(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のシステムにおいて、前記基地局と前記測位装置を収容するためのエンクロージャを更に具えており、前記エンクロージャは、前記カメラの方位に関して前記自由に動く標的にフィードバックを与え、さらに、前記自由に動く標的が移動すると、前記カメラと共に前記測位装置によって前記自由に動く標的に方向付けられる少なくとも1つのフィードバック装置を具えていることを特徴とするシステム。
請求項1に記載のシステムにおいて、前記遠隔ユニットが、前記基地局の動作をオーバーライドするために使用することができるユーザインターフェースを具えていることを特徴とするシステム。
請求項7に記載の方法において、前記判断された回転角および速度値に基づき前記カメラを方向付けるように前記測位装置に命令する前に、前記カメラの初期方位を判断するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項12に記載の方法において、格納された前記カメラの位置と格納された前記遠隔ユニットの位置を用いて前記カメラの初期ポインティング角度を判断するステップの前に、前記カメラのポインティング方向に対応する前記カメラの軸と実質的に一致する端を有する平行光ビームを提供するステップと、前記カメラの視野の中心付近に前記遠隔ユニットを配置するステップを支援するために前記平行光ビームの助けにより前記遠隔ユニットを移動させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項12に記載の方法において、前記カメラの視野の中心付近に前記遠隔ユニットを配置するステップを行うために前記カメラを前記遠隔ユニットに方向付けるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
請求項1に記載のシステムにおいて、前記測位装置が少なくとも1つのモータを具えており、前記少なくとも1つのモータはそれぞれギアボックスに関連付けられ、前記ギアボックスは駆動軸と前記カメラを方向付ける従動軸とを含み、前記ギアボックスは前記従動軸の角速度を低減させ、前記従動軸と前記駆動軸はそれぞれ前記カメラの方位を判断するのを支援するために符号化ホイールに関連付けられていることを特徴とするシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、カメラなどのポインティング装置(指向性装置(directional device)またはポインタと呼ばれる)を自動的に方向付けるシステムと方法に関する。より具体的には、本発明は、自由に動く被写体の位置情報の定期的更新を受信して、指向性装置が被写体をほぼ指すように、位置情報を、指向性装置の方位を変える命令に変換することに基づき、カメラなどの指向性装置を自動的に方向付けるシステムと方法に関する。被写体は人間、動物または物体であり得るということに留意されたい。
【0008】
好ましい実施形態では、本システムは、滑らかかつ制御されたやり方でポインタを被写体に向けるために方位変化の速度を制御する。加速度(一般的に言えば速度の時間微分)を制御することは速度制御の概念に含まれると考えられる。
【0009】
好ましい実施形態では、本ポインティング装置はカメラであり、本システムは自由に動く被写体の自動録画に使用され得る。速度制御は、ぎこちないカメラアーティファクトの無い高品質録画を生成するのを助けるので、このような実施形態において特に有用である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態は、衛星ベースおよび/または地上ベースの送信機から受信された送信に基づく位置座標を使用することによりカメラなどの装置を自由に動く被写体に自動的に向けるシステムと方法に関する。
【0011】
本発明のシステムと方法の主要な利点の1つは、自由に動く被写体を、人間がカメラを扱う必要性無しに自動的に記録する能力である。本発明の別の主要な利点は、カメラマンのサービスを頼むこと無く、観客、試合審判員、ファンなどの観点から被写体の活動の録画を生成する能力である。本発明のシステムと方法は、サーフィン、カイトボード、スケートボード、モトクロスレーシング、ゴルフ、サッカー、テニス、スノーボード、スキー、動物行動研究、演劇芸術、結婚式、コンサート、誕生パーティなど無数の活動を記憶に留めるために使用され得る。加えて、本発明の独創的システムと方法を具現する複数の装置が、活動に従事する複数の被写体を記録するために、興味ある位置に設定され得る。このようなシナリオで記録された映像は次に、活動参加者の場面を組み合わせるために処理され得る。
【0012】
再生および視聴され得、視聴者に対して連続動画としてまたは一連の写真としてのいずれかとして現われる記録画像または記録画像シリーズを生成する処理は、一般的には録画、ビデオテープ録画、撮影などと呼ばれる。これらの用語は、実際の記録装置、そのタイプのメモリ、記録媒体、または記録手段を問わず、さらには画像が実際に保存されるか否かを問わず、このような方法に適用されるということに留意されたい。
【0013】
活動に従事する人間(またはより一般的には予め決められた経路無しに動き回る物体)のカメラによる自動記録は複雑な作業である。このような作業は、カメラの指示方向、カメラの位置、および被写体の位置が絶対的または相対的に知られる初期化を必要とする(カメラは当初、被写体をほぼ指すように方向付けられなければならない)。次に、カメラ方位は、被写体が位置を変えるにつれてカメラが実時間またはほぼ実時間で被写体をほぼ指し続けるように、制御されたやり方で更新されなければならない。カメラ動作は、その結果の記録が視聴者にとって楽しめるやり方でなされるべきである。「興趣性(enjoyability)」は、本明細書では「高品質録画」(HQVR:high quality video recording)と呼ばれる。高品質録画は、カメラ運動が処理されるやり方に関係するが、必ずしもカメラの品質(カメラ解像度、カメラ光学素子の品質、またはレンズ絞り、焦点およびズームを含むパラメータの調整可能性)に関係しない。
【0014】
高品質録画に寄与する少なくとも2つの主要素:1)カメラが方向付けられる精度(すなわち被写体を場面内にうまく配置し続けること)と2)撮影中のカメラ運動のスムーズ性(すなわち不要なぎこちなさ、コマ落ち、振動などを回避する)がある。本発明のシステムと方法を使用することで高品質録画をもたらす。
【0015】
本発明の好ましい実施形態は、全地球測位システム(本明細書では、時に「GPS」と呼ばれるが、多数のこのようなシステムが存在し、本発明のシステムの装置は複数の衛星からおよびまた地上源から信号を受信し得る)に関連付けられた衛星から信号を受信する1つまたは複数の装置を含む。GPS信号は1つまたは複数の装置により登録され、1つまたは複数のシステム構成要素の位置座標が判断される。たいていの利用では、「GPS」は、米国国防総省により維持される全地球測位システム(Global Positioning System)を指す。本発明のシステムと方法は他のおよび/または複数の衛星ベース測位システム、部分的地上測位システム、または全地上測位システムから受信された信号と共に使用され得るということに留意されたい。本明細書にさらに論述されるように、適切に配置されたGPSユニットが、記録される被写体および記録を行うカメラの位置座標を生成する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態はまた、GPSユニットから位置データまたは補正係数を受信し、受信データを自動記録システムの様々な部分へ送信するおよび/または別の送信ユニットから信号を受信する装置を含む。これらの装置はまた、時に頭文字UART(汎用非同期受信機/送信機:Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)により参照される。これらの装置は本明細書では送受信機と呼ばれる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態はまた、現在と過去のカメラ方向に関する他の情報だけでなく複数の位置データを受信する1つまたは複数の装置を含む。これらの装置は中央処理装置(CPU)またはマイクロコントローラユニット(MCU)を含む。CPUおよび/またはMCUは、測位装置が関連カメラを被写体の方向に向けるための命令を位置データおよび他の情報に基づき生成する。
【0018】
本明細書でさらに論述されるように、測位装置は好適には、記録される所与のフレームが被写体を含むように関連カメラを方向付けるために1つまたは複数のモータを含む。カメラを動かすモータは好適には、カメラ位置決めとモータ運動を十分に精密にするために採用される1つまたは複数の符号化ホイール(必要な光源とセンサと共に)を備える。
【0019】
カメラは動くのでカメラ方位とカメラ動作速度の両方の適切な制御には高精度のカメラ動作が必須である。HQVRとして分類されるカメラ動作を行う本発明のシステムと方法は、高度に熟練したカメラマンによりカメラに与えられるであろう動作を模擬するいくつかの命令を使用することを含む。その点では、GPSユニットにより検知されCPUへ送信される被写体の運動は、被写体がカメラの視野の中心から所定距離を越えて移動する場合だけの「運動」と考えられる。換言すれば、被写体の動作が検知されるがカメラの運動を生じない「不感帯」が本発明のシステムと方法に含まれる。不感帯の利用は高品質録画に寄与する。
【0020】
カメラの加速度/減速度と運動速度は、被写体の動作が本発明のシステムと方法による不感帯の外にある場合に制御される。カメラが動く場合、目標は被写体をほぼ記録フレーム内に維持することである。本発明の好ましい実施形態は、当初はカメラを急速であるが滑らかに加速させ、カメラが被写体の指示方向に近づくと減速させるカメラ動作速度のためのカメラ動作制御を含む。本発明の好ましい実施形態はまた、被写体が実時間で位置を変えた時間と、カメラ方位が検知された被写体位置変化に応答して変化し始める遅延時間との間の固有システム遅延を補償するシステムと方法を含む。
【0021】
