(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組電池は、該組電池を構成する複数の電池の電極端子を接続する複数のバスバーを有すると共に、前記電圧検出位置は、前記複数のバスバーのうち少なくとも一つのバスバーに設けられることを特徴とする請求項1に記載されるバッテリシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのバッテリシステムとこのバッテリシステムを備える電動車両並びに蓄電装置を例示するものであって、本発明はバッテリシステムとこのバッテリシステムを備える電動車両並びに蓄電装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。
【0011】
本発明のバッテリシステムは、複数の電池を直列に接続してなる組電池と、この組電池の電池温度を検出する温度センサと、電池の電圧検出位置に電気接続されている電圧検出ラインとを備えている。電池の電圧検出位置には接続端子を固定している。この接続端子には、温度センサが熱結合状態に固定されて、電圧検出ラインが電気接続される。接続端子は、温度センサを電池に熱結合状態に連結して、電圧検出ラインを電池の電圧検出位置に電気接続している。
【0012】
温度センサは電池の温度を検出して、保護回路に入力する。したがって、温度センサは、リード線を介して保護回路に接続される。保護回路は、電池の温度があらかじめ設定している温度範囲を超える状態では、組電池の充放電の電流を制限し、あるいは遮断して組電池を保護する。
【0013】
温度センサは、好ましくは、熱結合状態であって絶縁状態で接続端子に固定される。このバッテリシステムは、温度センサの一方の端子を電池の電極に電気接続しないので、温度センサに電池による直流バイアスが印加されない。したがって、温度センサを保護回路に接続する回路構成を簡単にできる。ただ、温度センサは、一方の端子を電極に電気接続することもできる。
【0014】
接続端子は、電池の電圧検出位置に固定されている。電圧検出位置は、電池の電極端子と、この電極端子に固定してなるバスバーと、電極端子やバスバーに接続してなるリードのいずれかとすることができる。接続端子は、電池の電極端子に直接に接続され、あるいは、電池の電極端子に固定しているバスバーに接続されて、バスバーを介して電極端子に接続され、あるいはまた、電極端子やバスバーに接続してなるリードに接続されて、このリードを介して電極端子に接続される。電極端子に直接に接続される接続端子は、先端の端子部を丸端子として、ここに電極端子を挿入して接続される。この連結構造は、たとえば電極端子の表面に雄ねじを設けて、雄ねじにナットをねじ込んで丸端子を固定できる。また、電極端子の先端に雌ねじ孔を設け、この雌ねじ孔に丸端子に挿入される止ネジをねじ込んで接続端子を電極端子に接続する。バスバーに固定される接続端子は、止ネジを介して丸端子をバスバーに固定する。止ネジは、丸端子に挿入され、バスバーにネジ止めして接続端子をバスバーに固定する。
【0015】
なお、本明細書において、電池の電極端子とは、電池の正負の電極に直接にあるいは間接的に接続される端子であって、電池の封口板を貫通している正負の電池端子や、電池の外部において、正負の電池端子に接続された外部端子を含む広い意味で使用する。
【0016】
温度センサは、接着、圧着、係止構造の何れかで接続端子に固定することができる。接着して固定される温度センサは、接着剤を介して接続端子に好ましい熱結合状態で固定される。圧着あるいは係止構造による固定構造は、簡単かつ容易に、しかも確実に位置ずれしないように、接続端子に固定される。
【0017】
接続端子は、好ましくは圧着端子である。圧着端子は、電圧検出ラインを圧着して固定できる金属板、すなわち圧着工具で圧着状態に変形されて、変形状態に保持される導電製の金属板で製作される。圧着端子は、電圧検出ラインを圧着して連結し、かつ温度センサを固定する連結部と、電極端子に接続される端子部とを有する。端子部は、好ましくは丸端子として、電極端子やバスバーに確実に固定できる構造とする。
【0018】
