特許第6227548号(P6227548)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6227548組織ステープラーの安全スイッチを再係合する機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227548
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】組織ステープラーの安全スイッチを再係合する機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A61B17/115
【請求項の数】13
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2014-547335(P2014-547335)
(86)(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公表番号】特表2015-503949(P2015-503949A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(86)【国際出願番号】US2012068859
(87)【国際公開番号】WO2013090221
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年12月11日
(31)【優先権主張番号】13/328,344
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・クリストファー・シー
(72)【発明者】
【氏名】チェカン・エドワード・ジー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ジョニー・エイチ・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】カミングス・ジョン・エフ
(72)【発明者】
【氏名】シャートレフ・カール・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ダンキ−ジェイコブス・アダム・アール
(72)【発明者】
【氏名】ジャミソン・バリー・ティ
(72)【発明者】
【氏名】ヤング・ジョセフ・イー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン・コートニー・イー
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−212041(JP,A)
【文献】 特開2010−221027(JP,A)
【文献】 米国特許第06010054(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
A61B 17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構は係合タブを有するブレーキを備え、前記アクチュエータは長手方向のスロットを備え、前記ロックアウト部材が前記第2位置へ枢動するときに、前記ロックアウト部材は、前記係合タブが該スロット内へ挿入されるように該ブレーキをカム駆動するよう、操作可能である、装置。
【請求項2】
前記アクチュエータの中に係合タブが挿入されている間、前記アクチュエータは、所定の範囲に沿って長手方向に作動するように、操作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構はロックを備え、前記ロックアウト部材は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、該ロックを前記アクチュエータと係合させるように、操作可能である、装置。
【請求項4】
前記ロックはエッジ部を備え、該エッジ部は、アクチュエータの長手方向での作動に抵抗する摩擦材料を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ロックはエッジ部を備え、前記アクチュエータは、前記アクチュエータの外側表面上に設けられた複数の歯を備え、該エッジ部は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、該歯と係合する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構は前記ロックアウト部材のカム面を含み、該カム面は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、アクチュエータの長手方向での作動に抵抗する摩擦材料を含む、装置。
【請求項7】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構は作動可能なドアを備え、該ドアは、開口部を備え、該開口部を貫通してアクチュエータが延び、前記アクチュエータは1つ又は2つ以上の凹部を備え、該ドアの一部は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、前記アクチュエータの該1つ又は2つ以上の凹部に係合する、装置。
【請求項8】
前記ドアはバネと連結し、該バネは、前記ドアの前記一部が前記1つ又は2つ以上の凹部から係合解除されるように、前記ドアを付勢する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構は、前記ロックアウト部材の一部の周囲に設けられた複数の歯を備え、前記アクチュエータは前記ロックアウト部材の該歯に対して相補的な1つ又は2つ以上の歯を備える、装置。
【請求項10】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構は、前記アクチュエータの外表面上に設けられた1つ又は2つ以上のラチェット歯を備え、前記ロックアウト部材は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、前記1つ又は2つ以上のラチェット歯と係合するように操作可能なキャッチロッドを備える、装置。
【請求項11】
前記1つ又は2つ以上のラチェット歯は、前記アクチュエータの前記外表面上に配置された螺旋状のレッジ部を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ又は2つ以上のラチェット歯は、前記アクチュエータの前記外表面上に配置された複数の環状のレッジ部を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
組織をステープル留めする装置であって、
(a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、
(f)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(g)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、
を備え、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能であり、
前記固定機構はボタン組立体を含み、前記アクチュエータは、該ボタン組立体のボタンを受容するサイズの長手方向の凹部を備え、該ボタン組立体は、該ボタンが前記アクチュエータの該凹部内へと作動されたとき、前記ロックアウト部材を前記第2位置へ枢動するように、操作可能である、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
状況によっては、外科医は患者の切開部を通して外科用器具を配置し、患者の内部の組織の調整、配置、付着、及び/又は該組織との相互作用を行いたい場合がある。例えば、外科手技によっては、悪性の組織を切除するため、又はその他の理由から、消化管の一部を切り取って、除去する場合がある。一旦所望の組織を除去すると、残りの部分を互いに再結合する必要が生じる。このような吻合手技を実現するための器具の1つが、患者の切開部を通して挿入される円形のステープラーである。
【0002】
このような円形の外科用ステープラーの例としては、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1993年4月27日に発行された米国特許第5,205,459号、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1993年12月21日に発行された米国特許第5,271,544号、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1994年1月4日に発行された米国特許第5,275,322号、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1994年2月15日に発行された米国特許第5,285,945号、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1994年3月8日に発行された米国特許第5,292,053号、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1994年8月2日に発行された米国特許第5,333,773号、「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1994年9月27日に発行された米国特許第5,350,104号、及び「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」と題される1996年7月9日に発行された米国特許第5,533,661号に記載されているものが挙げられる。上に引用したこれらの米国特許のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に援用される。かかるステープラーのいくつかは、組織層を締め付けて、締め付けた組織層を切断し、ステープルを、組織層を貫通させて打ち込むことによって、組織層の切断された両端の近くで、該切断された組織層を実質的に互いに封着するように、操作可能である。
【0003】
単に追加的な他の外科用ステープラーの例としては、1989年2月21日に発行された「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題される米国特許第4,805,823号、1995年5月16日に発行された「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題される米国特許第5,415,334号、1995年11月14日に発行された「Surgical Stapler Instrument」と題される米国特許第5,465,895号、1997年1月28日に発行された「Surgical Stapler Instrument」と題される米国特許第5,597,107号、1997年5月27日に発行された「Surgical Instrument」と題される米国特許第5,632,432号、1997年10月7日に発行された「Surgical Instrument」と題される米国特許第5,673,840号、1998年1月6日に発行された「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題される米国特許第5,704,534号、1998年9月29日に発行された「Surgical Clamping Mechanism」と題される米国特許第5,814,055号、2005年12月27日に発行された「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E−Beam Firing Mechanism」と題される米国特許第6,978,921号、2006年2月21日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題される米国特許第7,000,818号、2006年12月5日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題される米国特許第7,143,923号、2007年12月4日に発行された「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi−Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題される米国特許第7,303,108号、2008年5月6日に発行された「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題される米国特許第7,367,485号、2008年6月3日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題される米国特許第7,380,695号、2008年6月3日に発行された「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two−Piece E−Beam Firing Mechanism」と題される米国特許第7,380,696号、2008年7月29日に発行された「Surgical Stapling and Cutting Device」と題される米国特許第7,404,508号、2008年10月14日に発行された「Surgical Stapling Instrument having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題される米国特許第7,434,715号、及び、2010年5月25日に発行された「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題される米国特許第7,721,930号に開示されたものが挙げられる。上に引用したこれらの米国特許のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に援用される。上で参照した外科用ステープラーは、内視鏡手技において使用されるものとして記載されているが、かかる外科用ステープラーは、開口手技及び/又は他の非内視鏡手技でも使用することができることを理解されたい。
【0004】
様々な種類の外科ステープリング器具及び関連する構成部品が作製され、使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付された特許請求の範囲に記載されている本発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を請求する、特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を、添付図面と併せ読むことで、より良好に理解されるものと考えられ、図面では、同様の参照符合は、同じ要素を特定する。
図1】例示的な円形外科ステープリング器具の側立面図である。
図2A図1の器具の例示的なステープリングヘッド組立体の長手方向の拡大断面図であり、開放位置にある例示的なアンビルが示されている。
図2B図2Aのステープリングヘッド組立体の長手方向の拡大断面図であり、閉鎖位置にあるアンビルが示されている。
図2C図2Aのステープリングヘッド組立体の長手方向の拡大断面図であり、発射済位置にある例示的なステープルドライバー及びブレードが示されている。
図3】アンビルに対して形成された例示的なステープルの拡大部分断面図である。
図4A】本体の一部を取り除いた、図1の外科用器具の例示的なアクチュエータハンドル組立体の拡大側立面図であり、未発射位置にあるトリガ、及びロック位置にあるロックアウト機構が示されている。
図4B図4Aのアクチュエータハンドル組立体の拡大側立面図であり、発射済位置にあるトリガ、及びロック解除位置にあるロックアウト機構が示されている。
図5図1の外科用器具の例示的な表示器組立体の拡大部分斜視図であり、表示窓及び表示レバーが示されている。
図6図5の表示窓の図であり、例示的な表示バー及び例示的な対応するステープルを描いた図が示されている。
図7A】ロック位置に示された、例示的なバネ装着式ブレーキ及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図7B】発射位置に示された、図7Aのバネ装着式ブレーキ及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図8A】ロック位置に示された、例示的なスクリーン・ドア・ロック及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図8B】発射位置に示された、図8Aのスクリーン・ドア・ロック及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図9A】ロック位置に示された、ブレーキを有する例示的なロックアウト機構の部分側断面図である。