加えて、本発明の好ましい実施形態は、GPS位置データが欠落する可能性(例えば、GPS衛星とGPSセンサ間または本発明のシステムの部分間の通信エラーによる)を考慮する。本発明のシステムと方法は、短い期間のデータ損失を無視する。データ損失が事前設定時間制限を越えると、カメラはその場に留まるまたは被写体の最新の既知の位置に戻るかのいずれかである。
【0022】
本発明の好ましい実施形態はカメラの機能(例えば、カメラズームレベル)だけでなくカメラ方位も自動的に制御する。例えば、遠隔装置からの位置座標がある期間の間欠落すれば、カメラは、位置データの受信が再開するまで被写体をカメラ視野内に保つ確率を増加させるためにズームアウトするように指示され得る。本発明のいくつかの実施形態では、カメラのズーム機能の制御は、被写体が高速で移動する場合に被写体をフレーム内に維持するための方法としてシステムにより採用される。
【0023】
上記機能は、本発明のシステムと方法の様々な実施形態で実施される。添付図面と本発明のシステムと方法の特定の実施形態とについての論述が以下に続く。
【0024】
図1に、自動記録システム10(自動ポインティングシステムの好ましい一実施形態)を示す。自動記録システム10は好適には、被写体12の位置を検知しそれを追跡するように構成される。上述したように、被写体12は例えばスポーツイベントにおける参加者であり得る。自動記録システム10により追跡および記録される被写体は、動物または物体であり得るということに留意されたい。
【0025】
自動記録システム10は好適には、遠隔装置16(また遠隔ユニットと呼ばれことがある)を含む。遠隔装置16は好ましくは、被写体に一時的に固定され得る装着型素子である。本発明の好ましい一実施形態によると、遠隔装置は好適には、必要な電子部品のための筐体またはエンクロージャと同筐体を被写体12に固定する手段とを含む。好ましい実施形態によると、使用中に遠隔ユニット16を被写体12に固定するためにストラップシステムが使用される。他の好ましい実施形態によると、遠隔ユニット16は、止め金、取り付け台、パウチ、または吸着カップなどの他の手段を介し被写体12に固定される。被写体を追跡するために、被写体は、遠隔装置と同一場所に配置されなければならない、または遠隔装置16に対し既知の位置に存在しなければならない。本発明の好ましい実施形態によると、被写体12と遠隔装置16は遠隔装置16を被写体12にストラップすることにより同一場所に配置され得る。
【0026】
図1に示すように、被写体は自身の腕に遠隔装置を装着する。遠隔装置16はまた、被写体の体、服、または記録される活動を行う際に使用される装置の他の部分に接続され得る。例えば、サーフィンシナリオでは、遠隔装置はサーフボードに接続され得るが、必ずしもサーフボードに乗る人間、物体、または動物に接続されなくてもよい。便宜上、被写体12は関連遠隔装置16と一緒に標的と呼ばれる。
【0027】
自動記録システム10はさらに、方位制御装置(orientation controller)70を含む。方位制御装置70は好適には、携帯可能なように大きさが決められる。例えば、方位制御装置70は約5インチの高さ、約3インチの幅と約3インチの奥行を有し得る。これらの例示的寸法は、方位制御装置が例えば航空機機内持込旅行鞄内に好都合に格納されるようにする。このような寸法は、装置が場所から場所へ容易に運ばれ得る限り、方位制御装置をより小さくするまたはさらにはより大きくするように変更され得る。方位制御装置70と接続する部品もまた、同様に携帯可能である。
【0028】
カメラ46は好適には、図のように方位制御装置70に接続される。カメラ46は、ビデオカメラ、スチール写真カメラ、スマートフォン、タブレットコンピュータ装置または任意の他の取り付け可能記録装置であり得る。方位制御装置70は好適には、三脚34上に搭載される。
図1に示す実施形態では、三脚34は上方へ延びるマスト36を含む。方位制御装置70は好適には、三脚34のマスト36に接続される。市場には様々な三脚が存在するということに留意されたい。方位制御装置70は好適には、三脚の典型的な接続インタフェースと係合するように設計される。別の実施形態では、三脚34は、地面に対して一時的に固定されることができる携帯型プラットホームを提供する他の手段、例えば、重み付けブロック、ポールまたはバーのような固定物体に方位制御装置70を搭載するためなどの取り付けストラップ、または吸着カップなどで置換される。さらに他の実施形態では、ポインティング装置(例えば、カメラ)は方位制御装置70の不可欠な構成要素である。
【0029】
方位制御装置70が設定されると、カメラ46は図示のように相対位置ポインティングベクトル48に沿った方向に向く。カメラ46のズームレベルは好適には、被写体12がカメラ46の視野60内に十分に入るとともに本発明のシステムの精度制約に基づくように設定される。被写体の運動に対するズームレベル調整のさらに詳細な論述は、以下に含まれる。
【0030】
方位制御装置70は好適には、図のように光源38を備える。光源38は被写体12にフィードバックを与える。好ましい一実施形態によると、光源38は発光ダイオード(LED)である。光源38は、好適には平行にされ(平行光ビーム64)、カメラレンズ方向の軸に十分に対応する方向に導かれる光ビームを放射することが好ましい。光源38のコリメーションは固定されてもよいし、ズーム依存であってもよい。
【0031】
光源38のコリメーションは好適には、典型的なズームカメラ角度(例えば、典型的なサーフィン用途では約5度+/−約2度)に固定される。コリメーション角度は、光源38を1つまたは複数のコリメーション端に対してより近くにまたはより遠くに移動することにより調整され得る。
【0032】
好ましい一実施形態では、コリメーションは実質的に一次元においてだけである。これは、光ビームが方位制御装置70のパン動作に対応する方向にだけほぼ平行にされることを意味する。本明細書にさらに論述されるように、撮影中に被写体12が光源38からの光を見ると、被写体12はカメラが被写体12を十分に指し示していることが分かる。別の実施形態では、コリメーションは、方位制御装置70のパン動作に対応しさらには手動でまたは自動的に調整可能であり得るカメラ傾斜角に対応する二次元のものであり得る。二次元コリメータは四角、円などとして成形された開口であり得る。
【0033】
自動記録システム10の方位制御装置70は好適には、図のように受信/送信アンテナ71を含む。受信/送信アンテナ71は好適には、自由移動する遠隔装置16に対して最適放射パターンを維持するやり方で方位制御装置70に搭載される。最適放射パターンは、受信/送信アンテナ71が最も効果的となる方向がカメラレンズ軸の方向となるように、受信/送信アンテナ71が方向付けられると実現される。別の言い方をすると、受信/送信アンテナ71の最適位置は、ほとんどのアンテナでは、送信する方向に垂直である。いくつかの実施形態では、最適アンテナ71位置は自動的に維持される。
【0034】
HQVRの実現には、被写体12を追跡するにつれカメラ46を精密に制御する必要がある。カメラ46の方位の精度はいくつかの要因に依存する。これらの要因としては、少なくとも以下のものが挙げられる:
(1)カメラ46を向ける際に関与する位置が判断される精度、
(2)当初のカメラ方位を判断する精度と、
(3)カメラ46を指す1つまたは複数のモータの運動の精度、
(4)遅れ時間と標的の位置の更新率、
(5)カメラ動作の角速度、
(6)システムの様々な部分間(例えば、方位制御装置70と遠隔装置16間など)の通信リンクの品質と信頼性。
【0035】
カメラ46の方位の必要な精度はその視野60の角度に依存し、この角度はズームが設定されるときに調整される。別の言い方をすると、最良の結果のためには、カメラの視野は好適には、自動的に、またはそうでなければ自動記録システムの既知の方位精度の考慮に部分的に基づいて、設定または制御される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、ディファレンシャルGPS、実時間運動力学位相補正、および他の補正法が、カメラ方位を判断するためにGPSを使用する際に測位の精度を改善するために使用される。
【0037】
本発明の一実施形態では、カメラ46は、カメラ46の自動パニング(automatic panning)だけを提供する方位制御装置70上に搭載される。この実施形態では、カメラ46のチルトとズームは記録に先立ってユーザにより手動で制御および設定される。この実施形態は、例えば海におけるサーフィンを記録するのに適切である可能性がある。カメラ46の焦点は、カメラ制御(すなわち市販のカメラのオートフォーカス機能)または手動調整され、特定の焦点距離(カメラ46が記録の目的対象12でない前景内の物体に焦点を合わすのを防止するための最大設定など)に設定され得る。好ましい実施形態では、焦点は、カメラ46と遠隔装置16の位置に基づきシステムにより自動的に制御される。さらに、追加の手動調整が記録に先立ってなされ得る。例えば、カメラ46の高さはマスト36により調整され得、カメラのチルトは位置制御装置70とカメラ46間のカメラ取り付け装置を使用することにより一定チルト位置に調整され得る。
【0038】
図1に示す実施形態では、カメラ46は、三脚への取り付けのために通常使用される標準的雄−雌取り付けファスナを含むカメラ取り付け装置を使用して、方位制御装置70上に搭載される。スマートフォンなどのいくつかのカメラは標準的三脚取り付け装置を備えないことがある。これらのタイプのカメラを接続するために、カスタムカメラ取り付け装置またはアダプタが好適には設けられる。カメラ取り付け装置は好適には、方位制御装置70に恒久的または一時的に固定されるように設計され、施錠および簡易解錠機構を含むことが好ましい。
【0039】
三脚は通常、気泡水準器を備える。最良の結果のために、三脚34は好適には、方位制御装置70を水平にするために1つまたは複数の水準器を含む。方位制御装置70またはカメラ46はまた、好適には、自動記録システム10を水平にする際または自動記録システムを使用した結果として水準器場面(level footage)を生成する際に支援するために気泡または電気的水準器を含む。本システムはまた、カメラの視野60を注意深く観察し三脚34などのシステムの構成要素をそれに応じて調整することにより手動で十分に水平にされ得る。