連結部は、溝型に折曲加工された金属板で、電圧検出ラインを電気接続する接続部と、温度センサを固定する固定部とを有する。接続部は、両側の側壁を圧着工具で折曲加工して、電圧検出ラインを圧着して連結する。固定部は、溝内に温度センサを配置し、溝内に接着剤を充填して、温度センサを固定する。この接続構造は、電圧検出ラインを簡単かつ容易に、しかも確実に接続端子に接続しながら、温度センサを理想的な熱結合状態で接続端子に固定できる。
【0019】
連結部は、電圧検出ラインを圧着して連結してなる接続部と、温度センサを溝内に配置して固定する固定部とを長手方向に配置することで、電圧検出ラインと温度センサの両方を理想的な状態で連結できる。とくに、この圧着端子は、電圧検出ラインを圧着して接続し、温度センサを溝内に配置して確実に固定できる。さらに、この連結部は、接続部と固定部を互いに表裏の反対側に配置し、あるいは同じ側に設けて、電圧検出ラインと温度センサとを固定できる。接続部と固定部とを表裏の反対側に配置する連結部は、温度センサを圧着時の変形力から保護しながら、電圧検出ラインを圧着して確実に連結できる。接続部と固定部とを表裏の同じ側に設ける連結部は、圧着端子の構造を簡単にして、圧着端子を安価に多量生産できる。
【0020】
接続部と固定部とを長手方向に配置する圧着端子は、温度センサの固定部を、電圧検出ラインを圧着する接続部よりも端子部に接近するように配置して、温度センサでもって、電池の温度をより速やかに、しかも正確に検出できる。それは、温度センサが電極端子に、より接近して配置されるからである。
【0021】
接続端子の圧着端子は、端子部を丸端子として、丸端子の外周に円周方向に離して、接続部と固定部とを連結することができる。この圧着端子は、好ましくは接続部と固定部とを丸端子の互いに反対側に、すなわち直線状に配置する。この圧着端子は、電圧検出ラインを圧着する変形力が温度センサに作用せず、電圧検出ラインと温度センサの両方を理想的な状態で固定できる。また、温度センサと電圧検出ラインの両方を電極端子に接近して配置でき、温度センサでもって、電池の温度を速やかに正確に検出できる。
【0022】
接続端子の接続部は、電圧検出ラインを溶接して接続し、あるいはハンダ付けして接続することもできる。この接続端子は、金属板で製作されて、接続部と固定部とを端子部に連結する形状とする。温度センサは、固定部に係止構造で固定することもできる。この固定部は、温度センサを連結する連結穴を設け、この連結穴に挿入する連結ロッドを温度センサに設け、連結ロッドを連結穴に挿入して、温度センサを固定部に固定することができる。電圧検出ラインを溶接やハンダ付けする接続端子は、長期間にわたって安定して電圧検出ラインを接続できる。また、連結ロッドを固定部の連結穴に挿入して、温度センサを連結する構造は、極めて簡単に、温度センサを定位置に固定できる。
【0023】
以上のバッテリシステムは、電動車両に搭載されて、車両を走行させるモータに電力を供給することができる。あるいは、車両に搭載されて、車両の電装用バッテリに並列に接続することができる。また、以上のバッテリシステムは、蓄電装置に設けられて、自然エネルギーや深夜電力を蓄電することができる。
【0024】
以下、図面に基づいて、さらに具体的な実施例を詳述する。
【0025】
図1のバッテリシステム100は、電池1を角形電池として、複数の角形電池を長手方向に積層して組電池10としている。電池1は、バスバー6を介して直列に接続している。電池1の電圧検出位置には、接続端子2を固定している。この接続端子2は、電圧検出ライン4の一端を接続している。電圧検出ライン4の他端は、電池1の電圧を検出する電圧検出回路7に接続されて、各電池1の電圧を電圧検出回路7に入力する。
【0026】
電圧検出回路7は、各電池1の電圧を検出し、電池1の電圧があらかじめ設定している設定電圧よりも高く、あるいは低くなると、組電池10の充放電の電流を制限し、あるいは遮断する。電圧検出回路7は、たとえば充電している電池1の電圧が最高電圧よりも高くなると、充電電流を小さく制限し、あるいは遮断し、また放電している電池1の電圧が最低電圧よりも低くなると、放電電流を制限し、あるいは遮断して電池1の過充電や過放電を防止する。