図9B】発射位置に示された、図9Aのロックアウト機構の部分側断面図である。
図10A】ロック位置に示された、例示的なトラップドア及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図10B】発射位置に示された、図10Aのトラップドア及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図11A】ロック位置に示された、例示的なギア付きロックアウト機構の部分側断面図である。
図11B】発射位置に示された、図11Aのギア付きロックアウト機構の部分側断面図である。
図12A】ロック位置に示された、例示的なラチェット式トロカールアクチュエータ及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図12B】発射位置に示された、図12Aのラチェット式トロカールアクチュエータ及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図13A】ロック位置に示された、例示的なスロット式トロカールアクチュエータ及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図13B】発射位置に示された、図13Aのスロット式トロカールアクチュエータ及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図14A】器具の中心に沿った部分側断面図であり、ロック位置にある例示的な2ピース式トリガ作動組立体及びロックアウト機構を示す。
図14B】発射位置に示された、図14Aの2ピース式トリガ作動組立体及びロックアウト機構の部分側断面図である。
図15図14A〜14Bの2ピース式トリガ作動組立体のドライバーアクチュエータの部分斜視図であり、ラチェット部材及びリセットボタンが示されている。
図16図15のドライバーアクチュエータ、ラチェット部材、及びリセットボタンの概略側面図であり、リセットボタンと係合したドライバーアクチュエータが示されている。
図17A】例示的な2ピース式トリガ作動組立体及び例示的な表示器の部分側断面図であり、トリガから係合解除されたトリガ運搬部が示されている。
図17B図17Aのトリガ作動組立体の部分側断面図であり、トリガと係合されたトリガ運搬部が示されている。
【0006】
図面は、決して限定することを意図するものではなく、本技術の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されないものも含めた、様々な他の方法で実施し得ることが想到される。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、本技術のいくつかの態様を示し、説明文と共に、本技術の原理を説明する役割を果たすものであるが、しかしながら、本技術は、図示される詳細な配置構成に限定されるものではないことを、理解するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び有利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである、以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0008】
I.例示的な円形外科ステープリング器具の概要
図1〜6は、ステープリングヘッド組立体(20)、シャフト組立体(60)、及びアクチュエータハンドル組立体(70)を有する例示的な円形外科ステープリング器具(10)を示し、それぞれについては、以下により詳細に説明する。シャフト組立体(60)は、アクチュエータハンドル組立体(70)から遠位側に延び、かつ、ステープリングヘッド組立体(20)は、シャフト組立体(60)の遠位端と連結している。端的には、アクチュエータハンドル組立体(70)は、ステープリングヘッド組立体(20)のステープルドライバー(24)を作動させて、ステープリングヘッド組立体(20)の外部へ複数のステープル(66)を打ち込むように操作可能である。ステープル(66)は、器具(10)の遠位端に装着されるアンビル(40)によって曲げられ、完成したステープルを形成する。したがって、器具(10)を利用して、図2A〜2Cに示される組織(2)をステープル留めすることができる。
【0009】
この例では、器具(10)は、閉鎖システムと、発射システムと、を備えている。この閉鎖システムは、トロカール(38)、トロカールアクチュエータ(39)、及び回転ノブ(98)を備える。アンビル(40)は、トロカール(38)の遠位端に連結していてよい。回転ノブ(98)は、トロカール(38)を、ステープリングヘッド組立体(20)に対して、長手方向に平行移動するように操作可能であり、それによって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結したときには、アンビル(40)を平行移動させ、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間の組織を締め付ける。発射システムは、トリガ(74)、トリガ作動組立体(84)、ドライバーアクチュエータ(64)、及びステープルドライバー(24)を備える。ステープルドライバー(24)は、ステープルドライバー(24)が長手方向に作動したときに、組織を切断するように構成されたナイフ(36)を備える。加えて、ステープルドライバー(24)が長手方向に作動したとき、ステープルドライバー(24)がステープル(66)も遠位側に打ち込むように、ステープル(66)は、ステープルドライバー(24)の複数のステープル打ち込み部材(30)に対して遠位側に配置されている。それ故、トリガ(74)が作動し、トリガ作動組立体(84)がドライバーアクチュエータ(64)を介してステープルドライバー(24)を作動させたとき、ナイフ(36)及び部材(30)は、実質的に同時に組織(2)を切断し、ステープリングヘッド組立体(20)に対して遠位側に、組織内へと、ステープル(66)を打ち込む。これらの閉鎖システム及び発射システムの構成部品及び機能を次により詳細に説明する。
【0010】
A.例示的なアンビル
図1〜2Cに示されているように、アンビル(40)は、表面を提供するように、器具(10)と選択的に連結可能であり、該表面に対して、ステープル(66)が曲げられ、ステープリングヘッド組立体(20)とアンビル(40)との間に包含された物質をステープル留めすることができる。この例のアンビル(40)は、ステープリングヘッド組立体(20)に対して遠位側に延びるトロカール又は先のとがったロッド(38)に対して選択的に連結可能である。図2A〜2Cを参照すると、アンビル(40)は、アンビル(40)の近位シャフト(42)の、トロカール(38)の遠位先端部に対する連結を介して選択的に連結可能である。アンビル(40)は、一般的には円形のアンビルヘッド(48)、及びアンビルヘッド(48)から近位側に延びる近位シャフト(42)を備える。図示されている例では、近位シャフト(42)は、アンビル(40)をトロカール(38)に対して選択的に連結するための、弾性的に付勢された保持クリップ(46)を有する管状部材(44)を備えるが、この管状部材(44)は任意選択的なものにすぎず、同様にアンビル(40)をトロカール(38)に対して連結するための、他の保持機構を使用してもよいことを理解されたい。例えば、アンビル(40)をトロカール(38)に対して連結するために、Cクリップ、クランプ、糸、ピン、接着剤などを用いてよい。加えて、アンビル(40)は、トロカール(38)に選択的に連結可能であるように説明されているものの、変更例によっては、近位シャフト(42)は、一旦アンビル(40)を装着すると、アンビル(40)をトロカール(38)から除去することができないように、一方向の連結機構を備えてもよい。例示的なものにすぎないが、一方向の機構としては、かえし(barb)、一方向スナップ、コレット、カラー、タブ、バンドなどが挙げられる。もちろん、アンビル(40)をトロカール(38)へ連結するための更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、トロカール(38)は、代わりに中空のシャフトであってもよく、近位シャフト(42)は該中空のシャフトに挿入可能なとがったロッドを備えていてもよい。
【0011】
この例のアンビルヘッド(48)は、アンビルヘッド(48)の近位面(50)に形成された複数のステープル形成用ポケット(52)を備える。したがって、図2Cに示すように、アンビル(40)が閉鎖位置にあり、ステープル(66)がステープリングヘッド組立体(20)の外部に、ステープル形成用ポケット(52)の中へと打ち込まれたとき、ステープル(66)の脚部(68)が曲げられて、完成したステープルが形成される。ステープル形成用ポケット(52)は、任意選択的なものにすぎず、変更例によっては、省略してもよいことを理解されたい。
【0012】
別個の構成部品としてのアンビル(40)の場合は、アンビル(40)は、ステープリングヘッド組立体(20)に対して連結されるに先立って、組織(2)の一部に挿入され、固定されてよいことも、理解されたい。例示的なものにすぎないが、アンビル(40)は、器具(10)が組織(2)の第2管状部分の中に挿入され、固定されたままで、組織(2)の第1管状部分の中に挿入され、固定されてよい。例えば、組織(2)の第1管状部分は、アンビル(40)の一部に対して、又はアンビル(40)の一部の周囲に縫合されてもよく、組織(2)の第2管状部分は、トロカール(38)に対して、又はトロカール(38)の周囲に縫合されてもよい。
【0013】
図2Aに示すように、その後、アンビル(40)は、トロカール(38)に連結される。この例のトロカール(38)は、遠位の最も作動された位置で図示されている。このようにトロカール(38)が伸長した位置にくることで、アンビル(40)の装着に先立って組織(2)が連結され得る面積をより広く提供することができる。加えて、トロカール(38)が延長した位置にくることで、アンビル(40)のトロカール(38)に対する装着をより容易にすることもできる。更に、トロカール(38)は、テーパー付き遠位先端部を備えてよい。このような先端部は、組織に穴を開けることができ、かつ/又は、トロカール(38)上へのアンビル(40)の挿入を補助することができてよいが、このテーパー付き遠位先端部は、任意選択的なものにすぎない。例えば、他の変更例では、トロカール(38)は、鈍先端部を有してもよい。加えて、又は、代替的に、トロカール(38)は、アンビル(40)をトロカール(38)へ引き寄せることができる磁性部(図示せず)を備えてもよい。もちろん、アンビル(40)及びトロカール(38)のための尚更なる構成及び配置が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
アンビル(40)がトロカール(38)に連結されるとき、アンビル(40)の近位面とステープリングヘッド組立体(20)の遠位面との間の距離が、ギャップ距離dを定義する。この例のトロカール(38)は、以下により詳細に説明されるように、アクチュエータハンドル組立体(70)の近位端に位置する調整ノブ(98)を介して、ステープリングヘッド組立体(20)に対して、長手方向に平行移動可能である。したがって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結されているときには、調整ノブ(98)の回転が、ステープリングヘッド組立体(20)に対してアンビル(40)を作動させることによって、ギャップ距離dを拡げ、又は減少させる。例えば、図2A〜2Bに順に示されているように、アンビル(40)は、初めの開放位置から閉鎖位置へと、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に作動して、これによって、接合のために、ギャップ距離d、及び組織(2)の2つの部分の間の距離を減少させることがわかる。一旦ギャップ距離dが所定の範囲以内になれば、図2Cに示すように、ステープリングヘッド組立体(20)が発射され、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間の組織(2)を、ステープル留めし、かつ切断することができる。以下により詳細に説明されるように、ステープリングヘッド組立体(20)は、アクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ(74)を枢動させるユーザによって、組織(2)をステープル留めし、かつ切断するように操作可能である。
【0015】
上記したように、ギャップ距離dは、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間の距離に対応する。器具(10)が患者内に挿入されるとき、このギャップ距離dを容易に視認可能でない場合がある。したがって、トリガ(74)に対向して配置される表示窓(120)を通して視認可能となるよう、図5〜6に示す可動式の表示バー(110)が提供される。表示バー(110)は、表示バー(110)の位置がギャップ距離dを表すように、調整ノブ(98)の回転に応答して移動するように操作可能である。図6に示すように、表示窓(120)は、更に、アンビルのギャップが所望の動作範囲(例えば、緑色に着色された範囲又は「グリーンゾーン」)内にあること、及び、目盛り(130)のそれぞれの端部に対応するステープルの圧縮を描いた図を示す、目盛り(130)を備える。例示的なものにすぎないが、図6に示すように、第1ステープル図(132)は高さの高いステープルを示す一方で、第2ステープル図(134)は高さの低いステープルを示す。したがって、ユーザは、連結されたアンビル(40)の、ステープリングヘッド組立体(20)に対する位置を、表示バー(110)及び目盛り(130)を介して、視認することができる。したがって、その後、ユーザは、調整ノブ(98)を介してアンビル(40)の配置を調節することができる。
【0016】
図2A〜2Cを再度参照すると、アンビルヘッド(48)がステープル留めされる組織(2)の一部の中に位置するように、ユーザは、組織(2)の一部を、管状部材(44)の周囲に縫合する。組織(2)がアンビル(40)に装着されたとき、ユーザがアンビル(40)をトロカール(38)に対して連結できるように、保持クリップ(46)及び管状部材(44)の一部が組織(2)から外部へ突出する。組織(2)をトロカール(38)及び/又はステープリングヘッド組立体(20)の他の部分に連結した状態で、ユーザはアンビル(40)をトロカール(38)に対して装着し、アンビル(40)を、ギャップ距離dを減少させるために、ステープリングヘッド組立体(20)へ向かって近位側に作動させる。一旦器具(10)が動作範囲内に入れば、ユーザは、組織(2)の両端を互いにステープル留めし、それによって、実質的に連続した組織(2)の管状部分を形成する。
【0017】
アンビル(40)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築され得るであろう。
【0018】
B.例示的なステープリングヘッド組立体