【0040】
図2に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムの構成要素を説明する簡略ブロック図を示す。方位制御装置70は2つの主要構成要素、すなわち測位装置32と基地局18を含む。基地局18は、遠隔装置16と通信するための電子部品と、測位装置32を制御するために遠隔装置16から受信されたデータを処理するための電子部品とを含む。測位装置32は、遠隔装置16がカメラ46の視野60内に十分に入るようにカメラ46を方向付ける。
【0041】
図3に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムの遠隔装置の電子部品を説明する概略図を示す。遠隔装置16は好適には、測位システムから信号(信号20として示される)を受信するGPSユニット22を含む。上記信号はGPSおよび/または他の同様な衛星通信システム(または、部分的または完全地上システム)により供給される。上記信号の目的は、地球中心・地球固定(ECEF:earth−centered,earth−fixed)座標という意味で信号受信機の位置を判断することである。代替または追加の測位システムからの信号を扱う受信機と復号器が同様に使用され得るということに留意されたい。
【0042】
ECEF座標は好適には、マイクロコントローラ(MCU)66へ送信される。マイクロコントローラ66は好適には、ECEF座標データを受信し、データを解析し、データを送受信機24へ送信するようにプログラムされる。
図3に示すように、マイクロコントローラ66はまた、オン/オフボタン72、設定ボタン74、および送受信機24からデータを受信する。送受信機24は、無線信号50と52をそれぞれ、方位制御装置70に関連付けられた送受信機に対し送受信する。送受信機24はまた、データをマイクロコントローラ66へ送信しデータをマイクロコントローラ66から受信する。マイクロコントローラ66はまた、図のようにデータを状態表示器LED84へ送信する。
【0043】
遠隔装置16の電子部品は充電式電池76により電力を供給されることが好ましい。図のように電池充電表示器82が設けられる。一般的に言えば、GPSユニットの電力要件は厳しい。当業者は、遠隔装置16が適切な電力要件を満足するためにフィルタなどの他の電子素子を含み得るということを理解するだろう。
【0044】
遠隔装置16の電子部品はエンクロージャ77内に収容されることが好ましい。遠隔装置16のエンクロージャ77は射出成形技術または他の同様な成形技術を使用して作製され、ポリウレタンなどのポリマーで作製され得る。
【0045】
エンクロージャ77は好適には、被写体12の体または服に遠隔装置16を取り付けるためにファスナ78を備える。遠隔装置16は被写体12の脚、腕、手首などに取り付けられ得る。加えて、遠隔装置16は被写体12により使用される運動用具に取り付けられ得る。さらに、遠隔装置16は、記録の対象またはその一部である任意の物体に接続され得る。
【0046】
エンクロージャ77はまた、充電接触子80用の2つの開口を備えることが好ましい。エンクロージャ77は好適には、十分に防水性があり、いくつかの衝撃に耐えることができる。遠隔装置16に付随するLED表示器またはそこからの光はエンクロージャ77の透明または半透明領域を通して視認可能である。好適には、遠隔装置16の材料と構造は同装置が水に浮かぶことを保証する。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態では、遠隔装置16は好適には、追加入力および/または出力手段を備える。追加入力および/または出力手段は、ボタン、スイッチ、スピーカまたは他の振動生成手段、タッチスクリーンなどを含み得る。これらの追加入力手段は、遠隔装置16を使用することにより、基地局18と通信し、基地局18から情報を受信し、基地局18へ命令を与える能力を被写体12に与える。これらの命令は本質的に手動のオーバーライドであり、例えば(1)初期化する、(2)右へパンする、(3)左へパンする、(4)記録を開始する、(5)記録を停止する、(6)ズームイン/アウトすることを含み得る。列記された命令の1つまたは複数を開始する1つの理由は、被写体が記録の状態などのシステムの状態に関する方位制御装置70からのフィードバックを受信することである。列記された命令のいくつかはカメラを制御する能力を必要とするということに留意されたい。自動記録システムがカメラ制御を含まない実施形態では、遠隔装置16は「マーカ」ボタンまたは制御装置を備え得る。マーカ制御装置を操作することで、好適には、測位装置32にカメラをその現在の位置から素早く動かし次にその従来の位置へ戻させる信号を基地局18へ送信する。カメラは、カメラ視野の変化が従来の視野とは顕著に異なるように十分な程度におよび/または十分な速度で動かされるべきである。この機能は、興味あるまたは重要な記録映像場面を見出すためにこれらのカメラ動作が効率的に使用され得るという点で、少なくとも1つの主要な利点を提供する。例えば、サーフィンに関与する際、被写体が波に乗り、そしてサーフィンを完了すると被写体はマーカ機能を開始し得る。既に述べたように、遠隔装置はカメラ制御ボタン、スイッチなどを含み得る。好ましい一実施形態では、遠隔装置16は好適には、「最終記録(record last)」ボタンまたは制御装置を備える。このような制御装置は、最後のN分間の場面を別ファイルとして格納する命令をカメラ46へ送信するだろう。N(格納される分単位の時間)は、選択肢配列(例えば、1、2、3、または4分または他の選択可能値)からまたは特定数の分を入力することにより設定中に選択され得る。さらに別の実施形態では、遠隔装置16は、カメラにより記録された場面が遠隔装置上に表示されるようにする当業者には公知の通信技術を使用する記録映像の実時間または遅延再生の表示を含み得る。本発明のさらに別の実施形態では、遠隔装置16を介し基地局18を制御する命令を話す音声認識手段が設けられる。命令を話すことにより記録を開始および停止する能力の1つの利点は、サーファが例えば波に向かって漕ぎ始めるときに「記録せよ」と言うことができ、サーフィンを完了するときに「停止せよ」と言うことができることである。これは、サーファにとって興味ある部分だけを選択するために長く続く(何時間にもわたり得る)映像を見る必要性を無くすだろう。自動記録システムは、予期しない事象を捕捉する最も高い可能性を保証するようにサーフィンセッションなどの数時間の活動期間中記録するために使用することができる。重要事象をマーキングするための上記実施形態のうちの1つまたは複数は、自動記録システムの使用後の編集負担を容易にするために実施され得る。
【0048】
図4に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムの方位制御装置の電子部品を説明する概略図を示す。方位制御装置70は好適には、基地局18と測位装置32を含む(
図2を参照)。本発明のいくつかの実施形態には必要無いが、方位制御装置70はGPS衛星または同様な測位システムから信号(信号20として示される)を受信するGPSユニット26を含み得る。ECEF座標は、基地局18内で、オン/オフボタン86、設定ボタン88、および送受信機28からデータと共に座標データを受信するようにプログラムされる中央処理装置(CPU)30へ送信される。送受信機28は、無線信号50と52をそれぞれ遠隔装置16へ送信し遠隔装置16から受信する。送受信機28はまた、データをCPU30へ送信しCPU30から受信する。CPU30はまた、データをパン駆動装置42へ送信する。パン駆動装置42は、出力軸68の運動を制御するために符号化ホイールおよび関係する感知装置(図示せず)などの手段を含み得る。本発明の他の実施形態はチルト駆動装置を組み込み得、パン駆動装置に関してなされた記述はチルト駆動装置へ同様に適用可能であるということに留意されたい。
【0049】
基地局18の電子部品には、好ましくは再充電可能電池90により電力が供給される。充電表示器LED92は電池90が充電を必要とするかどうかを示すために設けられる。遠隔装置16に関し上に述べたように、GPSユニット26の電力要件は厳しくしたがって必要な電力要件を満足するためにフィルタを含む電子素子が設けられ得る。基地局18と測位装置32の素子の両方は好適には、共通エンクロージャ(エンクロージャ100)内に収容される。測位装置32は好適には、パン駆動装置42と旋回軸68を含む。エンクロージャ100は好適には、ファスナ98(
図4に概略的に示される)を備える。
図4に示す実施形態では、ファスナ98は、出力軸68が方位制御装置70に対して回転するように、方位制御装置70と取り付け基部(
図1では、三脚34として具現された)とを結合する。さらに別の実施形態では、ファスナ98は、方位制御装置70(パン駆動装置42へ結合される)が使用中に地面に対して固定された取り付け基部34に対して動くように、出力軸68と取り付け基部34へ結合される。
【0050】
エンクロージャ100は好適には、適切な充電器が取り付けられ得る充電ピン94用の2つの開口を有する。基地局18内の適切な回路が充電接触子96の電気を供給することが好ましい。
図3と4に示される実施形態では、遠隔装置16は、遠隔装置の充電ピン80(
図3を参照)と充電接触子96とを係合することにより、方位制御装置70を通して充電され得る。
【0051】
パン駆動装置42は、回転遊びを補償する素子を好適には含む変速装置を介し駆動軸68へ結合されることが好ましい。好ましい実施形態では、カメラ46は、カメラ取り付け装置(図示せず)を使用することにより、または方位制御装置70へのカメラの一体化により、方位制御装置70にしっかりと取り付けられる。パン駆動装置42は、以下にさらに論述されるように、CPU30から受信する命令に基づきカメラ46と共に方位制御装置70を動かす。
【0052】
上述したように、方位制御装置70には光源38が装備されることが好ましい。光源38はエンクロージャ100上に埋め込まれることが好ましい。光源38は好適には、ポインティングベクトル48(
