(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6227625
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】有機変性シリコーンポリマー
(51)【国際特許分類】
C08F 8/00 20060101AFI20171030BHJP
C08F 290/04 20060101ALI20171030BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
C08F8/00
C08F290/04
G02C7/04
【請求項の数】14
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-501698(P2015-501698)
(86)(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公表番号】特表2015-522661(P2015-522661A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】US2013029316
(87)【国際公開番号】WO2013142055
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】61/614,262
(32)【優先日】2012年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ザクセナ,アヌブハヴ
(72)【発明者】
【氏名】ナイク,サンディープ,シャシカント
(72)【発明者】
【氏名】プカン,モンジト
(72)【発明者】
【氏名】ブハト,シュリードハル
【審査官】
岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/038242(WO,A1)
【文献】
特表平08−507798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 8/00−8/50
290/00−290/14
G02C 7/00−7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
(式中、mは、2〜100の正の整数であり、そしてnは、0〜100の正の整数であり;Aは、一般式:
【化2】
を有する二価のブロックであり(式中、R
1、R
2およびR
3は、水素、および一つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜50の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルより、独立して選択され;Eは、一般式F−L−Gの一価の基であり(式中、Fは
、エステル、エーテル、アミン、
アミド、カーボネート、およびカルバ
メートより選択される、二価の
連結基であり;Lは、一つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜100の炭素原子を有する、置換、非置換、直鎖、分枝状、環状脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素より選択される二価の部分であり;そしてGは、一般式M
1aM
2bD
1cD
2dT
1eT
2fQ
gを有するシロキサン単位であり、ここで、M
1=R
5R
6R
7SiZ
1/2、M
2=R
8R
9R
10SiZ
1/2、D
1=R
11R
12SiZ
2/2、D
2=R
13R
14SiZ
2/2、T
1=R
15SiZ
3/2、T
2=R
16SiZ
3/2、Q=SiZ
4/2;R
5、R
6、R
7、R
9、R
10、R
11、R
12、R
14およびR
15は、一つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜約50の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルより、独立して選択され;R
8、R
13およびR
16は、一般式:
【化3】
(式中、R
18、R
19、およびR
20は、水素、および一つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜10の炭素原子を有する炭化水素ラジカルより、独立して選択され、整数qは、0〜10であり、そしてR
17は1〜5の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、または水素原子であ
り、但しq=0およびLが環状残基である時、R17は水素である)を有する
、末端オレフィンの二価の残基より、独立して選択され;a、c、e、およびgは、0
または正の整数であって0<a+b+c+d+e+f+g<500
であり;下付き文字b、d、およびfは、b+d+f=lを満たすような、0または1の値を有し;そしてZは、OまたはCH
2基より選択され、分子は、偶数のO
1/2および偶数の(CH
2)
1/2基を含み、そしてO
1/2および(CH
2)
1/2基共、全て、分子内で対を成すという制限を受ける));
Bは、一般式:
【化4】
を有する二価のラジカルであり(式中、R
25、R
26、R
27、およびR
28は、水素、ハロゲン、水酸基、一つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む、芳香族、脂肪族および/またはアラルキル部分を含む炭化水素ラジカルより、独立して選択される)
;
Wは、XまたはY(Xは、反応基を表し、そしてYは、鎖停止基を表す)より選択されてよく、ここで:
Xは、一般式:
【化5】
を有するフリーラジカル重合性基であり(式中、R
21、R
22、およびR
23は、水素、または一つもしくは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜5の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルより、選択されてよく;Hは、OまたはNR
24であってよく、ここで、R
24は、水素、または1〜5の炭素を有する一価の炭化水素ラジカルであってよく;Jは、1〜10の炭素原子を有する、そしてヘテロ原子を任意に含む、置換または非置換脂肪族または芳香族炭化水素より選択される二価の部分である)
;そして
Yは、水素、水酸基、チオール、アミン、または一つもしくは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜10の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルより、独立して選択されてよい)
の直鎖シロキサンポリマー。
【請求項2】
前記Lが、ポリアルキレンオキシドより選択される親水性残基である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記Lが、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH2CH2O−、および最大6の炭素原子を有するそれらの類似体より選択されるポリアルキレンオキシドである、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
前記Lが、構造:
【化6】
を有する環状炭化水素残基である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
前記基Eの単位GにおけるR9、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R18、およびR20が、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソブチル、フェニル、ナフチル、および8〜20の炭素原子を有するアラルキルラジカルより選択される炭化水素ラジカル基、トリフルオロメチルプロピル、およびそれらの二つまたはそれを超える組み合わせより、独立して選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項6】
前記単官能基Eが、式:
【化7】
(式中、aは、0〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化8】
(式中、a+bは、0〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化9】
(式中、a+b+cは、0〜100であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化10】
(式中、aは、1〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化11】
(式中、mは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化12】
(式中、Kは、OまたはNHであり、Rは、−CH
3または−(OSi(CH
3)
2)
nであり、bは、0〜100であり、そしてn+bは、0〜100である);あるいは
【化13】
(式中、Kは、OまたはNHであり、aは、0〜100である);
のいずれかより選択される構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項7】
前記R25およびR26が、水素であり、前記R27が、水素、またはメチルラジカルより選択され、そして前記R28が、エチレン性−不飽和親水性モノマーまたは疎水性モノマーの一部である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項8】
