特許第6227594号(P6227594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6227594-動物の発毛促進用組成物及びその配合物 図000004
  • 特許6227594-動物の発毛促進用組成物及びその配合物 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227594
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】動物の発毛促進用組成物及びその配合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/739 20060101AFI20171030BHJP
   A23K 20/111 20160101ALI20171030BHJP
   A23K 20/163 20160101ALI20171030BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20171030BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20171030BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20171030BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20171030BHJP
   A61K 8/99 20170101ALI20171030BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20171030BHJP
   A61K 36/15 20060101ALI20171030BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20171030BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20171030BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   A61K31/739
   A23K20/111
   A23K20/163
   A23L33/10
   A23L33/105
   A61K8/34
   A61K8/73
   A61K8/99
   A61K31/05
   A61K36/15
   A61P17/14
   A61P43/00 121
   A61Q7/00
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-114719(P2015-114719)
(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公開番号】特開2017-1968(P2017-1968A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2016年2月5日
【審判番号】不服2016-14625(P2016-14625/J1)
【審判請求日】2016年9月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513285952
【氏名又は名称】大川 博
(73)【特許権者】
【識別番号】390025210
【氏名又は名称】杣 源一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100110191
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和男
(72)【発明者】
【氏名】大川 博
(72)【発明者】
【氏名】杣 源一郎
(72)【発明者】
【氏名】稲川 裕之
【合議体】
【審判長】 關 政立
【審判官】 渡邉 潤也
【審判官】 田村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−105686(JP,A)
【文献】 特開2007−308374(JP,A)
【文献】 Fragrance Journal,2013,41(11),pp.39−43
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 8/00
A23L 33/10
CAplus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リポ多糖及び松樹皮ポリフェノールを有効成分として含有することを特徴とする動物の発毛促進用組成物。
【請求項2】
請求項1記載の動物の発毛促進用組成物が配合されている、医薬品、医薬部外品、包帯、絆創膏、サプリメント、フード、おやつ、水、ヘアケア用品、デンタル用品、洋服、靴又は靴下であることを特徴とする動物の発毛促進用組成物の配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の発毛促進用組成物に関し、更にその動物の発毛促進用組成物が配合されている、医薬品、医薬部外品、包帯、絆創膏、サプリメント、フード、おやつ、水、ヘアケア用品、デンタル用品、洋服、靴又は靴下などの、動物の発毛促進用組成物の配合されている配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、育毛素材として生薬などが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−67634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の育毛素材は十分な成果が得られるものではなかった。
【0005】
近年のペットブーム及び少子化・高齢化という背景よりペット関連ビジネス市場拡大によりペットの数とペットを飼う人の数が急増した。特にペットの数は、現在で犬が約1300万匹、猫が約1200百万匹飼われていると言われている。そのほとんどが愛玩動物として飼われているが、最近ではコンパニオン・アニマル(人間の仲間や伴侶としての動物)と呼ばれることもあり、従来のペットとの関係よりも大切に接している人も多い。
【0006】
しかし、それとは逆にブームに乗っているだけや適正な飼い方を知らない飼い主が多いのも事実である。飼い主の過保護の為に肥満・体力の低下で自由に動けなくなったペットや、それらから誘発された心臓病やガン、またストレスから来る心因性の異常行動と言った「ペットの現代病」が増えている。またペットフードがおいしく高カロリーになったことや運動不足などが原因にあげられる。症例は純血種で小型の室内犬に多く、チワワなどブームに乗った高価なペットを思い込みでかわいがる飼い主に多い。十分なケアをせず、洋服を着せて皮膚病になるのもそんな一例である。
【0007】
ストレスに悩まされるのも、決して人間だけではない。ある小型犬は落ち着かない様子で、ひっきりなしに前脚をなめ続けて皮膚がふやけた状態になるなど心因性の異常行動とみられる症例も多く見られる。これらのような心因性の異常行動の場合、人間であれば会話することでその原因を探ることができるものの、ペットの場合は会話する事自体が不可能なので、その原因を探ることは難しい。
【0008】
このように、様々な病気を抱えるペットに対して、人間の介護疲れすら見られるようになってきた。三十年前に比べ、ペットの寿命が二倍近く伸び、ペットの高齢化が続き、これに伴って老齢病も増加している。特に深刻なのが皮膚病である。ハゲが出てきた、色が変わった・・というだけで、虐待を受けたり、捨て去られるペットは後を絶たない。
【0009】
これらのような状況から、ペットの様々な病気による脱毛からの脱却として、発毛に関する研究を行い、少しでも発毛する、ハゲが治るなどの素材を選定し、食、医薬で役立つことのできる製品開発に至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の動物の発毛促進用組成物は、リポ多糖及び松樹皮ポリフェノールを有効成分として含有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は前記動物の発毛促進用組成物が配合されている、医薬品、医薬部外品、包帯、絆創膏、サプリメント、フード、おやつ、水、ヘアケア用品、デンタル用品、洋服、靴又は靴下である動物の発毛促進用組成物の配合物である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、実効性のある新たな動物の発毛促進用組成物及びその配合物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例の症例を示す写真。
図2】本発明の他の実施例の症例を示す写真。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1は、LPS単独投与による発毛、及び更にポリフェノールとの併用による発毛効果を確認したものである。
【0016】
治験の内容
●方法及び材料
犬、猫、ウサギ、ハムスターの脱毛症例に対しての発毛効果測定
【0017】
●試験材料
試験薬として、
LPS錠(スケアクロウ社「LPS Dr」。LPS(リポ多糖)含有50μg/錠)
松樹皮ポリフェノール錠(スケアクロウ社「パンフェノンS」。松樹皮ポリフェノール含有11mg/錠)
【0018】
●使用方法
フード、医薬品の投与の有無は規制せず、他のサプリメント併用はなしとし、LPS錠単独投与症例とLPS錠+松樹皮ポリフェノール錠の併用症例の2群に分けて行った。
【0019】
試験期間は、原則として30日間とした。

