(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明が適用されるコネクタの防水構造の第1の実施形態について
図1乃至
図9を参照して説明する。本実施形態では、自動車等に搭載される防水仕様のコネクタを例に説明するが、本発明のコネクタは、他の用途のコネクタにも適用することができる。
【0018】
本実施形態のコネクタ11は、
図1及び
図2に示すように、雄コネクタ13と雌コネクタ15から構成され、雄コネクタ13の雄ハウジング17と雌コネクタ15の雌ハウジング19とを互いに嵌合させて、雄ハウジング17に収容された雄端子21と雌ハウジング19に収容された雌端子23とを電気的に接続するものである。雄端子21には、電線25が接続され、雌端子23には、電線27が接続される。雌ハウジング19は、雄ハウジング17の内側に嵌め込まれて、ロックされるようになっている。本実施形態では、各コネクタに2本ずつ端子を収容する例を説明するが、端子の収容数は2本に限定されるものではない。なお、以下の説明では、
図1のX方向を前後方向、Y方向を幅方向、Z方向を高さ方向とし、両コネクタの嵌合方向をそれぞれ前方として定義し、
図1の上側を上方として定義する。
【0019】
雄コネクタ13は、絶縁性の合成樹脂で円筒状に形成された雄ハウジング17と、雄ハウジング17に後方から収容される雄端子21とを有している。雄ハウジング17は、
図3及び
図6に示すように、雄端子21が収容される雄端子収容室29(キャビティ)が形成された筒状の基部31と、基部31から後方に突出する電線保持部33と、基部31から前方に突出するフード部35とを一体的に備えて形成される。フード部35は、基部31の周壁と連なる周壁を有して形成され、軸方向と直交する断面が幅方向を長手とする長円形の円筒状に形成される。
【0020】
フード部35の内壁には、
図3に示すように、軸方向に延びる案内溝37が形成される。フード部35の前端面と面一で板状に立ち上がる壁部39には、一対の第1切り欠き部41と、一対の第1切り欠き部41の内側に形成された第2切り欠き部43が設けられる。
【0021】
雄端子収容室29は、2個の雄端子21を互いに図示しない隔壁で仕切って収容し、雄端子収容室29の内部に延出させた図示しないランスを各雄端子21に係合させて、設定位置に保持するようになっている。雄端子収容室29は、
図4及び
図6に示すように、フード部35に包囲された基部31の前端面45に開口する開口47と、電線保持部33を軸方向に貫通する貫通孔49とを連通させて形成される。フード部35の内側には、基部31の開口47の周縁から開口47を包囲するように前方に突出する円筒状の雄側環状部材51が設けられる。
【0022】
雄ハウジング17は、
図3に示すように、外面に沿って軸方向の前方に片持ち状に伸延されたロックアーム53を有している。ロックアーム53は、基部31の幅方向の両側面から上方に立設する一対の壁部55にそれぞれ支持された2つの脚部57と、これらの脚部57を幅方向に連ねた基端部59と、基端部59から前方に伸延するアーム部61とを有して形成される。
【0023】
ロックアーム53は、基端部59を支点として、アーム部61の前端部が水平方向から上方に変位可能になっている。アーム部61の前端下部には、
図6に示すように、下方に突出するロック部63が設けられる。壁部55は、
図3に示すように、ロックアーム53を包囲して、雄ハウジング17の基部31からフード部35の壁部39にわたって設けられる。ロックアーム53の上端面は、壁部39,55の上端面と同じ高さか、それよりも低い高さに設定されている。
【0024】
雄端子21は、
図1に示すように、導電性の金属板材等で形成され、電線25の芯線を圧着接続する電線接続部65と、雌端子23と接続される雄タブ67とを一体的に備えている。雄タブ67は、前後方向に延在して棒状に形成され、雄端子収容室29の設定位置に雄端子21が保持された状態で、開口端45から突出され、雄側環状部材51の前端よりも前方に延びて設けられる。
【0025】
一方、雌コネクタ15は、
図1に示すように、絶縁性の合成樹脂で円筒状に形成された雌ハウジング19と、雌ハウジング19に後方から収容される雌端子23とを有している。雌ハウジング19は、