【0027】
なお、電圧検出回路7は、必ずしもすべての電池1の電圧を検出する必要はなく、複数の電池1が直列に接続されてなるモジュールの電圧や組電池10の電圧を検出するように構成することもできる。
【0028】
さらに、
図1のバッテリシステム100は、電池1の温度を検出する温度センサ3を備える。温度センサ3は、接続端子2に熱結合状態に固定されて、電池1の温度を検出する。接続端子2は、電圧検出ライン4を電池1の電極端子11に電気接続して、温度センサ3を電池1の電極端子11に熱結合状態に連結する。接続端子2は金属板であって優れた導電性と熱伝導特性を有する。したがって、接続端子2は、電圧検出ライン4を電極端子11に低抵抗な状態で電気接続して、温度センサ3を、電池温度を速やかに検出する状態で連結する。温度センサ3は、接続端子2を介して電池1の温度を検出する。
【0029】
温度センサ3は、電池1の温度を検出して保護回路8に入力する。したがって、温度センサ3は、リード線5を介して保護回路8に接続される。保護回路8は、電池1の温度があらかじめ設定している温度範囲を超える状態では、組電池10の充放電の電流を制限し、あるいは遮断して組電池10を保護する。
【0030】
図1のバッテリシステム100は、
図2と
図3に示すように、電池1の電極端子11に固定しているバスバー6を電池1の電圧検出位置としており、このバスバー6に接続端子2を固定している。したがって、温度センサ3は、接続端子2とバスバー6を介して電池1の温度を検出する。ただ、バッテリシステムは、電池1の電極端子11を電圧検出位置として、すなわち、電極端子11に直接に接続端子2を接続することもできる。さらに、バッテリシステムは、図示しないが、電極端子間に種々の電子部品、たとえば、電流検出用のシャント抵抗やヒューズ、遮断用のリレーなどを接続することもある。したがって、電極端子間にこれらの電子部品を接続するリード等を電圧検出位置として接続端子を接続することもできる。したがって、バッテリシステムは、電極端子やバスバーに接続してなるリードを電圧検出位置とすることもできる。
【0031】
図に示すバッテリシステム100は、電池1の電極端子11を、電池1の封口板を貫通している電池端子としている。このため、電池内部の温度は、電極端子11を介して好ましい状態で温度センサ3に伝導される。このため、温度センサ3は、接続端子2とバスバー6を介して、電池温度を速やかに検出する。ただ、電極端子は、必ずしも電池の封口板を貫通している電池端子とする必要はなく、図示しないが、電池の外部において、正負の電池端子に接続された外部端子とすることもできる。このような外部端子として、たとえば、封口板の表面において、封口板を貫通する電池端子にリード部材を介して連結されたロッドやボルトが使用される。このような外部端子からなる接続端子においても、電池内部の温度を、効率よく温度センサに熱伝導する。
【0032】
接続端子2は、温度センサ3を熱結合状態であって絶縁して連結し、電圧検出ライン4を電気接続する状態で連結している。
図4ないし
図7に示す接続端子2Aは圧着端子20である。圧着端子20は、電圧検出ライン4を圧着して固定できる金属板で製作される。これ等の図に示す圧着端子20は、電極端子11に固定される端子部21に、電圧検出ライン4を接続し、温度センサ3を固定する連結部22を設けている。端子部21は金属板をリング状に裁断している丸端子21Aで、連結部22は金属板を溝型に折曲加工している。この圧着端子20は、金属板を、端子部21と固定部24の底面を同一平面に配置するように加工している。丸端子21Aは、
図2と
図3に示すように、止ネジ12でバスバー6に固定される。止ネジ12は丸端子21Aに挿入されて、バスバー6の雌ねじ孔6aにねじ込まれて、端子部21をバスバー6に固定する。ただ、バスバーは、必ずしも雌ねじ孔を設ける必要はなく、接続端子の固定位置に貫通孔を開口し、この貫通孔に挿通される止ネジの先端を、裏面側においてナットにねじ込んで、接続端子をネジ止めすることもできる。また、接続端子をバスバーに溶接することもできる。バスバーに接続端子を溶接する場合は、接続端子やバスバーに接続端子を固定するための孔を設ける必要はない。
