特許第6227577号(P6227577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227577
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20171030BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H01H9/02 L
   B60R16/02 630K
   B60R16/02 630B
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-35191(P2015-35191)
(22)【出願日】2015年2月25日
(65)【公開番号】特開2016-157612(P2016-157612A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(72)【発明者】
【氏名】臼谷 直士
(72)【発明者】
【氏名】灘谷 康明
(72)【発明者】
【氏名】大久保 直
(72)【発明者】
【氏名】重山 成生
(72)【発明者】
【氏名】小杉 利彦
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−267947(JP,A)
【文献】 実開平07−009677(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0205399(US,A1)
【文献】 実開平02−115051(JP,U)
【文献】 実公昭33−019912(JP,Y1)
【文献】 実開昭58−030548(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/02
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバー操作部を支持するスイッチボディと、被取付部に前記スイッチボディを嵌め込む筒状の嵌込部とを備えており、
前記嵌込部は、締付バンド部材の締付力により弾性変形可能な複数の弾性変形部と、前記弾性変形部の先端部外面から膨出して形成された押圧膨出部とを有し、
前記押圧膨出部が、前記締付バンド部材と前記被取付部との間での当接部位として構成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記嵌込部は、周壁を縦スリット状に形成した切欠きを有し、
前記弾性変形部は、前記切欠きに挟まれて配置されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記被取付部は、車両のステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムポストであることを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記弾性変形部の先端部の前記押圧膨出部の内面には、前記被取付部の外面が当接され、前記押圧膨出部の外面には、前記締付バンド部材の内面が当接されることを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に係り、特に、操作レバーを備えたスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作レバーを備えたスイッチ装置の一例としては、車体に取り付けたコラムポストの外側面にケース(以下、「スイッチボディ」という。)を介して操作レバーを取り付けたスイッチ装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記特許文献1に記載された従来のスイッチ装置は、スイッチボディの両端に揺動可能に装着された操作レバーを操作することで、スイッチボディ内のスイッチ接点の電気的接離が行われるように構成されている。
【0004】
スイッチボディの中央部には、下方向に延出した筒部が形成されており、筒部の外周面には、内側面に凸状の係止部を有する複数の弾性係止片と、外側面に長手方向全体にかけて山状の突部を有する複数の弾接片とが形成されている。
【0005】
スイッチボディにおける筒部の弾性係止片の係止部を支柱(以下、「コラムポスト」という。)の外周に形成された凹状の抜止部に係合するとともに、高弾性金属製の帯状のリングで、筒部の弾性係止片及び弾接片を外側から締付押圧することによって、操作レバーがスイッチボディを介してコラムポストに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−267947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種のスイッチ装置は、スイッチボディにおける筒部の弾性係止片及び弾接片をコラムポストにリングの締付力により固定する構造であるから、スイッチボディを取り付ける際の取付剛性にばらつきがある場合は、操作レバーに設定された大きさを超える過荷重に対して取付剛性を維持することは困難となる。
【0008】
