1の壁105、第2の壁106、およびそれらの間にある内部通路または腔107を有する。該ボディー部は、第1の末端および第2の末端のそれぞれで該通路と連絡された開口部108および109を含み得、開口部は実質的に、長手軸と交差する。該ボディー部は、腔と連絡した1つ以上の側方開窓110および111を含み得る。図3に示されるように、該ボディー部は、末端の間にくびれ部を有し得、さらに、その中に含まれるカニューレ挿入部112を有し得る。所望の場合、ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、図16A〜Bに示されるものと同様に、二股の形態でも作製され得る。ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または任意の他の適切なファブリックで作製され得る。ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、補強されても補強されなくてもよく、ステントがあっても(stented)ステントがなくても(nonstented)よい。
【0035】
先に記載したように、ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、1つ以上の開窓または開口部(図1において参照番号110および111)を有し得、好ましくは、これらは、治療される分枝に大きく依存して、実質的に円形または楕円形であると仮定される。開窓は、ユニバーサル有窓エンドグラフトの壁にある開口または開口部を構成し得る。本発明の有窓エンドグラフトの外部開口は、ほとんどの動脈または静脈の、1つ以上の血管の変動的な間隔、角度および輪郭などの分枝形態を収容するような寸法を有するので、該デバイスはユニバーサル有窓エンドグラフトと称される。例えば、腎動脈は、同じ高さまたは異なる高さで大動脈から分岐し得る。同様に、大動脈から伸長するいくつかの動脈は、より前方に向けられ、他はより後方に向けられ得る。本発明は、かかる変形物を収容するように設計される。例えば、一態様において、前記外部開口は、大動脈弓の解剖学的な変形、ならびに腹大動脈中の内臓動脈の領域を収容するように十分に広いものであり得る。開口部の直径は、治療される面積に応じて変化し得、例えば大動脈弓においてより大きく、隣接-腎領域においてより小さい。一態様において、例えば解剖学的な変形物および特定の標的分枝血管(1つまたは複数)に応じて、ユニバーサル開窓は約3〜約7cmの直径である。好ましい態様において、ユニバーサル開窓は約5cmの直径である。別の好ましい態様において、ユニバーサル開窓は約4cmの直径である。
【0036】
図3Aを参照すると、本発明のいくつかの態様において、ユニバーサル有窓エンドグラフトの開窓は、ユニバーサル有窓エンドグラフトの腔に対して直接は開かず、むしろユニバーサル有窓エンドグラフトの腔の内側に設置された1つ以上のカニューレ挿入部112とかみ合う。ここで図2を参照すると、カニューレ挿入部は、外部開口113、へり114、空洞115、管状部分116および内部開口117を含み得る。外部開口113は、それがかみ合う開窓の寸法と同じであっても異なってもよい。例えば、一態様において、外部開口は、例えば解剖学的な変形および特定の標的分枝血管(1つまたは複数)に応じて、約3〜約7cmの直径である。好ましい態様において、外部開口は約5cmの直径である。別の好ましい態様において、外部開口は、約4cmの直径である。いくつかの態様において、外部開口113は、実質的に円形であり得るかまたは楕円形であり得る。例として、外部開口113および開窓は、腎動脈、腹腔動脈および上部腸間膜動脈の標的(例えば3cm)については円形、かつより小さな直径であり得、上大動脈血管(例えば7cm)については楕円形、かつより大きくなり得る。
【0037】
カニューレ挿入部は任意の形状を取り得るが、いくつかの態様において、カニューレ挿入部は、構成要素に応じて、実質的に漏斗形、管形および/または円筒形である。例えば、いくつかの態様において、管状部分116は、実質的に管形である。ユニバーサル有窓エンドグラフトの内側の該カニューレ挿入部112の向きは、例えば患者における解剖学的変形、血流保護の必要性などの要因に応じて変化し得る。例えば、カニューレ挿入部の管状部分を通る長手軸は、主要ユニバーサル有窓エンドグラフトのボディー部の長手軸に対して、実質的に平行(いずれの向きにおいても)、斜め、または90°の角度の向きであり得る。いくつかの態様において、カニューレ挿入部112は、尾方および/または頭方のいずれかの向きであり得る。