プレポリマーを得るために、X基より選択される、W基を少なくとも一つ有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項9】
非反応性ポリマーを得るために、両方のW基が、鎖停止剤としての、Y基より選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項10】
請求項8に記載のプレポリマーを少なくとも一つ含む、ホモ−またはコポリマー。
【請求項11】
N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−カプロラクタム、N−ビニル−アセトアミド、N−ビニル−ホルムアミド、およびN−ビニル−イソプロピルアミド、ビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ビニルアルコール、ビニル含有シリコーン、またはそれらの二つまたはそれを超える組み合わせより選択されるビニルモノマー、アクリルアミドモノマー、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリレート塩酸塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、グリセロールメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル化親水性もしくは疎水性有機シリコーン、またはそれらの二つまたはそれを超える組み合わせより選択されるアクリルモノマー、あるいはそれらの二つまたはそれを超える組み合わせより選択されるフリーラジカル重合性有機モノマーを更に含む、請求項10に記載のコポリマー。
【請求項12】
ハイドロゲル膜である、請求項10〜11のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項13】
請求項10〜11のいずれか1項に記載のポリマーを、エマルジョンまたはラテックスの形状で含む、膜形成添加剤。
【請求項14】
前記ポリマーが、布地、紙、革、パーソナルケア、ヘルスケア、ホームケア、コーティング、塗料、または種子処理処方剤における膜形成添加剤である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシロキサン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「有機変性シリコーンポリマー、およびそれを含むハイドロゲル(Organo−Modified Silicone Polymers and Hydrogels Comprising the Same)」と題される、2012年3月22日に出願された米国仮出願第61/614,262号の利益を主張するものであり、参照することによって、完全にここに援用するものである。
【0002】
本発明は、有機変性シリコーン含有直鎖ポリマーに関する。一つの態様において、本発明は、ポリマーに、親水性または疎水性の性質を付与することに関する。他の態様において、本発明は、例えば、パーソナルケア、およびコンタクトレンズを含む生物医学製品の製造に好適なハイドロゲル組成物および膜を含む種々の組成物および調合物において、膜形成剤として、フリーラジカル媒介性ポリマー組成物を介して反応する、反応性ポリマー(または、プレポリマー)に関する。
【0003】
有機変性シリコーンポリマーは、ヘルスケア、パーソナルケア、ホームケア、コーティング、農業用組成物等の、数多くの用途において使用される。十分な有機含量が存在することで、そのままのシリコーンに関連する特性に顕著な変化を生じる。シリコーン有機ポリマーを合成するための一般的な方法は、シリコーンモノマー/マクロマーの有機モノマー/マクロマーとのバルク重合である。これが、合成における再現性を妨げ、そしてそれによって最終特性を妨げる、制御されない架橋度を有するランダム化された構造に繋がる。明確に定義された構造、制御された組成、そして調整可能な構造−特性関係を有するシリコーン有機ポリマーを注意深く設計および構築する方法の開発に需要がある。これらのポリマーは、更なる重合のため、末端またはペンダント反応性基を有してよい、すなわち、コポリマー、ハイドロゲル、コーティング、エマルジョン/ラテックス等の反応性組成物において、それらを有用にするプレポリマーである。或いは、本発明のプレポリマーから得られたこれらのポリマーは、パーソナルケア、布地、農業用処方剤、および石油およびガス生産関連の用途において、膜形成添加剤として用いられてよい。
【0004】
硬化性シリコーンハイドロゲル調合物は、その比較的高い酸素透過性、可とう性、快適さ、そして角膜合併症の低減により、連続装用ソフトコンタクトレンズの作製に用いられる。従来のハイドロゲル材料(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、HEMA)それ自身は酸素透過性が劣り、そしてそれらは、吸収された水分子を通して目に酸素を運搬する。水は、酸素透過性(Dk値とも呼ばれる)が低く、これはバーラー(Barrer)で表されてよく、ここで、1Barrer=10
−11(cm
3O
2)cmcm
−2s
−1mmHg
−1(ここで、「cm
2O
2」は、標準温度および圧力における酸素の量であり、「cm」は、材料の厚さを表し、そして「cm
−2」は、その材料の表面積の逆数である)である。水のDkは、80Barrerである。長期間大気に触れると、これらのレンズは、徐々に脱水し、そして角膜に運搬される酸素量が減少する。目への刺激、充血、および他の角膜合併症をもたらす可能性があり、そしてそれ故に、限られた期間の装用に、レンズの使用が限定される。
【0005】
コンタクトレンズ用のシリコーン−ハイドロゲル材料および膜は、その高い酸素透過性、可とう性、および快適さにより、人気である。しかしながら、シリコーン材料は、湿潤性に劣り、そしてそれ故に、これらのハイドロゲル調合物の含水量を改善するためにいくつかの方法が開発されてきた。これには、ハイドロゲル調合物に親水性モノマーを添加することも含まれる。しかし、このことが、シリコーンと有機モノマーとの間に非相溶性を生じ、そして相分離に繋がる。
【0006】
この問題の可能な解決策は、親水性単位をモノマーに組み込むことにより、シリコーンモノマーを本質的に親水性にすることである。親水性シリコーンモノマーを提供するための一つの方法は、有機変性シリコーンモノマーを有機モノマーと、架橋剤の存在下で重合することである。親水性を提供する従来の試みの例は、米国特許第4,260,725号;5,352,714号;5,998,498号;6,867,245号;6,013,711号;および6,207,782号に記載されているものを含む。この方法は、水−イソプロパノール溶媒混合物によって、浸出し得るモノマーをマトリックスから抽出することが必要となる、調整されていない粘度増加によって、大量の未反応モノマーに繋がり、これが加工費の増加に繋がる。更に、これらの方法によって作製されたシリコーンハイドロゲル調合物は、依然顕著な湿潤性を示さない。これを克服するために、更なる親水性モノマーまたは内部湿潤剤がハイドロゲル組成物に添加されるが、これは酸素透過性を落とす。別法として、「プラズマ酸化」等の二次処理が用いられるが、この処理は高価である。
【0007】
プレポリマーの使用は、浸出し得るモノマー/オリゴマー、加工費そして毒性を低下させるように、制御された方法で硬化される向上した親水性および酸素透過性を有するシリコーンモノマーを提供するための一つの方法である。プレポリマーの方法は、シリコーンの化学的性質を、明確に定義された構造を有し、組成調整されたシリコーン−有機ポリマーを合成するための重合技術と結びつける。酸素透過性を落とすことなく、顕著に高い親水性が達成できる。更に、ポリマー組成物は、目的の用途に応じた特有の性質を提供することに合わせるように、調節可能である。これらのポリマーは、反応性基で更に官能化され、そして硬化性組成物に組み込まれる。この概念は、再現性をもたらし、そして最終材料の純度を上げる。
【0008】
好ましいプレポリマーを提供するいくつかの従来の試みは、連鎖移動剤の存在下でのシリコーンモノマーと親水性モノマーとの、フリーラジカル重合による、単官能性プレポリマーの合成に関する、米国特許第5,981,669号を含む。これらのプレポリマーは、その後、シリコーンで構成されてよい二官能性マクロマーを有する処方剤に導入される。米国特許出願公開第2011/0166248A1号および2008/0231798号は、プレポリマーを得るための、シリコーン含有モノマーおよび親水性モノマーのブロックコポリマーを記載している。米国特許出願公開第2010/0298446号は、親水性モノマーを原子移動ラジカル重合(ATRP)によって重合するためのマクロ開始剤として働くような、ポリシロキサンブロックの官能化を報告している。この技術は、二−または四官能性のプレポリマーを生じる。米国特許出願公開第2010/0296049号は、二官能性ポリシロキサンポリマーと有機モノマーとの混合物を重合する可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)技術を記載している。米国特許出願公開第2009/0143499号は、ポリシロキサンブロック、ポリ(オキシアルキレン)ブロック、および架橋基から作製されるプレポリマーを記載している。
【0009】