この例のステープリングヘッド組立体(20)は、シャフト組立体(60)の遠位端に連結され、かつ、摺動可能なステープルドライバー(24)及びステープルポケット(32)内に包含される複数のステープル(66)を収容する管状ケーシング(22)を備える。ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、管状ケーシング(22)の周囲に円形アレイ状に設けられている。この例では、ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、ステープル(66)及びステープルポケット(32)からなる一対の同心環状列として設けられている。ステープルドライバー(24)は、アクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ(74)の回転に応答して、管状ケーシング(22)内で長手方向に作動するように操作可能である。図2A〜2Cに示すように、ステープルドライバー(24)は、トロカール開口部(26)、中央凹部(28)、及び、中央凹部(28)の周囲に設けられかつシャフト組立体(60)に対して遠位側に延びる複数の部材(30)を有するフレア状の円筒状部材を備える。それぞれの部材(30)は、ステープルポケット(32)内の複数のステープル(66)のうち、対応するステープル(66)と接触し、かつ係合するように構成されている。したがって、ステープルドライバー(24)が、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して、遠位側に作動されたとき、それぞれの部材(30)は、管状ケーシング(22)の遠位端の中に形成されるステープル孔(34)を通して、ステープルポケット(32)の外部へと、対応するステープル(66)を打ち込む。それぞれの部材(30)はステープルドライバー(24)から延びているため、複数のステープル(66)は、ステープリングヘッド組立体(20)の外部へと、実質的に同時に打ち込まれる。アンビル(40)が閉鎖位置にあるとき、ステープル(66)は、ステープル形成用ポケット(52)の中へと打ち込まれて、ステープル(66)の脚部(68)を曲げ、それによって、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間に位置する物質をステープル留めする。図3には、例示的なものにすぎないが、部材(30)によって、脚部(68)を曲げるために、アンビル(40)のステープル形成用ポケット(32)の中へと打ち込まれたステープル(66)が示されている。
【0019】
ステープルドライバー(24)は、トロカール開口部(26)と同軸であり、かつステープルポケット(32)から嵌めこまれる円筒状ナイフ(36)を更に備える。この例では、円筒状ナイフ(36)は、ステープルドライバー(24)と共に遠位側に平行移動するように、中央凹部(28)内に設けられている。上述したように、アンビル(40)がトロカール(38)に固定されているとき、アンビルヘッド(48)は、表面を提供し、該表面に対して、円筒状ナイフ(36)が、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間に包含される物質を切断する。変更例によっては、アンビルヘッド(48)は、円筒状ナイフ(36)が物質を切断することを補助するための凹部(図示せず)を(例えば、協働する剪断エッジ部を提供することによって)、備えてもよい。加えて、又は、代替的に、アンビルヘッド(48)は、はさみ型の切断動作を提供できるように、円筒状ナイフ(36)からオフセットした、1つ又は2つ以上の対向する円筒状ナイフ(図示せず)を備えてもよい。更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。それ故、ステープリングヘッド組立体(20)は、アクチュエータハンドル組立体(70)による作動に応答して、実質的に同時に、組織(2)のステープル留め及び切断の両方を行うように操作可能である。
【0020】
もちろん、ステープリングヘッド組立体(20)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築され得るであろう。
【0021】
既に述べた通り、ステープルドライバー(24)は、トロカール開口部(26)を備える。トロカール開口部(26)は、トロカール(38)が、ステープリングヘッド組立体(20)、及び/又はシャフト組立体(60)に対して、長手方向に摺動することを可能にするように構成される。図2A〜2Cに示すように、トロカール(38)は、以下にアクチュエータハンドル組立体(70)に関してより詳細に説明されるように、トロカール(38)が回転ノブ(98)の回転を介して長手方向に作動され得るよう、トロカールアクチュエータ(39)に連結されている。この例では、トロカールアクチュエータ(39)は、トロカール(38)に連結された、細長く、比較的硬質のシャフトを備えるが、これは任意選択的なものにすぎない。変更例によっては、アクチュエータ(39)は、器具(10)の一部を使用中に選択的に曲げることができるように、又は湾曲させることができるように、短手方向には曲げることが可能であるが、長手方向には硬質である材料を備えてもよく、又は、器具(10)は、予め曲げられたシャフト組立体(60)を備えていてもよい。例示的なものにすぎないが、材料としてはニチノールがある。アンビル(40)がトロカール(38)に連結されるとき、トロカール(38)及びアンビル(40)は、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間のギャップ距離dを調整するために、アクチュエータ(39)を介して平行移動可能である。アクチュエータ(39)がトロカール(38)を長手方向に作動する尚更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
C.例示的なシャフト組立体
図2A〜2Cに示すように、ステープリングヘッド組立体(20)及びトロカール(38)は、シャフト組立体(60)の遠位端に位置している。この例のシャフト組立体(60)は、外部管状部材(62)及びドライバーアクチュエータ(64)を備える。外部管状部材(62)は、ステープリングヘッド組立体(20)の管状ケーシング(22)、及びアクチュエータハンドル組立体(70)の本体(72)に連結されることにより、外部管状部材(62)の中で作動する構成部品に対し機械的な基盤を提供する。ドライバーアクチュエータ(64)の近位端は、以下に説明する、アクチュエータハンドル組立体(70)のトリガ作動組立体(84)に連結されている。ドライバーアクチュエータ(64)の遠位端は、トリガ(74)の回転が、ステープルドライバー(24)を長手方向に作動させるように、ステープルドライバー(24)に連結される。図2A〜2Cに示すように、ドライバーアクチュエータ(64)は、トロカール(38)に連結されたアクチュエータ(39)が、ドライバーアクチュエータ(64)内で、かつドライバーアクチュエータ(64)に対して、長手方向に作動できるように、開口した長手軸を有する管状部材を備える。もちろん、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、ドライバーアクチュエータ(64)内に他の構成部品を設けてよいことを理解されたい。
【0023】
シャフト組立体(60)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築され得るであろう。
【0024】
D.例示的なアクチュエータハンドル組立体
次に、図4A〜5を参照すると、アクチュエータハンドル組立体(70)は、本体(72)、トリガ(74)、ロックアウト機構(82)、トリガ作動組立体(84)、及びトロカール作動組立体(90)を備える。未発射位置(図4Aに示されている)から発射済位置(図4Bに示されている)へのトリガ(74)の回転が、上述したドライバーアクチュエータ(64)を作動させるように、この例のトリガ(74)は、本体(72)に枢動可能に取り付けられ、かつトリガ作動組立体(84)に連結されている。バネ(78)は、本体(72)及びトリガ(74)に連結され、未発射位置に向かってトリガ(74)を付勢している。ロックアウト機構(82)は、本体(72)に連結された、枢動可能な部材である。第1の、ロック位置では、ロックアウト機構(82)がトリガ(74)と係合し、ユーザによるトリガ(74)の作動に機械的に抵抗するように、ロックアウト機構(82)は、上方へ、本体(72)から離れるように枢動される。図1及び4Bに示されているような、第2の、ロック解除位置では、ロックアウト機構(82)は、ユーザによって、トリガ(74)が作動できるように、枢動される。したがって、ロックアウト機構(82)が第2位置にある場合には、トリガ(74)は、トリガ作動組立体(84)に係合し、器具(10)を発射できる。
【0025】
図4A〜4Bに示すように、この例のトリガ作動組立体(84)は、ドライバーアクチュエータ(64)の近位端と係合する摺動可能なトリガ運搬部(86)を備える。運搬部(86)は、運搬部(86)の近位端上に、トリガ(74)から延びる一対のトリガアーム(76)を保持し、かつ係合するための、一組のタブ(88)を備える。したがって、トリガ(74)が枢動するとき、運搬部(86)は、長手方向に作動し、ドライバーアクチュエータ(64)へと長手方向への移動を伝達する。図示されている例では、運搬部(86)は、ドライバーアクチュエータ(64)の近位端に固定的に連結されているが、これは任意選択的なものにすぎない。例示的な代替例にすぎないが、実際には、遠位のバネ(図示せず)が、ドライバーアクチュエータ(64)を、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に付勢した状態で、運搬部(86)が、ドライバーアクチュエータ(64)に当接するだけでよい。
【0026】
トリガ作動組立体(84)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築され得るであろう。
【0027】
また、本体(72)は、調整ノブ(98)の回転に応答して、トロカール(38)を長手方向に作動するように構成されたトロカール作動組立体(90)を収容する。図4A〜5に最もよく示されているように、この例のトロカール作動組立体(90)は、調整ノブ(98)、溝付きシャンク(94)、及びスリーブ(92)を備える。この例の溝付きシャンク(94)は、トロカールアクチュエータ(39)の遠位端に位置しているが、あるいは、溝付きシャンク(94)及びトロカールアクチュエータ(39)は、長手方向の移動を伝動するために係合する別々の構成部品であってよいことも理解されたい。調整ノブ(98)は、本体(72)の近位端によって回転可能に支持され、かつ、内部タブ(図示せず)を介して溝付きシャンク(94)と係合するスリーブ(92)を回転するように操作可能である。この例の溝付きシャンク(94)は、溝付きシャンク(94)の外表面に形成された連続的な溝(96)を備える。したがって、調整ノブ(98)が回転したとき、内部タブは、溝(96)内に乗り、溝付きシャンク(94)が、スリーブ(92)に対して、長手方向に作動する。溝付きシャンク(94)は、トロカールアクチュエータ(39)の遠位端に位置しているため、第1方向への調整ノブ(98)の回転は、トロカールアクチュエータ(39)を、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して遠位側に作動させる。したがって、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間のギャップ距離dが、拡大する。調整ノブ(98)を反対方向へ回転させることにより、トロカールアクチュエータ(39)は、アクチュエータハンドル組立体(70)に対して近位側に作動させられ、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間のギャップ距離dが、減少する。それ故、トロカール作動組立体(90)は、調整ノブ(98)の回転に応答して、トロカール(38)を作動するように操作可能である。もちろん、トロカール作動組立体(90)のための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0028】
この例の溝(96)は、軸方向の距離当たりのピッチ又は溝の数が様々な、複数の異なる部分(96A、96B、96C)を備える。図示されている溝(96)は、遠位部分(96A)、中間部分(96B)、及び近位部分(96C)に分けられている。図5に示すように、遠位部分(96A)は、軸方向に短い距離を通過するために必要な、調整ノブ(98)の回転数が多くなるように、溝付きシャンク(94)の軸方向の短い距離に細かいピッチ又は多くの溝を備える。中間部分(96B)は、軸方向に長い距離を通過するために必要な回転が相対的に少なくなるように、軸方向の距離当たりに、比較的粗いピッチ又は数少ない溝を有する部分を備える。したがって、ギャップ距離dを、相対的に少ない調整ノブ(98)の回転により、素早く減少させることができる。この例の近位部分(96C)は、遠位部分(96A)に実質的に類似しており、軸方向に短い距離を通過するために必要な回転数が多くなるように、溝付きシャンク(94)の軸方向の短い距離に細かいピッチ又は多くの溝を備える。この例の近位部分(96C)は、以下により詳細に説明するように、表示バー(110)が表示窓(120)内を目盛り(130)に沿って移動し、アンビルのギャップが所望の動作範囲内にあることを表示するよう、アンビル(40)がステープリングヘッド組立体(20)に実質的に近いときは、スリーブ(92)内に位置している。したがって、タブが溝(96)の近位部分(96C)内にあるときは、調整ノブ(98)のそれぞれの回転によって、ギャップ距離dをわずかな量だけ減少させて、細かな調整を提供することができる。
【0029】
トロカール作動組立体(90)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築され得るであろう。
【0030】
図4A〜4Bに示す例では、溝付きシャンク(94)の、遠位側に位置するトロカールアクチュエータ(39)の中間部分に、U字クリップ(100)が装着される。U字クリップ(100)は、本体(72)の一部と係合して、調整ノブ(98)を回転させたときに、トロカールアクチュエータ(39)がその軸の周りで回転することを実質的に防ぐ。U字クリップ(100)は、目盛り(130)に対する表示バー(110)の較正を目的として、ねじ、ボルト、ピン、クリップなどの装着部材を受容して、U字クリップ(100)の細長いスロット(102)のトロカールアクチュエータ(39)に対する長手方向の位置を選択的に調整するために、U字クリップ(100)の対向する側面のそれぞれに細長いスロット(102)を更に備える。
【0031】
図5に示すように、アクチュエータハンドル組立体(70)は、表示器(104)に係合し、かつ表示器(104)を枢動させるように構成された表示器ブラケット(140)を更に備える。この例の表示器ブラケット(140)は、本体(72)に対して、本体(72)に形成された一対のスロットに沿って、摺動可能である。表示器ブラケット(140)は、長方形プレート(144)、表示器アーム(146)、及び角度付きフランジ(142)を備える。角度付きフランジ(142)は、長方形プレート(144)の近位端に形成されており、かつ、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)上に摺動可能に取り付けるための孔(図示せず)を備える。フランジ(142)を、U字クリップ(100)に対して付勢するために、フランジ(142)とボス(152)との間にコイルバネ(150)が介在している。したがって、U字クリップ(100)がトロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)と共に遠位側に作動するとき、コイルバネ(150)は、表示器ブラケット(140)を付勢して、U字クリップ(100)と共に遠位側へ移動する。加えて、U字クリップ(100)は、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)が近位側に平行移動するときに、表示器ブラケット(140)をボス(152)に対して近位側に付勢することによって、コイルバネ(150)を圧縮する。もちろん、変更例によっては、表示器ブラケット(140)は、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)に固定的に装着されていてよいことを理解されたい。
【0032】
この例では、表示器ブラケット(140)が、アンビルのギャップが所望の動作範囲(例えば、緑色に着色された範囲又は「グリーンゾーン」)内にあるときに対応しない、長手方向の位置にあるとき、ロックアウト機構(82)の一部が表示器ブラケット(140)の表面(141)に当接する。アンビルのギャップが所望の動作範囲(例えば、緑色に着色された範囲又は「グリーンゾーン」)内にあるとき、表示器ブラケット(140)は、狭まって、ロックアウト機構(82)が枢動することを可能にする表示器アーム(146)の両側の一対のギャップ(145)を提供しており、それによって、トリガ(74)が解除される。したがって、ロックアウト機構(82)及び表示器ブラケット(140)は、アンビル(40)が所定の動作範囲に来るまで、ユーザが、トリガ(74)を解除し、操作してしまうことを実質的に防ぐことができる。もちろん、変更例によっては、ロックアウト機構(82)全体を省略してもよいことを理解されたい。