図1を参照)に沿って平行光ビームを光らせる。光源38は電池90により電力を供給されるLEDであることが好ましい。
図1を参照すると、被写体12は、カメラ46の視野60内にいるときは光源38から発する光ビームしか見えない。光源38はエンクロージャ100の前部上の開口がコリメータとして機能するように埋め込まれることが好ましい。光源38は、方位制御装置70または測位装置32がカメラ46をほぼ被写体12の方向に正しく向けているという目視確認を被写体12へ与える。
【0053】
基地局18は図のように状態表示器LED102を含む。自動記録システム10を設定または初期化する際、基地局18の状態は状態表示器LED102の変化(色の変化、明滅など)を観測することにより判断され得る。他の実施形態では、方位制御装置70はまた、システムの設定/初期化中に使用される他の光源を備え得る。
【0054】
本発明の好ましい一実施形態では、方位制御装置70の位置は記録中は静止しており、GPSユニット26からの位置更新は、例えば遠隔装置16の相対的位置判断の精度を改善するために「どの衛星または他の信号を位置計算に使用するか」に関して遠隔装置16のGPSユニット22と連携して、ディファレンシャルGPS方法、実時間運動学的位相修正法、および/または他の位置補正法を実施するために使用される。本発明の別の実施形態では、基地局18はGPSユニットを備えない。このような実施形態では、GPSユニット26は存在しない。したがって、基地局18は、記録中はそれ自身の位置に関し位置更新を行わない。本発明の別の実施形態では、基地局18は、基地局18と測位装置32が単一のエンクロージャ内に収容されないように測位装置32とは別ユニットであり得る。同じエンクロージャ内に基地局18と測位装置32を有することは、いくつかの実施形態にとって都合よくかつ効率的である。しかし、本発明は単一の基地局が多数の測位装置およびカメラを制御する実施形態を含むということに留意されたい。さらに、基地局は、制御する測位装置から少し遠くに位置する別ユニットであり得る。これらの実施形態では、基地局と1つまたは複数の測位装置およびカメラとの間の通信を設定するために追加の信号伝送システムが設けられる。
【0055】
図5は、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムの様々な調整機能を説明する概略図である。
図5は、取り付け基部上に搭載された測位装置32を示す本発明の好ましい一実施形態を描写する。
図5に示す取り付け基部は三脚34である。他の取り付け基部が使用され得るということに留意されたい。図のように測位装置32を昇降するためにはインナマスト36が含まれることが好ましい。マスト36は、方位制御装置70のオーバーライド(例えば、被写体をカメラのフレーム内の中心から意図的に外すために使用され得る)としてのカメラ方位の手動調整を可能にする。マスト36は三脚34に一体化されても良いし、別個の取り付け可能部品であってもよい。好適には、測位装置32は一体化されたジンバル式プラットホーム40を含む。ジンバル式プラットホーム40は好適には、図のようにインナマスト36の上に搭載される。取り付け基部がインナマスト36を含まない実施形態では、測位装置32は取り付け基部へ直接搭載され得る。カメラ46は好適にはジンバル式プラットホーム40に搭載される。測位装置32はまた、好適には、カメラ46をパンするパン駆動装置42とカメラ46を傾けるチルト駆動装置44とを含む。チルト軸は
図5の概略図の紙面に垂直であり、カメラ46が傾けられれば、図のようにカメラ軸はもはや水平ではなくなる。
【0056】
図6に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムのフィードバック光源の実施形態を説明する頭上概略図を示す。
図7に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムのフィードバック光の別の実施形態を説明する頭上概略図を示す。
図8に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムのフィードバック光のさらに別の実施形態を説明する頭上概略図を示す。
図6、7、8の実施形態は、記録の対象が「カメラ46は被写体をほぼ指し続ける」ということを通知され得る様々なやり方を示す。記録の対象はカメラ46から少し遠くにあるので、システムが正しく動作していることを被写体に知らせるフィードバックシステムは有利である。
図6、7、8は、カメラ46とフィードバック光源38と39を有する測位装置32のトップダウン図である。これらの添付図に示されるすべての部分は、同一水平面内に必ずしもあるとは限らない。
【0057】
図6に示す実施形態では、フィードバックは平行光ビーム64により与えられる。上述のように、平行光ビーム64は、LEDまたは他の光源であり得る光源38により放射される。カメラ46と平行光ビーム64の視野60は、ほぼ同じ角度を有し同じ方向を指し示すことにより特徴付けられる。自動記録システムがカメラ46の自動ズーム制御装置を備えれば、光源38のコリメーション角度を調整するために対応する制御装置が設けられる。この制御装置は、より狭いズーム角のために光源38をコリメーティングスリットまたはエッジからより遠くまで移動する(カメラがズームインする時)モータであり得る。
【0058】
ここで
図7を参照すると、示された実施形態では、図のように2つの光源すなわち光源38と光源39が使用される。光源は様々な光の色を放射するLEDであることが好ましい。光源38は第1の色を放射し、光源39は光源38の第1の色とは異なる第2の色を放射する。この実施形態では、光源38の平行光ビーム64は光源39より広い。平行光ビーム64は好適にはカメラのズーム角に対応する。平行光ビーム65は好適には、図のように平行光ビーム64より実質的に狭い。両方の平行光ビームは好適には、図のようにカメラが向いている方向を指す。この実施形態では、被写体12は光源38の光色を見ると自分がカメラ46の視野内にいるということが分かる。被写体12が軸対称であればすなわち被写体12がカメラ46の視野の中央近くにいれば、被写体12は混合色の光を見ることになる。被写体が光を見なければ、被写体はカメラ46の視野内にいないということを知る。
【0059】
次に
図8に示す実施形態に戻ると、光源38と光源39の光ビームはそれぞれカメラ46の左と右を指すように位置決めされる。この配置では、カメラ軸に対応するとともに両方の光源からの光のビームが見える狭い領域が存在する。光源が異なる色であると、前述の狭い領域は混合色として現われる。被写体12が中心から外れると、被写体はカメラ46がどの方向に外れているすなわち左または右に外れているかが分かる。このフィードバックに基づき、被写体12は、被写体12がカメラ46の視野の中心に入るように自動記録システム10を再初期化することを選択し得る。
【0060】
自動記録システム10が現実的状況において正しく動作するために、本発明のシステムと方法は、カメラ46と遠隔装置16の位置の不確定性を含む様々な要因を考慮しなければならない。設定と動作に必要な遠隔ユニット16とカメラ46間の距離は、カメラと遠隔ユニットの位置の知り得るまたは既知の不確定性により判断される。あまり正確でない位置に依存する実施形態では、より長い距離とより広い視野60が必要である。
【0061】
サーフィンを記録する典型的例を考えると、カメラの視野はサーファから約200〜800フィートのカメラにより約5度のズーム角で設定され得る。この場合、少なくとも約±2.5度程度の精度が望ましい。カメラ46に対する遠隔装置16の位置の不確定性が約±8フィートであると仮定すると、約±2.5度程度の精度を達成するために必要な最小有効距離は、約183フィートである(8フィート/tan(2.5度)と計算される)。遠隔装置16の位置が99パーセントの時間約±8フィート境界内にいれば、被写体12は99パーセントの時間カメラの視野60内にいることになる。出願人は、GPS測位に関係する固有誤差がカメラの方位に関するある不確定性を与えるということを観測した。カメラが遠隔装置に近い(例えば、上記例では約183フィート未満)状況では、GPS位置の固有誤差は、被写体をカメラの視野内に維持するのに望ましい精度を低下させ、高品質映像を捕捉する確率を下げることになる。
【0062】
図9に、自動記録システムの構成要素の位置を判断する際に遭遇する誤差問題を説明する概略図を示す。より具体的には、
図9は、固有GPS不確定性に起因する角度不確定性(δαとして表す)の概念を示す。本発明のシステムと方法は、移動する被写体の方向にカメラを向け続けさせる角度運動を判断するためにGPSデータに依存し得る。GPS不確定性は両直交方向で異なる。したがって、GPSから取得された位置周囲の不確定性の領域は「誤差バブル」310と320により表され得る。最悪のシナリオでは、図のように、最大不確定性は遠隔装置16とカメラ46の実際の位置の両側の誤差バブルの長径により測定される距離を延ばす。この距離は極限方向49として参照される。例示的低価格GPSユニットを使用する不確定性は約8フィートすなわち約2.5メートルであるがそれ未満である可能性がある。この不確定性のレベルでは、ポインティングベクトル48は極限方向49間の任意の方向を指し得る。δα不確定性は、E
0=8フィートのGPS不確定性とカメラ46と遠隔装置16間の距離とにより判断される。例えば、所望の角度精度がδα=2.5度であれば、基地局18と遠隔装置16間の必要な距離(D
0)は、次のように計算され得る。
D
0=2E
0/tan(δα)
【0063】
E
0の8フィートの値とδαの2.5度の値とを代入することにより366.5フィートのD
0値が得られる。より小さい不確定性を有するGPSユニットが採用されれば距離D
0は低減され得るということに注意すべきである。D
0を低下させる別のやり方は、高分解能を有するそれほど「厳しくない」場面(すなわちズームアウトされる場面)を使用し、撮影後の編集において映像を編集することである。
【0064】