図5及び
図6に示すように、軸方向と直交する断面が雄ハウジング17のフード部35の内周面と略相似形に形成され、雌端子23が挿入される2個の雌端子収容室69(キャビティ)が形成された基部71と、基部71から後方に突出する電線保持部73とを一体的に備えて形成される。雌端子収容室69は、2個の雌端子23を互いに図示しない隔壁で仕切って形成され、雌端子収容室69の内部に延出させた図示しないランスを各雌端子23に係合させて、設定位置に保持するようになっている。
【0026】
雌端子収容室69は、
図5及び
図6に示すように、基部71の前端面75に開口する開口77と、電線保持部73を軸方向に貫通する貫通孔79とを連通させて形成される。基部71には、開口77の周縁から開口77を包囲するように前端面75から前方に突出する円筒状の雌側環状部材81が設けられる。雌側環状部材81は、基部71の外周面を段付き状に小さくした外周面81aを有して形成される。
【0027】
雌ハウジング19には、
図5に示すように、基部71の上面から軸方向に延びる一対の突条部83と、
図6に示すように、基部71の下面から軸方向に延びる段差部85が設けられる。一対の突条部83は、幅方向に離れて設けられ、それぞれ、雄ハウジング17の内周面に当接可能になっている。一対の突条部83の内側には、上方に突出する係止部87が設けられる。係止部87には、前方の基部71に向かって下方に傾斜する傾斜面89が形成され、両ハウジングの嵌合時には、雄ハウジング17のロックアーム53を傾斜面89に沿って押し上げるようになっている。
【0028】
雌端子23は、
図1に示すように、導電性の金属板材等で形成され、電線27の芯線を圧着接続する電線接続部91と、雄端子21の雄タブ67が挿入接続される角筒状の電気接触部93とを一体的に備えている。電気接触部93は、雌端子23が雌端子収容室69の設定位置に保持された状態で、基部71の開口77と面一又は開口77から設定距離だけ後退させた位置に先端部が設けられる。
【0029】
次に、本実施形態の特徴部である雄側環状部材51と雌側環状部材81について説明する。本実施形態では、雄ハウジング17と雌ハウジング19との嵌合時において、雌側環状部材81が雄側環状部材51の内部に嵌め込まれるようになっている。
図7は、
図6の枠内を拡大した図である。
【0030】
雄側環状部材51は、雄ハウジング17の基部31の開口47の周縁から円筒状に伸延された樹脂製の部材であり、雌側環状部材81よりも高い弾力性を有している。雄側環状部材51は、雄ハウジング17の軸方向と直交する断面が幅方向を長手とする長円形の円筒状に形成され、雄ハウジング17の軸方向に延びる内周面95及び外周面97を有している。内周面95は、雌側環状部材81の外周面105と接触する位置まで突出する環状の第1突部99を有しており、この第1突部99は、周方向にわたって幅方向(軸方向)の断面が円弧状に形成される。雄側環状部材51の先端内周面には、対向する雌側環状部材81と離れる方向に傾斜して前方に末広がりとなる案内面101が形成される。案内面101は、雌側環状部材81を雄側環状部材51の内側に案内するようになっている。
【0031】
雌側環状部材81は、雌ハウジング19の基部71の開口77の周縁から円筒状に伸延された樹脂製の部材であり、雄側環状部材51よりも高い剛性を有している。雌側環状部材81は、雌ハウジング19の軸方向に延びる内周面103及び外周面105を有している。この外周面105は、雄側環状部材51の内周面95と接触する位置まで突出する環状の第2突部107を有している。
【0032】
第2突部107は、
図7に示すように、2つの山部109a,109bを有して形成され、幅方向の断面が、山部109と谷部111を交互に繰り返す正弦波状の曲面をなして形成される。山部109a,109bは、雄側環状部材51の内周面95と接触する位置まで突出しており、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが正規位置まで嵌合されたときに、それぞれ第1突部99とずらした位置に配置されるようになっている。この場合、第1突部99は、隣り合う山部109a,109bの間の谷部111の位置に配置され、幅方向の両側が、外周面105の山部109a,109bにそれぞれ当接するようになっている。