【0038】
例えば、大動脈弓および頸動脈/無名動脈の標的分枝を含む手法において、一般的に外部開口113およびカニューレ挿入部112を、過剰な角度のアプローチにより生じる血流の逆流を防ぐように設置することが有益であるだろう。したがって、図17A〜Bに図示される態様において、カニューレ挿入部112aおよび112bは、血流を容易にするために斜めの角度である。
【0039】
上述のように、カニューレ挿入部は、ユニバーサル有窓エンドグラフトの側面とかみ合い得る。図9に示されるように、カニューレ挿入部は、その全体の壁の1つを、ユニバーサル有窓エンドグラフトと共有し得るか、その壁の1つの一部を、ユニバーサル有窓エンドグラフトと共有し得るか、またはユニバーサル有窓エンドグラフトとは独立し、1つ以上の取付け点118、119、120とかみ合う壁を有し得る。
【0040】
カニューレ挿入部の管状部分116は、実施される手順に必要な装置、例えばカテーテルおよび/または誘導要素を収容し得るならば、任意の寸法であってよい。例えば、いくつかの態様において、管状部分116は、約15mm〜約20mmの長さおよび約6mm〜約8mmの直径である。例えば、一態様において、管状部分116は、該手法の標的が、腎動脈、腹腔動脈および上部腸間膜動脈である場合、6mmの直径であるべきである。より大きな上動脈分枝については、管状部分116は、より大きく、例えば8mmの直径であり得る。
【0041】
図5に図示するように、カニューレ挿入部112の管状部分116は、ユニバーサル有窓エンドグラフトの腔107と分枝血管121を架橋するために使用され得る。ここで図6を参照すると、一態様において、カニューレ挿入部は適切な寸法、すなわち作業カテーテル122が、分枝血管124の口123とかみ合い、誘導要素125を導入し、カニューレ挿入部の管状部分(図6)と口を通過する分枝動脈の最初の長さの間の距離を測定し、カニューレ挿入部の管状部分を分枝の近位端に連結する第2のエンドグラフト(図5の参照番号126)を設置することを可能にするような適切な寸法である。いくつかの態様において、測定される、口を通過する分枝動脈の最初の長さは、約1.5〜2cmである。
【0042】
いくつかの態様において、植え込み手法は、多くの局面において同様であるが、種々の局面において異なってもよい。例えば、該手法は、隣接-腎動脈瘤を治療するために使用され得る。例えば、(図7に示されるように)腎動脈のためのユニバーサル開窓を有し、上部腸間膜動脈のための前方扇形部を有するユニバーサル有窓エンドグラフトは、大動脈に設置され、前方放射線不透過性マークにより方向づけられ、上部腸間膜動脈口を収容し、受容するのに最適な高さで展開される。放射線不透過性マークはまた、末端で、かつ外部開口の高さで設置され得る。ユニバーサル開窓は、腎臓分枝を受容するように設置され得る。この点で、自己拡張性(self expandable)エンドグラフトは、部分的に収縮するワイヤを解放するシースから解放され得る。代替的に、部分的に収縮するワイヤは、エンドグラフトの正確な位置調整を実現する位置に維持され得る。カニューレ挿入部の管状部分の内部開口は尾方に向けられ、内部開口はカニューレ挿入を容易にするために広がる。適切な形状を有するカテーテルが、下方から、内部開口を通ってカニューレ挿入部に導入され、腎動脈口とかみ合い、動脈にカニューレ挿入される。腎動脈に誘導要素が導入され、カニューレ挿入部の管状部分と腎動脈の2cm内側の間の距離を測定するために、印をつけられたカテーテルが使用される。図5に示すように、第2のエンドグラフトが選択され、カニューレ挿入部の管状部分と腎動脈の胴部の間の架橋として機能するための部位に展開される。図12に示すように、バルーン拡張性または自己拡張性エンドグラフトが使用され得る。エンドグラフトと分枝を架橋するために必要な管状エンドグラフトの長さを測定した後、エンドグラフトは分枝に進められて解放され、バルーンによりエンドグラフトが成形され、最終的な動脈造影がなされる。