従来、シリコーンハイドロゲルは、アクリレートまたはメタクリレート官能化シリコーンモノマーを、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸メチル(MMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)等の他のモノマー等のハイドロゲル(親水性)モノマーと、架橋剤、およびフリーラジカルまたは光開始剤の存在下で重合することによって作製される。架橋剤は、一般的に、二つまたはそれを超える反応性官能基を、分子の異なる部分に有する。概して、これらの部分は、重合可能なエチレン性不飽和基を含む。硬化の間、それらは、二つの異なるポリマー鎖と共有結合を形成し、そしてポリマーの強度を改善するために、安定な三次元網目構造を形成する。コンタクトレンズにおいて、通常用いられる架橋剤は、エチレングリコールジメタクリレート、およびトリメチロイルプロパントリメタクリレート(約0.1〜2重量%)を含む。他の有用な架橋剤は、ジエチレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ジグリシジルビスフェノールAジメタクリレート、およびジメタクリレート末端ポリエチレングリコール、および反応性直鎖ポリエーテル変性シリコーンを含む。
【0010】
一般的に、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ材料は、疎水性単官能性シリコーンモノマー(TRIS等)または多官能性親水性シリコーンモノマーのいずれかを用いて作製され、二次表面処理が続く。単官能性シリコーンモノマーは、コンタクトレンズ業界において、多官能性シリコーンモノマーよりも好まれる。それは、後者が、それから作製されるレンズの剛性の増加に繋がるためである。
【0011】
上記の特許に開示されるシリコーン系材料を含む、ソフトコンタクトレンズにおけるこの技術の状況は、次善の表面湿潤性および脂質沈着のような大幅な欠点を未だ抱える。有利な湿潤性および酸素透過性を有する、欠点、および現行の技術によるシリコーン含有材料で必要となる高価な表面処理無しに、コンタクトレンズを作製するために使用され得る、親水性シリコーンモノマーの需要が残る。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、シリコーン含有ポリマーを開示する。
【0013】
一つの実施態様において、本発明は、該ポリマーを、親水性、疎水性、または両親媒性にするために、構造的に変化し得るポリマー添加剤を提供する。
【0014】
他の実施態様において、本発明は、プレポリマーをより親水性にする親水性ブロックとして、ポリエーテル基を有するシリコーンモノマーを含む、プレポリマーを提供する。
【0015】
ポリマーは、シリコーン−含有モノマーの単独重合によって、および/またはシリコーン−含有モノマーと他のモノマーとの逐次的方法またはランダムでのブロック重合によって、形成される。該ポリマーは、フリーラジカル重合(FRP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、または可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)によって、そのようなモノマーを重合することによって形成される。これは、明確に定義された構造を有するポリマーの制御された合成を可能にし得る。これはまた、シロキサンブロックまたはポリエーテルブロックを制御または変更可能にすることができ、プレポリマーの酸素透過性および親水性が制御または調節される。このプロセスはまた、水素含有シロキサンの一級オレフィン性基を含むポリエーテルとのヒドロシリル化によって形成される従前のシリコーンポリエーテルに伴う問題を避ける。特に、本方法は、反応を無効にし得る、オレフィン基における二重結合の起こりうる異性化を防ぐ。
【0016】
一つの実施態様において、本発明は、式1:
【化1】
のシロキサンポリマーを提供する。
ここで、二価のブロックAは、シリコーン含有ペンダント基を含む。一つの実施態様において、該シリコーン含有ペンダント基は、アルキレンオキシド単位とシロキサン単位とを含むポリエーテル基である。
【0017】
更に他の態様において、例えば、式(1)の親水性シリコーンプレポリマー変異体等の親水性シリコーンプレポリマーを含む、ハイドロゲル組成物を提供する。一つの実施態様において、ハイドロゲル組成物は、(a)本発明の態様によるシリコーンプレポリマー、(b)フリーラジカル重合性有機モノマー、(c)開始剤、および(d)任意で、架橋剤を含む。これらのマクロマーで製造されたシリコーンハイドロゲル膜は、コンタクトレンズ用途について、従来技術に既に開示したもの等、直鎖アルキル結合基を有するモノマーから作製されたシリコーンハイドロゲル膜と比較して、改善された表面湿潤性、吸水性、接触角、酸素透過性、硬化特性、および機械特性を提供する。
【0018】
プレポリマーは、膜、エマルジョン、またはラテックス粒子を形成するために用いられ得る、ホモポリマーおよびコポリマーを作製するのに好適である。そのような材料は、幅広い種類の用途における処方剤に用いられる。一つの実施態様において、プレポリマーは、長期装用ソフトコンタクトレンズにし得る、吸水性、酸素透過性シリコーンハイドロゲル膜を作製するのに有用である。一つの実施態様において、本発明のプレポリマーを含む、ホモポリマー、コポリマー、エマルジョン、およびラテックス粒子はまた、口紅、マスカラ、ファンデーション、ローション、クリーム、シャンプー、コンディショナー、マニキュア液等の、スキンケア、ヘアケア、およびネイルケアを含む、パーソナルケア処方剤において、その付け心地、触感特性、および適用しやすさを改善するために、膜形成成分として使用されてよい。他の実施態様において、該プレポリマーを含む、ホモポリマー、コポリマー、エマルジョン、およびラテックス粒子は、天然および合成繊維共に、滑らかな、柔らかい感触、そして湿潤性を付与するための、布地および繊維処理用途に用いられてよい。更に他の実施態様において、該ホモポリマー、コポリマー、エマルジョン、およびラテックス粒子は、肥料、農薬、接着剤、または、ニス、ラテックス塗料、屋根用組成物等の、金属、プラスチック、木および紙用のコーティング処方剤に組み込まれてよい。
【0019】
本発明のこれらと他の態様は、以下の詳細な説明を参照することで、更に理解される。
【0020】
本発明の態様に従って、フリーラジカル重合に効果的な親水性基を有し、そしてコンタクトレンズ用途に使用され得る、吸水性シリコーンハイドロゲル膜の作製に有用な、新規の親水性シリコーンマクロマーを説明する。これらのモノマーより得られるシリコーンハイドロゲル膜は、従来公知の膜と比較して、優れた湿潤性、酸素透過性、および望ましい係数を示す。
【0021】
明細書および添付特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈に別途明確に指示されない限り、複数を含み、そして特定の数値への参照は、少なくとも該特定の数値を含む。
【0022】
範囲は、「約」または「およそ」一つの特定の数値から、および/または、「約」または「およそ」他の特定の数値までとして、ここに表現される。そのような範囲が表現される場合、他の実施態様は、上記一つの特定の数値から、および/または、上記他の特定の数値までを含む。同様に、数値が近似値で表現される場合、先行詞「約」を用いることにより、該特定の数値が他の実施態様を形成すると理解される。
【0023】
ここで記載される全ての方法は、ここで別段の指示が無い限り、または別段明らかに文脈に矛盾しない限り、あらゆる好適な順序で行ってよい。ここで使用されるありとあらゆる例示、または例示的な言語(例えば、「等」)は、発明をより明確にする意図に過ぎず、別段請求されない限り、発明の範囲を限定するものではない。明細書中のいかなる記述も、特許特許請求の範囲にない要素が本発明の実施に本質的であることを示すものとして理解されるべきではない。
【0024】
ここで使用される「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「〜を特徴とする」、およびそれらと文法的に同等なものは、追加の、記載されていない要素または方法ステップを排除しない、包括的または非限定の用語であるが、しかしまた、より限定的な用語「〜のみからなる」および「本質的に〜のみからなる」を含むと理解される。
【0025】
「マクロマー」は、重合、架橋、または両方され得る一つまたは複数の官能基を含んでよい中間および高分子量化合物を指す。「モノマー」は、重合可能な比較的低分子量の化合物を指す。
【0026】
「親水性」物質(例えば、親水性モノマー、親水性マクロマー、親水性ポリマー等)は、水を好む、水に対する親和性を持つ、吸水能があるもの等である。親水性物質は、水に可溶または不溶(例えば、実質的に不溶)である。一つの実施態様において、親水性物質は、親水性および疎水性部分共に含んでよいが、疎水性部分は、該物質または成分が親水性であるような相対量で存在する。一つの実施態様において、親水性物質は、少なくとも10重量%の水を吸収可能である。
【0027】
「ホモポリマー」は、同一の繰り返しマクロマーまたはモノマーから作られるポリマーである。「コポリマー」は、少なくとも二つの構造的に異なるマクロマー、少なくとも二つの構造的に異なるモノマー、または少なくとも一つのマクロマーおよび少なくとも一つのモノマーを含む、ポリマーである。(メタ)アクリレート等の表記は、アクリルレートまたはメタクリレート官能性のいずれかを有するモノマーを意味する。
【0028】
「プレポリマー」は、末端またはペンダント重合可能基を有する、中間分子量の反応中間体ポリマーである。
【0029】
「鎖停止」基は、ポリマー末端の非反応性基である。
【0030】
「非反応性ポリマー」は、余分な重合可能な基を持たないポリマーである。
【0031】
シリコーンポリマー
本発明は、シリコーン含有ポリマーを提供する。一つの実施態様において、該ポリマーは、一般構造:
【化2】
(式中、mは、2〜約100の範囲の正の整数であり、そしてnは、0〜約100の正の整数である)を有する直鎖オルガノシロキサンポリマーであってよい。二価のビルディングブロックAは、一般式:
【化3】
(式中、R
1、R
2、およびR
3は、水素、O、N、P、およびハロゲン等のヘテロ原子を任意に含む、1〜50の炭素原子を有する一価のラジカルより、独立して選択されてよい)を有する。Eは、一般構造F−L−G(式中、Fは、アルキル、エステル、エーテル、アミン、
アミド、カーボネート、カルバメート等より選択される、二価の
連結基であり;Lは、一つまたは複数のヘテロ原子を任意に含む、1〜100の炭素原子を有する、置換、非置換、直鎖、分枝状、環状脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素より選択される二価の部分であり、そして一つの実施態様において、アルコール、エーテル、エステル、アミド、アミン、尿素、ウレタン、シアノ、炭酸塩、カルバミン酸塩、チオ、またはそれらの二つまたはそれを超える組み合わせの官能基を含む;そしてGは、一般構造M
1aM
2bD
1cD
2dT
1eT
2fQ
gを有するシロキサン単位である)を有する一価の基である。Gは、直鎖または分枝状であってよく、ここで、M
1=R
5R
6R
7SiZ
1/2、M
2=R
8R
9R
10SiZ
1/2、D
1=R
11R
12SiZ
2/2、D
2=R
13R
14SiZ
2/2、T
1=R
15SiZ
3/2、T
2=R
16SiZ
3/2、Q=SiZ
4/2;R
5、R
6、R
7、R
9、R
10、R
11、R
12、R
14およびR
15は、1〜約50の炭素原子を有し、そしてヘテロ原子を任意に含む、一価の炭化水素ラジカルより、独立して選択され;R
8、R
13およびR
16は、一般式:
【化4】
(式中、R
18、R
19、およびR
20は、水素、およびヘテロ原子を任意に含む、1〜10の炭素原子を有する炭化水素ラジカルより、独立して選択され、R
17は、1〜5の炭素原子を有する炭化水素ラジカルであり、そして整数qは、0〜10であってよく;そしてR
17は、1〜5の炭素原子を有する炭化水素ラジカル、または水素原子であり、q=0およびLが環状残基である場合、R
17は水素である)を有する、非異性化ヒドロシリル化に有効な末端オレフィンの二価の残基より、独立して選択される。下付き文字a、c、e、およびgは、0
または正の整数であって0<a+b+c+d+e+f+g<500である
。下付き文字b、d、およびfは、b+d+f=lであるような、0または1の値を有してよい。Zは、OまたはCH
2基であってよく、分子が、偶数のO
1/2および偶数の(CH
2)
1/2基を含み、そしてO
1/2および(CH
2)
1/2基共、全て、分子内で対を成すという制限を受ける。
【0032】
二価のラジカルBは、一般式:
【化5】
(式中、R
25、R
26、R
27およびR
28は、独立して、水素、ハロゲン、水酸基、およびヘテロ原子を有していてよい、芳香族、脂肪族、アラルキル部分を含む炭化水素ラジカルより選択されてよい)
を有する。
【0033】
Wは、XまたはYより選択されてよく、ここで、Xは、フリーラジカル重合可能な基を表し、そしてYは、鎖停止基を表す。本発明のポリマーは、少なくとも一つのWがXより選択される場合、「プレポリマー」と称される。
【0034】
Xは、フリーラジカル重合条件下で重合可能な基である。Xに好適な分子の例は、Xは、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレート、メタクリルアミド、ビニル、アリル、メタリル、およびブテン二酸、ブテン二酸エステルまたはアミド、イタコン酸、イタコン酸エステルまたはアミド等の分子を含む内部オレフィン結合である。一つの実施態様において、Xは、一般式:
【化6】
(式中、R
21、R
22およびR
23は、水素、または1〜5の炭素原子を有する、ヘテロ原子を任意に含む、一価の炭化水素ラジカルより選択されてよく;Hは、O、またはNR
24であってよく、ここで、R
24は、水素、または1〜5の炭素原子を有する一価の炭化水素ラジカルであってよく、;Jは、1〜10の炭素原子を有し、ヘテロ原子を任意に含む、置換または非置換、脂肪族または芳香族炭化水素炭化水素より選択される、二価の部分である)
を有する重合可能な基である。
【0035】
Yは、水素、水酸基、または1〜10の炭素原子を有し、ヘテロ原子を任意に含む一価の単価水素ラジカルより、独立して選択されてよい。
【0036】
プレポリマーの例示的な実施態様において、二価ブロックAにおけるE基は、ポリアルキレンオキシドより選択される親水性残基である、スペーサ基Lを含む。一つの実施態様において、ポリアルキレンオキシド単位は、−CH
2CH
2O−、−CH
2CH(CH
3)O−、−CH
2CH
2CH
2O−、および最大6の炭素原子を有するそれらの類似体より選択される。一つの実施態様において、Lは、構造:
【化7】
を有する環状単価水素残基である。
【0037】
本発明の態様のプレポリマーの、他の例示的な実施態様において、二価のブロックAにおけるE基は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソブチル、フェニル、ナフチル、8〜20の炭素原子を有するアラルキルラジカル、トリフルオロメチルプロピル等の炭化水素ラジカルより、独立して選択される、一価のラジカルR
9、R
10、R
11、R
13、R
14、R
15、R
16、R
18、およびR
20を含む、シロキサン単位Gを含む。
【0038】
本発明の態様のプレポリマーの、他の例示的な実施態様において、単官能基Eは、式2〜9:
【化8】
(式中、aは、0〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化9】
(式中、a+bは、0〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化10】
(式中、a+b+cは、0〜100であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化11】
(式中、aは、1〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化12】
(式中、mは、0〜50であり、K=OまたはNHである);
【化13】
(式中、aは、0〜50であり、そしてmは、0〜50であり、K=OまたはNHである);そして
【化14】
(式中、Kは、OまたはNHであり、Rは、−CH
3または−(OSi(CH
3)
2)
nであり、bは、0〜100であり、そしてn+bは、0〜100である);そして
【化15】
(式中、Kは、OまたはNHであり、そしてaは、0〜100である)
のいずれかより選択される構造を有する。
【0039】
更に他の例示的な実施態様において、式1の二価のラジカル成分Bは、R
25およびR
26が、水素、R
27が、水素またはメチルラジカルより選択され、そしてR
28が、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ビニル−ピロリドン等のエチレン性−不飽和親水性モノマーの一部であるように、選択される。
【0040】
プレポリマーは、種々の用途において、そして幅広い種類の処方剤および組成物の一部として用いられる。
【0041】
一つの実施態様において、プレポリマーは、ハイドロゲル組成物を形成するために用いられる。一つの実施態様において、ハイドロゲル組成物は、(a)本発明の態様のプレポリマー、(b)フリーラジカル重合性有機モノマー、(c)開始剤、および(d)任意で、架橋剤を含む。
【0042】
プレポリマー(a)は、例えば、式1の構造を有するプレポリマー等の、本発明の態様のプレポリマーであってよい。
【0043】
ラジカル重合性があるモノマー(b)は、一つの重合性基を有する、有機、シリコーン、または有機変性シリコーン分子であってよい。好適な重合性基の非限定的な例示は、アクリレート、メタクリレート、ビニル、アリル、メタリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、カルボン酸またはエステルを有するオレフィン性不飽和炭化水素等を含む。より具体的な重合性基は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ビニル−ピロリドン、N−ビニルピロール、N−ビニルスクシンイミド、アルキルビニルエーテル、2−アクリルアミドグリコール酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、グリセロールメタクリレート、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N、N−ビニル−3−メチルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、2−アクリルアミドグリコール酸、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸およびその塩、(3−アクリルアミドプロピル)−トリメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、3−アクリロイルアミノ−l−プロパノール、2−アクリルアミドグリコール酸、メタクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(TRIS)、メタクリル酸ビス−(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル、メタクリル酸ペンタメチルジシロキサンプロピル、メタクリル酸ペンタメチルジシロキサニルメチル、メタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシエチル、メタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシエチル、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタアクリロキシカルバミン酸エチル、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、フェニルテトラメチルジシロキサニルエチルメタクリレート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルカルバミン酸ビニル、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルカルボン酸ビニル、2−(アクリロキシエトキシ)トリメチルシラン、N−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(アクリルオキシメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシランを含むが、これらに限定されない。