【0033】
連結部22は、温度センサ3を固定する固定部24と、電圧検出ライン4を接続する接続部23とを、長手方向に配置して、固定部24を端子部21に近い側に配置している。固定部24を端子部21側に配置する接続端子2Aは、温度センサ3を電極端子11に接近して配置できるので、温度センサ3がより速やかに電池1の温度を検出する。
【0034】
固定部24は溝型で、溝27内に温度センサ3を配置して接着剤17を充填している。温度センサ3のリード線5は、固定部24から外部に引き出される。接着剤17は熱伝導特性と絶縁特性を有し、温度センサ3を熱結合状態であって、絶縁状態で固定部24に固定する。このような接着剤として、たとえば、エポキシ樹脂等が使用できる。とくに、エポキシ樹脂である接着剤は、金属に対する接着力が強く、また硬化速度も速いため、作業効率を向上しながら確実に接着できる。ただ、接着剤には、エポキシ樹脂以外の接着剤を使用することもできる。さらに、接着剤は、熱伝導特性を向上させるために、好ましくは、熱伝導性の高い部材を混合させることができる。このような混合部材として、たとえばシリカやアルミナ等の粉末が使用できる。
【0035】
さらに、
図5と
図6に示す固定部24は、溝27の底面30であって、側壁26の中央部の下端に位置して、空気抜き孔31を開口している。この構造は、溝27内に接着剤17を流し込む際に、この空気抜き孔31から空気を逃がしながらが、スムーズに流入できる。図に示す空気抜き孔31は、溝27の底面30と側壁26との境界部分であって中央部に開口しているが、空気抜き孔は、溝の底面や側壁の中央部分等に複数設けることもできる。これらの空気抜き孔31は、充填する接着剤17の粘度と硬化速度を考慮して、その開口面積と個数、及び開口位置等を決定する。ただ、空気抜き孔は必ずしも設ける必要はない。
【0036】
接続部23は、溝型の内側に電圧検出ライン4の芯線4Aを配置する状態で、両側の側壁25を折曲加工するように圧着して、電圧検出ライン4を電気接続する。以上の図に示す接続端子2Aは、固定部24と接続部23を、連結部22の表裏の反対側(図において上下の反対側)に配置する。
図4ないし
図7において、固定部24は上側に、接続部23は下側に配置している。この連結部22は、固定部24の側壁26を上方に、接続部23の側壁25を底面の下側に配置する。この接続端子2Aは、溝型を上方に開口する固定部24の溝27内に温度センサ3を配置し、ここに接着剤17を充填し、接着剤17を硬化して温度センサ3を固定する。さらに、接続端子2Aは、溝型を下方に開口する接続部23に電圧検出ライン4の芯線4Aを配置し、両側の側壁25を圧着工具(図示せず)で変形して、電圧検出ライン4を圧着して固定する。この圧着端子20は、接続部23の側壁25と固定部24の側壁26を反対側に配置して切り離しているので、圧着工具で接続部23の側壁25を変形する電圧検出ライン4の接続工程で、温度センサ3に無理な応力を作用しない。このため、温度センサ3を保護しながら、固定部24に固定できる。また、反対側に配置しているため、温度センサ3に繋がるリード線5と、接続部23がお互いに干渉することがない。
【0037】
さらに、接続部23は、
図5と
図6の鎖線で示すように、側壁25の外側に、電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bを圧着する第2の側壁32を設けることができる。この接続部23は、連結部22の底面30を電圧検出ライン4の引き出し方向に延長すると共に、この延長部の両側に第2の側壁32を設けて溝形としている。この接続部23は、側壁25を変形して電圧検出ライン4の芯線4Aを圧着して固定し、第2の側壁32を変形して電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bを圧着して固定する。この構造は、電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bを接続部23で保持することで、芯線4Aに機械的な応力が加わるのを有効に阻止して、断線や接触不良を防止して、長期間にわたって安全に使用できる。
【0038】
図8ないし