【0043】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトは、任意の血管に使用され得る。例えば、大動脈の場合において、該エンドグラフトは、隣接-腎動脈瘤、腹大動脈瘤、胸-腹動脈瘤、腸管動脈の動脈瘤、および大動脈弓の動脈瘤を評価および/または治療するために適用され得る。
【0044】
上述のように、ユニバーサル有窓エンドグラフトの開窓は、腹腔動脈、上部腸間膜動脈および1つ以上の腎動脈などのいくつかの動脈を被覆または受容するほどに十分に広いものであり得る。さらに、カニューレ挿入部の形状および構造は、治療される動脈の数、輪郭などに従って調整され得る。
【0045】
本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトは、カニューレ挿入部の管状部分中に1つ以上のチャンバーをさらに含む、1つ以上のカニューレ挿入部を含み得る。一態様において、カニューレ挿入部の管状部分は、管状部分を通って内部開口へ長手方向に伸長する多数のチャンバーを含み得る。例えば、図14および15に示されるように、2つの分枝動脈が被覆される場合、特定の分枝動脈標的へのカニューレ挿入のために、2つのチャンバー127および128がカニューレ挿入部112に構築され得る。前述のように、カニューレ挿入部の内部開口は、尾方(図3に示す)または頭方(図18に示す)に向けられ得る。
【0046】
いくつかの態様において、(例えば、図3Bに示されるように、)カニューレ挿入部は、カニューレ挿入部を有するユニバーサル有窓エンドグラフトの収縮を促進して、標的血管領域に送達するために、また標的に送達され、拡張された際に、形態、形状および輪郭の完全性を維持するために、網目状であり得るか、またはジグザグ構造を含み得る。いくつかの態様において、カニューレ挿入部112は、図10Aおよび10Bに示されるように、主要ユニバーサル有窓エンドグラフト中に、金属の連続体であり得る金属構成要素を含み得る。カニューレ挿入部は、(図3および11に示されるように)網目状であり得、開窓の縁に取り付けられ得、送達のために収縮され得、および/または(図12に示されるように)扁平なバルーン(low profile balloon)上で、展性を示し、収縮され得る。この様式に使用される金属構成要素は、実質的にカニューレ挿入部112の形状を形成する骨格、枠組みまたは格子を含み得る。該金属構成要素は、例えばDacron、ePTFEなどで被覆され得る。外部開口113も金属構成要素を含み得ることが理解される。この様式では、外部開口の形状は、実質的に、潰れをほとんど心配することなく装置を前進させることを可能にするように保護され得る。
【0047】
いくつかの態様において、図2に示されるように、本発明のカニューレ挿入部は、さらに、管状部分の末端に配置される広がった内部開口117を含み得る。図3Bおよび13Aに示されるように、カニューレ挿入部112は、さらに、例えば外部開口またはユニバーサル開窓のへりで、カニューレ挿入部112に取り付けられた誘導要素125を含み得る。図13A〜Bを参照すると、誘導部125は、外部開口113を通ってカニューレ挿入部の空洞115へ、および管状部分116を通って内部開口117の外側へ伸長し得る。次いで、(図13Bに示されるように、)誘導要素129は、先導シース129の内側へ入り、該シースの弁130または該弁に作製された開口から出る。一態様において、誘導要素125はスレッドであり得るかまたは誘導要素であり得る。同様に、カニューレ挿入部は、シースの弁内のカニューレ挿入部の内部開口から出るバルーンを含み得る。
【0048】
ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、誘導要素、バルーンまたは他の血管内操作手段の通行に適している。これは、支流への接触および/または支流に導管を付与するためのデバイスの設置のための足場としても機能し得る。これは、強化の役割を果たすかまたは間にある支流の間にさらなるグラフト部分の能力を付与するための、他の血管内グラフト材料またはプロテーゼの足場として機能し得る。
【0049】
ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、カテーテルにより、例えば、患者の大動脈内の腹大動脈瘤内に導入され得る。好ましくは、ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、修復または排除される部分の近位にある大動脈の正常な部分に固定される。例えば、固定は、全ての腹部病理については下部胸大動脈内で、および胸部病理については無名動脈の近位になされ得るが、固定は、固定技術に適切な壁(mural)形態学により、任意の正常な直径の大動脈に設置され得る。ユニバーサル有窓エンドグラフト100の近位端または上流端は、適切な場合に、腎動脈、肝動脈および腸間膜動脈のいずれかまたは全ての近位または上部に設置され得る。
【0050】
ユニバーサル有窓エンドグラフトおよびカニューレ挿入部は、自己拡張性であり得るか、またはそれらはバルーン拡張性であり得るか、または2つの技術の組み合わせが使用され得る。
【0051】
ここで図3A〜Bを参照すると、本発明の種々の態様は、カニューレ挿入部112を含む主要ユニバーサル有窓エンドグラフト100を含むことが示される。図3Aに図示されるユニバーサル有窓エンドグラフト100中に示されるカニューレ挿入部112は、外部開口113を含み、この態様において、外部開口113は、ユニバーサル開窓、へり114、空洞115、管状部分116および内部開口117と同じサイズである。内部開口117は、図2および図3Aに示される態様に示されるように、直線、先細りであり得るかまたは広がり得る。好ましくは、内部開口117は、分枝血管内または分枝血管を通って進入させることを容易にするカテーテルなどの装置を、カニューレ挿入部に容易に進入させるために広がる。
【0052】
図3Bに示される態様は、外部開口113から、空洞115、管状部分116を通って、内部開口117の外に至る誘導要素125を有するカニューレ挿入部112を示す。図3Bは、拡張した状態および潰れた状態または収縮された状態のカニューレ挿入部112の態様を示す。図3A〜Bおよび図11A〜Bに示されるカニューレ挿入部112は、カニューレ挿入部の収縮を容易にする網目状構造である。
【0053】
ここで図4を参照すると、本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの態様の頭方部分が示される。上部腸間膜動脈(SMA)ならびに図に表した(exposed)口133a、b、c、dを有する種々の位置の右腎動脈132のための扇形部131が図4に示される。この例において、カニューレ挿入部112の外部開口113は、主要ユニバーサル有窓エンドグラフト100の第1の壁105内に設置される。ここで、外部開口113は、種々の位置および角度で接近する腎動脈132との接続性に順応できるほどに十分に大きい。図4はまた、主要ユニバーサル有窓エンドグラフト100の腔中に開く空洞115および内部開口117を有するカニューレ挿入部112を示す。
【0054】
ここで図5を参照すると、腎動脈121に連結されるカニューレ挿入部112を図示する本発明の態様が示される。この態様において、腎動脈121は、第2のエンドグラフト126を介して、大動脈の腔内に設置されたユニバーサル有窓エンドグラフト100に連結される。第2のエンドグラフト126は、腎動脈から、外部開口113を通って、空洞115および下方の管状部分116へと伸長するように、カニューレ挿入部112を使用して設置されている。この図において、腎動脈は、エンドグラフト100とは分離して不連続であることを図示することを目的として示されるが、実際の手法条件では、腎動脈は、大動脈およびエンドグラフト100に連結されることが当業者には理解される。
【0055】
ここで図6を参照すると、図5に図示される第2のエンドグラフト126を設置するために使用される方法の例が示される。この図において、カテーテル122および誘導要素125は、カニューレ挿入部112の広がった内部開口117に挿入され、管状部分116、外部開口113および腎動脈口123を通って伸長する。管状部分116と、腎動脈分枝の胴部との距離を測定するためにカテーテル122上のマークが使用される。この測定を利用して、図5に示される第2のエンドグラフト架橋の設置が誘導される。この図において、腎動脈は、エンドグラフト100とは分離して、不連続であることを図示することを目的として示されるが、実際の手法条件では、腎動脈は大動脈およびエンドグラフト100に連結されることが当業者には理解される。管状部分と分枝動脈の最初の部分の間に第2のエンドグラフト126が展開されると、腎動脈は、エンドグラフト100に連結される。