【0044】
一つの実施態様において、有機ラジカル重合性モノマー(b)は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の親水性モノマーより選択される。
【0045】
更に他の実施態様において、フリーラジカル重合性基(b)は、有機変性シリコーンより選択される。好適な有機変性シリコーンの非限定的な例示は、式10〜17:
【化16】
(式中、pは、0〜100、一つの実施態様において、2〜15であり、そしてaは、0〜100、一つの実施態様において、0〜20である);
【化17】
(式中、aは、0〜100、一つの実施態様において、0〜20であり;プレポリマーは、あり得る全ての異性体の一つまたは混合物を含んでよい);
【化18】
(式中、bは、0〜100、そして一つの実施態様において、0〜20であり:プレポリマーは、あり得る全ての異性体の一つまたは混合物を含んでよい);
【化19】
(式中、pは、1〜50、一つの実施態様において、2〜15であり、そしてbは、0〜100、一つの実施態様において、0〜20である);
【化20】
(式中、R
*は、トリアルキルシリルオキシ基またはメチル基であり、pは、1〜約50、または2〜約15、または約8であってもよく、そしてbは、0〜約100、または0と2を含む、または0であってもよい);
【化21】
【化22】
(式中、Rは、メチルラジカルであり、aは、1〜50の間であり、bは、1〜50の間であり;Zは、−CH
2CH
2O−、−CH
2CH(CH
3)O−、−CH
2CH
2CH
2O−、およびメタクリル基でキャップされた、最大6の炭素原子を有するそれらの類似体を含むポリエーテル部分である);および
【化23】
(式中、mは、1〜100、一つの実施態様において、1〜50、そしてnは、0〜50、一つの実施態様において0〜20である)
の一般構造を有するシリコーンを含む。
【0046】
シリコーンプレポリマーの、他の親水性不飽和有機モノマーに対する比率は、一つの実施態様において、1:100〜約100:1;約1:75〜約75:1;約1:50〜約50:1;約1:25〜約25:1;約1:10〜約10:1;約1:5〜約5:1、約1:1であってもよい。直鎖アルキル結合(メタ)アクリル化シリコーンポリエーテル鎖を有するモノマーおよびポリマーは、シロキサンを、化合物中の側鎖のポリアルキレンオキシド部分と連結する結合基にいずれの分枝をも持たない化合物を意味する。(メタ)アクリレート等の表記は、アクリルレートまたはメタクリレート官能性のいずれかを有するモノマーを意味する。本発明のモノマーは、吸水後の望ましい物理強度および耐引き裂け性を有する硬化エラストマーを得るために用いられてよい。本発明のモノ−(メタ)アクリレート官能化シリコーンモノマー/ポリマー、およびその作製およびコンタクトレンズにおける用途を以下のセクションで更に述べる。
【0047】
開始剤(c)は、例えば、重合反応の速度を促進および/または増加するために、重合技術で用いることが知られている材料より選択されてよい。開始剤は、重合反応を開始し得る化学物質である。開始剤は、光開始剤または熱開始剤であってよい。
【0048】
光開始剤は、フリーラジカル重合および/または架橋を光を用いて開始することが出来る。好適な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(HMPP)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、およびDarocurおよびIrgacure系、好ましくはDarocur(登録商標)1173および2959を含むが、これらに限定されない。ベンゾイルホスフィン開始剤の例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;およびビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルオキシドを含む。例えば、マクロマーに組み込まれる、または特別なモノマーとして使用され得る反応性光開始剤もまた好適である。反応性光開始剤の例は、欧州特許第632329号(参照することによって、完全にここに援用するものである)に開示されるものを含む。重合は、その後、化学線、例えば、光、特に、一つまたは複数の好適な波長の紫外線によって誘発され得る。適切な場合、好適な光増感剤の添加によって、スペクトル要件がその都度制御されてよい。
【0049】
好適な熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等を含むが、これらに限定されない。好ましくは、熱開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)およびl,l’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)である。
【0050】
RAFTは、重合において用いられる、可逆的付加−開裂連鎖移動技術を指す。RAFT試薬は、一般式
【化24】
(式中、R
24は、脱離基であり、そしてKは、活性化基である)有する化合物を指す。ここで用いられる用語は、当業者によって理解される、その従来の意味を持つ。本発明において、プレポリマーの合成に、あらゆる既知のRAFT試薬が使用されてよく、RAFT反応において、ジチオベンゾエート、トリチオカルボネート、キサンテート、およびジチオカルバメート分類に属するRAFT試薬が考慮される。本発明の文脈において、好ましい試薬は、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸および2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸である。
【0051】
ATRPは、当技術分野でよく知られる、リビングラジカル重合において用いられる原子移動ラジカル重合技術を指す。ATRP条件は、開始剤および触媒の利用を含む。ATRP開始剤は、次の分類、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化ベンジル、α−ハロエステル、α−ハロケトン、α−ハロニトリル、または塩化スルホニルのいずれかより選択されてよい。ATRP触媒は、Mo、Cr、Re、Ru、Fe、Rh、Ni、Pd、Cuを含む金属部分と配位子とを有する金属配位子錯体である。使用される配位子は、ビデンテート(例えば、2,2’−ビピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、トリデンテート(例えば、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA))、またはテトラデンテート(例えば、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、トリス(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミン))であってよい。本発明において使用される好ましい触媒は、Cu−PMDETA錯体である。
【0052】
架橋剤(d)は、一般的に、二つまたはそれを超える反応性官能基を分枝の異なる部位に持つ。概して、これらの部位は、重合可能なオレフィン性不飽和基を含む。硬化の間、それらは、二つの異なるポリマー鎖と共有結合を形成し、そしてこれらのポリマーの強度を改善するために安定な三次元網目構造を形成する。好適な架橋剤の非限定的な例は、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、チオ、シアヌレート等を含む。使用され得る、しかし、限定されない数例は、エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、エチレンジアミンジメタクリルアミド、ビフェノールAジメタクリレート、コートシル(coatsil)、ジアクリレートまたはジメタクリレート末端ポリジシロキサン、ジアクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン、ジメタクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン、ジメタクリル化ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。コンタクトレンズにおいて、通常使用される架橋剤は、エチレングリコールジメタクリレート、およびトリメチロイルプロパントリメタクリレート(約0.1〜2重量%)を含む。他の有用な架橋剤は、ジエチレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ジグリシジルビスフェノールAジメタクリレートおよびジメタクリレート−末端ポリエチレングリコール、および反応性直鎖ポリエーテル変性シリコーンを含む。