GPSユニットによる別の問題はそれらのステップサイズである。位置の不確定性は約8フィートであるが、連続読み取り値同士は通常、たった8インチステップだけ離れる。したがって、被写体がフレームの中心に常にいないこともある間、6インチ程の小さな動作が検知され得る。従って、カメラ動作の角度精度は、上記例に示したδα=2.5度値よりはるかに良くなければならない。カメラ−被写体距離が500フィートであれば、8インチGPSステップが約0.076度の角度に対応する。カメラの動作がこの値と同じまたはこの値より大きいステップであれば、記録した視聴者はカメラが被写体の動作を追随するにつれてぎこちなさに気付き得る。我々の経験では、滑らかかつ高品質な映像を得るためには、約0.1度未満の角度ステップでカメラを回転させる能力を有し、本システムと方法の実施形態が約0.05度のステップサイズを達成することが最良である。これは、本明細書でさらに論述されるように、変速装置を備えた低価格のモータを使用し、光学的符号化ホイール技術を採用することにより達成される。
【0065】
図10に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムのモータアセンブリを説明する概略図を示す。測位装置32(
図2を参照)は好適には、本明細書で説明するように少なくとも1つのモータアセンブリを含む。モータ250の回転子軸は、駆動(入力)軸として変速装置210に接続される軸200である。変速装置210は、取り付けられたポインタ(例えば、カメラ)を回転する従動(出力)軸220の角速度を著しく低減する。駆動軸200と場合によっては従動軸220は、符号化ホイール230と240を備える。符号化ホイールを参照する際、符号化ホイールシステムもまた参照される。光学的符号化ホイールシステムは、それらの運動を検知しマーカストリップなどをカウントするための光学的符号化ホイールと共に通常使用される光源、検出器、処理手段を含む。符号化ホイールシステムは、軸運動を検知する光学的手段に限定されなく、磁気的だけでなく容量的である可能性がある。ギア減速値の好ましい1つの例示的実施形態は、100個のマーカを有する駆動軸200上の符号化ホイール230による540×である。ギア減速値は、駆動軸の毎分回転と従動軸の毎分回転との比である。したがって、モータ(駆動)軸200が符号化ホイール230の1つのコードストリップから次のものへ移動するときの従動軸220の角運動は、1回転の約1/54000すなわち0.0067度である。
【0066】
図10に描写されるものなどのモータアセンブリの使用は、変速装置210によりおよび軸200と220と変速装置210間の任意の結合要素により導入されるバックラッシュを有し得る。カメラ動作を十分に正確にするために、回転遊びまたはバックラッシュを無くすまたはそれを補償することが必要となり得る。回転遊びを無くすための1つの解決策は、モータとポインタ間のほぼ直接的駆動接続を利用することである。しかし、HQVRはカメラを速くおよび遅く動かすことができる必要がある。例えば、カメラから600フィートの距離で毎秒約1フィート動くサーファを追跡するための角速度は毎秒約0.1度である。低価格モータを使用する際、変速装置または他の同様な装置は好適には、従動軸の角速度を十分に低減するために駆動(入力)軸と従動(出力)軸間に接続される。しかし、変速装置公差は回転遊びを導入する。さらに、回転遊びは、歯車の損傷により時間とともに増加し得る。変速装置の回転遊びを低減する1つの解決策は、所望の角度位置に近づく際に従動軸を常に同方向に回転させることである。しかし、自由に動く物体を撮影する際、カメラは、2つ以上の方向において滑らかに動く(パンする場合は左と右へ)べきであり、したがって、前述の「同方向」方法は適用可能ではない。回転遊びを低減するための別の解決法は静荷重(例えば、引っ張りばね)を使用することである。しかし、静荷重の使用は必要なモータトルクを増加させる。
【0067】
本発明の一実施形態は好適には、軸の角度位置に関する情報を生成するためにおよび回転動作を制御するために1つまたは2つの符号化ホイールを使用する。さらに、本発明の自動記録システムは、以下にさらに論述されるようにバックラッシュの一部またはそのすべてを補償するように構成される。
【0068】
本発明の自動記録システム実施形態は、カメラを回転させる方向の変更を含む命令を基地局18が測位装置32へ送信する度に、バックラッシュを補償する。この手法の利点は、本システムは、バックラッシュが発生した後に「追いつく」のではなくむしろ予防的やり方で働くということである。
【0069】
好ましい一実施形態によると、使用される特定の変速装置および関係するシステム構成要素のバックラッシュは製造中に判断される。その方法を
図16に示すフローチャートにより示す。一旦判断されると、バックラッシュの設定値は基地局18のCPU30に付随するファームウェアをプログラムする際に含まれる(
図16を参照、工程300を参照)。
【0070】
本発明の別の好ましい実施形態によると、第2の符号化ホイール(符号化ホイール240)が出力軸220に取り付けられることが好ましい。この実施形態は
図17に示すフローチャートにより示される。符号化ホイール240を含む好ましい実施形態に関して、
図17に示す処理は、工程300において
図16の処理を開始するための情報を提供する。第2の符号化ホイールを含む実施形態については、
図16に示す処理の工程は
図17の工程が完了した後に実行される。製造中にバックラッシュが判断される実施形態では、第2の符号化ホイール240(
図10)は含まれない。第2の符号化ホイール240は測位装置32の起動プロトコル中に使用されることが好ましく、両方の符号化ホイールシステムは使用可能にされる(305と310(
図17))。モータ(入力)軸200は一方向に回転され、符号化ホイールシステムは出力軸220の回転を登録する(工程315)。次にモータは停止され、両方の符号化ホイールはリセットされる(工程320と325)。次に、モータ(入力)軸200の回転方向は反転され、符号化ホイールシステムは出力軸220の符号化ホイール240の回転が検知された瞬間にモータ(入力)軸200の位置を読む(工程330)。これを示すために、数値例が続く。例えば、符号化ホイール240は好適には、マーキング当たり約3.6度の角距離に対応するホイール周囲の100個のマーキングを有する。バックラッシュ測定のために、モータ250は、出力軸220を動かし始めるのに十分な角度だけ一方向に回転される。出力軸の動作は第2の符号化ホイール240を使用して監視される。モータ250の回転は、出力軸が符号化ストリップの端をちょうど過ぎるときに停止される(工程315)。両方の符号化ホイール230と240の位置は零に設定される(工程320と325)。次に、モータ250は再び開始され、反対方向に動くように指示される。バックラッシュ経験のために、出力軸220と符号化ホイール240は直ちには回転し始めない。モータ250は回転を維持し、従動(出力)軸220上の符号化ホイール240が回転し始める瞬間に、入力軸200上の符号化ホイール230の新しい位置が登録される(工程330)。入力軸の回転角が工程335において測定され記録される。駆動(入力)軸と従動(出力)軸に関して登録されたパルス数の機械的比が工程340において計算される。または、機械的比はファームウェアで定数として設定可能である。バックラッシュは符号化器パルス比未満として登録された駆動軸パルス数であると計算され(工程345)、システムの次の電源投入までバックラッシュ値として設定される(工程350)。この測定の精度は、第2の符号化ホイール240のマーキングの端の幅と、この符号化ホイールの動作の検出に使用される光ビームの解像度とに依存する。本出願人の経験では、バックラッシュ測定の不確定性は約0.1度未満である。このバックラッシュ測定手順は好適には、システムの電源が投入される度に実行され、その値は記録セッションの間保存される。
【0071】
バックラッシュが判断された後、モータ駆動軸200は、バックラッシュ限界まで(すなわち回転がさらに従動(出力)軸220を回転させ始める位置まで)回転される(工程360)。このモータ取り付け位置は、基地局18から受信された現在方向に対応する(工程365)。新しい方向ベクトルが工程370において判断されると、基地局のファームウェアは回転方向変化が発生したかどうかを判断する(工程380)。発生していれば、モータ軸は逆方向に回転され、バックラッシュを加える(工程390)。そうでなければ、回転は以前の方向に発生し、バックラッシュは加えられない(工程395)。
【0072】
記録システムの寿命中に一定のバックラッシュ値を使用することは、システムをより単純にしより手ごろな価格にするという利点を有する。説明した他のバックラッシュ補正処理の少なくとも1つの利点は、システムが通常の摩耗によりシステムの寿命にわたって発生し得るバックラッシュのいかなる変化にも対応するということである。
【0073】
図11は、本発明の好ましい実施形態による自動記録システムの設定(初期化)光の好ましい実施形態を説明する頭上概略図を示す。より具体的には、測位装置32とカメラ46は、自動記録システム10の初期化または設定中に使用され得る平行光源260を備えて示される。(
図1の方位制御装置70は、本明細書に記載の機能を行うユニットとして測位装置32の代わりに
図11に示され得る)。測位装置32とカメラ46の相互方位は好適には、初期化処理中に固定される。このコリメーションは光源260からの光の一部を遮断することにより達成される。
図11に示すように、光源260は好適には、光ビーム270が片側で境界を定められるように平行にされる。これが行われると、方向280はカメラ46のポインティングベクトル48と平行となる。遠隔装置は好適には、位置290に配置される。位置290は、カメラ46から通常は約100〜500フィート離れることになる。位置Aと位置Bにおいて光と遭遇するユーザは、各位置における光の特性の差に気付くことになる。光ビームの反対側285における位置Bにおける光は、位置Bでは光がカメラ46の向いている領域から遠いので、位置Aにおける光から容易に識別可能である。被写体は、位置Aを見出すことによりカメラの視野の中心を見出すことができる。
【0074】