【0056】
ここで図7を参照すると、ユニバーサル有窓エンドグラフトの上部部分が示される。この態様では、腹部動脈、上部腸間膜動脈、ならびに左および右腎動脈の交差が図示される。主要ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、上部腸間膜動脈との連結のためのエンドグラフト100内のより大きい開窓である扇形部133を含む。該エンドグラフト100は、左および右腎動脈との連結のために2つのカニューレ挿入部112aおよび112bを有することが示される。図3は、修復中の大動脈瘤も示す。
【0057】
有窓エンドグラフトは、一般的に、収縮された形態で血管内に挿入され設置される。適切な位置に調整されると、エンドグラフトの末端は、連続的な順序で開放され、血管の壁に取り付けられる。図1は、部分的に収縮された形態および解放/拡張された形態の主要ユニバーサル有窓エンドグラフトの例を図示する。部分的に収縮されたエンドグラフトにより、分枝のカニューレ挿入を容易にする方向の変化が可能になる。
【0058】
図8は、1つのユニバーサル開窓または開口134から伸長する3つの独立したカニューレ挿入部112a、112b、112cを含む、本発明のユニバーサル有窓エンドグラフト100を示す。この態様において、3つの独立したカニューレ挿入部は、上部腸間膜動脈(SMA)、腹腔動脈(CA)および右腎動脈と対を形成する。図8に図示される態様は、それぞれの動脈について特定のカニューレ挿入部を使用して、SMA、CAおよび右腎動脈と架橋されるように配置された3つの第2のエンドグラフト126a、126b、126cを示す。
【0059】
図9A〜Bは、カニューレ挿入部の2つの態様およびカニューレ挿入部がどのようにユニバーサル有窓エンドグラフト100とかみ合うかを示す。一態様において、カニューレ挿入部112は、主要エンドグラフトと壁を共有し、他の態様において、カニューレ挿入部の壁は、取付け点118、119、120の位置でカニューレ挿入部が主要エンドグラフトに取り付けられ得ること以外は、主要エンドグラフトの壁とは独立している。例えば、取付け点は、ユニバーサル開窓の縁にあり得る。
【0060】
図10は、ユニバーサル有窓エンドグラフトおよびカニューレ挿入部が一続きの構造であり得ることを図示し、カニューレ挿入部は、ユニバーサル有窓エンドグラフトの主要ボディー部の一部を形成する。
【0061】
本発明の別の態様において、有窓エンドグラフトは、ユニバーサル有窓エンドグラフトの収縮または圧縮および標的部位への送達を容易にするために、図11A〜Bおよび図2Bに示されるように網目状であるカニューレ挿入部を含み得る。図11は、圧縮された(図11A)形態および拡張された(図11B)形態の網目状のカニューレ挿入部の配置を示す。
【0062】
本発明の別の態様において、有窓エンドグラフトは、種々の大きさおよび輪郭を有する目的物の上に確実にフィットするように、展性であるカニューレ挿入部を含み得る。例えば、図12は、バルーンを被覆する本発明の展性のカニューレ挿入部を示す。展性のカニューレ挿入部は、目的物の必要性、大きさまたは輪郭に応じて圧縮され得るか(図12A)または拡張され得る(図12B)。一態様において、展性のカニューレ挿入部は、展開のために最初に圧縮され、ユニバーサル有窓エンドグラフトが拡張されると、バルーンは膨張し、カニューレ挿入は拡張される。
【0063】
図14は、大動脈弓に設置されたユニバーサル有窓エンドグラフトを示す本発明の態様を示す。この態様において、外部開口113は、十分に大きく、かつ2つ以上の上部大動脈分枝を収容するように設置される。例えば、図14では、外部開口113は、2つの上部大動脈分枝、具体的には無名動脈135および左頸動脈136を受容する。この態様において、カニューレ挿入部112は、2つのチャンバー127および128のそれぞれにより収縮され、該チャンバーの1つは、無名動脈架橋のための第2のエンドグラフト126aを受けるためのものであり、もう一方は、左頸動脈架橋のための第2のエンドグラフト126bを受けるためのものである。この態様において、カニューレ挿入部112の管状部分116に2つのチャンバー127および128が設置される。