【0033】
この動作範囲は、簡単に上述した、目盛り(130)に対して示された表示器(104)の表示バー(110)を介して、ユーザに対して視覚的に伝達することができる。表示器ブラケット(140)の遠位端には、表示器(104)の移動を制御するための、短手方向に突出するフィンガー(148)で終端する、遠位側に突出する表示器アーム(146)がある。図5に最もよく示されている、表示器アーム(146)及びフィンガー(148)は、表示器ブラケット(140)が長手方向に作動したときに、表示器(104)が枢動するように、表示器(104)のタブ(106)と係合するように構成されている。この例では、表示器(104)は、表示器(104)の第1端部で、本体(72)に枢動可能に連結されていたが、これは任意選択的なものにすぎず、表示器(104)のための他の枢軸点が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。表示バー(110)は、表示器ブラケット(140)の作動に応答して、表示バー(110)が移動するように、表示器(104)の第2端部上に配置される。したがって、上述したように、表示バー(110)が、表示窓(120)を通して、アンビル(40)とステープリングヘッド組立体(20)との間の相対的なギャップ距離dを示すための目盛り(130)(図6に示されている)に対して、表示される。
【0034】
もちろん、表示器ブラケット(140)、表示器(104)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう他の構成に従って、更に構築され得るであろう。
【0035】
II.例示的なトロカール・アクチュエータ・ロック組立体
場合によっては、一旦ロックアウト機構(82)が係合解除されれば、ユーザがトロカールアクチュエータ(39)を所定の位置にロックすることが便利な場合がある。例えば、ユーザによっては、トリガ(74)をひくときに、不注意により調整ノブ(98)をねじってしまう場合がある。調整ノブ(98)をねじることにより、アンビル(40)が、所望の位置から、ステープリングヘッド組立体(20)に対して、近位側に又は遠位側に作動してしまう。したがって、ステープルのサイズが小さくなりすぎたり、若しくは大きくなりすぎたりする場合があり、又は、場合によっては、ステープル(66)について、不完全なステープル留めが発生する(即ち、アンビル(40)がもはや「グリーンゾーン」の中ににない)ように、アンビル(40)が作動されてしまう場合がある。したがって、一旦ロックアウト機構(82)が係合解除されると、トロカールアクチュエータ(39)が近位側に又は遠位側に作動しないようにすることによって、このような出来事が起こる可能性を減少させることができる。
【0036】
A.例示的なバネ装着式ブレーキ
図7A〜7Bは、本体(202)、本体(202)に枢動可能に取り付けられたトリガ(210)、及び本体(202)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(220)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(200)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(220)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(220)の近位端は、トロカールアクチュエータ(220)を、アクチュエータハンドル組立体(200)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(220)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(220)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(210)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(202)、トリガ(210)、トロカールアクチュエータ(220)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(200)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0037】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(230)が、本体(202)に枢動可能に連結され、かつ、図7Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(230)がトリガ(210)と係合して、実質的にトリガ(210)が発射されることを防いでいる)と図7Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(230)がトリガ(210)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(230)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。図示されているように、ロックアウト機構(230)は、バネ装着式ブレーキ(240)と相互作用するカム面(232)を備える。変更例によっては、カム面(232)は、ブレーキ(240)と係合して、カム面(232)に対するブレーキ(240)の長手方向の移動に抵抗する、ゴムなどの摩擦材料を含んでもよい。ブレーキ(240)は、プレート(242)及びプレート(242)から延びる係合機構(244)を備える。図7Aに示すように、一対のバネ(246)が、カム面(242)に向かってブレーキ(240)を付勢するために、プレート(242)と本体(202)のボス(204)との間に設けられている。もちろん、バネ(246)は任意選択的なものにすぎず、省略してもよい。変更例によっては、ロックアウト機構(230)は、ロックアウト機構(230)が、バネ(246)により付与される付勢力を介して枢動し、第1位置へと戻らないように、ロックアウト機構(230)を本体(202)に、選択的に固定するように構成された保持部材(図示せず)を備えてもよい。加えて、又は、代替的に、ブレーキ(240)は、トロカールアクチュエータ(220)に連結されていてもよく、また、ロックアウト機構(230)が、長手方向の任意の位置でブレーキ(240)と係合するように、プレート(242)が長手方向に延びていてもよい。この例の係合機構(244)は、プレート(242)から延びる四角いタブを備え、かつ、トロカールアクチュエータ(220)に形成されるノッチ又は凹部(222)に選択的に入り込むように構成されている。もちろん、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、係合機構(244)は、他のサイズのタブ、噛合歯、ラチェット機構、及び/又は任意の他の機構を備えてよい。
【0038】
凹部(222)は、上記した「グリーンゾーン」内で作動するときの、トロカールアクチュエータ(220)の長手方向のパスに対応する、長手方向の長さを有する。したがって、係合機構(244)が凹部(222)に挿入されているときには、トロカールアクチュエータ(220)は、「グリーンゾーン」内では作動可能であるが、「グリーンゾーン」のどちらかの限界に達したときには、係合機構(244)が、凹部(222)の端部(224)に当接する。もちろん、凹部(222)は、より短い又はより長い長手方向の長さを備えていてもよい。
【0039】
図7Aは、トリガ(210)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にある、ロックアウト機構(230)を示す。一旦ユーザが、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」の中へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(220)をも)作動させると、係合機構(244)は、凹部(222)の少なくとも一部に隣接して配置される。ロックアウト機構(230)が、図7Bに示す第2位置へと枢動するとき、カム面(232)は、ブレーキ(240)と係合して、係合機構(244)を凹部(222)へと挿入する。上記したように、ユーザは、その後、トロカールアクチュエータ(220)を作動させることができるが、「グリーンゾーン」内に限られる。ユーザが、ロックアウト機構(230)が係合解除されたままで、トロカールアクチュエータ(220)を「グリーンゾーン」の外部に移動させようと試みた場合、係合機構(244)は、凹部(222)のどちらかの端部(224)によって妨げられる。変更例によっては、凹部(222)は、一旦ロックアウト機構(230)が係合解除されると、トロカールアクチュエータ(220)が長手方向に作動できないようなサイズであってよい。加えて、又は、代替的に、係合機構(244)に対して複数のロック位置を提供するために、複数の小さな凹部(222)を、トロカールアクチュエータ(220)の長さに沿って設けてもよい。トロカールアクチュエータ(220)を、ブレーキ(240)を介して、本体(202)に対して固定した状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。もちろん、ブレーキ(240)及び/又はロックアウト機構(230)のための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0040】
B.例示的なスクリーン・ドア・ロック
図8A〜8Bは、本体(302)、本体(302)に枢動可能に取り付けられたトリガ(310)、及び本体(302)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(320)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(300)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(320)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(320)の近位端は、トロカールアクチュエータ(320)を、アクチュエータハンドル組立体(300)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(320)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(320)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(310)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(302)、トリガ(310)、トロカールアクチュエータ(320)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(300)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0041】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(330)が、本体(302)に枢動可能に連結され、かつ、図8Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(330)がトリガ(310)と係合して、実質的にトリガ(310)が発射されることを防いでいる)と図8Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(330)がトリガ(310)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(330)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。図示されているように、ロックアウト機構(330)は、スクリーン・ドア・ロック(340)と相互作用するカム面(332)を備える。スクリーン・ドア・ロック(340)は第1端部(342)で本体(302)に枢動可能に連結している。スクリーン・ドア・ロック(340)の第2端部(344)は、本体(302)の一部に連結しているバネ(350)に連結している。この例のバネ(350)は、第2端部(344)を、カム面(332)へ付勢するように構成されている圧縮バネである。変更例によっては、ロックアウト機構(330)は、ロックアウト機構(330)が、バネ(350)により付与される付勢力を介して枢動し、第1位置へと戻らないように、ロックアウト機構(330)を本体(302)に、選択的に固定するように構成された保持部材(図示せず)を備えてもよい。もちろん、バネ(350)は、省略してもよく、スクリーン・ドア・ロック(340)は、ロックアウト機構(340)に連係していてもよく、又は連結していてもよい。
【0042】
また、この例では、スクリーン・ドア・ロック(340)は、該スクリーン・ドア・ロック(340)を貫通して形成された開口部(346)を備えてよく、かつ、トロカールアクチュエータ(320)の外部上に形成された1つ又は2つ以上の歯(322)と係合するように構成されたエッジ部(348)を備える。変更例によっては、エッジ部(348)は、トロカールアクチュエータ(320)の移動に摩擦により抵抗するように構成された、ゴムなどの摩擦材料を含んでもよい。この例では、トロカールアクチュエータ(320)は、開口部(346)を貫通して延び、かつ開口部(346)に対して長手方向に作動可能である。図示されているように、トロカールアクチュエータ(320)の外側に、複数の歯(322)が形成されているが、トロカールアクチュエータ(320)に複数のノッチが形成されていてもよく、かつ/又は、エッジ部(348)でロックするための単一の歯又はノッチが提供されてもよいことを理解されたい。もちろん、スクリーン・ドア・ロック(340)及び/又はトロカールアクチュエータ(320)の尚更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0043】
図8Aは、トリガ(310)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にある、ロックアウト機構(330)を示す。この位置では、ユーザは、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(320)をも)作動させることができる。エッジ部(348)が歯(322)と係合していない、第1位置に図示されているスクリーン・ドア・ロック(340)の場合には、トロカールアクチュエータ(320)は、調整ノブの回転に応答して、開口部(346)を通して長手方向に移動することができる。したがって、ユーザは、ステープリングヘッド組立体に対して、アンビルの位置へと調節することができる。ロックアウト機構(330)が、図8Bに示す第2位置へと枢動するとき、カム面(332)が係合し、スクリーン・ドア・ロック(340)を、第2位置へと枢動させる。スクリーン・ドア・ロック(340)が第2位置へ枢動するとき、エッジ部(348)が歯(322)と係合して、スクリーン・ドア・ロック(340)が、トロカールアクチュエータ(320)が長手方向に作動することを実質的に防ぐ。それ故、ユーザが不注意により、調整ノブに回転力をかけた場合は、スクリーン・ドア・ロック(340)が、ステープリングヘッド組立体に対する、トロカールアクチュエータ(320)及びアンビルの位置を維持する。トロカールアクチュエータ(320)を、スクリーン・ドア・ロック(340)を介して、本体(302)に対して固定した状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。更に、スクリーン・ドア・ロック(340)及び/又はロックアウト機構(330)のための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0044】
C.ブレーキを有する例示的なロックアウト機構