本明細書において述べられるように、本発明は高品質録画のためのシステムと方法の両方を含む。HQVRは、それぞれが多くの工程を含む3つの複雑な戦略の組み合わせにより実現され得る。第1の戦略は、初期化または設定手順を利用する基準カメラ方位の確立である。第2の戦略は、遠隔装置と基地局間の一意的通信の確立である。第3の戦略は、カメラを実際に動かして被写体を追随するための被写体の動作に関する角度情報の流れの利用である。本発明の好ましい実施形態は、これら3つの戦略すべてを採用しこれにより高レベルのHQVRを実現する。
【0075】
本発明のシステムと方法を使用して記録するための必須条件は、カメラがほぼ被写体の方向に向くことである。これを実現するために、カメラと被写体の相対位置が知られていなければならなく、カメラの向く方向が知られていなければならない。本システムは、この情報を測定し判断し、判断されたものを、適切にプログラムされたマイクロコントローラまたはコンピュータ内に格納することにより、この情報を「知る」。カメラ46と被写体12の相対位置は、カメラ46が基地局18の位置に存在し遠隔装置16が被写体12と共に置かれる基地局18と遠隔装置16のGPSユニットによりそれぞれ受信される信号から判断され得る。カメラ46の方向は、水準器、コンパス、ジャイロスコープなどの一組の装置を使用することにより絶対的に(すなわち水平、北などのような方向に対して)知られ得る。カメラ46の方向はまた、相対的に(すなわち初期方位を基準として)知られ得る。システムの設定手順は、カメラ46の絶対的方向を判断する装置無しにカメラ46の初期方位を見つけて保管する方法である。
【0076】
遠隔装置と基地局間の一意的通信は、遠隔装置16と基地局18のそれぞれの送受信機24と28を使用して達成される。上記送受信機は、同じ近傍で動作していることもある他の同様なユニットからの信号を無視する一方で互いに通信できなくてならない。例えば、多数の自動記録システム10が密接して同じ海岸に設定され得る。一意的通信はまた、多数の基地局および/または多数の遠隔装置が単一のシステムの一部として採用される場合に必要である。基地局18と遠隔装置16間の通信は好適には、超高周波数(UHF)範囲(例えば、2.4GHz)において動作する無線リンクを使用することにより発生する。定格2.4GHzにおいて、送信機は実際には、送信機が動作する「チャネル」と呼ばれる多数の別個の正確な周波数を有する。各チャネルは2.4GHzに近いが、クロストークが無くなるように、互いにわずかに離れている。データは、GPSユニット22が座標をリフレッシュする度に(約10〜500マイクロ秒毎に)無線リンク上で送信される。各送信は、非常に短い時間長、続く。それにもかかわらず、同じチャネル上で送信された装置からのメッセージが「衝突」する(すなわち、重なる期間中に到着する)少ない確率がある。これらの衝突メッセージは解釈することができない。したがって、これらの衝突メッセージはシステムにより無視される。多数の装置が同じチャネル上で同報通信し、一定の時間間隔でメッセージを送信し続ければ、一連の非常に多くの通信が「衝突」し得る。これは、各メッセージが送信される時にランダムな遅延を与えることにより回避される。遅延時間は好ましくは、GPSリフレッシュ時間と比較し短いが各メッセージの継続時間と比較して長い。
【0077】
遠隔装置16の送受信機22は好適には、基地局18へ送信された各データパケット内に配置されるランダムな識別番号(ID)を生成する。基地局18はペアリング処理中にIDを登録し、正しいランダムIDを有しないすべてのデータパケットを無視する。同様に、基地局18から遠隔装置16へのメッセージは同じIDを含み、異なるIDを有する通信パケットが無視される。遠隔装置の電源が投入される度に新しいランダムなIDが生成されることが好ましい。したがって、ペアリングは発生しなくてはならないので基地局は遠隔装置がオンされる度に新しいIDが何かを「知る」。電源投入後に第1の通信を設定するために、基地局18と遠隔装置16の両方は同じ初期設定無線チャネル(例えば、チャネル1)を使用する。ユーザは、遠隔装置上と基地局上のボタンを同時に押す。両方のボタンが押されている間に、基地局と遠隔装置はセッションのためのランダムなIDを設定する。これが達成されると、基地局により無作為に選択された異なる無線チャネルに切り替える。二人のユーザが別個のシステムを同時にペアリングしていれば、本システムは、このシナリオを認識し、ユーザが再び装置をペアにしようとするまで待つことになる。通常動作モードに使用されるチャネルはペアリングに使用されるチャネルとは異なる。ペアリングは僅かな期間しかかからないので、それに使用されるチャネルは通常は、比較的静かである。ペアリングが遠隔ユニット16により(上述のように)開始されるか基地局18により開始されるかは製造時判断である。
【0078】
設定とペアリングが確立されると、基地局18と遠隔装置16は被写体12の位置座標の準連続的流れを有する。この情報は、準連続的に更新される一連の角度のポインティングベクトル48に変換される。カメラ46を動かして角度に遅れずについていくための命令を電気モータに単に与えるだけでは、上に取り上げられた問題(例えば、バックラッシュ、GPS不確定性、コマ落ちなど)のためにHQVRとならないということに留意されたい。
【0079】
図12に、本発明の好ましい実施形態による自動記録方法を説明するフローチャートを示す。
図12に示す処理は、基地局18のCPU30がカメラ46の位置と方位に関するデータを有すると、発生する。
図12により示された方法は、十分に被写体の方向に向いたカメラの初期の方位が既に保存されており、基地局18と遠隔装置16間の通信が既に確立されたと仮定する。
【0080】
工程410では、遠隔装置16(記録の対象と連結された)の新しいまたは更新された位置が得られる。次に、工程420では、遠隔装置16の新しいまたは更新された位置が基地局18へ送信される。遠隔装置16の新しいまたは更新された座標は、カメラ46を方向付けて被写体12を追跡させるための角度を計算するために使用される(工程430)。好ましい実施形態では、データ欠損点、安定したまたは不変の被写体位置、被写体による小さな動作、被写体による高速運動などの様々なデータストリーム発生の判定ポイント。工程440では、計算されたデータは、遠隔装置16の更新された位置および連結された被写体にしたがってカメラ46を新しい角度へ動かすためにCPU30により測位装置32へ送信される命令または駆動信号に変換される。CPUもまたカメラ機能を制御する実施形態では、CPUはズームインまたはズームアウトなどの適切な命令をカメラの適切な機能へ送信する。
図12に示す処理は、位置更新が遠隔装置16において生成される度に反復される。
【0081】
図12に示す処理はカメラ46の方位が処理の開始時に知られていると仮定するということに留意されたい。方位が検知することなどにより自動的に知られていなければ、
図12の処理を開始するためには初期化または設定処理が必要である。
【0082】
図12の処理の更新周波数は採用される1つまたは複数のGPSユニットに依存する。更新周波数は好適には、2〜100ヘルツの範囲内である。位置座標データのほぼ連続的更新は、カメラ46による被写体12のほぼ連続的追跡および連続的可視接触を可能にする。被写体12(遠隔装置16と連結された)が動くにつれて、被写体12の動作はs(t)関数(すなわち、ある時間における位置)により特徴付けられる。速度v(t)は一次導関数であり、加速度a(t)はこの関数の二次微分係数であり、両関数はルーチン技術を利用してCPUにより計算される。
【0083】
上述のように、位置測定がなされた時からカメラ46が位置を指し示す時までに存在する時間遅れに起因するカメラ方向誤差が存在し得る。この時間遅れは、(1)GPSユニットの処理速度、(2)マイクロコントローラ66、CPU30、送受信機24と28の処理速度、(3)測位装置32の機械的速度に依存する。(ズーミングとズーム調整の速度もまた、カメラ46を向ける品質に影響を及ぼし得る)。遠隔装置16の測定された位置に応答して自動記録システム10が送信データを処理する時間が長ければ長いほど、そして測位装置32の機械部品が反応する時間が遅ければ遅いほど、カメラ方向誤差は大きくなり得る。この誤差が著しいアプリケーションでは、誤差は、過去の位置、速度および加速度情報に基づき標的の予想位置を推測し測位装置に予想位置へ移動するように指示することにより低減され得る。したがって、CPU30は好適には、最近の過去のs、v、a値に基づき標的の「現在」の位置を予測するようにプログラムされる。測位装置が動く速度は、現在の角度とごく最近判定された標的位置に関連する角度間の角度の大きさに比例する。(測位装置の現在の角度は、標的の「現在」の位置に対応する角度より遅れ得るということに留意されたい)。予想位置の使用は、必要な場合にはより高速のカメラ動作を実現するが、時にオーバーシュート誤差を生じ得る。
【0084】
好ましい一実施形態では、CPU30は好適には、遠隔装置16の測位誤差の大きさを推定または予測する処理を採用する。測位誤差の大きさが推定されると、視野が十分広くなるように、カメラズームを調整するための信号がカメラ46へ送信される。例えば、高速ではまたは高速変動する速度では、有り得る指向誤差が増加し得る。これが発生すると、CPU30は好適には、信号をカメラへ送信してズームアウトさせる。カメラと標的間の距離を考慮する際、被写体12の速度はまた、視野60と比較して見られる。例えば、標的がカメラから600フィートの距離にあり視野が5度であれば、見られた領域の両端間の距離は約52フィートである。被写体が、システムの既知の遅れ時間(1秒など)内に約26フィートの距離をカバーするような速度まで加速することができれば、被写体は自動記録システム10が突然の運動に反応する前に視野の端まで達し得る。この場合、好適には、カメラ46は、被写体のごく最近の位置、速度および加速度データに基づいて、ズームアウトし、被写体に追いついたときに再びズームインするべきである。
【0085】
図13に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システム初期化方法を説明するフローチャートを示す。