従って、本発明の目的は、取付剛性のばらつきを抑えることができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]本発明は、レバー操作部を支持するスイッチボディと、被取付部に前記スイッチボディを嵌め込む筒状の嵌込部とを備えており、前記嵌込部は、締付バンド部材の締付力により弾性変形可能な複数の弾性変形部と、前記弾性変形部の先端部外面から膨出して形成された押圧膨出部とを有し、前記押圧膨出部が、前記締付バンド部材と前記被取付部との間での当接部位として構成されていることを特徴とするスイッチ装置にある。
【0010】
[2]上記[1]記載の前記嵌込部は、周壁を縦スリット状に形成した切欠きを有し、前記弾性変形部は、前記切欠きに挟まれて配置されていることを特徴とする。
【0011】
[3]上記[1]記載の前記被取付部は、車両のステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムポストであることを特徴とする。
[4]上記[1]記載の前記弾性変形部の先端部の前記押圧膨出部の内面には、前記被取付部の外面が当接され、前記押圧膨出部の外面には、前記締付バンド部材の内面が当接されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、締付バンド部材によって被取付部にスイッチボディを取り付ける際の締付力又は保持力である取付剛性のばらつきを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に好適な実施の形態に係るスイッチ装置を説明するための分解斜視模式図である。
図2】実施の形態に係るスイッチ装置の要部断面模式図である。
図3】実施の形態に係るスイッチ装置の要部平面模式図である。
図4図3のIV−IV線矢視部からみたときの要部断面模式図である。
図5】(a)は、実施の形態に係るスイッチ装置のスイッチボディの取付状態を説明するための要部断面模式図であり、(b)は、従来のスイッチボディの取付状態を説明するための要部断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0015】
(スイッチ装置の構成)
図1において、全体を示す符号1は、本実施の形態に係る典型的なスイッチ装置を模式的に示している。このスイッチ装置10は、自動車のステアリングシャフト1を回転可能に支持するコラムポスト2の外周に取り付けられる。
【0016】
スイッチ装置10には、ターンシグナルランプ、ヘッドランプ、フォグランプ、ワイパやウォッシャ等の各種車両機器のスイッチを内蔵したスイッチボディ11が組み付けられている。
【0017】
このスイッチボディ11は、樹脂材料からなる箱形状に形成されており、スイッチボディ11の左右両側には、車体の前後及び上下方向に揺動操作可能な左右一対の操作レバー12,13がコンビネーションレバースイッチとして取り付けられている。
【0018】
左側の操作レバー12は、ワイパやウォッシャ等を操作するためのワイパ系スイッチであり、操作レバー12の操作によってスイッチボディ11内の図示しないスイッチの接点状態が切り替わることで操作レバー12の操作に応じた作動状態になる。
【0019】
右側の操作レバー13は、ターンシグナルランプ、ヘッドランプやフォグランプ等を操作するためのランプ系スイッチであり、操作レバー13の操作によってスイッチボディ11内の図示しないスイッチの接点状態が切り替わることで操作レバー13の操作に応じた作動状態になる。
【0020】
スイッチ装置10は、図1及び図2に示すように、スイッチボディ11の中央部に貫通して形成された挿通孔11aにステアリングシャフト1を挿通した状態でコラムポスト2に嵌め込まれている。スイッチボディ11の挿通孔11aの下部開口端面には、スイッチボディ11をコラムポスト2に嵌め込むための円筒形状の嵌込部14が形成されている。
【0021】
スイッチ装置10の嵌込部14は、周壁を縦スリット状の切欠き14aを介して4つの弾性変形部14b,…,14bに分割して軸線方向に延在している。各弾性変形部14bは、嵌込部14が径方向内側に向けて外力を付与された際に嵌込部14を縮径させることで径方向内側に弾性変形しやすくしている。
【0022】
スイッチボディ11の嵌込部14の外周壁には、スイッチボディ11をコラムポスト2に固定するバンドクランプ15が取り付けられている。このバンドクランプ15は、例えば弾性金属材料をリング状に形成したバネ板材からなる。
【0023】
バンドクランプ15としては、嵌込部14の径方向内側に向けて付勢力を発生する締付バンド部材であれば、図示例に限定されるものではない。図示例によるバンドクランプ15は、バネ板材の両端に形成された突片15a,15aと、バンドクランプ15が拡径及び縮径する際に突片15aの周方向移動を許容する切欠孔15bとを有している。
【0024】
バンドクランプ15によって、スイッチボディ11の嵌込部14がコラムポスト2に強固に締め付けられることで、スイッチボディ11がコラムポスト2に上下動及び回転動を規制された状態で固定される。
【0025】
(スイッチボディの取付構造)
ところで、コラムポスト2に対するスイッチ装置10の取付は、バンドクランプ15の締付力により行われるが、スイッチボディ11の嵌込部14に対するバンドクランプ15の当接ポイントが的確でない場合は、コラムポスト2にスイッチボディ11を安定した状態に支持することは困難になる。
【0026】
よって、スイッチボディ11の嵌込部14にバンドクランプ15の当接ポイントを設定することで、操作レバー12,13による過荷重に対しても、取付剛性の向上を図ることが肝要である。