図9A〜9Bは、本体(402)、本体(402)に枢動可能に取り付けられたトリガ(410)、及び本体(402)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(420)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(400)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(420)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(420)の近位端は、トロカールアクチュエータ(420)を、アクチュエータハンドル組立体(400)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(420)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(420)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(410)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(402)、トリガ(410)、トロカールアクチュエータ(420)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(400)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0045】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(430)が、本体(402)に枢動可能に連結され、かつ、図9Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(430)がトリガ(410)と係合して、実質的にトリガ(410)が発射されることを防いでいる)と図9Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(430)がトリガ(410)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(430)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。更に、ロックアウト機構(430)は、トロカールアクチュエータ(420)の一部と係合して、トロカールアクチュエータ(420)が長手方向に作動することを実質的に防ぐ、カム面(432)を備える。図示されているように、カム面(432)は、トロカールアクチュエータ(420)を形成する凹部(422)内へと入り込んでいるが、これは任意選択的なものにすぎない。場合によっては、カム面(432)は、トロカールアクチュエータ(420)の外表面と直接係合してもよい。再度この例を参照すると、トロカールアクチュエータ(420)及びアンビルが「グリーンゾーン」に対応する位置にあるときにのみ、ロックアウト機構(430)がロック位置から枢動可能であるように、凹部(422)が、配置されている。ロックアウト機構(430)が枢動するとき、カム面(432)の、ゴムなどの摩擦材料が、トロカールアクチュエータ(420)の表面と係合し、トロカールアクチュエータ(420)の移動に摩擦により抵抗する。変更例によっては、ロックアウト機構(430)は、トロカールアクチュエータが移動した場合に、ロックアウト機構(430)が枢動して第1位置へと戻らないように、ロックアウト機構(420)を本体(402)に、選択的に固定するように構成された保持部材(図示せず)を備えてもよい。
【0046】
図9Aは、トリガ(410)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にある、ロックアウト機構(430)を示す。一旦ユーザが、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」の中へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(420)をも)作動させると、凹部(422)の少なくとも一部は、ロックアウト機構(430)と整列する。ロックアウト機構(430)が、図9Bに示す第2位置へ枢動するとき、カム面(432)が凹部(422)と係合して、トロカールアクチュエータ(420)の移動に摩擦により抵抗する。それ故、ユーザが不注意により、調整ノブに回転力をかけた場合は、カム面(432)が、ステープリングヘッド組立体に対する、トロカールアクチュエータ(420)及びアンビルの位置を摩擦により維持する。トロカールアクチュエータ(420)を、カム面(432)を介して、本体(402)に対して固定した状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。トロカールアクチュエータ(420)及び/又はロックアウト機構(430)のための更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0047】
D.例示的なトラップドア組立体
図10A〜10Bは、本体(502)、本体(502)に枢動可能に取り付けられたトリガ(510)、及び本体(502)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(520)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(500)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(520)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(520)の近位端は、トロカールアクチュエータ(520)を、アクチュエータハンドル組立体(500)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(520)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(520)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(510)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(502)、トリガ(510)、トロカールアクチュエータ(520)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(500)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0048】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(530)が、本体(502)に枢動可能に連結され、かつ、図10Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(530)がトリガ(510)と係合して、実質的にトリガ(510)が発射されることを防いでいる)と図10Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(530)がトリガ(510)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(530)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。この例のロックアウト機構(530)は、ドア(540)に係合し、かつ本体(502)に対してドア(540)を作動させるように構成されたカム面(532)を備えてよい。変更例によっては、ロックアウト機構(530)が、本体(502)に対して90°枢動するまで、カム面(532)がドア(540)に係合しないように、カム面(532)を、ロックアウト機構(530)の主部に対して90°となるように配置してもよいが、これは任意選択的なものにすぎない。ドア(540)は、開口部(542)を有する平坦プレートを備え、該開口部を貫通してトロカールアクチュエータ(520)が延びる。図10A〜10Bに示すように、ドア(540)は、開口部(542)の互いに反対側に頂部(544)及び底部(546)を備える。以下により詳細に述べられるように、ドア(540)がロックアウト機構(530)によって作動されないときは、頂部(544)は、トロカールアクチュエータ(520)の一部と当接し、かつ底部(546)は、トロカールアクチュエータ(520)に形成されている1つ又は2つ以上の凹部(522)から係合解除されている。この例では、バネ(548)は、頂部(544)及び本体(502)と連結され、図10Aに示す非作動位置へとドア(540)を付勢する。底部(546)は、ドア(540)が、ロックアウト機構(530)のカム面(532)によって作動されたときに、1つ又は2つ以上の凹部(522)が入り込むようなサイズであってよい。もちろん、ドア(540)のための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0049】
トロカールアクチュエータ(520)は、トロカールアクチュエータ(520)に形成された複数の短手方向の凹部(522)を備える。例示的なものにすぎないが、凹部(522)は、トロカールアクチュエータ(520)及びアンビルが「グリーンゾーン」の中にあるときに、凹部(522)が底部(546)に隣接するように、トロカールアクチュエータ(520)に形成されてよい。したがって、凹部(522)は、ドア(540)がロックアウト機構(530)によって作動されたときに、底部(546)によって選択的にトロカールアクチュエータ(520)をロックできる、不連続的な複数の位置を形成する。
【0050】
図10Aは、トリガ(510)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にある、ロックアウト機構(530)を示す。一旦ユーザが、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」の中へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(520)をも)作動させると、複数の凹部(522)の1つ又は2つ以上が、ドア(540)の底部(546)と隣接して配置される。ロックアウト機構(530)が、図10Bに示す第2位置へと枢動するとき、カム面(532)は、ドア(540)を作動させ、複数の凹部(522)のうちの1つの中へと底部(546)を押し付ける。それ故、ユーザが不注意により、調整ノブに回転力をかけた場合は、ドア(540)及び底部(546)が、ステープリングヘッド組立体に対する、トロカールアクチュエータ(520)及びアンビルの位置を維持する。トロカールアクチュエータ(520)を、ドア(540)を介して、本体(502)に対して固定した状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。トロカールアクチュエータ(520)及び/又はドア(540)のための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0051】
E.例示的なギア付きロックアウト機構
図11A〜11Bは、本体(602)、本体(602)に枢動可能に取り付けられたトリガ(610)、及び本体(602)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(620)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(600)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(620)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(620)の近位端は、トロカールアクチュエータ(620)を、アクチュエータハンドル組立体(600)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(620)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(620)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(610)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(602)、トリガ(610)、トロカールアクチュエータ(620)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(600)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0052】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(630)が、本体(602)に枢動可能に連結され、かつ、図11Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(630)がトリガ(610)と係合して、実質的にトリガ(610)が発射されることを防いでいる)と図11Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(630)がトリガ(610)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(630)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。ロックアウト機構(630)は、トロカールアクチュエータ(620)の1つ又は2つ以上の相補部材(622)と係合するように構成された、ギア歯などの1つ又は2つ以上のロック部材(634)を有する係合ヘッド(632)を、更に備える。相補部材(622)は、トロカールアクチュエータ(620)及びアンビルが「グリーンゾーン」の中にあるときにのみ、相補部材(622)がロック部材(634)と噛合するように、トロカールアクチュエータ(620)に形成されてよい。したがって、相補部材(622)は、ロック部材(634)によってトロカールアクチュエータ(620)を選択的にロックできる、不連続的な複数の位置を形成する。もちろん、相補部材(622)は、トロカールアクチュエータ(620)の長手方向の全長、又はその任意の他の部分に沿って延びていてよい。例示的なものにすぎないが、ロック部材(634)は、トロカールアクチュエータ(620)の相補的な複数のギア歯と噛合する、3つのギア歯を備えている。他の噛合部材(622、634)が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。変更例によっては、ロックアウト機構(630)が、本体(602)に対して90°枢動するまで、ロック部材(634)がトロカールアクチュエータ(620)に係合しないように、係合ヘッド(632)のロック部材(634)を、ロックアウト機構(630)の主部に対して90°となるように配置してもよいが、これは任意選択的なものにすぎない。ロックアウト機構(630)のための尚更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0053】
図11Aは、トリガ(610)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にある、ロックアウト機構(630)を示す。一旦ユーザが、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」の中へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(620)をも)作動させると、相補部材(622)の1つ又は2つ以上が、ロック機構(630)の係合ヘッド(632)と隣接して配置される。ロックアウト機構(630)が、図11Bに示す第2位置へと枢動するとき、係合ヘッド(632)のロック部材(634)は、相補部材(622)と噛合する。ロック部材(634)及び相補部材(622)は、ロック部材(634)が相補部材(622)と噛合するときに、トロカールアクチュエータ(620)の遠位側への移動が最小になるようなサイズであってよい。加えて、又は、代替的に、ロック部材(634)は、相補部材(622)と噛合するときに、係合ヘッド(632)に対して圧迫する弾性的なラチェット歯を備えてもよい。ロック部材(634)が相補部材(622)と噛合することによって、トロカールアクチュエータ(620)の長手方向の移動が実質的に制限される。それ故、ユーザが不注意により、調整ノブに回転力をかけた場合は、ロック部材(634)が、ステープリングヘッド組立体に対する、トロカールアクチュエータ(620)及びアンビルの位置を維持する。トロカールアクチュエータ(620)を、部材(622、634)を介して、本体(602)に対して固定した状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。トロカールアクチュエータ(620)及び/又は相補部材(622)のための更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0054】