図13の処理は工程110で始まる。工程100では、自動記録システム10の電源が入れられ、遠隔装置16はカメラ46の極近傍に配置される。工程120では、カメラ46および遠隔装置16の共通の位置が、遠隔装置16に関連するGPSユニット22を使用して判断される。この情報は、工程130において基地局18のCPU30へ送信され、カメラの位置として格納される(工程140)。次に、遠隔装置16を有するユーザはカメラ46から離れる(工程150)。ユーザは好適には、上記論述で示したように所望の精度で判断された少なくとも最小距離だけ移動する。ユーザがカメラ46から十分な距離になると、次のステップに進むべきか否かについてユーザに警告するために帰還信号が使用され得る、またはユーザは、取られたステップをカウントし得る、または選択する任意の他のやり方でその距離を推定し得る。ユーザがカメラ46から十分に離れていななければ、距離条件が満たされるまで工程150が繰り返される(工程160)。満足されると、処理は続き得る。工程170では、ユーザは、遠隔ユニット16がカメラ46の視野60の中心にあるまたはその近くにある位置を見出す。これを達成し得る多数のやり方がある。少なくとも
図6、7、8、11、それらの関連論述、および以下のさらなる記述を参照されたい。
【0086】
ユーザが、自身の位置が適切であるということに満足すると(工程180)、遠隔装置16の位置が保存される(工程190)。次に、保存されたカメラ46の位置(工程140を参照)と遠隔装置16の位置がECEF座標系における初期カメラアングルを計算するために使用される。この時点で、自動記録システム10は初期化され、記録は進み得る。
【0087】
図14に、当初決められた基準角と移動した被写体に対して判断された角度との関係を説明する図を示す。
図13を参照すると、カメラ46の位置が得られ格納され(工程110、120、130、140)、この位置は
図14に(x
1,y
1)として表される。
図14に示す設定手順の後の方で、遠隔装置16の位置はカメラ46から一定距離離れて判断され(工程190)、この時の遠隔装置16の位置が(x
2,y
2)で表される。この情報により、角度α
2は所定の(ECEF)座標系x、yにおいて計算され得る。録画が進み、被写体12が移動するにつれて、被写体12は新しい位置に存在することになる。例えば、被写体12は(x,y)で表される新しい位置に存在し得る。対応するカメラの方位は角度変化Δαとして計算され得る。角度変化を計算するために、α
2は零に設定され、すべてのその後の回転角はこの元の方位に関連して計算される。x,y表記は直角座標を示唆するが、他の座標系が使用され得るということに注意すべきである。
【0088】
図14に示す角度を計算する1つの方法は、GPSユニットから得られた緯度および経度位置の1度当たりの距離を最初に計算し、緯度と経度により定義された位置を直角座標に変換し、次に所望の結果に到達するために幾何学的関係を利用する式を使用するだろう。直角座標への変換はまた、地面の楕円形状と高度データも同様に考慮し得る。しかし、本発明のシステムと方法の大部分にとって、この方法は不必要に複雑である。本発明のシステムと方法では、カメラと遠隔装置間の距離は、中間データとして計算された距離と比較して非常に小さい。計算の結果が大きな数の差として得られる小さな数である場合、大きな数の非常に小さな相対誤差は著しい誤差を引き起こす可能性がある。これは10有効桁を有する数を使用することにより改善される。
【0089】
別の方法は、より簡単な手法を使用し、より直接的やり方で角度を計算する。例えば、角度変化の計算は下記式を使用して行われ得る。
上記式はx
i=RA
iとy
i=PB
icosA
iで置き換えられる。ここで、R=6370キロメートル(球状近似における地球の半径に対応する)、Aは緯度を表し、Bは経度を表し、iは必要に応じ1または2を表す。この式は、地球上のシステムの構成要素の任意のものの位置の判断に使用されればうまくいかないが、自動記録システム10の構成要素の相対位置、したがってまたそれら間の角度を計算するためには完全にうまく働く。
【0090】
設定手順(
図13の工程170)中にカメラの初期方位を判断する好ましい1つの方法は、以下のように、
図11に示す設定光源を利用することである。測位装置32は好適には、測位装置32の前部を表すマーカまたは指標を有する。カメラ46は、カメラ46の光学軸がマーカまたは指標に対応するやり方で位置決めされるように測位装置32上に搭載される、またはそうでなければカメラはこの方位必要条件を達成するやり方でシステムに組み込まれる。測位装置32とカメラ46の相対位置は固定される。カメラ46の位置が判断され保存された後、ユーザはカメラから適切な距離離れ、光源260の可視性の遷移を視覚的に評価することにより点A(
図11を参照)を見出す。または、点Aを自動的に見出すために、例えばフォトダイオードなどの光検知計測器が採用され得る。
【0091】
代替実施形態では、光源260は好適には平行にされる。平行光ビーム270はポインティングベクトル48と平行である。次に、ユーザは、最も高い光強度の領域を見出すことにより工程170を達成し得る。再び、フォトダイオードなどの光センサが、工程170をさらに自動化するために使用され得る。
【0092】
工程170を達成する別の代替方法は、遠隔装置16をカメラ46から必要な精度で判断された距離離して配置することである(工程150と160)。次に、カメラ46は、遠隔装置16がカメラの視野60の中心に入るまで手動でまたは制御コマンドを介し回転される。次に基地局18または遠隔装置16上の機能(設定または初期化)ボタンを押すことにより、カメラ46が遠隔装置16に向かって方向付けられた(工程190)ということをCPU30に知らせ、参照方位を確立するための遠隔装置の位置座標を保管する。
【0093】
別の代替案実施形態では、遠隔装置16はディスプレイを備える。カメラにより取られた場面の絵は、実時間でディスプレイ上で示されることになる。さらに、遠隔装置は、カメラ46を様々な方向へ回転させる制御装置を有し得る。ユーザは、ユーザとカメラ46との間に十分な距離を置いた(工程160)後、ユーザが遠隔装置上に表示された絵または場面の中心に正しく見出されるまでカメラ46に回転するように指示し得る。
【0094】
図15に、本発明の好ましい実施形態による自動記録システム方法を説明するフローチャートを示す。より具体的には、
図15は、測位装置32を移動する移動コマンドを生成するために使用される処理を例示する。工程510では、CPU30は次に、遠隔装置の位置が更新されたかどうかを判断する。CPU30は遠隔装置の位置が更新されるまで待つ。
【0095】
待つことが所定時間を越えるまたは長過ぎれば、測位装置命令出力は被写体12の最後に検知された位置へカメラ46を戻す。ここで、「長過ぎる」は例えば、通常の更新周波数が5ヘルツであれば2〜10回(または約500ミリ秒〜2.5秒)連続更新をしそこなうものと定義され得る。
【0096】
次に、工程530では、更新された位置座標はカメラ46の角度方向の観点で再計算される。その後の工程540では、方位の変化がカメラ動作を保証するかどうかを判断するために、更新された方位と以前のものとの差異と不感帯とを比較する。一例として、角度変化が約0.1度未満であれば、カメラは動かない。この機能は、ぎこちなく動く映像を生じる可能性がある不必要な小さな運動を防止する。この概念をさらに示すと、被写体12がスピードスケート選手であり、遠隔装置16を自身の腕に取り付けていれば、左から右への腕のスイングがほぼ毎秒発生する。これらの腕スイングの動きにカメラが追随する映像を見ることは非常に不快だろう。被写体12が不感帯の外へ移動すれば、実効駆動電圧が工程150に示すように計算される。比例・積分・微分方法(PID方法)がこの工程において適用され得る。実効駆動電圧は新しい標的角と現在のカメラ方位との間の角度に比例することが好ましい。または、不感帯は、上述のように、変速装置バックラッシュに関連する角度遅延(angular latency)の一部またはすべてを使用して実現され得る。
【0097】
新しいカメラアングルが工程560において計算される(工程530で計算された角度は工程560における計算の1入力である)。特定の限度を越える速度では、カメラ動作が被写体12より実質的に遅れることが予想される。この遅れを補正するために、その後の位置は、最後の2つ、3つ、またはそれ以上の角度位置に基づき予測され得る。これは、最後の3つ以上のデータ点に基づき計算された速度と加速度を使用することにより予測することができる。
【0098】
工程550に戻って、位置更新が受信された後、適用される駆動電圧は、角度変化が大きければ、高くなる(そして、カメラ動作は高速になる)。カメラ方位が遅れていれば、カメラ動作はさらに速くなる。電圧はV=K・(カメラアングル−標的角)として計算され、ここでKは比例定数である。Vは頻繁に更新されることが好ましい。例えば、標的角が5ヘルツで更新されれば、Vは200ヘルツで更新され得る。
【0099】
カメラ46が標的方位に近づくと、その動作はオーバーシュートを回避するために減速することが好ましい。不感帯の端は、被写体が不感帯境界を通過すると再計算され得る。不感帯は、同じ方向の適度の運動でさえカメラを動かし、逆方向の同様な運動がカメラを動かさないように、ある状況では標的より遅く動き得る。この手法は、不必要なカメラ動作と記録のジッターとを著しく低減する。機械的不感帯もまたこれを実現することができる。
【0100】
モータ速度を制御するために電圧を使用するアプリケーションが通常は単純明快であるが、代替方法が利用され得る。例えば、パルス幅変調が、単独で、または電圧を調整することと組み合わせてのいずれかで適用され得る。カメラを方向付けるために測位装置において使用されるモータのタイプに応じて、他の制御手法が本発明の様々な実施形態で採用され得る。例えば、ステッピングモータの速度が、ステップまたはマイクロステップ命令間の時間間隔を調整することにより制御され得る。符号化ホイールの必要性を無くす開ループ制御もまた、ステップカウントと方向を追跡することにより使用され得る。
【0101】
工程570では、標的角は、駆動モータと変速装置の既知または推測バックラッシュに基づき修正される。バックラッシュ補正に関するさらに詳細な情報については、