【0033】
本実施形態では、
図7に示すように、雄側環状部材51の高さ方向に対向する内周面95間の内法寸法をL1、雌側環状部材81の第2突部107(山部109a,109b)の頂部間の外法寸法をL2としたときに、L1はL2よりも小さく設定されている。この寸法関係は、雄側環状部材51と雌側環状部材81の全周にわたって設定される。そのため、雄側環状部材51は、雌側環状部材81の第2突部107が内周面95に当接されると、その内周面95が第2突部107に押し付けられて、全周にわたって外側に押し広げられるようになっている。
【0034】
次に、両ハウジングの組立方法及び嵌合動作の一例を説明する。まず、
図1に示すように、雄ハウジング17の雄端子収容室29に対して、ゴム栓109を装着した電線25が接続された雄端子21をゴム栓109とともに収容する。また、雌ハウジング19の雌端子収容室69に対して、ゴム栓111を装着した電線27が接続された雌端子23をゴム栓111とともに収容する。この状態で、
図8の矢印で示すように、雌コネクタ15の雌ハウジング19を雄コネクタ13の雄ハウジング17に挿入する。
【0035】
雌ハウジング19を雄ハウジング17に挿入すると、雌ハウジング19の一対の突条部83がそれぞれ雄ハウジング17の第1切り欠き部41を通過するとともに、雌ハウジング19の係止部87が雄ハウジング17の第2切り欠き部43を通過する。また、雌ハウジング19の段差部85が、雄ハウジング17の案内溝37に沿って案内される。
【0036】
続いて、雌ハウジング19の挿入が進むと、雌ハウジング19の係止部87の傾斜面89に沿って、雄ハウジング17のロックアーム53が係止部87に乗り上げて、アーム部61が上方に撓み変形する。そして、アーム部61のロック部63が係止部87を乗り越えたところで、アーム部61が弾性復帰する。これにより、係止部87がロック部63に係止されて、両ハウジングが正規の嵌合状態でロックされる。
【0037】
一方、雌側環状部材81が雄側環状部材51に挿入されると、雄側環状部材51の案内面101に沿って内側に案内された第2突部107は、雄側環状部材51の内周面95を押し付けながら移動し、
図7に示すように、山部109a,109bの間に第1突部99を位置させて、内周面95を全周にわたって押圧する格好で静止する。第2突部107に押圧された雄側環状部材51は、先端部が外側に広がる方向に弾性変形し、このとき発生した弾性復元力が雌側環状部材81を押圧する。これにより、雄側環状部材51と雌側環状部材81は、全周にわたって水密に当接され、雄コネクタ13の開口47と雌コネクタ15の開口77にそれぞれ水が浸入するのを防止する。なお、両ハウジング17,19の嵌合時には、雄側環状部材51の先端面と雌ハウジング19とが離れて配置され、且つ、雌側環状部材81の先端面と雄ハウジング17とが離れて配置される。
【0038】
上述したように、本実施形態では、雄コネクタ13と雌コネクタ15との嵌合時において、弾力性を有する雄側環状部材51が、比較的剛性の高い雌側環状部材81によって内側から押圧されて弾性限度内で押し広げられるから、塑性変形することなく、雄側環状部材51と雌側環状部材81との隙間がシールされる。そのため、開口47,77に水が浸入するのを防止することができ、コネクタ11の防水性の向上を図ることができる。また、雄側環状部材51と雌側環状部材81とを直接接触させてシールすることで、防水用のゴムパッキン等が不要になり、コネクタ11の内部空間を小さくできるから、コネクタ11の小型化及び低コスト化を実現できる。
【0039】
また、本実施形態では、雄側環状部材51と雌側環状部材81との隙間の防水構造において、第1突部99と第2突部107は、互いに位置をずらして設けられるから、防水構造の奥行き長さを長くすることができる。これにより、防水構造の防水機能を高めることができるから、開口47,77に水が浸入するのをより効果的に防ぐことができる。
【0040】