F.例示的なラチェット式トロカールアクチュエータ組立体
図12A〜12Bは、本体(702)、本体(702)に枢動可能に取り付けられたトリガ(710)、及び本体(702)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(720)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(700)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(720)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(720)の近位端は、トロカールアクチュエータ(720)を、アクチュエータハンドル組立体(700)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(720)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(720)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(710)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(702)、トリガ(710)、トロカールアクチュエータ(720)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(700)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0055】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(730)が、本体(702)に枢動可能に連結され、かつ、図12Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(730)がトリガ(710)と係合して、実質的にトリガ(710)が発射されることを防いでいる)と図12Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(730)がトリガ(710)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(730)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。ロックアウト機構(730)は、更に、ロックアウト機構(730)のレバー(734)から延びるキャッチロッド(732)を備える。この例では、キャッチロッド(732)は、レバー(734)から垂直に伸びているが、これは任意選択的なものにすぎない。変更例によっては、キャッチロッド(732)は、レバー(734)から他の角度で伸びていてもよい。
【0056】
キャッチロッド(732)は、トロカールアクチュエータ(720)に形成された1つ又は2つ以上のラチェット歯(722)と係合し、かつ、当接するように構成されている。この例では、ラチェット歯(722)は、トロカールアクチュエータ(720)の側面から延びる三角形の歯であるが、これは任意選択的なものにすぎない。変更例によっては、ラチェット歯(722)は、トロカールアクチュエータ(720)が回転した場合にも、キャッチロッド(732)が歯(722)に係合できるように、トロカールアクチュエータ(720)の周囲を取り巻く螺旋状の歯(722)備えてもよい。ある代替的な変更例では、ラチェット歯(722)は、トロカールアクチュエータ(720)の外表面上に離間させた環状のレッジ部であってよい。更に、この例で示すように、ラチェット歯(722)は、ロックアウト機構(730)と実質的に整列するトロカールアクチュエータ(720)の一部に形成されているが、これは任意選択的なものにすぎない。もちろん、ラチェット歯(722)のための更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0057】
図12Aは、トリガ(710)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にある、ロックアウト機構(730)を示す。一旦ユーザが、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」の中へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(720)をも)作動させると、ラチェット歯(722)は、ロック機構(730)と実質的に整列する。ロックアウト機構(730)が、図12Bに示す第2位置へと枢動するとき、キャッチロッド(732)は、1つ又は2つ以上のラチェット歯(722)と係合し、トロカールアクチュエータ(720)が、本体(702)に対して遠位側に作動することを防ぐ。もちろん、ラチェット歯(722)は、トロカールアクチュエータ(720)が、本体(702)に対して近位側に作動することを可能にする。それ故、ユーザは、アンビルとステープリングヘッド組立体との間のギャップを更に減少させることは可能だが、そのギャップを拡大することはできない。トロカールアクチュエータ(720)を、キャッチロッド(732)を介して、本体(702)に対して固定した状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。もちろん、トロカールアクチュエータ(720)及び/又はキャッチロッド(732)のための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、加えて、又は、代替的に、キャッチロッド(732)は、トロカールアクチュエータ(720)に形成された対応する弾性部材の中へと挿入する、又はスナップ式にはめ込むフレア状の端部を備えてもよい。この変更例では、弾性部材は、キャッチロッド(732)をトロカールアクチュエータ(720)へとロックするための一方向の部材として構成されていてもよい。
【0058】
G.例示的なスロット式トロカールアクチュエータ組立体
図13A〜13Bは、本体(802)、本体(802)に枢動可能に取り付けられたトリガ(810)、及び本体(802)を通って長手方向に延びるトロカールアクチュエータ(820)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(800)を示す。この例では、トロカールアクチュエータ(820)は、アンビル(40)などのアンビル(図示せず)に、遠位端で連結されている。トロカールアクチュエータ(820)の近位端は、トロカールアクチュエータ(820)を、アクチュエータハンドル組立体(800)に対して近位側にかつ/又は遠位側に作動させるために、調整ノブ(98)などの調整ノブ(図示せず)と連絡している。したがって、アンビルがトロカールアクチュエータ(820)の遠位端に連結され、かつ、調整ノブが回転されたとき、トロカールアクチュエータ(820)は、アンビルとステープリングヘッド組立体(図示せず)との間の距離を拡大、又は縮小させる。トリガ(810)は、ステープル(図示せず)を、ステープリングヘッド組立体の外部へ、かつ、組織内へ打ち込むように操作可能である。本体(802)、トリガ(810)、トロカールアクチュエータ(820)及び/又はアクチュエータハンドル組立体(800)は、上述した本体(72)、トリガ(74)、トロカールアクチュエータ(39)、及び/又はアクチュエータハンドル組立体(70)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0059】
また、図示されている例では、ロックアウト機構(830)が、枢軸点(838)を介して、本体(802)に枢動可能に連結され、かつ、図13Aに示す第1位置(この位置では、ロックアウト機構(830)の第1端部(832)がトリガ(810)と係合して、実質的にトリガ(810)が発射されることを防いでいる)と図13Bに示す第2位置(この位置では、ロックアウト機構(830)の第1端部(832)がトリガ(810)から係合解除されている)との間で枢動するように構成されている。ロックアウト機構(830)は、上述したロックアウト機構(82)に、少なくとも部分的に従って、構築されてよく、かつ/又は機能してよい。更に、ロックアウト機構(830)は、ピン(836)を介して、第2端部(834)にてボタン組立体(840)に対して枢動可能に連係される。この例では、ボタン組立体(840)は、ボタン(842)及びボタン(842)に連結されたロッド(844)を備える。変更例によっては、ロッド(844)は、ボタン(842)に固定的に連結され、他の例では、ロッド(844)は、ボタン(842)に枢動可能に連結される。ロッド(844)が下方へ、かつトロカールアクチュエータ(820)に隣接して延びるように、ロッド(844)は、垂直平面であって、該垂直平面に沿ってトロカールアクチュエータ(820)の中心軸が延びる、垂直平面からオフセットしている。ボタン(842)は、垂直平面であって、該垂直平面に沿ってトロカールアクチュエータ(820)の中心軸が延びる、垂直平面と整列している。ボタン(842)は、本体(802)に形成された開口部(804)を貫通して、トロカールアクチュエータ(820)の中心軸に垂直な軸に沿って伸びている。図13A〜13Bの順序に示されているように、ボタン組立体(840)が内側へと作動されたとき、ロッド(844)は、ロックアウト機構(830)の第2端部(834)を、枢軸点(838)の周りに枢動させて、第1端部(832)をトリガ(810)から係合解除する。
【0060】
トロカールアクチュエータ(820)は、内部にボタン(842)の一部を受容するように構成された凹部(822)を備える。この例では、凹部(822)は、上記した「グリーンゾーン」内で作動するときの、トロカールアクチュエータ(820)の長手方向のパスに対応する、長手方向の長さを有する。したがって、ボタン(842)が凹部(822)の中へと押下されているときには、トロカールアクチュエータ(820)は、「グリーンゾーン」内では作動可能であるが、「グリーンゾーン」のどちらかの限界に達したときには、ボタン(842)が、凹部(822)の端部(824)に当接する。もちろん、凹部(822)は、より短い又はより長い長手方向の長さを備えていてもよい。トロカールアクチュエータ(820)が「グリーンゾーン」内にないときは、ボタン(842)は、トロカールアクチュエータ(820)の外側表面に当接し、それによって、ロックアウト機構(830)がトリガ(810)から係合解除されてしまうことを防ぐ。
【0061】
図13Aは、トリガ(810)が、ユーザによって操作不能なように、ロック位置にあるロックアウト機構(830)及びボタン組立体(840)を示す。一旦ユーザが、調整ノブを回転させて、「グリーンゾーン」の中へと、アンビルを(及び、それ故にトロカールアクチュエータ(820)をも)作動させると、ボタン(842)は、凹部(822)の少なくとも一部に向かい合って配置される。ボタン(842)がユーザによって凹部(822)の中へと押下されたとき、ロッド(844)は、図13Bに示す第2位置へとロックアウト機構(830)を枢動させる。上記したように、ユーザは、その後、トロカールアクチュエータ(820)を作動させることができるが、「グリーンゾーン」内に限られる。ユーザが、トロカールアクチュエータ(820)を「グリーンゾーン」の外部に移動させようと試みた場合、ボタン(842)は、凹部(822)のどちらかの端部(824)に当接することによって、トロカールアクチュエータ(820)の移動を妨げる。トロカールアクチュエータ(820)の移動が、「グリーンゾーン」内に、実質的に制限された状態で、ユーザは、その後、器具を発射して組織をステープル留めすることができる。ボタン組立体(840)及び/又はロックアウト機構(830)のための更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、変更例によっては、ユーザは、手動で、又は直接的に、ロックアウト機構(830)を枢軸点(838)の周りで枢動させて、ボタン(842)を凹部(822)へと押し込む。
【0062】
III.2ピース式トリガ作動組立体用の例示的な解除部組立体
場合によっては、ユーザにとっては、ユーザが器具(10)を発射しようとするときに、トリガ作動組立体(84)に係合させるだけであることが便利な場合がある。例えば、トリガ作動組立体(84)は、ロックアウト機構(82)の係合解除、及び/又は表示器(104)が「グリーンゾーン」内に位置していることに応答して、係合されてよい。これを達成するため、例えば、ロックアウト機構(82)が係合され、かつ/又は位置表示器(104)が「グリーンゾーン」の外側にあるときに、トリガ運搬部(86)及び/又はドライバーアクチュエータ(64)の一方又は両方が、整列しないようにされるか、又は、係合解除されて、発射されることを防ぐようにしてよい。したがって、発射のためにトリガ作動組立体(84)を係合解除する、かつ/又は再係合するための、様々な組立体を更に詳細に説明する。
【0063】
A.ロックアウト機構により起動される例示的な2ピース式トリガ作動組立体
図14A〜16は、本体(902)、本体(902)に枢動可能に取り付けられるトリガ(910)、及びトリガ作動組立体(920)を有する、上述した外科用器具(10)用の例示的なアクチュエータハンドル組立体(900)を示す。明瞭にするため、図14A〜14Bでは、以下により詳細に述べるような、一対のラチェット部材(960)が省略されている。この例では、トリガ作動組立体(920)は、弾性的なドライバーアクチュエータ(930)と係合して、作動させるように操作可能なトリガ運搬部材(922)を備える。ドライバーアクチュエータ(930)の遠位端は、ステープルドライバー(24)などのステープルドライバー(図示せず)に連結され、ステープリングヘッド組立体(20)などのステープリングヘッド組立体(図示せず)の外部へステープルを打ち込む。少し図15を参照すると、以下により詳細に説明されるように、ドライバーアクチュエータ(930)の近位端(932)は、ドライバーアクチュエータ(930)から外側へと延び、かつ、対応するラチェット部材(960)と係合するように構成された一対のラチェット歯(934)を備える。図14A〜16に示すように、ドライバーアクチュエータ(930)は、トリガ運搬部材(922)との係合から離れるように付勢された弾性部材を備える。この例では、ドライバーアクチュエータ(930)は、トリガ(910)から離れるように付勢されるが、これは任意選択的なものにすぎない。例示的なものにすぎないが、ドライバーアクチュエータ(930)は、長手方向に実質的に硬質であるが、短手方向には曲げられる、変形可能なプラスチック又は金属製の構成部品を備える。バネ(938)は、ドライバーアクチュエータ(930)と連結し、ドライバーアクチュエータを本体(902)に対して近位側に付勢する。変更例によっては、ドライバーアクチュエータ(930)の近位端は、トリガ運搬部材(922)を受容して、ドライバーアクチュエータとの係合に導くように構成された、凹部又は他のガイド機構(図示せず)を備えてもよい。ドライバーアクチュエータ(930)は、上記したドライバーアクチュエータ(64)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、更に構築されてもよい。
【0064】
上記したように、トリガ運搬部材(922)は、ドライバーアクチュエータ(930)が整列したときには、ドライバーアクチュエータ(930)と係合し、ドライバーアクチュエータ(930)を長手方向に作動させるように操作可能である。図14A〜14B及び16に示すように、トリガ運搬部材(922)は、トリガ(910)と係合し、トリガ(910)により作動される。ドライバーアクチュエータ(930)がトリガ運搬部材(922)と長手方向に整列していないときには、トリガ(910)の枢動は、トリガ運搬部材(922)を作動させるが、ドライバーアクチュエータ(930)がトリガ運搬部材(922)によって遠位側に打ち込まれることはない。トリガ運搬部材(922)は、上記したトリガ運搬部(86)の教示の少なくとも一部に従って、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるような他の方法によって、更に構築されてもよい。