【0064】
図15は、上部大動脈と連結されたユニバーサル有窓エンドグラフトを示す本発明の態様を示す。図15に図示される態様は、鎖骨下動脈137に栓がされ血流がさえぎられる以外は図14と同様である。代替的に、鎖骨下動脈の血流を保護する必要がある場合、本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトは、これも被覆するように改変され得る。
【0065】
図16は、総腸管動脈瘤についてユニバーサル有窓エンドグラフト100を示す本発明の態様を示す。この態様において、ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、二股に分かれて腸管動脈内に設置される。この例における主要エンドグラフトは、外部腸管動脈139に伸長する長いリム(limb)138、および下腹部動脈141に向かって内部開口117が広がった大きなカニューレ挿入部112を有する短い管状部分140を含む。図16はまた、カニューレ挿入部112の管状部分140と下腹部動脈141を連結する第2のエンドグラフト126を示す。
【0066】
図17A〜Bは、無名動脈および左頸動脈の流れを保護する、大動脈弓についての本発明のユニバーサル有窓エンドグラフトの態様を示す。この態様において、2つの独立したカニューレ挿入部112aおよび112bがあり、1つは左頸動脈についてであり、1つは無名動脈についてである。この態様において、カニューレ挿入部は、血流を容易にするために斜めの角度である。
【0067】
図18A〜Bは、隣接-腎動脈のためのユニバーサル有窓エンドグラフトを示す本発明の態様を示す。この態様において、主要ユニバーサル有窓エンドグラフト100は、腹部動脈から伸長する腎動脈を収容するように設計された外部開口113、管状部分116を有するカニューレ挿入部112および内部開口117を含む。また、上部腸間膜動脈への進入および主要ユニバーサル有窓エンドグラフト100の腔への連結のための扇形部134がこの態様に示される。この態様において、カニューレ挿入部112aおよび112bは、頂部進入のために頭方に方向づけられる。
【0068】
図19A〜Bは、腹腔動脈、上部腸間膜動脈および腎動脈のための3つのカニューレ挿入部を有する、隣接-腎臓動脈についてのユニバーサル有窓エンドグラフトを示す本発明の態様を示す。
【0069】
本発明はさらに、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトに関する。いくつかの態様において、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトデバイスは、主要管状ボディー部/円筒部を含む。一態様において、主要管状ボディー部/円筒部は、約6cmの長さである。主要管状ボディー部/円筒部は、可変的な直径を有し得る。第2の円筒部/腔が、主要円筒部の内側に設置されてもよい。一態様において、第2の円筒部/腔は、約15cmの長さおよび約18mmの直径である。主要円筒部の内側には、主要な円筒部と同じ長手軸に続いて、1つ以上のより小さい分枝腔/円筒部があってもよい。一態様において、該分枝腔/円筒部は、同じ直径である。しかしながら、好ましい態様において、分枝腔/円筒部は、異なる直径である。例えば、4つの分枝腔/円筒部を含むユニバーサル枝分かれエンドグラフトの一態様において、2つは6mmの直径であり、残りの2つは8mmの直径である。15cmの長さの円筒部の主要円筒部の円周に沿って、4つの小さな円筒部が放射状に配置される。
【0070】
いくつかの態様において、分枝の直径は標準的に作製され、長さも同様であり、主要円筒部の直径は、特定の解剖学における使用のために選択的で可変的である。
【0071】
いくつかの態様において、近位部分は独立した壁を有さず、主要円筒部および短円筒部の外部壁を共有するか、代替的に、ただファブリック壁を有する。かかる態様において、短部分の外部壁は、主要エンドグラフトの内部壁と一緒になって、大動脈伸長のための管を形成する。
【0072】