図10に示す圧着端子20の接続端子2Bは、固定部24と接続部23の側壁25を同じ側、図において上側に配置する。固定部24の側壁26と接続部23の側壁25は、その境界に切断ライン28を設けて互いに分離している。この連結部22は、接続部23の側壁25と固定部24の側壁26が切断ライン28で分離されるので、接続部23の側壁25を圧着する状態で、固定部24の側壁26が変形されて温度センサ3に無理な力を作用させることがない。さらに、この接続端子も、
図9と
図10の鎖線で示すように、側壁25の外側に、電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bを圧着する第2の側壁32を設けることができる。この接続部23も、側壁25を変形して電圧検出ライン4の芯線4Aを圧着し、第2の側壁32を変形して電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bを圧着して固定する。
【0039】
ただ、接続端子2は、
図11ないし
図13に示すように、接続部23の側壁25と固定部24の側壁26を、切断ラインを設けることなく連続する形状とすることもできる。この接続端子2Cは、温度センサ3を固定部24の溝27内に配置した後、接続部23の側壁25を変形して電圧検出ライン4を電気接続する。この圧着端子20は、接続部23の側壁25を圧着するように変形すると、これに連続する固定部24の側壁26が接続部23との境界部分で変形される。変形される側壁26は、溝型の開口部を狭くして、温度センサ3の位置ずれを防止する。また、この接続端子2Cは、電圧検出ライン4を固定する接続部23の側壁25で温度センサ3のリード線5を仮止めできる。接続部23の側壁25で仮止めされる温度センサ3は、表面を絶縁被覆で被覆しているリード線5を使用する。リード線5は、絶縁被覆で接続部23から絶縁して外部に引き出される。この接続端子2Cは、温度センサ3のリード線5を接続部23の側壁25で仮止めする工程では、固定部24の溝27内に接着剤17を充填せず、リード線5を仮止めした状態で、固定部24の溝27内に接着剤17を充填して温度センサ3を固定できる。
【0040】
図14ないし
図16の接続端子2Dは圧着端子20で、接続部23を端子側に配置している。この接続端子2Dは、接続部23と固定部24とを同じ側、図において連結部22の上側に配置する。同じ側に配置される接続部23の側壁25と固定部24の側壁26は、圧着工程で温度センサ3に無理な力が作用しないように、その境界に切断ライン28を設けて分離している。この接続端子2Dは、電圧検出ライン4の芯線4Aを接続部23の側壁25で圧着した後、固定部24の溝27内に温度センサ3を配置し、溝27内に接着剤17を充填して、温度センサ3を固定する。温度センサ3を埋設して固定する接着剤17は、電圧検出ライン4も一緒に固定する。したがって、この接続端子2Dは、温度センサ3と電圧検出ライン4の両方を接着剤17で確実に固定できる特徴がある。図の接続端子2Dは、接続部23と固定部24を同じ側(図において上側)に配置するが、接続端子は、図示しないが、接続部と固定部を反対側に配置することもできる。
【0041】
さらに、
図17ないし
図19の接続端子2Eは、端子部21を丸端子21Aとして、丸端子21Aの外周の対向する位置に互いに分離して、固定部24と接続部23とを連結している。この構造の接続端子2Eは、電圧検出ライン4と温度センサ3とを独立して別々に固定できる。電圧検出ライン4は、接続部23の側壁25に芯線4Aを圧着して固定され、温度センサ3は固定部24の側壁26の間に充填される接着剤17に埋設して固定される。丸端子21Aの外周に固定部24と接続部23とを設けている接続端子2は、固定部24と接続部23とを所定の角度に配置して、温度センサ3のリード線5と、電圧検出ライン4とを最適な方向に引き出しできる。さらに、接続部23の側壁25と固定部24の側壁26を互いに反対側に配置して、電圧検出ライン4と温度センサ3のリード線5とを上下に配置することもできる。図の接続端子2Eは、接続部23と固定部24を同じ側(図において上側)に配置するが、接続端子は、図示しないが、接続部と固定部を反対側に配置することもできる。