【0065】
図14A〜14Bを参照すると、この例のドライバーアクチュエータ(930)は、アンビル表示器(940)を貫通して形成された開口部(942)を貫通して付勢されている。例示的なものにすぎないが、アンビル表示器(940)は、長手方向のスロット(942)を有するプレートを備え、該スロット(942)を貫通してドライバーアクチュエータ(930)が延びる。図14Aに示すように、アンビル表示器(940)が「グリーンゾーン」内にないときには、アンビル表示器(940)は、ドライバーアクチュエータ(930)が曲げられて、トリガ運搬部材(922)と長手方向に整列することを妨げる。図14Bに示すように、アンビル表示器(940)が、上述したアンビルのギャップが「グリーンゾーン」内にあることを示しているときには、アンビル表示器(940)及びスロット(942)は、ドライバーアクチュエータ(930)が曲げられて、トリガ運搬部材(922)と長手方向に整列することを可能にするように、近位側に作動されている。代替例では、ドライバーアクチュエータ(930)は、分岐端部を備え、該分岐端部を貫通してアンビル表示器(940)が延びていてもよく、近位側のプレートが、ドライバーアクチュエータ(930)が曲がって、トリガ運搬部材(922)と整列することを妨げる。アンビル表示器(940)は、上記した表示器ブラケット(140)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。もちろん、アンビル表示器(940)のための尚更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0066】
解除部(950)は、本体(902)に枢動可能に取り付けられ、ドライバーアクチュエータ(930)を曲げて、トリガ運搬部材(922)と長手方向に整列させるように操作可能である。解除部(950)は、図14Aに示す第1位置から、図14Bに示す第2位置へと枢動可能である。第1位置では、解除部(950)は、ドライバーアクチュエータ(930)に干渉するアンビル表示器(940)によって枢動することを、実質的に防がれている。アンビル表示器(940)が作動してドライバーアクチュエータ(930)がスロット(942)を通過可能になったときは、解除部(950)が、第2位置へと枢動可能となり、それによって、ドライバーアクチュエータ(930)を押し付け、トリガ運搬部材(922)と長手方向に整列させる。バネ装着式のラッチ(952)は、解除可能に解除部(950)を第2位置にロックし、トリガ(910)の操作に先立って、ドライバーアクチュエータ(930)とトリガ運搬部材(922)との整列を維持する。
【0067】
本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、トリガ運搬部材(922)のドライバーアクチュエータ(930)からの係合解除、及びアンビル表示器(940)による干渉によって、アンビルが「グリーンゾーン」の外側にあるままで、ドライバーアクチュエータ(930)が、上述したステープリングヘッド組立体(20)などのステープリングヘッド組立体から、ステープル及び/又はナイフを伸ばすことが実質的に防がれる。加えて、解除部(950)が、図14Bに示す第2位置へと枢動されたとき、解除部(950)は、アンビル表示器(940)(及び、それ故にアンビル表示器(940)に、直接的に又は間接的にのどちらかで、連結されているアンビル)が、「グリーンゾーン」の外側へ移動することを、実質的に防いでいる。
【0068】
図15〜16は、トリガ運搬部材(922)を介してドライバーアクチュエータ(930)が遠位側に打ち込まれる際に、ラチェット効果を付与するように構成された、複数の歯(962)を有する、一対のラチェット部材(960)を示している。この例では、ラチェット部材(960)は、本体(902)から内側に延びているが、これは任意選択的なものにすぎず、場合によっては、ラチェット部材(960)は別々の構成部品であってもよい。一対のギャップ(968)が、ラチェット部材(960)の底面(966)と本体(902)の一部との間に形成され、ラチェット歯(934)が、該ギャップを通って長手方向に平行移動できるようにされる。したがって、以下に説明するように、ドライバーアクチュエータ(930)が発射順序全体を完了したとき、ラチェット歯(934)は、ラチェット部材(960)の、最も遠位の歯(962)を通り過ぎ、ドライバーアクチュエータ(930)の弾性的な付勢力によって、ギャップ(968)へと落ち込む。バネ(938)は、ドライバーアクチュエータ(930)を近位側に付勢し、ギャップ(968)を通してラチェット歯(934)を近位側に平行移動させる。
【0069】
リセットボタン(970)の一対のディテント又はノッチ(972)は、ラチェット歯(934)が近位側に平行移動して、図14Aに示す初期位置に戻ってしまうことを防ぐ。この例では、リセットボタン(970)は、本体(902)に連結され、内部にラチェット歯(934)を受容するノッチ(972)を有する、ゴム又はシリコーンなどの、可撓性の又は変形可能な材料を含む。リセットボタン(970)は、ユーザが、ラチェット歯(934)を解除するためにリセットボタン(970)を押下することによって、図14Aに示す初期位置へ、器具をリセットするまで、ラチェット歯(934)を保持するように操作可能である。変更例によっては、ラッチ(952)が解除されたときに、リセットボタン(970)を押下する又はカム駆動するように操作可能である機構(図示せず)に、ラッチ(952)が機械的に連結されていてもよい。あるいは、リセットボタン(970)は、リセットボタン(970)が押下されたときに、ラッチ(952)を解除するように、ラッチ(952)に連結されていてもよい。したがって、このような変更例では、ラッチ(952)及びリセットボタン(970)は、両方とも、同時に、又は実質的に同時に、それぞれの初期位置へとリセットされる。ラチェット部材(960)及び/又はリセットボタン(970)のための更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0070】
再度14Aを参照すると、トリガ(910)、トリガ運搬部材(922)、ドライバーアクチュエータ(930)、アンビル表示器(940)、及び解除部(950)が、初期位置に示されている。上記したように、この位置では、ドライバーアクチュエータ(930)は、トリガ運搬部材(922)との長手方向の整列から離れるように付勢され、かつ、アンビル表示器(940)の一部との干渉を介して整列しないように防がれている。この位置では、ユーザがトリガ(910)を枢動させることにより、装置を発射しようと試みた場合、トリガ運搬部材(922)は、単に器具内で平行移動するだけであり、ドライバーアクチュエータ(930)と係合することはない。上述した組立体に加えて、又は、これと代替的に、アンビルが「グリーンゾーン」の中に位置するに先立って、トリガ(910)が作動することを実質的に防ぐため、上述したロックアウト機構(82)及び/又は本明細書に記載した他のロックアウト機構のいずれかなどのロックアウト機構(図示せず)を、この器具に組み込んでもよい。一旦ユーザが、アンビルのギャップが「グリーンゾーン」内にあるように、アンビルを配置してしまうと、スロット(942)は、ドライバーアクチュエータ(930)が、スロット(942)を通過できるように配置される。ユーザが器具を発射することを所望したときは、ユーザは、解除部(950)を枢動させ、ドライバーアクチュエータ(930)をカム駆動させて、図14Bに示すように、トリガ運搬部材(922)と長手方向に整列させる。ラッチ(952)は、ユーザが、もはや解除部(950)を決まった位置に保持していない場合であっても、ドライバーアクチュエータ(930)がトリガ運搬部材(922)と長手方向に整列したままになるように、解除部(950)を固定する。ドライバーアクチュエータ(930)がトリガ運搬部材(922)と長手方向に整列した状態では、アンビル表示器(940)は、更に近位側に作動することはできるが、ドライバーアクチュエータ(930)及び/又は解除部(950)と干渉するために、遠位側に作動することはできないことを、理解されたい。したがって、これにより、不注意により「グリーンゾーン」の外側へ移動してしまうことを防ぐことができる。
【0071】
器具を発射するために、ユーザは、ドライバーアクチュエータ(930)に係合させて、本体(902)に対して遠位側に打ち込むために、トリガ(910)を枢動させて、バネ(938)を圧縮する。ドライバーアクチュエータ(930)が長手方向に作動させられた際、ドライバーアクチュエータ(930)の下方への付勢力(図14A及び15に示されている)が、ラチェット歯(934)と、ドライバーアクチュエータ(930)の両側に設けられたラチェット部材(960)の歯(962)とを係合させる。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、それ故、(例えば、ユーザが、発射のフルストロークを完了する前に、トリガ(910)を解除してしまった場合などに)ドライバーアクチュエータ(930)が、ラチェット歯(934)と歯(962)との係合を介して、近位側に平行移動することが実質的に防がれる。このようなラチェット動作は、ドライバーアクチュエータ(930)を初期位置へリセットするに先立って、この器具の発射が完了したことを確認する手助けをすることができる。一旦ラチェット歯(934)が、(この器具の発射完了に対応する)最も遠位の歯(962)を越えて伸ばされると、ドライバーアクチュエータ(930)の弾性的な付勢力によって、ラチェット歯(934)がギャップ(968)へと付勢される。そして、バネ(938)の近位側への付勢力によって、ドライバーアクチュエータ(930)が本体(902)に対して近位側に付勢される。ラチェット歯(934)及びドライバーアクチュエータ(930)が近位側に平行移動した際、ラチェット歯(934)は、図16に示すリセットボタン(970)のノッチ(972)に引っ掛かる。この例では、ユーザは、その後、ラッチ(952)を解除して、解除部(950)を初期位置にリセットする。ユーザは、リセットボタン(970)を押下して、ラチェット歯(934)をノッチ(972)の外部へと押し出し、バネ(938)が、ドライバーアクチュエータ(930)を、図14Aに示す初期位置に戻るように付勢する。ラッチ(952)及びリセットボタン(970)が同時に操作可能な変更例では、ユーザによるラッチ(952)又はリセットボタン(970)のどちらかの解除により、同時に又は実質的に同時に、リセットボタン(970)又はラッチ(952)もまた、解除されてよい。ドライバーアクチュエータ(930)が初期位置に戻ったときは、その都度、この器具を一回だけ発射することを可能にするために、トリガ運搬部材(922)は、再びドライバーアクチュエータ(930)から係合解除される。その後、ユーザは、新しいステープル及び/又は新しいステープルカートリッジを挿入して、再び器具を発射することができる。
【0072】
2ピース式トリガ作動組立体(920)を有するアクチュエータハンドル組立体(900)のためのいくつかの例示的な構成について説明したが、本明細書の教示を考慮することで、当業者には更なる他の構成が明らかとなるであろう。
【0073】
B.表示器の移動により起動される例示的な2ピース式トリガ作動組立体
上述した外科用器具(10)用の、例示的な代替のアクチュエータハンドル組立体(1000)が、図17A〜17Bに示されている。アクチュエータハンドル組立体(1000)は、本体(1002)、本体(1002)に枢動可能に取り付けられたトリガ(1010)、及びトリガ作動組立体(1020)を備える。この例では、トリガ作動組立体(1020)は、ドライバーアクチュエータ(1030)と係合して、作動させるように操作可能なトリガ運搬部材(1022)を備える。ドライバーアクチュエータ(1030)の遠位端は、ステープルドライバー(24)などのステープルドライバー(図示せず)に連結され、ステープリングヘッド組立体(20)などのステープリングヘッド組立体(図示せず)の外部へステープルを打ち込む。ドライバーアクチュエータ(1030)の近位端は、トリガ運搬部材(1022)と連結しているか、又は、係合する。ドライバーアクチュエータ(1030)は、上記したドライバーアクチュエータ(24)の教示の少なくとも一部に従って、更に構築されてもよい。
【0074】
図17Aに示すように、トリガ運搬部材(1022)は、トリガ運搬部材(1022)の互いに反対の側面から外側へ延びる一対の枢軸ピン(1024)を備える。ピン(1024)は、本体(1002)に形成された長手方向のチャンネル(1004)の中へと延びている。それ故、ピン(1024)によって、チャンネル(1004)内でピン(1024)の周りに回転することも、チャンネル(1004)に沿って長手方向に作動することも、両方とも可能となる。また、トリガ運搬部材(1022)は、トリガ(1010)の端部(1012)を捉えて、固定するように構成された一対の側部材(1026)、及び後部材(1027)を備える。したがって、図17Bに見られるように、側部材(1026)及び後部材(1027)は、トリガ運搬部材(1022)がトリガ(1010)によって長手方向に作動可能なように、トリガ(1010)の端部(1012)に連結する。タブ(1028)は、側部材(1026)から延び、かつ、トリガ運搬部材(1022)を図17Aに示す第1位置に維持するように操作可能である。もちろん、トリガ運搬部材(1022)及びトリガ(1010)のための他の構成、及び/又は連結組立体が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0075】
表示器(1040)は、枢動するように本体(1002)に連結され、かつ、本体(1002)の表示窓(1006)を通して、器具のステープリングヘッド組立体(図示せず)に対して、アンビル(図示せず)の位置を示すように操作可能である。表示窓(1006)は、アンビルが、この装置で好ましい動作範囲に対応する位置にあるときを示す、「グリーンゾーン」領域(1008)を備える。この例では、表示器(1040)は、ステープリングヘッド組立体に対するアンビル位置の移動に対して、表示器(1040)を機械的に連係させるために、長手方向に作動するアクチュエータ(1042)に、枢動可能に連係させられている。アクチュエータ(1042)及び/又は表示器(1040)は、上記した表示器(104)及び/又は表示器ブラケット(140)の教示の少なくとも一部に従って、構築されてもよく、かつ/又は、組み立てられてもよい。この例の表示器(1040)は、第1端部(1048)から垂直に延びる表示バー(1046)を有する主部(1044)を有する、V字状部材を備える。それ故、ユーザが表示窓(1006)を見たときには、表示バー(1046)が、所望の動作範囲又は「グリーンゾーン」に対するアンビル位置についての、視覚的な表示器を提供する。もちろん、表示バー(1046)は、この器具が「グリーンゾーン」の中にあるときに、視覚的に確認を行う、例示的な構成部品にすぎないことを理解されたい。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、「グリーンゾーン」の中に器具があることを示すために、アクチュエータ(1042)上のマーキングなどの他の機構を用いてよい。
【0076】
解除ブラケット(1052)は、主部(1044)の第2端部(1050)から、主部(1044)に対して、上方に、かつ、遠位側に延びているが、これは任意選択的なものにすぎない。あるいは、例えば、解除ブラケット(1052)は、アクチュエータ(1042)及び/又はドライバーアクチュエータ(1030)に連係されていてもよい。例示的なものにすぎないが、トリガ運搬部材(1022)に係合し、かつ/又は係合解除するために、かつ主部(1044)を枢動させるために、アクチュエータ(1042)及び/又はドライバーアクチュエータ(1030)上にカム面が提供されていてもよい。あるいは、窓又はギャップが、アクチュエータ(1042)及び/又はドライバーアクチュエータ(1030)を貫通して提供され、支持部材(図示せず)が、該窓又はギャップへと、トリガ運搬部材(1022)(解除ブラケット(1052)と同様のもの)を持ち上げてもよく、かつ、アクチュエータ(1042)及び/又はドライバーアクチュエータ(1030)が発射のための所定位置にあるときには、該窓又はギャップへと入り込んでもよい。もちろん、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、トリガ運搬部材(1022)に係合するために、かつ/又は係合解除するために、「グリーンゾーン」に対応する更なる他の機構が、アクチュエータ(1042)及び/又はドライバーアクチュエータ(1030)に連係させられていてもよく、又は、連結されていてもよい。