また、本実施形態では、雄側環状部材51と雌側環状部材81が正規の位置まで嵌合されたとき、第1突部99は、第2突部107の2つの山部109a,109bの間に係合されるから、雌側環状部材81と雄側環状部材51との間の軸方向(前後方向)の相対的な動きを規制することができ、これらが重なり合う状態を維持することができる。したがって、例えば、コネクタ11が振動する際には、雄側環状部材51と雌側環状部材81とが一体的に伸縮することで、振動を互いに吸収することができるから、振動に伴うコネクタ11の経時劣化や防水性の低下を防ぐことができる。
【0041】
また、本実施形態では、雄ハウジング17を雌ハウジング19に挿入するとき、一対の突条部83がそれぞれ雄ハウジング17の内周面に当接され、且つ、段差部85が雄ハウジング17の案内溝37に沿って案内される。これにより、雄ハウジング17と雌ハウジング19との相対的な位置ずれが抑制され、雌側環状部材81を雄側環状部材51の設定位置に所定角度で接触させることができるから、両環状部材51,81を適正な位置で重ね合せることができ、防水性の安定化を図ることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、雄コネクタ13と雌コネクタ15との嵌合時において、雄側環状部材51に挿入された雌側環状部材81の前端部を雄ハウジング17の前端面45と非接触となるように設定し、且つ、雄側環状部材51の前端部を雌ハウジング19の前端面75と非接触となるように設定する例を説明したが、いずれか一方の環状部材の先端部が相手側のハウジング(例えば、前端面45,75)と当接するように形成することもできる。これにより、いずれか一方の環状部材の先端部が相手側のハウジングと当接することでストッパとして機能するから、雄側環状部材51と雌側環状部材81との相対移動を停止させ、環状部材51,81同士の過剰な押し込みによる損傷等を防ぐことができる。また、両ハウジングの接触面積を増やすことができるから、防水性を高めることもできる。
【0043】
本実施形態では、雌側環状部材81の第2突部107が、雄側環状部材51の第1突部99と係合する格好で雄側環状部材51を押圧する例を説明したが、第1突部99と第2突部107の位置を入れ替えて構成することもできる。すなわち、
図9に示すように、雌側環状部材81の外周面105に第1突部99を、雄側環状部材51の内周面95に第2突部107をそれぞれ形成する。このように構成しても、
図7の場合と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、雌側環状部材81を雄側環状部材51に挿入する例を説明したが、これに代えて、雄側環状部材51を雌側環状部材81に挿入するように構成することもできる。
【0044】
以下では、本発明が実施される他の各実施形態について説明する。ただ、これらの各実施形態はいずれも基本的には第1の実施形態と同様である。したがって、以下では、各実施形態に特徴的な構成とその効果についてだけ説明し、第1の実施形態と共通する構成については説明を省略する。
【0045】
(第2の実施形態)
図10は、
図7に対応する第2の実施形態の要部の拡大図である。本実施形態のコネクタの防水構造が第1の実施形態のコネクタの防水構造(
図7)と相違する点は、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが正規位置まで嵌合されたとき、雄側環状部材51の内周面95から突出する環状の第1突部113に対して、雌側環状部材81の外周面105から突出する環状の第2突部115が、雄側環状部材51の引き抜き方向にだけ形成されていることにある。
【0046】
第1突部113は、幅方向の断面が台形状に形成され、雌側環状部材81の外周面105と接触する位置まで突出している。この第1突部113は、雄側環状部材51の前端部に設けられ、第2突部115の引き抜き方向(
図10の左方向)の動きを規制する形状に形成されている。第1突部113の前方には、案内面101に沿って延びる傾斜面が形成されている。
【0047】
第2突部115は、幅方向の断面が台形状に形成され、雄側環状部材51の内周面95と接触する位置まで突出している。第2突部115は、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが正規位置まで嵌合されたときに、雄側環状部材51の第1突部113の後方に配置され、第1突部113の引き抜き方向(