【0042】
図20ないし
図22の接続端子2Fは、電圧検出ライン4を圧着することなく、溶接又はハンダ付けして電気接続している。この接続端子2Fは、端子部21に溝型の連結部22を設けて、連結部22の後端部に電圧検出ライン4の芯線4Aを溶接又はハンダ付けして電気接続して、連結部22の先端部、すなわち端子部21側に温度センサ3を接着して固定している。この接続端子2Fは、電圧検出ライン4の芯線4Aを連結部22に溶接又はハンダ付けして電気接続した後、連結部22の溝27内に温度センサ3を配置し、接着剤17を充填して温度センサ3を固定する。この接続端子2Fは、電圧検出ライン4を溶接又はハンダ付けして連結部22に確実に安定して低抵抗な状態で電気接続でき、また、電圧検出ライン4の一部を、温度センサ3を埋設する接着剤17で確実に固定できる。さらに、この構造の接続端子は、
図20と
図22の鎖線のクロスハッチングで示すように、連結部22に充填する接着剤17を電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bまで延長して、電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bと温度センサ3のリード線5とを一体的に接着剤に埋設することができる。この構造は、電圧検出ライン4の絶縁被覆部4Bと温度センサ3のリード線5とを接着剤17で一体的に固定することにより、芯線4Aに機械的な応力が加わるのを低減して、断線や接触不良を有効に防止できる。
【0043】
電圧検出ライン4を溶接又はハンダ付けして連結部22に電気接続する接続端子2は、
図23に示すように、丸端子21Aの外周に互いに分離して、接続部23と固定部24とを設ける構造とすることができる。この接続端子2Gは、電圧検出ライン4を溶接し、あるいはハンダ付けする接続部23を、温度センサ3を固定する固定部24から離して配置できる。このため、温度センサ3を固定した状態で、電圧検出ライン4を溶接し、あるいはハンダ付けして、溶接やハンダ付けの熱で温度センサ3が加熱されるのを防止できる。
【0044】
さらに、
図24と
図25に示す接続端子2Hは、端子部21と連結部22とを平面状としている。平面状の連結部22は、端子側に温度センサ3を固定して、後端部に電圧検出ライン4を電気接続している。温度センサ3は、平面状の底面を連結部22の表面に密着して固定している。この温度センサ3は、外周部を止ネジ13でネジ止めして連結部22に固定され、あるいは接着して固定される。電圧検出ライン4は、芯線4Aをハンダ付けや溶接して連結部22に電気接続される。この接続端子2Hは、電圧検出ライン4を電気接続した後、温度センサ3を固定して、ハンダ付けや溶接の温度で温度センサ3が加熱されるのを防止する。
【0045】
さらに、接続端子は、図示しないが、端子部と連結部の表面に絶縁層をペーストして、その上面に金属層をメッキなどにより作成した後、エッチングにて配線パターンを作成し、この配線パターンに表面実装型のサーミスタを接続して実装させることもできる。この接続端子は、サーミスタの接続部分から引き出された配線パターンにリード線がハンダ付けされて接続される。さらに、電圧検出ラインは、絶縁層で被覆されない連結部の表面にハンダ付けや溶接により接続される。
【0046】
図26と
図27に示す接続端子2Iは、温度センサ3を固定する固定部24に連結穴29を設けている。この固定部24は、温度センサ3に設けたアンダーカット状の連結ロッド19を連結穴29に挿通して、温度センサ3を固定している。さらに、温度センサ3と固定部24とが好ましい熱結合状態で固定されるように、固定部24の温度センサ3に接する表面を平面状とし、かつ温度センサ3の固定部24との対向面を平面状としている。連結ロッド19は、対向面から垂直方向に突出している。この連結構造は、連結ロッド19を連結穴29に挿入して、温度センサ3を面接触状態で固定部24に密着できる。さらに、これ等の図の接続端子2Iは、接続部23に電圧検出ライン4の芯線4Aを圧着して接続している。
【0047】
さらに、
図28ないし