【0077】
図17Aに示すように、表示器(1040)が、「グリーンゾーン」の外側の初期位置にあるときには、解除ブラケット(1052)の端部は、トリガ運搬部材(1022)のタブ(1028)と係合し、又は、該タブを支持する。例示的なものにすぎないが、タブ(1028)が不注意により解除ブラケット(1052)から係合解除されないように、スナップ機構によって、解除ブラケット(1052)をタブ(1028)に選択的に連結してもよい。もちろん、本明細書の教示に照らせば、当業者には、表示器(1040)のための他の構成が明らかとなるであろう。例えば、変更例によっては、解除ブラケット(1052)は、トリガ運搬部材(1022)に枢動可能に連係してよい。他の構成では、解除ブラケット(1052)は、表示器(1040)が「グリーンゾーン」の中にあるときには、トリガ運搬部材(1022)を解除するカム機構を備えてもよく、表示器(1040)が「グリーンゾーン」の外側に変位したときには、トリガ運搬部材(1022)を上方へ作動させる。変更例によっては、アクチュエータ(1042)が「グリーンゾーン」の中にないときには、トリガ(1010)の端部(1012)との係合から外れるように、トリガ運搬部材(1022)をカム駆動するカム機構が、アクチュエータ(1042)に提供されてもよい。加えて、又は、代替的に、バネ(図示せず)が、図17Aに示す位置へ向かってトリガ運搬部材(1022)を付勢するように提供されてもよく、アクチュエータ(1042)のカム機構によって、トリガ運搬部材(1022)を枢動させて、端部(1012)と係合する。他の変更例では、図17Bに示す係合位置へ向かってトリガ運搬部材(1022)を付勢するように、バネが提供されてもよい。このような変更例では、アクチュエータ(1042)の窓又は他の開口部は、アクチュエータ(1042)が「グリーンゾーン」の中にあるときにのみ、トリガ運搬部材(1022)又は他の機構の通路が、該窓又は開口部を通ることを可能にするように提供される。それ故、アクチュエータ(1042)が「グリーンゾーン」内にないときには、アクチュエータ(1042)の一部が、トリガ運搬部材(1022)をトリガ(1010)と係合することから阻害する。アクチュエータ(1042)が「グリーンゾーン」の外部へ移動したときは、窓又は開口部上のカム表面が、トリガ(1010)からトリガ運搬部材(1022)を係合解除する。もちろん、更なる他の係合解除機構が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0078】
再度図17Aを参照すると、トリガ運搬部材(1022)は、上方に角度が付けられて、かつトリガ(1010)の端部(1012)との係合から離れた初期位置に示されている。解除ブラケット(1052)は、タブ(1028)と係合して、又は、支持して、この初期位置にあるトリガ運搬部材(1022)を維持する。図示されてもいるように、表示器(1040)の表示バー(1046)は、この位置では「グリーンゾーン」領域(1008)の外側にある。ユーザがトリガ(1010)を枢動させてこの器具を発射しようと試みた場合、端部(1012)は、単に器具内で枢動するだけであり、トリガ運搬部(1022)と係合することはない。アンビルが「グリーンゾーン」内に配置されて、表示器(1040)がアクチュエータ(1042)を介して枢動するときには、表示バー(1046)は、図17Bに示す「グリーンゾーン」領域(1008)の中へと移動する。解除ブラケット(1052)は、解除ブラケット(1052)が、トリガ運搬部材(1022)のタブ(1028)を係合解除するか、又はもはや支持しないように、配置される。その後、トリガ運搬部材(1022)が、ピン(1024)の周りで枢動し、重力により、トリガ(1010)の端部(1012)上へと落下する。もちろん、バネ(図示せず)が、同様に、トリガ運搬部材(1022)を端部(1012)上へと付勢するために提供されてもよいが、これは任意選択的なものにすぎない。トリガ運搬部材(1022)がトリガ(1010)に連結された状態で、ユーザは、その後、この器具を発射することができる。トリガ(1010)は、ドライバーアクチュエータ(1030)を遠位側に打ち込んで、ステープルを組織内へ発射するために、チャンネル(1004)に沿ってトリガ運搬部材(1022)を長手方向に作動させる。アクチュエータハンドル組立体(1000)、トリガ運搬部材(1022)、及び/又は表示器(1040)のための尚更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0079】
本明細書に記載されている教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ又は2つ以上が、本明細書に記載されている他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わされ得ることを理解されたい。上述した教示、表現、実施形態、実施例などはしたがって、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0080】
本明細書に援用されると言及されるいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本明細書に援用するものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に援用した任意の矛盾する内容に取って代わるものとする。本明細書に参照により援用されると言及されているが現行の定義、記載、又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの内容、又はそれらの部分は、援用される内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でのみ援用されるものとする。
【0081】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹外科用器具類、並びにロボット支援手術における応用が可能である。例えば、当業者は、本明細書の様々な教示を、その開示が参照により本明細書に援用される、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わせ得ることを理解するであろう。
【0082】
例示的なものにすぎないが、本明細書で説明した実施形態は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄してもよい。次いで器具を滅菌してもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで、容器及び器具を、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌してもよい。
【0083】
本明細書で説明された装置の実施形態は、少なくとも1回の使用の後に、再使用のための再調整を行うことができる。再調整することは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立てする工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、本明細書で説明された装置の実施形態は分解されてよく、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか、又は取り外してもよい。特定部品の洗浄及び/又は交換の際、本装置の実施形態は、その後の使用のために、再調整用の施設で、又は外科手技の直前に外科チームによって、再組み立てすることができる。装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0084】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な変更例のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で考察した実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0085】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)該本体内に長手方向に延び、かつ該本体の中で長手方向に作動するように操作可能なアクチュエータと、
(d)該本体に枢動可能に取り付けられたロックアウト部材であって、該ロックアウト部材が該トリガと係合される第1位置から、該ロックアウト部材が該トリガから係合解除される第2位置へと、枢動可能である、ロックアウト部材と、
(e)該ロックアウト部材及び該アクチュエータに関連する固定機構であって、アクチュエータの長手方向での作動を制限するように操作可能である、固定機構と、を備える、組織をステープル留めする装置。
(2) 前記固定機構は係合タブを有するブレーキを備え、前記アクチュエータは長手方向のスロットを備え、前記ロックアウト部材が前記第2位置へ枢動するときに、前記ロックアウト部材は、前記係合タブが該スロット内へ挿入されるように該ブレーキをカム駆動する(cam)よう、操作可能である、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記アクチュエータの中に係合タブが挿入されている間、前記アクチュエータは、所定の範囲に沿って長手方向に作動するように、操作可能である、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記固定機構はロックを備え、前記ロックアウト部材は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、該ロックを前記アクチュエータと係合させるように、操作可能である、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記ロックはエッジ部を備え、該エッジ部は、アクチュエータの長手方向での作動に抵抗する摩擦材料を含む、実施態様4に記載の装置。
【0086】
(6) 前記ロックはエッジ部を備え、前記アクチュエータは、前記アクチュエータの外側表面上に設けられた複数の歯を備え、該エッジ部は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、該歯と係合する、実施態様4に記載の装置。
(7) 前記固定機構は前記ロックアウト部材のカム面を含み、該カム面は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、アクチュエータの長手方向での作動に抵抗する摩擦材料を含む、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記固定機構は作動可能なドアを備え、該ドアは、開口部を備え、該開口部を貫通してアクチュエータが延び、前記アクチュエータは1つ又は2つ以上の凹部を備え、該ドアの一部は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、前記アクチュエータの該1つ又は2つ以上の凹部に係合する、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記ドアはバネと連結し、該バネは、前記ドアの前記一部が前記1つ又は2つ以上の凹部から係合解除されるように、前記ドアを付勢する、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記固定機構は、前記ロックアウト部材の一部の周囲に設けられた複数の歯を備え、前記アクチュエータは前記ロックアウト部材の該歯に対して相補的な1つ又は2つ以上の歯を備える、実施態様1に記載の装置。
【0087】
(11) 前記固定機構は、前記アクチュエータの外表面上に設けられた1つ又は2つ以上のラチェット歯を備え、前記ロックアウト部材は、前記ロックアウト部材が前記第2位置へと枢動するときに、前記1つ又は2つ以上のラチェット歯と係合するように操作可能なキャッチロッドを備える、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記1つ又は2つ以上のラチェット歯は、前記アクチュエータの前記外表面上に配置された螺旋状のレッジ部を含む、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記1つ又は2つ以上のラチェット歯は、前記アクチュエータの前記外表面上に配置された複数の環状のレッジ部を含む、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記固定機構はボタン組立体を含み、前記アクチュエータは、該ボタン組立体のボタンを受容するサイズの長手方向の凹部を備え、該ボタン組立体は、該ボタンが前記アクチュエータの該凹部内へと作動されたとき、前記ロックアウト部材を前記第2位置へ枢動するように、操作可能である、実施態様1に記載の装置。
(15) (a)前記本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、前記トリガは、該ステープリングヘッド組立体を起動するように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(b)前記アクチュエータの遠位端と選択的に連結可能なアンビルと、を更に有し、
前記アクチュエータは、該ステープリングヘッド組立体に対して該アンビルを長手方向に作動させるように、操作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0088】
(16) (a)本体と、
(b)該本体に枢動可能に取り付けられたトリガと、
(c)アンビル位置表示器と、
(d)トリガ作動組立体であって、
i.トリガ運搬部材と、
ii.ドライバーアクチュエータと、を備える、トリガ作動組立体と、を備える、外科用器具用のハンドル組立体であって、
該アンビル位置表示器は、該トリガ運搬部材から該トリガを係合解除するように、又は該トリガ運搬部材から該ドライバーアクチュエータを係合解除するように、操作可能である、ハンドル組立体。
(17) 解除部を更に備え、前記ドライバーアクチュエータは、トリガ運搬部材との長手方向の整列から離れるように付勢された、弾性的に付勢されるロッドを備え、前記アンビル位置表示器はスロットを備え、該解除部は、前記ドライバーアクチュエータを、該スロットを通して曲げて、前記トリガ運搬部材と長手方向に整列させるように、操作可能である、実施態様16に記載の装置。
(18) ラチェット部材を更に備え、前記ドライバーアクチュエータはラチェット歯を備え、該ラチェット歯は、前記ドライバーアクチュエータが前記トリガを介して遠位側に作動されたときに、該ラチェット部材に係合する、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記アンビル位置表示器は解除部材を備え、前記トリガ運搬部材はタブを備え、該解除部材は、アンビル位置表示器が第1位置にあるときに、前記トリガ運搬部材の該タブに係合するように構成され、該解除部材は、アンビル位置表示器が第2位置にあるときに、該タブから係合解除するように構成されている、実施態様16に記載の装置。
(20) (a)本体と、
(b)該本体の遠位端に連結したステープリングヘッド組立体であって、該本体に対して遠位側にステープルを打ち込むように、操作可能である、ステープリングヘッド組立体と、
(c)該本体及びステープリングヘッド組立体を通って長手方向に延びるアクチュエータと、
(d)該アクチュエータと選択的に連結可能なアンビルと、
(e)該アクチュエータを該本体に対して長手方向に選択的に固定する手段と、を備える、組織をステープル留めする装置。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B