【0053】
本発明のポリマーおよびハイドロゲルは、紫外線吸収剤、顔料および着色剤をもまた、添加剤またはコモノマーの形状で含んでよい。
【0054】
本発明はまた、柔軟であり、可とう性がある、吸水膜を製造するために、(メタ)アクリレート官能化親水性シリコーンモノマー、およびHEMA等の従来のモノマー、または他のコンタクトレンズモノマーを含む、シリコーンハイドロゲル組成物を提供する。本発明のポリマーは、約10重量%〜約60重量%の水を吸収可能であり、優れた表面湿潤性および効果的な酸素透過性(その全てが、レンズ装着の際のよりよい快適さ、そして人間の角膜の良好な健康のために必要である)を示す。本発明はまた、特許請求された発明のシリコーン−ハイドロゲル膜から作製されたコンタクトレンズを提供する。これらの実施態様を以下に更に説明する。
【0055】
本発明のプレポリマーを用いるポリマーを形成するために、望ましいモノマーを混合し、そして得られた混合物を重合および硬化し、過酸化物または光開始剤のいずれかを用い、架橋剤の存在下で、公知の熱または紫外線硬化技術によって、透明な薄膜を形成する。ポリマーを形成するために、重合に先立って混合物を作製するために、モノマー混合物に添加されるモノマーは、モノマーまたはプレポリマーであってよい。
【0056】
本発明において製造されるプレポリマーは、ポリマー鎖中に直鎖アルキル結合基を有するモノマーと比較して、より良い酸素透過性および顕著に改善された表面湿潤性を有するシリコーンハイドロゲル膜を製造する親水性シリコーンホモ/コポリマーを形成するために使用されてよい。本発明のシリコーンハイドロゲル膜から製造されるコンタクトレンズは、プラズマ酸化またはプラズマコーティングのような高価な二次処理、または湿潤性を改善する内部湿潤剤を何ら必要としない。すなわち、本発明のシリコーンハイドロゲル膜から二次処理無しで製造されるコンタクトレンズは、柔軟であり、可とう性があり、そして本質的に湿潤であり、そして高い酸素透過性を示す。
【0057】
本発明のポリマーは、追加の均質化溶媒をいずれも使わずに、親水性ハイドロゲルモノマーに混和性を有する、存在するシロキサンモノマーの分子量に応じて直接硬化できる、澄明な、透明な、均一な単相溶液を形成する。本発明のモノマーについて、Fedors法(Robert F. Fedors, Polymer Engineering and Science, Feb. 1974, vol. 14, No. 2)に基づいて計算された溶解パラメータ値は、およそ16.5〜およそ19 (J/mol)
1/2の範囲であり、これは、TRIS等のシリコーンモノマーよりも、従来のハイドロゲルモノマー(HEMA、NVP、DMA等)の溶解パラメータ値により近い。本発明のモノマーと親水性コモノマーとの間の溶解パラメータに違いが、約7.7(J/mol)
1/2未満であれば、混和性が実現される。
【0058】
本発明の他の実施態様において、ポリマーは、当技術分野で知られるプロセスによって、シリコーンハイドロゲル膜に形成されてよい。本発明のシリコーンハイドロゲル膜は、柔軟であり、可とう性があり、そして透明度が高い。本発明のモノマーから作製されたシリコーン−ハイドロゲル膜は、直鎖アルキル結合メタクリル化シリコーンポリエーテル鎖を有するモノマーを用いて作製されたものと比較して、より良い表面湿潤性および酸素透過性を示す。ハイドロゲル膜またはレンズの酸素透過性は、本発明のシリコーンプレポリマーを、独立して、または組み合わせて選択することによって、40Dk〜400Dk単位であってよい。本シリコーンハイドロゲル膜は、ポリエーテルの分子量に応じて変化し得る、水との動的前進接触角が、100°〜30°の範囲であり、そして約10〜60重量%の水を吸収することが見出された。接触角はまた、ポリ(ビニルピロリドン)、またはポリ(ビニルアルコール)のような湿潤剤を添加することによって、定義した範囲で変化し得る。シリコーンハイドロゲルはまた、コンタクトレンズ用途に求められる、良好な機械特性(低モジュラス、高引き裂き強度等)を有する。
【0059】
従来のシリコーン−ハイドロゲル膜は、一般的に、疎水性シリコーンモノマーと親水性ハイドロゲルモノマーの混合物を、それらが互いに非相溶性であるため、約10〜40重量%の溶媒の存在下で硬化させることにより製造される。しかしながら、本発明において、本発明の親水性シリコーンマクロマーは、従来の親水性ハイドロゲルモノマー(HEMA、NVP、DMA等)に混和性を有するあることがわかっており、いずれの溶媒を使用することなく、シリコーン−ハイドロゲル膜を製造するのに好適な、均一な溶液を形成することが出来る。
【0060】
本モノマーの密度は、一般的に、25℃で0.89〜1.1g/cm
3の範囲、そしてナトリウムD線の屈折率は、1.4〜1.46の範囲である。本発明者らは、1.431を超える屈折率および0.96g/cm
3を超える密度を有するモノマーは、HEMAのような親水性モノマーと、均一な、澄明な、そして透明な、完全に混和性を有する組成物または擬混和性組成物を相溶化溶媒無しで製造することを見出した。上記の通り、従来のシリコーンモノマー(例えば、TRIS)は、シリコーンハイドロゲルを作製するための混和組成物を得るために、HEMAのような親水性モノマーと溶媒の存在下で混合しなければならない。本発明のシリコーンハイドロゲルコポリマーを作製するために使用されるハイドロゲルコモノマーは、HEMA、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸(MAA)等の親水性アクリルであってよい。
【0061】
本発明において、得られるポリマーは、当技術分野において知られるプロセスを経て、シリコーン−ハイドロゲル膜に形成されてよい。従って、本発明はまた、本発明のホモまたはコポリマーのいずれかより製造されるコンタクトレンズに関する。本発明のモノマー/ポリマーは、米国特許第3,408,429号および第3,496,254号に開示される回転成形プロセス、米国特許第4,084,459号および第4,197,266号に開示される注型成形プロセス、それらの方法の組み合わせ、またはコンタクトレンズ作製のための他のいずれかの既知の方法によって、コンタクトレンズに形成されてよい。重合は、目的のコンタクトレンズの形状に応じて、回転型または固定型のいずれかで行われてよい。レンズは、必要に応じて、更に機械仕上げされる。重合はまた、ボタン、板状、管、または棒に形成するために、適切な鋳型または容器で行われてもよく、その後、目的の形状を有するコンタクトレンズを得るために、加工(例えば、旋盤またはレーザーによって切断または研磨)されてもよい。
【0062】
本発明で得られるポリマーから作られたコンタクトレンズの相対的な柔らかさまたは硬さは、活性化不飽和基(メタクリロキシ等)で末端キャップされたポリシロキサンプレポリマーの分子量を低下または増加させることによって、またはコモノマーのパーセントを変えることによって、変更され得る。一般的に、ポリシロキサン単位の末端キャップ単位に対する比率が増加するにつれて、材料の柔軟性が増加する。
【0063】
上記の通り、本発明のシリコーンハイドロゲルは、直鎖アルキル結合基を有するシリコーンポリエーテルコポリマーと比較した場合、改善された表面湿潤特性と共に、より高い酸素運搬を示す。本発明に従って使用されるモノマーおよびプレポリマーは、容易に重合され、より良い機械的および光学的透明度に加え、改善された湿潤性と共に酸素運搬を可能にする三次元網目構造を形成する。
【0064】
該膜の具体的な用途は、眼内コンタクトレンズ、人工角膜、および使い捨て長期装用ソフトコンタクトレンズ、または生物医学装置用コーティングを含む。
【0065】
非反応性ポリマーは、例えば、式1の構造を有する非反応性ポリマー等の、本発明の態様に従った非反応性ポリマーであってよい。
【0066】
本発明の態様は、以下の非限定的な実施例を参照することにより、更に理解される。
【実施例】
【0067】
シリコーンモノマー
実施例1:ATRPを介するポリ(トリシロキサンポリエーテル)8
平均構造((CH
3)
3SiO)
2Si(CH
3)CH
2CH(CH
3)CH
2O(CH
2CH
2O)
8C(O)C(CH
3)CH
2を有する、末端メタクリレート基を有するシリコーンポリエーテルモノマーを、2−ブロモイソ酪酸2−ヒドロキシエチルを用いるATRPを介して、目的の重合度(D
p)8まで単独重合させた。計算値のシリコーンポリエーテルおよびトルエンを、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。必要量のPMDETAおよびCu(I)Brを添加し、そして反応混合物を更にパージした。混合物は、Cu−PMDETA錯体の形成を示すミントグリーン色に変化した。最後に、2−ブロモイソ酪酸2−ヒドロキシエチルを混合物に添加し、そしてフラスコを70℃で保持された油浴におく。配位子/開始剤/触媒のモル比は、1/1/1に維持された。混合物にヘキサンを添加することによって、反応を停止(quenched)した。銅塩を濾去し、そして溶媒を除去し、青色の粘性生成物を得た。該生成物をアセトンに再溶解し、そしてTulsion T−66 MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、あらゆる微量銅を除去した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、ヒドロキシポリ(トリシロキサンポリエーテル)
8を得た。ATRP反応は、通常90〜95%に達する。
【0068】
実施例2:メタクリル化ポリ(トリシロキサンポリエーテル)8
滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、実施例1のシリコーンポリマー、トルエンおよびトリエチルアミンを氷浴温度で入れた。計算値の塩化メタクリロイルを20分間滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、メタクリル化中に形成したあらゆるメタクリル酸副生成物を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、メタクリル化ポリ(トリシロキサンポリエーテル)
8を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0069】
実施例3:ポリ(トリシロキサンポリエーテル)3
平均構造((CH
3)
3SiO)
2Si(CH
3)CH
2CH(CH
3)CH
2O(CH
2CH
2O)
8C(O)C(CH
3)CH
2を有する、末端メタクリレート基を有するシリコーンポリエーテルモノマーを、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、目的の重合度(D
p)3まで単独重合させた。計算値のシリコーンポリエーテルおよびトルエンを、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値のメルカプトエタノールおよび2−2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を反応混合物に添加し、混合物を更にパージした。フラスコを70〜75℃で保持された油浴に置いた。ヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、ポリ(トリシロキサンポリエーテル)
3を得た。典型的なFRP反応は、最大80〜90%の転換率に達する。
【0070】
実施例4:メタクリル化ポリ(トリシロキサンポリエーテル)3
滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、実施例3のシリコーンポリマー、トルエンおよびトリエチルアミンを入れ、氷浴に置いた。計算値の塩化メタクリロイルを滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP (Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、反応の間に形成したあらゆるメタクリル酸副生成物を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、メタクリル化ポリ(トリシロキサンポリエーテル)
3を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0071】
実施例5:P(トリシロキサンポリエーテル−ran−HEMA)
平均構造((CH
3)
3SiO)
2Si(CH
3)CH
2CH(CH
3)CH
2O(CH
2CH
2O)
8C(O)C(CH
3)CH
2を有する、末端メタクリレート基を有するシリコーンポリエーテルモノマーを、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、総重合度(D
p)6まで、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)と共重合させた。計算値のシリコーンポリエーテル、HEMA、トルエン、および2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値の2−メルカプトエタノールを反応混合物に添加し、フラスコを70〜75℃で保持された油浴に更に置いた。ヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、OH−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−HEMA)
5を得た。典型的なFRP反応は、ほぼ80%の転換率に達する。
【0072】
実施例6:メタクリレート官能化P(トリシロキサンポリエーテル−ran−HEMA)
実施例5のシリコーンポリマーの水酸基は、エチレン性−不飽和末端基を得るために更にメタクリル化された。滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、OH−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−HEMA)
5、トルエンおよびトリエチルアミンを氷浴温度で入れた。計算値の塩化メタクリロイルを滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、反応中に形成したあらゆるメタクリル酸副生成物を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、Mac−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−HEMA))
5を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0073】
実施例7:P(トリシロキサンポリエーテル−ran−NVP)
平均構造((CH
3)
3SiO)
2Si(CH
3)CH
2CH(CH
3)CH
2O(CH
2CH
2O)
8C(O)C(CH
3)CH
2を有する、末端メタクリレート基を有するシリコーンポリエーテルモノマーを、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、総重合度(D
p)6まで、N−ビニルピロリドン(NVP)と共重合させた。計算値のシリコーンポリエーテル、NVP、トルエン、および2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値の2−メルカプトエタノールを反応混合物に添加し、フラスコを70〜75℃で保持された油浴に更に置いた。ヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、OH−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−NVP)
5を得た。典型的なFRP反応は、ほぼ80%の転換率に達する。
【0074】
実施例8:メタクリレート官能化P(トリシロキサンポリエーテル−ran−NVP)
実施例7のシリコーンポリマーの水酸基は、エチレン性−不飽和末端基を得るために更にメタクリル化された。滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、OH−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−NVP)
5、トルエンおよびトリエチルアミンを氷浴温度で入れた。計算値の塩化メタクリロイルを滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、反応中に形成したあらゆるメタクリル酸副生成物を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、Mac−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−NVP))
5を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0075】
実施例9:メタクリレート官能化P(トリシロキサンポリエーテル−ran−DMA)
平均構造((CH
3)
3SiO)
2Si(CH
3)CH
2CH(CH
3)CH
2O(CH
2CH
2O)
5C(O)C(CH
3)CH
2を有する、末端メタクリレート基を有するシリコーンポリエーテルモノマーを、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)開始剤、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、総重合度(D
p)10まで、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)と共重合させた。計算値のシリコーンポリエーテル、DMA、トルエン、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)を、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値の2−メルカプトエタノールを反応混合物に添加し、フラスコを95℃で保持された油浴に更に置いた。ヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、OH−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−DMA)
10を得た。反応は、約95%の転換率に達した。
【0076】
実施例10:メタクリレート官能化P(トリシロキサンポリエーテル−ran−DMA)
実施例9のシリコーンポリマーの水酸基は、エチレン性−不飽和末端基を得るために更にメタクリル化された。滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、OH−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−DMA)
10、トルエンおよびトリエチルアミンを入れ、氷浴に置いた。計算値の塩化メタクリロイルを滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、反応中に形成したあらゆるメタクリル酸を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、Mac−P(トリシロキサンポリエーテル−ran−DMA))