図10の右方向)の動きを規制する形状に形成されている。本実施形態では、第2突部115は、雌側環状部材81の後方、つまり、第1突部113に向かって傾いて形成され、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが正規位置まで嵌合されたときに傾いた方向の角部117が第1突部113を押圧するようになっている。
【0048】
第2突部115は、その頂部から雌側環状部材81の前方に向かって傾斜する傾斜面119を有している。これにより、第2突部115は、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが嵌合されるときに、第1突部113が傾斜面119に沿って第2突部115に乗り上げて、第2突部115を乗り越えることが可能になっている。なお、第2突部115を乗り越えた第1突部113は、その後方に第2突部115の角部117が当接することで、引き抜き方向に外力を加えても、第2突部115を容易に乗り越えることができなくなっている。
【0049】
本実施形態では、第1突部113と第2突部115が互いに環状部材51,81を引き抜く方向に位置され、しかも、第1突部113と第2突部115は、それぞれ、相手側の引き抜き方向の動きを規制する形状に形成されているから、雄側環状部材51と雌側環状部材81とが互いに重なり合う状態を確実に維持することができる。したがって、雄側環状部材51と雌側環状部材81との密着性が確保され、開口47,77に水が浸入するのを継続的に防ぐことができる。
【0050】
また、本実施形態においても、雄側環状部材51と雌側環状部材81との隙間の防水構造において、第1突部113と第2突部115との位置をずらして設けられ、防水構造の奥行き長さを長くすることができるから、雄側環状部材51と雌側環状部材81との隙間の防水性を高めることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
図11は、
図7に対応する第3の実施形態の要部の拡大図である。本実施形態のコネクタの防水構造が第1の実施形態のコネクタの防水構造(
図7)と相違する点は、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが正規位置まで嵌合されたとき、雄側環状部材51の内周面95から突出する環状の第1突部99に対して、雌側環状部材81の外周面105から突出する環状の第2突部121が、雄側環状部材51の引き抜き方向と反対側にだけ形成されていることにある。
【0052】
第1突部99は、第1の実施形態と同様の形状に形成される。第2突部121は、雌側環状部材81の外周面105の奥側の基端部を雄側環状部材51の内周面95と接触する位置まで段付き状に突出させて形成される。第2突部121は、その頂部から外周面105に向かって傾斜する傾斜面123を有している。
【0053】
本実施形態では、
図11に示すように、雄ハウジング17と雌ハウジング19とが正規位置まで嵌合されたときに、第1突部99が、雌側環状部材81の外周面105の第2突部121(基端部)から前端部に向かう途中を押圧し、第2突部121が雄側環状部材51の内周面95の前端部を押圧するように設定されている。
【0054】
本実施形態では、上記の各実施形態のように、雄側環状部材51と雌側環状部材81の抜け方向の動きをそれぞれ規制する構造にはなっていないが、その分、雄ハウジング17と雌ハウジング19を嵌合する際は、第1突部99と第2突部121の静止位置までの移動がスムーズになるから、雄ハウジング17に雌ハウジング19を挿入する際の挿入負荷を軽減することができ、コネクタ11の組立時の作業性を高めることができる。
【0055】
また、本実施形態においても、雄側環状部材51と雌側環状部材81との隙間の防水構造において、第1突部99と第2突部121との位置をずらして設けられ、防水構造の奥行き長さを長くすることができるから、雄側環状部材51と雌側環状部材81との隙間の防水性を高めることができる。