いくつかの態様において、短円筒部および15cmの長円筒部の内表面は、金属ステント様骨格を有する。エンドグラフトは、該骨格に連結し、その場に固定される。金属およびファブリックは、縫合または種々の接着剤により一緒に維持される。膜を使用して、金属とファブリックを一緒に設置し得る。短円筒部の代替的な態様において、壁は単に、ファブリックであり、開通性を維持するために、末端に2つの金属リングを有する。
【0073】
円筒部の壁は、一般的に、エンドグラフトの標準的な壁を作製するためのファブリックおよび金属の組み合わせであり得る。該金属は、ニチノール、コバルト(nobalt)-クロムもしくはステンレス鋼、または同様の特性を有する任意の適切な金属であり得る。金属の返しは、金属骨格の一部であり得、主要円筒部の外側に突出する。前方、および四分円の左下の方向に放射線-不透過性マークが配置され得る。
【0074】
いくつかの態様において、主要円筒部の内側に円筒部が設置され、隙間が圧縮性のテクスチャライズされたファブリックで埋められ得る。該ファブリックはポリエステルまたはePTFE製であり得る。しかし一般的には、任意の膜またはファブリック様の生体適合性、非吸着性物質が使用され得る。代替的に、隙間が生じないこともあり、全てまたはいくつかの壁が円筒部の間で共有される。
【0075】
上述のように、いくつかの態様において、異なる円筒部は互いに独立し得るか、または隣接する円筒部(1つまたは複数)と壁を共有し得る。独立した壁の場合、異なる構成要素の間の空間は、隙間を密封する軟性で圧縮性のファブリックで埋められ得る。代替的に、4つの小さな円筒部が連結され、主要円筒部の空洞の円周に沿って取り付けられる。連結された4つの円筒部が取り付けられた後の空洞の残りの容積は、長さの最初の6cmが内部主要円筒部および連結された4つの小さな円筒部の外表面と壁を共有する、15cmの長さの円筒部の空洞を構成する。したがって、15cmの長さの円筒部の上部には、小さな円筒部および主要円筒部の外壁が使用される。主要エンドグラフトの尾方の縁において、空洞は、15cmの長さの円筒部の壁の続きであり、残りの9cmについては円筒状に伸長する。
【0076】
いくつかの態様において、小さな円筒部の壁は、単にファブリックで構築されるが、円筒部の両端で、金属の横軸(row)と一体となって、空洞の開口を維持する。
【0077】
いくつかの態様において、15cmの長さの円筒部は、9cmの主要円筒部として形成され、その壁は、最初の6cmは単にファブリックであり、その後の9cmは金属を有するファブリックである。代替的に、15cmの長さの円筒部の上部は、最初の4cmで壁を共有し、最後の2cmではそれ自身のファブリック壁を有する。隣接する約6cmの長さの部分は、主要円筒部から短円筒部が占める領域を引いた空洞の体積である不定形の形状を有し得る。15cmの長さの円筒部の近位空洞は、ファブリックを補強する金属を有する現在の円形部分管の続きである。
【0078】
小さな円筒部は、ステント様金属骨格により開いたまた維持される。「ジグ(zig)」の形態の小さな円筒部内の金属は、外側にある連結管エンドグラフトの金属骨格と相互作用するために、管の内表面中に配置される。小さな円筒部および連結エンドグラフト(管)のジグは、互いに適合し、それらの間の連結を固定する。実際に、小さな円筒部はファブリックのみで形成され、それらの開口を維持するために、2つのリングが末端に適用される。
【0079】
いくつかの態様において、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの直径は、動脈瘤上の正常な大動脈の直径の15%を足すことにより選択され得る。
【0080】
ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの植え込み手順は、一般に、以下の工程を含み得る。ユニバーサル枝分かれエンドグラフトの植込みは、総大腿大動脈から経皮的に、または切開により実施され得る。ユニバーサル枝分かれエンドグラフトを含む送達系は、誘導要素を越えて進められ、標的、例えば動脈瘤の近位の展開の領域に到達する。前方放射線不透過性マークまたは他の技術は、デバイスの適切な方向付けを補助し得、正しい方向付けを確認した後、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトが展開される。