10を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0077】
実施例11:メタクリレート官能化P[5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート]
5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)を、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)開始剤、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、目的の重合度(D
p)10まで単独重合させた。計算値のシリコーンモノマー、トルエン、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)を、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値の2−メルカプトエタノールを反応混合物に添加し、そしてフラスコを95℃で保持された油浴に更に置いた。いくらかのヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、OH−P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート))
10を得た。反応は、約95%の転換率に達した。
【0078】
実施例12:メタクリレート官能化P[5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート]
実施例11のシリコーンポリマーの水酸基は、エチレン性−不飽和末端基を得るために更にメタクリル化された。滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、OH−P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート))
10、トルエンおよびトリエチルアミンを氷浴温度で入れた。計算値の塩化メタクリロイルを滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、反応中に形成したあらゆるメタクリル酸副生成物を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、Mac−P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート))
10を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0079】
実施例13:P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート−ran−DMA)
5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)を、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)開始剤、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、総重合度(D
p)10まで、ジメチルアクリルアミドと共重合させた。計算値のシリコーンモノマー、トルエン、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)を、還流冷却器およびゴム隔膜を備えた丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値の2−メルカプトエタノールを反応混合物に添加し、そしてフラスコを95℃で保持された油浴に更に置いた。ヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、OH−P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)−ran−DMA)
10を得た。反応は、約95%の転換率に達した。
【0080】
実施例14:メタクリレート官能化P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート−ran−DMA)
13のシリコーンポリマーの水酸基は、エチレン性−不飽和末端基を得るために、更にメタクリル化された。滴下漏斗および窒素導入口を備えた丸底フラスコに、OH−P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)−ran−DMA)
10、トルエンおよびトリエチルアミンを氷浴温度で入れた。計算値の塩化メタクリロイルを滴下した。反応を同じ温度で1時間攪拌した後、室温で2時間攪拌した。形成したトリエチルアミン塩酸塩を濾去し、反応混合物を濃縮した。生成物をヘキサンに再溶解し、Tulsion A−2X MP(Thermax India Ltd.製のTulsion)で攪拌し、反応中に形成したあらゆるメタクリル酸副生成物を除去した。生成物を濾過し、そして濾液に50ppmハイドロキノンを添加した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性液体、Mac−P(5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)−ran−DMA)
10を得た。全ての反応ステップおよび生成物を、
1Hおよび
29Si NMR’sによって確認した。
【0081】
実施例15:ヒドロキシ官能化P(LA−ran−BA−ran−5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート))
5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)を、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)開始剤、そして連鎖移動剤(CTA)としてメルカプトエタノールを用いるFRPを介して、総重合度(D
p)180まで、アクリル酸ラウリルおよびアクリル酸ブチルと共重合させた。シリコーンモノマー、アクリル酸ラウリルおよびブチルを、所要の供給速度で、トルエン、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)と共に、丸底フラスコに入れた。反応混合物を、ハミルトンニードルを介して該混合物に直接窒素をバブリングすることによって、パージした。計算値の2−メルカプトエタノールを反応混合物に添加し、そしてフラスコを95℃で保持された油浴に更に置いた。いくらかのヘキサンを反応混合物に添加後、反応を停止(quenched)した。溶媒を除去し、淡黄色の粘性生成物、OH−P(LA−ran−BA−ran−5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート))を得た。反応は、約95%の転換率に達した。
1Hおよび
13C NMR’sによって、反応を監視し、そして生成物を確認した。
【0082】
実施例16:乳化重合を介するコポリマー
5−(2−(l,l,l,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン−3−イル)エチル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート(13重量%)、アクリル酸ブチル(10重量%)およびエチレングリコールジメタクリレート、EGDMA(有機相の0.25重量%)を、三角フラスコ中で十分に混合した。この有機混合物を、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(5重量%)および水(72重量%)の溶液に、激しく攪拌しながら滴下した。このエマルジョンに、過硫酸カリウム(有機相に対して1重量%)を、熱開始剤として添加し、反応を、85℃で2時間保持された油浴に入れた。予想はそれぞれ28%であったものの、反応は86%の転換率に達し、最終固体含量は24%を測定した。水を蒸発させる為に、溶液をペトリ皿に注ぎ、均一なフィルムを得た。
【0083】
ハイドロゲル膜
ハイドロゲル膜は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N−ビニルピロリドン(NVP)等の他の有機モノマー、およびエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)等の架橋剤と共に、上記の実施例由来の材料を配合して作製される。該膜は、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンまたはIrgacure 819をラジカル開始剤(0.5〜1重量%)として用いて硬化された。得られた澄明で均一な溶液は、測定ギャップが約1mmになるまで、ガラス、ポリプロピレン、PET(ポリ(エチレンテレフタレート))のいずれかに注いだ。処方剤を、強度105mW/cm
2、5〜40秒間の365nmUV照射により硬化させる。
【0084】
【表1】
【0085】
本発明を好ましい実施態様と共に上述したが、当業者は、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であり、そして同等のものがその要素の代わりとなり得ることを理解するであろう。本発明は、発明を実施するための最良の形態として開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、本発明は、添付される請求項の範囲に含まれる全ての実施態様を含むことを目的とする。ここで言及された全ての引用は、それらを参照することにより明示的にここに組み込まれる。