【0027】
上記のように構成されたスイッチ装置1の主要なところは、スイッチボディ11の嵌込部14の構造にある。この嵌込部14は、図3及び図4に示すように、弾性変形部14bの先端部外面から湾曲面状に膨出する押圧膨出部14cを有しており、押圧膨出部14cが弾性変形部14bの根元部よりも肉厚に形成されている。この押圧膨出部14cは、コラムポスト2との間での当接部位として構成されており、バンドクランプ15の締付力によってコラムポスト2との間での当接を維持するようにしている。
【0028】
この押圧膨出部14cは、弾性変形部14bの根元部を中心として径方向内側に押圧されてコラムポスト2に当接した状態で、バンドクランプ15に弾性反発力を作用し続けるように構成されており、押圧膨出部14cの弾性反発力によってバンドクランプ15が締まる方向に力を増大させている。従って、弾性変形部14bの弾性変形と、押圧膨出部14cのコラムポスト2との間での当接とによってバンドクランプ15の締結力が確保されている。
【0029】
これにより、コラムポスト2と押圧膨出部14cとを離間させる力が作用しても、コラムポスト2と押圧膨出部14cとの当接状態を強固に維持することができる。押圧膨出部14cのコラムポスト2との間での当接を維持することができるため、バンドクランプ15の締付力がばらつくことなく安定化する。その結果、操作レバー12,13に設定された大きさを超える過荷重が作用しても、スイッチボディ11の取付剛性を確実に維持することが可能となる。
【0030】
図示例の弾性変形部14bは、樹脂材料からなる周壁を縦スリット状の切欠き14aに挟まれて配置される構成であるが、図示例に限定されるものではなく、例えば薄肉部に挟まれて配置されても構わない。
【0031】
図示例のスイッチボディ11は、嵌込部14の弾性変形部14bの先端部外面に押圧膨出部14cを備えた構成であるが、それに加えて、例えば嵌込部14の内壁に形成された凹部又は凸部がコラムポストの外周に形成された凸部又は凹部に係合する構造を備えることも可能である。
【0032】
ここで、図5(a)及び図5(b)を参照すると、図5(a)には、本実施の形態におけるスイッチボディ11の取付状態が例示されており、図5(b)には、従来におけるスイッチボディ11の取付状態が例示されている。
【0033】
図5(a)に示す本実施の形態においては、スイッチボディ11の嵌込部14の弾性変形部14bに押圧膨出部14cが形成された構成になる。この構成により、バンドクランプ15の締付力による縮径に伴って押圧膨出部14cの内面がコラムポスト2に当接することになる。弾性変形部14bの根元部に対しても、大きな応力が作用して、その根元部を中心として弾性変形部14bは、径方向内側に曲がるように変形することになり、押圧膨出部14cのコラムポスト2との間での当接が確実に維持される。
【0034】
一方、図5(b)に示す従来例では、スイッチボディ11の嵌込部14の弾性変形部14bには押圧膨出部14cが形成されていない。嵌込部14bに押圧膨出部14cを有する場合に比べて、バンドクランプ15の当接ポイントが弾性変形部14bの根元部になり、弾性変形部14bの弾性変形が抑制される。弾性変形部14bの根元部を中心として嵌込部14は、径方向内側に曲がりに難くなり、バンドクランプ15の締付力が低下してしまうことになるので好ましくない。
【0035】
(実施の形態の効果)
以上のように構成されたスイッチ装置1によれば、上記効果に加えて、次の効果が得られる。
【0036】
バンドクランプ15の当接ポイントが弾性変形部14bの根元部から先端部に変更されることによって車両のコラムポスト2に保持する保持長を増加させることができるようになり、コラムポスト2にスイッチボディ11を取り付ける際の取付剛性を高めることが可能となる。
【0037】
バンドクランプ15の締結力を確保することで、コラムポスト2の取付時における剛性を向上させることができるため、レバー操作時のフィーリングをも向上させることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態及び図示例では、自動車のコンビネーションレバースイッチを例示したが、これに限定されるものではない。各種の操作レバーを備えたスイッチ装置にも適用することできる。
【0039】
また、上記実施の形態及び図示例では、自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建設機械や農業機械などの各種の車両に効果的に適用できることは勿論である。
【0040】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る代表的な実施の形態及び図示例を例示したが、上記実施の形態及び図示例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。従って、上記実施の形態及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1…ステアリングシャフト、2…コラムポスト、10…スイッチ装置、11…スイッチボディ、11a…挿通孔、12,13…操作レバー、14…嵌込部、14a…切欠き、14b…弾性変形部、14c…押圧膨出部、15…バンドクランプ、15a…突片、15b…切欠孔
図1
図2
図3
図4
図5