図10と付随論述とを参照されたい。工程580では、例えばパン駆動装置としてのモータを調節する2つのコマンドパラメータがあるので、実効電圧と標的角が測位装置へ出力される。複数の駆動装置が利用可能ないくつかの実施形態では、各駆動装置は、同様な処理から生じる命令を受信する。CPU30はまた、ズームおよびしたがって視野が調整されるように、駆動信号をカメラへ直接送出し得る。このような調整は、カメラと被写体との間の距離、被写体の速度、または被写体の位置に関する信号が利用可能かまたは一定期間の間欠落しているかに依存するだろう。
【0102】
バックラッシュと不感帯機能は、カメラ動作に同様な影響を与え、いずれの場合も、カメラ動作に直ちには変換しない被写体の角度位置に変化がある。これを知った上で、本発明の一実施形態は、バックラッシュの真の角度未満に設定されたバックラッシュ補正値を含み得る。これは、「機械的不感帯」=「真のバックラッシュ角度−プログラムされたバックラッシュ角度」を生成する。本発明の別の実施形態では、不感帯機能とバックラッシュ補正の両方は無くされる。本発明のさらに別の実施形態では、不感帯値を負にすることにより「負の不感帯」機能が実現される。この実施形態では、カメラは負の不感帯の絶対値により移動標的を導く。これは、被写体が方向を頻繁に変えないアプリケーションに望ましい。負の不感帯の値はまた、被写体の速度および/または加速度の関数である可能性がある。
【0103】
本発明の別の実施形態では、バックラッシュ補正値は、真のバックラッシュ値より大きな値となるようにプログラムされる。この実施形態では、カメラは、プログラムされたバックラッシュ値と真のバックラッシュ値との差により、移動する標的を導く。バックラッシュの値は標的の速度および/または加速度の関数である可能性がある。例えば、標的が方向を変え新しい方向へ素早く移動すれば、バックラッシュ補正の値は、カメラがより素早く標的に追いつくように、より大きな値に計算される可能性がある。これは、標的が方向を頻繁に変えて速く動くアプリケーションに有利である。被写体が一方向に動いた後、方向の変化は被写体の背後のカメラの劇的な遅れを生じ得る。バックラッシュ過補償と負の不感帯は、現在の運動の方向にさらに沿った被写体の位置を予測する効果については同様である。
【0104】
別の実施形態では、カメラアングルが意図的に現在の標的角より遅れる。遅れ時間の量は、標的位置更新間の時間に少なくとも等しくなければならない。例えば、測位装置が5ヘルツの速度で更新される標的位置情報を受信すれば、カメラは少なくとも200ミリ秒だけ標的より遅れなければならない。この実施形態の利点は、より滑らかなパン速度を実現できるようにする最新の標的データ点にカメラが到達する前に新しい標的位置情報が入手可能であるということである。
【0105】
バックラッシュ補正に関して説明された実施形態は個々にまたは組み合わせて使用され得るということに留意されたい。
【0106】
本発明の好ましい実施形態では、方位制御装置70は多くのセキュリティ機能を備え得る。例えば、本システムは、初期化または設定が完了するとオンにされ記録セッションの終わりにユーザによりオフされる加速度計を含み得る。加速度計は、盗まれれば発生する方位制御装置70の上下動作を感知する。加速度計が上下動作を感知すると、ユーザは例えば可視、可聴、またはその両方である警報により警告を受けることが好ましい。例えば、遠隔装置16上の状態表示器LED84(
図3を参照)はユーザに警報を発するために点滅を始め得る。方位制御装置70はまた、好適には、カメラ46をオーガへ固定する施錠だけでなくカメラ46を地面中に固定されたオーガへ接続する機械的締め具を備える。加えて、カメラに関連するGPSセンサ、方位制御装置、基地局、または測位装置を有する実施形態に関し、方位制御装置の位置は、GPSセンサを使用することにより追跡され得る、または初期化中に判断されたカメラ位置に関連する誤差バブルの外にある位置をGPSユニットが検知すると窃盗を検知するように使用される可能性がある。
【0107】
本発明の別の実施形態によると、単一の測位装置と単一のカメラが多数の遠隔装置を追跡するために使用され得る。例えば、スポーツイベントでは、複数の被写体がカメラ視野内に存在し得る。カメラの最適方向は、複数の標的がカメラの視野内に現われるように、複数の遠隔装置の位置とカメラの位置とに基づき計算され得る。加えて、適切なズームは、カメラの視野内に現われる標的の数を最大化するように計算された最適方向と組み合わせられ得る。測位装置がカメラを動かし、可能ならば複数の標的のすべてをその視野内に捕捉する処理が好適には採用される。すべての標的をカメラの視野内に捕捉できなければ、標的のいくつかが選択される。このような実施形態では、標的の選択が行われなければならない。選択された標的は以下を含むいくつかの代替方法により判断され得る。
(1)事前設定最小ズームで視野内に捕捉できる標的の数を最大にする。
(2)標的の階層の利用。例えば、標的は「一次」標的として指示され得、「一次」標的が追跡される。追加の標的が「一次」標的の近傍にある場合、システムは「一次」標的と近傍の二次標的の両方を捕捉するために方位および/またはカメラズームを調整する。または、可能であれば「一次」標的が追跡され得る。一次標的を追跡することができなければ(例えば、その遠隔装置からの信号が欠落しているので)、二次標的が追跡される。この方法は、複数のランク付けされた標的にも同様に適用可能である。
(3)標的の運動の属性に基づき追跡する標的を選択。例えば、1つの選択方式は、最も高い検知可能速度を有する標的が追跡されるように標的速度に基づき得る。この方法は、例えば、同じ基地局と通信する遠隔装置を装着する複数のサーファが海にいる場合に、適用可能である。最も速く動くサーファが追跡されることになる。別の実施形態によると、事前設定最小速度より速く動く標的が追跡される。例えば、本システムは、比較的動かないサーファに関する特定速度より速く動く(および波に乗る可能性の高い)サーファを追跡し得る。別の実施形態によると、長い距離を移動する単一の標的を記録するために経路に沿って複数のカメラが設定され得る。このような実施形態では、適切に構成された基地局がすべての測位装置とカメラの役目を果たす。さらに、基地局はすべての測位装置とカメラまたはそのいずれかと連結されない。各カメラの位置と初期方位は、単一の測位装置実施形態に関して説明した設定方法から適切に修正された設定手順中に判断される(例えば、
図13と付随論述を参照)。各測位装置はまた、命令を受信しフィードバックを与えるために送受信機を組み込む。測位装置はまた、設定手順をより効率的にするGPSユニットを備え得る。GPS装着測位装置はそれらの位置座標を基地局へ送信する。
【0108】
本発明の別の実施形態では、自動録画システムは複数の遠隔装置と複数の測位装置およびカメラを含む。例えば、一連のカメラが、滑降競技スキーコース、ゴルフ場または他の現場に沿って設定され得る。加えて、複数の被写体が自身の関連遠隔装置を有する。各カメラの位置座標、初期方位および視野が設定中に判断される。基地局は、標的が各カメラの視野に現われるにつれて、標的に追随しそれを記録する命令を各測位装置およびカメラへ送信する。以下に述べられる単一のカメラと複数の標的の場合の方法は、各カメラの標的選択に適用される。
【0109】
別の実施形態では、自動記録システムは、遠隔装置と基地局が特定の時点でどの衛星から信号を受信するかを認識するようにプログラムされたGPSユニットを備え得る。衛星のリストは比較され得、最大共通組のGPS衛星から受信されたデータに基づき位置を計算するために最大共通組の衛星が利用され得る。例えば、GPSユニットAとBに関し、GPSユニットAは衛星1、2、3、4、5、6、7から信号を受信した場合があり、GPSユニットBは衛星3、4、5、6、7、8、9、10から信号を受信した場合がある。最大共通組の衛星は衛星3、4、5、6、7である。最大共通組の衛星は、衛星からのデータがリフレッシュされる度に変わり得る。
【0110】
別の実施形態では、方位制御装置は、異なる方向に向けられたアンテナまたはマイクロホンなどの2つ以上の指向性受信機の配列を組み込み、遠隔装置はその受信機タイプに対応する信号(電磁気的または音声的信号)を送信する。方位制御装置に対する遠隔装置の方向は、方位制御装置において受信機により受信された信号の強さから判断され得る。音声信号を利用する一実施形態では、送信信号の周波数は恐らく知られているので、遠隔装置がカメラに近づいているかまたは離れていくかを判断するためにドップラー偏移が利用され得る。得られる情報は、GPSセンサの代替としてまたはGPS技術に加えてのいずれかで利用され得る。GPS技術は戸外で顕著な利点を有する。GPS信号が利用可能でないこともある状況(屋内でまたはビル間)では、電磁気的または音声的信号方向付けが利用され得る。これらの技術はまた、GPS技術と組み合わせて使用され得る。
【0111】
自動記録システムの別の実施形態では、方位制御装置は好適には、電磁気周波数センサ(例えば、電荷結合素子)を含む。電荷結合素子は、遠隔装置により放射される電磁気波形を検知する。遠隔装置により放射された電磁気波形は特定の周波数である可能性がある。遠隔装置により放射されない他の電磁放射はフィルタで除去されることが好ましい。電荷結合素子は好適には、遠隔装置により放射された1つまたは複数の周波数を検知するためにだけ最適化される。位置敏感検出器として電荷結合素子を使用することで、カメラが標的に自動的に向けられるように遠隔装置の方向を判断できるようにする。
【0112】
利用可能技術は、接触センサと音声命令を使用して遠隔装置などの電子装置を活性化(オンに)してそれらと通常に通信できるようにする。このような命令もまた、基地局へ容易に送信され得る。このような技術の利用は本発明のいくつかの実施形態において利用され得る。
【0113】
本発明の様々な好ましい実施形態、方法、応用、利点、機能について上に述べたが、これらの特定の実施形態、方法、応用、利点、機能のみが、本発明の実施を構成するものであると解釈されるべきでない。実際、本発明の最も広い範囲は変形形態を含むということが理解される。さらに、出願人の発明の他の多くの応用形態と利点は上記明細書と以下の特許請求の範囲から当業者にとって明白となる。