図30に示す接続端子2Jは、温度センサ3を圧着して固定部24に固定している。この接続端子2Jは、連結部22に固定部24と接続部23とを長手方向に配置して、固定部24に温度センサ3を固定して、接続部23には電圧検出ライン4を接続している。固定部24と接続部23は、互いに表裏の反対方向(図において上下の反対方向)に突出するように側壁26、25を設けている。図に示す連結部22は、図において、固定部24の側壁26を上方に、接続部23の側壁25を下方に突出して設けている。固定部24の側壁26は、
図30の断面図に示すように、内側に折り返すように変形されて温度センサ3を圧着状態に固定する。接続部23の側壁25は、
図30の断面図に示すように、電圧検出ライン4の芯線4Aを圧着して電気接続する。この接続端子2Jは、温度センサ3を長期間にわたって確実に熱結合状態に固定できる。さらに、この固定構造は、温度センサ3と固定部24との間に熱伝導性の接着剤17を充填することで、温度センサ3と固定部24との熱結合状態をより改善できる。
【0048】
なお、この構造で固定部に配置される温度センサには、リード線が接続されたサーミスタ素子を、溶融状態の樹脂に漬けた後、取り出して乾燥させたものを使用するのが好ましい。サーミスタ素子とリード線との接続部分が絶縁樹脂によって被覆されているからである。この温度センサは、サーミスタ素子とリード線との接続部分を外部に露出させることなく、外部に対して絶縁構造とすることで、電圧検出ラインとのショートを確実に防止しながら接続端子に配置できる。
【0049】
以上の接続端子2は、たとえば、1枚の金属板を所定の形状に切断した後、折曲加工して固定部24や接続部23を成形することができる。このような金属板の切断パターン40の一例を
図31に示す。この図に示す金属板の切断パターン40は、連結部22の底面30となる長方形の一方の短辺に端子部21を連結すると共に、長方形の両側の長辺に、側壁26と側壁25とを互いに対向して連結している。隣り合う側壁26と側壁25の間には、切断ライン28を設けている。さらに、一対の側壁26は、端子部21側の一端に折曲片33を連結して設けている。また、長方形の底面30と側壁26との境界部分の中央部には、空気抜き孔31となる貫通孔を開口している。
【0050】
以上の切断パターン40は、以下のようにして接続端子2に成形される。
(1)長方形の底面30と両側の側壁26との境界部分を折曲ライン34に沿って所定の方向に折曲(たとえば谷折り)し、対向する側壁26の間に溝27を形成する。
(2)長方形の底面30と両側の側壁25との境界部分を折曲ライン35に沿って所定の方向に折曲する。このとき、側壁25を側壁26と同じ方向に折曲(谷折り)すると、固定部24と接続部23とを表裏の同じ側に形成することができ、側壁25を側壁26と反対方向に折曲(山折り)すると、固定部24と接続部23とを表裏の反対側に形成することができる。
(3)底面30に対して折曲された側壁26の折曲片33を折曲ライン36において内側に折曲(谷折り)し、固定部24となる溝27の開口部を閉塞する。この構造は、固定部24の溝27に充填される接着剤が流出するのを折曲片33で有効に阻止できる。
【0051】
なお、以上の切断パターン40は、複数個が連続的に連結されたリール状の部材の状態で、折曲ライン34、36に沿って折り曲げる工程、及び折曲ライン35に沿って折り曲げて側壁25で電圧検出ライン4を圧着する工程を行うことが好ましい。さらにその後、固定部24に温度センサ3を接着剤17により固定した後、接続端子2をリール状の部材から切り離す、あるいは、接続端子2をリール状の部材から切り離した後、固定部24に温度センサ3を接着剤17により固定することが好ましい。このような製造方法であれば、製造工程を自動化でき、製造コストを低減できる。
【0052】
以上のバッテリシステムは、車載用の電源として利用できる。バッテリシステムを搭載する車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、あるいはモータのみで走行する電気自動車などの電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。