所望の位置に展開されると、溝(channel)がカニューレ挿入され得、1つずつに分枝がカニューレ挿入される。カテーテルおよび誘導要素は、内臓分枝の腔に配置され得る。マークをつけられたカテーテルおよび他の技術を使用して距離が計算され、標的分枝の距離および直径などの要因に従って、適切な第2のエンドグラフトが選択される。それぞれの第2のエンドグラフトは、誘導要素により誘導されると、バルーンにより展開され得、成形され得る。一態様において、標的分枝の最初の15mmは、第2のエンドグラフトに被覆される。ユニバーサルエンドグラフトの最初の設置は、大腿動脈から行われ得る。溝および分枝のカニューレ挿入は、上部の四肢から行われ得る。
【0081】
例えば、一態様において、ガイドとしてワイヤを使用して、誘導要素は大腿動脈から胸大動脈腔に挿入される。エンドグラフトを含むシースを所望の位置まで進め、参照として放射線不透過性マークを使用して展開する。いったん展開されると、上から分枝がカニューレ挿入され、内臓分枝内にカテーテルが導入される。第2のエンドグラフトは、誘導要素により誘導されると、展開されて、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトと大動脈分枝を架橋する。
【0082】
いくつかの態様において、それぞれの小さい円筒部は、カニューレ挿入され、管エンドグラフト(tube endograft)を介して内臓分枝の内側に伸長され得る。中間に位置する小さい円筒部は、腹腔動脈および上部腸間膜動脈へ伸長するように使用され得る。側方の小さな円筒部は、両方の腎動脈へ伸長するように使用され得る。
【0083】
いくつかの態様において、主要円筒部は、摩擦、およびエンドグラフトの金属製構成要素の一部である返しにより画定された能動的な固定により大動脈壁に固定され得る。
【0084】
いくつかの態様において、非コンプライアントバルーンは、連結エンドグラフトおよび短円筒部および内臓動脈の良好な整列を確実にするために使用され得る。連結された部分の整列を確実にするためのさらなるベアステントが使用され得る。
【0085】
いくつかの態様において、任意の内部漏れ(endoleak)を除外するために最終的な動脈造影を行ってもよい。
【0086】
ここで図20を参照すると、本発明のユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様が示される。この態様において、ユニバーサル枝分かれエンドグラフトは、4つの隣接する円筒部(示さず)からの4つのエンドグラフト伸長部142a、142b、142c、142dを有する。この態様において、4つのエンドグラフト伸長部はそれぞれ、左腎動脈、腹腔動脈、上部腸間膜動脈および右腎動脈に向かう。
【0087】
ここで図21を参照すると、本発明のユニバーサル枝分かれエンドグラフトの態様が示される。主要管状ボディー部/円筒部144内に4つの隣接する円筒部143a、143b、143cおよび143dが示され、主要円筒部の円周に沿って放射状に配置される。主要円筒部から伸長する第2の円筒部/腔145が示される。
【0088】
本明細書において、例示的態様および本発明を実施するための最良の形態を参照して本発明を記載したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の態様、応用および変形の多くの改変、改良およびその後の組み合わせ(subcombination)が本発明になされ得ることが当業者には明白である。例えば、胸大動脈瘤および腹部大動脈瘤の治療についての具体的な例が記載されたが、本明細書に記載される装置および方法は、他の動脈、静脈および他の身体経路などの身体の他の血管にも適用可能である。本明細書に記載されるユニバーサル有窓エンドグラフトの特徴は、本明細書に記載されるユニバーサル枝分かれエンドグラフトの特徴と組み合され得る(その逆もある)ことが当業者には理解されるべきである。例えば、本発明のユニバーサルエンドグラフトは、種々の材料、寸法および構造の構成要素を共有し得る。さらに、有窓エンドグラフトは枝分かれしてもよく、その逆もあり得る。
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