LPS錠投与量は10kg満では、1〜2錠/日
LPS錠投与量は10〜20kg未満では、2〜4錠/日
LPS錠投与量は20〜40kg未満では、4〜6錠/日

松樹皮ポリフェノール錠投与量は10kg未満では、0.5〜4錠/日
【0020】
●結果
LPS錠単独投与 24例
LPS錠単独投与 発毛なし 14例
LPS錠単独投与 発毛有 10例

LPS錠+松樹皮ポリフェノール錠投与 13例
LPS錠+松樹皮ポリフェノール錠投与 発毛なし 0例
LPS錠+松樹皮ポリフェノール錠投与 発毛あり 13例
【0021】
【表1】
【0022】
これらの結果から、LPS単独投与でも、発毛効果があることが分かる。さらに、ポリフェノールとの併用によって更に顕著な発毛効果があることが分かる。
【実施例2】
【0023】
実施例2は、LPSとポリフェノールとの併用により、それぞれ単独と比べても著しい発毛効果があることを確認したものである。
【0024】
治験の内容
●方法及び材料
マウス(7週齢、C3H/HeN ♂、SPF(SLC))を投与開始3日前にバリカンで毛刈りし、経口投与した(14日間連日、飲料水に添加し自由摂取させた)。
【0025】
●試験材料
投与する試験薬によってマウスを4群に分けた。
1〜3群までは8匹、4群は6匹
1群:コントロール群:水(飲用水)のみ
2群:LPS単独群:パントエア粉末 0.5g(LPS換算2.5mg)/水100ml
3群:松樹皮ポリフェノール単独群:松樹皮ポリフェノール粉末 0.25g/水100ml
4群:併用群:パントエア粉末 0.25g(LPS換算1.25mg)+松樹皮ポリフェノール粉末 0.125g/水100ml(粉末は単独群の半分ずつ)
ただし、
パントエア粉末は、自然免疫応用技研社「Somacy-PP050」である。
松樹皮ポリフェノール粉末は、ホーファーリサーチ社「ピクノジェノール」である。
【0026】
●評価方法
各マウスの毛成長の程度によって次のとおりに11階面積評価をした。
0:毛成長認められず
1:毛成長わずか(発毛率1〜10%)
2:毛成長わずか(発毛率11〜20%)
3:毛成長軽度(発毛率21%〜30%)
4:毛成長軽度(発毛率31%〜40%)
5:毛成長中程度(発毛率41%〜50%)
6:毛成長中程度(発毛率51%〜60%)
7:毛成長強度(発毛率61%〜70%)
8:毛成長強度(発毛率71%〜80%)
9:毛成長極めて強度(発毛率81%〜90%)
10:毛成長極めて強度(発毛率91%〜100%)
【0027】
●結果
結果は次のとおりである。発毛の程度が大きい順に記載した。
【0028】
【表2】
【0029】
この結果から、コントロール群と比べて明らかに発毛効果がありと考えられる発毛程度6以上を発毛効果ありとし、そこに至らない発毛程度6未満を発毛効果なしとすると、発毛効果がなかった割合は、
LPS単独:5/8=63%
ポリフェノール単独:5/8=63%
併用:1/6=17%
となる。
【0030】
加えて、実施例1における発毛効果がなかった割合は、
LPS単独:14/24=58%
併用:0/13=0%
である。
【0031】
これらの結果から、LPS単独投与及びポリフェノール単独投与と比べて、これらの併用によって顕著な発毛効果があることが分かる。
【0032】
また、この結果から、本発明が配合されている、医薬品、医薬部外品、包帯、絆創膏、サプリメント、フード、おやつ、水、ヘアケア用品、デンタル用品、洋服、靴又は靴下には、発毛効果があることは明らかである。
図1
図2